JP2923358B2 - 桂皮酸グリセリン付加物、紫外線吸収剤及び皮膚外用剤 - Google Patents

桂皮酸グリセリン付加物、紫外線吸収剤及び皮膚外用剤

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JP2923358B2
JP2923358B2 JP4509282A JP50928292A JP2923358B2 JP 2923358 B2 JP2923358 B2 JP 2923358B2 JP 4509282 A JP4509282 A JP 4509282A JP 50928292 A JP50928292 A JP 50928292A JP 2923358 B2 JP2923358 B2 JP 2923358B2
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三紀子 加藤
令二 宮原
計一 植原
定樹 高田
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Description

【発明の詳細な説明】 [技術分野] 本発明は桂皮酸グリセリン付加物、紫外線吸収剤およ
び皮膚外用剤、特に紫外線吸収性を有する桂皮酸誘導体
とそれを用いた紫外線吸収剤、皮膚外用剤に関する。
[背景技術] 近年、紫外線は、皮膚の老化を促進する等、様々な変
化を皮膚にもたらすことがわかってきた。皮膚科学的に
は、作用波長が400nm〜320nmの長波長紫外線をUV−A、
320nm〜290nmの中波長紫外線をUV−B、及び290nm以下
の短波長紫外線をUV−Cと分類している。
通常人間が受ける紫外線は殆ど太陽光線に由来する
が、UV−Cはオゾン層によって吸収されるため、地上で
は主にVV−A及びUV−Bの影響を受けることになる。
それらのうちUV−Bは、ある一定量以上の光量が皮膚
に照射されると、紅班や水泡を形成したり、メラニン形
成が亢進され色素沈着を生じる等の変化をもたらす。
このため、皮膚の老化を防ぎ、シミ、ソバカスの発生
や増悪を防ぐ上で、UV−Bから皮膚を保護することが極
めて重要であり、これまでにも種々のUV−B吸収剤が開
発されてきた。
既存のUV−B吸収剤としては、PABA誘導体、桂皮酸誘
導体、サリチル酸誘導体、ベンゾフェノン誘導体、ウロ
カンニン酸誘導体、カンファー誘導体及び複素環誘導体
が知られている。
これらのUV−B吸収剤は、専ら化粧料、医薬部外品等
の皮膚外用剤に配合されている。
しかしながら、既存のUV−B吸収剤は、その殆どが油
溶性で、水溶性が低く、処方が制限されていた。UV−B
吸収剤で水溶性のものは、僅かに、2−ヒドロキシ−4
−メトキシ−5−スルフォキソニウムベンゾフェノンナ
トリウム塩が知られているが、これは満足のいく紫外線
防御効果がないものであった。
[発明の開示] 本発明は前記従来技術の課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は優れた紫外線吸収性を有し、しかも水溶
性の物質を提供することにある。
前記目的を達成するために本発明者らが鋭意検討した
結果、新規な桂皮酸グリセリン付加物が優れた紫外線吸
収性および水溶性を有することを見出し、本発明を完成
するにいたった。
すなわち、本発明にかかる桂皮酸グリセリン付加物
は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
(ただし、式1中Gはグリセリン1モルに相当し、eは
平均付加モル数で1以上10以下を表す。Xは水素、アル
カリ金属若しくはGmで、mは平均付加モル数で1以上、
10以下を表す。グリセリンが重合する場合はエーテル結
合による。) また、請求項2記載の紫外線吸収剤は、前記一般式
(1)記載の桂皮酸グリセリン付加物よりなることを特
徴とする。
請求項3記載の皮膚外用剤は、前記一般式(1)の桂
皮酸グリセリン付加物を一種または二種以上配合するこ
とを特徴とする。
以下、本発明の構成をさらに詳細に説明する。
一般式(1)において、Gはグリセリン1モルに相当
するグリセリル基で、どのような結合付加でも構わな
い。eは、グリセリンの付加モル数で、多ければ水溶性
が増加する半面、相対的に単位重量あたりの紫外線吸収
度が低下するため、1〜10の範囲であるのが好ましい。
Xは水素又はナトリウム、カリウムなどのアルカリ金
属若しくはGmを表わす。また、Gmの場合には、Gは前記
同様にグリセリン1モルに相当しどのような結合付加で
もよく、mは平均付加モル数で1以上好ましくは1〜10
を表わす。
上記の桂皮酸グリセリン付加物は、固体もしくはシロ
ップ状で、安全性、安定性に極めて優れているため、塗
料やインク、プラスチック、コーティング剤、化学繊維
等の化学製品などに配合できる他、医薬品、医薬部外
品、化粧料及び洗浄料の成分として配合され得る。さら
に保湿性を有するという特徴がある。
なお、本発明の桂皮酸グリセリン付加物は、酸触媒や
塩基触媒を用いた一般的なグリセリン付加に用いられて
いる反応を用いて合成することができるほか、ポリグリ
セリンと桂皮酸エステルのエステル交換反応で合成して
もよい。
例えば、次のように合成できる。
一般式(2) で示される化合物を、ジメチルスルフォキサイド、ジメ
チルホルムアミド、ジオキサン、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、N−アセチルモルホリン、
N−メチルコハク酸イミド等の非水系溶媒に溶解もしく
は懸濁するか、または、アセトン水系溶媒に溶解もしく
は懸濁するか、または無溶媒で、グリシドールと触媒存
在下90〜130℃で撹拌する。この際、反応は窒素やアル
ゴン等の気流下で行なってもよい。また、一般式(2)
で示される化合物は単独でも、2種以上を併用してもよ
い。
この際用いられる触媒としては、BF3.Et2O、三塩化ア
ルミニウム等のルイス酸触媒、p−トルエンスルホン
酸、ヘテロポリリン酸、塩酸、硫酸等の酸触媒、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアルコラート、
ナトリウム等の塩基触媒が挙げられる。
また、次のようにも合成できる。
一般式(3)(但し、式中R1は炭素数1以上好ましく
は1〜4の低級脂肪鎖) で示される化合物を、ジメチルスルフォキサイド、ジメ
チルホルムアミド、ジオキサン、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、N−アセチルモルホリン、
N−メチルコハク酸イミド等の非水系溶媒に溶解もしく
は懸濁し、ポリグリセリンと触媒存在下90〜130℃で撹
拌する。この際、反応は窒素やアルゴン等の気流下、減
圧で行なってもよい。また、一般式(3)で示される化
合物は単独でも、2種以上を併用してもよい。
この際用いられる触媒としては、p−トルエンスルホ
ン酸、ヘテロポリリン酸、塩酸、硫酸等の酸触媒、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナ
トリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアルコラー
ト、ナトリウム等の塩基触媒、塩化アンモニウム、塩化
ナトリウム等の塩が挙げられる。
更に、次のようにも合成できる。
一般式(4)(但し、式中R1は炭素数1以上好ましく
は1〜4の低級脂肪鎖) で示される化合物を、ジメチルスルフォキサイド、ジメ
チルホルムアミド、ジオキサン、ジメチルアセトアミ
ド、N−メチルピロリドン、N−アセチルモルホリン、
N−メチルコハク酸イミド等の非水系溶媒に溶媒もしく
は懸濁し、グリシドールと触媒存在下、90〜130℃で撹
拌する。この際、反応は、窒素やアルゴン等の気流下で
行ってもい。また、一般式(4)で示される化合物は、
単独でも2種以上、併用してもよい。
この際用いられる触媒としては、BF3.Et2O、三塩化ア
ルミニウム等のルイス酸触媒、p−トルエンスルフォン
酸、ヘテロポリリン酸、塩酸、硫酸等の酸触媒、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナト
リウム、水素化ナトリウム、ナトリウムアルコラート、
ナトリウム等の塩基触媒が挙げられる。
これらの反応後、反応溶媒及びグリセリンやグリセリ
ンの重合物を減圧留去し、生成物をそのまま用いてもよ
い。
しかし、得られた反応生成物には、一般式(1)で示
される桂皮酸グリセリン付加物のほか、塩、グリセリン
やグリセリンの重合物等が共存している。このため、例
えばグリセリンやその重合物と塩を除去する場合、メチ
ルアルコール、エチルアルコール、ブチルアルコール、
イソプロピルアルコール等の溶媒で抽出したり、塩を多
量に含む水とメチルエチルケトン、n−ブタノールで分
配し、有機溶媒層を分取することにより精製できる。ま
た、グリセリンやその重合物と塩を除去し、化合物を分
離する場合、反応生成物を水または水とアルコールの混
液に懸濁させ、ハイパーポーラスポリマー(例えば三菱
化成工業株式会社製のハイポーラス樹脂)、オタクデシ
ルシリカなどの逆相分配カラムで、始め水で通液し、次
にメタノール、エタノールなどのアルコールやアセトニ
トリル等の極性有機溶媒と水の混液で通液し、この液を
分取するカラムクロマト法、あるいは再結晶法を用いる
ことによっても精製できる。
本発明にかかる桂皮酸グリセリン付加物は、酸化・化
学安定性に優れるとともに、グリセリル基を持つため、
皮膚や眼に対し極めて低刺激性であり、塗料やんイン
ク、プラスチック、コーティング剤、化学繊維等の化学
製品などに配合できる。
また、本発明にかかる桂皮酸グリセリン付加物は、安
全性に優れるので、化粧料、医薬料等に配合できる。ま
た、本発明に加えて通常用いられる他の化粧料や医薬料
成分を適宜配合することができる。例えば、流動パラフ
ィン、スクワラン、ワセリン、セチルアルコール、イソ
ステアリルアルコール、2−エチルヘキサン酸セチル、
2−オクチルドデシルアルコール、トリイソステアリン
酸グリセリン、マカデミアンナッツ油、ラノリン等の各
種炭化水素、油脂類、ロウ類等の油性成分、シリコーン
類、界面活性剤、増粘剤、中和剤、防腐剤、殺菌剤、酸
化防止剤、粉体成分、色素、香料、他の紫外線吸収剤、
薬効剤、金属封鎖剤、pH調製剤等が挙げられる。
さらに、このようにして得られる桂皮酸グリセリン付
加物は、化学安定性・酸化安定性に優れ、水溶性で、UV
−B領域に吸収を有する上、保湿性に優れるという機能
を持つ。
[図面の簡単な説明] 第1図は、本発明の実施例1により製造された桂皮酸
グリセリン付加物(混合物)のガスクロマトグラフ図、 第2図は、本発明の実施例1で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン2モル付加物)の
ガスクロマトグラフ図、 第3図は、本発明の実施例1で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリン(グリセリン2モル付加物)の
赤外吸収スペクトル図、 第4図は、本発明の実施例1で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン2モル付加物)の
13C−NMR図、 第5図は、本発明の実施例1で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン2モル付加物)の
1H−NMR図、 第6図は、本発明の実施例1で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン2モル付加物)の
紫外線吸収スペクトル図、 第7図は、本発明の実施例1で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン3モル付加物)の
ガスクロマトグラフ図、 第8図は、本発明の実施例1で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン3モル付加物)の
13C−NMR図、 第9図は、本発明の実施例4で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン3モル付加物)の
赤外吸収スペクトル図、 第10図は、本発明の実施例4で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン3モル付加物)の
13C−NMR図 第11図は、本発明の実施例4で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン3モル付加物)の
1H−NMR図、 第12図は、本発明の実施例4で製造されたp−グリセ
ロイル桂皮酸グリセリル(グリセリン3モル付加物)の
紫外線吸収スペクトル図である。
[発明を実施するための最良の形態] 以下、本発明の実施例を示す。なお、実施例は本発明
の技術的範囲を限定するものではない。配合料は重量%
である。
実施例1 酸触媒を用いた反応による桂皮酸グリセリン
付加物の製造(1) p−ヒドロキシ桂皮酸8.719gをDMSO10mlに溶解し、グ
リシドール19.7gを加え、撹拌しながら90℃まで昇温し
たのち、三フッ化ホウ素エチルエーテルを触媒量加え、
さらに加熱撹拌を2時間おこない、桂皮酸グリセリン付
加物を得た。
そして、反応系をハイパーポーラスポリマー(三菱化
成工業株式会社性のハイポーラス樹脂)のカラムクロマ
トグラ法で、展開溶媒として初めて精製水、次にエチル
アルコール:精製水3:7を用いて分画し、エチルアルコ
ール:精製水=3:7溶出部を濃縮し、桂皮酸グリセリン
付加物を精製した。
桂皮酸グリセリン付加物の収量は8.9gであった。
生成物10mgに、トリメチルシリルクロロシラン0.1m
l、トリメチルシリルイミダゾール0.1ml、N,Oビス(ト
リメチルシリル)アセタミド0.1mlを加え、80℃にして3
0分間加熱し、TMS化物をガスクロマトグラフ法(島津株
式会社製クロマトパックGC−9A,カラム;ガスクロ工業
株式会社製ダイヤソリッドZT、ガラス3φ×50cm、流
量;窒素60ml/min、検出;FID、昇温;100℃〜340℃、10
℃/min、試料気化室温度;360℃)で分析した。
ガスクロマトグラムを第1図に示す。
同図からも明らかなように、本実施例により製造され
た桂皮酸グリセリン付加物は、複数種の混合物であるこ
とが理解される。そこで、本発明者らはこの混合物の主
な成分の分離・同定を行なった。この結果、次の
(1),(2)に示す化合物が確認された。
(1)グリセリン2モル付加物 (一般式1中、e=m=1,k=1,n=0) 上記実施例1により製造された桂皮酸グリセリン付加
物には、下記式化学式5で示されるグリセリン2モル付
加物が含まれている。
すなわち、桂皮酸グリセリン付加物のうち、第1図で
保持時間13.9分の化合物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフ法(展開溶媒;クロロホルム〜クロロホルム/メタ
ノール=10:1(v/v))にて単離精製し、次の〜の
方法で分析した。なお、得られた化合物は固体であっ
た。これを試料1とした。
ガスクロマトグラム法 生成物10mgにトリメチルシリルクロロシラン0.1ml、
トリメチルシリルイミダゾール0.1ml、N,Oビス(トリメ
チルシリル)アセタミド0.1mlを加え、80℃にて30分間
加熱し、TMS化物をガスクロマトグラフ法(島津株式会
社製クロマトパックGC−9A,カラム;ガスクロ工業株式
会社製ダイヤソリッドZT、ガラス3φ×50cm、流量;窒
素60ml/min、検出:FID、昇温;100〜340℃、10℃/min、
試料気化室温度;360℃)で分析した。
ガスクロマトグラムを第2図に示す。
赤外吸収スペクトル測定法 日本分光工業株式会社製 IRA−1赤外吸収スペクト
ル測定装置を用い、KBr錠剤法で測定したところ、3350c
m-1に水酸基の伸縮振動、2900cm-1にグリセロイル基の
伸縮振動、1690cm-1にカルボニル基の伸縮運動による吸
収が観察された。
結果を第3図に示す。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、35℃にて測定したところ、169ppm、162pp
m、146ppm、131ppm、128ppm、116ppmに桂皮酸エステル
の炭素に由来するシグナルが、72ppm、71ppm、70ppm、6
7ppm、64ppmにグリセリル部分の炭素に由来するシグナ
ルが、それぞれ観測された。
結果を第4図に示す。1 H−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、室温にて測定したところ、δ7.67(1H,d,J
=16Hz)、7.54(2H,d,J=8.8Hz)、7.00(2H,d,J=8.8
Hz)、6.40(1H,d,J=16.1Hz)に桂皮酸の水素に由来す
るシグナルが、δ4.28〜3.58にグリセリル部分の水素に
由来するシグナルがそれぞれ観測された。
結果を第5図に示す。
紫外線吸収スペクトル測定法 日本分光工業株式会社製 UVIDEC 610C紫外線吸収ス
ペクトル測定装置を用い、溶媒メタノールで測定したと
ころ、221.4nm、309.6nmに極大吸収を示した。
結果を第6図に示す。
融点測定法 ARTHUR H.THOMS COMPANY製キャピラリー式融点測定
装置を用いて測定したところ、116〜123℃に融点を示し
た。
フェノール指示薬 生成物をTLC上にスポットし、噴霧器にてフェノール
指示薬を噴霧した後、続いて10%炭酸水素ナトリウム水
溶液を噴霧してもフェノールの呈色は示さなかった。
BCG指示薬 生成物をTLC上にスポットし、噴霧器にてBCG指示薬を
噴霧しても呈色は示さなかった。
(2)グリセリン3モル付加物 (一般式1中、e+m=3,k=1,n=0) 上記実施例1により製造された桂皮酸グリセリン付加
物には、下記式化学式(6)で示されるグリセリン3モ
ル付加物が含まれている。
実施例1で合成した桂皮酸グリセリン付加物のうち、
第1図で保持時間16.3分の化合物をシリカゲルカラムク
ロマトグラフ法(展開溶媒;クロロホルム〜クロロホル
ム/メタノール=10/1(V/V))にて単離精製して〜
の方法で分析した。得られた化合物は固体であった。
これを試料2とした。
ガスクロマトグラム法 生成物10mgにトリメチルシリルクロロシラン0.1ml、
トリメチルシリルイミダゾール0.1ml、N,Oビス(トリメ
チルシリル)アセタミド0.1mlを加え、80℃にて30分間
加熱し、TMS化物をガスクロマトグラフ法(島津株式会
社製クロマトパックGC−9A,カラム;ガスクロ工業株式
会社製ダイヤソリッドZT、ガラス3φ×50cm、流量;窒
素60ml/min、検出;FID、昇温;100〜340℃、10℃/min、
試料気化室温度;360℃)で分析した。
ガスクロマトグラムを第7図に示す。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3OD和
溶媒として、35℃にて測定したところ、169ppm、162pp
m、146ppm、131ppm、128ppm、116ppmに桂皮酸エステル
の炭素に由来するシグナルが、72ppm、71ppm、70ppm、6
7ppm、64ppmにグリセリル部分の炭素に由来するシグナ
ルが、それぞれ観測された。
結果を第8図に示す。
フェノール指示薬 生成物をTLC上にスポットし、噴霧器にてフェノール
指示薬を噴霧した後、続いて10%炭酸水素ナトリウム水
溶液を噴霧してもフェノールの呈色は示さなかった。
BCG指示薬 生成物をTLC上にスポットし、噴霧器にてBCG指示薬を
噴霧しても呈色は示さなかった。
実施例2 酸触媒を用いた反応による桂皮酸グリセリン
付加物の製造(2) p−ヒドロキシ桂皮酸17.4g、グリシドール40.0gをDM
SO20mlに溶解し、硫酸を触媒量加え、90℃まで昇温した
後、更に加熱撹拌を3時間行い、水酸化ナトリウムで中
和し、桂皮酸グリセリン付加物を得た。
反応系を、ハイパーポーラスポリマー(三菱化成工業
株式会社製の灰ポーラス樹脂)を用いたカラムクロマト
グラフ法で、展開溶媒として初めに精製水、次にエチル
アルコール:精製水=3:7を用いて分画し、エチルアル
コール:精製水=3:7溶出部を濃縮し、桂皮酸グリセリ
ン付加物を精製した。
桂皮酸グリセリン付加物の収量は18gであった。
実施例3 酸触媒を用いた反応による桂皮酸グリセリン
付加物の製造(3) p−ヒドロキシ桂皮酸1.74g、グリシドール4.0gをDMS
O2mlに溶解し、塩酸を触媒量加え、90℃まで昇温した
後、更に加熱撹拌を1時間行った水酸化ナトリウムで中
和して、桂皮酸グリセリン付加物を得た。
反応系を、ハイパーポーラスポリマー(三菱化成工業
株式会社製のハイポーラス樹脂)を用いたカラムクロマ
トグラフ法で、展開溶媒として初めに精製水、次にエチ
ルアルコール:精製水3:7を用いて分画し、エチルアル
コール:精製水=3:7溶出部を濃縮し、桂皮酸グリセリ
ン付加物を精製した。
桂皮酸グリセリン付加物の収量は2gであった。
実施例4 アルカリ触媒を用いた反応による桂皮酸グリ
セリン付加物の製造(1) p−ヒドロキシ桂皮酸8.719gをDMSO10mlに溶解し、水
酸化ナトリウム100mgを加え、窒素気流下撹拌しながら9
0℃まで昇温した後、グリシドール19.7gをゆっくり加
え、更に加熱撹拌を2時間した後、塩酸で中和し、桂皮
酸グリセリン付加物を得た。
反応系を、ハイパーポーラスポリマー(三菱化成工業
株式会社製のハイポーラス樹脂)を用いたカラムクロマ
トグラフ法で、展開溶媒として初めに精製水、次にエチ
ルアルコール:精製水=3:7を用いて分画し、エチルア
ルコール:精製水=3:7溶出部を濃縮し、桂皮酸グリセ
リン付加物を精製した。
桂皮酸グリセリン付加物の収量は13.5gであった。
(1)グリセロイル桂皮酸ナトリウム (e=3,k=1,n=0,x=Na) 上記実施例4により製造された桂皮酸グリセリン付加
物には、下記化学式(7)で示されるグリセリン3モル
付加物が含まれている。
実施例4で合成した化合物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフ法(展開溶媒クロロホルム〜クロロホルム/メ
タノール=10/1(v/v))で単離精製し、得られた固体
状の化合物を、次の〜の方法で分析した。得られた
化合物を試料3とした。
赤外吸収スペクトル測定法 日本分光株式会社製 IRA−1赤外吸収スペクトル測
定装置を用い、neat法で測定したところ、3350cm-1に水
酸基の伸縮振動、2900cm-1にグリセロイル基の伸縮振
動、1690cm-1にカルボニル基の伸縮運動による吸収が観
察された。
結果を第9図に示す。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX400により、CD3ODを溶
媒として、35℃にて測定したところ、169ppm、162ppm、
146ppm、131ppm、128ppm、118ppm、116ppmに桂皮酸エス
テルの炭素に由来するシグナルが、72〜64ppmにグリセ
リル部分の炭素に由来するシグナルが、それぞれ観測さ
れた。
結果を第10図に示す。 −NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、室温にて測定したところ、δ7.67(1H,d,J
=16Hz)、7.54(2H,D,J=8.8Hz)、7.00(2H,d,J=8.8
Hz)、6.40(1H,d,J=16.1Hz)に桂皮酸の水素に由来す
るシグナルが、δ5.0〜3.2にグリセリル部分の水素に由
来するシグナルがそれぞれ観測された。
結果を第11図に示す。
紫外線吸収スペクトル測定法 日本分光工業株式会社製 UVIDEC 610C紫外線吸収ス
ペクトル測定装置を用い、溶媒メタノールで測定したと
ころ、222.4nm、287.6nmに極大吸収を示した。
結果を第12図に示す。
フェノール指示薬 生成物をTLC上にスポットし、噴霧器にてフェノール
指示薬を噴霧した後、続いて10%炭酸水素ナトリウム水
溶液を噴霧してもフェノールの呈色は示さなかった。
実施例5 アルカリ触媒を用いた反応による桂皮酸グリ
セリン付加物の製造(2) p−ヒドロキシ桂皮酸4.35gをDMSO5mlに溶解し、水酸
化カリウム50mgを加え、窒素気流下撹拌しながら90℃ま
で昇温した後、グリシドール10.0gをゆっくり加え、更
に加熱撹拌を1.5時間した後、塩酸で中和し、桂皮酸グ
リセリン付加物を得た。
反応系を、ハイパーポーラスポリマー(三菱化成工業
株式会社製のハイポーラス樹脂)を用いたカラムクロマ
トグラフ法で、展開溶媒として初めに精製水、次にエチ
ルアルコール:精製水=3:7を用いて分画し、エチルア
ルコール:精製水=3:7溶出部を濃縮し、桂皮酸グリセ
リン付加物を精製した。
桂皮酸グリセリン付加物の収量は7.1gであった。
実施例6 アルカリ触媒を用いた反応による桂皮酸グリ
セリン付加物の製造(3) p−ヒドロキシ桂皮酸2.8gをDMSO3mlに溶解し、ナト
リウム10mgを加え、窒素気流下撹拌しながら90℃まで昇
温した後、グリシドール5.0gをゆっくり加え、更に加熱
撹拌を1時間行なった後、塩酸で中和し、桂皮酸グリセ
リン付加物を得た。
反応系を、ハイパーポーラスポリマー(三菱化成工業
株式会社製のハイポーラス樹脂)を用いたカラムクロマ
トグラフ法で、展開溶媒として初めに精製水、次にエチ
ルアルコール:精製水=3:7を用いて分画し、エチルア
ルコール:精製水=3:7溶出部を濃縮し、桂皮酸グリセ
リン付加物を精製した。
実施例7 アルカリ触媒を用いた反応による桂皮酸グリ
セリン付加物の製造(4) p−ヒドロキシ桂皮酸2.8gをDMSO3mlに溶解し、ヘキ
サンでオイルを洗浄した水素化ナトリウム10mgを加え、
窒素気流下撹拌しながら90℃まで昇温した後、グリシド
ール5.0gをゆっくり加え、更に加熱撹拌を1.5時間行な
った後、塩酸で中和し、桂皮酸グリセリン付加物を得
た。
反応系を、ハイパーポーラスポリマー(三菱化成工業
株式会社製のハイポーラス樹脂)を用いたカラムクロマ
トグラフ法で、展開溶媒として初めに精製水、次にエチ
ルアルコール:精製水=3:7を用いて分画し、エチルア
ルコール:精製水=3:7溶出部を濃縮し、桂皮酸グリセ
リン付加物を精製した。
桂皮酸グリセリン付加物の収量は4.3gであった。
実施例8 アルカリ触媒を用いた反応による桂皮酸グリ
セリン付加物の製造(7) p−ヒドロキシ桂皮酸メチル1gを、DMSO10mlに溶解
し、水素化ナトリウム112mgを加え、窒素気流下90℃ま
で昇温した後、グリシドール2.1gをゆっくり加え、更に
加熱撹拌を0.5時間行なった。冷却後、塩酸で中和し、
グリセリン付加物を得た。
ハイパーポーラスポリマー(三菱化成工業株式会社製
のハイポーラス樹脂)を用いたカラムクロマトグラフ法
で、展開溶媒として初めに精製水、次にエタノール:精
製水=3:7を用いて分画し、エタノール:精製水=3:7溶
出部を濃縮し、桂皮酸グリセリン付加物を精製した。
桂皮酸グリセリン付加物の収量は、1.5gであった。
本実施例にかかる桂皮酸グリセリン付加物には、下記
(1)〜(6)の化合物が含まれていることが確認され
た。
(1)トリグリセロイル桂皮酸グリセリル (e=3,k=1,n=0,X=G) 赤外吸収スペクトル測定法 日本分光株式会社製IRA−1赤外吸収スペクトル測定
装置を用い、neat法で測定したところ、3350cm-1に水酸
基の伸縮振動、2900cm-1にグリセロイル基の伸縮振動、
1690cm-1にカルボニル基の伸縮振動による吸収が観測さ
れた。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、35℃にて測定したところ、169ppm〜103ppm
に桂皮酸のシグナルが、64ppm〜43ppmにグリセリン部分
の炭素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。1 H−NMR測定法 日本電子株式会社のJOEL GX−400により、CD3ODを溶
媒として、35℃にて測定したところ、δ7.6ppm〜6.3ppm
に桂皮酸のシグナルが、δ4.1ppm〜3.3ppmにグリセリン
部分の水素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。
(2)テトラグリセロイル桂皮酸グリセリル (e=4,k=1,n=0,X=G) 赤外吸収スペクトル測定法 日本分光株式会社製IRA−1赤外吸収スペクトル測定
装置を用い、neat法で測定したところ、3350cm-1に水酸
基の伸縮振動、2900cm1にグリセロイル基の伸縮振動、1
690cm-1にカルボニル基の伸縮振動による吸収が観測さ
れた。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、35℃にて測定したところ、169ppm〜103ppm
に桂皮酸のシグナルが、64ppm〜43ppmにグリセリン部分
の炭素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。1 H−NMR測定法 日本電子株式会社のJOEL GX−400により、CD3ODを溶
媒として、35℃にて測定したところ、δ7.6ppm〜6.3ppm
に桂皮酸のシグナルが、δ4.1ppm〜3.3ppmにグリセリン
部分の水素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。
(3)ペンタグリセロイル桂皮酸グリセリル (e=5,k=1,n=0,X=G) 赤外吸収スペクトル測定法 日本分光株式会社製IRA−1赤外吸収スペクトル測定
装置を用い、neat法で測定したところ、3350cm-1に水酸
基の伸縮振動、2900cm-1にグリセロイル基の伸縮振動、
1690cm-1にカルボニル基の伸縮振動による吸収が観測さ
れた。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、35℃にて測定したところ、169ppm〜103ppm
に桂皮酸のシグナルが、64ppm〜43ppmにグリセリン部分
の炭素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。1 H−NMR測定法 日本電子株式会社のJOEL GX−400により、CD3ODを溶
媒として、35℃にて測定したところ、δ7.6ppm〜6.3ppm
に桂皮酸のシグナルが、δ4.1ppm〜3.3ppmにグリセリン
部分の水素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。
(4)ジグリセロイル桂皮酸ナトリウム (e=2,k=1,n=0,X=Na) 赤外吸収スペクトル測定法 日本分光株式会社製IRA−1赤外吸収スペクトル測定
装置を用い、neat法で測定したところ、3350cm-1に水酸
基の伸縮振動、2900cm-1にグリセロイル基の伸縮振動、
1690cm-1にカルボニル基の伸縮振動による吸収が観測さ
れた。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、35℃にて測定したところ、169ppm〜103ppm
に桂皮酸のシグナルが、64ppm〜43ppmにグリセリン部分
の炭素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。1 H−NMR測定法 日本電子株式会社のJOEL GX−400により、CD3ODを溶
媒として、35℃にて測定したところ、δ7.6ppm〜6.3ppm
に桂皮酸のシグナルが、δ4.1ppm〜3.3ppmにグリセリン
部分の水素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。
(5)トリグリセロイル桂皮酸ナトリウム (e=3,k=1,n=0,X=Na) 赤外吸収スペクトル測定法 日本分光株式会社製IRA−1赤外吸収スペクトル測定
装置を用い、neat法で測定したところ、3350cm-1に水酸
基の伸縮振動、2900cm-1にグリセロイル基の伸縮振動、
1690cm-1にカルボニル基の伸縮振動による吸収が観測さ
れた。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、35℃にて測定したところ、169ppm〜103ppm
に桂皮酸のシグナルが、64ppm〜43ppmにグリセリン部分
の炭素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。1 H−NMR測定法 日本電子株式会社のJOEL GX−400により、CD3ODを溶
媒として、35℃にて測定したところ、δ7.6ppm〜6.3ppm
に桂皮酸のシグナルが、δ4.1ppm〜3.3ppmにグリセリン
部分の水素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。
(6)テトラセロイル桂皮酸ナトリウム (e=4,k=1,n=0,X=Na) 赤外吸収スペクトル測定法 日本分光株式会社製IRA−1赤外吸収スペクトル測定
装置を用い、neat法で測定したところ、3350cm-1に水酸
基の伸縮振動、2900cm-1にグリセロイル基の伸縮振動、
1690cm-1にカルボニル基の伸縮振動による吸収が観測さ
れた。13 C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、CD3ODを
溶媒として、35℃にて測定したところ、169ppm〜103ppm
に桂皮酸のシグナルが、64ppm〜43ppmにグリセリン部分
の炭素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。1 H−NMR測定法 日本電子株式会社のJOEL GXP400により、CD3ODを溶
媒として、35℃にて測定したところ、δ7.6ppm〜6.3ppm
に桂皮酸のシグナルが、δ4.1ppm〜3.3ppmにグリセリン
部分の水素に由来するシグナルがそれぞれ観測された。
また、グリセロイル桂皮酸グリセリル(e=1,k=1,n
=0,X=G)、ジグリセロイル桂皮酸グリセリル(e=
2,k=1,n=0,X=G)、グリセロイル桂皮酸ナトリウム
(e=1,k=1,n=0,X=Na)も含まれていた。
実施例9 アルカリ触媒を用いた反応による桂皮酸グリ
セリン付加物の製造(10) p−ヒドロキシ桂皮酸エチル1gをDMSO10mlに溶解し、
水素化ナトリウム125mgを加え、窒素気流下で90℃まで
昇温した後、グリシドール2.5gをゆっくり加え、更に加
熱撹拌を0.5時間行なった。冷却後、塩酸で中和し、溶
媒を留去し、グリセリン付加物を得た。
ハイパーポーラスポリマー(三菱化成工業株式会社製
のハイポーラス樹脂)を用いたカラムクロマトグラフ法
で、展開溶媒として初めに精製水、次にエタノール:精
製水=3:7を用いて分画し、エタノール:精製水=3:7溶
出部を濃縮し、桂皮酸グリセリン付加物を精製した。
桂皮酸グリセリン付加物の収量は、2.3gであった。
なお、上記実施例の桂皮酸グリセリン付加物には、次
の化合物が含まれていることが確認された。
p−グリセロイル桂皮酸グリセリル(e=1,k=1,n=
0,X=G)、p−ジグリセロイル桂皮酸グリセリル(e
=2,k=1,n=0,X=G)、p−トリグリセロイル桂皮酸
グリセリル(e=3,k=1,n=0,X=G)、p−テトラグ
リセロイル桂皮酸グリセリル(e=4,k=1,n=0,X=
G)、p−ペンタグリセロイル桂皮酸グリセリル(e=
5,k=1,n=0,X=G) 次に、以上のように製造された桂皮酸グリセリン付加
物を皮膚外用剤に適用した場合の効果について検討し
た。
試験例1 美容液の製造 表1に示す処方にて、桂皮酸グリセリン付加物を配合
した美溶液と、対照例として2−ヒドロキシ−4−メト
キシ−5−スルフォキソニウムベンゾフェノンを美容液
の製造を行なった。
アルコール相Aを水相Bに添加し、香料を可溶化して
美容液を得た。配合例1は、無色透明で粘性のある良好
な美容液が得られたのに対し、対照例1では、黄身が強
く粘性のないものであった。
試験例2 日焼け止テスト 試験例1で製造した2つの美容液を用いて、海浜で実
使用テストを行なった。方法としては、サンプルを男女
各20名の背中に左右半分ずつ塗布し、日焼け度合を判定
した。判定基準は、以下のようにした。
日焼けの程度の評価基準 強い紅班が認められた …× 僅かに紅班が認められた。…△ 紅班が認められなかった。…○ 結果は表2のようになった。
これらの結果により、桂皮酸グリセリン付加物を配合
した皮膚外用剤は、従来の水溶性紫外線吸収剤を配合し
た皮膚外用剤よりも紫外線防御効果が高く、皮膚トラブ
ルもなく、安全性の高いものであった。
試験例3 保湿性 室温25℃50%相対湿度の環境下で、男女各15名の皮膚
コンダクタンスの変化を測定した。試験例1で製造した
美容液を腕部に塗り、その処理後24時間後の腕部の皮膚
コンダクタンスを測定し、その増加率より判定を行なっ
た。判定は以下のように行なった。
コンダクタンス増加率 =コンダクタンス値の増加量/処理前コンダクタンス値 保湿性の判定基準 コンダクタンス増加率15%未満 …× コンダクタンス増加率15%以上30%未満 …△ コンダクタンス増加率30%以上 …○ 結果を表3に示す。
以上より、桂皮酸グリセリン付加物を配合した皮膚外
用剤は、従来の水溶性紫外線吸収剤を配合した皮膚外用
剤よりも保湿性の高い優れたものであることがわかっ
た。
以下に本発明にかかる皮膚外用剤の配合例を説明す
る。なお、各皮膚外用剤ともに優れた紫外線防御効果を
示した。
実施例10 クリーム A.油相 ステアリン酸 10.0 ステアリルアルコール 4.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 8.0 ビタミンEアセテート 0.5 香料 0.4 エチルパラベン 0.1 ブチルパラベン 0.1 プロピルパラベン 0.1 B.水相 プロピレングリコール 8.0 グリセリン 2.0 p−グリセロイル桂皮酸グリセリル 6.0 水酸化カリウム 0.4 エデト酸三ナトリウム 0.05 精製水 残余 <製法> Aの油相部とBの水相部をそれぞれ70℃に加熱し完全
に溶解する。A相をB相に加えて、乳化機で乳化する。
乳化物を熱交換器を用いて冷却してクリームを得た。
実施例11 クリーム A.油相 セタノール 4.0 ワセリン 7.0 イソプロピルミリステート 8.0 スクワラン 12.0 ジメチルポリシロキサン 3.0 ステアリン酸モノグリセリンエステル 2.2 POE(20)ソルビタンモノステアレート 0.5 グリチルリチン酸ステアレート 0.1 BHT 0.02 エチルパラベン 0.1 ブチルパラベン 0.1 プロピルパラベン 0.1 B.水相 1,3ブチレングリコール 7.0 エデト酸二ナトリウム 0.07 フェノキシエタノール 0.2 L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩 3.0 ポリアクリル酸アルキルエステル 1.0 p−グリセロイル桂皮酸メチル 8.0 精製水 残余 <製法> 実施例10に準じてクリームを得た。
実施例27 乳液 A.油相 オレイルオレート 3.0 ワセリン 7.0 スクワラン 5.0 ソルビタンセスキオレイン酸エステル 0.8 ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20E.O.)1.2 p−グリセロイル桂皮酸グリセリル 3.0 メチルパラベン 0.1 香料 0.12 B.水相 ジプロピレングリコール 5.0 エタノール 3.0 カルボキシビニルポリマー 0.17 ヒアルロン酸ナトリウム 0.01 ポリアクリル酸アルキルエステル 1.0 トリメトキシ桂皮酸グリセリル 4.0 水酸化カリウム 0.08 ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05 精製水 残余 <製法> 実施例10に準じて乳液を得た。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高田 定樹 神奈川県横浜市港北区新羽町1050番地 資生堂研究所 (56)参考文献 特開 昭58−110535(JP,A) 特開 平2−3638(JP,A) 特公 昭58−43363(JP,B2) Tetrahedron Lette rs 第49号(1970年10月)P.4313− 4(特にP4313)フランス国(医薬)特 許発明第6380(M)号明細書 Chemical Abstract s 第106巻 第15号 要約番号 106 (15):119400e,1984年 化学大辞典2、昭和35年6月30日 初 版第1刷 共立出版株式会社発行 p55 「オキシけいひさん」の項 化学大辞典3、昭和35年9月30日 初 版第1刷 共立出版株式会社発行 p50 〜51 「クマリンさん」「クマルさん」 「クマルさんメチルエーテル」の項 化学大辞典9、昭和37年8月25日 初 版第2刷 共立出版株式会社発行 p 219「メトキシけいひさん」の項 Chemical Abstract s 第99巻 第6号 要約番号99 (6):43309U,1983年 FRAGRANCE JOURNAL No.84(Vol.15,No.3) (1987)P.54〜58,P63(特にp57) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07C 59/64 C07C 69/734 C09K 3/00 104 A61K 7/42 A61K 7/00 A61K 7/44 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(1)で表される桂皮酸グリセ
    リン付加物。 (ただし、式1中Gはグリセリン1モルに相当し、eは
    平均付加モル数で1以上10以下を表す。Xは水素、アル
    カリ金属若しくはGmで、mは平均付加モル数で1以上、
    10以下を表す。グリセリンが重合する場合はエーテル結
    合による。)
  2. 【請求項2】請求項1記載の桂皮酸グリセリン付加物よ
    りなる紫外線吸収剤。
  3. 【請求項3】請求項1記載の桂皮酸グリセリン付加物を
    一種または二種以上配合することを特徴とする皮膚外用
    剤。
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JPS5843363A (ja) * 1981-09-08 1983-03-14 松下電器産業株式会社 空気調和機の冷凍サイクル
JPS58110535A (ja) * 1981-12-25 1983-07-01 Pola Chem Ind Inc 新規ベンゾフエノン誘導体及び紫外線吸収剤
JPH023638A (ja) * 1988-06-17 1990-01-09 Pias Arise Kk 1,2−ビス(ジメチルアミノシンナモイルオキシ)プロパン誘導体とそのプロパン誘導体を含有した紫外線吸収剤

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Chemical Abstracts 第106巻 第15号 要約番号 106(15):119400e,1984年
Chemical Abstracts 第99巻 第6号 要約番号99(6):43309U,1983年
FRAGRANCE JOURNAL No.84(Vol.15,No.3)(1987)P.54〜58,P63(特にp57)
Tetrahedron Letters 第49号(1970年10月)P.4313−4(特にP4313)フランス国(医薬)特許発明第6380(M)号明細書
化学大辞典2、昭和35年6月30日 初版第1刷 共立出版株式会社発行 p55 「オキシけいひさん」の項
化学大辞典3、昭和35年9月30日 初版第1刷 共立出版株式会社発行 p50〜51 「クマリンさん」「クマルさん」「クマルさんメチルエーテル」の項
化学大辞典9、昭和37年8月25日 初版第2刷 共立出版株式会社発行 p219「メトキシけいひさん」の項

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