JP2920431B2 - 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 - Google Patents
溶接用フラックス入りワイヤの製造方法Info
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- JP2920431B2 JP2920431B2 JP4387991A JP4387991A JP2920431B2 JP 2920431 B2 JP2920431 B2 JP 2920431B2 JP 4387991 A JP4387991 A JP 4387991A JP 4387991 A JP4387991 A JP 4387991A JP 2920431 B2 JP2920431 B2 JP 2920431B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、軟鋼製外皮内にフラッ
クスを充填して伸線加工を施して得られる溶接用フラッ
クス入りワイヤを生産性良く製造する方法に関し、特に
軟化焼鈍を行わず、減面率99%以上の伸線加工を高速
で実施可能にさせた溶接用フラックス入りワイヤの製造
方法(以下溶接ワイヤの製造方法という)に関する。
クスを充填して伸線加工を施して得られる溶接用フラッ
クス入りワイヤを生産性良く製造する方法に関し、特に
軟化焼鈍を行わず、減面率99%以上の伸線加工を高速
で実施可能にさせた溶接用フラックス入りワイヤの製造
方法(以下溶接ワイヤの製造方法という)に関する。
【0002】
【従来の技術】溶接ワイヤの製造方法には大別して次の
3種類がある。 約10〜13mmφの溶接鋼管や鍛接
鋼管の内部にフラックスを充填した後、伸線加工する方
法、帯鋼を管状に湾曲成形しながら内部へフラックス
を充填し、帯鋼の両側縁突合せ部を抵抗溶接、TIG溶
接、レーザー溶接等によってシーム溶接し突合せ部の隙
間を塞ぎ、約10mmφの複合ワイヤとしてから伸線加工
する方法、 前記の方法において、帯鋼の両側縁を
シーム溶接しないまま伸線加工する方法がある。
3種類がある。 約10〜13mmφの溶接鋼管や鍛接
鋼管の内部にフラックスを充填した後、伸線加工する方
法、帯鋼を管状に湾曲成形しながら内部へフラックス
を充填し、帯鋼の両側縁突合せ部を抵抗溶接、TIG溶
接、レーザー溶接等によってシーム溶接し突合せ部の隙
間を塞ぎ、約10mmφの複合ワイヤとしてから伸線加工
する方法、 前記の方法において、帯鋼の両側縁を
シーム溶接しないまま伸線加工する方法がある。
【0003】上記,,に示したいずれの方法にし
てもフラックスの充填作業性の向上や量産化を行うため
には、フラックス充填時の外皮材径を大きくしておく方
が有利である。しかし、,の方法で10mmφから最
終ワイヤ径が1.0mmφ以下に伸線加工する場合は、伸
線加工の総減面率は99%以上となるため伸線の中間に
少なくとも1回以上の軟化焼鈍を入れるか、伸線速度を
極端に落とすかしなければならない。さらに、軟化焼鈍
後の伸線前には必ず酸洗処理工程が入るので、複合ワイ
ヤの製造はコスト高となる工程となっており、軟化焼鈍
省略化が要望されている。
てもフラックスの充填作業性の向上や量産化を行うため
には、フラックス充填時の外皮材径を大きくしておく方
が有利である。しかし、,の方法で10mmφから最
終ワイヤ径が1.0mmφ以下に伸線加工する場合は、伸
線加工の総減面率は99%以上となるため伸線の中間に
少なくとも1回以上の軟化焼鈍を入れるか、伸線速度を
極端に落とすかしなければならない。さらに、軟化焼鈍
後の伸線前には必ず酸洗処理工程が入るので、複合ワイ
ヤの製造はコスト高となる工程となっており、軟化焼鈍
省略化が要望されている。
【0004】この様な事情に対して、特開昭62−24
891号公報では、Al、N、Ti量と、Al/N、T
i/Nの比を特定した軟鋼性外皮材を使用することで、
伸線加工性を向上せしめ、これにより軟化焼鈍の省略化
を図っている。しかし、前記技術によっても、減面率が
99%以上となる場合は、軟化焼鈍の省略は困難であり
解決されていない。
891号公報では、Al、N、Ti量と、Al/N、T
i/Nの比を特定した軟鋼性外皮材を使用することで、
伸線加工性を向上せしめ、これにより軟化焼鈍の省略化
を図っている。しかし、前記技術によっても、減面率が
99%以上となる場合は、軟化焼鈍の省略は困難であり
解決されていない。
【0005】さらに、生産性の向上により細径溶接ワイ
ヤの需要が多くなり、生産性向上にはより太径の時にフ
ラックスを充填し、1mmφかそれよりも細径溶接ワイヤ
を製造するには、今まで以上に伸線性の高い溶接ワイヤ
用外皮材が要求されている。
ヤの需要が多くなり、生産性向上にはより太径の時にフ
ラックスを充填し、1mmφかそれよりも細径溶接ワイヤ
を製造するには、今まで以上に伸線性の高い溶接ワイヤ
用外皮材が要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は溶接ワイヤを
製造するに当り、軟化焼鈍を行わなくとも減面率が99
%以上の高速伸線加工を連続して実施することができる
溶接ワイヤの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
製造するに当り、軟化焼鈍を行わなくとも減面率が99
%以上の高速伸線加工を連続して実施することができる
溶接ワイヤの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、軟鋼製外皮内
にフラックスを充填し、伸線加工を施して溶接用フラッ
クス入りワイヤを製造するに当り、軟鋼製外皮材として Mn:0.02%以上0.4%未満、 S:0.002%以上0.025%未満、 Mn/S:10以上(重量比)、 酸可溶Al:0.003%以上0.035%未満、 N:0.005%未満、 酸素:0.03%未満、 を含む軟鋼を使用し、伸線工程において軟化焼鈍を行わ
ないことを特徴とする溶接用フラックス入りワイヤの製
造方法を要旨とするものである。
にフラックスを充填し、伸線加工を施して溶接用フラッ
クス入りワイヤを製造するに当り、軟鋼製外皮材として Mn:0.02%以上0.4%未満、 S:0.002%以上0.025%未満、 Mn/S:10以上(重量比)、 酸可溶Al:0.003%以上0.035%未満、 N:0.005%未満、 酸素:0.03%未満、 を含む軟鋼を使用し、伸線工程において軟化焼鈍を行わ
ないことを特徴とする溶接用フラックス入りワイヤの製
造方法を要旨とするものである。
【0008】
【作用】以下、本発明を詳細に説明する。軟鋼製外皮を
使用して溶接ワイヤの伸線性を良好にさせるには、軟鋼
を低炭素化させることが行われている。本発明者等は、
軟化焼鈍なしで減面率99%以上の高速伸線加工ができ
る溶接ワイヤ外皮材用軟鋼の研究を進めてきた。そして
種々の基礎研究を重ね、軟鋼製外皮材としてふさわしい
成分系を見出した。
使用して溶接ワイヤの伸線性を良好にさせるには、軟鋼
を低炭素化させることが行われている。本発明者等は、
軟化焼鈍なしで減面率99%以上の高速伸線加工ができ
る溶接ワイヤ外皮材用軟鋼の研究を進めてきた。そして
種々の基礎研究を重ね、軟鋼製外皮材としてふさわしい
成分系を見出した。
【0009】以下、本発明が対象とする溶接用ワイヤの
軟鋼製外皮材の成分範囲の限定理由を述べる。Mnは脱
酸元素であるとともに鋼を固溶強化し、鋼の強度を高め
る元素であり、加工硬化を低くするためには低い方が望
ましいが、鋼中の不可避不純物であるSと組合せて鋼中
に添加させると、伸線速度をやや落とすものの軟化焼鈍
なしで減面率99%以上で伸線加工が可能になるという
知見を得た。そのためにはMn:0.02%以上0.4
%未満、S:0.002%以上0.025%未満、Mn
/S:10以上とする必要がある。
軟鋼製外皮材の成分範囲の限定理由を述べる。Mnは脱
酸元素であるとともに鋼を固溶強化し、鋼の強度を高め
る元素であり、加工硬化を低くするためには低い方が望
ましいが、鋼中の不可避不純物であるSと組合せて鋼中
に添加させると、伸線速度をやや落とすものの軟化焼鈍
なしで減面率99%以上で伸線加工が可能になるという
知見を得た。そのためにはMn:0.02%以上0.4
%未満、S:0.002%以上0.025%未満、Mn
/S:10以上とする必要がある。
【0010】Mnは0.02%未満ではSと結合させる
のに不足であり、0.4%以上ではMnが多量に固溶す
るため強度が上昇し、伸線加工自体が困難となる。Sは
0.002%未満ではMnと結合してMnSとして固溶
するには不足であり、0.025%以上ではSの絶対量
が多く、鋼中に濃化偏析しやすくなり伸線加工性が劣化
する。
のに不足であり、0.4%以上ではMnが多量に固溶す
るため強度が上昇し、伸線加工自体が困難となる。Sは
0.002%未満ではMnと結合してMnSとして固溶
するには不足であり、0.025%以上ではSの絶対量
が多く、鋼中に濃化偏析しやすくなり伸線加工性が劣化
する。
【0011】次にMn/Sを10以上としたのは、以下
の調査に基づくものである。即ち、図1に、Mnが0.
05〜0.35%、Sが0.006〜0.020%であ
って、Mn/Sの異なる軟鋼製帯鋼(厚さ2.0mm、幅
50mm)を使用して、軟鋼製帯鋼を管状に湾曲成形しな
がらフラックスを充填し、帯鋼の両側縁突合せ部を抵抗
溶接によって突合せ部の隙間を塞いだ。その後フラック
スが管状パイプの中で移動しない程度まで圧延して10
mmφの溶接ワイヤとし、軟化焼鈍を施さないで伸線加工
を行い、縦軸に限界減面率、横軸にMn/Sをとり両者
の関係を調査した。なお、充填フラックスはチタニア系
で充填率は12%、伸線速度は600m/min とした。
の調査に基づくものである。即ち、図1に、Mnが0.
05〜0.35%、Sが0.006〜0.020%であ
って、Mn/Sの異なる軟鋼製帯鋼(厚さ2.0mm、幅
50mm)を使用して、軟鋼製帯鋼を管状に湾曲成形しな
がらフラックスを充填し、帯鋼の両側縁突合せ部を抵抗
溶接によって突合せ部の隙間を塞いだ。その後フラック
スが管状パイプの中で移動しない程度まで圧延して10
mmφの溶接ワイヤとし、軟化焼鈍を施さないで伸線加工
を行い、縦軸に限界減面率、横軸にMn/Sをとり両者
の関係を調査した。なお、充填フラックスはチタニア系
で充填率は12%、伸線速度は600m/min とした。
【0012】図1に示した通り、Mn/Sが10以上で
軟化焼鈍なしに減面率99%以上の伸線加工が可能とな
る。このような傾向を示す理由は明かではないが、鋼中
にMnSが存在すると伸線中に伸線方向にMnSが容易
に延ばされて、加工硬化による転位の増殖をMnSがく
い止めるため、伸線加工時の加工硬化を抑制しているも
のと推測される。
軟化焼鈍なしに減面率99%以上の伸線加工が可能とな
る。このような傾向を示す理由は明かではないが、鋼中
にMnSが存在すると伸線中に伸線方向にMnSが容易
に延ばされて、加工硬化による転位の増殖をMnSがく
い止めるため、伸線加工時の加工硬化を抑制しているも
のと推測される。
【0013】この効果は、Mn/Sが10未満であると
上記のような効果が十分に発揮されず軟化焼鈍なしでは
減面率99%以上の伸線加工が困難である。しかしなが
ら、さらに生産性を高めるためには伸線速度を上げて伸
線加工を行う必要がある。これを解決するためには、M
n、Sに加え酸可溶Alを鋼中に適量添加すと共に、
N、酸素を極力抑える。その適正量は、酸可溶Al:
0.003%以上0.035%未満、N:0.005%
未満、酸素:0.03%未満である。
上記のような効果が十分に発揮されず軟化焼鈍なしでは
減面率99%以上の伸線加工が困難である。しかしなが
ら、さらに生産性を高めるためには伸線速度を上げて伸
線加工を行う必要がある。これを解決するためには、M
n、Sに加え酸可溶Alを鋼中に適量添加すと共に、
N、酸素を極力抑える。その適正量は、酸可溶Al:
0.003%以上0.035%未満、N:0.005%
未満、酸素:0.03%未満である。
【0014】酸可溶Alは鋼中の不可避不純物であるN
を固定しAlNとして鋼中に分散せると、非時効化でき
る。また、鋼中の酸素量を低減し介在物を減少させるこ
とができる。そのためには、0.003%以上添加す
る。酸可溶Alが0.003%未満では鋼中に不可避不
純物として存在するNを固定するのに十分でなく、Nに
よる時効を生じるため鋼の強度が高くなり、伸線速度を
高めて伸線加工を行うことができない。他方、酸可溶A
lが0.035%以上では、鋼の強度が高くなり伸びが
得られず、軟化焼鈍なしに減面率99%以上の伸線加工
を行うことができない。
を固定しAlNとして鋼中に分散せると、非時効化でき
る。また、鋼中の酸素量を低減し介在物を減少させるこ
とができる。そのためには、0.003%以上添加す
る。酸可溶Alが0.003%未満では鋼中に不可避不
純物として存在するNを固定するのに十分でなく、Nに
よる時効を生じるため鋼の強度が高くなり、伸線速度を
高めて伸線加工を行うことができない。他方、酸可溶A
lが0.035%以上では、鋼の強度が高くなり伸びが
得られず、軟化焼鈍なしに減面率99%以上の伸線加工
を行うことができない。
【0015】なお、酸可溶Alとは金属状Alと窒化物
状Al(AlN)として鋼中に含まれるものを言い、こ
の金属状Alと窒化物状Al(AlN)のトータル量が
実質的に軟鋼材の伸びと関係があり、本発明では鋼中の
全Al量とは特に区別するものである。Nは不可避不純
物であり低い方が良いが、酸可溶Alと積極的に結合さ
せてAlNとして鋼中に固定させると鋼の時効を防止で
きる。そのためには、Nを0.005%未満とする。N
が0.005%以上鋼中に含まれると、析出するAlN
の体積分率が大となり結晶粒が微細化しすぎて延性が低
下し、伸線加工性が劣化する。また、溶接金属中のN量
が増加し、衝撃靱性が劣化するので好ましくない。
状Al(AlN)として鋼中に含まれるものを言い、こ
の金属状Alと窒化物状Al(AlN)のトータル量が
実質的に軟鋼材の伸びと関係があり、本発明では鋼中の
全Al量とは特に区別するものである。Nは不可避不純
物であり低い方が良いが、酸可溶Alと積極的に結合さ
せてAlNとして鋼中に固定させると鋼の時効を防止で
きる。そのためには、Nを0.005%未満とする。N
が0.005%以上鋼中に含まれると、析出するAlN
の体積分率が大となり結晶粒が微細化しすぎて延性が低
下し、伸線加工性が劣化する。また、溶接金属中のN量
が増加し、衝撃靱性が劣化するので好ましくない。
【0016】酸素はやはり伸線加工性の観点から低い方
がよく、0.03%未満とした。0.03%以上では酸
素系介在物が多くなり、MnSのような硫化物系のよう
に容易に伸びないため伸線加工性が劣化する。以上の成
分範囲を付加した軟鋼を用いて限界伸線速度を調査し
た。なお、限界伸線速度とは軟化焼鈍なしに減面率99
%以上で伸線できる伸線速度を言う。即ち、表1に示す
成分の全Al、酸可溶Al、N、酸素でMnが0.28
%、Sが0.020%、Mn/Sが14の軟鋼製帯鋼
(厚さ2.0mm、幅50mm)を管状に湾曲成形しながら
フラックスを充填し、帯鋼の両側縁突合せ部を抵抗溶接
によって突合せ部の隙間を塞いだ。その後フラックスが
管状パイプの中で移動しない程度まで圧延して10mmφ
の溶接ワイヤとし、軟化焼鈍を施さないで伸線速度を変
えて1.0mmφまで伸線加工を行った。なお、充填フラ
ックスはチタニア系で充填率は12%とした。表1から
酸可溶Al、N、酸素が本発明の範囲であるNo.1、
No.2、No. 3は本発明以外のNo. 4〜No. 6
にくらべ限界伸線速度が大幅に向上することがわかる。
なお、全Alと酸可溶Alとの差は表1の結果から明か
であり、限界伸線速度の向上には酸可溶Alが関係して
いることがわかる。このようにMn、S、Mn/S、酸
可溶Al、N、酸素を規定すれば、限界伸線速度が向上
し軟化焼鈍をしなくとも減面率99%以上の伸線加工が
可能となった。
がよく、0.03%未満とした。0.03%以上では酸
素系介在物が多くなり、MnSのような硫化物系のよう
に容易に伸びないため伸線加工性が劣化する。以上の成
分範囲を付加した軟鋼を用いて限界伸線速度を調査し
た。なお、限界伸線速度とは軟化焼鈍なしに減面率99
%以上で伸線できる伸線速度を言う。即ち、表1に示す
成分の全Al、酸可溶Al、N、酸素でMnが0.28
%、Sが0.020%、Mn/Sが14の軟鋼製帯鋼
(厚さ2.0mm、幅50mm)を管状に湾曲成形しながら
フラックスを充填し、帯鋼の両側縁突合せ部を抵抗溶接
によって突合せ部の隙間を塞いだ。その後フラックスが
管状パイプの中で移動しない程度まで圧延して10mmφ
の溶接ワイヤとし、軟化焼鈍を施さないで伸線速度を変
えて1.0mmφまで伸線加工を行った。なお、充填フラ
ックスはチタニア系で充填率は12%とした。表1から
酸可溶Al、N、酸素が本発明の範囲であるNo.1、
No.2、No. 3は本発明以外のNo. 4〜No. 6
にくらべ限界伸線速度が大幅に向上することがわかる。
なお、全Alと酸可溶Alとの差は表1の結果から明か
であり、限界伸線速度の向上には酸可溶Alが関係して
いることがわかる。このようにMn、S、Mn/S、酸
可溶Al、N、酸素を規定すれば、限界伸線速度が向上
し軟化焼鈍をしなくとも減面率99%以上の伸線加工が
可能となった。
【0017】
【表1】
【0018】
【実施例】表2、表3(表2のつづき)は10mmφの溶
接ワイヤにおける軟鋼製外皮の化学成分と軟化焼鈍なし
で伸線加工できる限界線径、減面率、限界伸線速度、溶
接金属性能について表したものである。なお、溶接ワイ
ヤの製造方法は表2に示す軟鋼製帯鋼(厚さ2.0mm、
幅50mm)を使用して、軟鋼製帯鋼を管状に湾曲成形し
ながらフラックスを充填し、帯鋼の両側縁突合せ部を抵
抗溶接によって突合せ部の隙間を塞ぎ、その後フラック
スが管状パイプの中で移動しない程度まで圧延し、10
mmφの溶接ワイヤとした。また、充填フラックスはチタ
ニア系とし、フラックス充填率は12%とした。
接ワイヤにおける軟鋼製外皮の化学成分と軟化焼鈍なし
で伸線加工できる限界線径、減面率、限界伸線速度、溶
接金属性能について表したものである。なお、溶接ワイ
ヤの製造方法は表2に示す軟鋼製帯鋼(厚さ2.0mm、
幅50mm)を使用して、軟鋼製帯鋼を管状に湾曲成形し
ながらフラックスを充填し、帯鋼の両側縁突合せ部を抵
抗溶接によって突合せ部の隙間を塞ぎ、その後フラック
スが管状パイプの中で移動しない程度まで圧延し、10
mmφの溶接ワイヤとした。また、充填フラックスはチタ
ニア系とし、フラックス充填率は12%とした。
【0019】なお、限界線径とは軟化焼鈍を施さないで
伸線加工できる最小ワイヤ径(断線前のワイヤ径)であ
り、溶接金属性能はJIS Z 3111の溶着金属の
衝撃試験方法に準拠し、吸収エネルギー値47J未満を
×、47J以上を○とし判定した。記号No. 1〜N
o. 6は本発明の要件を全て満足するものであり、焼鈍
なしで減面率99%以上の伸線加工が可能であり、かつ
高速で伸線加工が可能であった。なおNo. 5は全Al
が多量に含まれるものの、酸可溶Alが本発明の範囲内
であるため良好な結果を示した。
伸線加工できる最小ワイヤ径(断線前のワイヤ径)であ
り、溶接金属性能はJIS Z 3111の溶着金属の
衝撃試験方法に準拠し、吸収エネルギー値47J未満を
×、47J以上を○とし判定した。記号No. 1〜N
o. 6は本発明の要件を全て満足するものであり、焼鈍
なしで減面率99%以上の伸線加工が可能であり、かつ
高速で伸線加工が可能であった。なおNo. 5は全Al
が多量に含まれるものの、酸可溶Alが本発明の範囲内
であるため良好な結果を示した。
【0020】記No. 7〜No. 15は比較例であり、
記号No. 7はMn/Sが低い例、記号No. 8はSが
高い例、記号No.9はSが低い例、記号No. 10は
Mnが高い例、記号No. 11はMnが低い例であり、
減面率、限界伸線速度ともに満足するものではない。記
号No. 12は酸可溶Alが低い例で減面率は99%以
上であるが、伸線速度を落とさなければ伸線加工ができ
ない。記号No. 13は酸可溶Alが高い例であり、記
号No. 12と同様、高速で伸線加工ができない。記号
No. 14はNが高い例で記号No. 12,No. 13
と同様、高速で伸線加工できないばかりか溶接金属の性
能も劣る。
記号No. 7はMn/Sが低い例、記号No. 8はSが
高い例、記号No.9はSが低い例、記号No. 10は
Mnが高い例、記号No. 11はMnが低い例であり、
減面率、限界伸線速度ともに満足するものではない。記
号No. 12は酸可溶Alが低い例で減面率は99%以
上であるが、伸線速度を落とさなければ伸線加工ができ
ない。記号No. 13は酸可溶Alが高い例であり、記
号No. 12と同様、高速で伸線加工ができない。記号
No. 14はNが高い例で記号No. 12,No. 13
と同様、高速で伸線加工できないばかりか溶接金属の性
能も劣る。
【0021】記号No. 15は酸素が高い例で減面率は9
9%以上で伸線加工可能だが、伸線速度を落とさなけれ
ばならない。
9%以上で伸線加工可能だが、伸線速度を落とさなけれ
ばならない。
【0022】
【表2】
【0023】
【表3】
【0024】
【発明の効果】本発明に従い、軟鋼製外皮材中のMn、
S、Mn/S、酸可溶Al、N、酸素を規定すれば、軟
化焼鈍をしなくとも減面率99%以上の伸線加工が高速
で可能となり、溶接ワイヤの生産性を大幅に向上させる
ことができる。
S、Mn/S、酸可溶Al、N、酸素を規定すれば、軟
化焼鈍をしなくとも減面率99%以上の伸線加工が高速
で可能となり、溶接ワイヤの生産性を大幅に向上させる
ことができる。
【図1】図1は軟鋼製外皮材のMn/Sと減面率との関
係を示す図である。
係を示す図である。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−24891(JP,A) 特開 昭62−176697(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B23K 35/40 B23K 35/30
Claims (1)
- 【請求項1】 軟鋼製外皮内にフラックスを充填し、伸
線加工を施して溶接用フラックス入りワイヤを製造する
に当り、軟鋼製外皮材として Mn:0.02%以上0.4%未満、 S:0.002%以上0.025%未満、 Mn/S:10以上(重量比)、 酸可溶Al:0.003%以上0.035%未満、 N:0.005%未満、 酸素:0.03%未満、 を含む軟鋼を使用し、伸線工程において軟化焼鈍を行わ
ないことを特徴とする溶接用フラックス入りワイヤの製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4387991A JP2920431B2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP4387991A JP2920431B2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH04284996A JPH04284996A (ja) | 1992-10-09 |
JP2920431B2 true JP2920431B2 (ja) | 1999-07-19 |
Family
ID=12675991
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP4387991A Expired - Lifetime JP2920431B2 (ja) | 1991-03-08 | 1991-03-08 | 溶接用フラックス入りワイヤの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2920431B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102528317B (zh) * | 2010-12-20 | 2015-03-11 | 昆山京群焊材科技有限公司 | 气电立焊用药芯焊丝 |
CN104759790B (zh) * | 2015-04-20 | 2016-06-29 | 河北工业大学 | 一种表面含铝涂层钢焊丝的制备方法 |
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1991
- 1991-03-08 JP JP4387991A patent/JP2920431B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JPH04284996A (ja) | 1992-10-09 |
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