JP2925427B2 - 静電チャック - Google Patents

静電チャック

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JP2925427B2 JP11290793A JP11290793A JP2925427B2 JP 2925427 B2 JP2925427 B2 JP 2925427B2 JP 11290793 A JP11290793 A JP 11290793A JP 11290793 A JP11290793 A JP 11290793A JP 2925427 B2 JP2925427 B2 JP 2925427B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は静電チャック、特には導
電性、半導電性または絶縁性の対象物を強く静電的に吸
着保持し、容易に脱着することができることから、半導
体や液晶の製造プロセスなどに有用とされる静電チャッ
クに関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体や液晶の製造プロセス、半導体装
置のドライエッチング、イオン注入、蒸着などの行程に
ついては近年その自動化、ドライ化が進んでおり、した
がって真空条件下で用いられる製造も増加してきてい
る。また、基板としてのシリコーンウェハーやガラスな
どの大口径化が進み、回路の高集積化、微細化に伴って
パターニング時の位置精度も益々重要視されてきてい
る。そのため、基板の搬送や吸着固定には真空チャック
が使用されているが、このものは真空条件下では圧力差
がないために使用できず、これはまた非真空下で基板を
吸着できたとしても吸着部分が局部的に吸引されるため
に、基板に部分的な歪が生じ、高精度な位置合わせがで
きないという不利があり、したがって最近の半導体、液
晶の製造プロセスには不適なものとされている。
【0003】この欠点を改善したものとして静電気力を
利用して、基板を搬送したり、これを吸着固定する静電
チャックが注目され、使用されはじめているが、最近の
半導体や液晶の製造プロセスでは微細化に伴って基板で
あるウェハーやガラス板の平坦度が重要となってきてい
ることから、その矯正に静電チャックの吸着力を利用す
る事も検討されてきている。この静電チャックは、通常
静電吸着装置の機能を果たすチャック機能部とこのチャ
ック機能部を装置に固定するためおよび発生した熱を逃
がす働きをなすプレート部によって構成されており、こ
のチャック機能部についてはセラミックスが一般に採用
されているし、プレート部については熱伝導の良好なア
ルミニウム製のプレート部が一般には採用されている。
【0004】しかして、従来の固定方法としては、クラ
ンプ部材によりチャックをプレート部にボルトまたはネ
ジ止め固定するメカニカルな方法が一般的であったが、
セラミックス製のチャック機能部は年々厚みが薄くなっ
てきて、メカニカルなクランプが困難になってきてお
り、また微視的にみればチャック機能部とプレート部と
の間には大きな隙間が存在し、このため熱伝導が非常に
悪く、ウェハーの冷却効率が悪いという問題点が生じて
いた。またメカニカルな方法の他に、有機接着剤やガラ
スを用いてチャック機能部とプレート部を接合する構造
も一般的とされているが、アルミニウムと一般的なセラ
ミックスとの間には大きな熱膨張率差があり、このよう
な接合方法を使用すると、平面度が必要なチャック機能
部に歪が生じたり、割れが発生するという問題点があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そのため、これについ
てはチャック機能部とプレート部とをシリコーン樹脂で
接合するということも提案されており(特開平4-287344
号公報参照)、これによればシリコーンゴムなどの軟質
な接合によって熱膨張率を吸収でき、歪や割れを生ずる
ことをなくすることができる。しかし、静電チャックが
通常半導体プロセス中のドライエッチングなどプラズマ
にさらされる箇所で使用されるもので、このプラズマと
してはフッ素系プラズマや塩素系プラズマ、酸素系プラ
ズマが一般的であるが、これらのプラズマ下ではシリコ
ーン樹脂が耐性に劣るものであるためにこのものは寿命
が短く、プラズマに侵されたシリコーン樹脂がゴミとな
ってウェハーを汚染するという不利がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決した静電チャックに関するものであ
り、これは電極の両側を焼結体および/または溶射セラ
ミックスよりなる絶縁性誘電体層で被覆してチャック機
能部を形成し、このチャック機能部の一方の面にプレー
ト部を接合することにより構成する静電吸着装置におい
て、チャック機能部とプレート部とをフッ素変性ジオル
ガノポリシロキサン組成物で接着してなることを特徴と
するものである。
【0007】すなわち、本発明者らは前記したような不
利を伴わない静電チャックを開発すべく検討した結果、
チャック機能部とプレート部の接着剤としてフッ素変性
オルガノポリシロキサン組成物を使用すれば、このもの
が接着強度が大きく、実質的にはプラズマ劣化もないの
で、長寿命で高性能な静電チャックを得ることができる
ことを見いだし本発明を完成させた。以下にこれをさら
に詳述する。
【0008】
【作用】本発明は静電チャックに関するものであり、こ
れは電極が絶縁性誘電体層で被覆されてチャック機能部
を形成し、電極に電圧を印加することにより試料がチャ
ック機能部に静電吸着する静電チャックにおいて、チャ
ック機能部とプレート部とをフッ素変性オルガノポリシ
ロキサン組成物で接着させてなることを要旨とするもの
であるが、これによればこのフッ素変性オルガノポリシ
ロキサン組成物からなる接着剤が接着強度の大きいもの
であるし、このものは半導体プロセスで使用されるプラ
ズマも耐えるものであるので、これがゴミになることは
なく、したがってこの静電チャックが長寿命、高性能な
ものになるという有利性が与えられる。
【0009】本発明の静電チャックは電極とこれを被覆
した絶縁性誘電体層とからなるチャック機能部とこれと
接合するプレート部とから構成される。本発明の静電チ
ャックを構成する電極は銅、アルミニウム、チタン、モ
リブデン、タングステンなどの導電性金属で作られたも
のとすればよいが、この形成はスクリーン印刷法、溶射
法、フォトリソグラフィーあるいはメッキなどで行えば
よい。また、この電極の形式は電極の一方を吸着される
基板にとり、もう一方を静電吸着装置内に構成する単極
型であってもよいが、これは内部に二つの電極を対向さ
せる双極式のものであってもよい。
【0010】また、チャック機能部を構成する絶縁性誘
電体層はセラミックスとされるが、これは焼結体または
プラズマによる溶射により作製した混合物であればよ
い。具体的には主成分のセラミックスとして酸化アルミ
ニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、窒化けい素、
酸化けい素、酸化ジルコニウム、酸化チタニウム、サイ
アロン、窒化ほう素、炭化けい素あるいはこれらの混合
物からなるセラミックスであればよい。この絶縁性誘電
体層の体積固有抵抗値は、使用する温度により適正な値
があり、例えば保持されるウェハーの温度が20℃以下の
時の混合物の体積固有抵抗値は1×108 以上、1×1012
Ω・cm未満程度であれば静電力が十分発揮し、デバイス
ダメージもおこさない。
【0011】また、この絶縁性誘電体層の体積固有抵抗
についてはウェハーの温度が20℃以上のときでも1×10
12Ω・cm以上であればウェハーに流れるリーク電流も小
さいので、ウェハー上に描かれた回路を破壊することも
なくなるが、これについてはその体積固有抵抗を最適な
ものとすれば、微少なリーク電流が絶縁体とウェハー間
に流れ、ジョンセン・ラーベック効果により静電気が強
く発生して良好な吸着保持状態となり、応答特性な良好
なチャック機能部が得られる。
【0012】なお、この静電吸着装置における静電力は
一般にf=Aε(E/t)2 (ここでf:静電力、ε:
誘電率、E:電圧、t:厚さ、A:定数)と表されるの
で、絶縁体中に高誘電体のセラミックス粉末、例えばチ
タン酸バリウム、チタン酸鉛、チタン酸ジルコニウム、
PLZTなどの混入をすることは半導体デバイスに影響
しない程度であれば差しつかえはない。
【0013】つぎにこの静電チャックを構成するプレー
部は、一般には熱伝導が良好であり且つプラズマ形成時
の電極にも使用するため導電体であるアルミニウムを採
用するのが良い。なお、アルミニウムの含有量としては
90重量%以上のアルミニウム合金を採用すると一層良
い。
【0014】本発明の静電チャックでは上記したチャッ
ク機能部とプレート部とがフッ素変性オルガノポリシロ
キサン組成物で接着されるのであるが、このフッ素変性
オルガノポリシロキサン組成物は、 A)一般式[I]
【化3】 ここにR1 及びR2 は同一または異種の脂肪族不飽和結
合を有しない非置換または置換の一価炭化水素基、R3
は一価の脂肪族不飽和炭化水素基、R4 は脂肪族不飽和
結合を有しない二価の炭化水素基または下記の一般式
[II]、 −R5 −O−R6 −・・・[II] (式中、R5 およびR6 はそれぞれ脂肪族不飽和結合を
有しない二価の炭化水素基である)で表される基、Rf
はパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキル
エーテル基、Xは一般式[III] 、
【化4】 (式中のR7 は1価の脂肪族不飽和炭化水素基、R8
よびR9 は同一または異種の非置換または置換の1価炭
化水素基)で表される基、a、bは1以上の整数、cは
0以上の整数で表わされるフッ素変性ジオルガノポリシ
ロキサン、100重量部、 B)エポキシ基含有ハイドロ
ジエンポリシロキサン 0.1〜5重量部、 C)
硬化剤およびD)付加反応用触媒とからなるものとされ
る。
【0015】本発明で使用されるフッ素変性オルガノポ
リシロキサン組成物を構成するA)成分としてのフッ素
変性オルガノポリシロキサンは、前記した一般式[I]
で示されるものであるが、この一般式[I]におけるR
1 及びR2 は、非置換または置換の1価炭化水素基、特
に炭素原子数が1〜8のものであり、これらは脂肪族不
飽和結合を有していない基である。具体的には、メチル
基、エチル基、イソプロピル基、ブチル基等のアルキル
基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基等のシクロア
ルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等のアリ
ール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル
基;クロロメチル基、クロロプロピル基、クロロシクロ
ヘキシル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等の
ハロゲン化炭化水素基;2−シアノエチル基等のシアノ
炭化水素基等が例示されるが、特に好ましいのはメチル
基、エチル基、フェニル基、3,3,3−トリフルオロ
プロピル基である。
【0016】またこのR3 は、一価の脂肪族不飽和炭化
水素基であり、例えばビニル基、アリル基、エチニル基
等が例示されるが、特に好適な基は、ビニル基である。
4はけい素原子と含フッ素有機基Rfとの間に介在す
る二価の基で、これは、脂肪族不飽和結合を有しない二
価の炭化水素基あるいは下記一般式[II] −R5 −O−R6 − ・・・[II] (式中、R5 、R6 は、脂肪族不飽和結合を有しない二
価の有機基である)で表わされるエーテル結合を有する
二価の有機基である。具体的には、-CH2- 、-CH2CH2-、
-CH2CH2CH2- 、-(CH2)6-、-[CH(CH3)CH2]2- 、-C6H4-、
-CH2O-CH2-、-CH2CH2CH2-O-CH2- 、-CH2-O-CH2CH2CH2-
、-CH2O-CH2-C6H4-等を例示することができ、特に好適
な基は-CH2CH2-、-CH2CH2CH2- 、-CH2CH2CH2-O-CH-であ
る。
【0017】なお、このRfは含フッ素有機基であり、
パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキルエ
ーテル基である。このパーフルオロアルキル基として
は、下記式 CPF2P+1- (式中、Pは4〜10の整数である)で表わされるものが
例示され、好適には、C6F16-、C8F17-、C10F21- 等であ
る。パーフルオロアルキルエーテル基としては、特に炭
素原子数5〜15のものが例示され、好適には、C3F7OCF
(CF3)- 、C3F7OCF(CF3)CF2OCF(CF3)-、C2F5OCF2CF2-、C
3F7OCF(CF3)CF2OCF2-などが例示される。
【0018】さらに、このXは上記した一般式[III] で
示され、R7 は1価の脂肪族不飽和炭化水素基、R8
よびR9 は同一または異種の非置換または置換1価炭化
水素基であるが、このR7 としてはビニル基、アリル
基、ヘキセニル基などのアルケニル基が例示され、R
8 、R9 としては脂肪族不飽和基を有しない炭化水素
基、またはビニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基
などが例示されるが、特に好適なものは(CH3)3Si- 、(C
H2=CH)(CH3)2Si-とされる。
【0019】前記一般式[I]において、aは1以上の
整数、好ましくは 100〜10,000の整数、bは1以上の整
数、好ましくは50〜 5,000の整数であり、cは0以上の
整数であるが、b/(a+b+c)の値は1/50〜1/3 の
範囲であることが好適である。また、上述したフッ素変
性オルガノポリシロキサンは、25℃における粘度が 100
〜10,000cSt の範囲にあるものが好適であり、これらの
フッ素変性ジオルガノシロキサンは、1種単独でも2種
以上の組合わせでも使用することができる。
【0020】上述した一般式[I]で表わされるフッ素
変性ジオルガノポリシロキサンは、それ自体公知の方法
で製造することができる。例えば、下記一般式[IV]、
【化5】 (式中、R1 、R2 、R4 及びRfは前記の通り)で表
わされるシクロトリシロキサン(a)と、下記一般式
[V]、
【化6】 (式中、R1 は前記の通り)で表わされるシクロトリシ
ロキサン(b)及び必要に応じ下記一般式[VI]、
【化7】 (式中、R1 及びR3 は前記の通り)で表わされるシク
ロトリシロキサン(c)とをアルカリまたは酸触媒の存
在下に共重合させることによって得ることができるが、
これは下記一般式[VII] 、
【化8】 (式中、R7 〜R9 は前記の通り)又は下記式[VII
I]、
【化9】 (式中、R1 及びR7 〜R9 は前記の通りであり、qは
0以上の整数、Mはアルカリ金属原子である、)で表わ
されるけい素化合物の存在下で前記共重合を行なうこと
により得られる。
【0021】前記共重合に使用されるアルカリまたは酸
触媒としては、例えば水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等の水酸化アルカリ、リチウムシリ
コネート、カリウムシリコネート、カリウムシリコネー
ト等のアルカリシリコネート、テトラブチルホスフィン
ハイドロキサイド、テトラメチルアンモニウムハイドロ
キサイド等の四級塩ハイドロキサイド、五配位けい素化
合物、硫酸、およびトリフルオロメタンスルホン酸等の
スルホン酸類等を例示することができる。
【0022】また、本発明で使用されるフッ素変性ジオ
ルガノポリシロキサン組成物を構成するB)成分として
のエポキシ基含有ハイドロジエンポリシロキサンは接着
助剤として作用するものであり、これには種々のエポキ
シ基を含有するハイドロジエンポリシロキサンがあげら
れるが、耐性の面からは特に下記の一般式
【化10】 で示されるものが好適とされる。
【0023】この式中のRf2 は前記したRf1 と同様
の炭素数3〜20の2価パーフルオロアルキレン基または
2価のパーフルオロポリエーテル基、j、kは1〜3の
整数であるものとされるが、これには下記のものが例示
される。
【化11】
【化12】
【化13】
【0024】なお、このB)成分の添加量はこれが少な
すぎると接着力が不十分となるし、多すぎると発泡した
り、その特性を悪化させるので、これは組成物全体に含
まれる脂肪族不飽和基1モルに対し、 0.1〜3モルの範
囲、好ましくは 0.3〜 2.0モルの範囲とすればよいの
で、重量換算とすれば上記したA)成分 100重量部に対
して 0.1〜50重量部とすればよい。
【0025】つぎに本発明で使用されるフッ素変性ジオ
ルガノポリシロキサン組成物を構成するC)成分として
の硬化剤としてはけい素原子に結合した水素原子を分子
中に少なくとも1個有するオルガノハイドロジエンポリ
シロキサンが例示される。即ち、この場合には、フッ素
変性ジオルガノポリシロキサン中の脂肪族不飽和基と、
オルガノハイドロジエンポリシロキサン中のけい素原子
に結合した水素原子との間で生ずる付加反応によって硬
化物が形成されるものである。
【0026】この様なオルガノハイドロジエンポリシロ
キサンとしては、付加硬化型のシリコーン組成物に使用
される種々のオルガノハイドロジエンポリシロキサンを
使用することができるが、本発明においては特に以下の
ものが好適に使用される。 下記式(C−1)〜(C−4)で表わされるオルガ
ノハイドロジエンポリシロキサン。
【化14】
【化15】
【化16】
【化17】 上記式中、R2 、R4 およびRfは前述した意味を表わ
し、s及びtは0以上の整数であり、uは1以上の整数
を示す。 (CH3)2HSiO0.5 単位とSiO2単位とからなる共重合
体。 尚、これらオルガノハイドロジエンポリシロキサンの25
℃における粘度は、通常1,000cSt以下の範囲にあること
が望ましい。
【0027】なお、このC)成分の添加量はこれが少な
すぎると架橋度合が不十分となるし、多すぎると発泡し
たり、その特性を悪化させるので、この組成物全体に含
まれる脂肪族不飽和基1モルに対して 0.5〜5モルの範
囲、好ましくは 1.2〜 3.0モルの範囲とすればよいが、
このものはまた均一な硬化物を得るために成分A)と相
溶性をもつものとすることがよい。
【0028】また、この組成物を構成するD)成分とし
ての付加反応用触媒は周期律表第VIII族元素を含有する
ものとされるが、これは貴金属で高価であることから、
比較的入手し易い白金化合物とすればよい。したがっ
て、これは塩化白金酸、塩化白金酸とエチレンなどのオ
レフィン、アルコール、ビニルシロキサンとの錯体、白
金をシリカ、アルミナ、カーボンなどの固体触媒に担持
したものなどとすればよいが、これは均一な組成物を得
ることからは塩化白金酸や上記した錯体を適切な有機溶
剤に溶解したものを前記したA)成分と相溶させて使用
することがよい。なお、D)成分の添加量に特に制限は
ないが、これは高価であることから一般に1〜1,000pp
m、好ましくは10〜500ppmの範囲で使用すればよく、こ
れによれば本発明の組成物を、 100〜 200℃で数分から
数時間の短時間で硬化させることができる。
【0029】本発明で使用されるフッ素変性ジオルガノ
ポリシロキサン組成物は上記したA)、B)、C)、
D)成分の所定量を均一に混合することによって得るこ
とができるけれども、これには必要に応じ各種の添加剤
を加えてもよい。すなわち、この組成物についてはこの
硬化して得られる接着剤の強度を補強するために、SiO2
単位、CH2=CH(R2)SiO0.5単位、R3SiO0.5単位(Rは脂肪
族不飽和基を含まない一価炭化水素基)からなるレジン
構造のオルガノポリシロキサンを添加してもよいし、組
成物の硬化速度を制御する目的において、これにCH2=HR
SiO 単位を含むポリシロキサン、アセチレン化合物、重
金属のイオン性化合物を添加してもよく、さらには得ら
れる接着剤組成物の可撓性などを向上させるために無官
能のオルガノポリシロキサンを添加してもよい。
【0030】さらにこの組成物には、硬化時における熱
収縮の減少、硬化物の熱膨張率の低下、熱安定性、耐候
性あるいは機械的強度を向上させる目的で、充填剤を添
加してもよく、これには例えばフュームドシリカ、石英
粉末、ガラス繊維、カーボン、酸化鉄、酸化チタン、酸
化セリウムなどの金属酸化物、炭酸カルシウム、炭酸マ
グネシウム等の金属炭酸塩があげられるが、半導体プロ
セスに使用するときの充填剤としてはフュームドシリ
カ、石英粉末とすることが望ましい。なお、これには必
要に応じて適当な顔料、染料あるいは酸化防止剤などを
添加することも可能であるが、本組成物の実用にあたっ
ては用途、目的に応じて適当な有機溶媒、例えばトルエ
ン、キシレン等に該組成物を所望の濃度に溶解して使用
してもよい。
【0031】本発明の静電チャックは前記のチャック機
能部とプレート部を上記したフッ素変性ジオルガノポリ
シロキサン組成物を用いて接着することにより構成され
るが、このものは接着強度が強く、実質的にはプラブマ
劣化がないため、特にドライエッチングなどのプラブマ
中で使用される静電チャックとして有用とされる。
【0032】
【実施例】つぎに本発明で使用されるフッ素変性オルガ
ノポリシロキサン組成物の合成例、実施例をあげる。 (合成例)撹拌棒、窒素導入管、温度計及び排気管を備
えた1リットル四つ口フラスコに、式
【化18】 で表わされるシクロトリシロキサン1,000gと、式
【化19】 で表わされるジシロキサン2.1gおよびトリフロロメタン
スルホン酸0.1gを仕込み、50℃で6時間撹拌し、反応後
アンモニア水0.4gで中和した後、活性炭処理、底留分留
去したところ、式
【化20】 で示されるフッ素変性オルガノポリシロキサン[A)成
分]が得られたので、この100gにトリメチルシロキシ基
で処理された煙霧質シリカ 15gを加え、ニーダーにより
150℃で2時間混合後3本ロールで混合した。
【0033】ついで、これに式
【化21】 で示されるエポキシ基含有ハイドロジエンシロキサン
[B)成分]1.8gと式
【化22】 で示されるオルガノハイドロジエンシロキサン[C)成
分]1.8g、石英粉末0.47g 、塩化白金酸の[CH2=CHSi(CH
3)2]2O変性触媒のトルエン溶液(白金濃度 1.0重量%)
0.1gおよび2−エチルイソプロパノール0.002gを加え、
均一に混合して組成物Iを作ると共に、上記のB)成分
における式中でRfがないエポキシ基含有ハイドロジエ
ンシロキサン1.8gを添加せず、上記のオルガノハイドロ
ジエンポリシロキサンを1.8g添加したほかは上記と同じ
ように処理して組成物IIを作った。
【0034】実施例1〜2 酸化アルミニウム粉末92重量%とシリカ粉末5重量%お
よびマグネシア3重量%からなる混合物 100重量部に、
ブチラール樹脂8重量部、エタノール60重量部およびフ
タル酸ジオクチル12重量部を添加した後、ポールミル中
で48時間混練してスラリーを作製し、このスラリーを真
空脱泡機で処理してその溶剤の一部を飛散させ、粘度3
0,000センチポイズのものとし、このスラリーからドク
ターブレードを用いて深さ 0.7mmのグリーンシートを作
り、このグリーンシートから直径が180mmφの円盤を2
枚切り出し、このグリーンシート円盤1枚にタングステ
ンペーストを用いてスクリーン印刷で双極型電極を 2.5
mmの間隔で同心円状に印刷した。
【0035】ついで、この印刷面にもう一枚のグリーン
シートを重ね合わせ、 100℃に加熱したプレスで80kg/c
m2の圧力をかけて一体化し、その後、水素25%、窒素75
%の雰囲気ガス中で、 1,630℃の温度で焼結したとこ
ろ、焼結体が得られた。ついで、この焼結体の両面を研
磨して厚さ1mmのものを作製し、電極にリードピンを2
本接合してチャック機能部を作製すると共に、直径が 1
80mmφ、厚さが20mmのプレート部であるアルミニウム板
を用意した。
【0036】つぎに、上記の合成例で得られた組成物
I、IIを前記したチャック機能部の一方の面に約 100μ
mの厚さに塗布し、これをプレート部上に載置、 120℃
×2時間の加熱を行ない、このようにして作製した静電
チャックをドライエッチング装置に取り付け、そのプラ
ズマ耐久性をみたところ 1,000時間を超えても接着部分
の劣化がなく、このものは長寿命、高性能なものである
ことが確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明は静電チャックに関するものであ
り、これは前記したようにチャック機能部とプレート部
とをフッ素変性ジオルガノポリシロキサン組成物で接着
した構造をもつことを特徴とするものであるが、ここに
使用されるフッ素変性ジオルガノポリシロキサン組成物
がプラズマ耐久性優れ、接着強度も大きいものであるこ
とから、この静電チャックは半導体プロセス用の静電チ
ャックとして有用とされるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小嶋 伸次 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越 化学工業株式会社 精密機能材料研究所 内 (56)参考文献 特開 平5−36819(JP,A) 特開 平5−102289(JP,A) 特開 平4−287344(JP,A) 特開 平2−27748(JP,A) 特開 平4−186653(JP,A) 特開 平6−61202(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01L 21/68 H01L 21/301

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電極の両側を焼結体および/または溶射セ
    ラミックスよりなる絶縁性誘電体層で被覆してチャック
    機能部を形成し、このチャック機能部の一方の面にプレ
    ート部を接合することにより構成する静電チャックにお
    いて、チャック機能部とプレート部とをフッ素変性オル
    ガノポリシロキサン組成物で接着してなることを特徴と
    する静電チャック。
  2. 【請求項2】フッ素変性オルガノポリシロキサン組成物
    が A)一般式 【化1】 [ここにR1 およびR2 は同一または異種の脂肪族不飽
    和基を有しない非置換または置換の一価炭化水素基、R
    3 は一価の脂肪族不飽和炭化水素、R4 は脂肪族不飽和
    結合を有しない二価の炭化水素基または下記の一般式 −R5 −O−R6 − (ここにR5 、R6 はそれぞれ脂肪族不飽和結合を有し
    ない二価の炭化水素基)で表わされる基、Rfはパーフ
    ルオロアルキル基またはパーフルオロアルキルエーテル
    基、Xは一般式 【化2】 (ここにR7 は一価の脂肪族不飽和炭化水素基、R8
    9 は同一または異種の非置換または置換の一価炭化水
    素基)で表される基、a、bは1以上の整数、cは0以
    上の整数]で示されるものであるフッ素変性ジオルガノ
    ポリシロキサン、 B)エポキシ基含有ハイドロジエンポリシロキサン C)硬化剤および D)付加反応用触媒 とからなるものである請求項1に記載した静電チャッ
    ク。
  3. 【請求項3】絶縁性誘電体層の主成分が、酸化アルミニ
    ウム、窒化アルミニウム、窒化けい素、酸化けい素、酸
    化ジルコニウム、酸化チタニウム、サイアロン、窒化ほ
    う素、炭化けい素あるいはこれらの混合物からなるもの
    である請求項1に記載した静電チャック。
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