JP2929608B2 - 自動車用ブレーキ圧力制御装置 - Google Patents

自動車用ブレーキ圧力制御装置

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JP2929608B2 JP1134319A JP13431989A JP2929608B2 JP 2929608 B2 JP2929608 B2 JP 2929608B2 JP 1134319 A JP1134319 A JP 1134319A JP 13431989 A JP13431989 A JP 13431989A JP 2929608 B2 JP2929608 B2 JP 2929608B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、自動車の制御時に、特に滑り易い路面等
で、車輪がロツクしてスリツプするのを防ぐためのブレ
ーキ圧力制御装置に関する。
(従来技術) 近年、制動性の向上や制動時の安定性確保の為に、ブ
レーキ圧力の制御によりロツクを防止して良好な制動性
が得られるスリツプ率に車輪の回転状態を保持する装置
が自動車に用いられている。
上述の装置は、車輪速度センサの信号により車輪速度
と加速度を演算し、さらにこれ等の情報から車体速度を
推定して車輪のスリップ率を求め、車輪のロックを防い
で良好な制動性が得られるように、ブレーキ圧力を制御
するものである。この種の装置としては、車両の前後
輪、4輪のブレーキ圧力を制御するいわゆる「4輪AB
S」や、後輪のブレーキ圧力のみ制御する「後2輪ABS」
等がある。
4輪ABSは、前後輪共車輪ロックを防止できるため、
制動時の安定性と操舵性が確保できる。後2輪ABSは後
輪の車輪ロックを防止し制動時の安定性を確保するもの
で、4輪ABSより、安価であるという利点がある。
これらのABSでは各制御する車輪に速度センサを設け
て、そのセンサから、車体速度を以下の様に推定してい
る。
すなわち、この車輪速度と前回の推定速度をあらかじ
め設定した加速度および減速度上限値で演算した結果と
を比較し、それら速度の中間値を近時車体速度と推定し
ている。
〔発明の課題〕
ここで、車体速度の推定は、低車速領域ほど車輪速度
情報が少なくなり、実際の車体速度に比べて推定した車
体速度が低くなりがちとなり、車体の停止前に車輪がロ
ックしてしまうという場合があった。
ここで、低速ほど車輪速度情報が少なくなる理由は、 通常車輪速度センサとして、車輪1回転当たり、所定
のパルス数を出力するものを用いるため、低圧域となる
と、車輪の回転速度が低下して、単位時間当りの速度セ
ンサのパルス数が少なくなる。
低速域となると絶対車輪速度が小さいため、その車体
速度より大きく車輪がスリップすると、すなわち車輪ロ
ックとなり、車速パルスが入ってこなくなる。
また、後2輪のABSでは、後輪の車速センサのみから
推定する必要があり、4輪ABSよりさらに車輪速度情報
が少なくなるため、より上記課題が発生し易い。
そして、上記課題は、特に、この旨の装置の機能が特
に必要となる路面摩擦係数の小さい、たとえば凍結路な
どで生じ易い。
すなわち、上記の車体速度推定方法では、車体速度推
定値VBが下記の式で求められている。
ここで、MEDは( )内の数値の中間値とする符号、M
AXは( )内の数値の最大値とする符号、VFR、VFLは左
右前輪の速度、VRR、VRLは左右後輪の速度、KAUは加速
度上限値、KADは減速度上限値である。また、(n)が
今回の演算、(n−1)が前回の演算を表しており、そ
してtはその間の時間である。この式は、4輪の車輪速
度の と、前回の設定から加速度KAUでt時間にわたって、加
速した場合の速度VB(n−1)+KAD・tとを比較し
て、これら速度の中間値を今回の車体速度推定値VBとす
るものである。
なお、上記は4輪ABSの場合で、後2輪ABSでは、MAX
(VFR、VFL、VRR、VRL)の代りにMAX(VRR、VRL)を使
用してVBを求める。
なお、減速度上限値KADは、車両が通常減速可能な減
速度より若干大きな値(例えば1.0G)に設定され、求め
た車輪加速度がある設定値A1(例えば−1.0G)を越えて
スリップ傾向を示した場合に、別のより小さな値(例え
ば0.5G)に切り替えられる。ところが、摩擦係数の低い
路面などで4輪がロックすると、車輪加速度が直ちに0G
となり、設定値A1以上になってしまう。この為、減速度
上限値の切り替えが行なわれず、減速度上限値が大きな
値のままで、VBが実際の車体速度より低く演算される。
その結果、制御装置は、車輪がロック状態から回復する
前に、車両が停止したものと見なして制御を終了してし
まう。このような減少が発生すると、実際に車体が停止
する前に4輪がロックを起こし、その際に何らかの外乱
で車両遠心まわりにヨートルクが働いた場合、前輪に生
ずるコーナーリング力によってこのヨートルクがさらに
増大し、急激に車両を偏向させる。
この間隔を解決するには、車体減速度を検出するGセ
ンサなどの追加装置を設けて、減速度上限値の切り替え
を確実にすれば良いが、高価となる。
本発明は上述の問題に鑑みてなされたもので、悪条件
下においても車輪の制動を適性に制御できる、簡素で安
価なブレーキ圧力制御装置の提供を目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
このため、本発明の自動車様ブレーキ圧力制御装置
は、第8図に示す様に、車輪にブレーキに加えるブレー
キ圧力を制御する電磁弁と、車輪の速度を検出する速度
センサと、減速度上限値に基づきこの減速度上限値に対
応した傾きを持つ制限速度を演算し、この制限速度と前
記センサにより検出された車輪速度とを比較しどちらか
を選択して推定車体速度とする演算手段と、この推定車
体速度と検出された車輪速度とから車輪のロック傾向を
判定する判定手段と、ロック傾向があると前記電磁弁を
制御してロックを防ぐようにブレーキ圧力を制御する制
御手段とを有する。この自動車用ブレーキ圧力制御装置
はさらに、前記車輪加速度が所定値になった時に、前記
減速度上限値をより小さい値に切り替える切替手段を備
えることを特徴とする。
〔発明の作用〕
上記構成によれば、センサからの速度信号に基づいて
車輪のロック傾向が判定される。ロック傾向があると、
ロックを防ぐように電磁弁を介して車輪のブレーキ圧力
が調整される。ここで、路面摩擦係数が低い路面におい
ては、車輪がロックし易く、また、一旦ロックするとブ
レーキ圧力を減圧しても車輪速度が復帰するのに時間を
要する。本願発明では、車輪がロックして車輪速度が所
定値たとえば零になった時に、車体速度を推定する為の
減速度上限値がより小さい値に切り替えられ、車体速度
推定値の減少率を小さくしてその急激な減少を抑える。
この結果、車体速度推定値は緩やかに減少することとな
り、その間にブレーキ圧力制御装置が制御を続行して、
ある程度の車輪速度を回復するのに十分な余裕を与え、
車輪のロックを防止する。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を後2輪ABSの例をとり、図
面に基づいて説明する。
第1図は、本発明に係る自動車用ブレーキ圧力制御装
置の実施例の全体構成を示す。
第1図において、参照符号1はタンデムマスタシリン
ダ、2,3は前輪のFL,FRのホイールシリンダ、4,5は後輪R
L,RRのホイールシリンダで、マスタシリンダ1と前輪ホ
イールシリンダ2,3および後輪ホイールシリンダ4,5はそ
れぞれ別個の配管で接続されており、前後分離配管型の
2つのブレーキ圧力系統BR1,BR2となつている。この制
御装置にはさらに、車輪速度センサ6,7、プロポーシヨ
ニングバルブ8、ブレーキペダル踏込みスイツチ9、電
磁弁10、作動液のリザーバ11、チエツク弁12,13、そし
て電子制御装置15を有する。
車輪速度センサ6,7は左右後輪の各々に設置され、検
出した車輪速度を入力するように制御装置15へ接続され
ている。
プロポーシヨニングバルブ(以下、Pバルブ)8は、
マスタシリンダ1とブレーキ圧力系統BR2の間に設置さ
れ、マスタシリンダ1の圧力が所定値以上になると、後
輪側のホイールシリンダ4,5の圧力上昇の比率を小さく
する。
ブレーキペダル踏込みスイツチ9は、運転者がブレー
キペダルを踏んでいるか否かを検出して、制御装置15へ
出力する。
電磁弁10は3ポート3位置の弁(3位置弁)でPバル
ブの下流側に設置され、後輪ホイールシリンダ4,5とリ
ザーバ11に接続されている。この電磁弁の作動は電子制
御装置15によつて制御され、A位置ではマスタシリンダ
1とホイールシリンダ4,5とを連通して通常のブレーキ
動作を可能にし、B位置ではホイールシリンダ4,5の流
路をしや断してホイールシリンダ4,5のブレーキ圧力を
保持する。また、C位置では、ホイールシリンダ4,5と
リサーバ11とを連通して、ホイールシリンダ4,5のブレ
ーキ圧力の減圧を行う。
チエツク弁12はPバルブ8と電磁弁10の間にリザーバ
11をつなぐ管路に設けられ、マスタシリンダ1のブレー
キ圧力が低下した場合にリザーバ11に蓄えられたブレー
キ作動液をマスタシリンダ1へ送るように配向されてい
る。チエツク弁13はPバルブ8と電磁弁10の間と後輪ホ
イールシリンダ4,5とをつなぐ管路に設けられ、ホイー
ルシリンダ4,5のブレーキ圧力がマスタシリンダ1のブ
レーキ圧力よりも上昇する場合に、ホイールシリンダ4,
5のブレーキ圧力を逃して圧力の過昇を防止する。
電子制御装置15に接続した警告ランプ14は、この制御
装置に故障が生じた場合、ランプの点灯により運転者に
故障を知らせるためのものである。
電子制御装置(以下ECU)15は入力、演算および出力
回路などを有し、後段で説明する様に、車輪速度センサ
6,7およびブレーキペダル踏込みスイツチ9からの信号
に応じて、電磁弁10を制御してホイールシリンダ4,5の
ブレーキ圧力を調整する。また、この制御装置に故障が
生じた場合、警告ランプ14を点灯させる。
第2図はECU15が行う処理工程を示すフローチャート
で、以下このフローチャートに基づいてECUの作動を説
明する。なお、マスタシリンダ1やホイールシリンダ2
〜5などブレーキ圧力系統の各構成部分の作動は従来の
ものと同様であり、本文ではそれ等の部分についての説
明を省略する。
車両のイグニツシヨンSWがONにされると、ECU15に電
源が供給されて動作を開始する。まず、ステツプ100で
は、各部の動作チエツクや、制御装置内の各種制御デー
タ及びフラグ等の初期化といつたイニシヤル処理を実行
する。
続いて、ステツプ200では、車輪速度センサ6,7からの
信号に基づいて、左右後輪の車輪速度VRL,VRRと、その
微分値である左右後輪の加 が演算される。さらに、このステツプでは、これ等の左
右車輪速度と加速度から制御に用いる車輪速度と加速度
を求める。求め方は制御がローセレクト制御であるか平
均制御であるかで異なり、制御用車輪速度Vcはローセレ
クト制御の場合にVc=MIN(VRL,VRR)とし、平均制御の
場合に として演算される。一方、制御用車輪加速度Acは、ロー
セレクト制御の場合に速度の低い方の車輪の加速度をAc
とし、平均制御の場合に として演算される。本発明は、いずれの制御の場合でも
適用可能である。
ステツプ300では、ステツプ200で演算した左右後輪車
輪速度VRL,VRRから前段で説明した式により近似車体素
度すなわち車体速度推定値VBを求める。
第3図にステツプ300における処理の詳細なフローチ
ヤートを示す。ステツプ310では、左右後輪の車輪速度V
RL,VRRのうち大きい方を判定して、その速度をWR1とす
る[WR1←max(VRL,VRR)]。続く、ステツプ320では、
前回の車体速度推定値VB(n−1)に、予め設定されて
いる加速度上限値KAUに演算間隔tを乗じた値を加算し
て、その結果をWR2とする[WR2←VB(n−1)+KAU・
t]。ステツプ330では、後輪がロツクしているか否か
を、VRL,VRRが共に0であるか否かを判断する[VRL=0
AND VRR=0]。ロツクしている場合にはステツプ330か
らステツプ370に、ロツクしていない場合はステツプ340
に進む。ステツプ340では、ステツプ310で判定した速度
の大きい方の車輪の加速度A*(符号*はRL又はRRのい
ずれかを表わす)と、あらかじめ設定された車両の最大
可能減速度である基準加速度A1(例えば−1.0G)との大
小比較を行う[A*<A1]。A*がA1よりも小さく基準
を越える減速度である場合、ステツプ340からステツプ3
60に、そうでない場合にはステツプ350に進む。
ステツプ350,360,370では、それぞれ前回の車体速度
推定値VB(n−1)から、3つの異なる減速度上限値KA
Dに演算間隔tを乗算した値を減算して、その結果をWR3
とする。ステツプ350[WR3←VB(n−1)−KAD1・t]
で使用する減速度上限値KAD1は、車両の最大可能減速度
(例えば1.0G)に予め設定されている。ステツプ360[W
R3←VB(n−1)−KAD2・t]では、車輪速度が車両の
最大可能減速度を越えて減速しているスリツプ傾向を示
しているため、減速度上限値KAD2はKAD1より小さい値
(例えば0.5G)に設定されている。また、ステツプ370
[WR3←VB(n−1)−KAD3・t]では、車輪がロツク
しており、車輪速度を回復させるのに十分な時間余裕を
得るよう車体速度推定値を維持するために、減速度上限
値KAD3は、KAD2より更に小さい値(例えば0.2G)に設定
されている。
ステツプ380では、それまでのステツプで求めたWR1、
WR2、WR3の中間値を求め、その速度を今回の車体速度推
定値VB(n)とする[VB(n)←MED(WR1,WR2,WR
3)]。さらに、ステツプ390では、この車体速度推定値
VBからKV1,KV2をそれぞれ減算して制御用基準速度V1,V2
を演算する[V1←VB−KV1,V2←VB−KV2]。ここで、K
V1,KV2はあらかじめ設定されたスリツプ量を表わす。
次に、再び第2図を参照して、ステツプ400では、ス
テツプ200で求めた制御車輪速度Vcと制御車輪加速度Ac
の状態を判定して、制御モードを定める。
第4図にステツプ400の処理の詳細なフローチヤート
を示す。ステツプ405では、ブレーキ踏込SW9がONとなつ
ているか否かを判定する。ブレーキ踏込SW9がOFFになつ
ている場合は、現在制動操作が行われていないので、次
の制動に備えてステツプ460に進む。また、ONになつて
いる場合には、ステツプ405からステツプ410に進む。ス
テツプ410では、現在システムが制御中であることを示
す制御中フラグがONになつているか否かを判定する。制
御中フラグがONになつている場合は、ステツプ410から
ステツプ415に進み、一方、OFFになつている場合にはス
テツプ425へ進む。
ステツプ415において、車体速度推定値VBが0km/h、す
なわち車両が停止しているか否かを判定する。車体速度
推定値VBが0km/hの場合はステツプ415からステツプ445
に進み、0km/hでない場合にはステツプ420に進む。ステ
ツプ420では、制御車輪速度Vcおよび加速度Acをそれぞ
れ制御用基準速度V1,V2および基準加速度A1,A2と比較し
て、それらの状態により第5図aに示すモード選択Iマ
ツプから1つのモードを選択する。選択結果がモード
の場合は後輪のスリツプが大きくロツク傾向にある、す
なわち制動過大であり、ステツプ420からステツプ430に
進む。選択結果がモードの場合は制動が適正であるの
でステツプ440に進み、選択結果がモードの場合には
制動を増大する余地がありステツプ445に進む。一方、
制御フラグがOFFの場合のステツプ425でも同様に、第5
図bに示すモード選択IIマツプから1つのモードを選択
し、結果がモードの場合はステツプ430に進み、結果
がモードの場合はステツプ440に進み、また、結果が
モードの場合はやはり制動を増大する余地があるので
ステツプ460に進む。
第5図に示すマツプで、V1は車輪のスリツプ量を判定
する第1の基準速度で、V2は車輪のスリツプ量を判定す
る第2の基準速度であり、前述の通りに車体速度推定値
VBに対しあらかじめ設定されたスリツプ量あるいはスリ
ツプ率から求めている。また、A1も前述の様に車輪がス
リツプ傾向にあるか否かを判定する基準加速度で、一
方、A2は車輪が復帰傾向にあるか否かを判定する基準加
速度で、あらかじめ設定された定数(例えば+0.3G)で
ある。
ステツプ430では制御中フラグをONにし、次にステツ
プ435で制御モードを減圧モードにセツトする。また、
ステツプ425に続くステツプ440では、制御モードを保持
モードにセツトする。
一方、ステツプ445では、ステツプ増圧モードの連続
時間をカウントしているカウンタCpの計時があらかじめ
設定された時間Kcpを越えているか否かを判定する。カ
ウンタCpの計時が設定時間Kcpを越えている場合は、ス
テツプ445からステツプ460に進み、越えていない場合は
ステツプ450に進む。ステツプ450ではステツプ増圧モー
ド連続時間カウンタCpをインクリメントし、続いてステ
ツプ455で制御モードをステツプ増圧モードにセツトす
る。なお、このステツプ増圧モードは、すでに制御中で
ある場合に制動の急増を防ぎつつブレーキ圧力を増すた
めに、保持モードと所定時間の増圧モードの組み合わせ
から成つている。ステツプ460では制御中のフラグをOFF
にし、次にステツプ465で制御モードを増圧モードにセ
ツトする。
ステツプ435、ステツプ440およびステツプ465に続く
ステツプ470では、ステツプ増圧モード連続カウンタCp
をクリアして処理を終了する。
再び第2図に戻つて、ステツプ500では、ステツプ400
で判定した制御モードを3位置弁制御信号として電磁弁
10へ出力する。その結果、減圧モードの場合には、電磁
弁10がC位置となつて、ホイールシリンダ4,5のブレー
キ圧力の減圧を行う。また、保持モードの場合、電磁弁
10はB位置で後輪のブレーキ圧力を保持し、増圧モード
の場合には電磁弁10がA位置にあり、通常のブレーキ動
作が可能である。一方、ステツプ増圧モードの場合、電
磁弁10は所定時間だけB位置からA位置に切り替わつ
て、段階的なブレーキ圧力の増圧を可能にする。この様
にして、制動時に後輪のロツクを防ぎ、その回転状態を
良好な制動性が得られるスリツプ率領域に維持する。
次に、本発明による装置の制御を、本発明を適用しな
い場合と比較して説明する。
第6図は、本発明を適用しない場合の車輪速度VRと車
体速度推定値VBと車輪加速度VRの関係を示す。摩擦係数
μの低い路面を低速で走行中などに制動を行つて車輪が
ロツクした場合(第6図中のM点)、車体速度推定値VB
も下がるので、電子制御装置は車輪速度VRが回復する前
に車両が停止したと判断して制御を終了する。その結
果、車輪はロツクしたままとなり、停止直前に車両が偏
向するという問題が生じる。
第7図は、本発明を適用した場合の車輪速度VRと車体
速度推定値VBと車輪加速度ARを示す。この場合、車輪速
度VRが0になつた時、(第7図中のN点)、車体速度推
定に用いる減速度上限値を低い値に切り替えるため、車
体速度推定値VBが急激に下がることがなく、車輪速度VR
が回復するのに十分な時間的余裕を得ることができ、停
止直前まで安定した制御を続行できる。
(発明の効果) 以上の説明から明らかな様に、本発明は、自動車用ブ
レーキ圧力制御装置の判定手段に、後輪速度が零になつ
た際にそれ以前より小さい値の減速度上限値を用いて車
体速度の推定を続行させることにより、車両の停止まで
安定した制御を実現するものである。このため、Gセン
サなど追加の要素を要することなく、経済的で作動の確
実なブレーキ圧力制御装置の提供が可能である。この制
御装置を装備した自動車は制動性が良好であるのみなら
ず、悪条件下の制動でも車両の偏向がなく、安全性が大
きく向上する。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明自動車用ブレーキ圧力制御装置の実施例
を示す構成図、第2図は第1図実施例における電子制御
装置の処理行程を示すフローチヤート図、第3図は第2
図のフローチヤートのステツプ300における処理を詳細
に説明するためのフローチヤート図、第4図は第2図の
フローチヤートのステツプ400における処理の詳細なフ
ローチヤート図、第5図は第4図のフローチヤートに用
いるモード選択マツプを示す図、第6図は本発明を適用
しない場合の制御を説明するための線図、第7図は本発
明を適用した場合の第6図と同様な説明図、第8図は本
発明の自動車用ブレーキ圧力制御装置の基本構成を示す
ブロツク図である。 1……マスタシリンダ、2〜5……ホイールシリンダ、 6,7……車輪速度センサ、10……電磁弁、 15……電子制御装置、 BR1,BR2……ブレーキ系統、 FL,FR……前輪、RL,RR……後輪。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−24658(JP,A) 特開 昭60−213555(JP,A) 特開 昭63−57359(JP,A) 特開 昭62−125942(JP,A) 特開 昭49−1968(JP,A) 特開 昭50−160680(JP,A) 特開 昭63−180864(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60T 8/66

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車輪に加えるブレーキ圧力を制御する電磁
    弁と、 車輪の速度を検出する速度センサと、 減速度上限値に基づきこの減速度上限値に対応した傾き
    を持つ制限速度を演算し、この制限速度と前記速度セン
    サの出力に基づき算出された車輪速度とを比較しどちら
    かを選択して推定車体速度とする演算手段と、 この推定車体速度と検出された車輪速度とから車輪のロ
    ック傾向を判定する判定手段と、 ロック傾向があると前記電磁弁を制御してロックを防ぐ
    ようにブレーキ圧力を制御する制御手段とを有する自動
    車用ブレーキ圧力制御装置において、 前記車輪速度が基準低速度値以下になった時に、前記減
    速度上限値をそれ以前より小さい値に切り換える切替手
    段を備えることを特徴とする自動車用ブレーキ圧力制御
    装置。
  2. 【請求項2】前記演算手段によって前記速度センサの出
    力に基づき演算算出された車輪速度が実質的に零となっ
    た場合に、前記切替手段は前記減速度上限値をそれ以前
    より小さい値に切り換えることを特徴とする請求項1に
    記載の自動車用ブレーキ圧力制御装置。
  3. 【請求項3】前記自動車用ブレーキ圧力制御装置は、前
    記電磁弁の制御に伴い減圧されたブレーキ圧力分のブレ
    ーキ液を貯留するリザーバを有し、 このリザーバに貯留されたブレーキ液は、乗員によるブ
    レーキペダルの戻し動作に伴いマスタシリンダに戻され
    るとともに、このリザーバに貯留されたブレーキ液を前
    記マスタシリンダ側に返流するポンプを備えていないこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の自動車用ブレ
    ーキ圧力制御装置。
  4. 【請求項4】前記推定車体速度演算手段は、前記減速度
    上限値に加えて加速度上限値を有し、この加速度上限値
    に応じた傾きを持つ第2の制限速度を演算し、前記制限
    速度、前記第2の制限速度および前記速度センサの出力
    に基づき算出される複数の車輪の車輪速度のうちから選
    択される車輪速度の3値の中間値を前記推定車体速度と
    することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記
    載の自動車量ブレーキ圧力制御装置。
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