JP2941651B2 - 移動通信方式 - Google Patents

移動通信方式

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JP2941651B2
JP2941651B2 JP6123221A JP12322194A JP2941651B2 JP 2941651 B2 JP2941651 B2 JP 2941651B2 JP 6123221 A JP6123221 A JP 6123221A JP 12322194 A JP12322194 A JP 12322194A JP 2941651 B2 JP2941651 B2 JP 2941651B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディジタル自動車電話
や携帯電話等の移動通信方式に関し、特に、多相直交系
列の拡散符号を用いるスペクトル拡散通信の相互干渉を
減らすように構成したものである。
【0002】
【従来の技術】スペクトル拡散通信では、情報信号のス
ペクトルを、本来の情報帯域幅に比べて十分に広い帯域
に拡散して伝送する。
【0003】論文「スペクトル拡散の変復調」(太刀川
著:電子情報通信学会93年春季大会<基礎境界グルー
プ>コンシューマ通信、パーソナル通信におけるスペク
トル拡散)に記載されているように、複数の2値符号が
配列された2元系列の拡散符号をそのまま情報信号に乗
じて(データ変調して)送信する直接拡散方式のスペク
トル拡散通信では、送信側は、1シンボル(一般的には
情報信号1ビットに対応)について、拡散系列符号を構
成するn個(nチップ)の2値符号を順次乗算し、これ
を情報信号の各ビットに対して周期的に繰り返すことに
より、情報信号の変調を行なう。この2元系列の拡散符
号には、M系列やGold系列などの符号が用いられ
る。一方、受信側では、送信時に使用された拡散系列符
号と同一の符号を用いて相関検出(逆拡散)を行なうこ
とにより、図7(a)に示すように、1シンボルについ
て1つのピークを持つ自己相関波形を検出する。
【0004】これに対して、論文「相互相関のない多相
周期系列とその非同期SSMA通信への応用」(末広、
羽鳥著:電子情報通信学会論文誌’85/10、Vo
l.J68−A、N0.10、pp.1087〜109
3)には、相互相関を持たない(即ち、直交系列の)、
複素数による系列(即ち、多相系列)の拡散符号系列が
提案されている。多相系列は、2元系列と違って、拡散
系列符号を構成する各チップが複素数から成り、この複
素数は、図8に示す複素平面(IQ平面)の円周上に位
置し、その成分の絶対値は一定である。
【0005】この多相直交系列では、同一符号系列を用
いて逆拡散した場合の自己相関波形に、1シンボルにつ
いて複数のパルスが現れる。図7(b)は、3チップ毎
にピークが現れている自己相関波形を示している。
【0006】この多相直交系列による送信データの拡散
及び逆拡散の方法を図9に示している。送信側(a)で
は、送信データに対して、割り当てられた多相直交拡散
系列符号のI成分(PNi)40とQ成分(PNq)41と
を乗じて送信信号のI成分とQ成分とを得る。
【0007】一方、受信側(b)では、受信信号のI成
分に対して、拡散符号PNi42を相関回路43で乗じ、ま
た、拡散符号PNq44を相関回路45で乗じて、IIとI
Qとを求め、また、Q成分から同様にしてQQとQIと
を求め、IIとQQ、−IQとQIとをそれぞれ加算回
路46及び47で加算し、さらに、乗算回路48でそれらの加
算結果の二乗和を求めることにより復調する。
【0008】この多相直交系列の拡散符号を用いるスペ
クトル拡散通信では、相互相関が小さいため、多元接続
通信における局数を増やすことができる。
【0009】多相直交系列の拡散符号を用いてスペクト
ル拡散多元接続通信(SSMA)を行なう移動通信シス
テムでは、図10に示すように、基地局50の送信部52か
ら、下り回線を通じて複数の移動機51の受信部53にデー
タが送られ、各移動機51の送信部64からは、上り回線を
通じて基地局50の受信部65にデータが伝送される。
【0010】従来の基地局50の送信部52は、同期用デー
タを発生する同期用データ発生回路54と、同期用データ
を同期チャネル用の拡散系列符号を用いて拡散(データ
変調)する拡散回路55と、各ユーザの送信データを割り
当てられた拡散系列符号を用いて拡散する拡散回路56
と、各チャネルの拡散された信号を合成する合成回路57
と、送信データを無線周波数の信号に変換して送信する
無線部58とを備え、また、移動機51の受信部53は、無線
周波数の信号を受信する無線部59と、同期信号の相関検
出を行なう逆拡散回路60と、逆拡散回路60の出力からシ
ンボル同期を取出す同期回路61と、その同期を基に移動
機51のユーザiチャネル信号の相関検出を行なう逆拡散
回路62と、受信データを復調する復調回路63とを備えて
いる。
【0011】また、移動機51の送信部64は、送信データ
を割り当てられた拡散系列符号を用いて拡散する拡散回
路66と、無線部67とを備え、基地局50の受信部65は、上
り回線を通じて送られてきた信号を受信する無線部68
と、各ユーザ1〜nのチャネル信号の相関検出を行なう
逆拡散回路69と、各チャネルの信号の一部のシンボルに
設定された同期用信号等を用いて同期を獲得する同期回
路70と、各チャネルの受信データを復調する復調回路71
とを備えている。
【0012】この基地局50の送信部52では、各チャネル
の送信データが、拡散回路56において、割り当てられた
各拡散系列符号を用いて拡散(データ変調)され、ま
た、同期用データ発生回路54で発生された同期用データ
が、拡散回路55において、同期用共通チャネルを形成す
る拡散系列符号を用いて拡散される。この同期用データ
は、各チャネルの拡散された信号と共に合成回路57で合
成され、無線部58を通して送信される。
【0013】図11(a)は、このときの下り回線を通
じて送信される各チャネルの信号のシンボルタイミング
を示しており、各チャネルにおいて同一のタイミングで
シンボルの送信が行なわれる。また、時間軸上のある程
度の長さのシンボル数(ビット数)を1フレームとし
て、フレーム単位で伝送する場合には、各チャネルのシ
ンボルNo.が揃うように各フレームの送信が行なわれ
る。
【0014】一方、移動機51の受信部53では、逆拡散回
路60が、同期用データの拡散に用いられた拡散系列符号
を用いて受信信号の相関検出を行ない、同期回路61が、
その出力からシンボル同期を取出す。逆拡散回路62及び
復調回路63は、その同期に合わせてチャネルiの拡散系
列符号を用いて相関検出を行ない、受信データを再生す
る。
【0015】なお、同期用共通チャネルが設定されない
通信装置の場合には、移動機51の受信部53は、各チャネ
ル信号中の一部のシンボルに設定される同期用信号等を
用いて同期を獲得する。
【0016】一方、上り回線(移動機51から基地局50へ
の回線)では、送信データが、移動機51の送信部64の拡
散回路66において、割り当てられた拡散系列符号を用い
て拡散され、無線部67を通して送信される。このとき、
各移動機の送信タイミングは非同期であり、図11
(b)に示すように、各ユーザ(チャネル)のシンボル
タイミングおよびシンボルNo.の位置関係はバラバラ
である。そのため、基地局50の受信部65では、無線部68
からの受信信号を、各ユーザ毎に逆拡散回路69で相関検
出を行なうと共に同期回路70を用いて同期の獲得を行な
い、それを基に復調回路71で受信データを復調する。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかし、多相直交系列
を拡散符号として用いる従来の移動通信では、下り回線
の受信側である移動機が受信信号を逆拡散したときに、
他局間干渉を受けて、性能が劣化するという問題点があ
る。
【0018】この多相直交系列は、符号系列が直交する
ため、同一でない符号系列によって逆拡散したときの相
互相関は0になる筈であるが、しかし、相互相関には、
偶相互相関と奇相互相関とがあり、この多相直交系列を
拡散符号として用いるとき、偶相互相関は0になるが、
奇相互相関は0にならない。
【0019】この偶相互相関とは、連続するデータ(シ
ンボル)が+1と+1である場合に、それらのデータを
拡散符号系列で拡散し、他の拡散符号系列で逆拡散した
ときに生じる相関である。また、奇相互相関とは、連続
するデータが+1と−1である場合に、それらのデータ
を拡散符号系列で拡散し、他の拡散符号系列で逆拡散し
たときに生じる相関である。他局間干渉を減らすために
は、この両者の相互相関を低く抑えなければならない。
しかし、奇相互相関は一般に解析が難しく、その低減を
図ることが困難とされている。そのため、不十分ではあ
るが、SSMAでは、偶相互相関のみを解析の対象に、
その低減が図られている。多相直交系列を拡散符号とし
て用いるSSMAにおいても、奇相互相関が存在してい
るため、他局間干渉を完全に解消することができない。
【0020】また、多相直交系列を用いるスペクトル拡
散通信では、M系列等の2元符号のように自己相関波形
が1シンボル1ピークでなく、1シンボルについて複数
のピ−クが存在するため、シンボル同期を取る同期回路
の構成が複雑になるという問題点がある。
【0021】さらに、従来の移動通信システムでは、上
り回線における各移動機の送信タイミングが非同期であ
るため、基地局側の受信部に各ユーザごとの同期回路を
設ける必要があり、ハード規模を大きくしなければなら
ないという問題点がある。
【0022】本発明は、こうした従来の問題点を解決す
るものであり、多相直交系列を用いるSSMAにおい
て、奇相互相関を減らすことができ、簡単な構成でシン
ボル同期を確立することができ、また、基地局の受信部
の構成を簡略化することができる移動通信方式を提供す
ることを目的としている。
【0023】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、基
地局と複数の移動機との間で多相直交系列の拡散符号を
用いてスペクトル拡散多元接続通信を行なう移動通信方
式において、基地局から移動機への下り回線に同期用共
通チャネルと各移動機に対応する情報チャネルとを設定
し、各情報チャネルの信号を遅延させることによりこの
情報チャネルの送信シンボルタイミングと同期用共通チ
ャネルのシンボルタイミングとの間にチップずれを生起
させ、そのときの各情報チャネルにおけるチップずれの
大きさがチップずれ設定幅の範囲内で一様に分布するよ
うに各情報チャネルの遅延量を設定している。
【0024】また、各移動機が、検出した同期用共通チ
ャネルのシンボルタイミングと自情報チャネルにおける
チップずれの情報とを基に、自情報チャネルのシンボル
タイミングを捉え得る窓を設定し、この窓の範囲で相関
検出を行なうように構成している。
【0025】また、基地局から移動機への下り回線に、
各情報チャネルにおけるチップずれの大きさを通知する
制御チャネルを設ている。
【0026】また、移動機が、移動機から基地局への上
り回線の信号を、同期用共通チャネルのシンボルタイミ
ングにチップずれを付加した送信シンボルタイミングで
送信し、基地局が、上り回線における情報チャネルのシ
ンボルタイミングを捉え得る窓を設定して、この窓の範
囲で相関検出を行なうように構成している。
【0027】また、この上り回線の信号に付加するチッ
プずれの大きさが、下り回線における自情報チャネルの
チップずれの大きさと等しくなるように設定している。
【0028】さらに、窓の範囲で相関検出された受信出
力に対して、Rake受信による合成を行なうように構
成している。
【0029】
【作用】このように、多相直交系列の拡散符号で変調さ
れた各情報チャネルの信号にチップずれを持たせること
によって、奇相互相関が減少する。そのため、移動機で
は、他局間干渉を受けずに自己相関波形を検出すること
ができ、また、基地局では、各移動機から送信される信
号が相互にチップずれを有するため、奇相互相関を伴う
ことなく、各移動機の信号を相関検出することができ
る。
【0030】移動機では、自情報チャネルにおけるチッ
プずれの大きさを、予め、あるいは制御チャネルを通じ
て、知ることができる。移動機は、このチップずれの大
きさと、同期検出して得た同期用共通チャネルのシンボ
ルタイミングとから、自情報チャネルにおけるシンボル
タイミングを認識し、このシンボルタイミングが入る得
る、ある程度のチップ幅を持った窓を設定し、この窓の
範囲で相関検出を行ない、情報信号を再生する。
【0031】また、基地局でも、各移動機の情報チャネ
ルに与えたチップずれや上り/下り回線の伝送遅延、各
移動機での処理遅延などを考慮して、上り回線における
それぞれの情報チャネルの送信シンボルタイミングを捉
え得る窓を設定し、この窓の範囲で相関検出を行なっ
て、各移動機から送信された信号を再生する。このよう
に基地局では、各移動機からの送信シンボルタイミング
を大凡、予測することができるため、個々の情報チャネ
ルごとに同期回路を設ける必要がない。
【0032】また、移動機及び基地局において、窓の範
囲で相関検出した受信出力を、Rake受信による合成
を行なうことにより、パスダイバーシチ効果を得ること
ができ、受信品質を高めることができる。
【0033】
【実施例】まず、本発明を生む端緒となった、奇相互相
関を減らすための新たな知見について説明する。
【0034】本発明者は、多相直交系列を用いるSSM
Aでは、M系列やGold系列等の2元符号を使用する
場合と異なり、拡散符号系列で変調した複数チャネルの
拡散信号を位相ずれ(チップずれ)させて合成すること
により、奇相互相関が減少することを見いだした。
【0035】図3〜6は、この関係を示す図であり、図
3は、「+1、+1、+1、+1」のデータを多相直交
系列aでデータ変調し、それを同一の系列aで復調した
ときの自己相関値の測定結果を示している。また、図4
は、「+1、−1、+1、−1」のデータを別の複数個
(32個)の多相直交系列b1 〜b32を用いてデータ変
調し、それらを加算した信号に対して、多相直交系列a
を用いて復調したときの奇相互相関値の測定結果を示し
ている。なお、このときの各多相直交系列b1〜b
32は、各データに対して、同一のタイミングでデータ変
調を行なっている。つまり、各多相直交系列b1 〜b32
はチップずれを生じていない。
【0036】また、図5は、図3における変調信号と図
4における変調信号とを加算し、これを多相直交系列a
を用いて復調したときの相関値を示している。
【0037】この図5は、SSMAでの移動機の受信状
況に相当している。同図から明らかなように、奇相互相
関による干渉のため自己相関値を明確に識別することが
できない。
【0038】一方、図6は、「+1、−1、+1、−
1」のデータを、チップずれを有する(即ち、各データ
に対するデータ変調のタイミングがチップ数の整数倍だ
けずれている)32個の多相直交系列b1 〜b32でデー
タ変調し、この変調信号と、図3における変調信号とを
加算し、これを多相直交系列aを用いて復調したときの
相関値を示している。このときの多相直交系列b1 〜b
32におけるチップずれは、ずれ幅が多相直交系列のチッ
プ数の10%以内であり、この範囲内において各多相直
交系列のチップずれが一様に分布するように設定してい
る。図6から明らかなように、多相直交系列b1 〜b32
で変調した信号をチップずれの状態で加算することによ
り、奇相互相関を大幅に減らすことができる。
【0039】さて、この現象を利用して奇相互相関の低
減を実現した本発明の移動通信方式は、図1に示す基地
局1と複数の移動機2との間で実施される。
【0040】この基地局1は、送信部3に、同期用デー
タを発生する同期用データ発生回路5と、各チャンネル
に付加されるチップずれの情報を伝える制御データ発生
回路6と、同期用データ発生回路5及び制御データ発生
回路6から出力されたデータ並びに各ユーザから送信さ
れたデータを拡散する拡散回路7と、各拡散回路7によ
って拡散された信号に対してチップずれを付加する遅延
回路8と、各遅延回路8から出力された信号を合成する
合成回路9と、無線部10とを備え、また、受信部29に、
無線部30と、各ユーザ1〜n用チャネル信号の相関検出
を行なう逆拡散回路31と、それらチャネルの受信データ
を再生する復調回路32とを備え、さらに、同期用データ
発生回路5、制御データ発生回路6、各遅延回路8及び
各逆拡散回路31のそれぞれを制御する制御回路4を備え
ている。
【0041】また、移動機2は、受信部11に、無線部12
と、同期信号の相関検出を行なう逆拡散回路14と、逆拡
散回路14の出力からシンボル同期を取出す同期回路15
と、差動符号化されたフレーム同期語(ユニークワー
ド)を復号化する遅延検波回路16と、遅延検波回路16の
出力からフレーム同期を取出すユニークワード(UW)
検出回路17と、制御データの相関検出を行なう逆拡散回
路18と、制御データを再生する復調回路19と、ユーザi
用チャネル信号の相関検出を行なう逆拡散回路20と、受
信データを再生する復調回路21とを備え、また、送信部
25に、割り当てられた拡散系列符号を用いて送信データ
を拡散する拡散回路26と、拡散回路26によって拡散され
た信号にチップずれを付加する遅延回路27と、無線部28
とを備え、さらに、逆拡散回路14、18、20及び遅延回路
27の制御を行なう制御回路13を備えている。
【0042】この移動通信装置では、下り回線における
データの送受信が次のように行なわれる。
【0043】基地局1の制御回路4は、同期用データ発
生回路5にデータの発生を指令し、同期用データ発生回
路5で生成された同期用データは、拡散回路7におい
て、割り当てられた拡散系列符号を用いて拡散(データ
変調)された後、遅延回路8に入力する。遅延回路8
は、この信号に対して、制御回路4の指定する大きさの
チップずれを付加する。
【0044】また、ユーザ1〜nから送信された各チャ
ネルのデータについても、割り当てられた各拡散系列符
号を用いて、拡散回路7が拡散し、遅延回路8が、制御
回路4の指定する大きさのチップずれを付加する。
【0045】この各チャネルに付加されたチップずれの
大きさは、制御回路4から制御データ発生回路6に伝え
られ、制御データ発生回路6は、各チャネルのチップず
れを表わすデータを発生する。この発生されたデータに
ついても、拡散回路7での拡散と、遅延回路8でのチッ
プずれの付加とが行なわれる。
【0046】各遅延回路8から出力された各チャネルの
拡散信号は、合成回路9で合成され、無線部10を通して
送信される。
【0047】図2(a)には、このときの下り回線にお
ける各チャネルの送信信号のシンボルタイミングを示し
ている。チップずれの大きさは、ある範囲(チップずれ
設定幅)内において各チャネル間で一様に分布するよう
に制御回路4が指定する。図2(a)では、同期用デー
タを送信するチャネル(共通チャネル)のチップずれを
0とし、制御データを送信するチャネル(制御チャネ
ル)及び各ユーザ用チャネル1〜nのシンボル位置を、
チップずれ設定幅の範囲内でずらした状態を示してい
る。
【0048】このように、基地局1において各チャネル
の信号をチップずれを有する状態で合成し、送信するこ
とにより、各移動機2では奇相互相関を伴わずに自己相
関を得ることができる。
【0049】また、時間軸上のある程度の長さのシンボ
ル数(ビット数)を1フレームとして、フレーム単位で
伝送する場合には、各チャネルのシンボルNo.がチッ
プずれを持って揃うように各フレームを送信する。ま
た、フレーム単位の伝送を行なう場合には、フレームの
一部のシンボルを、フレーム同期を取るためのユニーク
ワード(UW)とし、送信部3の同期用データ発生回路
5から、UWデータを差動符号化してその値を出力し、
共通チャネルを通じて各移動機2に伝送する。
【0050】受信側の移動機2では、受信部11の無線部
12が信号を受信し、逆拡散回路14が受信信号の中の共通
チャネル信号の相関検出を行ない、同期回路15が、その
出力からシンボル同期を取出し、シンボルクロックとし
て出力する。また、遅延検波回路16は、差動符号化され
ているデータの復号化を行ない、UW検出回路17は、遅
延検波回路16の出力からUWデータを検出してフレーム
同期を取り、フレームクロックを出力する。
【0051】こうして生成されたシンボルクロック及び
フレームクロックは、制御回路13にも入力する。制御回
路13は、このシンボルクロックおよびフレームクロック
を用いて、制御チャネルのシンボルタイミング(シンボ
ルの変化点)が入るような、ある程度の幅(チップ幅)
を持った窓を設定し、逆拡散回路18に対して、その窓の
範囲で制御チャネル信号の相関検出を行なうように制御
する。逆拡散回路18の出力は復調回路19に入力し、復調
回路19は、制御データを出力する。
【0052】この制御データは、制御回路13にも入力
し、制御回路13は、自分の情報チャネルにおけるチップ
ずれの大きさを識別する。そして、自分の情報チャネル
のシンボルタイミングが入るような、ある程度の幅(チ
ップ幅)を持った窓を設定し、逆拡散回路20に対して、
その範囲で自情報チャネル信号の相関検出を行なうよう
に制御する。逆拡散回路20の出力は復調回路21に入力
し、復調回路21はユーザi(チャネルi)の受信データ
を復調して出力する。
【0053】一方、上り回線(移動機から基地局への回
線)におけるデータの送受信は次のように行なわれる。
【0054】送信側の移動機2の送信部25では、拡散回
路26が、割当てられた拡散系列符号を用いて送信データ
を拡散し、遅延回路27が、制御回路13からの指定に基づ
いて、この拡散された信号に対し、下り回線での共通チ
ャネル信号のシンボルタイミングと自情報チャネルのシ
ンボルタイミングとのチップずれに相当するチップずれ
を付加する。その結果、下り回線で受信した自情報チャ
ネルのシンボルタイミング及びフレームタイミングがそ
のまま送信のシンボルタイミングとして使われることに
なる。
【0055】チップずれの付加された拡散信号は、無線
部28から上り回線を通じて基地局1に送信される。図2
(b)は、このときの各ユーザ(チャネル)のシンボル
タイミングを示している。このように上り回線の各チャ
ネルのシンボルタイミングがチップずれを有することに
より、基地局1の受信部29では、奇相互相関を生ずるこ
となく、自己相関を検出することができる。
【0056】なお、遅延回路27でのチップずれの付加
は、上り回線における各チャネルのシンボルタイミング
の間にチップずれを生じさせるためであるから、各移動
機の遅延回路27が、制御回路13の指定に従って、下り回
線で受信した共通チャネルのシンボルタイミングにラン
ダムな大きさのチップずれを付加するように構成しても
よい。また、基地局1と各移動機2までの距離がそれぞ
れ大きく異なっているときには、距離に応じた伝送遅延
により、基地局で受信する各チャネルのシンボルタイミ
ングにチップずれが生じるため、敢えて遅延回路27でチ
ップずれを加える必要がない。
【0057】受信側の基地局1の受信部29では、無線部
30が信号を受信し、それを逆拡散回路31に送る。このと
き、制御回路4は、下り回線において各情報チャネルに
付加したチップずれの値、上り/下り回線の伝送遅延、
および各移動機の処理遅延等から、各ユーザチャネルご
との受信シンボルタイミングを求め、それを基に受信窓
を設定する。そして、各逆拡散回路31に対し、その窓の
範囲で受信データの相関検出を行なうように制御する。
逆拡散回路31の出力は復調回路19に入力し、復調回路19
は、送信データを復調して各ユーザに伝送する。
【0058】このように、実施例の移動通信では、各移
動機2が、下り回線の共通のシンボルタイミングを基
に、所定のチップずれを加えて送信データを送信する。
そのため、基地局1では、各移動機に対応する受信窓を
使って、各移動機のシンボルタイミングを容易に捕捉す
ることができる。そのため、各チャネル毎に同期回路を
設ける必要がない。
【0059】なお、スペクトル拡散通信では、受信にお
ける時間的分解能が高い特質を利用して、同一送信源か
ら送信され、複数の経路(パス)を辿って受信した信号
をパス別に識別し、それらに各々異なる重み付けを施し
て積和演算することにより、受信品質を高めることが行
なわれている。この受信をRake受信といい、Rak
e受信における効果をパスダイバーシチ効果と称してい
る。実施例の移動通信においても、このRake受信を
利用することができ、復調回路19、21、32において、設
定した窓幅での相関値出力から、Rake受信による受
信信号の合成を行ない、パスダイバーシチ効果を得るこ
とが可能である。
【0060】また、実施例の方式では、基地局1の送信
部3の遅延回路8によって付加された各チャネル毎のチ
ップずれの大きさを、制御チャネルを用いて各移動機に
通知しているが、これは必ずしも、そのようにする必要
はない。特に、チップずれ設定幅が小さい場合には、そ
の通知を省略することもできる。チップずれの大きさが
通報されないときは、移動機の制御回路13は、共通チャ
ネルのシンボルクロックと、予め知っている送信側のチ
ップずれ設定幅とから、逆拡散回路に対して相関検出を
行なわせるための窓幅を設定する。
【0061】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなよう
に、本発明の移動通信方式では、多相直交系列を用いて
データ変調した複数の信号が、相互の間でチップずれを
有するように設定されているため、奇相互相関が減少
し、信号の復調における性能が向上する。
【0062】また、各移動機では、自己チャネルにおけ
るチップずれの大きさを、制御チャネルによる情報等を
通じて知ることができるため、ある程度のチップ幅を持
つ窓の範囲でシンボルタイミングを検出することがで
き、同期回路を簡易化することができる。
【0063】さらに、各移動機が、受信した共通チャネ
ルのシンボルタイミングを基に、僅かなチップずれを加
えて、送信データの送信シンボルタイミングを設定して
いるため、基地局では、各チャネルのシンボルタイミン
グを、ある程度のチップ幅を持つ窓の範囲で検出するこ
とができるようになり、各チャネルごとに個別に同期回
路を設ける必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の移動通信方式を実施する装置の一例を
示すブロック図、
【図2】実施例の移動通信方式における下り回線(a)
と上り回線(b)の送信信号のシンボルタイミングを示
す図、
【図3】多相直交系列で変調した信号の自己相関波形を
示す図、
【図4】多相直交系列で変調した信号の奇相互相関波形
を示す図、
【図5】多相直交系列で変調した信号の相関波形を示す
図、
【図6】チップずれを有する多相直交系列で変調した信
号の相関波形を示す図、
【図7】スペクトル拡散通信において、2元符号(a)
と多相直交系列(b)とを用いたときの自己相関波形を
示す図、
【図8】多相直交系列の位相平面を示す図、
【図9】多相直交系列を用いて拡散を行なう場合(a)
と逆拡散を行なう場合(b)のブロック図、
【図10】従来の移動通信方式を実施する装置を示すブ
ロック図、
【図11】従来の移動通信方式での下り回線(a)と上
り回線(b)の送信信号のシンボルタイミングを示す図
である。
【符号の説明】
1、50 基地局 2、51 移動機 3、52、64 送信部 4、13 制御回路 5、54 同期用データ発生回路 6 制御データ発生回路 7、26、55、56、66 拡散回路 8、27 遅延回路 9、57 合成回路 10、12、25、28、30、58、59、67、68 無線部 11、29、53、65 受信部 14、18、20、31、60、62、69 逆拡散回路 15、61、70 同期回路 16 遅延検波回路 17 UW検出回路 18、21、32、63、71 復調回路 40、42 拡散符号PNi 41、44 拡散符号PNq 43、45 相関回路 46、47 加算回路 48 乗算回路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H04J 13/04 H04Q 7/38

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基地局と複数の移動機との間で多相直交
    系列の拡散符号を用いてスペクトル拡散多元接続通信を
    行なう移動通信において、 基地局から移動機への下り回線に、同期用共通チャネル
    と各移動機に対応する情報チャネルとを設定し、各情報
    チャネルの信号を遅延させて、該情報チャネルの送信シ
    ンボルタイミングと前記同期用共通チャネルのシンボル
    タイミングとの間にチップずれを生起させ、そのときの
    各情報チャネルにおけるチップずれの大きさがチップず
    れ設定幅の範囲内で一様に分布するように各情報チャネ
    ルの遅延量を設定することを特徴とする移動通信方式。
  2. 【請求項2】 前記各移動機が、検出した同期用共通チ
    ャネルのシンボルタイミングと自情報チャネルにおける
    チップずれの情報とを基に、自情報チャネルのシンボル
    タイミングを捉え得る窓を設定し、前記窓の範囲で相関
    検出を行なうことを特徴とする請求項1に記載の移動通
    信方式。
  3. 【請求項3】 前記基地局から移動機への下り回線に、
    各情報チャネルにおけるチップずれの大きさを通知する
    制御チャネルを設けたことを特徴とする請求項1または
    2に記載の移動通信方式。
  4. 【請求項4】 前記移動機が、該移動機から基地局への
    上り回線の信号を、前記同期用共通チャネルのシンボル
    タイミングにチップずれを付加した送信シンボルタイミ
    ングで送信し、前記基地局が、前記上り回線における情
    報チャネルのシンボルタイミングを捉え得る窓を設定
    し、前記窓の範囲で相関検出を行なうことを特徴とする
    請求項1に記載の移動通信方式。
  5. 【請求項5】 前記上り回線の信号に付加するチップず
    れの大きさが、下り回線における自情報チャネルのチッ
    プずれの大きさと等しくなるように設定することを特徴
    とする請求項4に記載の移動通信方式。
  6. 【請求項6】 前記窓の範囲で相関検出された受信出力
    に対して、Rake受信による合成を行なうことを特徴
    とする請求項2または4に記載の移動通信方式。
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