JP2926494B1 - バガスエキス溶液及びバガスドリンク - Google Patents
バガスエキス溶液及びバガスドリンクInfo
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Abstract
して抽出して、飲料用・医療用等に利用できるバガスエ
キス溶液及びそれを各種飲料に添加したバガスドリンク
を得る。 【解決手段】 バガスを高圧蒸煮処理することにより、
ヘミセルロース等が加水分解されて水溶性の繊維と薬効
果のあるキシロース、フルフラール、ヒドロキシメチル
フルフラール、キシロオリゴ糖等の生成物が得られ、水
溶性繊維と薬効果のある生成物を含むバガスエキス溶液
を得ることができる。それを清涼飲料、アルコール飲
料、薬用飲料、又は健康飲料の何れかに添加することに
よって、バガスドリンクが得られる。
Description
たバガスエキス溶液、及び該バガスエキス溶液を各種飲
料に適用したバガスドリンクに関する。
糖きびを圧搾し、糖汁を搾った粕、即ちバガスが大量に
発生する。従来、バガスの多くは製糖工場でボイラの燃
料として燃やされているが、一部は飼料、有機質肥料と
して、また本発明者が提案した食用繊維(特公平3−7
9980号)として利用されている。しかしながら、該
バガスを飲料用・薬用としては利用されることはなかっ
た。
より食物繊維分の採取が不足しがちであり、それに伴う
健康への影響が顕在化し、日頃の食生活で簡易に採取で
きる植物繊維の出現が望まれている。本発明者は、バガ
スにはセルロース、ヘミセルロース、リグニンなどの繊
維分が多く含まれていることに着目し、先にバガスから
採取した食用粉末繊維を提供したが、粉末であるため手
軽に採取できないという問題点があった。手軽に採取で
きるには、飲料とするのが最も効果があるが、バガスに
含まれているセルロース、ヘミセルロース、リグニン
は、水に不溶性であるため、従来これらを飲料として採
取することは不可能であった。
であって、バガスに含まれている繊維分から水溶性繊維
をエキスとして抽出して、飲料用・医療用等に利用でき
るバガスエキス溶液、又は繊維分及びバガスに含まれて
いる有効成分を手軽に採取できるようなバガスドリクを
提供することを目的とするものである。
を解決するために、種々研究した結果、バガスを高温・
高圧で蒸煮処理することによってバガスの繊維が香ばし
い香りを発してバラバラになり、該高圧蒸煮処理バガス
をさらに煮る又はアルコールに浸すことによって、セル
ロース、ヘミセルロース、リグニン等が水溶性繊維に変
化して、エキスとして抽出されることを知見し、本発明
に到達したものである。
スドリンクは、高圧蒸煮処理したバガスから抽出した水
溶性繊維を含むバガスエキスを主成分とすることを特徴
とするものである。該バガスエキスを、水又はその他の
清涼飲料水に加えることによって、手軽に食用繊維分及
びバガスに含まれている身体に有効な成分が採取できる
清涼飲料水としてのバガスドリンクを得ることができ、
またアルコール飲料に加えることによって、食用繊維含
有アルコール飲料を得ることができる。さらに、バガス
エキスのままあるいは他の薬効成分と混合することによ
って、医療用薬剤又は健康飲料としても適用することが
可能である。
説明する。バガスを1〜30気圧、110℃〜400℃
で3〜60分処理すると、バガスは褐色に変色し、香ば
しい香りを発し、繊維もバラバラになった。このように
処理された高圧蒸煮処理バガスを、さらに水煮又はアル
コールに浸すとバガスエキスを抽出することができた。
該エキスを分析すると、表1に示すように、多くの水溶
性繊維が含まれていることが判明した。表1では、無処
理のバガスと高圧蒸煮されたバガスに含まれる不溶性繊
維と水溶性繊維の割合を表す。
水溶性繊維は僅かに5%程度であったのに対し、高圧蒸
煮処理されたバガスで52%程度まで増えていることが
分かる。バガスに含まれているヘミセルロース等の繊維
は、殆どが不溶性繊維であるにもかかわらず、高圧蒸煮
処理することによって殆どが水溶性繊維に変化する理由
は次の点にあると考えられる。
へミセルロースであるキシランが加水分解され主鎖から
中性糖のキシロースとキシロオルゴ糖を生ずる。また、
アセチル基が遊離し酢酸に変わる。さらにグルクロン酸
側鎖をもつ酸性のキシロオリゴ糖(酸性糖部)が生成さ
れる、ことが分かった。
らキシロデカマース程度のオルゴ糖からなる。また、酸
性糖部はアルドビオウロン酸からアルドテトラオウロン
酸までの酸性オルゴ糖からなる。このようなへミセルロ
ース由来のオルゴ糖は水溶性で消化され易いことで知ら
れている。
ラールに、マンノースなどのヘキソースはヒドロキシメ
チルフルフラールに分解し、さらに重縮合して褐色の着
色物質を形成することが知られている。
酸性オルゴ糖に変化するため、表1に示すように水溶性
の繊維が増加することから、それを煮沸又はアルコール
に浸漬することによって、容易に水溶性繊維を含むバガ
スエキスを抽出することができる。従って、該バガスエ
キスをドリンクとして適用することによって、水溶性繊
維が多く含まれた飲料を得ることができる。さらに、無
臭のバガスを蒸煮処理すると芳香性を有するバガスに変
化するため、バガスエキスを酒類を始め各種飲料水に添
加することによって、芳香性のある各種の繊維飲料を得
ることができる。さらに、グルクロン酸側鎖をもつ酸性
のキシロオリゴ糖(酸性糖部)が生成されるので、これ
らの物質は、アトピー性皮膚炎や胃癌等の病気の治療に
効果があるとされているから、これらの病気の治療薬等
の開発にも適用可能な薬剤や健康飲料を得ることが可能
である。
を粉末にし、該粉末バガス50gに水3リットルを加
え、10分間煮沸し、ろ過してバガスエキスを抽出し
た。該バガスエキスを2倍に薄め、飲用に供した。その
結果、表2に示すように、80人に官能検査を実施した
ところ75人(94%)が飲用として可能であると答え
た。飲料として不適当であると答えたのはわずか5名
(6%)であった。
て糖分を5−10%に調合することによって、紅茶に類
似する色を有する清涼飲料水を得ることができた。該清
涼飲料水からなるバガスドリンクを、上記80人に官能
検査を実施した結果、表3に示すように全ての人が飲用
可能であると判断した。
ィルターに入れ熱湯を注ぐとコーヒーと紅茶をブレンド
した味がする新しい飲み物が得られた。官能検査の結
果、表4に示すように全ての人が飲用可能であると判断
した。
粉末バガス5グラムを添加後、12時間放置後にろ過す
ると酒は甘味と風味がでて、まろやかになった。嗜好性
試験の結果、表5のように全ての人が飲み易くなったと
答えた。
し抽出したエキスをアトピー性皮膚炎患者12人に風呂
代わりに浴びさせたところ、12人中8人(83%)が
アトピー性皮膚炎の病気に効果があったと答えた。これ
は、グルクロン酸側鎖をもつ酸性のキシロオリゴ糖(酸
性糖部)の影響であると考えられる。
たり約1リットルの水を加えて煮沸し、抽出した高濃度
のバガスエキス50mlを3回に分けて食後飲むと、胃炎
患者25人中20人(80%)が胃炎や胃のもたれに効
果があったと答えた。
効な繊維分と薬効果物質が多く含まれているにもかかわ
らず、不溶性の繊維で生成物がないため利用出来なかっ
たバガスを高圧蒸煮処理することにより、ヘミセルロー
ス等が加水分解されて水溶性の繊維と薬効果のあるキシ
ロース、フルフラール、ヒドロキシメチルフルフラー
ル、キシロオリゴ糖等の生成物が得られ、水溶性繊維と
薬効果のある生成物を含むバガスエキス溶液を得ること
ができた。そして、該バガスエキス溶液を利用すること
によって、水溶性繊維と薬効果のある生成物を手軽に採
取できる清涼飲料、アルコール飲料、健康飲料等の各種
バガスドリンクを得ることが可能になった。さらに、該
バガスエキス溶液を既存の飲料水類や酒類などに添加す
ることにより、新たな付加価値のある製品が開発可能で
ある。また、本発明のバガスエキス溶液を利用すること
によって皮膚炎、腸炎、胃癌等の病気の治療薬の開発が
可能になった。
Claims (2)
- 【請求項1】 高圧蒸煮処理したバガスから抽出した水
溶性繊維を含むバガスエキスを主成分とすることを特徴
とするバガスエキス溶液。 - 【請求項2】 請求項1のバガスエキス溶液を、清涼飲
料、アルコール飲料、薬用飲料、又は健康飲料の何れか
に添加してなることを特徴とするバガスドリンク。
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JP23113798A JP2926494B1 (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | バガスエキス溶液及びバガスドリンク |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP23113798A JP2926494B1 (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | バガスエキス溶液及びバガスドリンク |
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Publication Number | Publication Date |
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Family
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP23113798A Expired - Fee Related JP2926494B1 (ja) | 1998-08-04 | 1998-08-04 | バガスエキス溶液及びバガスドリンク |
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-
1998
- 1998-08-04 JP JP23113798A patent/JP2926494B1/ja not_active Expired - Fee Related
Non-Patent Citations (2)
Title |
---|
Sugar J.,Vol.49[6](1986)p.19−20 |
東京農業大学農学集報,Vol/30[1](1985)p.72−78 |
Also Published As
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JP2000050840A (ja) | 2000-02-22 |
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