JP2919844B2 - 摩擦係合装置用アクチュエータの制御装置 - Google Patents

摩擦係合装置用アクチュエータの制御装置

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JP2919844B2
JP2919844B2 JP33126188A JP33126188A JP2919844B2 JP 2919844 B2 JP2919844 B2 JP 2919844B2 JP 33126188 A JP33126188 A JP 33126188A JP 33126188 A JP33126188 A JP 33126188A JP 2919844 B2 JP2919844 B2 JP 2919844B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、摩擦クラッチ、摩擦ブレーキ等の摩擦係合
装置を作動するアクチュエータに係り、特に2個の摩擦
係合装置の相反する動きにより1つの作用を行う、例え
ば前後進切換え装置又は低高速モード切換え装置に用い
て好適なアクチュエータに係り、詳しくはモータ等の駆
動源からの回転力を機械的にスラスト力に変換してなる
摩擦係合装置用アクチュエータに関する。
(ロ) 従来の技術 近時、本出願人は、油圧に起因する諸問題を解消すべ
く、電気モータ等の電気エネルギをトルクに変換するト
ルク発生機構からのトルクを、ボールネジ装置等のトル
ク−スラスト変換機構に伝達し、該トルク−スラスト変
換機構によるスラスト力にて摩擦係合装置を操作する摩
擦係合装置用アクチュエータを提案した(特開昭63−20
3958号公報参照)。
また、本出願人は、前後進切換え装置及び低高速モー
ド切換え装置等の、相反する作動をなす2個の摩擦係合
装置を上述した1個のトルク−スラスト変換機構にて制
御する摩擦係合装置用アクチュエータを案出した(特願
昭62−330482号;未公開)。
該前後進切換え装置用操作装置11aは、第8図に示す
ように、皿ばねからなるばね手段23がその中間部分を支
持部材26にて支持されており、該ばね手段23の先端部が
自然状態においてフォワードクラッチC1を係止状態に付
勢し、かつその基端部がベアリング21及び操作部材6を
介してボールネジ装置9の移動に連動している。
従って、前後進切換え装置用操作装置11aは、電気モ
ータ1に通電していない状態において、ばね手段23の付
勢力によりフォワードクラッチ1Cが係合状態にあり、電
気モータの回転に基づきボールネジ装置9が移動する
と、ばね手段23の基端に作用する操作力に基づきフォワ
ードクラッチC1が解放し、更に電気モータ1が同方向に
回転してボールネジ装置9が更に移動すると、ブレーキ
操作部材4によりリバースブレーキB2が係止する。
また、本出願人は、クラッチ係合用ばね手段23に抗し
かつばね手段より強い付勢力からなる戻し用ばね手段19
(第1図参照)をクラッチ操作部材6に付勢作用した摩
擦係合装置用アクチュエータを提案した(特願昭63−29
1634号;未公開)。
該摩擦係合装置用アクチュエータは、エンジンを始動
していない状態即ち電気モータ1に通電しない状態にお
いて、戻し用スプリング19に基づきフォワードクラッチ
C1が解放状態にあると共に、ブレーキB2も解放状態にあ
り、例え電気系統が故障した状態にてエンジンが始動し
ても、前後進切換え装置3はニュートラル位置にあっ
て、車輌を停止状態に維持する。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 上述エンジン始動時車輌を停止状態に保持する摩擦係
合装置用アクチュエータにおいて、エンジン回転後の作
動状態にあって、中立位置を上述戻しばね手段にて行う
と、該戻しばね手段の荷重のバラツキ、各部の摺動抵抗
のバラツキ等により中立位置にバラツキを生ずる。これ
により、例えばフォワードクラッチC1を接続するに当
り、中立位置から該クラッチ接続点に至るまでに時間が
かかり、制御遅れを生ずることがあると共に、例えばリ
バースブレーキB2にブレーキ用操作部材4が接触してひ
きずりトルクを発生し、ブレーキ(又はクラッチ)の発
熱及び耐久性の低下更には伝達効率の低下を生ずる虞れ
がある。
更に、電気モータ1及びボールネジ装置9による機械
式アクチュエータにあっては、摩擦係合装置の接触圧を
制御するオン・オフ以外の中間段階のきめ細かい制御が
可能であるが、上述したように該制御の基準点となる中
立位置にバラツキがあっては、制御精度を大幅に低下し
てしまう。
そこで、本発明は、中立状態にて、トルク発性機構に
所定トルクを発生し、中立位置を正確に規定することに
より、上述問題点を解消した摩擦係合装置用アクチュエ
ータの制御装置を提供することを目的とするものであ
る。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例
えば第1図を参照して示すと、動力伝達装置(3),
(5)に介在する少なくとも2個の摩擦係合装置(C1,B
2),(C2,B1)を、制御部(C)からの電気信号に基づ
き制御する摩擦係合装置用アクチュエータ(11a),(1
1b)の制御装置(C)であって、電気エネルギをトルク
に変換するトルク発生機構(1)と、該トルク発生機構
にて発生したトルクをスラスト力に変換するトルク−ス
ラスト力変換機構(9),(10)と、該1個のトルク−
スラスト力変換機構の異なる方向のスラスト力をそれぞ
れ前記別個の摩擦係合装置(C1,C2),(C2,B1)に作用
する連結手段(4,6),(8,7)と、該連結手段を中立位
置に付勢する戻し用ばね手段(19),(20)と、前記ト
ルク発生機構(1)への電気エネルギ供給可能な状態に
おいて、前記トルク−スラスト力変換機構(9),(1
0)が前記戻し用ばね手段(19),(20)に抗するスラ
スト力を生じて、予め設定される中立位置基準点(10)
となるように前記トルク発生機構(1)に所定トルクを
発生する中立位置制御手段(E)と、を備え、前記中立
位置基準点(0)からの前記トルク発生機構(1′)に
よるトルクにより前記摩擦係合装置の制御を開始するこ
とを特徴とする。
好ましくは、前記摩擦係合装置用アクチュエータが、
リバースブレーキ(B2)及びフォワードクラッチ(C1)
を有する前後進切換え装置用アクチュエータ(11a)で
あって、前記中立位置基準点(0)は、前記リバースブ
レーキ(B2)を解放し、かつ前記フォワードクラッチ
(C1)の係合開始前の位置である。
また、前記摩擦係合装置用アクチュエータが、ロース
ト&リバースブレーキ(B1)及びハイクラッチ(C2)を
有する低高速モード切換え装置用アクチュエータ(11
b)であって、前記中立位置基準点(0)は、前記ロー
コースト&リバースブレーキ(B1)を解放し、かつ前記
ハイクラッチ(C2)の係合開始前の位置である。
(ホ) 作用 以上構成に基づき、操作装置例えば前後進切換え装置
用操作装置(11a)を中立位置(N)に操作すると、制
御部(C)は中立位置制御手段(E)が所定トルク発生
信号を発し、トルク発生機構(1)は、予め設定された
所定トルク(以下ドラグトルクという)を発生する。す
ると、トルク−スラスト変換機構(9)は、戻し用ばね
手段(19)に抗して所定スラスト力を発生し、この状態
は、例えば第7図に沿って示すと、戻し用ばね手段(1
9)及びクラッチ押圧用ばね手段(23)の両付勢力の差
に基づく操作部材(6)からのスラスト力(M)に抗し
て、前記トラグトルクに基づく所定スラスト力(G)が
作用した状態にあり、この点をアクチュエータ(11a)
の基準点(0)として、トルク発生機構(1)の回転位
置が記憶される。該基準点(0)は、トルク−スラスト
変換機構(9)の可動部(9b)を戻し用ばね手段(19)
に押付けた位置にあり、該可動部(9b)はリバースブレ
ーキ(B2)から所定量離れた位置にあると共に、フォワ
ードクラッチ(C1)の係合開始前の位置にある。従っ
て、ブレーキ(B2)等に引きずりトルクを発生すること
はなく、またクラッチ(C1)への作動遅れが生じること
はない。
そして、トルク発生機構(1)が前記基準点から所定
方向に所定量回転すると、トルク−スラスト変換機構
(9)は戻し用ばね手段(19)に抗してD方向に移動
し、更にクラッチ(C1)の係合開始点(J)を越えて、
クラッチ押圧用ばね手段(23)に基づきクラッチ(C1)
を係合する。その際、該係合作動状態を、前記基準点
(0)からのトルク発生機構(1)の回転数に基づき、
高精度に制御され、係合時のシフトショック等をコント
ロールし得る。
同様に、トルク発生機構(1)を基準位置から反対方
向に回転して、リバースブレーキ(B2)の係合状態
(V)を適宜制御し得る。
なお、上述作用の説明は、前後進切換え装置用操作装
置(11a)について説明したが、低高速モード切換え装
置用操作装置(11b)についても同様であり、更に他の
摩擦係合装置用アクチュエータにも同様に適用し得るこ
とは勿論である。
また、カッコ内の符号は、図面と対照するものであ
り、何等構成を限定するものではなく、また同じ符号で
あっても、特許請求の範囲に対応して上位概念で述べて
ある関係上、以下に示す実施例のものとは名称の異なる
ものもある。
(ヘ) 実施例 以下、図面に沿って本発明を車輌用自動無段変速機に
適用した実施例について説明する。
まず、第3図に沿って、本自動無段変速機の概略を説
明するに、本自動無段変換機Aは、ベルト式無段変速装
置31、シングルプラネタリギヤ機構40、トランスファー
装置80、減速ギヤ装置71等とからなる出力部材70、及び
デュアルプラネタリギヤ機構からなる前後進切換え装置
3、更に流体継手101、遠心式ロックアップクラッチ102
及びスリップクラッチ103からなる発進装置100を備えて
いる。
そして、プラネタリギヤ機構40は、そのリングギヤ40
Rが無段変速装置31のセカンダリシャフト33に連動し、
かつキャリヤ40Cが出力部材70に連動し、そしてサンギ
ヤ40Sがトランスファー装置80を介して係止手段を構成
するローワンウェイクラッチF及びローコースト&リバ
ースブレーキB1に連結していると共に、ハイクラッチC2
を介して入力軸60に連結している。
また、デュアルプラネタリギヤ機構3は、そのサンギ
ヤ3Sが入力軸60に連結し、かつキャリヤ3Cが無段変速装
置31のプライマリシャフト32に連結すると共にフォワー
ドクラッチC1を介して入力軸60に連結し、またリングギ
ヤ3RがリバースブレーキB2に連結している。
以上構成に基づき、本自動無段変速機Aにおける各ク
ラッチ、ブレーキ及びワンウェイクラッチは、各ポジシ
ョンにおいて第4図に示すように作動する。なお、※は
ロックアップクラッチ102が遠心力により適宜作動し得
ることを示す。
詳述すると、Dレンジにおける低速モードLにおい
て、フォワードクラッチC1が接続している外、ローワン
ウェイクラッチFが作動する。この状態では、エンジン
クランク軸の回転は、ロックアップクラッチ102及びス
リップクラッチ103を介して又は流体継手101を介して入
力軸60に伝達され、更にデュアルプラネタリギヤ装置3
のサンギヤ3Sに直接伝達されると共にフォワードクラッ
チC1を介してキャリヤ3Cに伝達される。従って、該デュ
アルプラネタリギヤ機構3は入力軸60と一体に回転し、
正回転をベルト式無段変速装置31のプライマリシャフト
32に伝達し、更に該無段変速装置31にて適宜変速された
回転がセカンダリシャフト33からシングルプラネタリギ
ヤ装置40のリングギヤ40Rに伝達される。一方、この状
態では、反力を受ける反力支持要素であるサンギヤ40S
はトランスファー装置80を介してローワンウェイクラッ
チFにて停止されており、従ってリングギヤ40Rの回転
は減速回転としてキャリヤ40Cから取出され、更に減速
ギヤ装置71等を介してアクスル軸73に伝達される。
また、Dレンジにおける高速モードHにおいては、フ
ォワードクラッチC1の外、ハイクラッチC2が接続する。
この状態では、前述同様にい無段変速装置31にて適宜変
速された正回転がセカンダリシャフト33から取出されて
シングルプラネタリギヤ装置40のリングギヤ40Rに入力
される。一方、同時に、入力軸60の回転がハイクラッチ
C2及びトランスファー装置80を介してシングルプラネタ
リギヤ機構40のサンギヤ40Sに伝達され、これにより該
プラネタリギヤ機構40にてリングギヤ40Rとサンギヤ40S
とのトルクが合成されてキャリヤ40Cから出力される。
なおこの際、サンギヤ40Sにはトランスファー装置80を
介して反力に抗する回転が伝達されるので、トルク循環
が生じることなく、所定のプラストルクがトランスファ
ー装置80を介して伝達される。そして、該合成されたキ
ャリヤ40Cからのトルクは減速ギヤ装置71等を介してア
クスル軸73に伝達される。
なお、Dレンジにおける作動では、ワンウェイクラッ
チFに基づき逆トルク作用時(エンジンブレーキ時)は
フリーとなるが、Sレンジにおいては、ローワンウェイ
クラッチFに加えてローコースト&リバースブレーキB1
が作動し、逆トルク作用時も動力伝達する。
また、Rレンジにおいてはローコースト&リバースブ
レーキB1と共にリバースブレーキB2が作動する。この状
態では、入力軸60の回転は、デュアルプラネタリギヤ機
構3にてリングギヤ3Rが固定されることに基づきキャリ
ヤ3Cから逆回転としてベルト式無段変速装置31に入力さ
れる。一方、ローコースト&リバースブレーキB1の作動
に基づきシングルプラネタリギヤ装置40のサンギヤ40S
が固定されており、従って無段変速装置31からの逆回転
はプラネタリギヤ機構40にて減速され、出力部材70に取
出される。
ついで、本発明を具体化した実施例を第2図に沿って
説明する。
本無段変速機Aは、3分割からトランスミッションケ
ース49を有しており、該ケース49に入力軸60及び無段変
速装置31のプライマリシャフト32が同軸上に回転自在に
支持されて第1軸を構成していると共に、無段変速装置
31のセカンダリシャフト33とギヤ軸70aが同軸上に回転
自在に支持されて第2軸を構成している。更に、第1軸
上には発進装置100と、フォワードクラッチC1、ハイク
ラッチC2、ローコースト&リバースブレーキB1、リバー
スブレーキB2、ローワンウェイクラッチFからなる操作
部50と、前後進切換え装置を構成するデュアルプラネタ
リギヤ機構3と、オイルポンプ61が配設されており、ま
た第2軸上にはシングルプラネタリギヤ機構40が配設さ
れている。
発進装置100は、流体継手101、遠心クラッチからなる
ロックアップクラッチ102及びスリップクラッチ103を有
している。そして、スリップクラッチ103は負荷トルク
に対応した軸力を発生するカム機構105を有しており、
該カム機構105はスリップクラッチ103のクラッチプレー
ト及びディスクに押圧・作用し、該スリップクラッチ10
3のトルク容量を負荷トルクの増大に対応して増大す
る。
また、入力軸60のエンジン側にはケース49から突出部
49aが突出しており、該突出部49aにはトランスファー装
置80の入力スプロケット81がベアリングを介して支持さ
れている。更に、該スプロケット81のハブ部81aはワン
ウェイクラッチFを介して前記ケース突出部49aに連結
しており、かつ該スプロケット81から外径方向に向けて
延設されているフランジにはその内周面に多板クラッチ
からなるハイクラッチC2を介して入力軸60が連結されて
いると共に、その外周面とケース49との間に多板ブレー
キからなるローコースト&リバースブレーキB1が介設さ
れている。
また、入力軸60の先端部分にデュアルプラネタリギヤ
機構3のサンギヤ3S(第3図参照)がスプライン結合さ
れていると共に、フランジが外径方向に延設されてい
る。また、入力軸60の先端はベルト式無段変速装置31の
プライマリシャフト32をブッシュを介して被嵌、整列し
ており、かつ該シャフト32にキャリヤ3Cがスプライン結
合されている。更に、該キャリヤ3Cには第1ピニオン3P
1及び第2ピニオン3P2が支持されると共に、連結部材6,
7が外径方向に延設されており、該連結部材6,7の内径側
と前記入力軸60からのフランジ60a(第1図)の外径側
との間には多板クラッチからなるフォワードクラッチC1
が介設されている。また、リングギヤ3Rを固定している
支持部材の外周側とケース49との間に多板ブレーキから
なるリバースブレーキB2が介設されている。そして、前
記操作部50における前記ローコースト&リバースブレー
キB1及びハイクラッチC2と、リバースブレーキB2及びフ
ォワードクラッチC1との間部分には摩擦係合装置用アク
チュエータユニット11が配設されている。
そして、該摩擦係合装置用アクチュエータユニット11
は、第1図に示すように、前後進切換え装置用アクチュ
エータ11aと、低高速モード切換え装置用アクチュエー
タ11bとからなり、各アクチュエータ11a,11bは周方向に
所定間隔離れて前後進切換え装置用モータ1及び低高速
モード切換え装置用モータ(図示せず)を有している。
これらモータは整流子モータ、ステップモータ等の回転
磁界モータ、サーボモータ及び超音波モータ等の電気モ
ータからなり、かつモータの所定回転位置に保持し得る
ように電磁ブレーキ等の保持手段が設置されており、更
に前記モータ1は制御部Cから発せられる制御信号に基
づき回転・停止するように構成されている。
更に、前記進切換え装置用アクチュエータ11aと低高
速モード切換え装置用アクチュエータ11bはそれぞれク
ラッチC1,C2操作用の連結部材6,7が背中合せになるよう
に並んで配設されており、かつそれぞれ雌ネジ部9a,10a
及び雄ネジ部9b,10bを有するボールネジ装置9,10を備え
ている。そして、これら両ボールネジ装置9,10の雌ネジ
部9a,10aはケース49に回転及び軸方向移動不能に保持さ
れており、またその中間部分には中央部にてスナップリ
ング59により軸方向移動を阻止された多数の皿ばね19,2
0が左右に延びて配設されている。そして、左方即ち前
後進切換え装置側の皿ばね19の先端にはクラッチC1用の
連結部材6が当接しており、また右方即ち低高速モード
切換え装置側の皿ばね20の先端にはクラッチC2用の連結
部材7が当接している。更に、これら連結部材6,7の内
径側端はボールベアリング21,22に連結されており、こ
れらベアリングはニードルベアリングを介して入力軸60
に回転自在に支持されていると共に、それぞれクラッチ
作動用の皿ばね23,24に当接している。また、該皿ばね2
3,24はそれぞれ支持部材26,27の支端部にてその中間部
が支持されており、連結部材6,7から力が作用しない自
然状態において、前後進切換え装置側の皿ばね23はフォ
ワードクラッチ1Cを接続するように付勢しており、かつ
低高速モード切換え装置側の皿ばね24はハイクラッチC2
を接続するように付勢している。なお、これら皿ばね2
3,24により前記連結部材6,7の外径側に位置している戻
し用皿ばね19,20の付勢力が大きくなるように設定され
ており、従ってボールネジ装置の雄ネジ部9b,10bから戻
し用皿ばね19,20にスラスト力が作用していない無負荷
状態(ホームポジション)にあっては、戻し用皿ばね1
9,20が係合用皿ばね23,24に打勝って、フォワードクラ
ッチC1及びハイクラッチC2は解放状態に保持される。
一方、前記ボールネジ装置9,10の可動部となる雄ネジ
部9b,10bにはそれぞれ前記ギヤ15dに噛合するギヤ28,29
が固定されており、またその内径側にボールベアリング
30,34を介して連結部材4,8が連結されている。そして、
これら連結部材4,8はそれぞれローコースト&リバース
ブレーキB2、リバースブレーキB1に向けて軸に平行に延
びる突出部4a,8aを有しており、これら突出部4a,8aは雄
ネジ部12,13の軸方向移動に基づき、それぞれブレーキB
2,B1の皿ばね14,18に接触して該ブレーキを係止し得
る。即ち、連結部材4はその一方向の軸方向移動により
前記フォワードクラッチC1を係合し、かつ他方向の軸方
向移動により前記リバースブレーキB2を係合し、また連
結部材8はその一方向の軸方向移動によりハイクラッチ
C2を係合し、かつ他方向の軸方向移動により前記ローコ
ースト&リバースブレーキB1を係合する。
また、電気モータのホームポジションにあっては、雄
ネジ部9b,10bは戻し用皿ばね19,20が戻り位置になると
共に連結部材4,8の突出部4a,8aがブレーキ操作用皿ばね
14,18に当接しない位置にあり、従って前後進切換え装
置3は、フォワードクラッチC1及びリバースブレーキB2
が共に解放状態にあるニュートラル位置Nにあり、また
低高速モード切換え装置5は、ハイクラッチC2及びロー
コースト&リバースブレーキB1が共に解放状態にあっ
て、ローワンウェイクラッチFが作動する低速モード位
置Lにある。また、前記電気モータ1には該モータを所
定位置に保持する電磁ブレーキが付設されており、これ
ら電磁ブレーキは電流がオフされるとブレーキを解放
し、かつ電流がオンされるとブレーキを作動するように
設定されている。
一方、無段変速装置31は、第2図に示すように、プラ
イマリプーリ35、セカンダリプーリ36及びこれら両プー
リに巻掛けられたベルト37からなり、かつ両プーリはそ
れぞれ固定シーブ35a,36a及び可動シーブ35b,36bからな
る。また、ベルト37は金属製の多数の駒を有してなり、
これら駒がプライマリ及びセカンダリの両プーリ35,36
に潤滑状態にて接触してトルク伝達される。また、調圧
カム機構39は、前記プライマリシャフト32にスプライン
結合しかつフランジ部にて軸方向移動を規制されている
固定側カム部39aと、固定シーブ35aにスプライン結合し
ていると共に皿ばねを介して圧接している可動側カム部
39bと、両カム部に介在するローラとからなり、伝達ト
ルクに対応した軸力を固定シーブ35bに付与する。そし
て、固定シーブ35aのボス部は可動シーブ35b側に延びて
おり、その内周面がプライマリシャフト32に嵌合してい
ると共に、その外周面には複数列のボールスプライン機
構(リニアボールベアリング)66を介して可動シーブ35
bのボス部が軸方向のみ移動自在に支持されている。即
ち、可動シーブ35bは固定シーブボス部にボールのみを
介して摺動摩擦抵抗を受けることなく嵌合している。ま
た、可動シーブ35bの背部にはボールネジ装置42が配設
されており、該ボールネジ装置42は雄ネジ部及び雌ネジ
部及びボールからなり、かつボールがリターン通路にて
循環されるサーキュレットタイプからなる。なお、図中
50は調節部材である。
また、該ボールネジ装置42の雌ネジ部には自動調芯機
構62が固定されている。皿に、プライマリシャフト32の
先端部にはフランジ部67がネジ結合により固定されてお
り、該フランジ部には自動調芯機構53が連結されてい
る。一方、センカダリプーリ36はその固定シーブ36aが
セカンダリシャフト33と一体にケース49に回転自在に支
持されており、更に該可動シーブ36bの背面にはプライ
マリ側と同様にボールネジ装置43等が配設されている。
そして、ケース49の外部において変速操作用の電気モ
ータ45が固定されており、かつ該電気モータ45は、前述
した操作部50における電気モータと同様に、該モータの
非通電時に所定位置にホールドし得る電極ブレーキ145
を有している。そして、該モータ45の出力歯車は減速装
置143を介して、前述した両ボールネジ装置を連動する
トルク伝達装置63に動力伝達している。
また、シングルプラネタリギヤ機構40は第2軸を構成
するギヤ軸70a上に配設されており、そのリングギヤ40R
がベルト式無段変速装置31のセカンダリシャフト33のフ
ランジ部46に連結されている。また、ギヤ軸70aにはサ
ンギヤ40Sと一体にスプロケット82が回転自在に支持さ
れており、更に該ギヤ軸70aと、ピニオン40Pを回転自在
に支持しているキャリヤ40Cが固定されている。更に、
前記第2軸上のサンギヤ40Sと一体のスプロケット82と
前記ローワンウェイクラッチFにて支持されているスプ
ロケット81との間にはサイレントチェーン83が巻掛けら
れており、これらスプロケット及びチェーンにてトラン
スファー装置80を構成している。また、前記ギヤ軸70a
はギヤ71aを一体に構成して出力部材70を構成してお
り、かつギヤ71aは中間軸72に固定されているギヤ71cと
噛合している。更に、中間軸72には小ギヤ71dが形成さ
れており、かつ該ギヤ71dは差動歯車装置75に固定され
ているリングギヤ75aと噛合して、減速装置71を構成し
ている。また、差動装置75から左右フロントアクスル軸
73が延びている。
ついで、前後進切換え装置3、低高速モード切換え装
置5及びベルト式無段変速装置31操作用制御装置につい
て説明するに、第1図において、前後進切換え装置3用
アクチュエータ11aにあっては電気モータ1が図示され
ているのに対し、低高速モード切換え装置5用アクチュ
エータ11bには電気モータが図示されていないが、該低
高速モード切換え装置用モータについて符号2を付して
説明する。
電気制御部Cは、各モータ1,2,45からの回転信号、ス
ロットル開度、プライマリ回転数、セカンダリ回転数及
びシフトポジション等からの各信号が入力され、現在の
ベルト比(ベルト式無段変速装置31のトルク比)及びシ
ステム比(無段変速機A全体のトルク比)が算出され、
そして目標ベルト比及びシステム比が算出され、また加
速要求及び最良燃費特性又は最大動力特性に基づき判断
され、そして前後進切換え装置用モータ1、低高速モー
ド切換え装置用モータ2及び変速操作用モータ45に所定
指令信号が発せられる。また、制御部Cは、中立位置制
御手段E(第1図参照)を有しており、該中立位置制御
手段は、中立指令状態において、前後進切換え装置用モ
ータ1及び低高速モード切換え装置用モータ2に所定方
向のドラクトルク発生信号を発する。これにより、これ
らモータ1,2は、所定ドラグトルクを発生し、ボールネ
ジ装置9,10の雄ネジ部9b,10bを戻し用皿ばね19,20に抗
して所定スラスト力にて押付ける。そして、該所定トラ
グトルク状態の電気モータ1,2の回転角がエンコーダに
て検知され、該回転角が、前後進切換え装置用アクチュ
エータ11a及び低高速モード切換え装置用アクチュエー
タ11bの中立位置基準点0として格納される。
ついで、本実施例の作用を説明する。
操作部50において、エンジン停止時、即ちイグニッシ
ョンスイッチがオフ位置にあって電気モータ1,2が非通
電状態にある場合、電磁ブレーキは解放状態にあって、
ボールネジ装置9,10の雌ネジ部9a,10aが皿ばね19,14並
びに20,18にスラスト力を作用させない状態にある。従
って、前後進切換え装置3はニュートラル位置にあり、
この状態にあっては、戻し用皿ばね19の付勢力が作動用
皿ばね23の付勢力に打勝って、フォワードクラッチC1は
解放状態にあると共に、連結部材4の突出部4aは皿ばね
14に当接せず、リバースブレーキB2も解放状態にある。
また、低高速モード切換え装置5は、同様に、戻し用皿
ばね20の付勢力が作動用皿ばね24の付勢力に打勝って、
ハイクラッチC1は解放状態にあると共に、連結部材8は
その突出部8aを皿ばね18に当接せず、ローコースト&リ
バースブレーキB1は解放状態にあり、ローワンウェイク
ラッチFのみが作動状態にあるDレンジの低速モードL
状態にある。
この状態でエンジンを始動すると、センモータにより
エンジンが回転すると共に、制御部Cが作動状態とな
る、 即ち、第5図に示すように、制御部Cに、プライマリ
プーリ回転センサ等の各センサ及びシフトポジジョンセ
ンサ等の信号が読み込まれ(F1)、また後述する前後進
切換え装置用電気モータ1及び低高速モード切換え装置
用電気モータ2のイニシャル処理がなされ(F2)、更に
実際のベルト比及びシステム比が算出される(F3,F
4)。そして、目標システム比の上限下限等が算出され
(F6)、低高速モード切換え装置を高速Hモード又は低
速Lモードの選択判断がなされ(F7)、また無段変速装
置31の変速用アクチュエータ(電気モータ45)の変速制
御がなされる(F8)。更に、後に第6図に沿って説明す
る低高速モード切換え装置用モータ(M2)のイニシャル
処理が完了しているか否かが判断され(F9)、YESの場
合、前後進切換え装置用モータ1(以下前進用モータM1
と表記する)の制御がなされ(F10)、更に低高速モー
ド切換え装置用モータ2(以下L/H用モータM2と表記す
る)の制御がなされる(F11)。
ついで、第6図に沿って、前後進切換え装置用モータ
M1及びL/H用モータM2のイニシャル処理について説明す
る。
イグニッション(IG)スイッチがオンすると(F1
5)、まずL/H用モータM2のイニシャル処理完了フラグB
が1か否か制御され(F16)、更に前後進用モータM1の
イニシャル処理完了フラグAが1か否か判断される(F1
7)。そして、両イニシャル処理が完了していない場
合、まず、前後進用モータM1をフォワードクラッチC1方
向即ち戻し用皿ばね19に抗する方向に所定ドラグトルク
値αのトルク指令を一定時間(γ)出力する(F18,F19,
F20)。そして、一定時間経過すると(F19)、前後進用
モータM1は停止され(F21)、該処理終了時の該モータM
1の回転位置カウンターを0クリアして、該位置を、前
記進切換え装置用アクチュエータ11aの中立位置基準点
0(第7図参照)とする(F22)。ついで、L/H用モータ
M2をハイクラッチC2方向即ち戻し用皿ばね20に抗する方
向に所定ドラグトルク値βのトルク指令を一定時間
(δ)出力する(F22,F23,F24)。そして、一定時間経
過すると(F23)、L/H用モータM2は停止され(F25)、
該処理終了時の該モータM2の回転位置カウンターを0ク
リアして、該位置を、低高速モード切換え装置用アクチ
ュエータ11bの中立位置基準点とする(F26)。以降、前
後進用モータM1及びL/H用モータM2は、上述所定トラグ
トルクα,βに基づく中立位置を基準点として、所定回
転角に基づくクラッチ又はブレーキのオン・オフ制御及
び中間段階でのスリップ制御が行われる。
例えば、第7図に沿って、前後進切換え装置用アクチ
ュエータ11aについて説明すると、シフトレバーがNレ
ンジにある場合、中立位置制御手段Eからの信号に基づ
き電気モータ1は所定ドラグトルク状態にあり、トルク
伝達装置15を介してボールネジ装置9の雄ネジ部9bを戻
し用皿ばね19に抗して所定スラスト力Gを発生する。こ
の状態が、戻し用皿ばね19とクラッチ係合用皿ばね23の
差に基づくスラスト力Mに抗した基準点0となる。そし
て、シフトレバーをD(又はS)レンジに操作し、該操
作に基づく制御部Cの信号により前後進切換え装置用電
気モータ1を中立位置基準点0から一方向に回転する
と、トルク伝達装置15を介してボールネジ装置9の雄ネ
ジ部9bが回転し、該雄ネジ部9bは固定状態にある雌ネジ
部9aに螺合して第1図において右方向に移動し、これに
より該雄ネジ部9bは(他方の連結部材4を介して)一方
の連結部材6を戻し用皿ばね19と作動用皿ばね23の差M
に抗して、連結部材6を右方向に移動する。そして、所
定位置に達すると、作動用皿ばね23がフォワードクラッ
チC1に作用し始め(J)、その後は作動用皿ばね23は該
クラッチC1の係合力を付与する(Q)。この際、制御部
Cからの信号により、電気モータ1を前記基準点0から
の回転角に基づき適宜制御して、フォワードクラッチC1
の係合力Qをスリップ制御し、シフトショックを生ずる
ことなく滑らかに係合する。皿に、雄ねじ部9bが一方向
に移動すると、クラッチC1は完全に係合し、戻し用皿ば
ね19の所定特性Tに抗するオーバシュート状態となる。
そして、Dレンジ(及びSレンジ)にあっては、電気モ
ータ1は該フォワードクラッチC1の係合状態にて電磁ブ
レーキがオンして該状態に保持される。
また、シフトレバーをリバース(R)レンジに操作す
ると、該操作に基づく制御部Cの信号により前後進切換
え装置用電気モータ1は所定ドラグトルク状態のニュー
トラル位置Nの基準点0から他方向に回転し、ボールネ
ジ装置9の雄ネジ部9bが第1図左方向に移動して、連結
部材4の突出部4aがリバースブレーキB2の皿ばね14に当
接してまずウェーブ部を圧縮し(U)、そして連結部材
4は更に移動し、リバースブレーキB2を係合作動する
(V)。この際も前述した前進時と同様に、基準点0か
らの回転角に基づき電気モータ1が適宜制御され、リバ
ースブレーキB2はスリップ制御を経て係合状態に制御さ
れ、シフトショックを伴うことなく滑らかにシフトされ
る。
一方、シフトレバーがDレンジにあり、かつ車輌が低
速状態にある場合、低高速モード切換え装置用電気モー
タ2は、前述と同様に所定トラグトルクを発生し、ボー
ルネジ装置10の雄ネジ部10bが戻し用皿ばね20に抗して
所定スラスト力を発生した中立位置の基準点にある。こ
の状態にあっては、ハイクラッチC2及びローコースト&
リバースブレーキB1は共に解放状態にあり、ローワンウ
ェイクラッチFのみが作動状態にある。そして、車輌が
所定高速状態になると、制御部Cの信号により電気モー
タ2は基準点から一方向に回動して、ボールネジ装置10
の雄ネジ部10bを(他方の連結部材8を介して)一方の
連結部材7に当接し、戻し用皿ばね20と作動用皿ばね24
との差に抗して該連結部材7を第1図左方向に移動す
る。すると、作動用皿ばね24がハイクラッチC2に対して
作用し、該クラッチC2を係合する。該クラッチC2が完全
に係合した状態にて、電磁ブレーキがオンして電気モー
タ2を該位置に保持して、入力軸60の回転がベルト式無
段変速装置31及びトランスファー装置80にて出力部材70
に伝達される高速モードHとなる。なお、車輌が低速状
態又は加速状態になると、電気モータ2は電磁クラッチ
がオフして解放されると共に逆回転して中立位置基準点
に戻る。
また、シフトレバーをRレンジ(又はSレンジ)に操
作した場合、低高速切換え装置用電気モータ2は中立位
置基準点から他方向に回転し、雄ネジ部10bを第1図右
方向に移動して、連結部材8の突出部8aをローコースト
&リバースブレーキB1の皿ばね18に当接し、該ブレーキ
B1を係止作動する。そして、該ブレーキB1が完全に係止
した状態にて電磁ブレーキをオンして電気モータ2を保
持する。
また、シフトレバーがSレンジ状態にあり、かつ車輌
が所定高速状態になると、電気モータ2は、電磁ブレー
キを解放すると共に逆方向に回転し、ローコースト&リ
バースブレーキB1を解放し、更にハイクラッチC1を係合
する。この際も、前述と同様に、電気モータ2は基準点
からの回転角に基づききめ細かく制御され、ローコース
ト&リバースブレーキB1がスリップ制御を経て滑らかに
制御され、更にハイクラッチC2がスリップ制御されてシ
フトショックを伴うことなく滑らかに係合する。
また、本実施例は、流体継手101、ベルト式無段変速
装置7、デュアルプラネタリギヤ機構からなる前後進切
換え装置3、及び低高速モード切換え装置を組合わせた
自動無段変速機Aに本発明を適用したものについて説明
したが、これに限らず、流体トルクコンバータ、前後進
切換え装置及びベルト式無段変速装置を組合せた無段変
速機における前後進切換え装置にも同様に適用できるこ
とは勿論であり、更に他の変速機等における摩擦係合装
置用アクチュエータにも適用し得る。
(ト) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、戻し用ばね手
段(19),(20)に抗してトルク−スラスト変換機構
(9),(10)が所定スラスト力を生じて、予め設定さ
れる中立位置基準点(0)となるようにトルク発生機構
(1),(2)に所定トルクを発生する中立位置制御手
段(E)を設けたので、トルク−スラスト変換機構
(9),(10)の可動部(9b),(10b)を中立位置基
準点に安定保持することができ、中立位置においてブレ
ーキ又はクラッチに引きずりトルクを生ずることを確実
に防止し、摩擦係合装置の発熱を防止して耐久性を向上
すると共に、伝達効率の低下をも防止でき、更に制御遅
れのない安定した制御を行うことができる。
また、前記所定トルクに基づく中立位置を基準点とし
てトルク発生機構(1),(2)の回転位置を制御する
ので、常に安定した制御位置による精度の高いアクチュ
エータ制御を行うことができ、摩擦係合装置のスリップ
制御を含むきめ細かい制御が可能となり、シフトショッ
クを減少した滑らかなシフト操作を行うことができる。
また、リバースブレーキ(B2)及びフォワードクラッ
チ(C1)を有する前後進切換え装置用アクチュエータ
(11a)に適用すると、フォワードクラッチ(C1)の係
合開始前の位置を中立位置基準点(0)として、使用頻
度の高いフォワードクラッチ(C1)の操作を素早く行う
ことができる。
また、ローコースト&リバースブレーキ(B1)及びハ
イクラッチ(C2)を有する低高速モード切換え装置に適
用すると、ハイクラッチ(C2)の係合開始前の位置を中
立位置基準点(0)として、使用頻度の高いハイクラッ
チ(C2)の操作を素早く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る摩擦係合装置用アクチュエータを
示す断面図、第2図は該摩擦係合装置用アクチュエータ
を適用した自動無段変速機を示す全体断面図、第3図は
該自動変速機の概略を示す概略図、第4図はその各ポジ
ションにおける各要素の作動を示す図、第5図は無段変
速機のメイン処理を示すフロー図、第6図は前後進切換
え装置用及び低高速モード切換え装置用の電気モータの
イニシャル処理を示すフロー図である。また、第7図は
前後進切換え装置におけるアクチュエータストロークと
発生スラスト力の関係を示す図である。そして、第8図
は本出願人が既に提案(未公開)した摩擦係合装置用ア
クチュエータを示す断面図である。 1(2)……トルク発生機構(電気モータ)、3……動
力伝達装置(前後進切換え装置)、5……動力伝達装置
(低高速モード切換え装置)、4,6,8,7……連結手段
(連結部材)、9,10……トルク−スラスト力変換機構
(ボールネジ装置)、9b,10b……可動部(雄ネジ部)、
15……トルク伝達装置、19,20……戻しばね手段(皿ば
ね)、B2,C1……摩擦係合装置(リバースブレーキ,フ
ォワードクラッチ)、B1,C2……摩擦係合装置(ローコ
ースト&リバースブレーキ、ハイクラッチ)、C……制
御部、E……中立位置制御手段。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−245224(JP,A) 実開 昭62−40349(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F16H 61/26 - 63/38

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】動力伝達装置に介在する少なくとも2個の
    摩擦係合装置を、制御部からの電気信号に基づき制御す
    る摩擦係合装置用アクチュエータの制御装置であって、 電気エネルギをトルクに変換するトルク発生機構と、 該トルク発生機構にて発生したトルクをスラスト力に変
    換するトルク−スラスト力変換機構と、 該トルク−スラスト力変換機構の異なる方向のスラスト
    力をそれぞれ前記別個の摩擦係合装置に作用する連結手
    段と、 該連結手段を中立位置に付勢する戻し用ばね手段と、 前記トルク発生機構への電気エネルギ供給可能な状態に
    おいて、前記トルク−スラスト力変換機構が前記戻し用
    ばね手段に抗するスラスト力を生じて、予め設定される
    中立位置基準点となるように前記トルク発生機構に所定
    トルクを発生する中立位置制御手段と、を備え、 前記中立位置基準点からの前記トルク発生機構によるト
    ルクにより前記摩擦係合装置の制御を開始する、 ことを特徴とする摩擦係合装置用アクチュエータの制御
    装置。
  2. 【請求項2】前記摩擦係合装置用アクチュエータが、リ
    バースブレーキ及びフォワードクラッチを有する前後進
    切換え装置用アクチュエータであって、 前記中立位置基準点は、前記リバースブレーキを解放
    し、かつ前記フォワードクラッチの係合開始前の位置で
    ある、 請求項1記載の摩擦係合装置用アクチュエータの制御装
    置。
  3. 【請求項3】前記摩擦係合装置用アクチュエータが、ロ
    ーコースト&リバースブレーキ及びハイクラッチを有す
    る低高速モード切換え装置用アクチュエータであって、 前記中立位置基準点は、前記ローコースト&リバースブ
    レーキを解放し、かつ前記ハイクラッチの係合開始前の
    位置である、 請求項1記載の摩擦係合装置用アクチュエータの制御装
    置。
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