JP2921446B2 - スペクトラム拡散通信用csk通信装置及び通信方法 - Google Patents

スペクトラム拡散通信用csk通信装置及び通信方法

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JP2921446B2
JP2921446B2 JP22237895A JP22237895A JP2921446B2 JP 2921446 B2 JP2921446 B2 JP 2921446B2 JP 22237895 A JP22237895 A JP 22237895A JP 22237895 A JP22237895 A JP 22237895A JP 2921446 B2 JP2921446 B2 JP 2921446B2
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    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04BTRANSMISSION
    • H04B1/00Details of transmission systems, not covered by a single one of groups H04B3/00 - H04B13/00; Details of transmission systems not characterised by the medium used for transmission
    • H04B1/69Spread spectrum techniques
    • H04B1/707Spread spectrum techniques using direct sequence modulation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L23/00Apparatus or local circuits for systems other than those covered by groups H04L15/00 - H04L21/00
    • H04L23/02Apparatus or local circuits for systems other than those covered by groups H04L15/00 - H04L21/00 adapted for orthogonal signalling

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スぺクトラム拡散(S
S)通信用の通信装置及び通信方法に関し、特に、N個
のPN符号系列を用いて送信データをCSK(符号偏位
キーイング)変調する通信装置及び通信方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、基地局通信,移動体通信及び電力
線通信等の分野では、SS通信システムが広く用いられ
ている。以下、従来のSS通信システムについて図37
及び図38を参照して説明する。図37は、従来のSS
通信システスムの構成を示すブロック図であり、図38
は、図37に示した従来のSS通信システムの要部の信
号波形を示すタイミング図である。
【0003】図37において、信号送信側では、PN
(擬似雑音)符号系列発生器1の出力aと送信データb
とが、排他的論理和回路2に入力される。この排他的論
理和回路2の出力cは、増幅器3によって増幅され、送
信信号として信号伝送路へ出力される。
【0004】信号受信側において、信号送信側からの送
信信号は、受信信号として増幅器4に入力される。増幅
器4から出力された被増幅信号は、同期PN符号系列発
生器5に入力されるとともに、相関器6に入力され、こ
こで同期PN符号系列発生器5の出力dとの相関をとら
れる。相関器6の出力は、相関値(すなわち信号e)を
表しており、これがコンパレータ7によって所定のしき
い値と比較される。コンパレータ7の出力は、受信デー
タfとして出力される。
【0005】ここで、上記信号伝送路は無線あるいは有
線によって形成されるが、用途に適した種々の信号伝送
媒体によつて形成することができる。また、送信信号
は、前記信号伝送媒体へ直接的に供給され、しばしばそ
こで伝送用の信号伝送媒体を介して効率的に送信できる
信号ヘと変換される。
【0006】さらに、電力線通信では、送信信号を商用
電力から分離するためのインタフェースを設ける必要が
ある。上記のごとく、信号伝送媒体に作用するシステム
部分は、通過する送信信号を送信に適した対応信号に変
換するか、あるいは、電力線から分離したりするが、そ
れぞれの用途に応じて「信号受信インタフェース」又は
「信号送信インタフェース」と呼ばれる。このようなイ
ンタフェースが、信号伝送媒体に接続するための手段を
もたらす。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来のSS通
信システムでは、信号受信側の同期PN符号系列発生器
5により生成されるPN系列は、信号送信側で供給され
たPN系列と同期させねばならない。この目的のため、
同期点を探索することが不可欠となる。
【0008】ここで、信号伝送路が信号伝送特性の点で
満足できるものであれば、相関波形は、図39(A)の
ように、同期点でピークを示し、特に問題は生じない。
ところが、電力線通信の場合などのように、信号伝送帯
域内にディップ点を有するとき、あるいは、信号伝送路
の信号伝送特性が相当低いときは、図39(B),
(C)のように、相関波形が破壊されてしまうことが多
かった。このような場合、相関値の+と−の符号が反転
してしまい、すなわち、データのレベル(「1」と
「0」)が反転してしまい、さらに同じ条件によつて同
期が維持できないという不都合をまねくという問題があ
った。
【0009】本発明は、上記問題点にかんがみてなされ
たものであり、信号伝送路のノイズレベルにかかわら
ず、常に正確な符号同期を行なうことができ、良好なS
S通信を行なうことができるスペクトラム拡散通信用C
SK通信装置及び通信方法の提供を目的とする。
【0010】本発明の一つの目的は、従来のSS通信シ
ステムに付随する上記の問題点を解決した新規なCSK
システムによるスペクトラム拡散通信方法を提供し、か
つ該方法を実施するSS通信システムを提供することに
ある。
【0011】本発明の他の目的は、SS通信用に用いら
れるCSK信号送信方法及びCSK信号受信方法を提供
し、かつCSK信号送信装置及びSS通信用に用いられ
るCSK信号受信装置を提供することにある。
【0012】さらに、本発明の目的は、CSK信号受信
装置内に、安定な仕方で受信CSK信号を復調し、たと
え伝送路の信号伝送特性が低下してもエラーを抑圧でき
る信号復調器を提供することにある。
【0013】本発明のさらに他の目的は、CSK信号受
信器内に、CSK信号をマンチェスターM系列と高速で
かつ実時間で相関をとることのできる相関器を提供する
ことにある。
【0014】本発明のさらに他の目的は、CSK受信器
内に、受信CSK信号のピーク位置を正確に検出できる
ピーク位置検出器を提供することにある。
【0015】本発明のさらに他の目的は、CSK受信器
内に、信号伝送特性の変動によって影響されることなく
ピーク位置を検出することのできるピーク位置検出器を
提供することにある。
【0016】本発明のさらに他の目的は、CSK受信器
内に、たとえ信号伝送特性が低下しても受信CSK信号
に含まれるキャリヤが正確に検出できるキャリヤ検出器
を提供することにある。
【0017】本発明のさらに他の目的は、CSK受信器
内に、ノイズに影響されることなく通信の開始点が安定
的にかつ正確に決定できる同期確立決定器を提供にする
ことにある。
【0018】本発明のさらに他の目的は、CSK受信器
内に、いつでも同期非確立を正確に決定できる非同期確
立決定器を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】まず、本発明のスペクト
ラム拡散通信用CSK通信装置及び通信方法の原理的な
説明を行なう。本発明の一側面として、CSK通信シス
テムでは、所定周期で生成されかつ符号長が等しいN個
のマンチェスターM符号系列を合成した合成系列を、送
信信号として送信する。その選択は、mビットの送信デ
ータの符号に依存する。実際に送信されるマンチエスタ
ーM符号系列は、自己相関の絶対値の最大値を有してお
り、これがたとえ自己相関値や相互相関値がノイズ信号
や信号歪みなどに起因して変化しようとも、N個のマン
チェスターM符号系列の相互相関値の絶対値の最大値よ
りも常に大である。受信信号はN個の異なるマンチェス
ターM系列に対して相関をとられ、N個の相関出力を出
力する。mビットの受信データの符号は、N個の相関出
力の間のピーク値の比較に従つて形成される。
【0020】ここで、CSK通信システムの送信側で
は、各所定周期においてN個のマンチェスターM系列の
合成系列が送信信号として送信される。その選択は、m
ビツトの送信データの符号に依存する。それに対応する
CSK信号送信器は、一側面として、符号長が等しいN
個のマンチエスターM系列を生成する第1ないし第Nの
マンチェスターM系列発生器と、第1ないし第Nのマン
チェスターM系列発生器の合成系列(選択はmビットの
送信データに依存する)を送信信号として送信する合成
回路とを含む。実際に送信される合成マンチェスターM
系列は、N個のマンチェスターM系列の相互相関の絶対
値の最大値よりも常に大きな自己相関の絶対値の最大値
を有する。
【0021】また、受信側では、受信信号は信号送信側
で用いられるのと同じN個のマンチェスターM系列と比
較され、N個の相関出力をもたらす。mビットの受信デ
ータの符号は、相関出力間のピーク値における比較にし
たがって形成される。対応するCSK信号受信器は、受
信信号を信号送信側で用いたのと同じN個のマンチェス
ターM系列と比較して相関出力をもたらすN対の相関器
と、これらN対の相関器の相関出力間でのピーク値の比
較に従つてmビットの受信データの符号を形成する復調
回路とを含む。
【0022】なお、ここで用いる「M系列」なる語句
は、複数段と線形演算回路とを有するシフトレジスタを
もつて生成される様々な符号系列の周期内で最大のもの
を意味するよう意図して用いられるものである。n段の
シフトレジスタでは、生成されるM系列の長さが2n
1となる。
【0023】また、「マンチェスター符号」とは、ここ
ではしかるべき位相を有する矩形波の一周期が入力バイ
ナリ信号「1」用に備わつていて、かつ上記とは逆相の
矩形波の一周期が入力バイナリ信号「0」用に備わった
符号を指す。
【0024】さらに、「CSK(コード遷移変調)」と
は、符号長の等しいN個のバイナリPN(擬似雑音)符
号系列(M符号系列とマンチェスターM符号系列を含
む)を合成して得られる最大2N 個の合成系列が、それ
ぞれmビットの2値送信データに対応していて、かつ該
合成符号系列がmビットの2値送信データに従つて実際
に送信され、その場合に実際に送信される合成符号系列
がN個のPN符号系列の相互相関の絶対値の最大値より
も常に大きな自己相関の絶対値の最大値を有する信号変
調システムを指す。
【0025】以上のような原理にもとづく本発明のスペ
クトラム拡散通信用CSK通信装置及び通信方法は、次
のようになる。
【0026】スペクトラム拡散通信用CSK通信装置 本発明の第一のスペクトラム拡散通信用CSK通信装置
は、送信用のmビットの入力データビットに応答してN
個のPN符号系列のなかからあらかじめ定められたn個
のPN符号系列を合成した合成PN符号系列を生成する
手段と、前記生成された合成PN符号系列を伝送媒体上
へ送信する手段とを具備し、実際に送信される前記合成
PN符号系列が、他の合成PN符号系列の相互相関の絶
対値の最大値よりも常に大きな自己相関の絶対値の最大
値を有するスペクトラム拡散通信用CSK通信装置にお
いて前記生成手段は、前記N個のPN符号系列を各別に
生成するN個の発生手段と、この発生手段の出力として
生成された前記N個のPN符号系列を合成した合成系列
を、前記入力データビットのmビットの符号にもとづき
前記N個のPN符号系列の周期に同期して選択的に切り
替える合成手段とを具備する構成としてある。
【0027】また、上記装置において、前記伝送媒体か
ら送信された前記合成PN符号系列を分離する受信イン
タフェース手段と、この受信インタフェース手段からの
前記分離された各PN符号系列に応答してmビットの受
信データビットを形成する形成手段とを具備する構成と
してもよい。
【0028】また、上記装置において、前記生成手段
は、N系列の変調器とした構成としてもよい。
【0029】また、上記装置において、前記形成手段
は、N系列の復調回路であって、前記分離されたPN符
号系列を前記N個のPN符号系列と各別に相関をとり、
第1ないし第Nの相関出力信号を出力するN個の相関手
段と、前記第1ないし第Nの相関出力信号を復調し、対
応する前記受信データビットを形成する復調器とを具備
する構成としてもよい。
【0030】また、上記装置において、前記N系列の復
調回路は、キャリヤ信号が受信されたか否かを決定する
キャリヤ検出手段を具備する構成としてもよい。
【0031】また、上記装置において、前記形成手段
は、前記分離された各送信符号系列を前記N個のPN符
号系列と各別に相関をとり、第1ないし第Nの相関出力
信号を出力する相関手段と、前記第1ないし第Nの相関
出力信号を復調し、対応する前記受信データビットを形
成する復調器と、前記第1ないし第Nの相関出力信号に
応答して前記第1ないし第Nの相関手段をPN符号系列
の1周期に等しいデータ期間Tと同期させる同期制御手
段とを具備する構成としてもよい。
【0032】また、上記装置において、前記形成手段
は、前記第1ないし第Nの相関出力信号に応答してキャ
リヤ検出し、キャリヤ信号が受信されたか否かを決定す
るキャリヤ検出手段を含む構成としてもよい。
【0033】また、上記装置において、前記同期制御手
段は、前記第1ないし第Nの相関出力信号のピークを検
出するピーク位置検出手段と、前記検出されたピークが
前記データ期間Tのうちの所定区間内にあるか否かを決
定するピーク位置決定手段と、前記決定手段による否定
的な決定に応答し、前記第1ないし第Nの相関出力信号
と前記データ期間Tとの間の同期を確立する同期追跡手
段とを具備する構成としてもよい。
【0034】また、上記装置において、前記同期制御手
段は、所定回数のデータ期間にキャリヤが一切検出され
ない状態であるかを決定し、その状態が生じたときに同
期が確立されていないことを指示し、それにより伝送媒
体の伝送特性の変動に起因するキャリヤの一時的な非検
出と、通信の終了に起因するキャリヤの非検出とを区別
する同期非確立決定手段を具備する構成としてもよい。
【0035】また、上記装置において、前記同期制御手
段は、前記データ期間の周期を調整し、それにより前記
検出手段によって連続して検出されたピーク位置を前記
データ期間Tの前記所定位置の中心へとより接近させる
同期追跡手段を具備する構成としてもよい。
【0036】また、上記装置において、前記N個のPN
符号系列は、所定周期のN個のマンチェスターM系列で
ある構成としてもよい。
【0037】また、上記装置において、前記合成手段
は、前記送信用のmビットの入力データビットにより示
される少なくとも一部の値に対しては、前記N個のPN
符号系列のなかの少なくとも複数のPN系列が割り当て
られ、この少なくとも一部の値に対しては、割り当てら
れた複数のPN符号系列を加算して出力する構成として
もよい。
【0038】本発明の第二のスペクトラム拡散通信用C
SK通信装置は、符号長が等しいN個のPN符号系列
を、送信用データのmビットの符号に応じて予め定めら
れた方法で合成して合成PN符号を生成し、この合成P
N符号が伝送媒体上へ送信された場合、実際に送信され
るPN符号系列が前記N個のPN符号系列の相互相関の
絶対値の最大値よりも常に大きな自己相関の絶対値の最
大値を有するスペクトラム拡散通信用CSK受信装置で
あって、前記伝送媒体から送信された前記符号系列を分
離する受信インタフェース手段と、この受信インタフェ
ース手段からの前記分離された各PN符号系列に応答し
て受信データビットを形成する手段であって、前記受信
データビットが前記入力データのmビットの符号、すな
わちこれにしたがって前記伝送媒体上の前記送信符号が
前記発生手段により生成されたmビットの符号に対応す
る状態を有する形成手段とを具備した構成としてある。
【0039】また、上記装置において、前記N個のPN
符号系列を、所定周期のN個のマンチェスターM系列と
した構成としてもよい。
【0040】また、上記装置において、前記形成手段を
N系列の復調回路とし、前記分離された各送信符号系列
を前記N個のマンチェスターM系列と各別に相関をと
り、第1ないし第Nの相関出力信号を出力する相関手段
と、前記第1ないし第Nの相関出力信号を復調し、対応
する前記受信データビットを形成する復調器とを設けた
構成としてもよい。
【0041】また、上記装置において、前記N系列の復
調回路に、キャリヤ信号が受信されたか否かを決定する
キャリヤ検出手段を設けた構成としてもよい。
【0042】また、上記装置において、前記形成手段
に、前記分離された各送信符号系列を前記N個のマンチ
ェスターM系列と各別に相関をとり、第1ないし第Nの
相関出力信号を出力する相関手段と、前記第1ないし第
Nの相関出力信号を復調し、対応する前記受信データビ
ットを形成する復調器と、前記第1ないし第Nの相関出
力信号に応答して前記第1ないし第Nの相関手段をマン
チェスターM系列の1周期に等しいデータ期間Tと同期
させる同期制御手段とを設けた構成としてもよい。
【0043】また、上記装置において、前記形成手段
に、前記第1ないし第Nの相関出力信号に応答してキャ
リヤ検出し、キャリヤ信号が受信されたか否かを決定す
るキャリヤ検出手段を設けた構成としてもよい。
【0044】また、上記装置において、前記同期制御手
段に、前記第1ないし第Nの相関出力信号のピークを検
出するピーク位置検出手段と、前記検出されたピークが
前記データ期間Tのうちの所定期間内にあるか否かを決
定するピーク位置決定手段と、前記決定手段による否定
的な決定に応答し、前記第1ないし第Nの相関出力信号
と前記データ期間Tとの間の同期を確立する同期追跡手
段とを設けた構成としてもよい。
【0045】また、上記装置において、前記同期制御手
段に、所定回数のデータ期間にキャリヤが一切検出され
ない状態であるかを決定し、その状態が生じたときに同
期が確立されていないことを指示し、それにより伝送媒
体の伝送特性の変動に起因するキャリヤの一時的な非検
出と、通信の終了に起因するキャリヤの非検出とを区別
する同期非確立決定手段を設けた構成としてもよい。
【0046】また、上記装置において、前記同期制御手
段に、前記データ期間の周期を調整し、それにより前記
検出手段によって連続して検出されたピーク位置を前記
データ期間の前記所定位置の中心へとより接近させる同
期追跡手段を設けた構成としてもよい。
【0047】スペクトラム拡散通信用CSK通信方法 本発明の第一のスペクトラム拡散通信用CSK通信方法
は、送信用のmビットの入力データビットに応答してN
個のPN符号系列のなかからあらかじめ定められたn個
のPN系列を生成する生成ステップと、前記生成された
n個のPN系列を伝送媒体上へと送信する送信ステップ
とを具備するスペクトラム拡散通信用CSK通信方法に
おいて、前記送信ステップは、前記生成された符号系列
を前記伝送媒体に対応する形態へと変換し、該伝送媒体
上へと送信するステップとを具備する方法としてある。
【0048】また、上記方法において、前記送信符号系
列を前記伝送媒体から分離することによって受信するス
テップと、前記送信符号で生成されたmビットの符号に
対応するmビットの前記入力データビットの符号を有す
る受信データビットを形成するステップとを具備する
ととしてもよい。
【0049】また、上記方法において、前記生成ステッ
プは、前記N個のPN符号系列を各別に生成するステッ
プと、前記生成ステップの出力として生成されたN個の
PN符号系列を合成して得られる合成系列を、前記送信
用データビットのmビットの符号にしたがって選択的に
切り替えるステップであって、この切り替えが前記N個
のPN符号系列の周期に同期している切替ステップとを
具備することとしてもよい。
【0050】また、上記方法において、前記分離された
各送信符号系列を前記N個のPN符号系列と各別に相関
をとり、第1ないし第Nの相関信号を出力するステップ
と、前記第1ないし第Nの相関信号を復調し、対応する
前記受信データビットを形成するステップと、前記相関
ステップをPN符号系列の1周期に等しいデータ期間T
と同期させるステップとを具備することとしてもよい。
【0051】また、上記方法において、前記形成ステッ
プは、前記第1ないし第Nの相関出力信号からキャリヤ
信号が受信されたか否かを検出するステップを含むこと
としてもよい。
【0052】また、上記方法において、前記同期ステッ
プは、前記第1ないし第Nの相関出力信号のピークを検
出するステップと、前記検出されたピークが前記データ
期間Tのうちの所定期間内にあるか否かを決定するステ
ップと、この決定ステップにおける否定的な決定に応答
し、前記第1ないし第Nの相関出力信号と前記データ期
間Tとの間の同期を確立するステップとを具備すること
としてもよい。
【0053】また、上記方法において、前記同期ステッ
プは、所定回数Yのデータ期間にキャリヤが一切検出さ
れない状態であるかを決定し、その状態が生じたときに
同期が確立されていないことを指示し、それにより伝送
媒体の伝送特性の変動に起因するキャリヤの一時的な非
検出と、通信の終了に起因するキャリヤの非検出とを区
別するステップを具備することとしてもよい。
【0054】また、上記方法において、前記同期ステッ
プは、前記データ期間の周期を調整し、これにより前記
検出ステップによって連続して検出されたピーク位置を
前記データ期間の前記所定位置の中心へとより接近させ
るステップを具備することとしてもよい。
【0055】また、上記方法において、前記N個のPN
符号系列は、所定周期のN個のマンチェスターM系列で
あることとしてもよい。
【0056】また、上記方法において、前記生成ステッ
プは、前記送信用のmビットの入力データビットにより
示される少なくとも一部の値に対しては、前記N個のP
N符号系列のなかの少なくとも複数のPN系列が割り当
てられ、この少なくとも一部の値に対しては、割り当て
られた複数のPN符号系列を加算して出力することとし
てもよい。
【0057】本発明の第二のスペクトラム拡散通信用C
SK通信方法は、符号長が等しいN個のPN符号系列
を、送信用のmビツトの入力データビットの符号に応じ
てあらかじめ定められた方法で合成して合成PN符号系
列を生成し、前記N個のPN符号系列の相互相関の絶対
値の最大値よりも常に大きな自己相関の絶対値の最大値
を有する前記合成PN符号系列を送信するスペクトラム
拡散通信用CSK通信方法であつて、前記伝送媒体から
分離することにより前記送信された符号系列を受信する
ステップと、前記入力データビットのmビットの符号、
すなわちこれに従つて前記送信符号が生成されたmビッ
トの符号に対応する状態を有する受信データビットを形
成するステップとを含んだ方法としてある。
【0058】また、上記方法において、前記N個のPN
符号系列を、所定周期のN個のマンチェスターM系列と
してもよい。
【0059】また、上記方法において、前記分離された
各送信符号系列を前記N個のマンチェスターM系列と各
別に相関をとり、第1ないし第Nの相関出力信号を出力
するステップと、前記第1ないし第Nの相関出力信号を
復調し、対応する前記受信データビットを形成するステ
ップと、前記相関ステップをマンチェスターM系列の1
周期に等しいデータ期間Tに同期させるステップとを追
加してもよい。
【0060】また、上記方法において、前記形成ステッ
プに、前記第1ないし第Nの相関出力信号からキャリヤ
信号が受信されたか否かを検出するステップを含めるこ
ととしてもよい。
【0061】また、上記方法において、前記同期ステッ
プに、前記第1ないし第Nの相関出力信号のピークを検
出するステップと、前記検出されたピークが前記データ
期間Tのうちの所定期間内にあるか否かを決定するステ
ップと、前記決定ステップによる否定的な決定に応答
し、前記第1ないし第Nの相関出力信号と前記データ期
間Tとの間の同期を確立するステップとを含めることと
してもよい。
【0062】また、上記方法において、前記同期ステッ
プに、所定回数Yのデータ期間にキャリヤが一切検出さ
れない状態であるかを決定し、その状態が生じたときに
同期が確立されていないことを指示し、それによつて伝
送媒体の送信特性の変動に起因するキャリヤの一時的な
非検出と、通信の終了に起因するキャリヤの非検出とを
区別するステップを含めることとしてもよい。
【0063】また、上記方法において、前記同期ステッ
プに、前記データ期間の周期を調整し、これにより前記
検出ステップによって連続して検出されたピーク位置を
前記データ期間の前記所定位置の中心へとより接近させ
るステップを含めることとしてもよい。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、本発明のスペクトラム拡散
通信用CSK通信装置及び通信方法の実施形態について
図1〜図36を参照して説明する。
【0065】1.CSK変調システム 図1及び図2は、CSK変調を用いるSS通信システム
の異なる二つのシステム構成を示すものである。これら
の二つのシステムは、符号長が等しい複数(N個)のマ
ンチェスターM系列を用いる本発明の基本概念にもとづ
いて構成されたものである。実際に送信されるマンチェ
スターM系列は、N個のマンチェスターM系列の相互相
関の絶対値の最大値よりも常に大きな自己相関の絶対値
の最大値を有する。
【0066】まず、図1に示す通信システムについて説
明する。図1は、マンチェスターM系列を用いるCSK
システムによる第1の通信システムの全体構成を示すも
のである。
【0067】図1に示すように、システムの信号送信側
は、N系列の変調器11と送信インタフェース12とを
有する。送信データa(TXD)はN系列の変調器11
に入力され、N個のPN(擬似雑音)符号系列を合成し
て得られる合成系列がN系列の変調器11から出力信号
b(TXO)として出力される。
【0068】送信データaは、mビットの2値信号
(「1」と「0」)からなる。N系列の変調器11は、
ディジタルデータのmビットの値に応じてN個の合成系
列を出力する。N=2,m=1の場合、変調器11の構
成は最も単純化され、その場合は、変調器11は、送信
データaが「0」であるときに第1の系列PN1を出力
し、送信データaが「1」であるときに第2の系列PN
2を出力する。
【0069】さらに、この二系列の変調器11の出力
は、送信インタフェース12を介して伝送路へと供給さ
れる。既に触れたように、送信インタフェース12は、
キャリヤの変調、すなわち電力線送信における電力線と
の結合をもたらすものであり、一般的には伝送媒体に接
続するための機構や手段で構成される。
【0070】一方、受信インタフェース13は、キャリ
ヤの復調、すなわち電力線伝送における電力線からの信
号の分離をもたらす。受信インタフェース13は、N系
列の復調器(N=2,m=1の場合にあつては、二系列
復調器)に供給される受信信号c(RXI)を出力す
る。この場合、二系列復調器14は、送信データa(T
XD)のバイナリ値「0」又は「1」に対応する受信デ
ータe(RXD)を出力し、これと同時、あるいは、キ
ャリヤ信号を受信したときにキャリヤ検出信号fを出力
する。
【0071】次に、図2に示す通信システムについて説
明する。図2は、マンチェスターM系列を用いるCSK
システムによる第2の通信システムの全体構成を示すも
のである。
【0072】このシステムの信号送信側は、N個のマン
チェスターM系列発生器13−1〜13−Nを有してお
り、それらが所定周期のN個の異なるマンチェスターM
系列を生成する。N個のマンチェスターM系列は符号長
が等しく、実際に送信するマンチェスターM系列は、N
個のM系列の相互相関の絶対値の最大値よりも常に大き
な自己相関の絶対値の最大値を有する。マンチェスター
M系列発生器13−1〜13−Nの符号出力は、合成回
路133に送り込まれる。
【0073】合成回路133としては、例えば、図3に
示すように、N入力1出力型のセレクタを用いる。この
合成回路133は、直・並列変換器133Aを介して入
力されるmビットの2値送信データ(「1」,「0」)
にしたがって、マンチェスターM系列発生器13−1〜
13−NのN個の入力から特定の1出力を選択的に出力
するため、N個のマンチェスターM系列のうちの一つが
実質的に変化することなく択一的に出力される。
【0074】したがって、合成回路133が異なるM系
列どうしを合成することはないが、出力すべき特定のマ
ンチェスターM系列にそれ以外のマンチェスターM系列
を重み零で加算していると考えれば、「択一」操作を
「合成」操作に含めることに異論はないものと考えられ
る。
【0075】また、上記のごとく合成回路133をセレ
クタで構成した場合は、単一のマンチェスターM符号系
列を用いる場合に比べ、通信速度はマンチェスターM系
列発生器13−1〜13−Nの数に対応してN倍に高速
化される。これは、並・直列変換器133Aによる並・
直列変換動作が、入力送信データTXDについて1ビッ
ト単位ではなくNビット単位に行われることから考えて
も明らかである。
【0076】また、合成回路133は、図4に示すよう
に、mビットの入力送信データTXDに応答してN個の
マンチェスターM系列を選択加算するアダーによって構
成することもできる。例えば、N=8,m=3とする
と、図5に示すように、8通りの入力送信データTXD
「000」〜「111」について、0,N1,N2,N
3,N1+N2,N1+N3,N2+N3,N1+N2
+N3の8通りの合成符号系列が出力される。
【0077】合成回路133の動作は、生成回路13−
1〜13−Nにて生成されるマンチェスターM符号の周
期に同期して行われ、バイナリ値(「1」,「0」)の
各データは、一周期のマンチェスター符号系列により表
される。こうして合成された符号出力は、送信信号TX
Oとして送信され、送信インタフェース112Aを介し
て信号伝送路(又は信号伝送媒体)へと供給される。
【0078】アダーを用いた上記合成回路133の場
合、N個のマンチェスターM系列にもとづいて最大2N
値の合成系列を出力することができ、したがって、N個
の合成系列を出力する前述のセレクタを用いた合成回路
133が有するN倍の送信速度に対し、2N倍の送信速
度を達成することができる。
【0079】このように、N個の異なるマンチェスター
符号M系列に対してされる切り替え選択、すなわち、い
かなる合成系列を選択すべきかは、送信データTXDの
mビットの符号に応じて決定される。それ故、変調シス
テムは、「符号偏位キーイング(CSK)変調システ
ム」と呼ばれる。なお、このCSK変調システムの場
合、マンチェスターM系列以外のPN符号系列もまた用
い得ることができる。
【0080】図2に示すシステムの信号受信側は、受信
インタフェース112Bを含んでおり、この受信インタ
フェース112Bがキャリヤの復調や電力線からの信号
分離やA/D(アナログからディジタルヘの)変換を行
なう。受信インタフェース112Bは、信号伝送媒体を
介して受信した信号をディジタルの受信信号RXIに変
換する。
【0081】信号受信側はさらに、N個の相関器12−
1〜12−N,復調器123,キャリヤ検出回路124
及び同期制御回路125とを備えている。受信インタフ
ェース112Bが出力するディジタル受信信号RXI
は、第1〜第Nの相関器12−1,12−Nに供給され
る。マンチェスターM系列発生器13−1により生成さ
れたマンチェスター符号M系列は、第1の相関器12−
1にセットされていて、このようにセットされたマンチ
ェスター符号M系列は受信信号RXIと相関をとられ
る。
【0082】同様に、マンチェスター符号M系列発生器
13−iにより生成されたマンチェスター符号M系列
は、第iの相関器12−iにセットされていて、このよ
うにセットされたマンチェスターM系列は、受信信号R
XIと相関をとられる。各相関器12−1〜12−Nの
相関出力は、復調器123に供給され、mビットの2値
信号からなる復調信号が入力相関値に従って選択され、
復調信号は受信データRXDとして出力される。
【0083】すなわち、一定レベルを越えるピーク値を
もつ相関出力を示す相関器12−iから、これに対応す
る送信側のマンチェスターM系列発生器13−iが特定
され、その送信出力を選択させるもととなった入力送信
信号RXIが逆算される構成としてある。例えば、N=
2の場合、第1の相関器12−1の相関出力が第2の相
関器12−2の相関出力よりもピーク値が大きいとき
は、受信データ「0」が復調器123から出力され、第
2の相関器12−2の相関出力が第1の相関器12−1
の相関出力よりもピーク値が大きいときは、受信データ
「1」が復調器123から出力される。
【0084】相関出力はさらに、キャリヤ検出回路12
4と同期制御回路125とに供給される。キャリヤ検出
回路124は、受信した相関出力からキャリヤの有無を
検出し、検出信号を出力する。検出出力は、同期制御回
路125に供給される。キャリヤの有無は、受信データ
RXDが受信されたか否かを決定するのに用いられる。
キャリヤが検出されると、同期制御回路125は復調用
及びキャリヤ検出用の同期信号を形成し、この同期信号
が復調器123とキャリヤ検出回路124とに供給され
る。
【0085】上記のごとく、CSK通信システムでは、
信号受信側の2個の相関出力が比較に供され、受信デー
タの「0」又は「1」が該比較により検出された差異に
基づいて決定される。したがって、信号受信側のマンチ
ェスターM系列は必ずしも厳密に信号送信側のそれと同
期していなくともよく、このような場合でも、データは
エラーなしで復調される。また、相関器の出力が絶対値
の形で用いられるときは、たとえ信号伝送路が送信信号
に対する反転作用により送信ピーク値を負に変えようと
も、エラーは一切生じない。さらに、マンチェスターM
系列は、受信信号の低周波成分を減少させることがで
き、これによって信号伝送路に関連した結合損失を相当
に抑制する。
【0086】2.信号送信側 図6は、図2におけるCSK変調器の一実施形態を示す
ブロック図である。また、図7は、図6のCSK変調器
の要部における信号波形を示すタイミング図である。以
下、これら図面を参照しつつ、本発明の一実施形態に係
るCSK変調器について説明する。
【0087】図6において、CSK変調器111におけ
るN個のマンチェスターM系列発生器13−1〜13−
Nは、隣接するマンチェスターM系列発生器13−i,
13−i+1(ただし、iは奇数)どうしを対にして構
成してあり、各対のマンチェスターM系列発生器13−
i,13−i+1が3段(n=3)のシフトレジスタ1
90,191を含む。
【0088】一例として、第1の発生器131のシフト
レジスタ190は、シフト段FF11,FF12,FF13
有し、第2の発生器132のシフトレジスタ191は、
シフト段FF21,FF22,FF23を有する。
【0089】これらシフトレジスタ190,191は、
クロック信号発生器(OCS)134により生成された
クロック信号CKのタイミングにもとづいてデータをシ
フトする。また、シフトレジスタ190(FF11〜FF
13)とシフトレジスタ191(FF21〜FF23)は、帰
還回路が異なる。すなわち、シフトレジスタ190は、
第2段FF12,第3段FF13の出力を、排他的論理和
(EX−OR)回路13laを介して入力段FF11に帰
還し、一方、シフトレジスタ191は、入力段FF21
第3段FFの23出力を、排他的論理和(EX−OR)回
路132aを介して入力段FF21に帰還する。
【0090】シフトレジスタ190,191とこれらの
帰還回路は、M系列発生器(PN符号発生器、ただしP
Nは擬似雑音を表す)を形成している。クロック信号C
Kとシフトレジスタ190の最終段FF13の符号出力は
排他的論理和回路137に供給され、その一方で、クロ
ツク信号CKとシフトレジスタ191の最終段FF23
符号出力は排他的論理和回路138に供給され、これに
よりマンチェスターM系列が形成される。
【0091】CSK変調器111には、初期位相設定ユ
ニット135と否定論理積回路136からなる位相同期
回路が設けてあり、マンチェスターM系列発生器13−
iが所定位相(全て「1」)にあるときにマンチェスタ
ーM系列発生器13−i+1が所定位相(初期位相)に
あるよう条件を整える。
【0092】初期位相設定ユニット135は、シフトレ
ジスタ191のシフト段FF21〜FF23を介して初期符
号にセットされる。それは、(全て「0」を除く)あら
ゆる符号をセットすることができる。シフトレジスタ1
90の全てのシフト段FF11〜FF13が「1」(これ
は、マンチェスターM系列の周期Tに1回ずつ発生す
る)であるときに、否定論理積回路136の出力は「ロ
ウ」に設定され、次にクロック信号CKが立ち上がると
きに初期位相設定ユニット135によりセットされた符
号がシフトレジスタ191のシフト段FF21〜FF23
ロードされる。
【0093】マンチェスターM系列発生器13−i,1
3−i+1の出力、すなわち、排他的論理和回路13
7,138の出力は、合成回路133に供給される。合
成回路133は、送信データTXDの助けを借り、マン
チェスターM系列の各周期(データ間隔)Tで作動す
る。否定論理積回路136の出力は、送信要求信号とし
て(マイクロコンピュータのような)送信データ処理部
に供給される。送信要求信号が送信データ処理部に供給
されるたびに、送信データ処理部はmビットの送信デー
タTXDを出力し、それを合成回路133に供給する。
【0094】図8は、CSK変調器のその他の実施形態
を示すブロック図である。図8のCSK変調器111
は、図6のCSK変調器とは対照的に、排他的論理和回
路137,138を個々のマンチェスターM系列発生器
13−iA,13−i+1A内に含まない。その代わ
り、合成回路133の変調出力MDoutとクロック信
号CKとを受信する排他的論理和回路139が、合成回
路133の出力側に備わっており、マンチェスターM系
列を出力する。
【0095】マンチェスターM系列発生器の出力は、シ
フトレジスタの最終段の符号によつて表され、これが合
成回路133に供給される。合成回路133は、N個の
マンチェスターM系列発生器13−1A〜13−NAの
出力を、各時間周期ごとにmビットの送信データTXD
の符号に応じて切り替える。なお、1クロックラッチ回
路を、図6の合成回路133の出力側、あるいは、図8
の排他的論理和回路139の出力側に設け、送信信号T
XOの波形を整形するとよい。
【0096】図9は、CSK変調器のさらに他の実施形
態を示すブロック図であり、図10はこのCSK変調器
内の要部における信号波形を示すタイミング図である。
図9のCSK変調器111におけるマンチェスターM系
列発生器は、複数段を有するシフトレジスタと、このシ
フトレジスタに接続された帰還回路と、シフトレジスタ
の出力及びクロック信号を受ける排他的論理和回路とか
らなっており、排他的論理和回路の数が1に減ってい
る。
【0097】このCSK変調器111では、説明の便宜
上、N=2,m=1の場合を例示してあり、第1のマン
チェスターM系列発生器は、シフト段FF1 ,FF2
FF3 を有するシフトレジスタ192と、帰還回路であ
る排他的論理和回路13−1aと、マンチェスター符号
を形成する排他的論理和回路139とを具備する。
【0098】また、第2のマンチェスターM系列発生器
は、シフトレジスタ192(FF1,FF2 ,FF3
と、帰還回路である排他的論理和回路13−2aと、マ
ンチェスター符号を形成する排他的論理和回路139と
を具備する。
【0099】シフトレジスタ192(FF1 ,FF2
FF3 、このシフトレジスタは3段でn=3である)
は、両方のマンチェスターM系列発生器に共通であり、
マンチェスターM系列を形成する排他的論理和回路13
9もまた同様である。換言すれば、シフトレジスタ19
2(FF1 ,FF2 ,FF3 )と排他的論理和回路13
−1aは、第1のM系列発生器を形成しており、一方で
同じシフトレジスタ192(FF1 ,FF2 ,FF3
と排他的論理和回路13−2aが第2のM系列発生器を
形成している。
【0100】第1のM系列発生器と排他的論理和回路1
39は、第1のマンチェスターM系列発生器を形成し、
その一方で第2のM系列発生器と排他的論理和回路13
9が第2のマンチェスターM系列発生器を形成する。帰
還回路、すなわち、排他的論理和回路13−1aは、シ
フトレジスタ192の第2段FF2 と第3段FF3 の出
力を入力段FF1 に帰還接続するよう動作する。排他的
論理和回路13−2aは、シフトレジスタ192の入力
段FF1 と第2段FF1 の出力を入力段FF1 に帰還接
続するよう動作する。
【0101】二つのマンチェスターM系列発生器の帰還
回路は、互いに異なるものである。合成回路133は、
帰還回路に接続されていて、排他的論理和回路13−1
a,13−2aの出力D1 ,D2 はそれぞれ2入力1出
力型のセレクタからなる合成回路133に供給される。
合成回路133の出力は、シフトレジスタ192(FF
1 ,FF2 ,FF3 )の入力段FF1 に供給される。
【0102】合成回路133は、2値送信信号TXDの
「1」,「0」にしたがって、マンチェスター符号M系
列の各周期(データ間隔)内でDフリップフロップ回路
130のQ出力により動作する。クロック信号発生器1
34の出力クロック信号は、シフトレジスタ192に供
給され、そこでのシフト動作のタイミングを制御し、か
つDフリップフロップ回路130へと供給される。
【0103】シフトレジスタ192の全段FF1 ,FF
2 ,FF3 が「1」を有するとき(これは周期Tごとに
1回発生する)、否定論理積回路136の出力は「ロ
ウ」にセットされる。「ロウ」出力は、イネーブル信号
ENとしてDフリップフロップ回路130に供給され
る。それ故、イネーブル信号ENが「ロウ」レベルであ
るときは、Dフリップフロップ回路130は、クロック
信号の立ち下がりで送信データTXDを取り込み、それ
を制御信号として合成回路133に送り込む。
【0104】合成回路133の切り替え動作に応答して
マンチェスターM系列発生器(第1又は第2のM系列発
生器)の帰還回路が閉路し、帰還回路が閉路したM系列
発生器の出力MDout(すなわちシフトレジスタの最
終段の出力)が排他的論理和回路139に供給される。
クロック信号CKは、排他的論理和回路139に供給さ
れる。M系列発生器の出力MDoutは、こうしてマン
チェスター符号化され、送信信号TXOとして出力され
ることになる。必要であれば、否定論理積回路136の
出力も送信要求信号として(マイクロコンピュータのよ
うな)データ処理部へと送り込み、データ処理部が送信
データTXOの次の1ビットを生成するようにさせても
よい。また、1クロックラッチ回路を排他的論理和回路
39の出力側に設け、送信信号TXOを波形整形するよ
うにしてもよい。
【0105】3.信号受信側 図11は、図1に示す本実施形態のN系列の復調器を二
系列に特定したもののブロック図であり、また、図12
は、図1及び図11における点a,b,e,f,d1
2 の信号波形を示すタイミング図である。以下、これ
ら図面を参照しつつ、二系列復調器14について説明す
る。
【0106】図11において、被変調受信信号c(RX
I)は、信号cが第1の系列PN1によつて相関をとら
れる第1の相関器141と、信号cが第2の系列PN2
によつて相関をとられる第2の相関器142の双方に供
給される。
【0107】相関器141,142の各出力d1 ,d2
は、それぞれ個別に対応するコンパレータ143,14
4のしきい値VR と比較される。コンパレータ143,
144は、信号cがしきい値VR よりも大であればパル
ス「1」を出力する。コンパレータ143,144の出
力は、それぞれRSフリップフロップ回路145のR端
子とS瑞子に供給される。図11に示すように、コンパ
レータ143の出力はR端子に供給され、また、コンパ
レータ144の出力はS瑞子に供給される。
【0108】送信データ「0」が第1の系列PN1に対
応するため、RSフリップフロップ回路145の入力端
子は、受信信号cが第1の系列PN1である(回路14
5の出力は「0」である)ときにRSフリップフロップ
回路145がリセットされ、かつ受信信号cが第2の系
列PN2である(回路145の出力は「1」である)と
きにRSフリップフロップ回路145がセットされるよ
う構成されている。受信側における相関出力d1 ,d2
とRSフリップフロップ回路145からの復調データe
の波形を図12に示す。この図から明らかなように、相
関のピークは各時間周期の終端にある。
【0109】キャリヤ検出回路15は、論理和回路15
Aとタイマ回路15Bとを備えている。このキャリヤ検
出回路15は、キャリヤ信号が全く受信されないときに
信号fを出力する。また、コンパレータ143,144
の各出力は、論理和回路15Aを介してタイマ回路15
Bへと供給される。タイマ回路15Bは、論理和回路1
5Aの出力パルスによってセットされ、所定期間にわた
って「1」である信号fを出力し、続いて、その期間が
終わると「0」である信号fを出力する。
【0110】この所定期間は、PN符号の周期Tよりも
長く設定される(図12参照)。したがって、信号fは
その所定期間にわたって相関出力が一つでもあれば常に
「1」であり、その所定期間が経過した後で相関出力が
皆無であれば、信号fは「0」であり、キャリヤの状態
は一切検出されない。
【0111】上記の二系列の復調器14によれば、受信
データ「1」又は「0」が、単にRSフリップフロップ
回路の同期検出と起動とによって得られる。これが図1
に示したシステムと対照的な点であり、図1のシステム
では、受信データの「0」又は「1」が被変調受信信号
からの相関波形として形成される。それ故、信号受信側
でのPN符号の位相同期は、信号送信側のPN符号に厳
密に同期していることが必要である。また、相関器出力
の絶対値を用いるならば、データ復調においてエラーは
一切生じないであろう。
【0112】基本的には、上述した図11の二系列の復
調器14は、受信信号を二つの内部PN符号発生器が出
力するPNl,PN2と相関をとる相関部と、データを
相関部の出力にしたがって復調する復調部と、キャリヤ
検出回路とを備えている。図13は、上記二系列の復調
器の他の実施形態を示す回路図である。この実施形態で
は、表面弾性波(SAW)畳み込み器が用いられる。
【0113】図13に示す回路構成は、図11に示した
ものと実質的に同一である。すなわち、2進値が「0」
である送信データに対応する第1のPN符号が、第1の
SAW(表面弾性波)畳み込み器41によりPNlと相
関をとられ、一方で2進値が「1」である送信データに
対応する第2のPN符号が、第2のSAW(表面弾性
波)畳み込み器42によりPN2と相関をとられる。こ
こで、受信信号cはアナログ信号である。
【0114】図14は、送信データの4ビットに関連し
て図13に示した回路内での信号波形を示すものであ
る。キャリヤ検出回路15の出力fは、タイマ回路15
Bがセットされた後で時間t+T(Tは1ビットデータ
の時間であり、t>Tである)後に「0」に戻り、そこ
でデータ送信は完了する。
【0115】ここで、図11に示す相関部(器)の種々
の実施形態について、図15〜図21を参照しつつ説明
する。なお、以下に述べる種々の相関器の実施形態にお
いて、図15の相関器の入力データをアナログ信号とし
てあり、その他、図16〜図21の相関器の入力データ
をアナログ信号をディジタル信号形式に変換することで
得られるディジタル信号としてある。
【0116】図15は、図11に示す相関器の一実施形
態を示すブロック図である。この相関器の受信信号は、
ディジタル信号であり、二つの相関器50(1),50
(2)にそれぞれ供給される。図15では、相関器50
(1)のみを詳しく図示してあるが、これら相関器50
(1),50(2)は同じ構成となっている。受信信号
は、相関器50(1)により第1の系列PN1と相関を
とられ、かつ相関器50(2)により第2の系列PN2
と相関をとられる。
【0117】第1の系列PN1の状態パターンは、レジ
スタ51により固定され、これに格納される。それ故、
第1の系列PN1の段数は符号長Nに等しい。そうした
データパターンは、PN1−1,PN1−2,…PN1
−nで表される。受信信号は第1のシフトレジスタ52
に供給され、ここで受信信号の内容がシフト段において
1段ずつ変化させられる。
【0118】シフトレジスタ52の各段の出力は、n
(=N×m)個の排他的論理和回路を有する排他的論理
和回路群53のうちの個々の一の排他的論理和回路の一
の入力ヘと供給される。排他的論理和回路群53の全出
力は、相関出力d1 を出力する積算回路54によって積
算される。相関処理の精度を改善するため、シフトレジ
スタ52は、m個の各データを固定データパターンの各
ビットと相関をとるためのn(=N×m)個のステージ
を有する。さらに、シフトクロックは、m倍される。
【0119】なお、シフトレジスタ52に代えてn(=
N×m)個のタップを有する遅延線を設けるとともに、
排他的論理和群53に代えて乗算器群を設け、さらに、
積算回路54に代えてアナログ加算器を設けることによ
り、相関器をアナログ受信信号に対して適用できるよう
にすることができる。
【0120】図16は、図11に示す相関器のその他の
実施形態を示すブロック図であり、この実施形態に係る
相関器では、単一のシフトレジスタを共通に用いた構成
としてあり、るので、回路の簡略化を図ることができ
る。
【0121】メモリレジスタ611,621は、それぞ
れ第1の系列PN1及び第2の系列PN2の固定パター
ンを格納する。また、シフトレジスタ610は、受信信
号を入力するn(=N×m)個の段を有し、第1系列及
び第2系列との相関の両方に共通に用いられる。この単
一のシフトレジスタ610は、排他的論理和回路群61
2と第1の相関出力d1 出力用積算回路613とを含む
第1系列の回路群、及び、排他的論理和回路群622と
第2の相関出力d2 出力用積算回路623とを含む第2
系列の回路群の両方に接続してある。
【0122】なお、図16に示された相関器は信号受信
用であるが、シフトレジスタ610の代わりにタップを
有する遅延線を設けるとともに、排他的論理和回路群6
12,622の代わりに乗算器群を設け、さらに積算回
路613,623の代わりにアナログ加算器を設けるこ
とにより、アナログ受信信号に適用できるようにするこ
とができる。
【0123】図17は、図11に示す相関器のその他の
実施形態を示すブロック図である。このような構成によ
って、図15に示す相関器の回路数を減少させることが
できる。なお、この回路は、本出願人が既に出願した特
願昭63−160954号に詳しく開示されている。
【0124】すなわち、上記のごとく、図15の相関器
は、固定パターンのうちの1ビットが、n(=N×m)
個の排他的論理和回路を有する排他的論理和回路群53
内の各排他的論理和回路へと供給され、全排他的論理和
回路の出力は積算回路54によって積算される。そこで
は、受信信号がディジタル信号であれば、連続する二個
の隣接する排他的論理和回路の出力が対応する第1の加
算回路によって加算され、次に、連続する二個の隣接す
る第1の加算回路の出力が、対応する第2の加算回路に
より加算される。したがって、複数の加算回路内の加算
器の数は、全体として極端に大となる。
【0125】これに対して、図17の相関器では、一方
で相関部70が複数の相関回路71(1)〜71(7)
によつて構成される。また、図17の相関器におけるM
系列符号は、7ビットの符号長を有する。各相関回路7
1は、固定パターンのうちの1ビットを、例えば受信デ
ータのN×mのうちの(図15のSF1 〜SFm に対応
する)m個のデータビットと相関をとる。
【0126】このような構成からなる図17の相関器で
は、m個のデータに関する相関値は、m段のシフトレジ
スタの入力値と出力値との間の関係を考慮して、アップ
ダウンカウンタを用いることにより一時に加算される。
特に、まず、第1のレジスタ72が、7ビットの符号長
を有する第1の系列PN1を入力し、その各ビット値M
1〜M7をそこに格納する。次に、相関部70が受信信
号を入力し、そこに含まれるデータが相関回路71
(1)〜71(7)によってシフトされ、各ブロックが
それらの相関をとる。
【0127】図18に示すように、各相関回路71は8
段のシフトレジスタ71Aと、一対の排他的論理和回路
71B,71C及びアップダウンカウンタ71Dを含
む。アップダウンカウンタ71Dは、入力信号DiとP
N1のビット値Mとの相関を計数する。また、図19
は、カウンタ71Dの相関計数動作を示すテーブルであ
る。相関回路71(1)〜71(7)からの全ての相関
計数値は、図17に示した加算部73によつて加算さ
れ、これにより相関信号d1 が得られる。PN2に関し
て、相関信号d2 は同じ回路構成から得ることができ
る。
【0128】このような図17の相関器によれば、全体
での加算器の数を大いに低減することができ、これによ
って回路を簡単にすることができ、さらに、位相遅延が
効果的に減らされる点で好都合である。
【0129】なお、図17の相関器では、一対の相関部
70をPN1,PN2用に別々に配設してあるが、シフ
トレジスタ71AをPN1,PN2に共用することもで
きる。
【0130】図20は、図11の相関器の全体の構成を
示すブロック図であり、また、図21は、図20におけ
る相関回路の構成を示すブロック図である。
【0131】次に、図2に示す相関器の実施形態につい
て図面を参照しつつ説明する。図22は、図2に示す相
関器の一実施形態を示すブロック図である。図2では相
関器の数をN個としたが、本実施形態では、これをN=
2に限定した構成としてある。
【0132】図22において、二つの相関器12−1,
12−2は、各N段のレジスタ241a,241b(レ
ジスタ241aは相関器121内に、レジスタ241b
は相関器122内にある)を有する。変調器111内の
マンチェスター系列発生器13−1,13−2により生
成されたマンチェスター符号M系列は、それぞれあらか
じめレジスタ241a,241b内にセットされてい
る。
【0133】n段のシフトレジスタによって生成された
M系列の符号長は、2n −1である。変調器111で
は、M系列はマンチェスター符号化され、かくしてレジ
スタ241a,241bの段数Nは、N=2(2n
1)となる。他方、受信インタフェース112Bを介し
て入力されたディジタル受信信号RXIは、それぞれ相
関器12−1,12−2内に設けられたシフトレジスタ
242a,242b内に供給される。これらのシフトレ
ジスタ242a,242bもまたN段を有していて、変
調器11内のクロック信号の2倍の周波数を有するクロ
ック信号CKによつて駆動される。
【0134】相関器12−1では、レジスタ241aの
シフト段にセットされた符号とシフトレジスタ242a
の対応するシフト段に供給された受信信号は、それぞれ
排他的論理和回路243a内に供給され、そこで比較に
供される。全ての排他的論理和回路243aの出力は加
算器244aに供給され、そこで加算に供される。
【0135】加算器244aの出力信号は、レジスタ2
41aのシフト段における符号とシフトレジスタ242
aのシフト段における符号との一致の程度を表してお
り、それが相関器12−1の相関出力Raとなる。受信
信号RXIは、各クロック信号に応答してシフトレジス
タ242内でシフトされ、したがって、相関出力Raは
各クロック信号CKごとに変化する。
【0136】この相関器12−1と同様に、相関器12
−2においても、排他的論理和回路243bによって、
レジスタ241bのシフト段にセットされた符号がシフ
トレジスタ242bの個々のシフト段に供給された受信
信号符号に一致するか否かが決定される。
【0137】全ての排他的論理和回路243bの出力信
号は加算器244bに供給され、そこで積算される。加
算器244bは、レジスタ241bにセットされたマン
チェスターM系列と入力ディジタル受信信号RXIとの
間の一致の程度を表す相関出力Rbを出力する。
【0138】図23は、上述した相関器12−1の変形
例を示すブロック図である。この変形例に係る相関器1
2−1は、レジスタ241a,242aに代わるN×m
(ただし、mは1以上の整数)段のレジスタ241Aと
シフトレジスタ242Aを用いた構成としてある。
【0139】シフトレジスタ242Aは、クロック信号
CKm によつて駆動され、その周波数は上記のクロック
信号CKのm倍である。相関器121はN×m個の排他
的論理和回路243Aを含んでいて、これらがレジスタ
241Aのシフト段にセットされた符号とシフトレジス
タ242Aのシフト段にセットされた符号をそれぞれ受
信する。全ての排他的論理和回路243Aの出力は加算
器244Aに供給され、そこで積算される。この結果、
加算器244Aから相関出力Raが得られる。
【0140】なお、レジスタ241Aとシフトレジスタ
242Aの段数をm倍することで、相関動作の精度は向
上する。また、図22に示す他の相関器12−2も同様
に変形することができる。
【0141】図24は、図23に示す相関器12−1
(12−2)の他の実施形態を示すブロック図である。
この実施形態では、相関器12−1,12−2が、受信
信号RXIが供給される同じ一のシフトレジスタ242
を含んでいる。すなわち、シフトレジスタの数を減少さ
せることによって装置の簡単化を図ることができる。な
お、図23において、段数をm倍したシフトレジスタ
は、両方の相関器12−1,12−2内に共通に含ませ
ることができる。
【0142】図25は、図23に示す相関器12−1
(12−2)の他の実施形態を示すブロック図である。
図25には、N段のレジスタ241aとN×m段のシフ
トレジスタ242Aとが図示されている。本実施形態の
相関器では、レジスタ241aのシフト段がシフトレジ
スタ242Aのm段に対応する。それ故、レジスタ24
1aのシフト段にセットされた符号とシフトレジスタ2
42Aのシフト段にセットされた符号は、排他的論理和
回路243Aに供給され、両者間の一致の程度が決定さ
れる。
【0143】ここで、図26は上記レジスタ241aの
構成を示すブロック図であり、また、図27はM系列と
マンチェスターM系列との関係を示す説明図である。
【0144】図27に示すように、マンチェスターM系
列の符号は、原M系列の符号にしたがって形成される。
これをより詳しく説明すると、図26に示すように、M
系列の符号は段数がN/2のレジスタ241dにセット
され、そのまま出力され、それぞれ否定回路241cを
介して出力され、マンチェスターM系列符号を供給す
る。
【0145】次に、図2に示すCSK通信システムにお
ける復調器の実施形態について、図面を参照しつつ説明
する。図28は、図2に示す復調器の一実施形態を示す
ブロック図である。また、図29は、図28の復調器の
要部における信号波形を示すタイミング図である。
【0146】本実施形態における復調器は、図2に示す
復調器123とキャリヤ検出回路124をN=2に限定
した構成としてある。なお、説明の便宜上、図29にお
ける相関出力Ra,Rbはアナログ信号で示してある。
【0147】まず、一対の相関器12−1,12−2
(図2参照)の相関出力Ra,Rbにもとづくデータ復
調の原理を説明する。図29において、1データ期間T
(マンチェスターM系列の1周期に等しい)は、三つの
部分に分割することができる。これら三つの部分とは、
中央部、すなわち、窓部W(以下、可能な限り単に窓部
Wと呼ぶ)と、この窓部Wの両側の二部分(以下、可能
な限り端部Eと呼ぶ)である。二つの端部Eは長さが等
しい。端部Eは必ずしも符号長を互いに等しくする必要
はなく、また、窓部Wを必ずしもデータ期間Tの中央に
設ける必要もない。つまり、窓部Wと端部Eは次のごと
く表される。
【0148】窓部W;(T−d)/2と(T+d)/2
の間の期間 端部E;0と(T−d)/2の間の期間と、(T+d)
/2とTの間の期間 ただし、0<d<T
【0149】窓部Wは、「観測期間」と呼ばれる。デー
タが送信されると、相関出力Ra,Rbの一方は、デー
タ期間T中に相関ピークを有する。相関ピークは、同期
制御回路125によつて検出され、データ期間の終わり
を規定するデータ終端信号EDが形成され、相関ピーク
はデータ期間Tの中央にくる。同期制御回路125は、
データ期間終端信号EDに従つて窓部Wの始点のための
窓開始パルスWLと窓部Wの終点を規定する窓停止パル
スWHとを形成する。
【0150】ここで、変調データ(受信データRXD)
は、次のように生成される。PbW×AaE>PaW×AbE
らば、データは「1」であり、PbW×AaE<PaW×AbE
ならば、データは「0」である。ただし、 PaW;相関出力Raの窓部Wのピーク値(最大値) PbW;相関出力Rbの窓部Wのピーク値(最大値) AaE;相関出力Raの端部Eの積算値(加算値) AbE;相関出力Rbの端部Eの積算値(加算値)
【0151】理論的には、PbW>PaWならば、データは
「1」であり、PbW<PaWならば、データは「0」であ
る。しかしながら、ノイズが含まれる場合は、相関出力
のピーク値の比較が復調エラーを生ずることがある。一
般に、相関ピークを有する相関出力では、ピーク両側の
部分のレベルは、相関ピークをもたない相関出力の相関
レベルよりも小さい。例えば、相関出力Rbが相関ピー
クを有する場合、積算値AbEは、相関ピークをもたない
相関出力Raの積算値AaEよりも小さい。この事実か
ら、ピーク値と異なる相関出力との積、すなわちPbW×
aEとPaW×AbEが比較に供され、復調データを形成す
る。このことから、例えば、信号伝送路が信号伝送路特
性が低くノイズを生じているような場合でさえ、復調は
安定的に成就できる。
【0152】ここで、キャリヤ検出原理を説明する。キ
ャリヤ検出は、(PbW×AaE−PaW×AbE)の絶対値
が、所定のしきい値レベルThP を越えるときに決定さ
れる。キャリヤの存在は、相関出力の一つが相関ピーク
を有することを意味する。それ故、ピーク値と二つの異
なる相関出力との積との間の差分の絶対値は、比較的大
である。他方、キャリヤが全く無い場合は、上記の絶対
値は非常に零(0)に近いものとなる。かくして、デー
タ復調の場合と同様、キャリヤの有無をノイズ等に影響
されることなく検出することができる。
【0153】次に、図28に示す復調器の動作について
説明する。なお、図28に示す復調器はディジタル回路
であり、クロック信号CK又はCKm に同期して動作す
るものであるが、説明を簡略化するため、クロック信号
は図示していない。
【0154】回路中、相関出力Raはラッチ回路により
1クロックパルスごとにラッチされ、絶対値回路252
aに供給される。絶対値回路252aの出力は、加算回
路255aと最大値保持回路254aとに供給される。
他方、窓開始パルスWLと窓停止パルスWHが窓発生回
路253に供給され、この回路253からは窓部Wで
「ハイ」レベルに立ち上がる窓信号WSが出力される。
窓信号SWは、動作制御信号として加算回路255a内
のラッチ回路248と最大値保持回路254a内のラッ
チ回路246へと供給される。
【0155】加算回路255aでは、ラッチ回路248
は窓信号WSが端部Eに対応して「ロウ」レベルである
ときにのみ動作する。ラッチタイミングは、クロック信
号によって決定される。絶対値回路252aから入力さ
れた相関出力Raの絶対値は、加算器247に供給さ
れ、クロック信号のたびにラッチ回路248により与え
られるそれまでの加算結果に加算され、その加算結果が
ラッチ回路248によってラッチされる。かくして、加
算回路255aは積算値AaEを出力し、それが乗算器2
56aに供給される。
【0156】最大値保持回路254aでは、ラッチ回路
246は、窓信号WSが窓部Wに対応する「ハイ」レベ
ルであるときにのみ動作する。ラッチ回路246により
ラッチされたそれまでの最大値は、コンパレータ245
内のそのときの相関値Raの絶対値と比較される。その
ときの相関値の絶対値の方が大きいときは、そこでラッ
チ回路245が、その値を最新の最大値としてラッチす
る。かくして、最大値保持回路254aはピーク値PaW
を出力し、それが乗算器256bに供給される。
【0157】同様に、相関出力Raの場合も、相関出力
Rb用にラッチ回路251bと絶対値回路252bと最
大値保持回路254bと加算回路255bが備わってい
る。最大値保持回路254bはピーク値PbWを供給し、
それが乗算器256aに供給される。加算回路255b
は積算値AbEを供給し、それが乗算器256bに供給さ
れる。
【0158】乗算器256aは積PbW×AaEを出力し、
それがコンパレータ257と減算及び絶対値回路259
とに供給される。乗算器256bは積PaW×AbEを出力
し、それがコンパレータ257と減算及び絶対値回路2
59とに供給される。コンパレータ257内では、積P
bW×AaEと積PaW×AbEとが比較に供され、比較結果に
応じて信号「1」又は「0」が供給される。出力信号
は、ラッチ回路258によリデータ期間終端信号EDの
タイミングでラッチされ、受信データRXDとして出力
される。データ期間終端信号EDは、如算回路255
a,255bと最大値保持回路254a,254bとを
リセットする。
【0159】他方、減算及び絶対値回路259では、減
算(PbW×AbE−PaW×AbE)が実行され、減算結果の
絶対値が得られる。絶対値は比較回路260に供給さ
れ、そこでしきい値ThP と比較される。絶対値がしき
い値ThP よりも大きい場合は、比較回路260はキャ
リヤ検出信号PASを出力する。
【0160】次に、図2に示すCSK通信システムにお
ける同期制御回路の実施形態について、図面を参照しつ
つ説明する。図30は、図2に示す同期制御回路の一実
施形態を示すブロック図である。また、図31は、図3
0の同期制御回路におけるピーク位置検出動作を説明す
るためのタイミング図である。本実施形態の同期制御回
路は、図2に示す同期制御回路125を、N=2に限定
した構成としてある。
【0161】図30において、同期制御回路125は、
ピーク位置検出回路226A,ピーク位置決定回路22
6B,同期確立決定回路228及び同期非確立決定回路
229とを有する。ピーク位置決定回路226Aは、デ
ータ期間T中に相関出力のピーク位置を検出するもので
ある。図31に示すように、ピーク位置PPは、相関出
力内に最大値が現れた時点からデータ期間終端信号ED
が発生するまでに経過した時間期間として計測される。
本実施形態におけるピーク位置は、二つの相関出力R
a,Rbの積算値が絶対値で最大となる箇所である。
【0162】二つの相関出力Ra,Rbは加算器261
へと供給され、そこで加算に供される。加算器261の
出力は絶対値回路264に供給され、これにより相関出
力の積算値の絶対値が得られる。絶対値は比較回路26
2の入力端子の一方とラッチ回路263とに供給され
る。それまでのデータ期間の終端を示す信号EDが論理
和回路265Aを介してラッチタイミング信号としてラ
ッチ回路263に供給されると、絶対値回路264の出
力が初期値としてラッチされる。
【0163】ラッチ回路263によリラッチされた値
は、比較回路262の他方の入力端子へと供給される。
その後、絶対値回路264の出力はラッチ回路263に
ラッチされた値と(クロック信号CKのクロックパルス
ごとに)比較される。絶対値回路264がラッチ回路2
63にラッチされた値よりも大きな出力を供給すると、
比較回路262の出力は論理和回路265Aを介してラ
ッチ回路263に供給され、絶対値回路264の出力が
ラッチ回路263により最新の値としてラッチされる。
かくして、ラッチ回路263は常時最大値をラッチす
る。
【0164】他方、クロック信号CKを計数するカウン
タ266は、論理和回路265Bを介して供給されたデ
ータ期間終端信号ED、あるいは、論理和回路265B
を介して供給される比較回路262の比較出力によって
リセット(クリア)されるが、これによりカウンタは零
(0)で始まる計数動作を開始する。
【0165】カウンタ266の出力は、次のデータ期間
終端信号EDに応答してラッチ回路267によってラッ
チされる。かくして、カウンタ266は、データ期間T
内にピーク値が発生した時点からデータ期間の終了を示
すデータ期間終端信号EDが供給されるまでの期間にわ
たりクロック信号CKを計数する。カウンタの計数値は
ラッチ回路267によってラッチされ、かくしてピーク
位置PPが表される。
【0166】こうして検出されたピーク位置を示すデー
タPPは、ピーク位置決定回路226Bに供給される。
ピーク位置決定回路226Bは、ピーク位置が窓部Wで
検出されたか否かを決定するものである。上記の説明か
ら明らかなように、相関ピークは受信データ復調とキャ
リヤ検出もともに窓部Wに存在するはずである。相関ピ
ークが窓部W内に存在しない場合、その場合は受信デー
タ復調とキャリヤ検出を正確に行うことは不可能であ
る。
【0167】ピーク位置決定回路226Bでは、コンパ
レータ268,269と論理積回路270がウィンドウ
型のデイジタル比較回路を形成している。窓部Wの始点
を表すデータはコンパレータ268にセットされてお
り、窓部Wの終点(すなわち終端)を表すデータが他の
コンパレータ269内にセットされている。ピーク位置
PPを表すデータが始点と終点との間にあるときにだ
け、論理積回路270がピーク位置決定信号PHを出力
する。これに対応する波形タイミング図を図31に示し
てある。
【0168】次に、同期確立決定回路228を含む同期
確立回路の構成及び動作ついて、図30を参照つつ説明
する。また、図32は、同期確立回路の同期確立決定動
作を説明する波形図である。
【0169】図30において、同期確立回路は二つのレ
ジスタ272,273を含む。ピーク位置PPを表すデ
ータは、((3/2)T−PP)を表すデータがセット
されたレジスタ272に供給される。ただし、Tはデー
タ期間の長さ(時間)を表すデータである。他方、デー
タTはレジスタ273内にセットされている。レジスタ
272,273はセレクタ274に接続されている。セ
レクタ274は、ピーク位置決定信号PHにしたがって
これらのレジスタ272,273にセットされたデータ
の一つを選択し、それをディジタルコンパレータ275
の一方の入力端子に供給する。
【0170】他方、カウンタ271はクロック信号CK
を計数し、計数出力はディジタルコンパレータ275の
他方の入力端子に供給される。ディジタルコンパレータ
275は、カウンタ271の計数値がセレクタ274を
介して受信したセットデータに等しいときに、データ期
間終端信号(一致信号)EDを生成する。カウンタ27
1は信号EDによりリセットされ、かくしてその計数動
作を零(0)から開始させる。
【0171】例えば、電源スイッチがオンしたときに、
相関出力はデータ期間に同期しておらず、それ故しばら
くの間は窓部Wには相関ピークは全く存在しない。この
場合、ピーク位置決定信号PHは「ロウ」レベルにセッ
トされ、セレクタ274がレジスタ272のセットデー
タ((3/2)T−PP)を選択し、これをコンパレー
タ275に供給する。セットデータ((3/2)T−P
P)は、次のデータ期間終端信号EDを生成し、次のピ
ークと次のデータ期間終端信号との長さ(時間)がTに
なるようにするものである。
【0172】その後にピークが窓部W内で発見される
と、そこでピーク位置決定信号PHが「ハイ」レベルに
立ち上がり、セレクタ274がレジスタ273のセット
データTを選択する。この結果、その後にデータ期間終
端信号EDが期間Tをもって発生する。データ期間の窓
部W内に与えられるピーク値が、連続的に所定回数(X
回)発生したときに、同期が確立したことになる。
【0173】同期確立決定回路228では、カウンタ2
82が論理積ゲート281を介して供給される「ハイ」
レベルのピーク位置決定信号によつてクロックイネーブ
ル状態に置かれると、かくしてデータ期間終端信号ED
が計数される。
【0174】信号PHが「ロウ」レベルであれば、カウ
ンタ282の計数出力は、否定回路284と論理和回路
285とを介して供給される信号PHによりリセットさ
れる。カウンタ282の計数出力は、ディジタルコンパ
レータ283に供給されるが、そこには同期確立を決定
するのに用いる所定回数(X回)がセットされている。
それ故、カウンタ282の計数値が値Xに達すると、デ
イジタルコンパレータ283は一致信号を出力しフリッ
プフロップ回路219をセットし、回路219が同期確
立(検出)信号DSR(「ロウ」レベル)を出力する。
【0175】コンパレータ283により出力された一致
信号は、論理和回路285を介してカウンタ282に供
給され、カウンタ282をリセットする。同期確立信号
DSRは論理積回路281に供給され、そのゲートを閉
じる。かくして、ピーク位置決定信号PHの供給は途絶
える。
【0176】カウンタ282が信号EDを計数している
最中に一度でもピーク位置決定信号PHが「ロウ」レベ
ルにセットされた場合は、カウンタはリセットされる。
それ故、信号PHが「ハイ」レベルのまま信号PHのX
値が連続的に入力されるときにだけ、同期確立が決定さ
れる。同期確立が決定される前に信号PHが「ロウ」レ
ベルにセットされると、そこでセレクタ274はレジス
タ272を選択し、データ期間終端信号EDの生成タイ
ミングが調整される。
【0177】同期非確立決定回路229が、キャリヤ検
出信号PASがデータ期間に所定数(Y)供給されない
ときの状態を決定するよう設けられている。この状態
は、同期が非確立であることを示すものである。
【0178】ここで、同期非確立決定回路229につい
て、図30及び図33を参照しつつ説明する。図33は
同期非確立決定回路における非同期確立決定の動作を説
明するためのタイミング図である。
【0179】図30において、同期が確立されると、否
定論理積ゲート291が「ロウ」レベルの同期確立信号
DSRにしたがってゲートを開く。キャリヤが検出され
ると、キャリヤ検出信号PASは「ハイ」レベルとされ
る。また、キャリヤが検出されないときのキャリヤ検出
信号PASは「ロウ」レベルである。
【0180】キャリヤ検出信号PASは否定論理積ゲー
ト291を介してカウンタ292に供給される。すなわ
ち、「ハイ」レベルのイネーブル信号がカウンタ292
のクロックイネーブル信号端子CEに供給される。「ハ
イ」レベルのキャリヤ検出信号PASは、否定論理積ゲ
ート291と否定回路294と論理和回路295とを介
してカウンタ292に供給され、カウンタ292をリセ
ットする。
【0181】イネーブル状態にセットされると、カウン
タ292はデータ期間終端信号EDを計数する。カウン
タ292の計数値はディジタルコンパレータ293に供
給され、そこには所定数Yがあらかじめセットされてい
る。それ故、カウンタ292の計数値が値Yに達する
と、コンパレータ293が一致信号を出力し、フリップ
フロップ回路219をリセットし、これにより同期確立
信号DSRは「ハイ」レベルに立ち上がる。「ハイ」レ
ベルの信号DSRは否定論理積ゲート291を閉じる。
コンパレータ293の出力信号は、論理和回路295を
介してカウンタ292に供給され、カウンタ292をリ
セットする。
【0182】カウンタ292が動作している最中にキャ
リヤ検出信号PASが「ハイ」レベルに立ち上がると、
カウンタ292はリセットされる。つまり、キャリヤが
データ期間のY値をもって検出されないときにだけ、同
期は非確立であると決定される。かくして、例えば信号
伝送路の伝送特性の変動に起因するキャリヤの一時的な
非検出と、(意図的に同期が確立されない)通信の終了
に起因するキャリヤの非検出は、互いに明瞭に区別する
ことができる。
【0183】4.CSKモデム 次に、本発明のCSK信号送信装置とCSK信号受信装
置とを組み込んだCSKモデムの一実施形態について、
図面を参照しつつ説明する。図34は、本発明のCSK
信号送信装置とCSK信号受信装置とを組み込んだCS
Kモデムの一実施形態を示すブロック図である。
【0184】図34において、本実施形態のCSKモデ
ムには、図2に示す変調器111と、送信インタフェー
ス113Aと、受信インタフェース113B(図示せ
ず)とを含む信号送信装置、及び、相関器121,12
2と、復調器123と、キャリヤ検出回路124と、同
期制御回路125とを含む信号受信装置が組み込まれて
いる。ただし、N=2としてある。
【0185】信号送信装置は、マンチェスターM系列符
号を用いることにより送信データTXDをCSK変調す
るよう設けられた変調器111を含んでいる。この変調
器111により供給される被変調送信信号TXOは、商
用交流屋内配線インタフェース112ヘと供給される。
本実施形態では、電力線通信が行われ、そこでは商用交
流電力線(例えば100V)が信号送信線として用いら
れている。
【0186】送信信号TXOは、インタフェース112
によつて電力線通信に適した信号へと変換され、商用交
流電流上に重畳された信号が電力線へと供給される。イ
ンタフェース112では、他のモデムから電力線を介し
て送信された信号が受信され、商用交流電流から分離さ
れ、必要な信号変換(ディジタル変換を含む)に供され
る。かくして処理された信号が、受信信号RXIとして
モデム内の信号受信装置へと供給される。
【0187】信号受信装置は、相関器12−1,12−
2と、復調器123と、キャリヤ検出回路124と、ピ
ーク位置検出回路226Aと、ピーク位置決定回路22
6Bと、同期追跡回路227と、同期確立決定回路22
8と同期非確立決定回路229と、同期確立信号DSR
出力用のフリップフロップ回路219とを含む。
【0188】これら回路226A,226B,228,
229,219は、図2の同期制御回路125に対応し
ており、かくして図30に示したものと実質的に同一で
ある。図30における同期制御回路125は、説明を簡
略化するため同期追跡回路を一切含ませないようにして
ある。
【0189】ここで、同期追跡回路を含む同期制御回路
の一実施形態を図36に示す。同図において、同期追跡
回路227は、上記の同期確立のための同期確立機能を
有しており、これによリデータ期間の窓部Wとの相関ピ
ークが発生し、かつデータ期間終端信号EDの発生タイ
ミングを多少調整する機能により、ピーク位置が窓部W
の中心に位置するようになる。また、図36におけるピ
ーク位置検出回路226Aとピーク位置検出回路226
Bは、図30に示したものとは構成が多少異なる。これ
をより詳しく説明する。
【0190】図30に示したピーク位置検出回路226
aでは、2個の相関出力Ra,Rbは加算に供され、そ
の絶対値のピーク位置が検出される。他方、図36の回
路では、相関出力Ra,Rbのピーク位置は別個に検出
され、そのピーク値もまた別個に検出される。そして、
ピーク値のより大きなピーク位置が、最終ピーク位置と
して決定される。
【0191】相関出力Ra,Rbは、最大値保持回路
(ピーク値検出回路)400a,400bにそれぞれ供
給される。各最大値保持回路400a,400bは、絶
対値回路264とラッチ回路263とコンパレータ26
1及び論理和回路265Aとからなり、これらは図30
に示したものと同様であるが、各データ期間の最大値は
ラッチ回路263によって保持される。相関出力Ra,
Rbのデータ期間の最大値(ピーク値)は比較回路40
2へと供給され、そこで比較に供される。
【0192】ピーク位置保持回路401a,401b
が、それぞれ相関出力Ra,Rb用に設けられている。
各ピーク位置保持回路401a,401bは、論理和回
路265Bとカウンタ266とラッチ回路267とから
なり、それらは図30に示したものと同様である。ピー
ク位置保持回路401a,401bの保持ピーク値は、
切り替えスイッチ403へと供給される。
【0193】切り替えスイッチ403は、比較回路40
2によって相互に比較されるピーク値のより大きな方を
選択するものである。切り替えスイッチ403により選
択されたピーク値は、データ期問終端信号EDの供給に
応答してラッチ回路404によりラッチされる。
【0194】図36に示すピーク位置決定回路226B
は、コンパレータ406とコンパレータ406の出力に
より制御される論理積ゲート407,408を、図30
に示すピーク位置決定回路の回路要素に追加することに
より得られる。窓部W(W)の中心位置を表すデータ
は、コンパレータ406(図35参照)にセットされて
いる。検出されたピーク位置PPはコンパレータ406
に供給され、これにより検出されたピーク位置PPが窓
部Wの中心の左側(これは始点により近い領域であり、
これ以降可能な限り「左側領域」と呼ぶ)に位置するか
或いは右側(これは終点により近い領域であり、これ以
降可能な限り「右側領域」と呼ぶ)に位置するかが決定
される。
【0195】ピーク位置が左側領域にあるときは、論理
積ゲート407はゲートを開き、コンパレータ368の
出力は、それ故に左側決定信号Lfとして供給される。
また、ピーク位置が右側領域にあるときは、コンパレー
タ369の出力が右側決定信号Rhとして論理積ゲート
408を介して供給される。
【0196】これら信号Rh,Lfは論理和回路409
に供給される。論理和回路409はピーク位置決定信号
PHに対応した信号Ctを出力し、これが同期確立決定
回路へと供給される。ピーク位置PPが窓部Wにあると
きは、信号Ctは「ハイ」レベルである。ピーク位置P
Pがデータ期間の端部E(OT領域)のどちらかにある
ときは、信号Ctは「ロウ」レベルである。これらの信
号Lt,Ct,Rhは、同期追跡回路227に供給され
る。
【0197】同期追跡回路227では、図30を参照し
て記述してきた回路要素は、それ故に同じ参照符号又は
記号によつて表される。同期追跡回路227は、データ
Tとデータ(3/2)T―PPとがセットされているレ
ジスタ273,272に加え、データT−1,T+1が
セットされているレジスタ276,277を有する。デ
ータT−1,T+1では、値「1」は、値「T」よりも
十分に小さい。
【0198】例えば、受信信号RXIを受信するシフト
レジスタが248である場合(例えば、31ビットのマ
ンチェスターM系列が用いられ、その各ビットが8セル
に割り当てられていてm=8である)は、Tは248に
セットされる。レジスタ276,277のデータT−
1,T+1は、データ期間を若干調整し、それによつて
相関出力Ra,Rbのピーク位置を若千シフト(同期追
跡)するのに用いられ、これによリピーク位置は窓部W
の中心へと接近する。これらのレジスタ273,27
6,272にセットされたデータは、セレクタ274A
へと供給される。
【0199】セレクタ274Aは、信号S1(「ハイ」
レベル)が入力されたときにレジスタ276のデータT
−1を選択し、信号S2(「ハイ」レベル)が入力され
たときにレジスタ272のデータ(3/2)T−PPを
出力し、信号S3(「ハイ」レベル)が入力されたとき
にレジスタ277のデータT+1を出力し、信号S1,
S2,S3が「ロウ」レベルである他の場合に、レジス
タ273のデータTを出力する。かくして選択されたデ
ータは、コンパレータ275に供給される。
【0200】同期が未だ確立されていないときは、同期
確立信号DSRが「ハイ」レベルであり、論理積ゲート
417は開く。この場合、検出されたピーク位置がOT
領域(端部E)にあれば、そのとき信号Ctは「ロウ」
レベルであり、論理積ゲート417の出力は「ハイ」レ
ベルに立ち上がる。「ハイ」レベルの出力信号は、信号
S2がセレクタ274Aに供給されるときに、論理和回
路416へと供給される。それ故、レジスタ272のデ
ータ(3/2)T−PPは、コンパレータ275に供給
され、上記の同期確立処理が行われる。
【0201】論理積回路421,411,431は、そ
れぞれ上記の信号Lf,Ct,Rhを受信するが、同期
確立信号DSRとキャリヤ検出信号PASとにより制御
される。すなわち、同期が確立(信号DSRが「ロウ」
レベル)しかつキャリヤが検出(信号PASが「ハイ」
レベル)されたときに、否定論理積ゲート421,41
1,431が開き、信号Lf,Ct,Rhを送信する。
【0202】ここで、信号LFを受信する回路について
説明する。ピーク位置が左側領域にあるときに出力され
る信号Lf(「ハイ」レベル)は、論理積ゲート421
を介してカウンタ422のクロックイネーブル端子DE
へと供給される。イネーブル信号に応答してカウンタ4
22はデータ期間終端信号EDを計数する。カウンタ4
22の計数値はコンパレータ423に供給され、そこに
は所定値Z(1よりも大である)があらかじめセットし
てある。
【0203】カウンタ422の計数値がセット値Zに達
すると、コンパレータ423は出力(「ハイ」レベル)
を供給し、それが信号S1としてセレクタ274Aに供
給される。この結果、セレクタ274AはデータT−1
を選択し、それ故に次のデータ期間の周期がTよりも短
い値(T−1)にセットされる。相関出力のピーク位置
が左側領域でZ回連続して発生する場合は、次のデータ
期間の周期は若干低減させられ、ピーク位置は窓部Wの
中心へと接近するようになる。
【0204】カウンタ422とコンパレータ423と否
定回路424と論理和回路425は、偏差決定回路を形
成している。偏差決定回路にあつては、ピーク位置が左
側領域でZ回連続して発生したか否かが検出される。そ
れ故、ピーク位置の一時的な偏差に代えて、ピーク位置
の安定した偏差傾向を検出することができ、データ期間
終端信号EDが形成されてピーク位置の偏差を補正す
る。かくして、同期追跡動作は安定的に遂行される。
【0205】カウンタ422は、論理積ゲート421の
「ロウ」レベル出力(否定回路424によつて「ハイ」
レベルに立ち上げられる)すなわち論理和回路425に
供給されるコンパレータ423の「ハイ」レベル出力に
よってリセットされる。
【0206】他の偏差決定回路は、カウンタ432とコ
ンパレータ433と否定回路434と論理和回路435
とから形成されている。このように形成された偏差決定
回路は、ピーク位置が左側領域でZ回連続して発生した
か否かを検出する。ピーク位置が左側領域でZ回連続し
て発生すると、コンパレータ433は信号S3を出力す
る。その結果、次のデータ期間の周期は、Tよりも若千
大きな値(T+1)にセットされ、ピーク位置が窓部W
の中心へ接近するようになる。
【0207】カウンタ412とコンパレータ413と否
定回路414と論理和回路415が一緒になって非同期
検出回路を形成している。ピーク位置が端部E(OT)
領域にあるときは、信号Ctは「ロウ」レベルである。
「ロウ」レベルの信号Ctは否定論理積411へと供給
され、これにより「ハイ」レベルの信号がカウンタ41
2のクロックイネーブル瑞子ECへと供給され、カウン
タ412はデータ期間終端信号EDを計数し始める。
【0208】カウンタ412の計数値が値Zに達する
と、コンパレータ413は「ハイ」レベルの信号を出力
し、それが論理和回路413を介して信号S2としてセ
レクタ274に供給される。かくして、非同期検出回路
はピーク位置が窓部WでZ回連続して発生していないこ
とを検出する。そして、レジスタ272のデータ((3
/2)T−PP)がコンパレータ275へと供給される
と、同期確立処理が再び行われる。
【0209】上記以外の場合(コンパレータ413,4
23,433の出力が「ロウ」レベルである)は、レジ
スタ273のデータTが選択され、データ期間の周期は
Tにセットされる。同期は、上記の方法で確立され、か
つ補正される。それ故、たとえ信号伝送特性が変動した
リクロック信号がシフトしても、ピーク位置は窓部Wの
中心に維持することができる。
【0210】なお、上述した実施形態では、同じ回数Z
がコンパレータ412,423,433にセットされる
が、これらコンパレータ412,423,433に異な
る回数をセットしてもよい。
【0211】
【発明の効果】以上のように、本発明のスペクトラム拡
散通信用CSK通信装置及び通信方法によれば、信号受
信側におけるマンチェスターM系列は、信号送信側のマ
ンチェスターM系列に厳密に一致している必要はない。
したがって、マンチェスターM系列の食い違いが、デー
タ復調にエラーを引き起こすことはない。また、相関器
の出力は絶対値として供給される。かくして、送信ピー
ク値を負とする信号伝送路の信号伝送特性における劣化
があっても、エラーが一切生じない。さらに、マンチェ
スター符号M系列を用いることにより、受信信号の低周
波成分が低減し、かくして信号伝送路との結合損失を低
減させることができる。したがって、ノイズレベルの高
い電力線を信号伝送路として有効に用いることができ
る。つまり、電力線のノイズが広範囲の低周波成分を含
んでいても、本発明の通信システムでは、そうしたノイ
ズに殆ど影響されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のCSK通信システムの第1の実施形態
を示すブロック図である。
【図2】本発明のCSK通信システムの第2の実施形態
を示すブロック図である。
【図3】図2における合成回路の一実施形態を示す回路
構成図である。
【図4】図2における合成回路の他の実施形態を示す回
路構成図である。
【図5】図4における合成回路の合成動作を説明するた
めの説明図である。
【図6】図2におけるCSK変調器の一実施形態を示す
ブロック図である。
【図7】図6におけるCSK変調器の要部の信号波形を
示すタイミング図である。
【図8】図6におけるCSK変調器の変形例を示すブロ
ック図である。
【図9】図7におけるCSK変調器の変形例を示すブロ
ック図である。
【図10】図9におけるCSK変調器の要部の信号波形
を示すタイミング図である。
【図11】図1における信号送信側のN系列変調器を二
系列に特定した変調器のブロック図である。
【図12】送信データと信号送信側の二系列と信号送信
側の二系列の復調器の復調信号波形との関係を示すタイ
ミング図である。
【図13】SAW(表面弾性波)畳み込み器を用いた図
1における復調器を示すブロック図である。
【図14】短い送信データの場合の復調波形を示すタイ
ミング図である。
【図15】図11における相関器の一実施形態を示すブ
ロック図である。
【図16】図11における相関器の他の実施形態を示す
ブロック図である。
【図17】図11における相関器の他の実施形態を示す
ブロック図である。
【図18】図11における相関器の他の実施形態を示す
ブロック図である。
【図19】図18におけるアップダウンカウンタの動作
を説明するテーブルである。
【図20】図11における相関器の全体の構成を示すブ
ロック図である。
【図21】図11における相関器の他の実施形態を示す
ブロック図である。
【図22】図2における相関器の一実施形態を示すブロ
ック図である。
【図23】図22における相関器の変形例を示すブロッ
ク図である。
【図24】図23における相関器の変形例を示すブロッ
ク図である。
【図25】図23における相関器の他の変形例を示すブ
ロック図である。
【図26】図25におけるレジスタの一実施形態を示す
ブロック図である。
【図27】マンチェスター系列とマンチェスターM系列
の関係を示す説明図である。
【図28】図2における復調器の一実施形態を示すブロ
ック図である。
【図29】図28における復調器の要部の信号波形を示
すタイミング図である。
【図30】図2における同期制御回路の一実施形態を示
すブロック図である。
【図31】ピーク位置検出動作を説明するためのタイミ
ング図である。
【図32】同期確立決定動作を説明するためのタイミン
グ図である。
【図33】非同期確立決定動作を説明するためのタイミ
ング図である。
【図34】本発明のCSKモデムの一実施形態を示すブ
ロック図である。
【図35】相関信号とデータ期間とデータ期間内に設定
された観測期間を示すタイミング図である。
【図36】同期追跡回路を含む同期制御回路の一実施形
態を示すブロック図である。
【図37】従来のSS通信システムを示すブロック図で
ある。
【図38】図37における従来のSS通信システスムの
各点の信号波形を示すタイミング図である。
【図39】従来のSS通信システスムに付随する欠点を
説明する信号波形図である。
【符号の説明】
11 変調器 12 送信インタフェース 13 受信インタフェース 14 復調器 15 キャリヤ検出回路 111 CSK変調器 12−1〜12−N 相関器 123 復調器 124 キャリヤ検出回路 125 同期制御回路 13−1〜13−N マンチェスターM系列発生器 133 合成回路 141,142 相関器 143,144 コンパレータ 510 CSKモデム

Claims (22)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 送信用のmビットの入力データビットに
    応答してN個のPN符号系列のなかからあらかじめ定め
    られたn個のPN符号系列を合成した合成PN符号系列
    を生成する手段と、 前記生成された合成PN符号系列を伝送媒体上へ送信す
    る手段とを具備し、 実際に送信される前記合成PN符号系列が、他の合成P
    N符号系列の相互相関の絶対値の最大値よりも常に大き
    な自己相関の絶対値の最大値を有するスペクトラム拡散
    通信用CSK通信装置において前記生成手段は、 前記N個のPN符号系列を各別に生成するN個の発生手
    段と、 この発生手段の出力として生成された前記N個のPN符
    号系列を合成した合成系列を、前記入力データビットの
    mビットの符号にもとづき前記N個のPN符号系列の周
    期に同期して選択的に切り替える合成手段とを具備する
    ことを特徴とするスペクトラム拡散通信用CSK通信装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の装置において、 前記伝送媒体から送信された前記合成PN符号系列を分
    離する受信インタフェース手段と、 この受信インタフェース手段からの前記分離された各P
    N符号系列に応答してmビットの受信データビットを形
    成する形成手段とを具備することを特徴とするスペクト
    ラム拡散通信用CSK通信装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は記載の装置において、 前記生成手段は、N系列の変調器であることを特徴とす
    るスペクトラム拡散通信用CSK通信装置。
  4. 【請求項4】 請求項記載の装置において、 前記形成手段は、N系列の復調回路であって、前記分離
    されたPN符号系列を前記N個のPN符号系列と各別に
    相関をとり、第1ないし第Nの相関出力信号を出力する
    N個の相関手段と、 前記第1ないし第Nの相関出力信号を復調し、対応する
    前記受信データビットを形成する復調器とを具備するこ
    とを特徴とするスペクトラム拡散通信用CSK通信装
    置。
  5. 【請求項5】 請求項記載の装置において、 前記N系列の復調回路は、キャリヤ信号が受信されたか
    否かを決定するキャリヤ検出手段を具備することを特徴
    とするスペクトラム拡散通信用CSK通信装置。
  6. 【請求項6】 請求項記載の装置において、 前記形成手段は、 前記分離された各送信符号系列を前記N個のPN符号系
    と各別に相関をとり、第1ないし第Nの相関出力信号
    を出力する相関手段と、 前記第1ないし第Nの相関出力信号を復調し、対応する
    前記受信データビットを形成する復調器と、 前記第1ないし第Nの相関出力信号に応答して前記第1
    ないし第Nの相関手段をPN符号系列の1周期に等しい
    データ期間Tと同期させる同期制御手段とを具備するこ
    とを特徴とするスペクトラム拡散通信用CSK通信装
    置。
  7. 【請求項7】 請求項記載の装置において、 前記形成手段は、 前記第1ないし第Nの相関出力信号に応答してキャリヤ
    検出し、キャリヤ信号が受信されたか否かを決定するキ
    ャリヤ検出手段を含むことを特徴とするスペクトラム拡
    散通信用CSK通信装置。
  8. 【請求項8】 請求項6又は7記載の装置において、 前記同期制御手段は、 前記第1ないし第Nの相関出力信号のピークを検出する
    ピーク位置検出手段と、 前記検出されたピークが前記データ期間Tのうちの所定
    区間内にあるか否かを決定するピーク位置決定手段と、 前記決定手段による否定的な決定に応答し、前記第1な
    いし第Nの相関出力信号と前記データ期間Tとの間の同
    期を確立する同期追跡手段とを具備することを特徴とす
    るスペクトラム拡散通信用CSK通信装置。
  9. 【請求項9】 請求項記載の装置において、 前記同期制御手段は、所定回数のデータ期間にキャリヤ
    が一切検出されない状態であるかを決定し、その状態が
    生じたときに同期が確立されていないことを指示し、そ
    れにより伝送媒体の伝送特性の変動に起因するキャリヤ
    の一時的な非検出と、通信の終了に起因するキャリヤの
    非検出とを区別する同期非確立決定手段を具備すること
    を特徴とするスペクトラム拡散通信用CSK通信装置。
  10. 【請求項10】 請求項記載の装置において、 前記同期制御手段は、前記データ期間の周期を調整し、
    それにより前記検出手段によって連続して検出されたピ
    ーク位置を前記データ期間Tの前記所定位置の中心へと
    より接近させる同期追跡手段を具備することを特徴とす
    るスペクトラム拡散通信用CSK通信装置。
  11. 【請求項11】 請求項1〜10のいずれかに記載の装
    置において、 前記N個のPN符号系列は、所定周期のN個のマンチェ
    スターM系列であることを特徴とするスペクトラム拡散
    通信用CSK通信装置。
  12. 【請求項12】 請求項1または11記載の装置におい
    て、 前記合成手段は、前記送信用のmビットの入力データビ
    ットにより示される少なくとも一部の値に対しては、前
    記N個のPN符号系列のなかの少なくとも複数のPN系
    列が割り当てられ、この少なくとも一部の値に対して
    は、割り当てられた複数のPN符号系列を加算して出力
    することを特徴とするスペクトラム拡散通信用CSK通
    信装置。
  13. 【請求項13】 送信用のmビットの入力データビット
    に応答してN個のPN符号系列のなかからあらかじめ定
    められたn個のPN系列を生成する生成ステップと、 前記生成されたn個のPN系列を伝送媒体上へと送信す
    る送信ステップとを具備するスペクトラム拡散通信用C
    SK通信方法において、 前記送信ステップは、前記生成された符号系列を前記伝
    送媒体に対応する形態へと変換し、該伝送媒体上へと送
    信するステップとを具備することを特徴とするスペクト
    ラム拡散通信用CSK通信方法。
  14. 【請求項14】 請求項13記載の方法において、 前記送信符号系列を前記伝送媒体から分離することによ
    って受信するステップと、 前記送信符号で生成されたmビットの符号に対応するm
    ビットの前記入力データビットの符号を有する受信デー
    タビットを形成するステップとを具備することを特徴と
    するスペクトラム拡散通信用CSK通信方法。
  15. 【請求項15】 請求項13又は14記載の方法におい
    て、 前記生成ステップは、 前記N個のPN符号系列を各別に生成するステップと、 前記生成ステップの出力として生成されたN個のPN符
    号系列を合成して得られる合成系列を、前記送信用デー
    タビットのmビットの符号にしたがって選択的に切り替
    えるステップであって、この切り替えが前記N個のPN
    符号系列の周期に同期している切替ステップとを具備す
    ることを特徴とするスペクトラム拡散通信用CSK通信
    方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の方法において、 前記分離された各送信符号系列を前記N個のPN符号系
    と各別に相関をとり、第1ないし第Nの相関信号を出
    力するステップと、 前記第1ないし第Nの相関信号を復調し、対応する前記
    受信データビットを形成するステップと、 前記相関ステップをPN符号系列の1周期に等しいデー
    タ期間Tと同期させるステップとを具備することを特徴
    とするスペクトラム拡散通信用CSK通信方法。
  17. 【請求項17】 請求項16記載の方法において、 前記形成ステップは、前記第1ないし第Nの相関出力信
    号からキャリヤ信号が受信されたか否かを検出するステ
    ップを含むことを特徴とするスペクトラム拡散通信用C
    SK通信方法。
  18. 【請求項18】 請求項16又は17記載の方法におい
    て、 前記同期ステップは、 前記第1ないし第Nの相関出力信号のピークを検出する
    ステップと、 前記検出されたピークが前記データ期間Tのうちの所定
    期間内にあるか否かを決定するステップと、 この決定ステップにおける否定的な決定に応答し、前記
    第1ないし第Nの相関出力信号と前記データ期間Tとの
    間の同期を確立するステップとを具備することを特徴と
    するスペクトラム拡散通信用CSK通信方法。
  19. 【請求項19】 請求項18記載の方法において、 前記同期ステップは、所定回数Yのデータ期間にキャリ
    ヤが一切検出されない状態であるかを決定し、その状態
    が生じたときに同期が確立されていないことを指示し、
    それにより伝送媒体の伝送特性の変動に起因するキャリ
    ヤの一時的な非検出と、通信の終了に起因するキャリヤ
    の非検出とを区別するステップを具備することを特徴と
    するスペクトラム拡散通信用CSK通信方法。
  20. 【請求項20】 請求項19記載の方法において、 前記同期ステップは、前記データ期間の周期を調整し、
    これにより前記検出ステップによって連続して検出され
    たピーク位置を前記データ期間の前記所定位置の中心へ
    とより接近させるステップを具備することを特徴とする
    スペクトラム拡散通信用CSK通信方法。
  21. 【請求項21】 請求項13〜20のいずれかに記載の
    方法において、 前記N個のPN符号系列は、所定周期のN個のマンチェ
    スターM系列であることを特徴とするスペクトラム拡散
    通信用CSK通信方法。
  22. 【請求項22】 請求項13又は21に記載の装置にお
    いて、 前記生成ステップは、前記送信用のmビットの入力デー
    タビットにより示される少なくとも一部の値に対して
    は、前記N個のPN符号系列のなかの少なくとも複数の
    PN系列が割り当てられ、この少なくとも一部の値に対
    しては、割り当てられた複数のPN符号系列を加算して
    出力する ことを特徴とするスペクトラム拡散通信用CS
    K通信方法。
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