JP2930062B2 - 液晶添加剤並びにそれを用いた液晶組成物および液晶表示素子 - Google Patents

液晶添加剤並びにそれを用いた液晶組成物および液晶表示素子

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JP2930062B2
JP2930062B2 JP32583597A JP32583597A JP2930062B2 JP 2930062 B2 JP2930062 B2 JP 2930062B2 JP 32583597 A JP32583597 A JP 32583597A JP 32583597 A JP32583597 A JP 32583597A JP 2930062 B2 JP2930062 B2 JP 2930062B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気光学的な液晶
ディスプレイに用いられる液晶組成物への添加剤に関す
る。また、本発明は、上記液晶添加剤を用いた液晶組成
物及びそれを用いた液晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶ディスプレイは従来の時計、電卓の
みならず、現在では携帯端末、ノートPC、ワークステ
ーション用表示装置として実用化されており、その用途
は拡大している。このような環境下においては、LCD
の要求性能として動画対応可能高精細化が求められてい
る。高精細動画対応可能なディスプレイを実現するため
には、それを構成する液晶表示素子の高速化、即ち高速
応答可能な液晶組成物が必要とされる。現在のところ、
高速応答可能な液晶組成物を得る有効な手段として、液
晶組成物の配合成分として環状化合物(フェニル基、シ
クロヘキシル基等)の側鎖及び末端にフッ素原子を導入
したフッ素置換化合物が開発されている。その例とし
て、メルク(E.Merck)社のプロシーディング・オブ・
エスピーアイイー・カンファレンス(V.Reiffenrath e
t.al. Proc.of SPIE Conference (1990) p84)からフッ
素置換トラン化合物が報告されている。この化合物は高
速応答可能な液晶組成物の配合成分として有効であると
されているが、具体的な応答時間の数値については報告
されていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】液晶ディスプレイは従
来からの時計、計算機用表示装置をはじめ、現在では携
帯用端末として用いられており、このように様々な製品
への応用が拡大するにつれ、液晶材料に対する要求性能
が厳しいものになりつつある。高精細動画表示可能な液
晶ディスプレイを実現するためには液晶組成物の高速化
が必要とされるが、前記の従来の化合物では十分な高速
化を達成したものは得られてはいなかった。
【0004】本発明の目的は、液晶組成物に添加するこ
とにより高速応答可能な液晶表示素子を得ることができ
る液晶添加剤を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するために鋭意検討した結果、置換基としてハ
ロゲン原子を持つピペラジン環を有する化合物からなる
液晶添加剤と、ネマチック組成物またはスメクチック液
晶組成物から構成される液晶組成物が高速応答性に優れ
ていること見いだし、本発明に至った。
【0006】すなわち、本発明において置換基としてハ
ロゲン原子を持つピペラジン環を有する化合物とは、一
般式(1)で示されるピペラジン化合物である。ただ
し、式中において、Ar1、Ar2は相互に独立した環状
置換基、Pyは置換基としてハロゲン原子を有する1,
4−ピペラジニル基、nは整数0〜2、mは整数0〜2
を示す。n、mの両方が0になることはない。 (Ar1)n−Py−(Ar2)m …(1)
【0007】
【発明の実施の形態】一般式(1)で示される化合物と
して、例えば、次式で示されるようなピペラジン化合物
が挙げられるが、特に限定されない。
【0008】
【化1】
【0009】この場合、相溶性の観点から、環状置換基
Ar1、Ar2のうち少なくとも一つが−Cn2n+1、−
OCn2n+1、−F、−Cl、−Br、−I、−OH、
−CF 3、−CN(式中nは0〜10の整数)より選ば
れる置換基を有することが好ましく、この例としては以
下のようなものが挙げられる。またさらなる相溶性を考
慮すると、Ar1、Ar2の両方が上記の置換基を有して
いることが好ましい。
【0010】
【化2】
【0011】また、高速応答性の観点から、環状置換基
Ar1、Ar2がともに1,4−フェニル基または1,4
−シクロヘキシル基であること、さらにはこれらが置換
基を有することが好ましい。この例としては、例えば次
式で示されるようなピペラジン化合物が挙げられる。
【0012】
【化3】
【0013】加えて、化学安定性、高速応答性の観点か
ら、置換基としてハロゲン原子を有する1,4−ピペラ
ジニル基Pyが置換基としてF原子、Cl原子を有する
ことがさらに好ましい。この例としては次式のようなも
のがある。
【0014】
【化4】
【0015】さらに、相溶性、高速応答性の観点から、
環状置換基Ar1、Ar2の数m、nの一方が0であるこ
とが好ましい。この例としては次式のようなものがあ
る。
【0016】
【化5】
【0017】本発明の液晶組成物は、上述した本発明の
液晶添加剤を添加したものである。この場合、母体液晶
組成物はネマチック液晶組成物またはスメクチック液晶
組成物であることが好ましい。また、組成比率は母体液
晶組成物に対して前記のようなピペラジン化合物のいず
れかを1〜50重量%含有するのが好ましい。前記ピペ
ラジン化合物は添加量50重量%を越える条件では母体
液晶組成物に対する相溶性が著しく低下する。一方、前
記ピペラジン化合物を1重量%未満含む液晶組成物で
は、応答速度の向上が殆ど見られない。このため、母体
液晶組成物に対して前記のようなピペラジン化合物のい
ずれかを1〜50重量%配合するのが好ましい。本発明
の液晶組成物を用いた液晶表示素子は、高速応答性に優
れている。
【0018】
【実施例】以下、本発明を各実施例で詳細に説明する
が、本発明はその要旨を逸脱しない限り以下の実施例に
限定されるものではない。 (実施例1)1−(4’−ブチルフェニル)−3,5−
ジフルオロ−4−ブチルピペラジンの合成
【0019】
【化6】
【0020】本化合物は上記反応経路にならって合成し
た。窒素雰囲気下、200mlのナスフラスコにブチル
アニリン(3.63g、0.0244mol)、ジイオ
ドフルオロエタン(14.6g、0.0488mo
l)、炭酸水素ナトリウム(4g、0.0243mo
l)、水(50ml)、メタノール(20ml)を投入
し、90℃で9時間、撹拌還流させる。反応終了後、オ
イルバスを120℃まで加熱し、蒸留により、メタノー
ル、水、未反応のブチルアニリン、ジイオドフルオロエ
タンを取り除く。得られた反応溶液をカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:トルエン)に投入し、目的の化合
物ジ(イオドフルオロエチル)ブチルアニリン(8.0
6g、収率:73%)を単離した。
【0021】一方、300mlのナスフラスコに、先程
合成したジ(イオドフルオロエチル)ブチルアニリン
(5g、0.0101mol)、ブチルアミン(0.7
4g、0.0101mol)、水(100ml)、アセ
トン(80ml)、メタノール(50ml)を投入し、
90℃で7時間、撹拌還流させる。この間、2時間おき
にアセトン(約100ml)を投入する。反応終了後、
蒸留により水、メタノール、アセトンを除去させ、カラ
ム精製により目的の化合物1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3,5−ジフルオロ−4−ブチルピペラジン
(1.72g、収率:55%)を単離した。化合物の精
製はカラム精製を繰り返すことにより行い、また、化合
物の構造は1H,13C−NMRスペクトル分析により
決定した。
【0022】(実施例2)1−(4’−フルオロフェニ
ル)−3,5−ジフルオロ−4−ブチルピペラジンの合
【0023】
【化7】
【0024】本化合物は上記反応経路にならって合成し
た。窒素雰囲気下、200mlのナスフラスコにフルオ
ロアニリン(2.71g、0.0244mol)、ジイ
オドフルオロエタン(14.6g、0.0488mo
l)、炭酸水素ナトリウム(4g、0.0243mo
l)、水(50ml)、メタノール(20ml)を投入
し、90℃で9時間、撹拌還流させる。反応終了後、オ
イルバスを120℃まで加熱し、蒸留により、メタノー
ル、水、未反応のフルオロアニリン、ジイオドフルオロ
エタンを取り除く。得られた反応溶液をカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:トルエン)に投入し、目的の化
合物ジ(イオドフルオロエチル)フルオロアニリン
(7.66g、収率:69%)を単離した。
【0025】一方、300mlのナスフラスコに、先程
合成したジ(イオドフルオロエチル)ブチルアニリン
(5g、0.011mol)、ブチルアミン(0.80
4g、0.011mol)、水(100ml)、アセト
ン(80ml)、メタノール(50ml)を投入し、9
0℃で7時間、撹拌還流させる。この間、2時間おきに
アセトン(約100ml)を投入する。反応終了後、蒸
留により水、メタノール、アセトンを除去させ、カラム
精製により目的の化合物1−(4’−フルオロフェニ
ル)−3,5−ジフルオロ−4−ブチルピペラジン
(1.76g、収率:59%)を単離した。化合物の精
製はカラム精製を繰り返すことにより行い、また、化合
物の構造は1H,13C−NMRスペクトル分析により
決定した。
【0026】(実施例3)1−(4’−フルオロフェニ
ル)−2,6−ジフルオロ−4−ブチルピペラジンの合
【0027】
【化8】
【0028】本化合物は上記反応経路にならって合成し
た。窒素雰囲気下、200mlのナスフラスコにブチル
アミン(1.78g、0.0244mol)、ジイオド
フルオロエタン(14.6g、0.0488mol)、
炭酸水素ナトリウム(4g、0.0243mol)、水
(50ml)、メタノール(20ml)を投入し、90
℃で9時間、撹拌還流させる。反応終了後、オイルバス
を120℃まで加熱し、蒸留により、メタノール、水、
未反応のブチルアミン、ジイオドフルオロエタンを取り
除く。得られた反応溶液をカラムクロマトグラフィー
(展開溶媒:トルエン)に投入し、目的の化合物ジ(ブ
ロモフルオロエチル)ブチルアミン(7.8g、収率:
77%)を単離した。
【0029】一方、300mlのナスフラスコに、先程
合成したジ(ブロモフルオロエチル)ブチルアミン(5
g、0.012mol)、ブチルアニリン(1.79
g、0.012mol)、水(100ml)、アセトン
(80ml)、メタノール(50ml)を投入し、90
℃で7時間、撹拌還流させる。この間、2時間おきにア
セトン(約100ml)を投入する。反応終了後、蒸留
により水、メタノール、アセトンを除去させ、カラム精
製により目的の化合物1−(4’−フルオロフェニル)
−2,6−ジフルオロ−4−ブチルピペラジン(1.8
2g、収率:49%)を単離した。化合物の精製はカラ
ム精製を繰り返すことにより行い、また、化合物の構造
は1H,13C−NMRスペクトル分析により決定し
た。
【0030】(実施例4)1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3,3,5,5−テトラフルオロ−4−ブチルピ
ペラジンの合成
【0031】
【化9】
【0032】本化合物は上記反応経路にならって合成し
た。窒素雰囲気下、200mlのナスフラスコにブチル
アニリン(3.34g、0.0224mol)、ジイオ
ドジフルオロエタン(14.2g、0.0448mo
l)、水(50ml)、炭酸水素ナトリウム(3.76
g、0.0448mol)、メタノール(20ml)を
投入し、90℃で9時間、撹拌還流させる。反応終了
後、オイルバスを120℃まで加熱し、蒸留により、メ
タノール、水、未反応のブチルアニリン、ジイオドジフ
ルオロエタンを取り除く。得られた反応溶液をカラムク
ロマトグラフィー(展開溶媒:トルエン)に投入し、目
的の化合物ジ(イオドジフルオロエチル)ブチルアニリ
ン(6.55g、収率64%)を単離した。
【0033】一方、200mlのナスフラスコに、合成
したジ(イオドジフルオロエチル)ブチルアミン(5
g、0.011mol)、ブチルアミン(0.81g、
0.011mol)、水(100ml)、アセトン(8
0ml)、メタノール(50ml)を投入し、90℃で
7時間、撹拌還流させる。この間、2時間おきにアセト
ン(100ml)を投入する。反応終了後、蒸留により
水、メタノール、アセトンを除去させ、エタノールを投
入させ、再結晶により目的の化合物1−(4’−ブチル
フェニル)−3,3,5,5−テトラフルオロ−4−ブ
チルピペラジン(3.31g、57%)を単離した。化
合物の精製はエタノールに再結晶を繰り返すことにより
行い、また、化合物の構造は1H,13C−NMRスペ
クトル分析により決定した。
【0034】(実施例5)1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3−フルオロ−4−ブチルピペラジンの合成
【0035】
【化10】
【0036】本化合物は上記反応経路にならって合成し
た。窒素雰囲気下、200mlのナスフラスコにブチル
アニリン(3.34g、0.0224mol)、ジイオ
ドフルオロエタン(6.72g、0.0224mo
l)、水(50ml)、炭酸水素ナトリウム(3.76
g、0.0448mol)、メタノール(20ml)を
投入し、90℃で9時間、撹拌還流させる。そして、反
応溶液を室温に戻した後、ジイオドエタン(5.91
g、0.0224mol)を投入して、再び90℃で9
時間撹拌還流させる。反応終了後、オイルバスを120
℃まで加熱し、蒸留により、メタノール、水、未反応の
ブチルアニリン、ジイオドフルオロエタン、ジイオドエ
タンを取り除く。得られた反応溶液をカラムクロマトグ
ラフィー(展開溶媒:トルエン)に投入し、目的の化合
物(イオドフルオロエチル)(イオドエチル)ブチルア
ニリン(4.68g、収率44%)を単離した。
【0037】一方、200mlのナスフラスコに、合成
した(イオドフルオロエチル)(イオドエチル)ブチル
アニリン(4g、0.0084mol)、ブチルアミン
(0.62g、0.0084mol)、水(100m
l)、アセトン(80ml)、メタノール(50ml)
を投入し、90℃で7時間、撹拌還流させる。この間、
2時間おきにアセトン(100ml)を投入する。反応
終了後、蒸留により水、メタノール、アセトンを除去さ
せ、エタノールを投入させ、再結晶により目的の化合物
1−(4’−ブチルフェニル)−3−フルオロ−4−ブ
チルピペラジン(1.0g、収率41%)を単離した。
化合物の精製はエタノールに再結晶を繰り返すことによ
り行い、また、化合物の構造は1H,13C−NMRス
ペクトル分析により決定した。
【0038】(実施例6)1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3,3−ジフルオロ−4−ブチルピペラジンの合
【0039】
【化11】
【0040】本化合物は上記反応経路にならって合成し
た。窒素雰囲気下、200mlのナスフラスコにブチル
アニリン(3.34g、0.0224mol)、ジイオ
ドジフルオロエタン(7.12g、0.0224mo
l)、水(50ml)、炭酸水素ナトリウム(3.76
g、0.0448mol)、メタノール(20ml)を
投入し、90℃で9時間、撹拌還流させる。そして、反
応溶液を室温に戻した後、ジイオドエタン(5.91
g、0.0224mol)を投入して、再び90℃で9
時間撹拌還流させる。反応終了後、オイルバスを120
℃まで加熱し、蒸留により、メタノール、水、未反応の
ブチルアニリン、ジイオドジフルオロエタン、ジイオド
エタンを取り除く。得られた反応溶液をカラムクロマト
グラフィー(展開溶媒:トルエン)に投入し、目的の化
合物(イオドジフルオロエチル)(イオドエチル)ブチ
ルアニリン(4.52g、収率41%)を単離した。
【0041】一方、200mlのナスフラスコに、合成
した(イオドジフルオロエチル)(イオドエチル)ブチ
ルアニリン(4g、0.0081mol)、ブチルアミ
ン(0.59g、0.0081mol)、水(100m
l)、アセトン(80ml)、メタノール(50ml)
を投入し、90℃で7時間、撹拌還流させる。この間、
2時間おきにアセトン(100ml)を投入する。反応
終了後、蒸留により水、メタノール、アセトンを除去さ
せ、エタノールを投入させ、再結晶により目的の化合物
1−(4’−ブチルフェニル)−3,3−ジフルオロ−
4−ブチルピペラジン(1.28g収率51%)を単離
した。化合物の精製はエタノールに再結晶を繰り返すこ
とにより行い、また、化合物の構造は1H,13C−N
MRスペクトル分析により決定した。
【0042】(実施例7)4’−(3’’,5’’−ジ
フルオロ−4’’−ブチルピペラジニル)−4−ブチル
ビフェニルの合成
【0043】
【化12】
【0044】本化合物は上記反応経路にならって合成し
た。窒素雰囲気下、200mlのナスフラスコに4−ブ
チル4’−アミノビフェニル(4.5g、0.0224
mol)、ジイオドフルオロエタン(10g、0.04
48mol)、水(50ml)、炭酸水素ナトリウム
(3.76g、0.0448mol)、メタノール(2
0ml)を投入し、90℃で9時間、撹拌還流させる。
反応終了後、オイルバスを120℃まで加熱し、蒸留に
より、メタノール、水、未反応の4−ブチル4’−アミ
ノビフェニル、ジブロモフルオロエタンを取り除く。得
られた反応溶液をカラムクロマトグラフィー(展開溶
媒:トルエン)に投入し、目的の化合物4−ブチル4’
−ジ(ブロモジフルオロエチル)ビフェニル(8.02
g、収率63%)を単離した。
【0045】一方、200mlのナスフラスコに、合成
した4−ブチル4’−ジ(ブロモジフルオロエチル)ビ
フェニル(5g、0.0088mol)、ブチルアニリ
ン(0.64g、0.0088mol)、水(100m
l)、アセトン(80ml)、メタノール(50ml)
を投入し、90℃で7時間、撹拌還流させる。この間、
2時間おきにアセトン(100ml)を投入する。反応
終了後、蒸留により水、メタノール、アセトンを除去さ
せ、エタノールを投入させ、再結晶により目的の化合物
4’−(3’’,5’’−ジフルオロ−4’’−ブチル
ピペラジニル)−4−ブチルビフェニル(1.97g、
58%)を単離した。化合物の精製はエタノールに再結
晶を繰り返すことにより行い、また、化合物の構造は1
H,13C−NMRスペクトル分析により決定した。
【0046】(比較例1)配向膜としてポリイミドを塗
布し、表面をラビングして90゜ツイスト配向処理を施
した透明電極を備えたセル間隔5μmの液晶セルに液晶
組成物を真空封入し、透過率−電圧曲線、応答時間を測
定した。透過率−電圧曲線は、液晶セルを2枚の直交す
る偏光子の間に設置し、液晶セルに1KHz、0〜5V
の電圧を印加し、ノーマリーホワイトモードで測定し
た。この透過率−電圧曲線において透過率の最大値を1
00%、最小値を0%とし、透過率が90%を示す印加
電圧をV90、透過率が10%を示す印加電圧をV10
とした(図1)。応答速度は、1KHz、5Vの電圧を
1s間隔で印加し、透過率が100%から10%に変化
するのに要する時間をτとした(図2)。また、配向膜
としてポリイミドを塗布し、表面をラビングして180
゜配向処理を施した透明電極を備えたセル間隔25μm
の液晶セルに液晶組成物を真空封入し、静電容量の電圧
依存性より誘電率異方性Δεを測定した。測定はいずれ
も25℃で行った。末端にフッ素原子を有する化合物の
みで構成された液晶組成物1では、V90=1.78
V、V10=2.90V、τ=15.2ms、Δε=
4.4であった。
【0047】(比較例2)末端にフッ素原子を有する化
合物のみで構成された液晶組成物2について、比較例1
と同様な方法で透過率−電圧曲線、応答時間および誘電
率異方性を測定したところ、V90=2.02V、V1
0=2.96V、τ=17.6ms、Δε=5.1であ
った。
【0048】(実施例8)比較例1における液晶組成物
1に実施例1記載の化合物1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3,5−ジフルオロ−4−ブチルピペラジンを
8.3重量%添加した組成物について、比較例1と同様
な方法で透過率−電圧曲線、応答時間および誘電率異方
性を測定したところ、V90=1.60V、V10=
2.73V、τ=9.9ms、Δε=4.4であった。
【0049】(実施例9)比較例1における液晶組成物
1に実施例1記載の化合物1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3,5−ジフルオロ−4−ブチルピペラジンを
4.2重量%添加した組成物について、比較例1と同様
な方法で透過率−電圧曲線、応答時間および誘電率異方
性を測定したところ、V90=1.72V、V10=
2.84V、τ=13.5ms、Δε=4.4であっ
た。
【0050】(実施例10)比較例2における液晶組成
物2に実施例1記載の化合物1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3,5−ジフルオロ−4−ブチルピペラジンを
8.3重量%添加した組成物について、比較例1と同様
な方法で透過率−電圧曲線、応答時間および誘電率異方
性を測定したところ、V90=1.86V、V10=
2.81V、τ=10.4ms、Δε=4.8であっ
た。
【0051】(実施例11)比較例1における液晶組成
物1に実施例6記載の化合物1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3,3−ジフルオロ−4−ブチルピペラジンを
8.3重量%添加した組成物を比較例1と同様な方法
で、透過率−電圧曲線、応答時間および誘電率異方性を
測定したところ、V90=1.55V、V10=2.6
5V、τ=9.4ms、Δε=4.5 であった。
【0052】(実施例12)比較例2における液晶組成
物2に実施例6記載の化合物1−(4’−ブチルフェニ
ル)−3,3−ジフルオロ−4−ブチルピペラジンを
8.3重量%添加した組成物ついて、比較例1と同様な
方法で透過率−電圧曲線、応答時間および誘電率異方性
を測定したところ、V90=1.82V、V10=2.
77V、τ=10.0ms、Δε=5.0であった。
【0053】(実施例13)比較例1における液晶組成
物1に実施例7記載の化合物4’−(3’’,5’’−
ジフルオロ−4’’−ブチルピペラジニル)4−ブチル
ビフェニルを8.3重量%添加した組成物について、比
較例1と同様な方法で透過率−電圧曲線、応答時間およ
び誘電率異方性を測定したところ、V90=1.67
V、V10=2.83V、τ=12.1ms、Δε=
4.4であった。
【0054】(実施例14)比較例2における液晶組成
物2に実施例7記載の化合物4’−(3’’,5’’−
ジフルオロ−4’’−ブチルピペラジニル)4−ブチル
ビフェニルを8.3重量%添加した組成物について、比
較例1と同様な方法で透過率−電圧曲線、応答時間およ
び誘電率異方性を測定したところ、V90=1.90
V、V10=2.89V、τ=13.5ms、Δε=
4.8であった。
【0055】(実施例15)比較例2における液晶組成
物2に実施例7記載の化合物4’−(3’’,5’’−
ジフルオロ−4’’−ブチルピペラジニル)4−ブチル
ビフェニルを4.2重量%添加した組成物について、比
較例1と同様な方法で透過率−電圧曲線、応答時間およ
び誘電率異方性を測定したところ、V90=1.96
V、V10=2.94V、τ=15.2ms、Δε=
4.9であった。
【0056】
【発明の効果】本発明により得られたピペラジン化合物
は、種々の液晶組成物への相溶性が良好であり、また非
常に化学安定性に優れており、これを添加した液晶組成
物は応答速度の向上がみられた。
【図面の簡単な説明】
【図1】透過率−電圧曲線の測定方法を示したグラフで
ある。
【図2】応答時間の測定方法を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松嶋 仁 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (72)発明者 佐藤 正春 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気 株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09K 19/54 C09K 19/34

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(1)で表されるピペラジン
    化合物よりなる液晶添加剤。 (Ar1)n−Py−(Ar2)m …(1) (ただし、式中、Ar1、Ar2は相互に独立した環状置
    換基、Pyは置換基としてハロゲン原子を有する1,4
    −ピペラジニル基、nは整数0〜2、mは整数0〜2を
    示す。n、mの両方が0になることはない。)
  2. 【請求項2】 環状置換基Ar1、Ar2のうち少なくと
    も一つが−Cn2n+ 1、−OCn2n+1、−F、−Cl、
    −Br、−I、−OH、−CF3、−CN(式中nは0
    〜10の整数)より選ばれる置換基を有することを特徴
    とする請求項1に記載の液晶添加剤。
  3. 【請求項3】 環状置換基Ar1、Ar2が1,4−フェ
    ニル基または1,4−シクロヘキシル基であることを特
    徴とする請求項1または2に記載の液晶添加剤。
  4. 【請求項4】 置換基としてハロゲン原子を有する1,
    4−ピペラジニル基Pyが置換基としてF原子、Cl原
    子を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の液晶添加剤。
  5. 【請求項5】 環状置換基Ar1、Ar2の数m、nの一
    方が0であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか
    1項に記載の液晶添加剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに1項に記載の
    液晶添加剤を添加してなることを特徴とする液晶組成
    物。
  7. 【請求項7】 液晶添加剤の添加量が母体液晶組成物に
    対して1〜50重量%であり、母体液晶組成物がネマチ
    ック液晶組成物またはスメクチック液晶組成物であるこ
    とを特徴とする請求項6に記載の液晶組成物。
  8. 【請求項8】 請求項6または7に記載の液晶組成物を
    用いた液晶表示素子。
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