JP2921427B2 - 熱延鋼板の冷却方法 - Google Patents
熱延鋼板の冷却方法Info
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Description
された熱延鋼板の冷却方法に係り、特に薄板の熱延鋼板
である場合に好適に適用される冷却方法に関する。
延鋼板は、その機械的特性を確保するため、所定の巻取
温度まで冷却されてから巻き取られるが、かかる冷却に
あたっては、鋼板に冷却水を注水する方法が広く用いら
れている。この方法においては、従来、鋼板の上下双方
の面に対して冷却水を注水していた。しかし、この方法
では、巻取機に噛み込むまでの間に鋼板の最先端の形状
が崩れやすく、この傾向は、鋼板の板厚が薄い場合に特
に顕著であった。
報においては、通常は上下両面から冷却するのに対し
て、目標巻取温度や板厚、もしくは鋼板の強度に応じ
て、仕上圧延機側から所定範囲(仕上げ圧延機に近接す
る範囲)において、鋼板上面に対する注水を停止し、鋼
板下面に対する注水のみを行って鋼板を冷却することが
提案されている。
に対して、鋼板下面に対する注水のみを行った場合、特
に、その鋼板の板厚が薄いと、下面に注水される冷却水
によって先端部が持ち上げられ、ランアウトテーブルロ
ーラ上でのばたつきが発生する。このばたつきが大きく
なると、先端部の反りが発生し、鋼板の先端部が二重折
れとなるなど形状崩れによって通板性が悪化し、巻取機
に噛み込まない危険性が発生する。
点からは、本発明者は、鋼板の先端部においては、上面
に対してのみ冷却水を注水する方法、あるいは冷却水を
投射しない方法が有効であると考えている。
9395号によって、ラミナーフロー冷却が冷却能力が
高く、特に幅方向に関して均一な冷却を行うことができ
る点で優れることを前提とする下で、鋼板の先端部に対
してもラミナーフロー冷却を行うと、熱伝達性が高いの
で、先端部の形状崩れを生じる危険性があることに鑑
み、鋼板の先端部分に対しては上面からスプレー冷却を
行い、その後はラミナーフロー冷却単独またはスプレー
冷却を併用することにより冷却することにより、鋼板先
端部分の形状崩れを確実に防止することを開示した。
水する場合、注水した冷却水が鋼板上面に滞留する割合
が大きく、その影響で鋼板が過冷却となってしまうこと
がある。この過冷却を防止するにあたり、鋼板上面に滞
留した冷却水を除去するため、通常、水切り装置、たと
えば水切り用エアスプレーを設置しているが、板厚1.
6mm以下の薄板鋼板(以下、単に薄板鋼板ということも
ある)の場合、鋼板の先端部の過冷・形状崩れを防止す
るため、鋼板の先端部が通過してから、水切りスプレー
を稼働させるので、薄板鋼板の場合には、滞留水の除去
が後れてしまい、しかも通板速度も速いので、過冷却を
防止する上でのネックとなっている。
鋼板上面に対して冷却水を注水し続けることは、鋼板上
面の滞留水の影響によって過冷却となり、巻取温度が落
ち込んで、機械特性上問題が生じるので、是非回避すべ
き事項である。
る先端部の形状崩れ、たとえば反りによって、巻取機に
噛み込まないというトラブルを防止するとともに、過冷
却などに起因する機械特性外れによる不良部の発生を防
止し、巻取温度精度を高めることにある。
明に係る熱延鋼板の冷却方法は、連続的に搬送される鋼
板を熱間圧延機によって圧延して、巻取機によって鋼板
を巻き取る際に、最終仕上圧延機と巻取機との間で冷却
水により鋼板を冷却する方法において、前記鋼板の先端
部が巻取機に噛み込まれるまでは、前記鋼板の上面のみ
に対して冷却水を注水し、前記鋼板の先端部が巻取機に
巻き込まれた後は、前記鋼板の下面のみに対して冷却水
を注水することを特徴とするものである。
板厚が、1.6mm以下である場合においてその効果が顕
著にあらわれる。
鋼板の先端部が巻取機に噛み込まれるまでは、鋼板の上
面のみに対して冷却水を注水する。このため、鋼板の下
面に対する冷却水の注水に伴うランアウトテーブル上で
の鋼板のばたつきが防止でき、もって先端部の反りなど
の形状崩れによる通板性の悪化の問題を解決できるとと
もに、特に鋼板の先端部が巻取機に噛み込まないという
事態を回避できる。
鋼板の下面に対する冷却水の注水に伴う問題はなくなる
ものの、逆に上面からの冷却に伴う鋼板が過冷却とな
り、鋼板の機械特性が悪化するという問題がある。
が巻取機に噛み込んだ後は、鋼板の上面に対する冷却水
の注水を止め、鋼板の下面のみに対して冷却水の注水を
行う。かくして、鋼板上面に冷却水が滞留することはな
くなり、もって鋼板の機械特性外れを防止することがで
きる。
りさらに詳説する。図1は、本発明に係る冷却方法に使
用される熱間圧延設備の一例を示す概要図である。この
熱間圧延設備には、2つの巻取機が配設されており、熱
間最終仕上圧延機1によって仕上げ圧延された鋼板M
は、多数のランアウトテーブルローラRを有するランア
ウトテーブル上で連続的に搬送され、熱間仕上圧延機1
の近傍に配設された第1巻取機2、もしくは遠方に配設
された第2巻取機3によって巻き取られる。
る場合は、仕上圧延機1と第1巻取機2との間に配設さ
れている第1上面冷却設備4および第1下面冷却設備5
によって鋼板Mを目標巻取温度まで冷却し、第2巻取機
3で鋼板Mが巻き取られる場合は、第1上面冷却設備4
および第1下面冷却設備5に加え、第1巻取機2と第2
巻取機3との間に配設されている第2上面冷却設備6、
および第2下面冷却設備7によってそれぞれ鋼板Mを目
標巻取温度まで冷却する。
面冷却設備6として、先に本出願人が提案した実開平6
−23607号公報または特願平6−109395号に
示されるラミナーフロー冷却若しくはスプレー冷却また
はその双方の冷却を同時に行うことができる冷却設備を
用いるのが好適である。水を加圧してノズルから水噴流
を作ったとき、噴流の出口速度が比較的低いときは平滑
な層流噴流を形成する。この噴流はある程度落下すると
軸対象な振動を生じて破断にいたり液滴流となる。この
層流噴流の段階で冷却することをラミナーフロー冷却と
いう。他方で、水を加圧してノズルから滴下するとき連
続噴流以上の流速では液流が破断し、液滴群となって固
体面に衝突する。この液滴群による冷却をスプレー冷却
という。
冷却設備7としては、同じく本出願人が先に提案した実
開平4−80604号公報に開示されているスプレー冷
却装置を用いるのが好適である。
巻取機2に鋼板Mが巻き取られる場合には、第1冷却設
備4、5と第1巻取機2との間に設けられた第1温度計
8を用い、第2巻取機3に巻き取られる場合には、第2
冷却設備6、7と第2巻取機3との間に設けられた温度
計9を用いる。
5、第2上面冷却設備6、および第2下面冷却設備7そ
れぞれには、ライン方向に多数のヘッダーが備えられて
おり、目標巻取温度と温度計8、9からの実績温度、計
算機からの計算温度との偏差等により所定位置の所定数
のヘッダーから注水する。また、第1冷却設備4と第1
温度計8の間、および第2冷却設備6と第2温度計9の
間には、鋼板Mの上面に残留する滞留水を除去するため
の第1水切りスプレー10、第2水切りスプレー11が
それぞれ配設されている。
を、鋼板Mが第1巻取機2に巻き取られる場合について
説明する。図2に示すように、鋼板Mは、仮想線で示す
ように搬送され、その先端が巻取機2に噛み込まれる
が、それまでの間、鋼板Mには張力が働いていないた
め、先端部の形状が崩れやすく、ランアウトテーブル上
での通板性に問題がある。特に、下面冷却設備5を用い
て、鋼板Mの下面側に冷却水WU を注水すると、図3に
示すように、水圧によって鋼板Mの先端部が持ち上げら
れ、反り上がりが発生して形状崩れとなる。よって本発
明では、鋼板Mの先端部が巻取機2に噛み込まれるまで
の間は、上面冷却設備4からの冷却水WO のみを鋼板M
に対して注水して鋼板Mを冷却する。
込まれた後は、図4に示すように、熱間仕上圧延機1と
巻取機2との間において鋼板Mに張力Tが働くため、下
面冷却設備5を用いた場合の形状崩れ等の問題は解消さ
れるが、その一方において、上面冷却設備4からの冷却
水WO が鋼板M上で滞留水となる問題がある。そこで、
鋼板Mの先端部が巻取機2に噛み込まれた直後から、上
面冷却設備4の使用を止め、同時に下面冷却設備5の使
用を開始し、鋼板Mの下面から冷却水WU のみを注水し
て鋼板Mを冷却する。かくして、滞留水の残留を防止で
き、鋼板製品の機械特性を良好にすることができる。
る場合にも同じである。
えやすくなるため、巻取温度の低め外れが発生しやす
い。しかし、冷却水の注水量を増やしているわけではな
いので、巻取温度の低下の予測は極めて困難である。し
たがって、本発明に係る冷却方法は、1.6mm以下の薄
板鋼板の場合に対して、特に有効な方法である。
いて、圧延された熱延鋼板Mを冷却して第2巻取機3に
よって巻き取った。ここでは、板厚1.63mmの鋼板を
用い、目標巻取温度を600℃とした。本発明例とし
て、本発明に係る冷却方法に従い熱延鋼板Mの先端部が
巻取機3に噛み込まれるまでは、上面冷却設備4、6を
用いて冷却を行い、噛み込まれてからは、下面冷却設備
5、7を用いて冷却を行い、実際の巻取温度を測定し
た。その結果を図5に示す。また、比較例として、冷却
にあたって、上面冷却設備4、6のみを用いた他は、本
発明に係る冷却方法と同一の条件に従い、実際の巻取温
度を測定した。その結果を図6に示す。なお、上面冷却
設備4、6を使用する際、水切りスプレー10、11に
よる鋼板M上の滞留水の除去を行った。
法では、鋼板Mの先端から後端に至るまで、巻取温度を
目標巻取温度である600℃にほぼ近い温度とすること
ができた。これに対し、図6から判るように、比較例に
係る冷却方法では、上面冷却のみで冷却を行った場合、
先端部が巻取機に噛んだ後に水切りスプレーによって滞
留水が除去されるまでの間に巻取温度が落ち込んでしま
う問題が発生した。
薄板鋼板を用い、目標巻取温度を580℃とし、鋼板M
が巻取機3に噛み込むまでは、水切りスプレー10、1
1を使用しなかった他は実験と同一の条件で実験を行っ
た。その実際の巻取温度の測定結果を本発明例について
図7に、比較例について図8にそれぞれ示す。図7から
判るように、本発明に係る冷却方法では、実際に測定さ
れた巻取温度は、鋼板のほとんどの範囲において、目標
巻取温度である580℃から±20℃の範囲に収まった
一方、図8から判るように、比較例に係る冷却方法で
は、先端部付近で特に落ち込みが激しくなった。これ
は、鋼板M上の滞留水に起因するものと思われる。
ば、熱延鋼板における先端部の形状崩れ、たとえば反り
によって、巻取機に噛み込まないというトラブルを防止
するとともに、過冷却などに起因する機械特性外れによ
る不良部の発生を防止し、巻取温度精度を高めることが
可能となる。
要図である。
る。
行った場合の仮想工程図である。
ある。
鋼板の巻取温度を示すグラフである。
合の鋼板の巻取温度を示すグラフである。
7…冷却設備、8,9…温度計、10,11…冷却スプ
レー、M…鋼板、R…ランアウトテーブルローラ、W…
冷却水。
Claims (2)
- 【請求項1】連続的に搬送される鋼板を熱間圧延機によ
って圧延して、巻取機によって鋼板を巻き取る際に、最
終仕上圧延機と巻取機との間で冷却水により鋼板を冷却
する方法において、 前記鋼板の先端部が巻取機に噛み込まれるまでは、前記
鋼板の上面のみに対して冷却水を注水し、前記鋼板の先
端部が巻取機に巻き込まれた後は、前記鋼板の下面のみ
に対して冷却水を注水することを特徴とする熱延鋼板の
冷却方法。 - 【請求項2】圧延された後の熱延鋼板の板厚が、1.6
mm以下である請求項1記載の熱延鋼板の冷却方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3710595A JP2921427B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 熱延鋼板の冷却方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP3710595A JP2921427B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 熱延鋼板の冷却方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH08229610A JPH08229610A (ja) | 1996-09-10 |
JP2921427B2 true JP2921427B2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=12488323
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP3710595A Expired - Fee Related JP2921427B2 (ja) | 1995-02-24 | 1995-02-24 | 熱延鋼板の冷却方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2921427B2 (ja) |
-
1995
- 1995-02-24 JP JP3710595A patent/JP2921427B2/ja not_active Expired - Fee Related
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