JP2628529B2 - プラズマcvd装置 - Google Patents

プラズマcvd装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、半導体製造プロセスに用いられるプラズマ
CVD(Chemical Vapor Deposition)装置に関する。
〔従来の技術〕
従来の平行平板型プラズマCVD装置を第3図に示す。
同図において符号1は真空容器で、この真空容器1の内
部には基板2の載置台を兼ねた陰極3が設けられてい
る。この陰極3の上方には陽極4が対向配置され、これ
ら両極3,4間に高周波電源5からの電力がマッチングボ
ックス6を介して印加されるようになっている。また、
上記陽極4には反応ガスのガス導入口7が設けられ、前
記真空容器1には反応済みのガスを排出するガス排出口
8が設けられている。なお、図中9は真空容器1を陽極
4とを電気的に絶縁する絶縁物である。
上記のような構成において、例えば基板2上に窒化シ
リコン膜を形成する場合には、まず真空容器1内を1×
10-4Torr程度まで減圧し、反応ガスとしてSiH4−NH3
ガス導入口7より真空容器1内に導入する。そして、上
記陰極3及び陽極4間に例えば13.56MHz,500Wの高周波
電力を高周波電源5よりマッチングボックス6を介して
印加し、真空容器1内にプラズマ発生させる。このプラ
ズマによって真空容器1内の反応ガスが活性化され、基
板2の表面に窒化シリコン膜が形成される。
ところで、上記のような従来装置はプラズマのエネル
ギが弱いため、膜の成長速度が300〜500Å/minと遅く、
かな生成膜のストレスが大きいため、5000Å以上の膜厚
を生成することは困難であった。そこで、上記の欠点を
改善し、良好な膜を形成する手段として、前記陽極及び
陰極間に電界と直交する磁界を与えて基板の表面に膜を
形成するようにした薄膜生成技術が文献等(例えば特公
昭60−11109号公報)で知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
このようなマグネトロン方式は、陽極及び陰極間でプ
ラズマを均一に発生させるために均一な磁界を発生させ
る必要があり、従来ではマグネットを回転させたり、移
動させたりして均一な磁界を得ていたため、マグネット
を回転または移動させるための駆動機構を必要とし、ま
た単位時間当りの磁界が弱いため、磁界のあるところは
プラズマ強度が強いが、平均的にはプラズマ強度が弱い
という問題があった。
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、
基板の表面に良好な膜を形成することができるプラズマ
CVD装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために本発明は、真空容器内に
相対向して設けられた陽極と陰極に高周波電力を印加
し、この高周波電力により前記真空容器内に導入された
反応ガスを励起して前記陽極と前記陰極との間に配置さ
れた基板の表面に薄膜を形成するプラズマCVD装置にお
いて、前記陽極と前記陰極との間に発生する電界とほぼ
直交する向きの磁界を前記真空容器内に発生させる磁界
発生手段を同心円状に配置された複数個のコイルで構成
するとともに、前記コイルに流す電流を調整する手段を
設けたことを特徴とする。
〔作 用〕
本発明では、基板の上方にエネルギ強度の高いプラズ
マが広い面積で均一に発生するため、基板の表面に良好
な膜を形成することができる。
〔実 施 例〕
以下、本発明の実施例を図面を参照して説明する。
第1図は本発明の一実施例を示すもので、図中11は陽
極を兼ねた真空容器、12は電気絶縁物13を介して真空容
器11内に設置された試料台である。この試料台12上には
基板14が載置され、ガス導入ノズル15から真空容器11内
に導入される反応ガス(例えばSiH4−NH3)によって基
板14の表面に窒化シリコン膜等が形成されるようになっ
ている。
上記試料台12にはマッチングボックス16を介して高周
波発振器17が接続されており、この高周波発振器17から
発振される高周波電力を試料台12及び真空容器11に印加
して真空容器11内にプラズマを発生させるように構成さ
れている。
一方、前記真空容器11外には電界Eと直交する磁界M
を発生させる偏平型コイル18が設けられている。この偏
平型コイル18は巻厚Aと巻幅Bとの比が1:3となってお
り、広い面積で均一な磁界Mを発生させるようになって
いる。巻厚と巻幅比が1:3以上であれば、さらに均一な
磁界が広い範囲で得られる。なお、図中19は真空容器11
内を排気する排気ノズルで、この排気ノズル19には図示
しない真空ポンプが接続されている。
上記のように構成された一実施例装置で基板14上に窒
化シリコン膜を形成する場合は、先ず真空容器11内を図
示しない真空ポンプにより高真空(例えば1×10-6Tor
r)にした後、ガス導入ノズル15より反応ガス(例えばS
iH4−NH3)を真空容器11内に導入し、真空容器11内の圧
力を1×10-4〜1×10-2Torr程度まで上昇させる。次に
この状態で高周波発振器17より真空容器11及び試料台12
に13.56MHz,500Wの高周波電力を印加して基板14の上方
に電界Eを発生させるとともに、偏平型コイル18に電流
を流して上記電界Eと直交する磁界Mを発生させる。こ
れにより基板14の上方にエネルギ強度の高いプラズマが
広い面積で均一に発生し、このプラズマによって真空容
器11内の反応ガスが活性化されて基板14の表面に窒化シ
リコン膜が形成される。
このように、真空容器11外に偏平型コイル18を設け、
この偏平型コイル18に電流を流して陽極(真空容器11)
と陰極(試料台12)との間に電界Eと直交する磁界Mを
発生させることにより、基板14の上方にエネルギ強度の
高いプラズマが広い面積で均一に発生するため、基板14
の表面に良好な膜を形成することができる。また、成膜
のストレスが小さいため、5000Åの生膜が可能となっ
た。さらに、強いプラズマが得られるため、膜の成長速
度も2000〜3000Å/minと速くなる。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではな
い。例えば上記実施例では偏平型コイル18を用いて磁界
を発生させるようにしたが、第2図に示すように真空容
器11外に複数個のコイル20…例えば、第1の大きなコイ
ル20aの内側に第2の小さなコイル20bを収容して二つの
コイルを同心円状に配置する。このように配置すること
により、フレミングの法則からコイルの中心部近傍には
略垂直な方向の磁界が発生するが、コイルの下部近傍部
には略水平な磁界Mが発生し、また試料台12に高周波電
力を印加することにより、垂直電界Eが発生し、磁界M
と電界Eとが直交することにより、エネルギーの強いプ
ラズマが発生する。また、これらのコイル20a,20bに流
す電流を調整して基板上の磁界分布を変化させてもよ
い。一般に同一磁界の場合には中心部のプラズマが強く
なるため、中心部の磁界を弱くすることで基板上に均一
な成膜が可能となる。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、基板の上方にエ
ネルギ強度の高いプラズマを広い面積で均一に発生させ
ることができるため、基板の表面に良好な膜を形成する
ことができる。
また、本発明では磁界発生手段の各コイルに流す電流
を調整して基板上の磁界分布を変化させることにより、
プラズマの発生強度を均一にすることができ、これによ
り基板の表面により均一な厚さの薄膜を形成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すプラズマCVD装置の構
成図、第2図は本発明の他の実施例を示すプラズマCVD
装置の構成図、第3図は従来のプラズマCVD装置の構成
図である。 11……真空容器、12……試料台、14……基板、15……ガ
ス導入ノズル、17……高周波発振器、18……偏平型コイ
ル、19……排気ノズル、20a,20b……コイル。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−1025(JP,A) 特開 昭61−119036(JP,A) 特開 昭63−14876(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】真空容器内に相対向して設けられた陽極と
    陰極に高周波電力を印加し、この高周波電力により前記
    真空容器内に導入された反応ガスを励起して前記陽極と
    前記陰極との間に配置された基板の表面に薄膜を形成す
    るプラズマCVD装置において、前記陽極と前記陰極との
    間に発生する電界とほぼ直交する向きの磁界を前記真空
    容器内に発生させる磁界発生手段を同心円状に配置され
    た複数個のコイルで構成するとともに、前記コイルに流
    す電流を調整する手段を設けたことを特徴とするプラズ
    マCVD装置。
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JPH0650724B2 (ja) * 1984-11-15 1994-06-29 株式会社日立製作所 低温プラズマ電磁界制御機構
JPS611025A (ja) * 1985-03-07 1986-01-07 Toshiba Corp プラズマ処理装置
JPS6314876A (ja) * 1986-07-08 1988-01-22 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 非晶質薄膜形成装置

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