JP2925759B2 - カラオケ装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は音程指示装置に関し、音
楽に合わせて歌ったボーカルに対し、その音程の正確さ
を判断するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】一般に、カラオケを楽しむ場合、カラオ
ケ用の音楽を再生すると共にその歌詞を画像装置に表示
し、利用者がその音楽を聴き且つ画像装置の歌詞を観な
がら歌うことが行われる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、カラオケの
利用者としては、自分のボーカルが音楽的に正確なもの
かどうかが気になるところであり、この正確さを判断す
るための手段が要望されるところである。

【０００４】本発明はこのような点に着目してなされた
ものであり、その目的とするところは、実際のボーカル
の正確さを音程の面から公正且つ簡易に判断できて、例
えばカラオケを楽しむ場合に好適な音程指示装置を提供
することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の講じた解決手段は、再生装置（６０）、抽
出手段、データバッファ（２５）、タイミング信号出力
手段（２８）、周波数分析手段（３３）、比較手段（４
１）、表示手段（４２、４３）からなり、各々が進行順
に配置された音楽データ、現在位置表示符号、音程デー
タからなるカラオケデータを再生するカラオケ装置であ
って、音楽装置（６０）は、記憶手段（１０）の記憶す
るカラオケデータの音楽データに基づいて再生を行い、
抽出手段は、記憶手段（１０）の記憶するカラオケデー
タから、現在位置表示符号、音程データを抽出し、デー
タバッファ（２５）は、抽出手段の抽出した音程データ
を一時記憶するとともに、タイミング信号出力手段（２
８）のタイミング信号により一時記憶した音程データを
出力し、タイミング信号出力手段（２８）は、抽出手段
の抽出した現在位置表示符号に基づいてタイミング信号
を出力し、周波数分析手段（３３）は、マイク（３１）
から入力されるボーカル信号から基本周波数を 検出し、
タイミング信号出力手段（２８）のタイミング信号の出
力タイミングに基づいて検出した基本周波数を出力し、
比較手段（４１）は、データバッファ（２５）の出力す
る音程データと周波数分析手段（３３）の出力する基本
周波数を比較して比較結果を出力し、表示手段（４２、
４３）は、比較手段（４１）の出力する比較結果に基づ
いて予め有するメッセージを選択し画像装置（４４）に
出力するというものである。

【０００６】

【作用】上記の構成により、音程データ読み出し手段が
記憶手段から音楽再生に１区画先立って音程データを読
み出す。続いて、音楽データの再生に応じてマイクなど
から入力された実際のボーカルの音程が基本周波数とし
て抽出され、この基本周波数が先立って読み出されてい
る音程データと同期して比較され、その比較結果に基づ
いて、予め定められた複数の指示のうちから選択された
指示が出嘱される。この指示により、利用者は自分のボ
ーカルの正確さを音程の面から容易に判断できる。

【０００７】

【実施例】以下、実施例を図面に基づいて詳細に説明す
る。

【０００８】図２は実施例の音程指示装置を示す。同図
において、１０は記憶手段であって、この記憶手段１０
には多数の曲の音楽データが記憶されている。図３に示
すように、各音楽データには、ボーカル部のデータであ
るボーカルデータが付属している。これらのデータは１
小節分を１区画として多数の区画１，２，３・・・に仕
切られて曲の進行する順に配列されており、ボーカルデ
ータの方が音楽データよりもほぼ１区画だけ先行するよ
うに格納されている。上記ボーカルデータにはボーカル
部の音程を示す音程データが格納されている。

【０００９】図３に長い矢印で示すように画面を更新す
べき位置には一画面表示符号が挿入され、また同図に短
い矢印で示すように現在位置を示すべき位置には現在位
置表示符号が適宜に挿入されている。また記憶手段１０
には、歌詞を表示する文字データが文字コードで格納さ
れている。

【００１０】上記記憶手段１０には再生装置６０が接続
されており、記憶手段１０から音楽データを読み出し、
これを再生するようにしている。

【００１１】また記憶手段１０にはデコーダー２１が接
続され、デコーダー２１にはボーカルデータ抽出器２
２、音程データ抽出器２３、第１データバッファ２４お
よび第２データバッファ２５が順に接続されており、ボ
ーカルデータ抽出器２２によりボーカルデータを読み取
り、音程データ抽出器２３によりボーカルデータから音
程データを読み取り、この音程データを第１データバッ
ファ２４へ、更には第２データバッファ２５へ格納す
る。さらにデコーダー２１にはボーカルデータから一画
面表示符号を読み取る一画面表示符号抽出器２６と、現
在位置表示符号を読み取る現在位置表示符号抽出器２７
とが並列に接続されている。そして、現在位置表示符号
抽出器２７には、現在位置表示符号の周波数を分周処理
する分周器２８が接続されている。そして、第２データ
バッファ２５の出力信号は比較器４１へ入力されてい
る。一画面表示符号抽出器２６の出力信号は上記第１デ
ータバッファ２４にトリガ信号として入力され、分周器
２８の出力信号は上記第２データバッファ２５にトリガ
信号として入力されていて、音程データ抽出器２３によ
り読み取った音程データを一画面表示符号を受けるごと
に第１データバッファ２４から出力し、更に現在位置表
示符号を受けるごとに第２データバッファ２５から出力
している。

【００１２】次に、実際のボーカルからの基本周波数の
割り出しについて説明する。図２において、３１は利用
者のボーカルを集音するマイクロフォンであって、この
マイクロフォン３１にはマイクアンプ３２および周波数
分析器３３が順に接続されており、マイクロフォン３１
からの音声信号をマイクアンプ３２で増幅し、周波数分
析器３３で基本周波数を割り出すようにしている。その
場合、周波数分析器３３には現在位置表示符号の周波数
を分周器２８で分周処理した信号が入力されている。そ
して周波数分析器３３の出力信号は基本周波数として上
記比較器４１に入力されている。

【００１３】ここで、上記周波数分析器３３の構成を図
４によって説明する。この周波数分析器３３は、マッチ
トフィルタを複数組み合わせて構成されている。同図に
おいて、３３ａはマイクアンプ３２に並列に接続された
第１〜第ＮのＮ個のバンドパスフィルタであって、音声
帯域をＮ区画に分割して得られた各周波数帯域がそれぞ
れ通過帯域として割り当てられている。各バンドパスフ
ィルタ３３ａには検波器３３ｂおよび積分器３３ｃが順
に接続され、各バンドパスフィルタ３３ａを通過した信
号を検波器３３ｂで検波して高周波成分を除去し、積分
器３３ｃでこれを積分している。そして各積分器３３ｃ
の出力は比較検出回路３３ｅに入力している。また上記
分周器２８の出力は、一つは遅延回路３３ｄで遅延処理
した後に上記各積分器３３ｃに入力し、もう一つはその
まま比較検出回路３３ｅに入力している。すなわち、比
較検出回路３３ｅにおいて各積分器３３ｃからの出力値
を比較し、その最大値を示したところのバンドパスフィ
ルタ３３ａを判別し、その番号（１〜Ｎ）を出力する。
この番号から、そのバンドパスフィルタ３３ａの通過帯
域がボーカルの基本周波数であることが割り出される。
この比較検出回路３３ｅは、分周器２８からの信号によ
り現在位置表示符号に同期して作動する。そして、これ
から遅延回路３３ｄの遅延時間だけ遅れて各積分器３３
ｃがクリアされる。

【００１４】上記比較器４１では、上述したように現在
位置表示符号で同期することにより、現在位置における
音程データと基本周波数とが比較される。そして、基本
周波数が音程データよりも所定値以上高い「音程高過
ぎ」の場合と、基本周波数と音程データとの差が所定値
以内である「音程適正」の場合と、基本周波数が音程デ
ータよりも所定値以上低い「音程低過ぎ」の場合とに判
別される。比較器４１には、メッセージ選択器４２、表
示手段４３および画像装置４４が順に接続されている。
メッセージ選択器４２では「音程高過ぎ」、「音程適
正」、「音程低過ぎ」の各場合に応じたメッセージを選
択し、表示手段４３から各メッセージに応じた表示信号
を出力し、この表示信号を受けて画像装置４４に各メッ
セージが表示される。ここで、「音程高過ぎ」の場合の
メッセージは「もっと音程を下げて」であり、「音程適
正」の場合のメッセージは「そのままで」であり、「音
程低過ぎ」の場合のメッセージは「もっと音程を上げ
て」である。

【００１５】なお、歌詞も文字データに基づいて画像装
置５０に表示されるが、その処理ブロックについては説
明を省略する。

【００１６】以上の構成において、デコーダー２１、ボ
ーカルデータ抽出器２２、音程データ抽出器２３、第１
データバッファ２４、第２データバッファ２５、一画面
表示符号抽出器２６、現在位置表示符号抽出器２７およ
び分周器２８により、記憶手段１０を参照し音程データ
を音楽データに対応させて読み出す音程データ読み出し
手段２０を構成している。またマイクロフォン３１、マ
イクアンプ３２および周波数分析器３３により、実際の
ボーカルから基本周波数を割り出す周波数検出手段３０
を構成している。さらに比較器４１、メッセージ選択器
４２、表示手段４３および画像装置４４により、音程デ
ータ読み出し手段２０および周波数検出手段３０の出力
を受け、音程データと基本周波数とを比較すると共に、
その比較結果に基づいて適宜な指示を出力する比較指示
手段４０を構成している。

【００１７】したがって、上記実施例においては、音程
データと基本周波数とを比較すると共に、その比較結果
に基づいて「音程高過ぎ」の場合は「もっと音程を下げ
て」と指示し、「音程適正」の場合は「そのままで」と
指示し、「音程低過ぎ」の場合は「もっと音程を上げ
て」と指示するので、利用者は自分のボーカルの正確さ
を音程の面から公正且つ簡易に判断できる。

【００１８】なお、比較器４１での判別は必ずしも上述
のように三区分で行わなくてもよく、これよりも多くて
も少なくても良い。またメッセージの内容も上記のもの
に限定されない。

【００１９】また、比較指示手段は、上記実施例のよう
に画像装置で視覚的にメッセージを出力するものでもよ
いが、スピーカなどによって聴覚的にメッセージを出力
するものでもよいし、これらを組み合わせてもよい。

【００２０】さらに、データは、例えばＭＩＤＩデータ
で構成すればよい。その場合には音楽データとボーカル
データとにそれぞれ１チャンネルを割り当てればよい。
このとき再生装置６０はＭＩＤＩ音源であり、デコーダ
ー２１はＭＩＤＩデコーダーである。

【００２１】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の音程指示
装置によれば、音楽データに関連付けてそのボーカル部
の音程を示す音程データを記憶しておき、音楽データに
対応して読み出した音程データと、実際のボーカルから
割り出した基本周波数とを比較すると共に、その比較結
果に基づいて適宜な指示を出力するので、利用者は自分
のボーカルの正確さを音程の面から公正且つ簡易に判断
でき、例えばカラオケ音楽の再生などに利用する音程指
示装置として好適である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の全体構成を示すブロック図である。

【図２】実施例の全体構成を示すブロック図である。

【図３】音楽データの構成を示す説明図である。

【図４】周波数分析器の構成を示すブロック図である。

【符号の説明】

１０ 記憶手段 ２０ 音程データ読み出し手段 ３０ 周波数検出手段 ４０ 比較指示手段

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−221786（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−195791（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−270393（ＪＰ，Ａ) 特開 昭58−28794（ＪＰ，Ａ) 特開 昭61−230200（ＪＰ，Ａ) 特公 昭60−38718（ＪＰ，Ｂ２) 特公 昭46−36688（ＪＰ，Ｂ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) G10K 15/04 302 G10L 3/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】再生装置（６０）、抽出手段、データバッ
   ファ（２５）、タイミング信号出力手段（２８）、周波
   数分析手段（３３）、比較手段（４１）、表示手段（４
   ２、４３）からなり、各々が進行順に配置された音楽デ
   ータ、現在位置表示符号、音程データからなるカラオケ
   データを再生するカラオケ装置であって、 音楽装置（６０）は、記憶手段（１０）の記憶するカラ
   オケデータの音楽データに基づいて再生を行い、 抽出手段は、記憶手段（１０）の記憶するカラオケデー
   タから、現在位置表示符号、音程データを抽出し、 データバッファ（２５）は、抽出手段の抽出した音程デ
   ータを一時記憶するとともに、タイミング信号出力手段
   （２８）のタイミング信号により一時記憶した音程デー
   タを出力し、 タイミング信号出力手段（２８）は、抽出手段の抽出し
   た現在位置表示符号に基づいてタイミング信号を出力
   し、 周波数分析手段（３３）は、マイク（３１）から入力さ
   れるボーカル信号から基本周波数を検出し、タイミング
   信号出力手段（２８）のタイミング信号の出力タイミン
   グに基づいて検出した基本周波数を出力し、 比較手段（４１）は、データバッファ（２５）の出力す
   る音程データと周波数分析手段（３３）の出力する基本
   周波数を比較して比較結果を出力し、 表示手段（４２、４３）は、比較手段（４１）の出力す
   る比較結果に基づいて予め有するメッセージを選択し画
   像装置（４４）に出力するカラオケ装置。