JP2729529B2 - エレクトロガスアーク溶接用複合ワイヤ - Google Patents

エレクトロガスアーク溶接用複合ワイヤ

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JP2729529B2 JP2204070A JP20407090A JP2729529B2 JP 2729529 B2 JP2729529 B2 JP 2729529B2 JP 2204070 A JP2204070 A JP 2204070A JP 20407090 A JP20407090 A JP 20407090A JP 2729529 B2 JP2729529 B2 JP 2729529B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、溶接金属または熱影響部に対して、低温靱
性、特にCOD特性に優れたエレクトロガスアーク溶接用
複合ワイヤに関するものである。
〔従来の技術〕
現在、エレクトロガスアーク溶接は、溶接の高速度化
や低入熱化が可能であるところから、軟鋼から原油タン
クの側板立継手に代表される様な調質型60kg/mm2級高張
力鋼の溶接にも採用されている。
しかし、−20℃以下の低温状態で使用する溶接構造物
を溶接するに当って、従来のエレクトロガスアーク溶接
用複合ワイヤでは、溶接金属自体および熱影響部の再熱
部の靱性を確保することができず、溶接能率の優秀性に
もかかわらず適用不可とされている。そのため、低温で
の多層盛やX開先継手などの適用には困難とされてい
た。
また、エレクトロガスアーク溶接における溶接金属の
靱性改善手段としては、例えば、特開昭55−48495号公
報に見られる様に、鋼製外皮に囲まれるフラックス中に
CaF2およびNaFを必須とするスラグ剤にMo,Ti,Bを添加し
たワイヤを用いる方法等が提案されているが、十分な方
策とはなっていない。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明は、溶接金属と熱影響部の再熱部の低温靱性を
良好にすることを目的としたもので、溶接金属中の酸素
量を低減し、併せて溶接金属の再加熱に対して、結晶組
織の粗大化を抑えることにより、溶接金属と熱影響部の
再熱部の低温靱性を改善して従来ワイヤの欠点を解消
し、適用分野を拡大することが出来るエレクトロガスア
アーク溶接用複合ワイヤを提供するものである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の要旨とするところは、スラグ生成剤が金属弗
化物のみからなるフラックスを鋼製外皮中に充填して、
複合ワイヤ全重量に対して、金属弗化物:0.7〜1.5%、M
n:0.7〜1.5%、Si:0.15〜0.5%、Mg:0.1〜0.6%、Ti:0.
05〜0.25%、Ni:1.5〜4.5%、B:0.002〜0.02%、鉄粉:1
0〜25%を含有させ、かつMoを実質的に含有しないこと
を特徴とするエレクトロガスアーク溶接用複合ワイヤに
あり、さらに上記複合ワイヤにおいて、充填フラックス
中に複合ワイヤ全重量に対して、Alを0.005〜0.25%含
有してなるエレクトロガスアーク溶接用複合ワイヤにあ
る。
〔作用〕
本発明者は、長年、エレクトロガスアーク溶接の研究
に携わっている者であり、長年にわたりワイヤの試作を
重ね研究した結果、溶接金属および熱影響部の再熱部の
低温靱性を向上させるためには、溶接金属中に存在する
Moは再加熱時にミクロ組織を粗大化する作用があるため
極力添加しないこと、再加熱に対しても粗大化がおこら
ず、ミクロ組織を微細化、均一化するNiを添加するこ
と、また溶接金属中の酸素量が増加するとミクロ組織が
粗大化するため、その酸素源となるスラグ生成剤として
添加する酸化物をすべて除き、スラグ生成剤を金属弗化
物のみとすることの3点が有効であるとの知見が得られ
た。
そこで、3点の知見を組合せ、充填フラックス中から
従来添加しているMoを除き、Niを添加し、スラグ生成剤
を金属弗化物のみにして、実験をくり返したところ、従
来ワイヤには見られなかった溶接金属および熱影響部の
再熱部の低温靱性の優れた複合ワイヤを得ることがで
き、本発明を構成するにに至った。
以下、充填フラックスの成分組成について説明する。
金属弗化物はアーク安定性を高めると共に脱水素作用
によって溶接金属の低温靱性を向上させる作用がある。
これらの作用は金属弗化物で0.7%以上添加することに
より有効に発揮される。しかし、1.5%を超えるとスラ
グの流動性が過大となり、スラグ被包性が悪く、ビード
形状が悪化する。従って0.7〜1.5%の範囲とする。金属
弗化物としては、Na,K,Li,Mg,Ca等のアルカリ金属およ
びアルカリ土類金属の弗化物が一般的に用いられる。
Mnはスラグの流動性を調整し、ビード形状を改善する
と共に溶接金属の脱酸を促進し、かつ溶接継手に適した
強度を与えるために添加される。0.7未満では、必要な
強度が得られない。一方1.5%を超えると強度は向上す
るが逆に靱性を劣化させる。従ってMnの添加量は0.7〜
1.5%とする。なお、Mnは単体で用いられる他、Fe−Mn,
Fe−Si−Mn等の鉄合金の形態でも使用できる。
Siは有効な脱酸剤であると共に、ビード外観、および
溶接作業性を改善するが、0.15%未満では、これらの効
果は得られない。しかし、0.5%を超えると溶接金属中
のSiが過剰となって靱性を劣化させるので好ましくな
い。従ってSiは0.15〜0.5%とする。なお、Siは単体あ
るいは、Fe−Si、Fe−Si−Mn等の鉄合金の形態でも使用
できる。
Mgは強力な脱酸剤である。特に溶接金属中の酸素量を
低減するのには、最良である。添加量が0.1%未満では
その効果が十分得られず、一方、0.6%を超えると溶接
作業性が悪化して、スパッタ発生量が多くなると共に低
温靱性も劣化させる。従ってMgの適正範囲は0.1〜0.6%
とする。Mgは単体もしくはNi−Mg,Ca−Mg,Fe−Mg,Fe−S
i−Mg等のMg合金の形態で添加してもよい。
TiはTi酸化物を形成し、溶接金属のミクロ組織を微細
化し、低温靱性改善に有効であるが、0.05%未満ではこ
の効果が望めないので下限を0.05%とする。また0.25%
を超えると低温靱性を著しく損なうので、上限を0.25%
とする。Tiは金属Tiの他にFe−Ti等の合金として添加し
てもよい。
Bは強力な脱酸性炭化物生成元素であるから、これを
ワイヤに添加することによって溶接金属における結晶粒
は微細化する。また溶接金属の焼入れ性を高める効果が
あり、この様な効果を得るためには、最小限0.002%の
B量が必要で、それ未満では、効果がなく、また多すぎ
ると溶接金属の高温割れが発生し易くなるので、上限を
0.02%とする。B源としてはFe−B,アトマイズB等の合
金として添加することもできる。
Niは溶接金属の靱性を上昇させるのに有効であり、特
に再加熱しても靱性が低下しない利点を有するが、1.5
%未満では効果がなく、また4.5%超であると溶接金属
の高温割れを起こすので、下限を1.5%とし、上限を4.5
%とする。
Alの添加は、TiおよびBの効果を助長する作用がある
が、0.005%未満では効果がなく、逆に0.25%超では溶
接金属を脆化させ靱性を低下させる。従って下限を0.00
5%とし、上限を0.25%とする。尚、Alの添加方法とし
ては単体もしくはAl−Mg,Fe−Al等の合金の形で添加す
ることができる。
また、フラックスの充填率は特に限定されないが、伸
線性を考慮してワイヤ全重量に対して20〜30%の範囲が
最も適当である。
尚、ワイヤの断面形状には何らの制限もなく、2mmφ
以下の細径の場合は比較的単純な円筒状のものが、また
2.4〜3.2mmφ程度の太径ワイヤの場合は鞘材を内部へ複
雑に折り込んだ構造のものが一般的である。また、シー
ムレスワイヤにおいては、表面にCu等メッキ処理を施す
ことも有効である。
〔実施例〕
第1表に示す成分の外皮を用い、第2表に示すフラッ
クス組成にて試作したワイヤを用いて溶接をおこなっ
た。その結果を第3表に示す。
第2表、第3表において、ワイヤ記号No.1〜5は比較
例、No.6〜No.15が本発明になるワイヤの実施例であ
る。
いずれも厚さ0.8mm、幅11.1mmの軟鋼フープを圧延加
工しながらフラックスを充填し、1.6mmφワイヤに仕上
げたワイヤを使用し、下記の条件で溶接して得た溶接金
属の引張特性、衝撃特性、COD特性、X線性能を調べた
ところ第3表の結果が得られた。
溶接条件 溶接電流:380A 溶接電圧:39V 溶接速度:10cm/min シールドガス:CO2,35l/min 開先形状:X型継手(第1図参照) 母材:板厚40mm, 材質:低温用YP42鋼, 積層法:両面1パス 尚、溶接金属の特性は、板厚方向および開先幅方向の
中央部からとり出した試験片を用いて調査した。
第3表の試験結果から明らかな様に、本発明外である
ワイヤは低温靱性が低く、COD値も低く、X線性能が悪
いことが確認された。
これに対して、本発明の実施例のワイヤは低温靱性、
COD値、X線性能が良好なことが確認された。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明のフラックス入りワイヤによれ
ば、溶接金属および熱影響部の再熱部の低温靱性を改善
することができ、その結果、エレクトロガスアーク溶接
用複合ワイヤの欠点を解消し、その用途を大幅に拡大し
得るものであるから、本発明は産業上極めて有用であ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例における開先形状(X型継手)の説明図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 京 広之 神奈川県相模原市淵野辺5―10―1 新 日本製鐵株式會社第2技術研究所内 (56)参考文献 特開 昭49−115951(JP,A) 特開 昭59−189097(JP,A) 特開 昭61−259894(JP,A) 特公 昭59−7559(JP,B2) 特公 昭60−11600(JP,B2) 特公 昭59−6759(JP,B2)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スラグ生成剤が金属弗化物のみからなるフ
    ラックスを鋼製外皮中に充填して、複合ワイヤ全重量に
    対して、 金属弗化物:0.7〜1.5% Mn:0.7〜1.5% Si:0.15〜0.5% Mg:0.1〜0.6% Ti:0.05〜0.25% Ni:1.5〜4.5% B:0.002〜0.02% 鉄粉:10〜25% を含有させ、かつMoを実質的に含有しないことを特徴と
    するエレクトロガスアーク溶接用複合ワイヤ。
  2. 【請求項2】請求項1記載の複合ワイヤにおいて、充填
    フラックス中に複合ワイヤ全重量に対して、Alを0.005
    〜0.25%含有してなるエレクトロガスアーク溶接用複合
    ワイヤ。
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