JP2879584B2 - マルチトール脂肪族エーテル - Google Patents

マルチトール脂肪族エーテル

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、上記一般式(I)で表されるマルチトール
脂肪族エーテルに関し、更に詳しくは化学的に安定で、
皮膚や眼に対し極めて低刺激性であり、医薬品、医薬部
外品及び化粧料に配合されうる新規な界面活性剤である
マルチトール脂肪族エーテルに関する。
[従来の技術] 従来、多くの皮膚外用剤には、乳化、可溶化、分散等
の目的で、非イオン性界面活性剤が使用されている。
一般に多用されている非イオン性界面活性剤には、グ
リセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、
ソルビトール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、
ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオ
キシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエ
チレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキル
フェニルエーテル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘
導体、マンニトールヒドロキシ脂肪酸エーテル等があ
る。
[発明が解決しようとする課題] 従来技術の問題点 しかしながら、低分子量のオキシエチレン鎖等を含有
する非イオン性界面活性剤には、HLB域を広くかつ任意
に調製しうるという長所を持つ反面、一般に、経時で酸
化を受け、低分子量のアルデヒドや有機酸を発生し、変
臭や皮膚刺激の原因となったり、pHの低下を起こすとい
う問題点を有する。
また、ソルビタン脂肪酸エステル等の多価アルコール
脂肪酸エステルタイプの非イオン性界面活性剤は、特に
水を含み、pHが中性からはずれている皮膚外用剤の成分
として用いた場合、エステル結合が分解し易く、経日安
定性や安全性に問題を生じ易い。
更に、ソルビトールヒドロキシ脂肪族エーテル等の糖
類のヒドロキシエーテルでは、泡立ちが良いという長所
を持つ反面、この泡立ちの良さが、化粧水に可溶化剤と
して用いた場合、印象が悪いという問題があった。
発明の目的 本発明者らは、上記事情に鑑み、鋭意検討した結果、
マルチトール脂肪族エーテルが、従来から使用されてい
る非イオン性界面活性剤に比べ、経時で酸化を受けるこ
となく、低分子量のアルデヒドや有機酸を発生せず、変
臭や皮膚刺激の原因となったり、pHの低下を起こさない
ことをつきとめ、本発明を完成するに至った。
[課題を解決するための手段] すなわち、本発明は一般式(I): (ただし、式中Aはマルチトールからn個の水酸基を除
いた残基、R1及びR2は水素原子、炭素数1〜20のアルキ
ル基または分枝アルキル基で、nは1または2を表
す。)で表されるマルチトール脂肪族エーテルを提供す
るものである。
本発明のマルチトール脂肪族エーテルの製造の際に使
用されるマルチトールは下記構造式 (II) で表される4−0−α−D−Glucopyranol−Sorbitolで
あれば何れでもよく、市販されているもので例を挙げる
と粉末マビット(感光社)、マビット(感光社)、マル
チトール(マツモト交商、木村産業)、マルチトールク
リスタル(感光社)等が挙げられる。
また、本発明のマルチトール脂肪族エーテルの製造の
際に使用されるアルキル誘導体は下記一般式 (III): (ただし、式中Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などの
ハロゲン基及びトリメチルアンモニウムブロミドなどの
トリアルキルアンモニウム基のハロゲン塩、水酸基であ
り、R1及びR2は、C1〜C20のアルキル基や分枝アルキル
基)で表され、これらは単独でも、1種以上併用しても
よい。
一般式(I)において、R1及びR2の水素原子以外の具
体例であるC1〜C20のアルキル基や分枝アルキル基とし
ては、例えばメチル基、エチル基、イソプロピル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ラウ
リル基、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、
2−エチルヘキシル基、イソステアリル基などが挙げら
れる。
一般式(I)で表される本発明のマルチトール脂肪族
エーテルは、残基Aがマルチトールで、親水基であり、
R1及びR2は疎水基であるため、R1及びR2の炭素数は、そ
の合計が10〜20であることが、好ましい。
R1及びR2の炭素数の合計が10〜20の範囲を外れると、
親水性と疎水性のバランスが崩れ、活性剤としての使用
範囲が狭くなるので好ましくない。また、一般式(I)
で、nは1もしくは2であることが好ましい。nが3以
上になると生成物はワックスとなり活性剤として、使用
できない。
上記のマルチトール脂肪族エーテルは、油状または固
体で、例えば洗浄性、分散性、乳化性、保湿性、コクの
ある使用感が得られるという機能を有するうえ、安全
性、安定性に極めて優れているため、医薬品、医薬部外
品、化粧料及び洗浄料の成分として配合されうる。
次にここに具体的な製造方法を示す。
本発明のマルチトール脂肪族エーテルの製造は、例え
ば、ロバートらの方法{Tetrahedron,35,2169〜2172(1
979)}により合成することができる。
すなわち、(II)をジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド、ジオキサン、ジメチルアセトアミド、N
−メチルピロリドン、N−アセチルモルホリン、N−メ
チルコハク酸イミド等の非水系溶媒に溶かし、これに一
般式 (III): (ただし、式中Xはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素などの
ハロゲン基及びトリメチルアンモニウムブロミドなどの
トリアルキルアンモニウム基のハロゲン塩、水酸基であ
り、R1及びR2は、C1〜C20のアルキル基や分枝アルキル
基)で示されるアルキル誘導体を添加して、触媒の存在
下、50〜130℃で撹拌、反応させることにより得られ
る。また、上記の触媒としては、硫酸等の鉱酸、水酸化
リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアル
カリ、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート等
のナトリウムアルコラート、N−メチルベンジルアミン
等のアミン等が挙げられる。
この反応に使用される(II)と(III)のモル比は、
例えばモノエーテルを主生成物として得ようとする場合
には、1:1〜3:1が好ましく、2:1〜3:1が更に好ましい。
(II)と(III)のモル比がこの範囲をはずれる場合、
すなわちマルチトールが少ないとトリエーテルなどの不
純物を生じやすく、多過ぎるとマルチトールが多量に残
って後の精製に支障をきたし好ましくない。
一般式(III)で示される化合物がすべて消費された
場合、反応系の触媒を中和する目的で酢酸、塩酸、硫
酸、リン酸等の酸、水酸化リチウム、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等のアルカリを加え、反応溶媒を減
圧留去する。
このようにして得られた反応生成物には、一般式
(I)で示されるマルチトール脂肪族エーテルのはか、
中和時の塩、マルチトール、3個以上のアルキル基また
は分枝アルキル基の結合したマルチトール脂肪族エーテ
ル等が共存している。そのため、例えばマルチトールと
塩を除去する場合、メチルアルコール、エチルアルコー
ル、ブチルアルコール、イソプロピルアルコール等のマ
ルチトールを溶解しない溶媒で抽出したり、塩を多量に
含む水とメチルエチルケトン、n−ブタノールで分配
し、有機溶媒層を分取することにより精製できる。ま
た、マルチトールと塩及び3個以上のアルキル基または
分枝アルキル基の結合したマルチトール脂肪族エーテル
を除去する場合、反応生成物を水または水とアルコール
の混液に懸濁させ、ハイパーポーラスポリマー(例えば
三菱化成工業株式会社製のハイポーラス樹脂)、オクタ
デシルシリカなどの逆相分配カラムで、はじめ水で通液
し、次にメタノール、エタノールなどのアルコールやア
セトニトリルなどの極性有機溶媒と水の混液で通液し、
この液を分取することにより精製できる。
前記のように合成したマルチトール脂肪族エーテル
は、抽出溶媒を留去したり、カラムにより精製した後用
いてもよく、そのまま用いてもよい。
[発明の効果] 本発明のマルチトール脂肪族エーテルは経時で酸化を
受けることなく、低分子量のアルデヒドや有機酸を発生
せず、変臭や皮膚刺激の原因となったり、pHの低下を起
こさない。また、pHが中性からはずれている皮膚外用剤
の成分として用いた場合にも、エーテル結合が分解され
ない、安全性及び安定性に優れた界面活性剤である。
更に、本発明のマルチトール脂肪族エーテルを化粧水
に可溶化剤として用いた場合にも泡立ちが良過ぎるとい
うこともなく、良好な使用感触を持つ。
[実施例] 以下、実施例を挙げて本発明のマルチトール脂肪族エ
ーテルについて具体的に説明する。
尚、本発明はこれに限定されるものではない。またこ
こで各実施例で採用した試験法、評価法もあわせて説明
する。
実施例1 マルチトール10.0gを予め乾燥させておいたジメチル
スルホキシド200mlに溶解し、80℃加熱撹拌下、水酸化
ナトリウム1.06gを加え、30分撹拌した後、臭化ミリス
チル4.03gを加え、更に上記温度で4時間加熱撹拌し
た。次に、室温まで冷却し、1N塩酸で中和した。反応溶
媒を減圧蒸留にて留去し、残留物をハイパーポーラスポ
リマー(三菱化成工業株式会社製のハイポーラス樹脂)
のカラムクロマトグラフ法で展開溶媒としてはじめに精
製水、次にエチルアルコール:精製水=1:1を用いて分
画すると、精製水の溶出部に食塩、マルチトール及びジ
メチルスルホキシドが認められ、エチルアルコール:精
製水=1:1溶出部を濃縮し、これをN,O−(ビストリメチ
ルシリル)アセトアミド、トリメチルクロロシラン、N
−トリメチルシリルイミダゾールの等量混合物でトリメ
チルシリル化した後、ガスクロマトグラフ法(カラム充
填剤:日本クロマト工業株式会社製、Diasolid ZT内径3
mm、長さ50cm、昇温速度:100℃〜340℃、10℃/min、キ
ャリアガス及び流量:窒素、50ml/min、検出器:FID)に
て分析したところ、保持時間12.57分にマルチトールモ
ノミリスチルエーテルのピークが観測された。マルチト
ールモノミリスチルエーテルの収量は4.11g(収率47.2
%)であった。得られたマルチトールモノミリスチルエ
ーテルは、(1)〜(3)の方法により分析した。
(1)赤外吸収スペクトル測定法 日本分光工業株式会社製、IRA−1赤外吸収スペクト
ル測定装置を用い、KBr錠剤法で測定したところ、3400c
m-1に水酸基の伸縮振動、2900cm-1付近にミリスチル基
のメチレン部分1300〜1450cm-1にエーテル結合による吸
収、858cm-1にマルチトールのα−グルコシド結合によ
る吸収が観測された。結果を第2図に示す。
(2)13C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、DMSO−d6
を溶媒として、室温にて測定したところ、14.0ppm
()にミリスチル基の末端メチ1ル基、22〜35ppm
(〜)にミリスチル基のメチレン部分、62〜100ppm
(〜)にマルチトール部分の炭素に由来するシグナ
ルが、それぞれ観測された。結果を第3図に示す。
(3)1H−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、DMSO−d6
を溶媒として、室温にて測定したところ、0.86ppm
()にミリスチル基の末端メチル基、1.25ppm()
にミリスチル基のメチレン部分、1.46ppm()にミリ
スチル基の末端エーテル結合部分、3.0〜5.0ppm(〜
)にマルチトール部分の水素に由来するシグナルが、
それぞれ観測された。結果を第4図に示す。
実施例2 68.35gのヨウ化カリウムを54.65gの95%リン酸水溶液
に溶かし、これに、11.55gの7−テトラデセンを室温に
て滴下した。滴下終了後、反応系を100℃で5時間加熱
撹拌した。冷却後、反応系にジエチルエーテル140mlと1
0%チオ硫酸ナトリウム水溶液200mlを加え抽出した。更
に、ジエチルエーテルで3回抽出し、ジエチルエーテル
層を10%チオ硫酸ナトリウム水溶液200mlで1回、飽和
食塩水で2回、精製水で1回洗浄した。ジエチルエーテ
ル層を濃縮して、7−ヨウ化テトラデカン20.52gを得
た。
次に、マルチトール20.3gを予め乾燥させておいたジ
メチルスルホキシド100mlに溶解し、室温にて、水酸化
カリウム5.00gを加え、30分撹拌した後、上記の方法に
より、予め合成した7−ヨウ化テトラデカン20.3gを1
時間かけて滴下した。滴下後、反応系を60℃に上げ5時
間撹拌した後、更に80℃に上げ3時間撹拌した。反応
後、反応系を室温まで冷却した後、水500mlに注ぎ、ヘ
キサンで洗浄後、1N塩酸で中和した。反応溶媒を減圧蒸
留にて留去し、残留物をハイパーポーラスポリマー(三
菱化成工業株式会社製のハイポーラス樹脂)のカラムク
ロマトグラフ法で展開溶媒として初めに精製水、次にエ
チルアルコール:精製水=1:1を用いて分画すると、精
製水の溶出部に食塩、マルチトール及びジメチルスルホ
キシドが認められ、エチルアルコール:精製水=1:1溶
出部を濃縮し、これをN,O−(ビストリメチルシリル)
アセトアミド、トリメチルクロロシラン、N−トリメチ
ルシリルイミダゾールの等量混合物でトリメチルシリル
化した後、前記と同様の条件でガスクロマトグラフ法に
て分析したところ、保持時間14.56分にマルチトールモ
ノ(1−ヘキシルオクチル)エーテルのピークが観測さ
れた。マルチトールモノ(1−ヘキシルオクチル)エー
テルの収量は10.7g(収率30.2%)であった。ガスクロ
マトグラムを第5図に示す。
得られたマルチトールモノ(1−ヘキシルオクチル)
エーテルは、(4)〜(5)の方法により分析した。
(4)赤外吸収スペクトル測定法 日本分光工業株式会社製、IRA−1赤外吸収スペクト
ル測定装置を用い、KBr錠剤法で測定したところ、3400c
m-1に水酸基の伸縮振動、2900cm-1付近にミリスチル基
のメチレン部分1300〜1450cm-1にエーテル結合による吸
収、858m-1にマルチトールのα−グルコシド結合による
吸収が観測された。結果を第6図に示す。
(5)13C−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL FX−100により、DMSO−d6
を溶媒として、室温にて測定したところ、13.9ppm
()に1−ヘキシルオクチル基の2つの末端メチル
基、22〜35ppm(〜)にミリスチル基のメチレン部
分、60〜104ppm(〜)にマルチトール部分の炭素に
由来するシグナルが、それぞれ観測された。結果を第7
図に示す。
(6)1H−NMR測定法 日本電子株式会社製のJOEL GX−400により、DMSO−d6
を溶媒として、室温にて測定したところ、0.86ppm
()に1−ヘキシルオクチル基の末端メチル基の水素
6個分、1.24ppm()に1−ヘキシルオクチル基のメ
チレン部分の水素、1.47ppm()に1−ヘキシルオク
チル基のエーテル結合部分の水素1個分、3.0〜5.0ppm
(〜)にマルチトール部分の水素に由来するシグナ
ルが、それぞれ観測された。結果を第8図に示す。な
お、3.40ppmのシグナルは水(HDO)に由来する。
安全性・安定性試験 (1)加水分解試験 実施例1及び2の1%水溶液を90℃で5時間加熱し
た。冷却後の水溶液の一定量を取り、エチルエーテルで
抽出し、その抽出物のガスクロマトグラムから加水分解
度を求めた。
(2)アルデヒド発生試験 実施例1及び2を80℃の容器上に100時間放置した
後、それぞれの試料5gを採取した。その後、水500ml及
び薄めたリン酸3mlを加えてから蒸留し、留出量が190ml
になった時点で蒸留をやめ、水を加えて200mlとし、こ
れを試験溶液として用いた。
この試験溶液10mlを取りアセチルアセトン5mlを加え
て振り混ぜ、60℃の水浴中で10分間加熱した。冷却後、
波長420nm付近の極大吸収波長における吸光度を測定し
た。
これらの結果を表−1に示した。
表−1から判るように実施例1,2のいずれの試料も加
水分解は、ほとんど認められなかった。
一方、市販のショ糖ラウリン酸エステル及びポリエチ
レングリコール(PEG)ラウリン酸エステルでは、同一
条件でそれぞれ約20%、約2%のエステル基の分解が認
められた。
また、実験室的に合成したソルビトールヒドロキシミ
リスチルエーテルでは、加水分解は、ほとんど認められ
なかった。
また実施例1,2のいずれの試料もアルデヒドの存在は
認められなかった。
一方、ポリエチレングリコールラウリン酸エステルを
同様に処理して評価すると、アルデヒドの存在が認めら
れた。
なお、ショ糖ラウリン酸エステルとソルビトールヒド
ロキシミリスチルエーテルでは、同様に処理しても、ア
ルデヒドの存在は認められなかった。
効果試験 本発明のマルチトール脂肪族エーテルの外皮適用によ
る効果を、皮膚刺激性、使用感によって評価した。
下記に示す組成の試料(処方例1及び2)とコントロ
ール(比較例1及び2)を男女各25名のパネルを用い左
右どちらか一方の頬に試料を、他方の頬にコントロール
を1日当たり2回、1週間連続塗布後、左右の頬の肌に
対する刺激性とその使用感を判定した。各判定基準は以
下の通りとした。
皮膚刺激性 ◎:50人中0〜5名が肌にヒリヒリ感、つっぱり感を認
めた。
○:50人中6〜20名が肌にヒリヒリ感、つっぱり感を認
めた。
△:50人中21〜35名が肌にヒリヒリ感、つっぱり感を認
めた。
×:50人中36〜50名が肌にヒリヒリ感、つっぱり感を認
めた。
使用感 ◎:コントロールより使用性がかなり良好 ○:コントロールより使用性がやや良好 △:コントロールと使用性同程度 ×:コントロールより使用性劣る 表−2から判るように本発明の試料については、皮膚
刺激性は低く良好であった。一方ポリオキシエチレン
(8モル)ソルビタンモノオレート、ポリオキシエチレ
ン(8モル)グリセリンモノステアレートを用いたコン
トロールは刺激性が高かった。
更にショ糖ラウリン酸エステルとソルビトールヒドロ
キシミリスチルエーテルで処方した群では、泡立ちが良
過ぎシャンプーのようで気持ちが悪いとする意見が、大
半をしめた。
また、処方例1,2は、0℃、25℃、50℃に1ケ月放置
しても白濁もせず、安定であったが、コントロール及び
ポリエチレングリコール(PEG)ラウリン酸エステルを
用いたものでは、50℃に1ケ月放置すると、凝集、白
濁、沈澱を生じた。
処方例1 重量% (1)グリセリン 3.0 (2)プロピレングリコール 4.0 (3)オレイルアルコール 0.1 (4)実施例1で得られたマルチトール 1.5 モノミリスチルエーテル (3)オレイルアルコール 0.1 (4)ポリオキシエチレン(8モル) 1.5 ソルビタンモノオレート (5)エタノール 10.0 (6)香料 適量 (7)エチルパラベン 適量 (8)イオン交換水 残余 処方例2 重量% (1)グリセリン 3.0 (2)プロピレングリコール 4.0 (3)オレイルアルコール 0.1 (4)実施例1で得られたマルチトール 1.5 モノミリスチルエーテル (3)オレイルアルコール 0.1 (4)実施例2で得られた 1.5 マルチトールモノ (1−ヘキシルオクチル)エーテル (5)エタノール 10.0 (6)香料 適量 (7)エチルパラベン 適量 (8)イオン交換水 残余 比較例1 重量% (1)グリセリン 3.0 (2)プロピレングリコール 4.0 (3)オレイルアルコール 0.1 (4)ポリオキシエチレン(8モル) 1.5 ソルビタンモノオレート (5)エタノール 10.0 (6)香料 適量 (7)エチルパラベン 適量 (8)イオン交換水 残余 比較例2 重量% (1)グリセリン 3.0 (2)プロピレングリコール 4.0 (3)オレイルアルコール 0.1 (4)ポリオキシエチレン(8モル) 1.5 グリセリンモノステアレート (5)エタノール 10.0 (6)香料 適量 (7)エチルパラベン 適量 (8)イオン交換水 残余
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第3図及び第4図は、それぞれ実施例
1で得られたマルチトールモノミリスチルエーテルのガ
スクロマトグラム、赤外吸収スペクトルチャート、13C
−NMRスペクトルチャート及び1H−NMRスペクトルチャー
トである。 また、第5図、第6図、第7図及び第8図は、それぞれ
実施例2で得られたマルチトールモノ(1−ヘキシルオ
クチル)エーテルのガスクロマトグラム、赤外吸収スペ
クトルチャート、13C−NMRスペクトルチャート及び1H−
NMRスペクトルチャートである。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07H 15/04 A61K 7/00 - 7/50 A61K 47/00 - 47/48 CA(STN)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(I)で、表されるマルチトール脂
    肪族エーテル。 (ただし、式中Aはマルチトールからn個の水酸基を除
    いた残基、R1及びR2は水素原子、炭素数1〜20のアルキ
    ル基または分枝アルキル基で、nは1または2を表
    す。)
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