JP2919545B2 - 積層体 - Google Patents

積層体

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JP2919545B2
JP2919545B2 JP7566890A JP7566890A JP2919545B2 JP 2919545 B2 JP2919545 B2 JP 2919545B2 JP 7566890 A JP7566890 A JP 7566890A JP 7566890 A JP7566890 A JP 7566890A JP 2919545 B2 JP2919545 B2 JP 2919545B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は新規な積層体、さらに詳しくは、塗装性、耐
薬品性、表面外観、寸法精度に優れ、例えば自動車外層
材や、OA機器、家電製品などの部品、レジャー用品など
に好適に用いられる、ポリカーボネート樹脂と芳香族ポ
リエステル樹脂と場合により用いられるゴム状弾性体と
の樹脂組成物から成る外層と熱可塑性樹脂から成る内層
とを、所望に応じて設けられる接着樹脂層を介して積層
して成る積層体に関するものである。
[従来の技術] 従来、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレ
フィン系樹脂は安価な汎用樹脂であって、種々の分野に
おいて、フィルムや構造材料などとして幅広く用いられ
ている。
しかしながら、このポリオレフィン系樹指は成形性や
耐薬品性に優れるものの、無極性であるため、塗装性
(塗膜密着性)が悪い上、結晶性に起因して成形収縮率
が大きく、表面外観及び寸法精度に劣るという欠点を有
している。
一方、ポリカーボネート樹脂は機械的性質や耐熱性に
優れていることが知られているが、耐透湿性に劣るとい
う欠点を有することから、この耐透湿性を改良する目的
で、ポリカーボネート樹脂/ポリオレフィン系樹脂積層
体が提案されている(特公昭60-15464号公報、特開昭61
-47253号公報)。このような積層体において、ポリカー
ボネート樹脂層を外層とし、ポリオレフィン系樹脂層を
内層とする積層体は、前記ポリオレフィン系樹脂の欠点
である表面外観及び寸法精度については改良されるもの
の、耐薬品性及び塗装性(耐シンナー性)に劣るという
欠点を有している。
[発明が解決しようとする課題] 本発明は、このような事情のもとで、塗膜密着性や耐
シンナー性などの塗装性、耐薬品性、表面外観及び寸法
精度などに優れた積層体を提供することを目的としてな
されたものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは、前記の好ましい性質を有する積層体を
開発すべく鋭意研究を重ねた結果、所定の割合のポリカ
ーボネート樹脂と芳香族ポリエステル樹脂と場合により
用いられるゴム状弾性体とから成る樹脂組成物層を外層
とし、特定のメルトインデックスを有する熱可塑性樹脂
層を内層とする積層体、好ましくは前記外層と内層との
間に接着樹脂層を設けた積層体により、その目的を達成
しうることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完
成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ポリカーボネート樹脂40
〜95重量%と芳香族ポリエステル樹脂5〜60重量%と場
合により用いられる25重量%以下のゴム状弾性体とから
成る樹脂組成物層を外層とし、これに、(B)メルトイ
ンデックスが0.01〜5.0g/10分の熱可塑性樹脂層を内層
として積層したことを特徴とする積層体、好ましくは前
記(A)層と(B)層との間に、(C)接着樹脂層を設
けた積層体を提供するものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明積層体において、外層の(A)層には、ポリカ
ーボネート樹脂と芳香族ポリエステル樹脂と場合により
用いられるゴム状弾性体とから成る樹脂組成物が使用さ
れる。
該ポリカーボネート樹脂としては、例えば一般式 (式中のZは単なる結合、エーテル結合あるいは炭素数
1〜8のアルキレン基、炭素数2〜8のアルキリデン
基、炭素数5〜15のシクロアルキレン基、炭素数5〜15
のシクロアルキリデン基、スルホニル基、スルホキシド
基、カルボニル基、スルフィド基又は式 で示される基、R1及びR2は、それぞれ水素原子、ハロ
ゲン原子又は炭素数1〜8のアルキル基であり、それら
は同一であってもよいし、異なってもよく、m及びnは
1〜4の整数であって、mが2以上の場合はR1は同一
であってもよいし、異なってもよく、nが2以上の場合
はR2は同一であってもよいし、異なってもよい) で表わされる繰り返し単位を全部又は一部に有する重合
体を挙げることができる。
このポリカーボネート樹脂は、例えば塩化メチレンな
どの溶媒中において、公知の酸受容体や分子量調節剤の
存在下、二価フェノールとホスゲンのようなカーボネー
ト前駆体との反応により、あるいは二価フェノールとジ
フェニルカーボネートのようなカーボネート前駆体との
エステル交換反応などによって製造することができる。
前記二価フェノールとしては、例えば2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノール
A)、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロ
キシフェニル)プロパン、1,2−ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)エタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)ペンタン、1,1−(4−ヒドロキシフェニル)シク
ロヘキサン、4,4′−ジヒドロキシジフェニル、ビス
(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)スルホキシド、ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)エーテル、4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノンな
ど、あるいは2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキ
シフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジクロロ−4
−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−ク
ロロ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス
(3−ブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパンのよ
うなハロゲン化ビスフェノール類などを挙げることがで
きるが、これらの二価フェノールの中で、特にビスフェ
ノールAが好適である。またこれらの二価フエノールは
それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。さらに、本発明で用いるポリカーボネ
ート樹脂は、多官能性芳香族化合物を前記二価フェノー
ルと併用して得られた熱可塑性ランダム分枝ポリカーボ
ネートであってもよいし、2種以上のポリカーボネート
樹脂のフレンド物であってもよい。該ポリカーボネート
樹脂は、機械的強度及び成形性の点から、粘度平均分子
量が10,000〜100,000のものが好ましく、特に15,000〜4
0,000のものが好適である。
該芳香性ポリエステル樹脂については、特に制限はな
く、種々のものを用いることができるが、二官能性カル
ボン酸とアルキレングリコールとを重縮合して得られる
ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。
前記二官能性カルボン酸としては、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸が挙げられるが、これらの中でテレフタル酸が
特に好適である。この芳香族ジカルボン酸は1種用いて
もよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、ま
た、本発明の目的を損なわない範囲で、他の二官能性カ
ルボン酸を併用することもできる。該他の二官能性カル
ボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、アジピン
酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、デカンジ
カルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸及びそのエステル
形成性誘導体が挙げられる。これらの他の二官能性カル
ボン酸は1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて
用いてもよいが、その使用量は、二官能性カルボン酸全
量に対し、20モル%以下となるように選ぶことが望まし
い。
前記アルキレングリコールとしては、例えばエチレン
グリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピ
レングリコール、1,4−ブチレングリコール、2,3−ブチ
レングリコール、1,6ヘキサンジオール、1,8オクタンジ
オール、ネオペンチルグリコール、1,10−デカンジオー
ルなどの炭素数2〜15の脂肪族ジオールが挙げられる
が、これらの中でエチレングリコール及び1,4−ブチレ
ングリコールが好適である。これらのアルキレングリコ
ールは1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよい。
このような芳香族ポリエステル樹脂としては、特にポ
リエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレ
ートが好適である。
前記芳香族ポリエステル樹脂は、例えばチタン、ゲル
マニウム、アンチモンなどを合有する重縮合触媒の存在
下又は不在下において、通常の方法に従い、各成分を重
縮合させることにより、製造することができる。例え
ば、ポリエチレンテレフタレートは、一般に、テヒフタ
ル酸とエチレングリコールとをエステル化反応させる
か、又はジメチルテレフタレートなどのテレフタル酸の
低級アルキルエステルとエチレングリコールとをエステ
ル交換反応させてテレフタル酸のグリコールエステル及
び/又はその低重合体を生成させたのち、さらに重合さ
せて重合度の高いポリマーとする方法によって製造する
ことができる、 さらに、所望に応じて用いられるゴム状弾性体につい
ては特に制限はなく、種々のものを用いることができる
が、(1)アルキルアクリレート単位及び/又はアルキ
ルメタクリレート単位を主体とするゴム状重合体の存在
下に、ビニル系単量体1種又は2種以上を重合させて成
るゴム状弾性体、(2)アルキルアクリレート及び/又
はアルキルメタクリレートと共役ジエン型二重結合をも
つ多官能性単量体とを重合させて得られる共重合体に、
ビニル系単量体1種又は2種以上を重合させて成るゴム
状弾性体などが好ましく用いられる。
前記(1)のゴム状弾性体におけるアルキルアクリレ
ートやアルキルメタクリレートとしては、該アルキル基
の炭素数が2〜10のものが好ましく、例えばエチルアク
リレート、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルア
クリレート、n−オクチルメタクリレートなどが挙げら
れる。また、これらのアルキルアクリレートやアルキル
メタクリレート単位を主体とするゴム状重合体とは、前
記アルキルアクリレートやアルキルメタクリレート70重
量%以上と、これらと共重合可能なビニル系単量体、例
えばメチルメタクリレート、アクリロニトリル、酢酸ビ
ニル、スチレンなどの単量体30重量%以下とを反応させ
て得られる重合体、あるいはさらに、ジビニルベンゼ
ン、エチレンジメタクリレート、トリアリルシアヌレー
ト、トリアリルイソシアヌレートなどの多官能性単量体
を、架橋剤として適宜添加して反応させて得られる重合
体を意味する。
また、該(1)のゴム状弾性体において、前記ゴム状
重合体の存在下に反応させるビニル系単量体としては、
例えばスチレン、α−メチルスチレンなどの芳香族ビニ
ル化合物、メチルアクリレート、エチルアクリレートな
どのアクリル酸エステル、メチルメタクリレート、エチ
ルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルなどが挙
げられる。これらのビニル系単量体は、1種用いてもよ
いし、2種以上を組み合わせて用いてもよく、また他の
ビニル系単量体、例えばアクリロニトリル、メタクリロ
ニトリルなどのシアン化ビニル化合物や、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル化合物などと
併用してもよい。また、重合方法としては、塊状重合
法、懸濁重合法、乳化重合法など、いずれも用いること
ができるが、特に乳化重合法が好適である。
このようにして得られるゴム状弾性体は、前記ゴム状
重合体を20重量%以上含有しているものが好ましい。こ
のようなゴム状弾性体としては、例えばn−ブチルアク
リレート単位60〜80重量%を含有する、n−ブチルアク
リレートとスチレンとメチルアクリレートとのグラフト
共重合体であるMAS樹脂弾性体などが挙げられる。該MAS
樹脂弾性体としては、例えばKM-330(ローム&ハース社
製、商品名)、メタプレンW529[三菱レイヨン(株)
製、商品名]などが市販されている。
一方、前記(2)のゴム状弾性体において用いられる
アルキルアクリレートやアルキルメタクリレートとして
は、前記(1)のゴム状弾性体の説明において例示した
ものを挙げることができる。また、共役ジエン型二重結
合をもつ多官能性単量体としては、例えばブタジエン、
イソプレンなどの共役ジエン化合物や、1分子中に、共
役ジエン型二重結合の他に、非共役二重結合をもつ化合
物、例えば1−メチル−2−ビニル−4,6−ヘプタジエ
ン−1−オール、7−メチル−3−メチレン−1,6−オ
タタジエン、1,3,7−オタタトリエンなどが挙げられ
る。
前記のアルキルアクリレートやアルキルメタクリレー
トと共役型二重結合をもつ多官能性単量体とを共重合さ
せる場合、必要に応じ、他の単量体、例えばスチレン、
α−メチルスチレンなどの芳香族ビニル化合物、アクリ
ロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル
化合物、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニル
エステル化合物、メチルビニルエーテルなどのビニルエ
ーテル化合物、塩化ビニルなどのハロゲン化ビニル化合
物などのビニル系単量体、さらにはエチレンジメタクリ
レートやジビニルベンゼンなどの架橋剤を添加してもよ
い。
なお、前記のアルキルアクリレートやアルキルメタク
リレートと共役ジエン型二重結合をもつ多官能性単量体
とを重合させて、共重合体を生成させる場合、該共役ジ
エン型二重結合をもつ多官能性単量体は、その単位が共
重合体中に0.1〜70重量%、好ましくは1〜50重量%の
割合で含有されるように、用いるのが望ましい。
このようにして得られた共重合体に、重合させるビニ
ル系単量体としては、前記で例示したものを挙げること
ができ、これらは1種用いてもよいし、2種以上を組み
合わせて用いてもよい。さらに、重合反応としては、塊
状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など、いずれの方法
も用いることができるが、特に乳化重合法が好適であ
る。
前記(2)のゴム状弾性体としては、例えば(イ)n
−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレー
ト、メチルメタクリレートなどのアルキルアクリレート
やアルキルメタクリレートとブタジエンと、さらには少
量のエチレンジメタクリレートやジビニルベンゼンなど
の架橋剤とを、常法により重合させて得られた共重合体
に、グラフト用単量体として、スチレン、アクリロニト
リル、塩化ビニルなどのビニル系単量体を添加し、常法
によりグラフト重合させて成るグラフト共重合体、及び
(ロ)前記アルキルアクリレートやアルキルメタクリレ
ートと、1分子中に共役ジエン型二重結合の他に非共役
型二重結合をもつ化合物とを、常法により共重合させて
得られたラテックスに、グラフト用単量体として、前記
のビニル系単量体を添加し、常法によりグラフト重合さ
せて成るグラフト共重合体などが好ましく挙げられる。
なお、該グラフト重合は一段で行ってもよいし、グラフ
ト用単量体の構成成分を変えて多段で行ってもよい。
このようなゴム状弾性体としては、オクチルアクリレ
ートとブタジエンとを共重合させて得られたゴムラテッ
クスに、スチレンとメチルアクリレートとをグラフト重
合させて成るMABS樹脂弾性体、メチルメタクリレートと
ブタジエンとを共重合させて得られたゴムラテックス
に、スチレンをグラフト重合させて成るMBS樹脂弾性体
などが挙げられる。
前記MABS樹脂弾性体としては、例えばHIA15、HIA28、
HIA30[いずれも呉羽化学(株)製、商品名]などが市
販されている。
さらに、このゴム状弾性体として、例えばABS樹脂弾性
体も用いることができる。
本発明積層体の(A)層を構成する樹脂組成物は、前
記ポリカーボネート樹脂40〜95重量%、好ましくは60〜
85重量%、芳香族ポリエステル樹脂5〜60重量%、好ま
しくは15〜40重量%及び所望に応じて用いられるゴム状
弾性体25重量%以下、好ましくは3〜20重量%から成る
ことが必要である。該ポリカーボネート樹脂の量が40重
量%未満では耐衝撃性及び耐熱性が不十分であるし、95
重量%を超えると耐薬品性が低下する。また、芳香族ポ
リエステル樹脂の量が5重量%未満では耐薬品性に劣る
し、60重量%を超えると耐衝撃性及び耐熱性が低下す
る。さらにゴム状弾性体の量が25重量%を超えると耐熱
性及び剛性が低下する。
この樹脂組成物には、所望に応じ耐衝撃性を向上させ
るために、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオ
レフィン系樹脂を添加してもよい。この場合、ポリオレ
フィン系樹脂としては、ガラス転移点の低い低密度ポリ
エチレンが好適である。さらに、該樹脂組成物には、本
発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じ、各種添加
成分、例えば充填剤、酸化防止剤、光安定剤、熱安定
剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、可塑剤、着色剤などを
添加してもよい。
前記樹脂組成物から成る単層のみの成形体では成形時
のドローダウンが大きく、成形性に劣り、かつ所望の物
性を有する成形体が得られない。本発明においては、前
記樹脂組成物から成る(A)層を外層とし、熱可塑性樹
脂から成る(B)層を内層として積層することが必要で
ある。
この(B)層の内層を構成する熱可塑性樹脂として
は、メルトインデックス(MI)が0.01〜5.0g/10分の範
囲にあるものが用いられる。このMIが0.01g/10分未満で
は押出し成形が困難であるし、5.0g/10分を超えると成
形性が悪くなる。
このような熱可塑性樹脂については、MIが前記範囲に
あって、中空成形やシート成形などに適した成形加工性
を有するものであればよく、特に制限されず、例えばポ
リ塩化ビニル(PVC)、線状低密度ポリエチレン(L−L
DPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、高密度ポリエ
チレン(HDPE)、ポリプロピレン(PP)、ポリプテン−
1(PB−1)、ポリスチレン(PS)、ポリビニルアルコ
ール(PVA)などが挙げられるが、これらの中で、ブロ
ー成形性や強度などの点から、特にHDPE、PP及びこれら
の混合物が好適である。
これらの熱可塑性樹脂には、強度をさらに向上させる
ために、所望に応じ、タルク、炭酸カルシウム、マイカ
などの無機充填剤やガラス繊維などの充填剤を配合して
もよい。この場合、充填剤の配合量は、該熱可塑性樹脂
100重量部当たり、50重量部以下であることが好まし
い。この配合量が50重量部を超えると充填剤が樹脂中に
均質に分散されにくくなり、むしろ強度が低下する傾向
がみられ、好ましくない。
さらに、該熱可塑性樹脂には、本発明の目的を損なわ
ない範囲で、所望に応じ、各種添加成分、例えば酸化防
止剤、光安定剤、熱安定剤、滑剤、難燃剤、帯電防止
剤、可塑剤、着色剤などを添加してもよい。
本発明積層体は前記の樹脂組成物から成る(A)外層
と熱可塑性樹脂から成る(B)内層とから構成される2
層構造のものであってもよいし、場合により該(A)層
と(B)層との接着性を高めるために、それらの間に
(C)接着樹脂層を設けた3層構造のものであってもよ
い。
前記(C)層を構成する樹脂としては、例えば変性ポ
リプロピレン、変性ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体(EVA)などが挙げられる。これらの樹脂は
1種用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いても
よい。
本発明積層体の各層の厚み比については、(A)層と
(B)層との比が2:98ないし70:30の範囲にあることが
望ましい。(A)層の厚みが前記範囲より小さいと表面
外観に劣るし、大きいと成形加工性に劣り、好ましくな
い。
また、所望に応じて設けられる(C)層の厚みは、
(A)層と(B)層との合計厚みの20%以下であること
が望ましい。
本発明積層体の製造方法については特に制限はなく、
従来熱可塑性樹脂積層体の製造に慣用されている方法を
用いることができるが、特に多層ブロー成形や多層ラミ
ネート成形などの共押出成形法が好適である。この場
合、(A)外層材の成形には樹脂温度を220〜300℃に、
(B)内層材の成形には樹脂温度を160〜260℃に設定す
るのが有利である。また、(A)外層材の樹脂組成物と
しては、前記の各成分を常法により溶融混練したペレッ
ト状のものを用いてもよいし、各成分を単純にドライブ
レンドしたものを用いてもよい。
[実施例] 次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明する
が、本発明はこれらの例によってなんら限定されるもの
ではない。
なお、各特性は次のようにして評価した。
(1) 成形性 中空成形時のパリソンのドローダウン性により、次の
判定基準に従って評価した。
○:良好 △:ほぼ良好 ×:不良 (2) 表面外観 中空成形品の表面に棒状蛍光管を映し、輪郭の鮮明度
より、鮮映性を次の判定基準に従って評価した。
○:良好 △:ほぼ良好 ×:不良 (3) 耐薬品性 射出成形バーを、トルエン/イソオクタン混合溶剤
(60/40容量比)に10分間浸漬した場合に、クラックが
発生する最小歪み量(%)[限界歪]を求め、評価し
た。歪み量が0.35%以上を合格とする。
(4) 塗装性 (イ) 耐シンナー性 射出成形平板をトルエン/キシレン系の塗装用シンナ
ーに、10分間浸漬した場合のクラックの発生状況を次の
判定基準に従って評価した。
○:良好 △:ほぼ良好 ×:不良 (ロ) 塗膜密着性 射出成形平板を用いてアクリルウレタン系塗料1コー
トにより形成された塗膜の密着性を、碁盤目テープ剥離
法により評価した。
(5) 寸法精度 自動車サイドモール状長尺中空成形品のソリ量を目視
観察し、次の判定基準に従って評価した。
○:良好 △:ほぼ良好 ×:不良 (6) アイゾット衝撃強度(kg・cm/cm) 厚さ3.2mmの射出成形バーについて、ノッチ付、23℃
の条件で測定した。
また、表における各成分の記号は次を意味する。
PC: ポリカーボネート、タフロンA3000 [出光石油化学(株)製] PET: ポリエチレンテレフクレート、 ダイヤナイトMA523 [三菱レイヨン(株)製] PBT: ポリブチレンテレフタレート、 タフペットNI300 [三菱レイヨン(株)製] ゴム状弾性体: MAS樹脂弾性体、パラロイドKM300 (ローム&ハース社製) PE−1: 出光ポリエチレン750LB、 MI0.04[出光石油化学(株)製] PE−2: 出光ポリエチレン440M、MI1.0 [出光石油化学(株)製] PE−3: 出光ポリエチレン130J、MI11 [出光石油化学(株)製] PP: 出光ポリプロピレン150G、MI0.5 [出光石油化学(株)製] GF:ガラス繊維、長さ3mm [日東紡(株)製]CS3PE-403 タルク:JA-13R[浅田製粉(株)製] 実施例1 120℃で4時間予備乾燥したPC70重量部とPET25重量部
との混合物に、ゴム状弾性体5重量部をドライブレンド
したのち、シリンダー温度280℃の単軸押出機で混線し
てペレットを得、これを多層中空成形における外層
(A)用の樹脂組成物として用いた。このペレットを射
出成形した試験片について、耐薬品性(限界歪)及び塗
装性(耐シンナー性、塗膜密着性)を評価した。
次に、内層(B)用樹脂として出光ポリエチレン750L
Bを、接着層(C)用樹脂として無水マレイン酸変性ポ
リプロピレン出光ポリタックH−6300を用いて、(A)
層/(C)層/(B)層の厚み比が20/10/70となるよう
に、3種3層中空成形機で、鏡面仕上げの金型を用い、
500ccの丸びんを作成した。この際、成形性としてパリ
ソンのドローダウン性を評価し、さらに該丸びんの表面
外観をその鮮映性により評価した。
また、前記と同様の中空成形機で長さ1m、幅5cmの自
動車サイドモール状長尺中空成形品を成形し、成形後24
時間経過した時点でのソリの程度を求め、寸法安定性を
評価した。
これらの結果を第1表に示す。第1表から分かるよう
に、良好な結果が得られた。
実施例2〜11 実施例1と同様にして、第1表に示す構成の積層体を
作成し、各物性を評価した。その結果を第1表に示す。
実施例5では、外層(A)の厚みを5%まで薄くした
ところ、表面外観及び寸法精度が若干低下したが、両者
とも許容できるレベルであった。
実施例6では、外層(A)の厚みを60%まで厚くした
ところ、ドローダウンが若干大きくなり、成形性が低下
したが、許容できるレベルであった。
実施例7では、内層(B)の樹脂として、MI1.0g/10
分のポリエチレンを用いたところ、ドローダウンが若干
大きくなり成形性が低下したが、許容できるレベルであ
った。比較例1 実施例1において、内層(B)用樹脂としてMIが11g/
10分のポリエチレンを用いた以外は、実施例1と同様に
して積層体を作成した。その結果を第1表に示す。
この場合、ドローダウンが大きく、丸びん、長尺品と
もに所望の物性を有する成形品を得ることができなかっ
た。
比較例2 実施例1において、外層(A)用樹脂としてPC単品を
用いた以外は、実施例1と同様にして積層体を作成し
た。その結果を第1表に示す。第1表から分かるよう
に、耐薬品性(限界歪)及び耐シンナー性が許容レベル
以下であり、劣っていた。
比較例3 実施例1における内層(B)に用いたものと同様のポ
リエチレンの単層から成る成形品を実施例1と同様にし
て作成した。その結果を第1表に示す。
この場合、丸びんの表面外観、塗膜密着性及び長尺品
の寸法精度が大幅に劣っていた。
比較例4 実施例1における外層(A)に用いたものと同様のPC
とPETとゴム状弾性体との樹脂組成物の単層から成る成
形品を実施例1と同様にして作成した。その結果を第1
表に示す。
この場合、ドローダウンが大きく、丸びん、長尺品と
もに所望の物性を有する成形品を得ることができなかっ
た。
比較例5 実施例1における外層(A)用の樹脂組成物の成分組
成を第1表に示すように変えた以外は、実施例1と同様
にして積層体を作成した。その結果を第1表に示す。
この場合、アイゾット衝撃強度が大幅に劣っていた。
[発明の効果] 本発明積層体は、ポリカーボネート樹脂と芳香族ポリ
エステル樹脂と場合により用いられるゴム状弾性体との
樹脂組成物から成る外層に、熱可塑性樹脂から成る内層
を積層し、さらに所望により前記外層と内層との間に接
着樹脂層を設けた構造の積層体であって、塗装性、耐薬
品性、表面外観、寸法精度に優れており、例えば自動車
外層材や、OA機器、家電製品などの部品、レジャー用品
などに好適に用いられる。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B32B 1/00 - 35/00 B29C 47/04 - 47/06 B29C 49/22

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリカーボネート樹脂40〜95重量%
    と芳香族ポリエステル樹脂5〜60重量%と場合により用
    いられる25重量%以下のゴム状弾性体とから成る樹脂組
    成物層を外層とし、これに、(B)メルトインデックス
    が0.01〜5.0g/10分の熱可塑性樹脂層を内層として積層
    したことを特徴とする積層体。
  2. 【請求項2】請求項1記載の積層体において、(A)層
    と(B)層との間に、(C)接着樹脂層を設けたことを
    特徴とする積層体。
  3. 【請求項3】(A)層と(B)層との厚み比が2:98ない
    し70:30である請求項1又は2記載の積層体。
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