JP3036761B2 - 自動変速機 - Google Patents

自動変速機

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JP3036761B2
JP3036761B2 JP1260920A JP26092089A JP3036761B2 JP 3036761 B2 JP3036761 B2 JP 3036761B2 JP 1260920 A JP1260920 A JP 1260920A JP 26092089 A JP26092089 A JP 26092089A JP 3036761 B2 JP3036761 B2 JP 3036761B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ) 産業上の利用分野 本発明は、自動変速機、特に自動車に搭載される自動
無段変速機に用いて好適な前後進切換え用摩擦係合操作
装置に係り、詳しくは油圧アクチュエータにて操作され
る前進用摩擦クラッチを有する自動変速機に関する。
(ロ) 従来の技術 近時、本出願人は、特開昭63−158353号公報に示すよ
うに、ベルト式無段変速装置(CVT)、低高速モード切
換え装置及び前後進切換え装置を組合せてなる自動無段
変速機を提案した。
上記前後進切換え装置は、デュアルプラネタリギヤを
備えており、そのサンギヤを入力軸に、キャリヤをベル
ト無段変速装置のプライマリシャフトにそれぞれ連結
し、かつ入力軸とキャリヤとの間にフォワードクラッチ
を介在し、またリングギヤにリバースブレーキを連結し
てなる。
そして、前記フォワードクラッチは、入力軸に連結さ
れたドラム部材と、キャリヤに連結されたハブ部材との
間に多数の摩擦板を介在してなり、かつ前記ドラム部材
をシリンダとしてピストンが嵌合しており、該シリンダ
及びピストンにてフォワードクラッチ用油圧アクチュエ
ータを構成している。
従って、該前後進切換え装置をニュートラル位置から
前進位置に切換える際、入力軸と共に回転状態にある油
圧アクチュエータに油圧を供給してフォワードクラッチ
を接続し、また前進位置からニュートラル位置(又は後
進位置)に切換える際、同様に回転している油圧アクチ
ュエータから油圧をドレーンしてフォワードクラッチを
解放するが、この際、油圧アクチュエータ内に残留する
オイルによる遠心油圧を排出するため、ピストンにチェ
ックボールが配置されている。
なお一般に、プラネタリギヤ、該プラネタリギヤの各
要素及び入力軸を適宜連結するクラッチ、及びこれら要
素を適宜係止するブレーキからなる自動変速機にあって
も、クラッチを制御する油圧アクチュエータは回転部分
に設けられており、上述同様に、チェックボールを必要
としている。
(ハ) 発明が解決しようとする課題 上述油圧アクチュエータにあっては、ドレーン時、シ
リンダ室内に作用する遠心油圧を排出するため、チェッ
クボールを解放するが、クラッチ係合時、該チェックボ
ールを閉塞するに足る油圧を供給する必要がある。
ところで、クラッチ係合に伴うシフトショックを減ず
るためには、オリフィスにより油圧を滑らかに供給する
ことが好ましく、一方、チェックボールを閉塞するに必
要な油圧は、回転数によって大きく変化し、これらが相
俟って、該チェックボールを有する油圧アクチュエータ
の油圧供給制御の調整は極めて面倒で微妙なものとな
り、供給油圧が高過ぎで係合ショックが大きくなった
り、また供給油圧が低く、チェックボールからの洩れが
増大してクラッチ係合に長い時間を要する等の不具合を
生ずることがある。
そこで、本発明は、前進用摩擦クラッチの油圧アクチ
ュエータを回転自在に支持し、該クラッチ接続時におけ
る遠心油圧の影響を排除すると共に、該油圧アクチュエ
ータを構成するシリンダ部材の傾ぎが該シリンダ部材に
連結されている前後進切換え用プラネタリギヤに影響を
与えることを防止し、もって上述課題を解決すると共
に、プラネタリギヤの噛合精度を向上する自動変速機を
提供することを目的とするものである。
(ニ) 課題を解決するための手段 本発明は、上述事情に鑑みなされたものであって、例
えば第1図を参照して示すと、駆動側回転部(1)と被
動側回転部(15)との間に前進用摩擦クラッチ(C1)及
び前後進切換え用プラネタリギヤ(2)を介在してなる
自動変速機において、 前記プラネタリギヤ(2)は、サンギヤ(2c)と、リ
ングギヤ(2b)と、前記サンギヤ及びリングギヤに噛合
するピニオン(2p)(2q)を回転自在に支持するキャリ
ヤ(2a)と、を有し、前記サンギヤ(2c)を前記駆動側
回転部(1)に連結し、かつ前記キャリヤ(2a)を前記
被動側回転部(15)に連結すると共に前進用摩擦クラッ
チ(C1)に連結し、更に前記リングギヤ(2b)を後進用
摩擦ブレーキ(B2)に連結し、 車輌の前進走行操作によって前記前進用摩擦クラッチ
(C1)の油圧アクチュエータ(5)を制御して、前記サ
ンギヤ(2c)とキャリヤ(2a)とを係合又は解離し、ま
た後進走行操作によって前記後進用摩擦ブレーキ用油圧
アクチュエータ(13)を制御して、前記リングギヤ(2
b)を係止又は解放してなり、 前記前進用摩擦クラッチ(C1)は、前記駆動側回転部
(1)に連結されて入力部となるハブ部(6)と、前記
被動側回転部(15)に連結されて出力部となるシリンダ
部材(7)と、これらハブ部とシリンダ部材との間に介
在する摩擦板(52,56)と、前記シリンダ部材(7)に
前記摩擦板(52,56)を抜止め・固定するスナップリン
グ(8)と、を備え、 かつ前記シリンダ部材(7)は、外径部(7b)と内径
部(7a)との間にピストン部材(5b)を嵌合して前記前
進用摩擦クラッチの油圧アクチュエータ(5)を構成す
ると共に、前記外径部(7b)と前記キャリヤ(2a)と
を、前記スナップリング(8)の前記摩擦板(52,56)
と反対側である前記外径部(7a)の先端側においてかつ
前記キャリヤの該外径部材の先端側を開放した状態にて
スプライン(7b′,9)により連結し、更に前記内径部
(7a)を、ケース部材(10a′)に直接又は間接的にか
つ前記駆動側回転部(1)と同芯状態を保持して回転自
在に支持し、 そして前記前進用摩擦クラッチ(C1)の油圧アクチュ
エータ(5)は、ニュートラル時、前記被動側回転部
(15)と共に停止状態にあり、かつ前進時、該油圧アク
チュエータに供給される油圧に基づき前記前進用摩擦ク
ラッチを係合して、該油圧アクチュエータが、前記駆動
側回転部及び被動側回転部と共に回転してなる、 自動変速機にある。
好ましくは、前記前後進切換え用プラネタリギヤ
(2)が、デュアルプラネタリギヤである。
更に、前記前後進切換え用プラネタリギヤ(2)のキ
ャリヤ(2a)と前記被動側回転部(15)とを、スプライ
ン(16)にて連結してなる。
また、前記自動変速機(A)が、例えば第2図に示す
ように、プライマリプーリ(17)及びセカンダリプーリ
(19)との間にベルト(20)を巻掛けてなるベルト式無
段変速装置(21)を備えてなり、かつ、前記被動側回転
部が、前記プライマリプーリの入力部材(15)である。
(ホ) 作用 以上構成に基づき、ニュートラル状態にあっては、前
進用摩擦クラッチ(C1)は解放状態にあり、従ってケー
ス部材(10a)に回転自在に支持されているシリンダ部
材(7)は停止状態にある。この状態で、シフトレバー
等の操作手段を前進走行位置に操作すると、油圧が油路
(12)を通って油圧アクチュエータ(5)の油圧室(5
a)に供給されるが、この際、シリンダ部材(7)は停
止状態にあるため、遠心力の影響を受けることがなく、
滑らかにかつ素早い応答にて油圧室(5a)内の油圧を上
昇しピストン部材(5b)を移動して前進用摩擦クラッチ
(C1)を滑らかにかつ素早く係合する。上記前進状態に
あっては、ピストン部材(5b)がスナップリング(8)
との間で摩擦板(52,56)を押圧することにより、前進
用摩擦クラッチ(C1)が係合し、駆動側回転部(1)の
回転は、該前進用摩擦クラッチ(C1)にてキャリヤ(2
a)とサンギヤ(2c)とが連結して一体になっている前
後進切換え用プラネタリギヤ(2)を介して被動側回転
部(15)に伝達され、車輌は前進する。この際、キャリ
ヤ(2a)は、スナップリング(8)の先端側においてか
つその先端側が開放されてシリンダ部材(7)の外径部
(7b)と連結しており、上記ピストン部材(5b)の押圧
力の影響を受けることがなく、またシリンダ部材(7)
はケース部材(10a)に回転支持されている関係上、僅
かに傾くことがあっても、該傾ぎ(カタギ)は、上記キ
ャリヤ(2a)がピストン部材(5b)の押圧力の影響を受
けないことに起因して、スプライン(7b′)にて吸収さ
れ、キャリヤ(2a)に伝達されることはなく、前記後進
切換え用プラネタリギヤ(2)に影響を及ぼすことはな
い。
(ヘ) 発明の効果 以上説明したように、本発明によると、前進用摩擦ク
ラッチ(C1)の係合開始時、油圧アクチュエータ(5)
は停止状態にあって遠心力の影響を受けないので、該油
圧アクチュエータ(5)への油圧供給制御を適正に調整
することができ、前進用摩擦クラッチ(C1)を滑らかに
かつ素早く係合して、車輌発進時のシフトショックを軽
減すると共に、タイムラグを短縮化することができる。
また、前進用摩擦クラッチ(C1)の係合時(前進状
態)、ピストン部材(5b)は摩擦板(52,56)をスナッ
プリング(8)との間で押圧作動するが、該スナップリ
ング(8)の先端側に位置するキャリヤ(2a)には何等
影響を与えることがなく、かつ該キャリヤは、その先端
側が開放されてシリンダ部材(7)の外径部(7a)とス
プライン(7b′,9)により連結しているので、上記シリ
ンダ部材の傾きは吸収され、キャリヤに影響を及ぼすこ
とはない。
従って、該前進状態にあっては、前進用摩擦クラッチ
(C1)により前後進切換え用プラネタリギヤ(2)が一
体となって、即ちサンギヤ(2c)と駆動側回転部(1)
との歯面が反力を受けて一体となった状態で、上記一体
のプラネタリギヤ(2)を介して被動回転部(15)に伝
達されるが、この際、上述したように、キャリヤ(2a)
はシリンダ部材(7)の傾きの影響を受けず、かつ上述
したように、プラネタリギヤ(2)が一体となって噛合
回転しない関係上、歯面精度の影響を受けないことが相
俟って、正確でかつ滑らかなトルク伝達を行うことがで
きる。
また、後進時、プラネタリギヤ(2)のリングギヤ
(2b)を後進用摩擦ブレーキ(B2)にて停止すると、該
ブレーキ用油圧アクチュエータ(13)はケース部材(1
0)に配置されるので、前述した前進時と同様に、後進
時も遠心油圧による影響を排除でき、シフトショックを
軽減できると共に、タイムラグを短縮化することができ
る。更に、前記前後進切換え装置用プラネタリギヤを、
デュアルプラネタリギヤ(2)にて構成すると、前後進
切換え装置をコンパクト、特に軸方向を短縮することが
でき、車輌搭載性を向上することができる。
また、プラネタリギヤ(2)のキャリヤ(2a)と被動
側回転部(15)とをスプライン(16)を介して連結する
と、被動側回転部例えばプライマリプーリ(17)及びプ
ラネタリギヤ(2)に傾ぎを生じても、該傾ぎに影響さ
れることなく、トルクのみを正確にかつ確実に伝達する
ことができる。
また、自動変速機が、多段自動変速機であると、例え
ば、オペレータが発進時にアクセルペダルを踏んだ状態
でシフトレバーをDレンジに切換える等により、前進用
摩擦クラッチが完全係合しない内に駆動側回転部(1)
の回転数が高くなった場合も、遠心油圧に影響されるこ
となく滑らかに発進できるが、特に、ベルト式無段変速
装置(21)を備えた自動無段変速機である場合、該自動
無段変速機は発進時以外シフトショックは生じないの
で、発進時のシフトショックが乗り心地上を極めて大き
く目立つが、該発進時のシフトショックを軽減すること
により走行フィーリングを大幅に向上することができ
る。
なお、前記カッコ内の符号は、図面の対照するもので
あるが、何等構成を限定するものではない。また、同じ
符号であっても、以下に示す実施例とは異なる名称で述
べてあるものもある。
(ト) 実施例 以下、図面に沿って本発明を車輌用自動無段変速機に
適用した実施例について説明する。
本無段変速機Aは、第2図に示すように、3分割から
なるトランスミッションケース10を有しており、該ケー
ス10に流体トルクコンバータ30の出力軸を構成する入力
軸1及び無段変速装置21のプライマリシャフト31が同軸
上に回転自在に支持されて第1軸を構成していると共
に、出力ギヤ32を一体に形成した無段変速装置21のセカ
ンダリシャフト33が回転自在に支持されて第2軸を構成
している。更に、第1軸上には、前後進切換え装置34を
構成するデュアルプラネタリギヤ2と、該プラネタリギ
ヤを操作する前進用摩擦クラッチC1及びその油圧アクチ
ュエータ5と、油圧ポンプ35とがトルクコンバータ30と
プライマリプーリ17との間にて配設されている。
流体トルクコンバータ30は、コンバータハウジング36
を有しており、該ハウジングにはエンジンクランク軸37
が連結されると共にポンプインペラが固定されている。
また、該ポンプインペラに対向してタービンランナが配
設されており、かつポンプインペラ及びタービンランナ
の間部分に、一方向回転を阻止されたステータが配設さ
れている。更に、コンバータハウジング36内にてタービ
ンランナに並列してロックアップクラッチ39が配設され
ており、該クラッチ39は図示しない油圧制御装置による
供給油路の切換えにより接続及び解放に切換えられ、か
つ2種類のダンパスプリングを介して前記トルクコンバ
ータの出力軸となる入力軸1に連結している。
そして、前後進切換え装置34は、第1図に詳示するよ
うに、サンギヤ2c、互に噛合する2種のピニオン2p,2q
を支持するキャリヤ2a及びリングギヤ2bからなるデュア
ルプラネタリギヤ2を有しており、上記サンギヤ2cが前
記入力軸1にスプライン結合している。
一方、ミッションケース10にはポンプケース10bがボ
ルト40aにより固定されており、かつ該ケース10bにポン
プカバー10aがボルト40bにより固定されて、該カバー10
aは固定部材となるケース部材を構成する。更に、該カ
バー10aは入力軸1と同芯状に延びる円筒部10a′を有し
ており、該円筒部10a′の内周側には前記ステータから
延びている反力受け用スリーブ41が固定され、かつその
外周側にはブッシュ22を介してシリンダ部材7の内径部
7aが回転自在に支持されている。また、ポンプカバー10
a及びスリーブ41には油路12が形成されており、かつ円
筒部10a′の外周面には前記油路12を挟んでオイルシー
ル11,11が装着されている。そして、シリンダ部材7は
断面コ字状の環状部材からなり、その内径部7aが前記ブ
ッシュ22及びオイルシール11によりカバー円筒部10a′
に入力軸1との同芯度を保持して回転自在に支持されて
いる。なお、本実施例は、ケース部材であるカバー円筒
部10a′にシリンダ部材7が直接支持されているが、ケ
ース部材に支持されている入力軸1上にブッシュ等を介
してシリンダ部材7を支持して、該シリンダ部材7を入
力軸1を介してケース部材に間接的に支持してもよい。
また、該シリンダ部材7の外径部7bは段付き構造とな
っており、その小径部にはピストン部材5bが油密状に嵌
合しており、かつその大径部にコルゲーション等により
形成したスプライン7b′には前進用摩擦クラッチC1の多
数の外摩擦板52が係合している。該スプライン7b′の先
端部から所定間隔離れた部分にはスナップリング8が嵌
合・固定されており、該スナップリング8と段付部との
間におけるスプライン7b′に前記外摩擦板52が嵌合して
いる。また、ピストン部材5bには遠心油圧排出用のチェ
ックボール14が装着されており、また該ピストン部材5b
の背面とシリンダ部材内径部7aに装着された支持板53と
の間に戻し用スプリング55が縮設されている。
一方、入力軸1の先端部分には外径方向に膨出してフ
ランジ1aが一体に形成されており、該フランジ1aにはク
ラッチハブ部6が固着されている。そして、該ハブ部6
の外径部に形成されたスプラインには内摩擦板56が係合
しており、該内摩擦板56と前記シリンダ部材7に係合す
る外摩擦板52により前進用摩擦クラッチC1を構成してい
る。
更に、シリンダ部材外径部7bのスプライン7b′におけ
る前記スナップリング8の先端側には前記キャリヤ2aを
構成する側板先端に形成されたスプライン9が係合して
おり、かつ上記スプライン7bにおける該キャリヤスプラ
イン9の先端側は開放されており、また該キャリヤ2aを
構成する他方の側板2a′のボス内周面にもスプライン16
が形成され、該スプライン16は後述する調圧カム機構57
の入力側カム15にスプライン係合している。
また、プラネタリギヤ2のリングギヤ2bは断面コ字状
の環状部材として外径方向に延びており、その外径側鍔
部58の外周面にはスプラインが形成され、該スプライン
に多数の内摩擦板59が係合している。また、ミッション
ケース10の所定箇所にはスプライン10′が形成されてお
り、該スプライン10′に多数の外摩擦板60が係合して、
これら外摩擦板60及び内摩擦板59により後進用摩擦ブレ
ーキB2を構成している。更に、リングギヤ2bの一側には
円板状の脚板61が固着されており、該脚板61はキャリヤ
側板2a′と後述するベアリング62のアウタレース62aと
の間にそれぞれスラストベアリング63,63を介在して支
持されている。
また、前記後進用摩擦ブレーキB2に隣接するミッショ
ンケースの支持壁10cには前記ベアリング62の支持部を
構成する鍔部10dとの間でシリンダが形成されており、
該シリンダにはピストン部材13bが油密状に嵌合して、
後進用摩擦ブレーキB2用の油圧アクチュエータ13を構成
している。また、ピストン部材13bの背面にはスプリン
グ保持板65が当接・保持されており、一方、前記支持壁
の鍔部10dはクシ歯状に軸方向に延長しており、該延長
部10d′にスプリング支持板66が装着されており、これ
ら保持板65及び支持板66との間には多数の戻し用スプリ
ング67が縮設されている。そして、これら延長部10d′
及び戻し用スプリング67は、リングギヤ2bの外径部に形
成された断面コ字状内のスペースSに配置されており、
軸方向寸法の短縮化が図られている。
また、調圧カム機構57は、対向端面が波状に形成され
た入力側カム15及び出力カム69と両カムの端面の間に配
置されたローラ70からなり、入力側カム15が前記キャリ
ヤ2a′にスプライン連結していると共に、プライマリシ
ャフト31にネジ結合しており、かつ出力側カム69がプラ
イマリプーリの固定シーブ17aにスプライン連結してい
ると共に皿バネ71を介して該固定シーブ17aに当接して
いる。従って、キャリヤ2a′からのトルクは該調圧カム
機構57を介してプライマリプーリ17に伝達されると共
に、該調圧カム機構57は該伝達トルクに対応した軸力を
発生し、該軸力を固定シーブ17aに作用する。
また、固定シーブ17aは前記調圧カム機構57を覆うよ
うに延びる環状の鍔部aを有しており、該鍔部aが前記
支持壁10cに装着されたローラベアリング62にて支持さ
れることにより、固定シーブ17aに作用するラジアル荷
重を支持して、調圧カム機構57による軸力が該ラジアル
荷重に影響を受けないように構成されている。
なお、入力側カム15とサンギヤ2cとの間に皿バネ75及
びスラストベアリング76が介在して、サンギヤ2cを入力
軸フランジ1aに当接して所定位置に保持している。
また、ベルト無段変速装置21は、第2図に示すよう
に、プライマリプーリ17、セカンダリプーリ19及びこれ
ら両プーリに巻掛けられたベルト20からなり、かつ両プ
ーリはそれぞれ固定シーブ17a,19a及び可動シーブ17b,1
9bからなる。なお、ベルト20は金属製の多数の駒を有し
てなり、これら駒がプライマリ及びセカンダリの両プー
リ17,19に潤滑状態にて接触してトルク伝達され、従っ
て駒とプーリとの摩擦は比較的小さく、その結果駒とプ
ーリとの接触面の角度がその静止摩擦角より大きく設定
される。
また、固定シーブ17aのボス部は可動シーブ17b側に延
びており、その内周面がプライマリシャフト31に嵌合し
ていると共に、その外周面には複数列のボールスプライ
ン機構(リニアボールベアリング)80を介して可動シー
ブ17bのボス部が軸方向のみ移動自在に支持されてい
る。即ち、可動シーブ17bは固定シーブボス部にボール
のみを介して摺動摩擦抵抗を受けることなく嵌合してい
る。
また、可動シーブ17bの背部にはボールネジ装置81が
配設されており、該ボールネジ装置は雄ネジ部及び雌ネ
ジ部及びボールからなり、かつボールがリターン通路に
て循環されるサーキュレットタイプからなる。更に、該
ボールネジ装置81は、ケース10の肩部にて軸方向及び半
径方向を拘束・支持されている調節部材82にその後端部
を固定されている。該調節部材82はローラベアリング83
により固定シーブ17aボス部の奥側円筒部を従ってプラ
イマリシャフト31を回転自在に支持していると共に、ウ
ォーム(図示せず)に噛合しており、該ウォームの操作
に基づき回転して、雄ネジ部を雌ネジ部に対して相対回
転することに基づき、ベルト20の初期張力及びベルトの
走行中心を調節し得る。また、その雌ネジ部には自動調
芯機構85が固定されており、更に該自動調芯機構85と前
記可動シーブ17bの背面との間にはスラストボールベア
リング84が介在している。また、該自動調芯機構85を構
成しかつ前記ボールネジ装置81の雌ネジ部に一体に形成
されている突出ギヤ部86が球面支持面に沿って延びてお
り、該突出ギヤ部86の先端には後述するギヤ113と噛合
するギヤが形成されている。また、前記調節部材82にて
保持されるローラベアリング83のインナーレースを介し
てナット部材88にて軸方向移動が阻止されている支持板
87と可動シーブ17bの背面との間には所定数の皿ばねか
らなる弾性付勢部材89が配設されており、該付勢部材89
はベルト挟圧荷重の一部を担持し、前記ボールネジ装置
81及びスラストボールベアリング84の支持荷重を下げ
る。また、プライマリシャフト31の先端部は膨出してフ
ランジ部31aが一体に形成されており、該フランジ部31a
には自動調芯機構90が固定されている。更に、該自動調
芯機構90と前記調節部材82の背面にはスラストボールベ
アリング91が介在しており、該ベアリング91はケージに
保持された多数のボール及び一方のレースを有してい
る。
一方、セカンダリプーリ19はその固定シーブ19aがケ
ース10にローラベアリング92を介して回転自在に支持さ
れており、またセカンダリシャフト33の基端部には出力
ギヤ32が一体に成形されていると共に、ローラベアリン
グ93を介してケース10に支持されており、また可動シー
ブ19bのボス部が、前述したボールスプライン80と同様
なボールスプライン95にて、固定シーブ19aのボス部に
ボールのみを介して摺動のみ自在に嵌挿している。更
に、該可動シーブ19bの背面には前述と同様なボールネ
ジ装置96が配設されており、その雄ネジ部は前記調節部
材82と同様な調節部材97に固定されており、従って該調
節部材97は、ウォームの回転に基づき、前記プライマリ
側の調節部材82と相俟ってベルト20の初期張力及び走行
中心線を調節し得る。また、その雌ネジ部には、前記プ
ライマリ側と同様に、自動調芯機構99が配設されてお
り、かつ該自動調芯機構99と可動シーブ19bの背面にス
ラストボールベアリング100が介在している。更に、固
定側シーブ19aのボス先端部に固定されている支持板101
と可動シーブ19bの背面との間には前記プライマリ側と
同様な弾性付勢部材102が配設されている。また、セカ
ンダリシャフト33は、その基端が膨径しており、該シャ
フト膨径部33aが前記調節部材97に装着されたローラベ
アリング105に支持されている。また、セカンダリシャ
フト33の先端部には、前述したプライマリシャフトの調
圧カム機構57と同様な調圧カム機構106がナット107によ
り抜止めされて配設されており、該カム機構106は固定
側シーブ19aの背面に作用して、負荷トルクに対応した
軸力をセカンダリプーリ19に付与する。そして、ギヤ32
の側面にはプライマリ側と同様に、球面支持面を有する
自動調芯機構109が固定されており、かつ該自動調芯機
構109と前記調節部材97の背面には、該部材背面に直接
当接するボール及び前記球面支持面に密接する球面状凹
面を有するレースを有するスラストボールベアリング11
0が介在している。
そして、プライマリシャフト31とセカンダリシャフト
33とで3角形を構成する部位にはベルト操作装置111が
配設されている。該操作装置111は、第3図に詳示する
ように、ケース10にベアリングを介して支持されている
第1及び第2のカウンタシャフト130,131を有してお
り、第1のカウンタシャフト130には大歯車132a及び小
歯車132bを有するギヤユニット132が回転自在に支持さ
れていると共に、先端部に大歯車133が一体に固定され
ている。また、第2のカウンタシャフト131には大歯車1
35が一体に固定されていると共に、先端部に小歯車136b
及び大歯車136aを有するギヤユニット136が回転自在に
支持されている。更に、これら両カウンタシャフト130,
131には、互に噛合する非円形ギヤ139,140がそれぞれキ
ーにより固定されて、互に非線形関係にて連動してい
る。そして、第1のカウンタシャフト130上に回転自在
に支持されたギヤユニット132は、その大歯車132aがプ
ライマリ側ボールネジ装置81のギヤ部86に噛合すると共
に後述する電気モータ120からの歯車112に噛合し、かつ
その小歯車132bが第2のカウンタシャフト131に固定さ
れている大歯車135に噛合して、第2のカウンタシャフ
ト131からの伝動経路における増速装置(従ってボール
ネジ装置のギヤ部86からの伝動経路における減速装置)
を構成している。また、第2のカウンタシャフト131上
に回転自在に支持されているギヤユニット136は、その
大歯車136aがセカンダリ側ボールネジ装置96のギヤ部11
6に噛合し、かつその小歯車136bが第1のカウンタシャ
フト130に固定されている大歯車133に噛合して、第1の
カウンタシャフト130からの伝動経路における増速装置
(従ってボールネジ装置の歯車からの伝動経路における
減速装置)を構成している。なお、ボールネジ装置81,9
6の雌ネジ部に結合したギヤ部86,116は歯厚の薄い歯車
からなり、またカウンタシャフト130,131に支持される
ギヤユニット132,136の大歯車132a,136aは、ボールネジ
装置が軸方向にフルストロークしても上記薄い歯車86,1
16と常に噛合関係を保持し得るように、歯厚の厚い歯車
からなる。一方、第2図に示すように、ケース10の外部
において変速操作用の電気モータ120が固定されてお
り、かつ該電気モータ120は、該モータの非通電時に所
定位置にホールドし得る電磁ブレーキを有している。そ
して、該モータ120の出力歯車は、減速ギヤ列121及び歯
車112を介して、前述した両ボールネジ装置を連動する
操作装置111に動力伝達している。なお、上述操作装置1
11及び減速装置121の各歯車は、平歯車又はハスバ歯車
からなり、可逆伝動可能であると共に高効率の動力伝達
が可能である。
また、前記セカンダリシャフト33に形成された出力ギ
ヤ32は中間軸122に固定されている大ギヤ123と噛合して
いる。更に、中間軸122には小ギヤ125が形成されてお
り、かつ該ギヤ125は差動歯車装置126に固定されている
リングギヤ127と噛合して、減速装置を構成している。
また、差動歯車装置126から左右フロントアクスル軸129
l,129rが延びている。
ついで、本実施例の作用を説明する。
エンジンクランク軸37の回転は、車輌発進時には流体
トルクコンバータ30を介して入力軸1に伝達される。即
ち、エンジンクランク軸37の回転はポンプインペラから
タービンランナに油流を介して伝達され、そしてステー
タによりトルクが増大される。この際、車輌が停止され
ている状態で、最大ストール状態となって約2倍に増大
されたトルクが入力軸1に伝達され、そして、車輌発進
に伴い、ポンプインペラとタービンランナとの相対速度
比が小さくなるに従ってトルク増大が漸減される。
該増大した入力軸1のトルクは、前後進切換え装置34
を介してベルト式無段変速装置21の調圧カム機構57に伝
達され、該カム機構57はプライマリプーリ17の固定シー
ブ17aに該増大トルクに対応した強い軸力を作用する。
更に、プライマリプーリ17に伝達されたトルクはベルト
20を介してセカンダリプーリ19に伝達され、そして調圧
カム機構106を介してセカンダリシャフト33に伝達さ
れ、セカンダリプーリ19も上記増大トルクに対応した強
い軸力を作用する。
また、車速が増速して流体トルクコンバータがカップ
リング域に達すると、エンジンクランク軸37と略々同じ
トルクが入力軸1に出力され、該入力軸1のトルクは、
同様に調圧カム機構57及び106に伝達され、これらカム
機構は該トルクに対応した比較的小さい軸力を発生す
る。
そして、入力軸1が所定速度に達すると、ロックアッ
プクラッチ39が係合して、以降、ロックアップクラッチ
39の機械的結合によりトルク伝達される。
そして、車輌停止状態にあっては、入力軸1は所定速
度で回転しているが、ベルト式無段変速装置21及びデュ
アルプラネタリギヤ2等を介して車軸に連動しているシ
リンダ部材7は停止状態にある。この状態で、オペレー
タがシフトレバーをニュートラル位置から前進位置に操
作すると、油圧ポンプ35からの油圧が油圧制御装置(図
示せず)にて適宜調圧され、そして油路12を介して油圧
アクチュエータ5の油圧室5aに供給され、ピストン部材
5bを前進用摩擦クラッチC1に向けて移動する。この際、
シリンダ部材7は停止状態にあって、油圧は遠心力の影
響を受けることなく滑らかに上昇すると共に、遠心油圧
排出用チェックボール14は速やかに閉塞する。これによ
り、前進用摩擦クラッチC1は素早い応答にてかつ大きな
シフトショックを生ずることなく係合して、入力軸1の
回転を、ハブ部6及びクラッチC1を介してシリンダ部材
7に伝達し、更にスプライン9を介してデュアルプラネ
タリギヤ2のキャリヤ側板2aに伝達する。
更に、該キャリヤ2aの回転は、入力軸1に連結されて
いるサンギヤ2cの同回転と共に、プライマリギヤ2を一
体にして他方の側板2a′に伝達され、そして調圧カム機
構57の入力側カム15にスプライン16を介して伝達され
る。
一方、車輌走行状態にてオペレータがシフトレバーを
前進位置からニュートラル位置に操作すると、前進用摩
擦クラッチC1は係合状態にあって、従ってシリンダ部材
7は入力軸1と共に回転状態の中で油圧室5aの油圧がド
レーンされる。なおこの際、一般にオペレータは走輌を
停止すべくニュートラル位置に操作するため、車輌は減
速状態にあって、従ってシリンダ部材7の回転速度も低
く、油圧室5aには大きな遠心油圧は作用せずに、戻し用
スプリング55に基づき油圧室5aの油圧は油路12から速や
かにドレーンされるが、例え該油圧室5aに遠心油圧が作
用したとしても、チェックボール14から遠心油圧が排出
され、前進用摩擦クラッチC1は素早くかつ確実に解放さ
れる。またこの際、チェックボール14からの遠心油圧が
前進用摩擦クラッチC1に供給され、これにより該油を潤
滑油として摩擦板52,56は滑らかなスリップ及び放熱が
図られる。
また、オペレータがシフトレバーをニュートラル位置
から後進位置に操作すると、油圧制御装置からの油圧が
ブレーキ用油圧アクチュエータ13の油圧室13aに供給さ
れる。この際、該油圧アクチュエータ13はケース10に配
設されているため、常に停止状態にあって遠心油圧の影
響を受けることがなく、油圧室13aの油圧を滑らかに上
昇する。これにより、ピストン部材13bが移動して、後
進用摩擦ブレーキB2は、前進用摩擦クラッチC1と同様
に、素早い応答でかつ大きなシフトショックを生ずるこ
となく係止する。この状態では、入力軸1の回転は、デ
ュアルプラネタリギヤ2のサンギヤ2cに伝達され、かつ
前記後進用摩擦ブレーキB2にてリングギヤ2bが固定され
ていることに基づき、ピニオン2p,2qの回転を介してキ
ャリヤ2a,2a′に逆回転として伝達され、そしてスプラ
イン16を介して調圧カム機構57の入力側カム15に伝達さ
れる。
そして、入力側カム15に伝達されたトルクは、ローラ
70及び出力側カム69を介してプライマリプーリ17の固定
側シーブ17aに伝達されると共に、調圧カム機構57の軸
力発生機能に基づき伝達トルクに対応した軸力を固定側
シーブ17aに作用する。
更に、該固定シーブ17aのトルクはボールスプライン8
0を介して可動シーブ17bに伝達され、そして前記調圧カ
ム機構57に基づく軸力にてベルト20を挟持して、該ベル
ト20を介してセカンダリプーリ19に伝達される。この
際、ベルト20からの軸方向反力が固定シーブ17a及び可
動シーブ17bに作用するが、固定シーブ17aからの軸力は
調圧カム機構57を介してプライマリシャフト31にて担持
され、また可動シーブ17bからの軸力は、スラストボー
ルベアリング84、自動調芯機構85、所定状態にあるボー
ルネジ装置81、調節部材82、スラストボールベアリング
91及び自動調芯機構90を介してプライマリシャフト2に
形成されているフランジ31aにて担持され、これにより
軸力がプライマリシャフト31の引張り応力として作用す
る閉ループにて受けられる。なお、可動シーブ17bに作
用する軸力の一部はシーブ背面から直接弾性付勢部材89
及び支持板87を介して固定シーブ17aのボス部に受けら
れ、スラストベアリング84,91及びボールネジ装置81に
作用する軸力を軽減している。
そして、ベルト20からのトルクはセカンダリプーリ19
に伝達され、更に調圧カム機構106を介してセカンダリ
シャフト33に伝達される。この際、プライマリ側と同様
に、調圧カム機構106が伝達トルクに対応した軸力を発
生し、該軸力を固定シーブ19aに作用してベルト20を挟
持すると共に、固定シーブ19aに作用する軸反力はナッ
ト107により直接シャフト33にて担持され、また可動シ
ーブ19bに作用する軸反力は、スラストボールベアリン
グ100、自動調芯機構99、ボールネジ装置96、調節部材9
7及びスラストボールベアリング110及び自動調芯機構10
9を介してシャフト33に形成されたギヤ32にて担持され
る。また同様に、可動シーブ19bに作用する軸力の一部
は直接弾性付勢部材102及び支持部材101を介して固定シ
ーブ19aのボス部に直接受けられる。
なおこの際、プライマリ側及びセカンダリ側におい
て、可動シーブ17b,19bに傾ぎが生じても、自動調芯機
構85,99によりスラストボールベアリング86,100は自動
調芯されて、ボールは可動シーブ17b,19bの背面に全周
に亘り均一に当るように自動的に調節される。また、ケ
ース10の肩部にて支持されている調節部材82,97に対し
てプライマリ又はセカンダシャフト31,33が傾ぎを生じ
ても、自動調芯機構90,109により自動調芯されて、ボー
ルは調節部材82,97の背面に全周に亘り均一に当るよう
に自動的に調節される。
また、制御部からの変速指令に基づき、電気モータ12
0が回転すると、減速装置121を介して第1のカウンタシ
ャフト130に遊合された大歯車132aが回転し、更に該歯
車132aと噛合するギヤ部86によりそれと一体のボールネ
ジ装置81の雌ネジ部が回転する。すると、調節部材82に
て回転が阻止されている雄ネジ部に対して雌ネジ部は軸
方向に移動し、自動調芯機構付スラストボールベアリン
グ84を介して可動シーブ17bを移動して、プライマリプ
ーリ17のベルト有効径を変更する。一方、前記大歯車13
2aの回転は、ギヤユニット132の小歯車132b及び大歯車1
35の噛合により大幅に減速されて第2のカウンタシャフ
ト131に伝達され、更に非円形ギヤ140,139を介して第1
のカウンタシャフト130に伝達される。そして、該第1
のカウンタシャフト130の回転は大歯車133及びギヤユニ
ット136の小歯車136b更に大歯車136aを介して増速さ
れ、該大歯車136aの回転がセカンダリ側のボールネジ装
置96のギヤ部116に伝達される。そして、該ギヤ部116の
回転により、それと一体の雌ネジ部が固定状態にある雌
ネジ部に対して相対回転して軸方向に移動し、自動調芯
機構付スラストボールベアリング100を介して可動シー
ブ19bを移動して、セカンダリプーリ19のベルト有効径
を変更する。この際、プライマリ及びセカンダリプーリ
17,19の移動量とベルト20の移動量とは線形に対応しな
いが、前記非円形ギヤ139,140を介して伝動することに
より、上記両移動量の差は適正に吸収される。また、構
造上から、非円形ギヤ139,140は1回転以内に押えられ
るが、互に減速した第1及び第2のカウンタシャフト13
0,131に非円形ギヤを設けることにより、該非円形ギヤ1
39,140の回転を1回転以内に押えたものでありながら、
プライマリ及びセカンダリ側のギヤ部86,116には増速し
た回転を連動し、ボールネジ装置81,96の多数回転を可
能とし、これによりボールネジ装置が所定リードにて所
定ストロークを得ることが可能となっている。
そして、セカンダリシャフト33の回転は、出力ギヤ32
から大ギヤ123及び小ギヤ125を介して差動歯車装置126
のリングギヤ127に伝達され、そして該差動歯車装置126
にて左右フロントアクスル軸129l,129rに伝達される。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明に係る摩擦係合装置を用いた前後進切
換え装置を示す断面図、第2図は、本発明を適用した自
動無段変速機の全体を示す断面図である。そして、第3
図は、ベルト式無段変速装置の変速操作装置を示す断面
図である。 1……駆動側回転部(入力軸)、2……前後進切換え用
(デュアル)プラネタリギヤ、2a,2a′……キャリヤ、2
b……リングギヤ、2c……サンギヤ、C1……前進用摩擦
クラッチ、5……油圧アクチュエータ、5a……油圧室、
5b……ピストン部材、6……ハブ部、7……シリンダ部
材、7a……内径部、7b……外径部、7b′……スプライ
ン、8……スナップリング、9……スプライン、10……
(ミッション)ケース、10a……ケース部材(ポンプカ
バー)、10c……ケース部材(支持壁)、11……シール
リング、12……油路、B2……後進用摩擦ブレーキ、13…
…油圧アクチュエータ、13a……油圧室、13b……ピスト
ン部材、15……被動側回転部(調圧カム機構の入力側カ
ム)、16……スプライン、17……プライマリプーリ、19
セカンダリプーリ、20……ベルト、21……ベルト式無段
変速装置、A……自動(無段)変速機。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 3/44 - 3/78 F16D 25/0638 F16H 37/02

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動側回転部と被動側回転部との間に前進
    用摩擦クラッチ及び前後進切換え用プラネタリギヤを介
    在してなる自動変速機において、 前記プラネタリギヤは、サンギヤと、リングギヤと、前
    記サンギヤ及びリングギヤに噛合するピニオンを回転自
    在に支持するキャリヤと、を有し、前記サンギヤを前記
    駆動側回転部に連結し、かつ前記キャリヤを前記被動側
    回転部に連結すると共に前進用摩擦クラッチに連結し、
    更に前記リングギヤを後進用摩擦ブレーキに連結し、 車輌の前進走行操作によって前記前進用摩擦クラッチの
    油圧アクチュエータを制御して、前記サンギヤとキャリ
    ヤとを係合又は解離し、また後進走行操作によって前記
    後進用摩擦ブレーキ用油圧アクチュエータを制御して、
    前記リングギヤを係止又は解放してなり、 前記前進用摩擦クラッチは、前記駆動側回転部に連結さ
    れて入力部となるハブ部と、前記被動側回転部に連結さ
    れて出力部となるシリンダ部材と、これらハブ部とシリ
    ンダ部材との間に介在する摩擦板と、前記シリンダ部材
    に前記摩擦板を抜止め・固定するスナップリングと、を
    備え、 かつ前記シリンダ部材は、外径部と内径部との間にピス
    トン部材を嵌合して前記前進用摩擦クラッチの油圧アク
    チュエータを構成すると共に、前記外径部と前記キャリ
    ヤとを、前記スナップリングの前記摩擦板と反対側であ
    る前記外径部の先端側においてかつ前記キャリヤの該外
    径部材の先端側を開放した状態にてスプラインにより連
    結し、更に前記内径部を、ケース部材に直接又は間接的
    にかつ前記駆動側回転部と同芯状態を保持して回転自在
    に支持し、 そして前記前進用摩擦クラッチの油圧アクチュエータ
    は、ニュートラル時、前記被動側回転部と共に停止状態
    にあり、かつ前進時、該油圧アクチュエータに供給され
    る油圧に基づき前記前進用摩擦クラッチを係合して、該
    油圧アクチュエータが、前記駆動側回転部及び被動側回
    転部と共に回転してなる、 自動変速機。
  2. 【請求項2】前記前後進切換え装置用プラネタリギヤ
    が、デュアルプラネタリギヤである請求項1記載の自動
    変速機。
  3. 【請求項3】前記前後進切換え用プラネタリギヤのキャ
    リヤと前記被動側回転部とを、スプラインにて連結して
    なる、 請求項1又は2記載の自動変速機における摩擦係合装
    置。
  4. 【請求項4】前記自動変速機が、プライマリプーリ及び
    セカンダリプーリとの間にベルトを巻掛けてなるベルト
    式無段変速装置を備えてなり、 かつ、前記被動側回転部が、前記プライマリプーリの入
    力部材である、 請求項1、2又は3記載の自動変速機。
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