JP2924303B2 - プラズマ気相成長装置 - Google Patents

プラズマ気相成長装置

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JP2924303B2
JP2924303B2 JP14554891A JP14554891A JP2924303B2 JP 2924303 B2 JP2924303 B2 JP 2924303B2 JP 14554891 A JP14554891 A JP 14554891A JP 14554891 A JP14554891 A JP 14554891A JP 2924303 B2 JP2924303 B2 JP 2924303B2
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康秀 田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプラズマ気相成長装置
(以下プラズマCVD装置と称する)に関し、特に磁界
を用いたプラズマCVD装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、プラズマCVD装置は低温で
膜成長を行うことができるため、半導体製造工程におい
ては、配線層間膜,パッシベーション膜等の絶縁膜形成
に用いられている。
【0003】図9に従来の平行平板型プラズマCVD装
置を示す。例えば、図9に示すように、基板台7上の半
導体基板8に窒化シリコン膜を形成する場合、加熱源6
により350℃前後に加熱された半導体基板上に、原料
ガスであるシラン(SiH4),アンモニア(NH3),
キャリアガスとして窒素(N2)をガス供給口1より反
応室2に導入し、真空ポンプ9にて排気口3より反応室
2内を所定の圧力状態下に保持しながら、電極板4に高
周波電源5で高周波パワーを与えることにより膜形成を
行う。窒化シリコン膜は、二酸化シリコン膜に比べて耐
湿性に優れているため、主にパッシベーション膜に用い
られている。
【0004】また、この種のプラズマCVD装置は、プ
ラズマ電位と基板電位の差から生じるイオン衝撃により
膜質のコントロールを行うが、このイオン衝撃は、成長
圧力や高周波パワー等により制御できる。例えば、パッ
シベーション用窒化シリコン膜においては、耐湿性が良
く、信頼性の高い膜を形成するために高周波パワーを変
えて、イオン衝撃の強さをコントロールすることにより
膜応力が小さく、より膜中の水素含有量を少なくしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のプラズ
マCVD装置では、半導体基板に対して垂直な方向成分
をもつイオン衝撃がほとんどであり、現在の微細でアス
ペクト比の大きいパターンでは、段差上部が受けるイオ
ン衝撃に対して段差側部が受けるイオン衝撃は非常に少
ないものとなる。
【0006】したがって、平坦部と段差側壁部での膜質
が異なり、パッシベーション膜等においては、平坦部で
は耐湿性が良くても、側壁部では悪く、膜応力の差から
クラックが入る恐れもあり、信頼性上問題となる。
【0007】本発明の目的は、前記課題を解決したプラ
ズマ気相成長装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明に係るプラズマ気相成長装置においては、磁
気発生部と、相対回転部とを有し、高周波放電による平
行平板型プラズマ気相成長装置であって、磁気発生部
は、平行平板間に位置し、半導体基板に対して平行な方
向に磁界を発生させるものであり、相対回転部は、半導
体基板と平行な平面内で基板と磁気発生部とを相対回転
し、磁界の基板に対する方向を変化させるものである。
【0009】
【作用】本発明のプラズマCVD装置は、電極である平
行平板の間から半導体基板に対して平行な方向に磁界を
発生させることにより、膜成長中に基板がイオン衝撃を
垂直方向及び水平方向から受けるようにして膜質を均一
化したものである。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面により説明す
る。
【0011】(実施例1)図1は、本発明の実施例1を
示す構成図、図2は同平面図である。
【0012】図において、反応室2内には、電極板4と
基板台7とが上下に配置して設置されており、電極板4
には、電極板4の下面開口より反応ガスを噴き出させる
ガス供給口1が取付けてある。また、電極板4と基板台
7との間に高周波電源5から高周波パワーが供給され、
基板台7上に半導体基板8が設置される。また、基板台
7には、半導体基板8を加熱する加熱源6が取付けてあ
り、反応室2の底部排気口3に真空排気用の真空ポンプ
9が取付けてある。
【0013】さらに、磁気発生部としての磁気コイル1
0,10は基板台7上の半導体基板8の外周側に配置さ
れ、半導体基板8に対して平行な方向に磁界を発生させ
るものである。さらに、相互回転部16は、半導体基板
8の中心を回転軸として、磁気コイル10,10を半導
体基板8と平行な平面内で基板8に対し相対回転させ、
磁気コイル10による磁界の基板8に対する方向を変化
させるものである。
【0014】実施例において、膜形成を行う場合、加熱
源6により加熱された半導体基板8上に原料ガスをガス
供給口1より反応室2に導入し、真空ポンプ9により反
応室2内を所定の圧力状態下に保持して電極板4に高周
波パワーを与える。
【0015】このとき、平行平板間に備えた磁気コイル
10により磁界を半導体基板8と平行な方向に与え、磁
気コイル10を基板8の中心が回転軸となるように回転
させる。この磁界Bとプラズマによる電界Eにより、プ
ラズマシース中のイオンはE×Bの方向に螺旋状に回転
しながら移動する。
【0016】このため、膜成長中に基板が受けるイオン
衝撃は、基板8に対する垂直方向成分だけでなく、水平
方向成分も多く存在するため、基板8上の微細なアスペ
クト比の大きいパターン上での側壁部にも、平坦部と同
程度のイオン衝撃が起こることから、基板8上のパター
ン平坦部と側壁部で膜質の変わらない膜が得られる。
【0017】ここで、基板8上のパターン平坦部と側壁
部の膜質の違いを調べるためにウェットエッチングを用
いた。まず、温度350℃,圧力1.8Torr,Si
4300cc/min,NH3 1700cc/mi
n,N2 1500cc/min,高周波パワー500
W,磁気コイル10の磁束密度1000Gaussに設
定して、図3に示すようなシリコン酸化膜14上のアル
ミ配線13の段差形状をもつ半導体基板15に窒化シリ
コン膜17を堆積させた。その形状断面図を図4(a)
に示し、図4(b)に従来法により磁界を与えず高周波
パワーのみ400Wとして上述の条件により同様に図3
の形状をもつ半導体基板に窒化シリコン膜17を堆積さ
せた形状断面図を示す。
【0018】次に2つの半導体基板を30倍に希釈され
たバッファードフッ酸により5分間エッチングした後の
断面形状を図5に示す。図5(a)は本発明による形状
断面図であり、図5(b)は従来法によるものである。
図4と図5によりウェットエッチングによるエッチング
レートを配線間隔別に測定した結果を図6に示す。
(a),(b)共に平坦部のエッチングレートはほとん
ど変わらないものの、側壁部では従来法による(b)の
エッチングレートは非常に速く、配線間隔が狭いほど速
くなる。それに対して本発明による(a)では、側壁部
のエッチングレートは平坦部のエッチングレートに近い
値であり、平坦部と側壁部の膜質に大きな差がないこと
を示している。
【0019】また、図4に示した半導体基板により耐湿
性試験を行ったところ、従来法による(b)では200
hで故障したが、本発明による(a)は2000h以上
故障がなかった。
【0020】(実施例2)図7は、本発明の実施例2を
示す構成図である。
【0021】本実施例では、相対回転部は、磁気コイル
による磁界に対して半導体基板を相互回転する機能を有
するものを用いた場合の例である。すなわち、図1で示
した基板台7に図7に示すような相対回転部としての回
転機構12及び回転台11を備え、膜形成中は磁気コイ
ル10を回転させず、半導体基板8を回転させることに
より、基板8と平行な平面内で基板に対して磁界を回転
させる。これにより、水平方向成分のイオン衝撃が増す
と共に、基板が回転するため、側壁部へのイオン衝突の
回数も増すことから、より平坦部と側壁部で膜質の変わ
らない膜が得られる。実施例2において、例えば、成長
条件温度350℃,圧力1.8Torr,SiH4
00cc/min,NH3 1700cc/min,N
2 1500cc/min,高周波パワー500W,磁
気コイル10による磁束密度1000Gaussにより
窒化シリコン膜を図3で示した半導体基板上に堆積し、
実施例1と同様に、1:30のバッファードフッ酸によ
り5分間エッチングを行い、エッチングレートを調べた
結果、図8に示すように平坦部と側壁部とでほぼ同じエ
ッチングレートとなり、平坦部と側壁部で膜質の変わら
ない膜を形成することができた。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、高周波放
電による平行平板型プラズマCVD装置において、平行
平板間に半導体基板に対して平行な方向に磁界を発生さ
せ、その磁界が基板と平行な平面内において基板に対し
て方向を変えることにより、半導体基板に対して水平方
向成分のイオン衝撃を多く発生させることができるた
め、微細なパターンでの段差において平坦部と側壁部の
膜質が等しい膜が形成でき、信頼性が向上するという効
果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す構成図である。
【図2】図1の上面からの概略図である。
【図3】半導体基板を示す断面図である。
【図4】本発明と従来例とにおける基板を示す断面図で
ある。
【図5】本発明と従来例とにおける基板を示す断面図で
ある。
【図6】本発明の実施例1の効果を調べた実験結果を示
した図である。
【図7】本発明の実施例2を示す構成図である。
【図8】本発明の実施例2の効果を調べた実験結果を示
した図である。
【図9】従来例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 ガス供給口 2 反応室 3 排気口 4 電極板 5 高周波電源 6 加熱源 7 基板台 8 半導体基板 9 真空ポンプ 10 磁気コイル 11 回転台(相対回転部) 12 回転機構(相対回転部) 13 アルミ配線 14 シリコン酸化膜 15 シリコン基板 16 相対回転部

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁気発生部と、相対回転部とを有し、高
    周波放電による平行平板型プラズマ気相成長装置であっ
    て、磁気発生部は、平行平板間に位置し、半導体基板に
    対して平行な方向に磁界を発生させるものであり、相対
    回転部は、半導体基板と平行な平面内で基板と磁気発生
    部とを相対回転し、磁界の基板に対する方向を変化させ
    るものであることを特徴とするプラズマ気相成長装置。
JP14554891A 1991-05-21 1991-05-21 プラズマ気相成長装置 Expired - Lifetime JP2924303B2 (ja)

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CN102677019B (zh) * 2012-05-21 2014-05-21 中南大学 一种运动磁场辅助增强化学气相沉积方法及装置
JP6136613B2 (ja) * 2012-09-21 2017-05-31 東京エレクトロン株式会社 プラズマ処理方法

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