JP2929694B2 - 三相多重電圧形pwmインバータ - Google Patents

三相多重電圧形pwmインバータ

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JP2929694B2 JP2265590A JP26559090A JP2929694B2 JP 2929694 B2 JP2929694 B2 JP 2929694B2 JP 2265590 A JP2265590 A JP 2265590A JP 26559090 A JP26559090 A JP 26559090A JP 2929694 B2 JP2929694 B2 JP 2929694B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は三相多重電圧形PWMインバータに関し、詳し
くは、三相多重巻線電動機等大の負荷に給電する複数台
の三相電圧形PWMインバータの高調波電流の抑制方法な
いしPWM波形の発生方法に特徴を有する三相多重電圧形P
WMインバータに関する。
(従来の技術) 複数の三相巻線を有する三相多重巻線電動機を複数台
の三相インバータで給電する多重化技術は、装置容量の
増大や電動機のトルク脈動を低減する目的で採用されて
いる。例えば、第14図は第1の従来技術であり、三相二
重巻線電動機3に対し2台の三相電圧形PWMインバータ2
1,22により給電する構成となっている。このような構成
において、トルク脈動の低減は、各三相巻線電流が生じ
る電動機3の合成起磁力が、特定の高調波成分に対して
互いに相殺するように作用するため達成される。しかる
に、高調波電流に対してはその低減作用がないため、電
動機3の高調波抵抗損やインバータの電流責務に関して
は多重化したことによる効果はない。
第15図はこの問題を解決するために提案された第2の
従来技術の主回路構成であり、松本氏他が昭和63年電気
学会全国大会予稿集において『三相二重巻線交流電動機
駆動用電圧形三相二重PWMインバータ』1487,1992−1993
頁に示したものである。同図において、1′は複数の巻
線が同一鉄心によりそれぞれ結合された結合リアクトル
であり、他の構成要素については第14図と同様である この構成において特徴的なことは、2台の三相インバ
ータ21,22の出力電圧は位相をπ/6ずらしてあり、ま
た、各相の出力電圧はその波形が全く同一となるように
制御される。このとき結合リアクトル1′は、出力電圧
の基本波成分に対しては合成起磁力が零となるためリア
クトルの作用を持たず、例えば第5次,第7次高調波成
分、詳細には6P±1次(Pは整数)、18P±1次、30P±
1次の高調波成分に対しては合成起磁力を生じるためリ
アクトルとして作用し、高調波電流を抑制することがで
きる。
(発明が解決しようとする課題) 一方、この種のインバータにおけるPWM波形の発生方
法としては、第16図に示すような三角波比較方式が一般
的である。同図においては、三角波の搬送波と、出力電
圧の基本波成分に相当する信号波との大小の比較結果に
よりインバータを構成するスイッチ素子のオン,オフが
決定され、出力電圧が制御される。このとき信号波を正
弦波とし、かつ搬送波の周波数を信号波の周波数よりも
十分高くするならば、出力電圧波形には第5次や第7次
のような低次の高調波成分はほとんど発生せず、また一
般的には特定次数の高調波成分が発生するのではない。
ここで、電圧形PWMインバータの出力電圧高調波とし
ては、nfC±mf0(fCは搬送波の周波数、f0は出力周波
数、n,m=1,2,3,…)なる周波数を持つ、nfCを中心周波
数とする側帯波高調波群が発生することが特徴的であ
る。第17図はこの様子を表す図であり、同図(a)はfC
/f0=21、また同図(b)はfC/f0=27の場合の三相イン
バータの出力電圧高調波の例を示している。ここで特徴
的なことは、fC/f0比が変わると発生する高調波次数も
変わることである。fCは制御性能やスイッチ素子の損失
から、所定の周波数範囲となるように設定され、一方、
f0は電動機を可変速駆動する場合に大きな可変範囲をと
る。すなわち、fC/f0比は種々の条件により変わるた
め、第17図に示すようにこのfC/f0比の変化に伴って発
生する高調波次数も変化する。なお、これらの高調波
を、nfC±mf0なる周波数を持つ、nfCを中心とする側帯
波群としてみると、fC/f0比に関わらず、n,mの値とそれ
に対応した実効値は一定値となる。
このような背景により、第15図に示した第2の従来技
術では特定の高調波次数を除去の対象とするため、イン
バータ21,22の出力周波数に対する搬送周波数の比が変
化した場合に、発生高調波の次数が変化するにも関わら
ず、これらを除去できない場合があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、その
目的とするところは、特定の高周波次数ではなく、特定
の側帯波高調波群に対してのみリアクトルとして機能す
る結合リアクトルを備え、かつ上記機能を実験するため
のPWM波形発生手段を備えた三相多重電圧形PWMインバー
タを提供することにある。
(課題を解決するための手段) 三角波比較方式のPWMインバータ等において、搬送波
の周波数が出力周波数より十分高いならば、信号波に対
する搬送波の位相は基本波成分には影響を与えず、高調
波成分の位相のみに影響を及ぼす。本発明は、このこと
に着目し、結合リアクトルがインバータ出力電圧の基本
波成分に対してはリアクトルとして作用せず、かつ複数
台の三相インバータの搬送波の位相をずらすことによっ
て対象とする側帯波群に対しては本来のリアクトルとし
て作用させるようにし、これによって所定の高調波成分
を除去するようにしたものである。
(作用) 本発明では、インバータ出力電圧の基本波成分に対し
ては合成起磁力が零となるように複数台のインバータと
結合リアクトルとを接続するため、インバータ出力電圧
にとって有害な電圧降下を生じることがない。一方、複
数台のインバータの搬送波の位相をずらすことにより、
対象とする側帯波群に対しては有効に合成起磁力が生じ
るため、上記結合リアクトルが高調波電流を抑制するリ
アクトルとして作用する。
更に、結合リアクトルは特定の高調波次数に対してで
はなく特定の側帯波群に対してリアクトルとして作用す
るように接続構成されるため、出力周波数に対する搬送
周波数比が変化した場合でもその効果に変わりはなく、
対象とする高調波成分に対して常に高調波電流を抑制す
る作用をなす。
(実施例) 以下、図に沿って本発明の実施例を説明する。
はじめに、本発明の原理について数式を用いて詳細に
説明する。三角波比較方式の三相PWMインバータにおい
て、信号波が正弦波、または3の倍数の奇数高調波のみ
を含む波形ならば、出力電圧の各調波成分は(1)〜
(3)式の何れかで記述できる関数となる。ここで
(1)式は基本波成分であり、(2),(3)式は高調
波成分である。
〈基本波成分〉 A1sinω0t …(1) 〈高調波成分〉 Anm cos(nωCt±mω0t) …(2) ただしnは奇数、mは3の倍数を除く偶数 ±Bnm sin(nωCt±mω0t) …(3) ただしnは偶数、mは3の倍数を除く奇数 なお、(1)〜(3)式において、 ω=2πf0=2πfC であり、A1,Anm,±Bnmはそれぞれ振幅を示している。
上記(1)〜(3)式において、ωCtなる位相は搬送
波の位相により、また、ω0tなる位相は信号波の位相に
よって決まる。例えば、搬送波の位相をφだけずらす
と、(2)式は次の(2−0)式、(3)式は次の(3
−0)式となり、φの値により高調波の位相を変えるこ
とができるが、基本波成分には影響を与えない。
Anm cos{n(ωCt−φ)±mω0t) …(2−0) ±Bnm sin{n(ωCt−φ)±mω0t) …(3−0) 本発明は上記の点に着目してなされたものであり、複
数台のインバータの搬送波の位相を変えることにより、
対象とする側帯波群に対してのみ結合リアクトルを作用
させ、高調波成分を除去するものである。以下、結合リ
アクトルの接続構成及びPWM波形の発生方法を中心にし
て、各発明の実施例を説明する。
まず、第1の発明である三相二重電圧形PWMインバー
タの第1の実施例を、第1図ないし第3図を参照しつつ
説明する。第1図は、三相二重電圧形PWMインバータに
よる三相二重巻線電動機3への給電回路の主回路構成を
示すものである。なお、上記電動機3の2組の三相巻線
R1,S1,T1及びR2,S2,T2は、第2図に示すごとく各巻線電
流が生じる起磁力の電気的な位相関係が同一となってい
る。
第1図において、21,22は前記同様に第1,第2の三相
電圧形PWMインバータであり、インバータ21の出力線U1,
V1,W1は、結合リアクトル1内の各リアクトル11A,11B,1
1Cの巻線N1を介して電動機3の三相巻線R1,S1,T1にそれ
ぞれ接続されている。また、インバータ22の出力線U2,V
2,W2は、結合リアクトル1内の各リアクトル11A,11B,11
Cの巻線N2を介して電動機3の三相巻線R2,S2,T2にそれ
ぞれ接続されている。ここで、結合リアクトル1は同一
仕様の三つのリアクトル11A,11B,11Cにより構成されて
いる。そして、各リアクトル11A,11B,11Cにおいて、イ
ンバータ出力電圧の基本波成分に対する合成起磁力を零
として電圧降下を生じさせないようにするため、図示す
る如く、例えばインバータ21,22の同一相の出力線U1,U2
に対応する巻線N1,N2を互いに逆極性にて結合し、か
つ、巻線N1,N2の巻数n1,n2を共に等しくしてある。
このような構成において、電動機3に有効に合成起磁
力が作用するように、両インバータ21,22の基本波電圧
成分は同一振幅、同一位相となるように制御する。ここ
で、最も低次の側帯波群が含まれる前記(2)式の高調
波成分に作用する結合リアクトルを実現するため、第1
のインバータ21に対して第2のインバータ22の搬送波の
位相φを第3図に示すようにπ〔rad〕とする。以下、
この理由について説明する。
第1のインバータ21において(2)式で示される高調
波成分を考えるとき、φ=πとした第2のインバータ22
では、nが奇数であることから、高調波成分は(2−
0)式に基づいて次の(2−1)式となる。
Anm cos{n(ωCt−π)±mω0t} =−Anm cos(nωCt±mω0t) …(2−1) すなわち、(2)式と(2−1)式とは符号のみが異
なる同一値である。従って、第1図に示すように両イン
バータ21,22の出力を逆極性にして結合リアクトル1に
て起磁力を結合すると、(2),(2−1)式で示され
る高調波成分に対しては起磁力が加算されるため、結合
リアクトル1において電圧降下が生じ、同成分の高調波
電流を抑制することができる。
次に、本発明の第2の実施例を第4図を参照しつつ説
明する。この実施例において、結合リアクトル1及び電
動機3の巻線構成はそれぞれ第1図、第2図に示したも
のと同様である。
この実施例では、(3)式に示す高調波成分に対して
作用する結合リアクトル1を実現することとした。この
とき、第2のインバータ22の搬送波の位相φは、nが偶
数であることを考慮して第4図に示すようにπ/2〔ra
d〕とする。
第1のインバータ21において、(3)式にて示される
高調波成分を考えるとき、φ=π/2とした第2のインバ
ータ22では、この高調波成分は(3−2)式に示すとお
りとなる。
すなわちn=2,6,10,…のとき(3)式と(3−2)
式は符号のみが異なる同一値であり、n=4,8,12,…の
とき(3)式と(3−2)式はまったく同一値となる。
従って、第2の実施例においては、第1の実施例におけ
る説明から明らかなように、n=2,6,10,…の成分に対
し、結合リアクトル1は高調波電流を抑制する作用をな
す。ただし、n=4,8,12,…の成分に対しては、同成分
の合成起磁力は相殺するので、結合リアクトル1におけ
る高調波電流の抑制作用はない。
一方、(2)式で表される高調波成分に対しては、φ
=π/2のとき(2−2)式となる。
Anm cos{n(ωCt−π/2)±mω0t} =Anm sin(nωCt±mω0t) (n=1,5,9,…のとき) =−Anm sin(nωCt±mω0t) (n=3,7,11,…のとき) …(2−2) 上式より(2)式で表される高調波成分に対し、第1
のインバータ21の高調波電圧と第2のインバータ22の高
調波電圧は、π/2の位相差を持つことがわかる。従っ
て、結合リアクトル1は第1実施例よりその効果は少な
いが、(2)式で表される高調波成分に対して高調波電
流を抑制する機能をもつ。
次に、本発明の第3の実施例を第5図ないし第7図を
参照しつつ説明する。上述した各実施例は、電動機3の
三相巻線が生じる起磁力が同一方向の場合のものである
が、本発明は起磁力の位相差がπ〔rad〕である場合に
も同様の原理により特定の側帯波高調波群に対して高調
波電流を抑制することができる。
第5図は、この実施例における三相二重巻線電動機3
への給電回路の主回路構成であり、第6図は電動機3の
2組の三相巻線R1,S1,T1及びR2,S2,T2の構成を示してい
る。この主回路構成が第1図と異なる点は、結合リアク
トル1a内の各リアクトル11A,11B,11Cの巻線N2の極性が
逆であることと、電動機3に有効に合成起電力が作用す
るように、各インバータ21,22の基本波電圧成分は同一
振幅で互いにπ〔rad〕の位相差となるように制御する
点である。
なお、第7図は各インバータ21,22においてPWM波形を
生成するための信号波と搬送波との関係を示しており、
第3図に対して第2のインバータ22の信号波の極性が逆
になり、これに対応して搬送波の極性も逆になってい
る。つまり、この実施例では、各インバータ21,22につ
いて信号波の位相が互いにπ〔rad〕ずれ、一方、搬送
波が同相となっている。この搬送波については、図示し
ないが、その位相が互いにπ/2〔rad〕ずれていても本
発明の所期の目的を達成することができる。
次に、第2の発明である三相多重電圧形PWMインバー
タの第1の実施例を、第8図を参照しつつ説明する。こ
の実施例は三相三重電圧形PWMインバータについてのも
ので、この実施例における電動機3の巻線構成は、3組
の三相巻線電流が生じる起磁力の方向が全て同一方向と
なっている。
第8図は結合リアクトル1bを含むこの実施例の主回路
構成を示すものである。同図において、第1のインバー
タ21の出力線U1,V1,W1は、結合リアクトル1b内の各リア
クトル11A,12A,13A及び11B,12B,13B並びに11C,12C,13C
の巻線N1,N3,N2を介して電動機3の三相巻線R1,S1,T1に
それぞれ接続されている。また、第2のインバータ22の
出力線U2,V2,W2は、結合リアクトル1b内の各リアクトル
11A,12A,13A及び11B,12B,13B並びに11C,12C,13Cの巻線N
2,N1,N3を介して電動機3の三相巻線R2,S2,T2にそれぞ
れ接続されている。更に、第3のインバータ23の出力線
U3,V3,W3は、結合リアクトル1b内の各リアクトル11A,12
A,13A及び11B,12B,13B並びに11C,12C,13Cの巻線N3,N2,N
1を介して電動機3の三相巻線R3,S3,T3にそれぞれ接続
されている。
そして、電動機3に有効に合成起磁力が作用するよう
に、3台のインバータ21,22,23の基本波電圧成分は同一
振幅,同一位相となるように制御する。また、結合リア
クトル1bにおいては基本波成分に対する合成起磁力を零
とするため、例えば、第2のインバータ22の出力線U2に
対応する巻線N2と第3のインバータ23の同一相の出力線
U3に対応する巻線N3を同極性にし、かつ、これらと第1
のインバータ21の同一相の出力線U1に対応する巻線N1
互いに逆極性にして結合リアクトル1bにて結合し、これ
らの巻数n2,n3,n1の比を1:1:2とする。すなわち、この
場合の多重化数Nは3であるので、巻線N1,N2,N3の巻数
n1,n2,n3の比を、2(=N−1):1:1とする。ここで、
すべてのリアクトルは同一仕様である。
上記構成のもとで、第9図に示すように、第1のイン
バータ21に対し、第2のインバータ22の搬送波の位相φ
を2π/3〔rad〕、第3のインバータ23の搬送波の位相
φを4π/3〔rad〕としてそれぞれPWM波形を生成する。
すなわち、各インバータ21,22,23について搬送波の位相
を2π/N〔rad〕(N=3)ずつずらすものとする。
第1のインバータ21において前記(2),(3)式で
表される高調波成分を考えるとき、φ=2π/3とした第
2のインバータ22では、高調波成分はそれぞれ(2−
3),(3−3)式により表され、また、φ=4π/3と
した第3のインバータ23では、高調波成分はそれぞれ
(2−4),(3−4)式により表される。
Anm cos{n(ωCt−2π/3)±mω0t) …(2−3) Anm cos{n(ωCt−4π/3)±mω0t) …(2−4) ±Bnm sin{n(ωCt−2π/3)±mω0t) …(3−3) ±Bnm sin{n(ωCt−4π/3)±mω0t) …(3−4) ここで、例えばリアクトル11Aについてみると、高調
波起磁力に相当する高調波電圧は以下の(4)式により
表される。
この(4)式は、nが3の倍数以外で次の(4−1)
式となり、また、nが3の倍相のとき零となる。
この(4−1)式は、第1のインバータ21の出力電圧
の高調波成分の1.5倍である。このことは、nが3の倍
数を除く側帯波高調波群の生じる起磁力が、リアクトル
11Aの作用により1.5倍に増加されることを表す。従っ
て、リアクトル11Aは同成分の高調波に有効に作用し、
同成分の高調波電流を抑制することができる。
次に、第2の発明にかかる第2の実施例を第10図に基
づき説明する。なお、この実施例は、三相三重電圧形PW
Mインバータに限らず、本発明における多重化数N(N
は3以上の自然数)を一般化したものである。
第10図は、結合リアクトル1cを含むこの実施例の主回
路構成を示しており、電動機3の巻線構成はN組の三相
巻線電流が生じる起磁力の方向が全て同一方向である。
同図において、電動機3に有効に合成起磁力が作用す
るように、N台のインバータ21〜2Nの基本波電圧成分は
同一振幅、同一位相となるように制御される。結合リア
クトル1cにおいては基本波成分に対する合成起磁力を零
とするため、例えば、第2のインバータ22の出力線U2に
対応する巻線N2ないし第Nのインバータ22の同一相の出
力線UNに対応する巻線NNを同極性にし、かつ、これらと
第1のインバータ21の同一相の出力線U1に対応する巻線
N1を互いに逆極性に結合リアクトル1c内にて結合し、各
リアクトルにおける巻線N2,N3,NN,〜,N1の巻数n2,n3,
nN,〜,n1の比を、1:1:〜:1:N−1とする。なお、この実
施例においてもすべてのリアクトルは同一仕様である。
また、N台のインバータ21〜2Nの搬送波の位相は2π/N
〔rad〕だけずらすものとする。
この結果、nがNの整数倍を除く、側帯波高調波群に
対して結合リアクトル1cは高調波電圧を吸収し、同成分
の高調波電流を抑制する。なお、その原理は上述した各
実施例における説明とほぼ同様であるため、その説明を
省略する。
次に、第3の発明にかかる第1の実施例を第11図に基
づき説明する。なお、この実施例における電動機3の巻
線構成及び第1ないし第3のインバータ21,22,23の出力
電圧の基本波成分については、第8図の実施例と同一で
ある。
第11図は本実施例の主回路構成を示しており、同図に
おいて、第1のインバータ21の出力線U1,V1,W1は、結合
リアクトル1d内の各リアクトル11A,13A及び11B,13B並び
に11C,13Cの巻線N1,N2を介して電動機3の三相巻線R1,S
1,T1にそれぞれ接続されている。また、第2のインバー
タ22の出力線U2,V2,W2は、結合リアクトル1d内の各リア
クトル11A,12A及び11B,12B並びに11C,12Cの巻線N2,N1
介して電動機3の三相巻線R2,S2,T2にそれぞれ接続され
ている。更に、第3のインバータ23の出力線U3,V3,W3
は、結合リアクトル1d内の各リアクトル12A,13A及び12
B,13B並びに12C,13Cの巻線N2,N1を介して電動機3の三
相巻線R3,S3,T3にそれぞれ接続されている。
以上の接続構成を言い替えれば、3台のインバータ2
1,22,23のうちの2台の同一相(U相またはV相または
W相)の出力線が、各々結合リアクトル1d内の単一のリ
アクトルに接続されている。なお、すべてのリアクトル
は同一仕様であり、巻線N1,N2の巻数n1,n2は等しくなっ
ている。
このような構成において、例えば第1のインバータ21
の出力線U1に対応する巻線N1と第2のインバータ22の同
一相の出力線U2に対応する巻線N2とがリアクトル11Aに
おいて互いに逆極性に接続され、しかも巻線N1,N2の巻
数n1,n2が等しいため、インバータ出力電圧の基本波成
分の合成起磁力は生じない。従って、基本波成分に対し
ては結合リアクトル1dが作用せず、電圧降下を生じるこ
ともない。
一方、3台のインバータ21,22,23の搬送波の位相φ
は、第9図と同様にそれぞれ2π/3〔rad〕だけずらす
ものとする。ここで、例えば、電動機3の巻線R1に対応
する結合リアクトル1dの出力についてみると、リアクト
ル11Aと13Aとを通過しており、このうちリアクトル11A
については第1のインバータ21の出力線U3に対応する巻
線N1と第2のインバータ22の同一相の出力線U2に対応す
る巻線N2とが逆極性で結合され、リアクトル13Aについ
ては第1のインバータ21の出力線U1に対応する巻線N2
第3のインバータ23の同一相の出力線U3に対応する巻線
N1とが逆極性で結合されている。
リアクトル11Aでは、高調波起磁力に相当する高調波
電圧は(5−1)式となる。
〔(2)式+(3)式−(2−3)式−(3−3)式〕 =Anm〔cos(nωCt±mω0t) −cos{n(ωCt−2π/3)±mω0t}〕 ±Bnm〔sin(nωCt±mω0t) −sin{n(ωCt−2π/3)±mω0t}〕 ……(5−1) リアクトル13Aでは、同様に高調波電圧は(5−2)
式となる。
=Anm〔cos(nωCt±mω0t) −cos{n(ωCt−4π/3)±mω0t}〕 ±Bnm〔cos(nωCt±mω0t) −cos{n(ωCt−4π/3)±mω0t}〕 ……(5−2) すなわち、電動機3の巻線R1に対応する結合リアクト
ル1dの出力では、(5−1)式及び(5−2)式に相当
する高調波電圧が吸収されるので、結局、第8図の実施
例と同様に、結合リアクトル1dはnが3の倍数を除く側
帯波高調波群に作用して、同成分の高調波電流を抑制す
る。
更に、第12図は第3の発明の第2の実施例を示してい
る。この実施例は三相四重電圧形PWMインバータに関す
るものである。この実施例においても、電動機3の巻線
構成は4組の三相巻線電流が生じる起磁力の方向がすべ
て同一方向となっている。第12図に示される主回路構成
のこの実施例は、第11図の実施例を四重インバータに拡
張したものであり、基本的な構成は同一であるためその
詳述は省略する。
この実施例においても、結合リアクトル1eを構成する
各リアクトルの巻線N1,N2の巻数n1,n2が何れも等しく、
また、4台のインバータ21,22,23,24の搬送波の位相は
順次2π/4〔rad〕ずつずらすものである。この実施例
によれば、第11図の実施例と同様に、各インバータの出
力電圧の基本波成分に対しては結合リアクトル1eが作用
せず、電圧降下を生じることがない。更に、結合リアク
トル1eはnが4の倍数を除く側帯波高調波群に作用し、
同成分の高調波電流を抑制する。
なお、以上の三相N重電圧形PWMインバータに関する
各実施例、すべて電動機3の三相巻線が生じる起磁力が
同一方向の場合のものであるが、第5図ないし第7図で
説明した三相二重電圧形PWMインバータの第3実施例の
ように、第2及び第3の発明についても、電動機3の三
相巻線が生じる起磁力の位相差がπ〔rad〕である場合
も同様の原理により特定の側帯波高調波群に対して高調
波電流を抑制することができる。
また、上記すべての実施例では結合リアクトルを単相
リアクトルとして説明したが、第13図に示すように三相
三脚鉄心結合リアクトル1xを用いてもよい。更に、イン
バータの負荷は必ずしも電動機である必要がないこと
は、本発明の原理より明らかである。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、インバータ出力電圧の
基本波成分については有害な電圧降下を生じることな
く、特定の側帯波高調波群に対してのみリアクトルとし
て作用するように結合リアクトルを構成し、かつ、これ
らの機能を実現するようにPWM波形を発生させるため、
出力周波数に対する搬送周波数が変化した場合でも常に
対象とする高調波成分に対して高調波電流を抑制できる
という効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は第1の発明の第1実施例を示す主回路構成図、
第2図は三相二重巻線電動機の巻線構成図、第3図は上
記第1実施例における三相二重インバータの搬送波と信
号波との関係を示す図、第4図は第1の発明の第2実施
例における三相二重インバータの搬送波と信号波との関
係を示す図、第5図は第1の発明の第3実施例を示す主
回路構成図、第6図は三相二重巻線電動機の巻線構成
図、第7図は上記第3実施例における三相二重インバー
タの搬送波と信号波との関係を示す図、第8図は第2の
発明の第1実施例を示す主回路構成図、第9図は上記第
1実施例における三相三重インバータの搬送波と信号波
との関係を示す図、第10図は第2の発明の第2実施例を
示す主回路構成図、第11図は第3の発明の第1実施例を
示す主回路構成図、第12図は第3の発明の第2実施例を
示す主回路構成図、第13図は三相三脚鉄心結合リアクト
ルの説明図、第14図ないし第17図は従来の技術を説明す
るためのもので、第14図は結合リアクトルを持たない従
来の三相二重インバータの主回路構成図、第15図は結合
リアクトルを有する従来の三相二重インバータの主回路
構成図、第16図は三角波比較方式PWMの原理を説明する
ための図、第17図(a),(b)は電圧形PWMインバー
タの出力電圧高調波を説明するための図である。 1,1a〜1e,1x……結合リアクトル 3……三相多重巻線電動機 21〜24,2N……三相電圧形PWMインバータ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】2組の三相巻線に給電する2台の三相電圧
    形PWMインバータからなる三相二重電圧形PWMインバータ
    において、 同一鉄心上に巻数が等しい2個の巻線を有するリアクト
    ルを三相分設けた結合リアクトルを備え、前記2台の三
    相電圧形PWMインバータの同一相の出力線を、各々単一
    の前記リアクトルにおいて基本波成分の合成起磁力が互
    いに相殺するように接続したうえ負荷に接続すると共
    に、前記2台の三相電圧形PWMインバータのPWM波形を生
    成するために信号波と比較される搬送波の位相が、信号
    波が同相のときは各インバータにおいて互いにπ〔ra
    d〕またはπ/2〔rad〕ずれ、また、信号波の位相が互い
    にπ〔rad〕ずれているときは各インバータにおいて同
    相または互いにπ/2〔rad〕ずれていることを特徴とす
    る三相二重電圧形PWMインバータ。
  2. 【請求項2】N(Nは3以上の自然数)組の三相巻線に
    給電するN台の三相電圧形PWMインバータからなる三相
    N重電圧形PWMインバータにおいて、 同一鉄心上に巻数比が(N−1):1:〜:1であるN個の
    巻線を有するリアクトルを三相分設けた結合リアクトル
    を備え、前記N台の三相電圧形PWMインバータの同一相
    の出力線を、各々単一の前記リアクトルにおいて基本波
    成分の合成起磁力が互いに相殺するように接続したうえ
    負荷に接続すると共に、前記N台の三相電圧形PWMイン
    バータのPWM波形を生成するために信号波と比較される
    搬送波の位相が、各インバータにおいて互いに2π/N
    〔rad〕ずれていることを特徴とする三相N重電圧形PWM
    インバータ。
  3. 【請求項3】N(Nは3以上の自然数)組の三相巻線に
    給電するN台の三相電圧形PWMインバータからなる三相
    N重電圧形PWMインバータにおいて、 同一鉄心上に巻数が等しい2個の巻線を有するリアクト
    ルを三相分設けた結合リアクトルを備え、前記N台のう
    ち2台の三相電圧形PWMインバータの同一相の出力線
    を、各々単一の前記リアクトルにおいて基本波成分の合
    成起磁力が互いに相殺するように接続したうえ負荷に接
    続すると共に、前記N台の三相電圧形PWMインバータのP
    WM波形を生成するために信号波と比較される搬送波の位
    相が、各インバータにおいて互いに2π/N〔rad〕ずれ
    ていることを特徴とする三相N重電圧形PWMインバー
    タ。
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