JP2918904B2 - ヒトパピローマウイルス潜伏性タンパク質に対する抗体、その診断システム及びその使用法 - Google Patents

ヒトパピローマウイルス潜伏性タンパク質に対する抗体、その診断システム及びその使用法

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Description

【発明の詳細な説明】 (関連出願のクロスレファレンス) 本出願は、その記載事項を参考文献として引用してい
る、1988年5月16日に登録された出願番号194,407の出
願の一部継続出願である。
(技術分野) 本発明は潜伏性パピローマウイルス(PV)タンパク質
と免疫反応する抗体分子を含む抗体及びモノクローナル
抗体組成物に関するものである。また本発明は、これら
の抗体の合成法及びこれら潜伏性PVタンパク質及び潜在
的PV感染の検出法に関するものである。
(背 景) パピローマウイルスは、皮膚又は粘膜上皮の良性及び
悪性の高増殖を誘導する。プフィスター(Pfister)、
レヴュー・オブ・フィジオロジー・バイオケミストリー
・アンド・ファーマコロジー(Eev.Physiol.Biochem.Ph
armacol.)、99,111−181(1984)。ヌーボ(Nuovo)等
(ジャーナル・オブ・ピロロジー(J.Virol.)62,1452
−1455(1988))の方法に従がい、51タイプ(株)のヒ
トパピローマウイルス(HPV)が同定されている。
ヒトにおいて、別のタイプのパピローマウイルスは、
別の病気を起こすことが知られている(シラネン(Syrj
anen)、オブステト・ジネコル・サーベイ(Obstet.Gyn
ecol.Servey),39,252−265(1984))。例えば、ヒト
のパピローマウイルス(HPV)のタイプ1及びタイプ2
は一般的イボを作るし、また、タイプ6及びタイプ11は
コンジローム及び生殖器の偏平イボを作る。逆に、HPV
タイプ16、18及び33は、大多数の頚管がん中に保持され
ており、また、通常のコンジローマは引き起こさない
が、少ない病理的変化を示す頚管内皮中に分散して存在
する。頚管がんに関連するHPVは最初の感染の後、何年
間も頚管内皮組織中に潜伏状態で維持され、それからあ
る場合に進行して、頚管がんを引き起こす。
現在同定されている多くのHPVのゲノムがクローン化
され、配列決定がなされてきている。例えば、ベーカー
(Baker)、“パピローマウイルスゲノムの配列分析”
(パポバビリダエ(Pavovaviridiae),2巻;パピローマ
ウイルス、ザルツマン(Salzman)等編、プレナムプレ
ス版、ニューヨーク、321−386頁(1987));及びチョ
ウ(Chow)等、“がん細胞”、55−72頁(1987)参
照。
歴史的にパピローマウイルスゲノムの読み枠(ORF)
は、L1及びL2及びE1〜E7と命名されてきており、“L"及
び“E"は各々後期及び初期を意味している。L1、L2及び
E4はウイルスキャプシドタンパク質をコードしており、
またE領域ORFはウイルスの複製、形質転換及びプラス
ミド維持のような機能に関連していると考えられてい
る。ホーリー(Howley)等、“パピローマウイルス−宿
主細胞相互作用の分子的特徴”(“頚管がんのウイルス
病因学”ペト(Peto)等編、バンラリーレポート21、コ
ールドスプリングハーバーラボラトリー、261−272頁
(1986))及びドーバー(Doobar)等、ENBO J.;355
−362(1986)。
現在、潜伏性HPV感染の間に発現されるか、もしく
は、それを示すと明確に確認されているパピローマウイ
ルス特異的抗原はない。
このことは、活発な複製ウイルスが存在する、HPV感
染組織とは対照的である。これらの組織において、いく
つかのHPVにコードされている複製関連抗原(例えばウ
イルスキャプシド抗原)の存在が示されている。シュナ
イダー(Schneider)“ヒトパピローマウイルスの同定
法”(“パピローマウイルス及びヒトの病気”シラネン
(Syrjanen)等編、スプリンガー−バーラグ、19−39頁
(1987))。
HPV含有細胞系列のタンパク質産物の同定を目的とし
た、いくつかの研究が報告されている。種々のHPV ORF
領域ヌクレオチド配列が異種遺伝子と機能的に結合し
た、融合タンパク質が大腸菌において発現された。生成
した融合タンパク質産物は、非HPVアミノ末端及びカル
ボキシ末端に推定上のORFコード化アミノ酸残基の一部
又は全てを含んでいた。この発現された融合タンパク質
は、ポリクローナル抗血清を生成させるための免疫原と
して用いられ、また、その血清はインビトロで、HPV含
有細胞系列における推定上のHPVコード化タンパク質を
検出するのに用いられた。
例えば、シードルフ(Seedorf)等(EMBO J.;139−
144(1987))は、E1ORF配列を含む融合タンパク質を生
成し、またHPVタイプ18を含有する。HeLa細胞から単離
したmRNAの、インビトロ翻訳後、70キロダルトン(kd)
のタンパク質を検出した。F4 ORF配列を含む融合タンパ
ク質に対して生じた抗血清を用い、HPVタイプ16含有CaS
Ki細胞由来のmRNAの、インビトロ翻訳により、10kdのタ
ンパク質を検出した。シードルフ(Seedorf)等、EMBO
J.,139−144(1987)。同様に、E6ORF配列由来の融合
タンパク質に対する抗血清は、HPVタイプ16含有CaSKi細
胞由来のmRNAのインビトロ翻訳により、11kdのタンパク
質を検出した。シードルフ(Seedorf)等、EMBO J.,1
39−144(1987)。
E7ORF配列を含む種々の融合タンパク質に対して生じ
た抗血清は、実験したHPVのタイプに依存する、いくつ
かのタンパク質を検出した。HPV16感染細胞において、1
5kdのタンパク質は、HPV源として、CaSKi又はSiHa細胞
を用い、ウェスタン・イムノブロッティング及びラジオ
イムノ沈殿法を用いて検出されている。シードルフ(Se
edorf)等、EMBO J.,139−144(1987);及びファー
ズラフ(Firzlaff)等、がん細胞(Cancer Cells),
、105−113(1987)。スモトキン(Smotkin)等〔プ
ロシーディング・イン・ナショナル・アカデミー・オブ
・サイエンス(Pro.Natl.Acad.Sci.)USA,83,4680−468
4(1987)〕はE77ORF配列由来融合タンパク質に対して
生じる抗体を用いた。HPVタイプ16含有CaSki又はSiHa細
胞の免疫沈殿法により、20kdのタンパク質の検出につい
て報告した。
ウェスタン法及び免疫沈殿法の両方を用いることによ
り、HPV16含有細胞中の15kdタンパク質を検出する、E7O
RF含有融合タンパク質に対するモノクローナル抗体が調
製された。オルタースドルフ(Oltersdorf)等、ジャー
ナル・オブ・ゼネラル・ビロロジー(J.Gen.Virol.)6
8,2933−2938(1987)。
最近、リー(Li)等(ジャーナル・オブ・ゼネラル・
ビロロジー(J.Gen.Virol.)62,606−609(1988))
は、E2ORF含有融合タンパク質に対して生じる抗血清
を、HPVゲノム配列を含むことが知られている一次生検
組織中に存在するタンパク質の検出に用いたことを報告
した。サウザンブロティングにより、HPVタイプ6、11
又は16を含むことが示され、コンジローマと診断され
た、いくつかの組織由来の溶解物のウェスタンイムノブ
ロッティングにより、50kdのタンパク質が検出された。
別の背景として、HPVタイプ16E1,E2,E4,E6又はE7ORF
の一部又は、HPVタイプ6のE6ORF領域の一部に対応する
アミノ酸残基配列をもつ、17個の合成ポリペプチドが報
告されている。スクールニック(Schoolnick)等、EPO
特許出願第0257754A2号(1988、3月2日公開)。これ
らのポリペプチドは、ウサギの抗血清を調製するための
免疫原として用いられ、また、HPV−16のE6領域に対し
て生じる抗ペプチド抗体4種が、HPV−16DNAを含むこと
が示され、かつ、既知のジスプラシアスをもつと評価さ
れた患者の生検組織と免疫反応することが示された。し
かしながら、スクールニク(Schoolnick)等のペプチド
のいずれも、HPV感染の結果として誘導される抗体と、
抗原として反応する能力を有することを示さなかった。
(発明の概要) 本発明は式 からなる群から選ばれる式で表わされるポリペプチドを
考案している。
さらに、せいぜい約50個のアミノ酸残基からなり、か
つ、式−TYDSE−で表わされるアミノ酸残基配列を含む
ポリペプチドを考案している。
別態様は、せいぜい約50個のアミノ酸残基からなり、
かつ、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
列を含むポリペプチドを考案している。
また、式MADPAGTNGEEGTGCで表わされるポリペプチド
により誘導される抗ポリペプチド抗体と免疫反応する能
力を有する第1エピトープ、及び式CINCQKPLCPEEKQRHで
表わされるポリペプチドにより誘導される抗ポリペプチ
ド抗体と免疫反応する能力を有する第2エピトープを含
む、実質的に純粋なヒトパピローマウイルスの54kd繊維
状タンパク質を含む組成物が考案されている。
さらに、式MADPAGTNGEEGTGCで表わされるポリペプチ
ドにより誘導される抗ペプチド抗体と免疫反応する能力
を有する第1エピトープ、及び式CINCQKPLCPEEKQRHで表
わされるポリペプチドにより誘導される抗ポリペプチド
抗体と免疫反応する能力を有する第2エピトープを含
む、実質的に純粋なヒトパピローマウイルスの48kd繊維
状タンパク質が考案されている。
もう1つの特徴は、式HEDEDKENDGDSLPTCで表わされる
ポリペプチドにより誘導される抗ペプチド抗体と免疫反
応する能力を有する第1エピトープ、及び式HKSAIVTLTY
DSEWQRDQCで表わされるポリペプチドにより誘導される
抗ポピペプチド抗体と免疫反応する能力を有する第2エ
ピトープを含む、実質的に純粋なヒトパピローマウイル
スの112kd分散タンパク質を含む組成物である。
さらに別の特徴は、式HKSAIVTLTYDSEWQRDQCで表わさ
れるポリペプチドにより誘導される抗ポリペプチド抗体
と免疫反応する能力を有するエピトープを含む、実質的
に純粋なヒトパピローマウイルスの51kd核タンパク質を
含む組成物である。
また、式 からなる群から選ばれるポリペプチドの1つのみと免疫
反応する抗ポリペプチド抗体も考案されている。
さらに、i)112kd分散タンパク質、 ii)54kd繊維状タンパク質、 iii)48kd繊維状タンパク質、 iv)51kd核タンパク質、及び v)58kd核タンパク質 からなる群から選ばれる、ヒトパピローマウイルス潜伏
性タンパク質と免疫反応する抗体分子を含むモノクロー
ナル抗体が考案されている。
別の特徴において、本発明は i)112kd分散タンパク質、 ii)54kd繊維状タンパク質、 iii)48kd繊維状タンパク質、 iv)51kd核タンパク質、及び v)58kd核タンパク質 からなる群から選ばれる、ヒトパピローマウイルス潜伏
性タンパク質と免疫反応する、実質的に単離された、も
しくは実質的に純粋な抗体分子を含む抗体を考案してい
る。
さらに、考案されたポリペプチド又は考案された抗体
分子を含む組成物に加えて、本発明のポリペプチドと免
疫反応する抗体及びモノクローナル抗体が考案されてい
る。
また、少なくとも1回の検定を行なうのに十分な量
の、1つ以上の、上記ポリペプチド、タンパク質組成物
及び抗体のを含む、キットの形をした診断システムも考
案されている。
さらに、上述のポリペプチド、タンパク質組成物及び
抗体を用いた、パピローマウイルス感染の存在及び存在
するパピローマウイルスのタイプを検定する方法が考案
されている。
(発明の詳細な説明) A.定 義 (アミノ酸) ここで示される全てのアミノ酸は、天然
のL型のものである。標準的ポリペプチド命名法に従が
い(ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリー
(J.Biol.Chem.)243,3557−59(1969))、アミノ酸残
基に対する略号は、以下の対応表に示した。
ここでは、全てのアミノ酸残基配列は、左から右へ、
従来のアミノ末端からカルボキシ末端の方向で表わされ
ていることに注意せよ。また、アミノ酸残基配列の最初
又は最後にあるダッシュは、ポリペプチド鎖中、総計約
50個の残基までに及ぶ、1個以上のアミノ酸残基への、
1個の結合を示していることにも注意せよ。
(ポリペプチド及びペプチド) ポリペプチド及びペプ
チドは、隣同志の残基のα−アミノ基及びカルボキシ基
間のペプチド結合により互いに連結した、線状のせいぜ
い約50個のアミノ酸残基を意味して、同義的に用いられ
ている。
(タンパク質) タンパク質とは、ポリペプチドと同様
に互いに連結した、線状の50個以上のアミノ酸を意味し
て用いられている語である。
B.パピローマウイルス潜在的タンパク質 パピローマウイルス感染は、潜伏状態で感染され組織
中に維持されるウイルスを生じうる。現在、ヒトパピロ
ーマウイルス(HPV)について理解されているように、
ウイルス潜伏は、生殖器のパピローマウイルス感染に関
連するタイプのHPV、特に頚管がんのような種々のジス
プラシアスを引き起こすものに起こる。ジスプラシアス
関連HPVには、タイプ16、18、31及び33、35、52及びそ
れに類するものが含まれる。
本発明を発明する前、パピローマウイルスゲノムE領
域ORFコード化タンパク質の存在は、潜伏状態でウイル
スを維持する、パピローマウイルス感染組織中では検出
されていない。現在、パピローマウイルス特異的タンパ
ク質は、潜伏性の非増殖状態でウイルスを宿している感
染組織中に発現されていることが示されている。
それゆえ、広い意味で、本発明の1つの態様は、実質
的に純粋なパピローマウイルス潜伏性タンパク質を考案
している。ここで用いられているように、“パピローマ
ウイルス潜伏性タンパク質”“潜伏性パピローマウイル
スタンパク質”及びこれに類する語句は、HPVにより潜
伏的な感染を受けた組織中で発現される、HPV E ORFに
よりコードされるタンパク質を意味する。HPVで潜伏的
な感染を受けた組織は、HPVゲノム物質を含んでいる
が、免疫的方法で検出可能なレベルまでには、HPVウイ
ルスキャプシド抗原を含んでいない。
1.パピローマウイルス繊維状潜伏性タンパク質 潜伏状態でウイルスを維持している、HPV感染細胞
は、現在、例5で説明しているように、ラウリル硫酸ナ
トリウム(SDS)存在下でのポリアクリルアミドゲル電
気泳動(SDS−PAGE)で測定したとき、約54キロダルト
ン(kd)のパピローマウイルス特異的繊維状タンパク質
(すなわち、細胞の繊維状成分に関連して発見されたタ
ンパク質)を生産することが知られている。例えば、例
5で説明しているように、54kdの繊維状タンパク質はCa
Ski及びSiHa細胞中に検出することができる。CaSki及び
SiHa細胞は、HPVタイプ16を含み、また、各々、CRL1550
及びHTB35として、アメリカン・タイプ・カルチャー・
コレクション(ATCC;MD州ロックビル)から入手でき
る、頚管がん腫由来の細胞系列である。
さらに、54kd繊維状タンパク質は、第1表で示されて
いるHPVポリペプチド235及び247と、免疫学的に交叉反
応するエピトープを所有することで特徴づけられる。す
なわち、54kd繊維状タンパク質は、ポリペプチド235及
び247の配列と相同的なアミノ酸残基配列を含む。
また、HPVの潜伏的感染を受けた組織は、SDS−PAGEで
測定されるように、48kdの繊維状タンパク質を生産す
る。この48kd繊維状タンパク質は、例5で説明されてい
る、イムノブロッティング法を用いて、CaSki細胞中に
検出することができる。
さらに、この48kd繊維状タンパク質は、ポリペプチド
235、247及び245と免疫学的に交叉反応するエピトープ
を所有することで特徴づけられ、従って、これらのポリ
ペプチドと相同的なアミノ酸残基配列を含んでいる。
2.パピローマウイルス潜伏性核タンパク質 HPVで潜伏的感染を受けた細胞は、CaSki細胞の核中に
検出されるSDS−PAGEでの測定で約51kdのHPV特異的タン
パク質を発現する。さらに、この51kd核タンパク質は、
E2ORF内部領域のアミノ酸残基配列由来のポリペプチド2
45と、免疫学的に交叉反応するエピトープを所有するこ
とで特徴づけられる。
HPVによる潜伏的感染を受けた細胞は、さらに、SDS−
PAGEでの測定による26kd、48kd及び58kdの核タンパク質
を発現する。
この26kd、48kd及び58kdのタンパク質は、例26aで説
明する、イムノブロッティング法を用い、HPV感染細胞
で検出することができ、またポリペプチド245と免疫学
的に交叉反応するエピトープを所有することで特徴づけ
られる。
3.パピローマウイルス潜伏性分散タンパク質 この分散タンパク質は、例5で説明するSDS−PAGEで
の測定によると約112kdの見かけ分子量をもつ、パピロ
ーマウイルス潜伏性タンパク質である。この112kd分散
タンパク質は、例5で説明するイムノブロッティング法
を用い、HeLa及びSiHa細胞中に検出することができる。
HeLa細胞は、HPVタイプ18を含む頚管がん腫細胞培養
細胞であり、また、CCL2としてATCCから入手できる。
さらに、この112kd分散タンパク質は、各々、E1ORE内
部領域、E2ORF内部領域、Ela ORFアミノ末端領域、E1OR
F内部領域及びE6ORF内部領域のアミノ酸残基配列由来の
ポリペプチド236、245、235、238及び247と免疫学的に
交叉反応するエピトープを所有することで特徴づけられ
る。
上述の種々の潜伏性パピローマウイルスタンパク質
は、本発明の接種物中のタンパク質性免疫原として、又
は、本発明の診断システムにおける抗原として、実質的
に純粋な形で有用である。
従って、本発明は、実質的に純粋な上述の各繊維状、
核及び分散パピローマウイルス潜伏性タンパク質を考案
している。“実質的に純粋”ということは、特定のHPV
潜伏性タンパク質が実質的に、他のパピローマウイルス
関連タンパク質を含まない組成物中に存在することを意
味する。
実質的に純粋な特定のタンパク質を生産する方法は当
分野ではよく知られている。一般的に、こらの方法に
は、よく知られている生化学的技術を用いて、そのタン
パク質を含む細胞からそのタンパク質を単離することが
含まれる。例えば、タンパク質分画法として知られてい
るゲル濾過、ゲルクロマトグラフィー、超遠心、電気泳
動、イオン交換、アフィニティークロマトグラフィー及
びこれに類する方法を、潜伏的感染したHPV含有培養物
中のパピローマウイルス潜伏性タンパク質の単離に使用
することができる。ここに述べられている各潜伏性タン
パク質は、限定されたポリペプチドに対する免疫学的交
叉反応により、部分的に特徴づけられるので、実質的に
純粋な、潜伏性タンパク質を生産するのに、免疫アフィ
ニティー、免疫吸着及びそれに関するもののような免疫
化学的精製法は、特にうまく応用することができる。ま
たこの組成物は、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム(SD
S)、ポリアクアリルアミド、及びSDS−PAGEによる見か
けの分子量約40kd以下の、組織又は細胞培養由来のタン
パク質などの、イオン性界面活性剤のような物質を実質
的に含まないことが好ましい。
C.ポリペプチド 本発明のポリペプチドは、少なくとも約5個の残基を
含み、かつ、わずか約50個、通常約35個以下、好ましく
は約25個以下のアミノ酸残基を含んでいる。さらに、本
発明のポリペプチドはそのアミノ酸残基配列及び新しい
機能性により特徴づけられる。
特別に公表される配列に加えて、総計せいぜい約50個
のアミノ酸残基までの、本発明のポリペプチド中に存在
するアミノ酸残基には、ここで議論されているポリペプ
チドの基本的かつ新規の特徴に重大な影響を与えないも
のがなりえる。
このような付加的残基は、通常、公表されたポリペプ
チドの片方の又は両方の末端に付加され、また、公表さ
れたポリペプチド配列の反復又は部分反復を含むことも
できる。
広く言うと、本発明はパピローマウイルス潜在性タン
パク質と免疫反応する抗体分子を生産(誘導)すること
ができるアミノ酸残基配列を含むポリペプチドを考案し
ている。本発明のポリペプチドは、潜伏性パピローマウ
イルス感染により誘導される抗体、すなわち、抗潜伏性
パピローマウイルスタンパク質抗体と免疫反応すること
が望ましい。さらに、このポリペプチドは潜伏性パピロ
ーマウイルスタンパク質をコードすることが知られてい
るパピローマウイルスゲノムの、これらの読み枠(OR
F)領域の核酸配列から誘導されるアミノ酸残基配列の
一部に対応するアミノ酸残基配列を含むことが望まし
い。
本発明のポリペプチドは、免疫化に当り、潜伏性パピ
ローマウイルスタンパク質と免疫反応する抗体分子を含
む抗血清を生産することができる限り、潜伏性パピロー
マウイルスタンパク質のアミノ酸残基配列と同一である
必要はないことを理解しなければならない。そのポリペ
プチドは、潜伏性パピローマウイルス感染により誘導さ
れる抗体と免疫反応することが好ましい。それゆえ、本
発明のポリペプチドは、その使用に対し、ある利点を提
供するときは、保存的な場合も、非保存的場合も挿入、
欠失及び置換などの種々の変化を与えることができる。
保存的置換とは、1つのアミノ酸残基が別の、生物学
的に同様の残基と置き換える場合である。保存的置換の
代表例にはイソロイシン、バリン、ロイシン又はメチオ
ニンなどの1つの疎水性残基の別の疎水性残基への置
換、もしくは、アルギニンとリジン間、グルタミン酸と
アスパラギン酸間、又はグルタミンとアスパラギン間の
ような極性残基間の置換及びそれに類するものが含まれ
る。また“保存的置換”という語句には、ポリペプチド
が必要とされる抗体誘導活性を示すなら、本来の未置換
アミノ酸の代りの、置換アミノ酸の使用も含まれる。
本発明のポリペプチドが簡便に、ラベル又は固体マト
リクス又は抗原性キャリヤーに固定することを可能にす
る“リンカー”を提供する目的で、いずれかの末端に付
加的残基を付加する場合以外、1つ以上の保存的又は非
保存的置換が行なわれたため、潜伏性パピローマウイル
スタンパク質の配列と同一ではない配列を、本発明のポ
リペプチドが有している場合、通常わずか約20%、そし
てより一般的にはわずか約10%のアミノ酸残基が置換し
ている。本発明のポリペプチドに使用できるラベル、固
体マトリクス及びキャリヤーは後に議論される。
通常、アミノ酸残基リンカーは、少なくとも1個の残
基であり、また40個以上の残基でもよいし、通常は1か
ら10個の残基である。結合のために使用される典型的ア
ミノ酸残基には、チロシン、システィン、リジン、グル
タミン酸及びアスパラギン酸などがある。さらに、本発
明のポリペプチド配列は、その配列が例えばアセチル化
などの末端−NH2アシル化又は末端−NH2チオグリコール
酸アミド化、末端カルボキシアミド化(例えばアンモニ
ア、メチルアミンなど)により修正されることにより天
然の配列とは異なることもありうる。
本発明のペプチドは、少なくとも1個のシスティン残
基を含むことができ、また、ある場合にはその残基を2
個含むことができる。従って、このペプチドは、種々の
酸化状態で存在しうる。そのシスティン残基のスルフィ
ドリル基が還元されている単量体型に加えて、2つ以上
のペプチド分子上のスルフィドリル基が酸化し、かつ、
ペプチド間及びペプチド内のジスルフィド結合の形成し
た二量体又は多量体として存在することもできる。
唯1つのシスティン残基を有する本ペプチドは線状ダ
イマーを形成するのみだが、2個のシスティン残基を有
することは種々の長さの線状又は環状ダイマー及び線状
ポリマーを形成することができる。これら種々の酸化型
は、本発明の一部と考えられ、かつ、“ポリペプチド”
及び“ペプチド”の範囲にはいる。
リンカーを介してキャリヤーに結合し、当分野でキャ
リヤーハプテン結合体として知られているものを形成す
るとき、本発明のポリペプチドは、上記タンパク質が潜
伏性パピローマウイルス感染を含むサンプル中に存在す
る場合、潜伏性パピローマタンパク質と免疫反応する抗
体を誘導することができる。本発明のポリペプチドを用
いて誘導される、抗体及び潜伏性パピローマウイルスタ
ンパク質との代表的免疫反応を例5で説明する。
免疫学的交叉反応の確立された原則からみて、本発明
は、抗原的に関連する、本発明のポリペプチドの多種の
変異体を考案している。“抗原的に関連する変異体”と
は潜伏性パピローマウイルスタンパク質の少なくとも6
個のアミノ酸残基配列部分を含み、かつ上記タンパク質
は潜伏性パピローマウイルス感染を含むサンプル中に存
在する場合、潜伏性パピローマウイルスタンパク質と免
疫反応する抗体分子を誘導することができるポリペプチ
ドである。
本発明のポリペプチドは、組換えDNA技術を含む、ポ
リペプチドの分野でよく知られている技術により合成す
ることができる。
メリフィールド(Merrifild)型の固相合成などの合
成化学的技術は、純度、抗原特異性、望ましくない副産
物の欠除、生産の容易性などの理由で好ましい。使用し
うる多数の技術の優れたまとめは、J.M.スチワード(St
eward)及び、J.D.ヤング(Young)、“固相ペプチド合
成”、W.H.フリーマン(Freeman)社、サンフランシス
コ、1969;M.ロダンスキー(Bodanszky)等、“ペプチド
合成”、ジョンウィリー・アンド・サンズ(John−Wile
y & Sons)社、第2編、1976及びJ.メイエンホーファ
ー(Meienhofer)、“ホルモン性タンパク質及びペプチ
ド"2巻、46頁、アカデミックプレス版(ニューヨー
ク)、1983(以上固相合成)及びE.シュローダー(Schr
oder)及びK.クブケ(Kubke)、“ペプチド"1巻、アカ
デミックプレス版(ニューヨーク)、1965(古典的溶液
合成)に見ることができ、これら各々は、参考文献とし
て、ここで引用されている。
このような合成に使用できる適当な保護基は、上述の
テキスト内及び参考文献として、ここで引用している、
J.F.W.マコーミー(McOmie)、“有機化学における保護
基”プレナムプレス版、ニューヨーク、1973に報告され
ている。
本発明のポリペプチドは、パピローマウイルス、好ま
しくはHPVのE1,E2又はE6ORFのヌクレオチド配列から誘
導されることが好ましい。
さらに、本発明のポリペプチドは、HPVタイプ6,11,1
6,18,33,35,52及びこれに類するものを含む、生殖器の
パピローマウイルス感染を起こすことが知られている特
定のHPVのヌクレオチド配列から誘導されることがより
好ましい。
1.HPVタイプ16関連ポリペプチド 本発明のHPVタイプ16関連ポリペプチドは、少なくと
も5個、好ましくは少なくとも12個のアミノ酸残基を含
み、かつ第1図に示したようなHPVタイプ16のE1,E2及び
E6ORFから誘導されるアミノ酸残基配列の一部に対応す
る配列を含む。
本発明のHPVタイプ−16関連ポリペプチドは、アミノ
酸残基配列WRQRDQFLSQVを含まないことが望ましい。
本発明の好ましいポリペプチドには、第1表に示すア
ミノ酸残基配列のものが含まれる。
好ましいHPVタイプ16関連ポリペプチドには、HPVタイ
プ16のE2ORFから誘導されるアミノ酸配列の一部に対応
し、かつ、式−TYDSE−で表わされるアミノ酸残基配列
を含むアミノ酸残基配列を含む。この含有される配列
は、式−LTYDSE−で表わすことが望ましい。
本発明のHPVタイプ16関連ポリペプチドは式 −BYDSB′− (式中、Bは、次に示すアミノ酸残基配列の少なくとも
1つであり、 B′は、次に示すアミノ酸残基配列の少なくとも1つ
である。
で表わされるアミノ酸残基配列により定義されるもので
あることがより好ましい。
本発明のより好ましいHPVタイプ16関連ポリペプチド
には、式−SAIVTLTDYSE−又は−HKSAIVTLTDYSE−で表わ
されるアミノ酸残基配列が含まれる。
さらに、式−BKSAIVTLTYDSB′− (式中、Bは次に示すアミノ酸残基配列の少なくとも1
つであり、 B′は、次に示すアミノ酸残基配列の少なくとも1つ
である。
で表わされるアミノ酸残基配列で定義されるHPVタイプ1
6関連ポリペプチドであることがより好ましい。
関連する態様において、HPVタイプ16関連ポリペプチ
ドは、HPVタイプ16のH2ORFから誘導されるアミノ酸配列
の一部に対応し、かつ、次に示すアミノ酸残基配列、 の少なくとも1つを含むアミノ酸残基配列を含む。
好ましいHPVタイプ16関連ポリペプチドはわずか約30
個のアミノ酸残基を含み、かつそのアミノ酸残基配列の
一部として、次に示す配列、 の少なくとも1つを有し、もしくは、式 で表わされるHPVタイプ16配列の一部に、好ましくは挿
入または欠失のない状態で相同的であり、より好ましく
はこれと同一のものである。
好ましい特定のHPVタイプ16関連ポリペプチドには、
第2表に示すアミノ酸残基配列を有するものが含まれ
る。
本発明のもう1つの好ましいHPVタイプ16関連ポリペ
プチドは、わずか約50個のアミノ酸からなり、かつ、一
般式 (式中、Zは、式HKSAIVTLTYDSEで表わされる配列の一
部に対応する配列を有する、少なくとも5個のアミノ酸
残基であり、 Xは水素又は、少なくとも1個のアミノ酸残基であ
り、 X′は水酸基又は少なくとも1個のアミノ酸残基であ
る) で表わされるアミノ酸残基配列を含み、かつ、抗HPV潜
在性タンパク質抗体と免疫反応することができるポリペ
プチドである。
また別の好ましいHPVタイプ16関連ポリペプチドは、
わずか約50個のアミノ酸残基からなり、かつ、一般式 (式中、Xは水素又は、少なくとも1個のアミノ酸残基
であり、X′は水酸基又はX′がアミノ酸残基配列WQRD
QFLSQVを含まない条件で、少なくとも1個のアミノ酸残
基である) で表わされるアミノ酸残基配列を含むポリペプチドであ
る。
ある態様における、X′は、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
列である。
好ましい態様におけるX′は、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
列である。
また別の好ましい態様におけるX′は、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
列である。
さらに好ましHPVタイプ16関連ポリペプチドの別の定
義は、わずか約50個のアミノ酸残基を含み、かつ、次に
示すアミノ酸残基配列 のうちの少なくとも1つを含み、かつ、アミノ酸残基配
列WRQRDQFLSQVを含まないポリペプチドである。
2.HPVタイプ6関連ポリペプチド 本発明のHPVタイプ6関連ポリペプチドは、HPVタイプ
6のE2ORFから誘導されるアミノ酸残基配列の一部に対
応し、かつ、式 −HAIVTVTYDSE−で表わされるアミノ酸残基配列を含む
アミノ酸残基配列を含んでいる。
好ましいHPVタイプ6関連ポリペプチドは、式HKHAIVT
VTYDSEEQRQQCで表わされるアミノ酸残基配列を有してい
る。
3.HPVタイプ11関連ポリペプチド 本発明のHPVタイプ11関連ポリペプチドは、HPVタイプ
11のE2ORFから誘導されるアミノ酸残基配列の一部に対
応し、かつ式 −NAIVTLTYSSE−で表わされるアミノ酸残基配列を含む
アミノ酸残基配列を含んでいる。
好ましいHPVタイプ11関連ポリペプチドは式HKNAIVTLT
YSSEEQRQQCで表わされるアミノ酸残基配列を有してい
る。
4.HPVタイプ18関連ポリペプチド 本発明のHPVタイプ18関連ポリペプチドは、HPVタイプ
18のE2ORFから誘導されるアミノ酸残基配列の一部に対
応し、かつ、式−ILTVT−、より好ましくは式−TGTLTVT
YHSE−で表わされるアミノ酸残基配列を含むアミノ酸残
基配列を含んでいる。
好ましいHPVタイプ18関連ポリペプチドは、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
列を有している。
5.HPVタイプ33関連ポリペプチド 本発明のHPVタイプ33関連ポリペプチドは、HPVタイプ
33のE2ORFから誘導されるアミノ酸残基配列の一部に対
応し、かつ、式 −NGIVTVTFVTE−で表わされるアミノ酸残基配列を含む
アミノ酸残基配列を含んでいる。
好ましいHPVタイプ33関連ポリペプチドは、式SKNGIVT
VTFVTEQQQQMCで表わされるアミノ酸残基配列を有してい
る。
HPVタイプ6,11,18及び33のE2ORFから誘導された好ま
しいHPV関連ポリペプチドを第3表に示す。
また本発明は、生理的に許容される希釈剤中に混合し
た、本発明のポリペプチドを含む組成物を考案してい
る。一般的に、この組成物は、マイクロモル濃度からモ
ル濃度の範囲で、好ましくはミリモル濃度の濃度でポリ
ペプチドを含んでいる。
さらに本発明は、パピローマウイルス潜伏性タンパク
質ORFから誘導される配列と異なる、少なくとも1個の
アミノ酸残基配列に機能的に結合(融合)した本発明の
ポリペプチドを含む融合タンパク質及びその組成物を考
案している。
D.接種物 別の態様において、本発明のポリペプチド、その抗原
的に関連する変異体又は、本発明の実質的に純粋なパピ
ローマウイルス潜伏性タンパク質は、医薬的に許容され
る水性希釈剤組成物中、その効果量を投与したとき、パ
ピローマウイルス潜伏性タンパク質と免疫反応する抗体
を誘導することができる接種物を作るのに用いられる。
種々の文法型の“接種物”という語は、パピローマウ
イルス潜伏性タンパク質に対する抗体の調製に用いられ
る活性成分として、本発明のポリペプチド又は実質的に
純粋なパピローマウイルス潜伏性タンパク質を含む組成
物を示すの用いられている。
ポリペプチドを抗体の誘導に用いるとき、ポリペプチ
ドは、単独で、又は結合体としてキャリヤーに結合し
て、又はポリペプチドポリマーとして用いることができ
るが、それらは本発明のポリペプチドの種々の態様を平
易に表現するため、種々の文法型の“ポリペプチド”と
いう語が集約的に使用される。
約35個以下のアミノ酸残基を含むポリペプチドに対し
ては、すでに述べてきたように、抗体産生の誘導のため
には、キャリヤーに結合したペプチドを使用することが
望ましい。
先に示したように、1個以上の付加的アミノ酸残基が
ポリペプチドのキャリヤーへの結合を助ける目的で、ポ
リペプチドのアミノー又はカルボキシ末端に付加するこ
とができる。ポリペプチドのアミノ−又はカルボキシ末
端に付加したシスティン残基は、ジスルフィド結合を介
して結合体を形成するのに特に有用であることが分って
いる。しかし、結合体を形成するための、当分野でよく
知られている他の方法も用いることができる。
代表的付加結合操作には、ミカエル付加反応産物、グ
ルタルアルデヒドのようなジアルデヒドの使用、クリプ
スタイン(Klipstein)等、ジャーナル・オブ・インフ
ェクシャス・ディシーズ(J.Infec.Dis.)147、318−32
6(1983)及びこれに類するもの、又は、キャリヤーへ
のアミド結合を形成する、水溶性カルボジイミドの使用
におけるような、カルボジイミド技術の使用などが含ま
れる。
タンパク質結合体又は活性化官能基を介しての結合に
関するレヴューは、オーラメアス(Aurameas)等、スカ
ンジナビアン・ジャーナル・オブ・イムノロジー(Scan
d.J.Immnol.)8巻、補−1.7,7−23(1978)参照。
有用なキャリヤーは当分野ではよく知られており、ま
た、一般に、それらはタンパク質自体である。このよう
なキャリヤーの代表例には、キーホールリンペットヘモ
シアニン(KLH)、エデスチン、チログロブリン、ウシ
血清アルブミン(BSA)又はヒト血清アルブミン(HSA)
などのアルブミン、羊赤血球(SRBC)のような赤血球、
テタヌストキソイド、コレラトキソイド及びポリ(D−
リジン、Dグルタミン酸)などのポリアミノ酸及びこれ
に類するものがある。
キャリヤーの選択はその接種物の最終的使用法に依存
しており、本発明に特に関係しない規準に基づいて行な
われる。例えば、接種を受けた特定の動物中で都合の悪
い反応が起こらないキャリヤーを選択するべきである。
本接種物には、効果的免疫原量の、本発明のポリペプ
チド又は潜伏性パピローマウイルスタンパク質を含み、
また一般的に、ポリペプチドの場合は、キャリヤーに結
合した結合体として用いられる。単位投与量当りの、ポ
リペプチド又はタンパク質の効果的量は、とりわけ、接
種される動物種、その動物の体重、及び選択される接種
処方に依存する。このことは、当分野ではよく知られて
いることである。一般的に接種物は、接種(投与)当
り、約10マイクログラムから約500ミリグラムの濃度、
好ましくは、投与当り、約50マイクログラムから約50ミ
リグラムの濃度のポリペプチド及びタンパク質を含んで
いる。
本発明の接種物に使用される“単位投与”という語
は、必要とされる希釈剤、すなわち、キャリヤー又はビ
ヒクルとともに、望ましい免疫原的効果を生ずると計算
された、所定量の活性物質を含む、動物に対する1回の
投与に適した物理的に分離した単位を意味している。本
発明の接種物の単位投与量の処方は、(a)活性物質独
自の特性及び達成すべき特定の免疫学的効果、及び
(b)動物への免疫学的使用のための、このような活性
物質を調合する分野に内在する制限により記述され、か
つこれらに直接依存しており、これらの要素は、ここで
詳細に公開されており、本発明の特徴ともなっている。
一般的に、接種物は、水、食塩水、又はリン酸緩衝液
などの生理的に許容される希釈剤又はビヒクル中に、ポ
リペプチド結合体を分散して水性組成物を作ることによ
り、乾燥した固体ポリペプチド結合体から調製すること
ができる。同様に、潜伏性パピローマウイルスタンパク
質を含む接種物は、一般的に、同様の生理的に許容され
る希釈剤中に分散することにより、実質的に純粋な潜伏
性パピローマウイルスタンパク質から調製する。このよ
うな希釈剤は当分野ではよく知られており、また、例え
ば、“レミントン・ファーマシューティカル・サイエン
ス”(Remington's Pharmaceutical Science)第16編、
マック出版、イーストン、PA州、(1980)、1465−1467
頁で議論されている。
また、接種物は、希釈剤の一部としてアジュバントを
含むこともできる。完全フロイントアジュバント(CF
A)、不完全フロイントアジュバント(IFA)及びミョウ
バンのようなアジュバントは、当分野でよく知られてい
る物質であり、また、いくつかの販売元から市販されて
いる。
E.抗体及び抗ポリペプチド抗体 種々の文法型の“抗体”という語は、一群の免疫グロ
ブリン分子そして、または免疫グロブリン分子の免疫学
的活性領域、すなわち、抗体結合部位又はパラトープを
含む分子、を含む組成物を差して用いられる。
“抗体結合部位”とは、特異的に抗原を結合(と免疫
反応)する重鎖及び軽鎖可変及び超可変領域を含む抗体
分子の構造領域である。
種々の文法型の“抗体分子”という語句は、本来の免
疫グロブリン分子及び免疫グロブリン分子の免疫学的活
性領域を意味して用いられている。
代表的抗体分子には、本来の免疫グロブリン分子、実
質的な免疫グロブリン分子及び当分野でFab、Fab′、F
(ab′)及びF(v)として知られている領域を含
む、パラトープを含む免疫グロブリン分子のこれらの領
域がある。
抗体のFab及びF(ab′)領域は、各々、パパイン
及びペプシンによるタンパク質分解反応により調製され
る。例えばテトフィロポラス(Theofilopolaus)及びデ
クソ(Dixon)に対する米国特許第4,342,566号参照。
また、Fab′抗体領域もよく知られており、メルカプ
トエタノールなどで、2つの重鎖領域を結合するジスル
フィド結合の還元と、つづく、ヨードアセトアミドのよ
うな試薬による、生成したタンパク質メルカプタンのア
ルキル化により、F(ab′)領域から生成する。本来
の抗体分子を含む抗体が好ましく、ここでは例として使
用している。
種々の文法型の“免疫反応”という語は、抗原決定基
含有分子及び全抗体分子又はその一部のような、抗体結
合部位を含む分子間の結合を意味している。
免疫反応は、抗体結合部位及び結合した抗原決定基を
含む免疫反応産物を生成する。結合が、ここで説明され
ているELISA法、イムノブロッティング法、免疫染色法
又はそれに類するものにより測定しうる量の免疫反応物
を生じるなら、この免疫反応は実質的なものと言える。
“抗原決定基”は抗体結合部位により免疫学的に結合
される、抗原の実際の構造領域を意味している。この語
は“エピトープ”と同義的に使用される。
本発明の抗体は、以下に示すパピローマウイルス潜伏
性タンパク質、 a)112kd分散タンパク質、 b)54kd繊維状タンパク質、 c)48kd繊維状タンパク質、 d)51kd核タンパク質、 e)58kd核タンパク質、 f)26kd核タンパク質、 g)48kd核タンパク質、 の1つの免疫反応する実質的に単離した、または実質的
に純粋な抗体分子を含むことで特徴づけられる。
“実質的に単離した”という語句は、抗体中に存在す
る少なくとも約10%、好ましくは少なくとも約25%、よ
り好ましくは、少なくとも約50%がパピローマウイルス
潜伏性タンパク質又はパピローマウイルス関連ポリペプ
チドを指向するものであることを意味する。
“実質的に純粋”という語句は、抗体中に存在するタ
ンプク質の少なくとも約1%、好ましくは少なくとも10
%、より好ましくは、少なくとも50%が抗体結合部位を
形成するタンパク質分子であることを意味している。
好ましい態様において、考案された抗体は、 a)HeLa細胞中に存在する70kdタンパク質、 b)CaSki細胞中に存在する20kdタンパク質、 c)CaSki細胞中に存在する15kdタンパク質、 d)CaSki細胞中に存在する11kdタンパク質、 又は、 e)CaSki細胞中に存在する10kdタンパク質、 と免疫反応しない。
別の態様において、本発明は、(1)ポリペプチド、
好ましくは、唯1つのポリペプチド、及び(2) a)112kd分散タンパク質、 b)54kd繊維状タンパク質、 c)48kd繊維状タンパク質、 d)51kd核タンパク質、及び e)58kd核タンパク質 からなる群から選ばれるパピローマウイルス潜在性タン
パク質の少なくとも1つ、と免疫反応する抗体分子を含
む抗ポリペプチド抗体を考案している。
好ましい態様において、考案された抗ポリペプチド抗
体は実質的に、 a)HeLa細胞中に存在する70kdタンパク質、 b)CaSki細胞中に存在する20kdタンパク質、 c)CaSki細胞中に存在する15kdタンパク質、 d)CaSki細胞中に存在する11kdタンパク質、 又は e)CaSki細胞中に存在する10kdタンパク質、 とは免疫反応しない。
からなる群から選ばれるポリペプチド、好ましくは、唯
一のポリペプチドと免疫反応する、ポリクローナル抗ポ
リペプチド抗体がより好ましい。
さらに、ヤギ、ウマ、ウサギ及びそれに類するものの
ような、ヒト以外のホ乳動物を免疫することにより作ら
れる、抗ポリペプチド抗体も好ましい。代表的抗ポリペ
プチド抗体とは、抗235、抗236、抗237、抗238、抗24
5、抗246及び抗247と命名した、ウサギ中で作られるも
のである。
本発明の抗体は一般的に、本発明の接種物でホ乳類動
物を免疫化し、それにより、そのホ乳動物中、適当なポ
リペプチド免疫特異性を有する抗体分子を誘導すること
により生産される。それからこの抗体を、このホ乳動物
から回収し、ついで例えば免疫アフィニティークロマト
グラフィーのような、従来技術により望まれる程度に単
離、精製する。それから、単離した抗体分子含有組成物
について、先に述べた免疫特異性に従がい、免疫反応す
る能力の評価を行ない、また、このように調製した、適
当な免疫特異性を有する、これらの組成物を、本発明の
抗体組成物として保存する。このようにして生成した抗
体は、なかでも、体液サンプル中の潜伏性パピローマウ
イルスタンパク質の存在を検定する、本発明の診断法及
び診断システムにおいて用いることができる。
本発明のポリペプチドにより誘導される、本発明の抗
体は、それらが本来のウイルス潜伏性関連のパピローマ
ウイルスコード化タンパク質に似ている、そのエピトー
プと比較して、比較的に少ないエピトープを有する免疫
原(比較的小さいポリペプチド)に対して生じるもので
あるので、天然のポリクローナル抗体と比べ、オリゴク
ローナル抗体と呼ぶことができる。結果的に、本発明の
抗体分子は、そのポリペプチドのエピトープと結合する
が、一方全潜伏性パピローマウイルスタンパク質に対し
て生じる天然の抗体は、このタンパク質分子全体を通じ
てのエピトープと結合し、従ってポリクローナル抗体と
呼ばれる。
別の態様において、本発明の抗体は潜伏性パピローマ
ウイルスタンパク質関連ポリペプチド、すなわち、潜伏
性タンパク質ORF、好ましくは、E1、E2又はE6から誘導
されるポリペプチドと免疫反応する、実質的に単離され
た抗体分子を含むことで特徴づけられる。
式、 で表わされるポリペプチドと免疫反応する、実質的に単
離された抗体分子が好ましい。
一般的に、これらの抗体は潜伏性パピローマウイルス
感染した患者にみられる、抗潜伏性パピローマウイルス
タンパク質抗体含有血清から、固定化した潜伏性パピロ
ーマウイルスタンパク質関連ポリペプチドを用いた、イ
ムノアフィニティークロマトグラフィーにより得られ
る。本態様の好ましい抗体は、潜伏性パピローマウイル
ス感染、好ましくは、タイプ16、18、6、11又は33のヒ
トパピローマウイルス又はそれに類するものに引き起こ
される感染を受けた患者の血清から単離されるヒトの抗
体である。特に、例15で調製される、ヒトの抗体が好ま
しい。
F.モノクローナル抗体組成物 パピローマウイルス潜伏性タンパク質と免疫反応する
抗体分子を含むモノクローナル抗体も考案されている。
種々の文法型の“モノクローナル抗体”という語句は特
定の抗原と免疫反応することができる、唯一の抗体結合
部位を有する一群の抗体分子を意味する。したがって、
一般的にモノクローナル抗体は免疫反応する抗原に対
し、単一の結合親和性を示す。それゆえ、モノクローナ
ル抗体には各々が異なる抗原に免疫特異性を有する、複
数の抗体結合部位を有する抗体分子、例えば二特異的モ
ノクローナル抗体が含まれる。
一般に、モノクローナル抗体組成物は唯一種の抗体分
子を分泌(生産)するハイブリドーマと呼ばれる単一細
胞クローンにより生産される抗体を含んでいる。このハ
イブリドーマ細胞は、抗体産生細胞と、ミエローマ又は
他の自己増殖細胞系列と融合することにより生成され
る。このような抗体はここで、その説明を参考として引
用した、コラー(Kohler)及びミルスタイン(Milstei
n)(ネイチャー(Nature),256,495−497(1975))
により初めて報告された。
ある態様において、本発明のモノクローナル抗体組成
物は、次に示すパピローマウイルス潜伏性タンパク質、 a)112kd分散タンパク質、 b)54kd繊維状タンパク質、 c)48kd繊維状タンパク質、 d)51kd核タンパク質、 e)58kd核タンパク質、 f)26kd核タンパク質、又は g)48kd核タンパク質 のうちの1つと免疫反応する抗体分子を含むことにより
特徴づけられる。
本発明のモノクローナル抗体は、 a)HeLa細胞中に存在する70kdタンパク質、 b)CaSki細胞中に存在する20kdタンパク質、 c)CaSki細胞中に存在する15kdタンパク質、 d)CaSki細胞中に存在する11kdタンパク質、 又は e)CaSki細胞中に存在する10kdタンパク質、 と、実質的に免疫反応しないことが好ましい。
別の態様において、本発明は、本発明のポリペプチド
及びパピローマウイルス潜伏性タンパク質と免疫反応す
る抗体分子を含む抗ポリペプチドモノクローナル抗体を
考案している。
抗体ポリペプチドモノクローナル抗体は、 a)HeLa細胞中に存在する70kdタンパク質、 b)CaSki細胞中に存在する20kdタンパク質、 c)CaSki細胞中に存在する15kdタンパク質、 d)CaSki細胞中に存在する11kdタンパク質、 又は、 e)CaSki細胞中に存在する10kdタンパク質、 と、実質的に免疫反応しないことが望ましい。
好ましい態様においては、モノクローナル抗体が、ア
ミノ酸残基配列が第1、第2又は第3表に示したポリペ
プチドに対応するポリペプチドと免疫反応する。特に好
ましいモノクローナル抗体は第4表に示したハイブリド
ーマにより産生されうる抗体分子を含んでいる。
235:B9、245:11E3及び247:4D11と命名された、好まし
いモノクローナル抗体産生ハイブリドーマは、1988年5
月12日、MD州、ロックビル、アメリカン・タイプ・カル
チャー・コレクション(ATCC)に、ハイブリドーマ培養
物として保管され、各々受理番号HB9720、HB9718及びHB
9719が割当てられた。
別の態様において、本発明は式、 で表わされるポリペプチドと免疫反応する抗体分子を含
む抗ポリペプチドモノクローナル抗体を考案している。
本発明のモノクローナル抗体は、適当な免疫特異性を
有する抗体分子を分泌する、本発明のハイブリドーマを
含む栄養培地からなるモノクローナルハイブリドーマ培
養を開始することによって生産することができる。この
培養を、ハイブリドーマが培地中に抗体分子を分泌する
条件及び時間、維持する。その後、この抗体含有培地を
回収する。さらにこの抗体分子を従来法により単離す
る。
高濃度の準精製モノクローナル抗体を作るため、目的
のハイブリドーマをマウス、好ましくは同系又は準同系
マウスに注入する。このハイブリドーマは、適当なイン
キュベーション時間の後、抗体産生腫瘍を形成させ、そ
の結果、その宿主マウスの血液及び腹腔滲出物(腹水)
中に、高濃度の目的とする抗体(約5〜20mg/ml)が生
ずる。
これらの組成物調製のために有用な培地はこの分野で
はよく知られ、また市販されており、これには、合成培
養培地、近交系マウス及びこれに類するものが含まれ
る。代表的合成培地は、4.5g/のグルコース、20mmグ
ルタミン及び20%ウシ胎児血清を補ったダルベコ最小基
礎培地〔DMEM;ダルベコ(Dulbecco)等、ビロロジー(V
irol.),396(1959)〕である。代表的近交系マウス
株はBalb/cである。
上記の方法で産生されるモノクローナル抗体組成物
は、例えばパピローマウイルス潜伏性タンパク質含有免
疫産物の生成が望まれる、診断法及び免疫精製法で使用
することができる。
G.ハイブリドーマ及びその他のモノクローナル抗体産生
細胞及びその調製法 本発明のハイブリドーマは、本発明のモノクローナル
抗体を産生する能力を有することを特徴とするものであ
る。望ましい免疫特異性の、すなわち、特定のタンパク
質、特定のタンパク質上の同定可能なエピトープそして
または、ポリペプチドと免疫反応する能力を有する抗体
分子を産生(分泌)するハイブリドーマを生産方法は当
分野ではよく知られているものである。ここで参考のた
め引用している、ナイマン(Niman)等(プロシーディ
ング・イン・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエン
ス(Proc.Natl.Acad.Sci.)USA,80,4949−4953(198
3))及びガルフレ(Galfre)等(メソッズ・イン・エ
ンザイモロジー(Meth.Enzymol.)73,3−46(1981))
の方法は特に応用性が高い。
一般的に、本発明のハイブリドーマは上述の技術にお
いて本発明の、実質的に純粋な潜伏性パピローマウイル
スタンパク質又はポリペプチドを免疫原として用いるこ
とにより、生産することができる。
H.診断システム 本発明のキット型の診断システムには、少なくとも1
回の検定を行うのに十分な量の、各々別々にパッケージ
された試薬として本発明の実質的に純粋なパピローマウ
イルス潜伏性タンパク質、ポリペプチド、抗体、抗ポリ
ペプチド抗体、モノクローナル抗体、又は抗ポリペプチ
ドモノクローナル抗体が含まれる。このパッケージされ
た試薬の使用説明書を含めるのが一般的である。
ここで使用されているように、“パッケージ”という
語は、本発明のポリペプチド、抗体組成物又はモノクロ
ーナル抗体組成物の所定量を含めることができる。ガラ
ス、プラスチック、紙、ホイル及びこれに類するもの等
の、固体マトリックス又は物質を意味する。従って、例
えば、パッケージは、ミリグラム量の考案ポリペプチド
を含めるのに用いられるガラスのバイアルであることも
可能であり、また、マイクログラム量の考案のポリペプ
チドを機能的に固定した、すなわち、抗体による免疫学
的に結合が可能なように結合した、マイクロプレートの
ウェルであることも可能である。
一般的に、“使用説明書”には、試薬の濃度又は、試
薬と投与を受けるサンプルの相対量、試薬/サンプル混
合物の維持時間、温度、バッファ条件及びこれに類する
もの等の、少なくとも1回の検定方法のパラメータを記
述した実際的表面が含まれている。
1つの態様において、身体サンプル中の潜伏性の(la
tent)乳頭腫ウイルス感染の存在をアッセイする診断系
は潜伏性の乳頭腫ウイルスタンパク質と免疫反応する本
発明の抗体を含有するパッケージよりなる。好ましくは
抗体は本発明のモノクローナル抗体である。より好まし
くは抗体分子は本発明のハイブリドーマによって生産さ
れる抗体の分子である。抗体分子が酵素ラベルに結合し
ているキットがさらに好ましい。
このように好ましい態様において本発明の診断系はさ
らに本発明の抗体分子またはポリペプチドを含有する複
合体の生成を信号で知らせることができるラベルもしく
は指示手段を含有する。
ここで用いる用語「複合体」は抗体−抗原反応のよう
な特異的結合反応の生産物を指称する。例示的複合体は
免疫反応生成物である。
ここで用いる用語「ラベル」及び「指示手段」はそれ
らの種々の文法的形態において複合体の存在を示す検出
可能なシグナルの生産に直接にもしくは間接に関与する
単一の原子及び分子を指称する。いずれのラベルもしく
は指示手段も実質上純粋な潜伏性乳頭腫ウイルスタンパ
ク質、ポリペプチドまたは本発明の抗体もしくはモノク
ローナル抗体組成物の部分である抗体分子に結合するか
これに含有されることができるか、または別々に用いら
れ、それらの原子または分子は単独にまたは付加の試薬
と共に用いることができる。このようなラベルは臨床診
断化学において周知であり、それらが新規なタンパク質
方法及び/または系について用いられる限りにおいて本
発明の一部を構成する。
ラベル手段は抗体もしくは抗原にそれらを変性させる
ことなく化学的に結合して有用な免疫螢光トレーサーで
あるフルオロクロム(fluorochrome)(染料)を生成す
る螢光ラベル剤であることができる。適当な螢光ラベル
剤はフルオレセインイソシアネート(FIL)、フルオレ
セインイソチオシアネート(FITC)、5−ジメチルアミ
ン−1−ナフタレンスルホニルクロライド(DANSC)、
テトラメチルローダミンイソチオシアネート(TRIT
C)、リサミン(lissamine)、ローダミン8200スルホニ
ルクロライド(RB200SC)等のフルオロクロム等であ
る。免疫フルオレセイン分析技術の記述はDeLuca,“Imm
ino−fluorescence Analysis",in Antibody As a Tool,
Marchalonis,et al.,eds.,John Wiley &Sons,Ltd.,pp.
189−231(1982)に見い出される。この文献を参考とし
てここに加入する。
好ましい態様において、指示基はホースラディシュ
(horseradish)ペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリホ
スファターゼ、グルコースオキシダーゼ等の酵素等であ
る。主たる指示基(indicating group)がHRP、グルコ
ースオキシダーゼ等の酵素である場合には受容器−リガ
ンド複合体(イムノリアクタント)(immunoreactant)
が生成した事実を視覚化するために付加的な試薬が必要
とされる。かかる付加的な試薬はHRPについては過酸化
水素、及びジアミノベンジン、オルトフェニレンジアミ
ン等の酸化染料プレカーサーを包含する。グルコースオ
キシダーゼについて有用な付加的試薬は2,2′−アジノ
−ジ−(3−エチル−ベンズチアゾリン−G−スルホン
酸)(ABTS)である。
放射性元素もまた有用なラベル剤である。例示的放射
性ラベル剤はγ−線を発する放射性元素である。それ自
身γ−線を発する元素、例えば124I、125I、128I、
132I、及び51Crは1クラスのγ−線発生放射性元素指示
グループを表す。特に好ましいのは125Iである。別の有
用なラベル手段の群はそれ自身ポジトロン(Positron)
を発する11C、18F、15O及び13N等の元素である。発した
ポジトロンは動物の体内に存在する電子と出会うとγ−
線を生成する。111インジウム、3H等のβ−発生体も有
用である。
ラベルの結合、すなわちポリペプチド及びタンパク質
のラベリングはこの技術分野で周知である。例えばハイ
ブリドーマによって生産される抗体分子は培地成分とし
て供給された放射性同位元素含有アミノ酸の代謝移入に
よってラベルすることができる。例えばGalfre et al.,
Meth.Enzymol.,73,3−46(1981)参照。活性化官能基を
通してのタンパク質複合化またはカップリングの技術は
特に適用可能である。例えばAurameas,et al.,Scand.J.
Immunol.,Vol.a Suppl.7:7−23(1978),Rodwell et a
l.,Biotech.,3:889−894(1984),and U.S.Pat.No.4,49
3,795参照。
診断系は好ましくはまた別パッケージとして特異的結
合剤を包含することができる。「特異的結合剤」は本発
明の試薬種(species)を選択的に結合することができ
るが、それ自身実質上純粋なタンパク質、ポリペプチド
または本発明の抗体分子でない分子体(entity)であ
る。例示的な特異的結合剤は二次(second)抗体分子、
補体タンパク質もしくはその断片(fragments),S.aur
eusプロティンA等である。好ましくは特異的結合剤は
それが複合体の一部として存在する場合の本発明の抗体
分子もしくはポリペプチドを結合できる。
好ましい態様において特異的結合剤はラベルされてい
る。しかしながら診断系がラベルされていない特異的結
合剤を含有する場合、剤は典型的には増幅手段もしくは
試薬として用いられる。これらの態様においてラベル化
された特異的結合剤は増幅手段が試薬種含有複合体に結
合している場合増幅手段を特異的に結合することができ
る。
本発明の診断キットは血清、血漿、尿等の体内流体サ
ンプル中に存在する潜伏性乳頭腫ウイルス(letent pap
illomavirus)タンパク質と免疫反応する抗体分子の存
在または量を検出する「エライサ」(ELISA)法(forma
t)において用い得る。「エライサ」はサンプル中に存
在する抗原もしくは抗体の量を検出し定量するために、
固相に結合した抗体もしくは抗原、及び酵素−抗原もし
くは酵素−抗体複合体を用いる酵素−結合免疫吸着アッ
セイを指称する。エライサ技術の記述はChapter22 of t
he 4th Edition of Basic and Clinical Immunolgy by
D.P.Sites et al.,Published by Lange Medical Public
ations of Los Altos,CA in 1982 and in U.S.Patents
No.3,654,090;No.3,850,752;and No.4,016,043に見い出
される。これらはすべてここに参考に加入する。
かくのごとく好ましい態様において本発明の実質上純
粋なタンパク質、ポリペプチドまたは抗体分子は固体マ
トリックスに付着させ(be laffixed)て固体支持体と
し、これを別個に本診断系にパッケージする。
試薬は、他の当業者に公知の付着手段も用い得るが、
典型的には水性媒体からの吸着によって固体マトリック
スに付着させる。
有用な固体マトリックスは当業界で周知である。かか
る材料はPharmacia Fine Chemicals(Piscataway,NJ)
からの商標SEPHADEXなる名称の架橋デキストラン、アガ
ロース、ラテックス、Abbott Laboratories(North Chi
cago,IL)から入手し得る直径1μ〜約5mmのポリスチレ
ンビース、塩化ポリビニル、ポスチレン、架橋ポリアク
リルアミド、シート、条片(strips)、パドラー(padd
ler)等のニトロセルロースもしくはナイロン基調の織
布、またはポリスチレンもしくはポリビニルクロライド
からつくられた管、プレートもしくは微量力価プレート
穴(well)を包含する。
試薬種、ラベル化結合剤またはここに記述するいずれ
かの診断系の増幅試薬は溶液、分散液または実質上乾燥
粉末(例えば凍結乾燥形態)で提供され得る。支持手段
が酵素である場合、酵素の基質も系の別個のパッケージ
として提供される。前述の微量滴定プレート等の固体支
持体及び1以上のバッファーも本診断アッセイ系の別個
のパッケージ要素として包含できる。
診断系に関してここで論議されるパッケージ材料は診
断系で慣用的に用いられるものである。かかる材料はガ
ラス及びプラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロ
ピレン、ポリカーボネート)のボトル、バイアル、プラ
スチック及びプラスチックホイルラミネート包み(enve
lope)等である。
別の態様において本発明の診断系は潜伏性乳頭腫ウイ
ルス感染によって誘導される抗体、すなわち抗潜伏性乳
頭腫ウイルス抗体の存在をアッセイするのに有用であ
る。かかる系はキット形態において、本発明の潜伏性乳
頭腫ウイルスタンパク質もしくはポリペプチドを含有す
るパッケージよりなる。好ましくは含有されるポリペプ
チドは配列した乳頭腫ウイルスゲノムのE領域読取り枠
(ORFs)から導かれる推測アミノ酸残基配列の部分に相
同の配列を含有する。より好ましくは含有されるペプチ
ドはHPVのE1、E2またはE6ORFから推測される配列を含有
する。
1つの態様において、考慮された診断系に、タイプ
6、11、16、18、33及び35についてここで開示したよう
な特定のHPVタイプに関するポリペプチドを包含させる
のが好ましい。本発明のHPVタイプ6、11、16、18もし
くは13関与ポリペプチド、好ましくは配列が表1、2も
しくは3に示されるそれらの1つを包含するのが特に好
ましい。
実施例で論じた結果から、HPVタイプ16潜伏性タンパ
ク誘導抗体と反応する、ヒト乳頭腫ウイルスの重要な抗
原決定基は前述した5つのアミノ酸残基配列−TYDSE−
(その中に含有された)によって定義されることが明ら
かである。さらに、本発明のHPVタイプ16関連ポリペプ
チドの各々は大抵の抗HPVタイプ16潜伏性タンパク質抗
体含有血清と反応するが、個々の患者血清はHPVタイプ1
6関連ポリペプチドの1つと特異的に反応し、他とは反
応しないことが認められた。この観察は付加的な抗原決
定基が前述の式−LTYDSE−、−SAIVTLTDYSE−、−HKSAI
VTLYDYSE−、HKSAIV−、−SAIVTL−または−IVTLTD−を
含有する配列を含有する他のペプチド中に存在すること
を示している。
従って、本発明はさらに上記HPVタイプ16関連ポリペ
プチドがHPVタイプ16関連ポリペプチドの異なる種と組
合せて用いる場合にはHPVタイプ16潜伏性タンパク質の
抗体の認識を顕著に高めるという発見を考慮している。
例示的で好ましい態様は組合せにおけるポリペプチド66
及び245、または78及び85、または66、78及び85、及び
同様な組合せを包含する。
かくして1つの態様において診断系は本発明の1より
多くのHPVタイプ16関連ポリペプチド種を含有する。ポ
リペプチド種は個々的に別々のパッケージに存在させま
たは系中の別々の場所に隔離することができるが、好ま
しくはそれらの種は混合して系中に存在させる。この組
合せ方式は単一キット中でまたは好ましくは混合される
場合単一の固体支持体上で、異なる免疫特異性を有する
抗HPV潜伏タンパク質抗体を検出し、それによってかか
る系のスクリーニング可能性(capa−bility)を改善す
る能力を提供する(provide)。異なる乳頭腫ウイルス
タイプにさらされることの間で検出し区別するために用
いられる診断系を提供することが望まれる場合、キット
は付加的ポリペプチドが、第1のポリペプチドが導かれ
たウイルスタイプとは異なる第2のウイルスタイプの潜
伏性乳頭腫ウイルスタンパク質と免疫反応する抗体分子
を免疫化によって生成する能力をもとに選択される1つ
より多くのポリペプチドを含有する。さらに付加的ポリ
ペプチドは最初のウイルスタイプによって発現された潜
伏性乳頭腫ウイルスタンパク質と免疫反応しない抗体分
子を誘導する。このように、ここで用いる「異なる」は
2つのポリペプチド誘導抗体分子組成物が単一の乳頭腫
ウイルスタイプによる潜伏性感染において生成した潜伏
性乳頭腫ウイルスタンパク質と免疫反応する能力に実質
的な測定し得る差があることを意味する。かくのごと
く、単一ウイルスタイプの潜伏性乳頭腫ウイルスタンパ
ク質と、共には免疫反応しない抗体組成物を誘導する能
力において該ポリペプチドはタイプ特異的であるといわ
れる。
換言すれば、1つのタイプの乳頭腫ウイルス潜伏性タ
ンパク質によって誘導される抗体と免疫反応する能力を
他のタイプのタンパク質と免疫反応する能力と比較した
場合それらの能力に実質的な測定し得る差がある場合の
ポリペプチドは「異なって」おり従ってタイプ特異的で
ある。エライサによって測定される場合の免疫反応にお
ける差は実施例14に示されるように光学密度において0.
05、好ましくは0.1、さらに好ましくは0.4より大なる差
があれば実質的である。
本診断系のこの態様に含めるのに好ましいタイプ特異
的ポリペプチドは前述のHPVタイプ16関連、タイプ18関
連、タイプ6関連、タイプII関連及びタイプ33関連ポリ
ペプチドを包含する。診断系における本発明のタイプ特
異的ポリペプチドの例示的使用は実施例14に示す。
タイプ特異的ポリペプチドを利用する診断用キットの
この態様においては、ポリペプチドをキット内で物理的
に分け隔てて提供し、それによって含まれたポリペプチ
ドの一方もしくは他方と免疫反応する抗体の存在の間で
区別することを可能にすることができることが含まれて
いる。このタイプの例示的キットは第1のポリペプチド
を機能し得るように付着させた第1の固体サポート及び
第2のポリペプチドを機能し得るように付着させたた第
2の固体サポートを包含し、そこでは2つの分け隔てら
れたポリペプチドは異なる乳頭腫ウイルスタイプに対し
てタイプ特異的である。もちろん、2つの固体支持体は
固体支持体が、微量滴定穴(well)であって、2の穴が
同じか異なる微量力価プレート上にある場合のように、
同じか異なるかさばった(bulk)媒体上にあることがで
きる。加えて、この態様はその特異性が第1とものとも
第2のものとも異なる第3のタイプ特異的ポリペプチド
を付着させた第3の固体支持体を包含することができ
る。
別の態様においては、異なるタイプ特異的ポリペプチ
ドを含ませるすべてのペプチドの混合物として診断用キ
ット中に含有させ、もって1つの固体担体を用いて1つ
より多くの乳頭腫ウイルスタイプによって引き起こされ
た潜伏性乳頭腫ウイルス感染によって誘導された抗体の
存在をスクリーンする能力を創造する。このタイプのキ
ットは代表的には個々の穴に1より多くの(more than
one)乳頭腫ウイルスタイプに対しタイプ特異的である
ポリペプチドの混合物を機能し得るように付着させた微
量力価プレート等の固体支持体を包含する。
1.アッセイ法 本発明は潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質、特にバイ
オプシン、尿道スミアまたはパップ(pap)スミア等の
組織サンプル中に見い出されるこれらのタンパク質を、
実質上純粋な乳頭腫ウイルスタンパク質、ポリペプチ
ド、または本発明の抗体またはモノクローナル抗体組成
物に含有される抗体分子を含有する免疫複合体を生成さ
せることによって検出するいかなる方法をも包含する。
加えて、本発明は、乳頭腫ウイルスゲノムのヌクレオ
チド配列から推測される潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク
質と免疫反応する抗体分子、特に脈管系体液中のそれら
の抗体分子、例えば潜伏性乳頭腫ウイルス感染を有する
患者もしくは他の動物種の血清もしくは膣分泌物(secr
etions)中に見い出されるそれらの抗体分子を、実質上
純粋な潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質、ポリペプチ
ド、または本発明の抗体もしくはモノクローナル抗体中
に含有される抗体分子を含有する免疫複合体を生成させ
ることによって検出するいかなる方法をも包含する。
当業者はこれらの複合体を生成させるのに用いること
ができる多くの周知の臨床診断化学的手法があることを
理解するであろう。このように、例示的アッセイ法がこ
こに述べられるけれども、本発明はそれに限定されるも
のではない。
1. 組織サンプルの免疫組織化学的ラベリング 組織サンプル中の潜伏性乳頭腫ウイルス感染の存在の
検出方法が考慮される。この態様においては本発明の抗
体分子は、乳頭腫ウイルスに感染した、頚部上皮バイオ
プシイ、コンジロームバイオプシイ、尿道スミア及びパ
ップスミア等の組織サンプル中に存在する潜伏性乳頭腫
ウイルスタンパク質と免疫反応する能力によって潜伏性
乳頭腫ウイルス感染を検出するのに用いる。好ましい態
様において、抗体分子はモノクローナル抗体組成物とし
て存在し、より好ましくは表4にリストしたハイブリド
ーマによって生産される。
例えば、バイオプシイサンプルは周知技術による免疫
組織化学的分析のための固定化(fixation)によって得
られかつ調製される。例えばTubbs,Atlas of Immunohis
tology,American Society of Clinical Pathology Pres
s,Chicago参照。調製したバイオプシイサンプルを本発
明の抗体分子含有組成物と混合して免疫反応混合物を生
成させる。かくして生成した混合物をサンプル中に存在
する潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質に十分な時間生物
アッセイ条件下に保って加えた抗体分子と免疫反応させ
て免疫反応生成物を生成させる。免疫反応生成物の存在
をついでアッセイする。
この態様において、組織サンプル中の潜伏性乳頭腫ウ
イルス感染の検出に用いられる抗体分子は潜伏性乳頭腫
タンパク質関連ポリペプチド、好ましくはE2ORFから推
測されるポリペプチドと免疫反応する実質的に単離され
た抗体分子を包含することができる。この場合の例示的
抗体分子は乳頭腫ウイルス関連配列を有する固定化ポリ
ペプチドを用いるアフィニティークロマトグラフィーに
よって単離される抗体分子、及び潜伏性乳頭腫ウイルス
感染を有する患者に見い出されるような抗潜伏性乳頭腫
ウイルスタンパク質抗体含有血清から単離される抗体分
子である。例示的な検出方法はHPV感染患者抗血清から
単離された抗体分子アフィニティーを用いる実施例16の
方法である。
2. 潜伏性乳頭腫ウイルス感染に対する抗体の検出 脈管系体液中の潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質と免
疫反応する抗体、すなわち抗乳頭腫ウイルスタンパク質
抗体の存在及び好ましくは量を検出するために、種々の
不均一系及び均一系の、及び競合的もしくは非競合的ア
ッセイのプロトコルを用いることができる。
特に、本発明は血清、血漿、膣分泌物、尿等の体液サ
ンプル中の、潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質と免疫反
応する抗体分子の存在及び量を検出するための、ここに
述べるエライサ方式を意図する。この方法においては、
サンプル中に存在する抗体の量を検出、定量するために
本発明は固体相(固体支持体)に結合した抗原もしくは
抗体、及び酵素−抗原もしくは酵素−抗体複合体を用い
る。好ましい態様において固体相に結合する抗原は本発
明のポリペプチドである。
例えば、ヒト血液サンプル、及び本発明のポリペプチ
ドを付着させた固体支持体を混合する。混合物を生物ア
ッセイ条件下に抗体が固相ポリペプチドと免疫反応して
免疫反応産物を生成するのに十分な時間保持する。ホー
スラディシュ(horseradish)ペルオキシダーゼでラベ
ルした抗ヒトIgA抗体等の第2ラベル化抗体をついで第
1の免疫反応生成物含有固体支持体と混合し、生物アッ
セイ条件下に最初の免疫反応産物がラベル化抗体と免疫
反応し、ラベルされた第2の免疫反応産物を生成するに
十分な時間保持する。ついでラベルされた第2免疫反応
産物を未反応ラベル化抗体から代表的には未結合ラベル
を除去するに十分なほど該固体支持体を洗浄することに
よって分離する。ついでラベルされた免疫反応産物の量
をアッセイする。
生物アッセイ条件は本発明の抗体分子及びポリペプチ
ド分子及びアッセイしようとする抗体分子の生物活性を
維持する条件である。これらの条件は約4℃〜約45℃の
温度、好ましくは約37℃、約5〜約9、好ましくは約7
のpH値、及び蒸留水のイオン強度〜約1Mの塩化ナトリウ
ムのイオン強度、好ましくは生理的食塩水のイオン強度
を包含する。かかる条件を最適化する方法は当分野で周
知である。
好ましい態様において、本エライサ方式アッセイ法は
HPVタイプ16のE1、E2またはE6ORFsから推測されるポリ
ペプチド、特にそのアミノ酸残基配列が表1にリストし
た配列であるポリペプチドを用いる。さらに一層好まし
くはHPVタイプ16ポリペプチド237、245及び246である。
抗潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質を検出するのに使用
するために好ましい付加的HPVタイプ16関連ポリペプチ
ドは表2にリストしたものである。
別の態様において、本発明のアッセイはタイプ16以外
のタイプのヒト乳頭腫ウイルスの抗HPV潜伏性タンパク
質抗体の、他の生殖器乳頭腫ウイルスのE2OPF領域から
推測されるHPV関連ポリペプチドの使用により検出を包
含する。HPV関連ポリペプチドは好ましくはタイプ6、1
1、18及び33から推測されたもの、特に表3に示すもの
である。
種々のポリペプチドを利用する例示的エライサ法を実
施例に示す。
3. 競合エライサによる潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク
質に対する抗体の検出 本発明は2つの異なる競合方式において基本的エライ
サを用いる、抗潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質抗体の
存在好ましくは量を検出するための競合アッセイ方法を
包含する。
1つの方式においては、以下の工程よりなる抗潜伏性
乳頭腫ウイルスタンパク質抗体の存在について体液サン
プルをアッセイするための方法を包含する: (a) 体液サンプルを(1)固体支持体に付着した本
発明のポリペプチド及び(2)付着させたポリペプチド
と免疫反応する本発明の液相ラベル化抗ポリペプチド抗
体の予め定めた一定量と同時に混合して固体及び液体相
を有する競合免疫反応混合物を生成させる。好ましくは
体液サンプルは既知量の血液、血清、血漿、尿、唾液、
精液または膣分泌物である。
(b) 混合物を生物アッセイ条件下に、サンプル中に
存在するいずれかの抗潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質
抗体がポリペプチドと免疫反応するのに十分であり、及
びまたラベルされた抗ポリペプチド抗体が同じポリペプ
チドとの免疫反応について競合するのに十分である約4
℃〜約45℃の温度で予め定められた時間例えば約10分〜
約16〜20時間保持して、固相ラベル化抗ポリペプチド含
有免疫反応産物を生成させる。
(c) 固体相中のいずれかのラベル化抗ポリペプチド
含有免疫反応産物の存在をアッセイし、それによって免
疫反応混合物中のいずれかの抗潜伏性乳頭腫ウイルスタ
ンパク質抗体の存在も求める。好ましくは生成したいず
れのラベル化抗ポリペプチド含有免疫反応産物の量を求
め、それによってサンプル中に存在する抗潜伏性乳頭腫
ウイルスタンパク質抗体の量を求める。
別の方式においては、本発明の競合エライサは次の工
程よりなる。
(a) 前記方式と同様、体液サンプルを(1)固体支
持体に付着させた本発明のポリペプチド、及び(2)液
相中の予め定めた量の同一ポリペプチドまたは免疫交差
反応性ポリペプチドと実質上同時に混合して固相及び液
相を有する競合免疫反応混合物を生成させる。
(b) 混合物を、生物アッセイ条件下サンプル中に存
在するいずれかの抗潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質抗
体が固相もしくは液相ポリペプチドと免疫反応するに十
分な時間維持して固相及び液相ポリペプチド含有免疫反
応産物を生成させ、及び (c) 生成した固体相ポリペプチド含有免疫反応生成
物の存在をアッセイし、それによって免疫反応混合物中
の抗潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質抗体の存在をアッ
セイする。
第2の方式の異なる態様においては、液相中のポリペ
プチドは固相中のポリペプチドと同じでなくまたそれと
実質上免疫的に交差反応しない。かくして、アッセイに
含まれる2つのポリペプチドはここで定義された「異な
る」の意味での異なる乳頭腫ウイルスタイプ特異的ポリ
ペプチドである。例えば、HPVタイプ16関連ポリペプチ
ドが固体相に存在し、HPV6関連ポリペプチドが液相に存
在するが具体的には例えばそれぞれポリペプチド245及
びk−70である。かかる競合アッセイ方式は検出された
抗HPV潜伏性タンパク質抗体を誘導した、存在するHPVタ
イプを識別する方法を提供する。
実施例 以下の実施例は本発明を例示するものであり限定する
ものではない。
1. ポリペプチド合成 アミノ酸残基配列において、種々のHPVタイプ16E PRF
によってコード化された潜伏性タンパク質の部分(port
ions)に対応するポリペプチドをUS特許4631211(この
開示をここに参考として加入する)に開示された固相法
に従って化学合成した。
合成されたポリペプチドのアミノ酸残基配列及びHPV
E領域ORFsの推測されたアミノ酸配列を表1にリストす
る。
付加的HPV関連ポリペプチドは上記固相法によって化
学合成したが、各々のポリペプチドはアミノ酸残基配列
として表2及び3にリストした配列の1つを有してい
た。
2. ポリクローナル抗ポリペプチド抗血清の調製 a. 還元(reduced)ポリペプチドの調製 実施例1に記述した方法で調製したポリペプチドを分
析してシステイン含量を求めた。125μgのポリペプチ
ドを含有するPEバッファー〔0.1Mリン酸ナトリウムバッ
ファー、pH7.2、5mMエチレンジアミンテトラ酢酸(EDT
A)〕の1ml容量溶液を、DTNB溶液(メタノール中の1mM
ジチオニトロ安息香酸)100μと混合し、室温で30分
保持した。混合物の光学密度(O.D.)をPEバッファー単
独のコントロール溶液に対し412nmで測定した。グルタ
チオンを用いる基準曲線(そこではPEバッファー中の28
μg/ml溶液が412nmで約1.14O.D.単位を示す)と比較し
て、測定された各ポリペプチドについて遊離システイン
の量を求めた。75%より少ない酸化された利用し得るシ
ステイン残基を有するポリペプチドは還元されたポリペ
プチドとみなした。75%より多くの酸化された利用し得
るシステイン残基を有するポリペプチドは上記したよう
にして還元に付した。
ポリペプチドは10mgのポリペプチドと50mMリン酸バッ
ファー(pH8.0)1ml中の10mgジチオスレイトール(DTT,
Sigma Chemical Co.,st.Louis,MO)とを混合し、混合物
を室温で連続的に攪拌しながら保持することによって還
元した。攪拌60分後、50μの濃酢酸をさらに混合し、
ついで混合物を、水中の5%酢酸で予め洗浄した15ml床
容量のセファデックスG−10(Pharmcia,Piscataway,N
J)カラムに適用した。カラムを5%酢酸ですすぎ、生
じるカラム溶出液を画分で集めた。各画分の206nmでの
光学密度(O.D.)を測定し、最初のタンパク質ピークの
O.D.206と定められた画分をプールし、プール画分を凍
結乾燥して乾燥還元ポリペプチドを得た。乾燥ポリペプ
チドを5mg/mlで酢酸バッファー(pH4.0)に溶解して還
元ポリペプチドを得た。
b ポリペプチド−KLH複合免疫原の調製 実施例1で調製した還元ポリペプチドをカップリング
試薬m−マレイミドベンゾイルN−ヒドロキシサクシン
イミドエステル(MBS、Sigma)を用いてキーホールリン
ペット(keyhole limphet)ヘモシアニンタンパク質(K
LH;Pacific BioMarine Laboratoris,Venice,CA)に複合
化させた。20mgKLH/mlPBでPB(10mMリン酸バッファー、
pH7.2)に対して透析した200μのKLH溶液をPB55μ
と混合し、ついで混合物を室温で撹拌しつつMBS溶液
(ジメチルホルムアミド中6mg/ml)85μを徐々に滴下
混合した。混合物を室温で撹拌しながら30分保持し、つ
いでPB50(50mMリン酸バッファー、pH6.0)で予めリン
スした15ml床容量のセファデックスG−25カラム(Phar
macia)に付した。カラムでPB50でリンスし、生じるカ
ラム溶出液を滴下的に画分(1画分につき35滴)に集め
た。各画分につきO.D.260を求め、ピーク画分をプール
した。プールを還元ポリペプチド〔酢酸バッファー(pH
4.0)中5mg/ml〕1mlと混合し、得られる混合物のpHを監
視し、混合物をpH7.0〜7.5に維持するよう水酸化ナトリ
ウムもしくは塩酸で必要に応じ調整し、一方室温で3時
間攪拌した。維持され攪拌された混合物をついて2.0ml
の最終容量とするのに十分なPBS(リン酸バッファー化
食塩水)と混合してKLH複合化ポリペプチド溶液を生成
させた。
c ポリクローナル抗ポリペプチド抗血清生産のための
ウサギの免疫化 SCRF Vivarium(Research Institute of Scripps Cli
nic,La Jolla,CA)から得られたニュージーランド白ウ
サギを実施例2bによって調製したKLH複合化ポリペプチ
ド溶液を用い、以下の植菌スケジュールによって免疫化
した。最初の植菌は背中に沿っての位置で投与した4回
の皮下注射よりなり、各注射はミコバクテリウム(DIFC
O Laboratories,Detroit,MI)3mg、不完全フロインドア
ジュバント(IFA,Sigma)1.5ml及びKLH複合化ポリペプ
チド含有PBS溶液1.5mlを混合することによって調製され
た溶液約375μでなされ、該混合物は植菌前に5分間
乳化させた。第2回目の植菌は最初の植菌後14日にミコ
バクテリウムを除く以外同じ混合物を用いた同様に投与
した。第3回目の植菌はKLH複合化ポリペプチド溶液250
μ、PBS950ml及び水酸化アルミニウム溶液(10mg/ml
無菌水)800μのよく振盪した混合物1mlよりなり1回
目の植菌から21日後に腹腔内注射により投与した。
1回目の注射後28及び35日にウサギ抗ポリペプチド抗
血清を生産するために耳静脈から出血させて、上記免疫
化ウサギから抗血清を得た。
そのアミノ酸残基配列が表1の如くであるポリペプチ
ドに対し高められたウサギ抗ポリペプチド抗血清をつい
で実施例3に示したエライサアッセイによってスクリー
ンした。そのように調製したエライサアッセイによって
スクリーンしたすべてのウサギ抗血清は免疫化するポリ
ペプチドと1:2560の過剰の力価で免疫反応した。
3 エライサアッセイ 抗体組成物及びモノクローナル抗体組成物中に含まれ
る抗体分子の種々のポリペプチドと免疫反応する能力を
酵素結合免疫アッセイ(エライサ)法によって調べた。
実施例1aに記載したようにして調製したポリペプチド
を塗布(Coating)溶液mlあたり10μgの濃度で含有す
る塗布溶液(0.1M炭酸ナトリウムバッファー、pH9.2)1
00μを平底(flatbottom)96穴微量力価(microtite
r)プレートの各穴に加えた。プレートを室温で一夜維
持してポリペプチドを穴の壁に吸着させた。ついで塗布
溶液を転置及び振盪によって除去し、穴を蒸留水で2回
リンスし、150μのブロッキング溶液〔PBS中3%ウシ
血清アルブミン(BSAw/v)〕を各穴(固体支持体)に混
合し、過剰のタンパク質部位をブロックした。
穴を室温で20分維持し、ついでブロッキング溶液を振
盪除去した。各穴に実施例2cに述べたようにして調製
し、ブロッキングバッファーで連続的に希釈したウサギ
抗ペプチド抗血清を含有する溶液100μを混合した。
得られた固/液相免疫反応混合物を室温で60分維持して
固相結合ポリペプチドと混合した抗体との1次固相結合
免疫反応産物を生成させた。ついで固相と液相と分離
し、穴を蒸留水で5回リンスし、過剰の液を振盪除去し
た。
ブロッキング溶液で1:1000に希釈したグルコースオキ
シダーゼラベル化ヤギ抗ウサギIgG(Cooper Biomedica
l,Maluern,PA)含有溶液100μを各穴に混合して2次
固/液相免疫反応混合物(ラベル免疫反応混合物)を生
成させた。穴を37℃で1時間維持してラベル化抗体と1
次免疫反応産物のいずれかの固相結合抗体との間の2次
免疫反応産物を生成させ、蒸留水で5回リンスして固相
結合ラベル含有免疫反応産物を単離した。過剰の液を穴
から除去した。
(1)PB〔0.1Mリン酸バッファー(pH6.0)〕中に2.1
%グルコース(w/v)を含有する調製グルコース溶液
(該グルコース溶液は一夜維持してグルコースを変旋光
させた)28ml、(2)PB中にホースラディッシュパーオ
キシダーゼ0.1%(w/v)を含有する溶液200μ、及び
(3)PBに対し45mgの濃度で新たに調製したABTS染料
(2,2′−アジノ−ジ〔3−エチルベンズチアゾリンス
ルホネート(6)〕ジアンモニウム塩、Boehringer−Ma
nnheim,Indianapolis,IN)を含有するABTS溶液200μ
を混合することにより、使用前に新たに色素形成基質溶
液を調製した。ついで色素形成基質溶液100μを各穴
に混合してカラー形成反応混合物を生成させた。形成反
応混合物を室温で1時間暗さに維持した後、溶液混合物
のO.D.を415nmフィルター使用のマルチスカン(multisk
an)微量力価プレートリーダー(Bio−Ten Instr.,Wino
oski,VT)を用い穴中で直接測定した。
上記エライサ法の結果を非希釈、積極的に(positive
ly)に反応する抗原を用いた場合に色素形成基質溶液が
生成した最大O.D.の約50%を生成した抗体組成物の希釈
度として表した。これらの組成物に含有される抗体分子
は50%の最大O.D.を達成する希釈度が1:4より大なると
き固相ポリペプチドと免疫反応する能力(capability)
を有するとみなした。
4 ウサギポリクローナル抗血清のポリペプチド−リガ
ンド親和性単離 ウサギ抗ポリペプチド抗血清の特異性を高めるため、
これらの抗血清をここに述べる固相ポリペプチドリガン
ドを用いて親和性単離した。
実施例1の如く調製したポリペプチド5mgを水に溶解
し、ついでAH−セファロース4B(Pharmacia)に製造者
の指示に従ってカップリングしてポリペプチド−アガロ
ース固体支持体を形成させた。3mlの床容量を有するカ
ラムをポリペプチド−アガロース固体支持体を用いて調
製し、NETバッファー(150mM NaCl、1mM EDTA、20mMト
リス−HCl、pH7.5)を用いてリンスすることにより平衡
化した。実施例2cの如く調整したウサギ抗ポリペプチド
抗血清約10mlを平衡化したカラムに適用し、ついでカラ
ムをNETバッファーの30カラム容量で洗浄した。ついで1
00mMクエン酸バッファー(pH3.0)をカラムに適用し、
溶出液を画分に集めた。画分のO.D.を280nmで測定し、
ピーク含有画分を決定し、プールして抗体含有プールを
得た。プールのpHを測定し、トリス塩基で7.0に調整
し、ついでPBSに対して透析して親和性精製ウサギ抗体
分子含有溶液を得た。
得られた親和性精製ウサギ抗体分子含有溶液は、そこ
に含まれる抗体分子の50%より大がHPV潜伏性タンパク
質と免疫反応する能力(capacity)を有しているので実
質上単離された抗体を表す。
上記方法によって親和性単離させた各ウサギ抗ポリペ
プチド抗血清はその特定の抗血清を高めた免疫原の調製
において使用したと同じポリペプチドを同いて単離し
た。この方法によって親和性単離(AI)されたウサギ抗
ポリペプチド抗血清はウサギ抗ポリペプチド235(ウサ
ギ抗−235)(以下ウサギAI抗−235と称する)、ウサギ
AI抗−236、ウサギAI抗−245及びウサギAI抗−247を包
含する。
5. ポリクローナル抗ポリペプチド抗体を用いる潜伏性
乳頭腫ウイルスタンパク質のウエスタン免疫ブロット
(immunoblot)検出 ウエスタン免疫ブロットアッセイを用いて、HPV含有
組織培養細胞分解物及び種々のバイオプシイサンプルを
調製し、潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質の存在を調べ
た。
アメリカンタイプカルチャーコレクション(ATCC、Ro
ckville、MD)から得られ、それらの名称の後の括弧に
示すATCC番号を有するヒト頚部癌セルラインC−33A(H
TB−31)、HT−3(HTB−32)、Hela(CCL2)、CaSki
(CRL1550)、MS751(HTB34)及びSiHa(HTB35)をATCC
の推奨する培地及び方法を用いて培養した。
単層培養で増殖させた細胞を回収し、DBS−EDTA(0.0
2%EDTA含有PBS)で2回洗浄し、ペレット化して水洗細
胞を回収し、PBS−EDTAを除去して詰まった細胞ペレッ
トを得た。詰まった細胞ペレットを秤量し、0.5mlPBSに
対し0.1gの詰まった細胞ペレットの濃度でPBS中に4℃
で撹拌下に再懸濁し、0.5mlの2×SB(すなわちサンプ
ルバッファーの2倍濃度を有する調製バッファー)を加
えて溶細胞して(be lysed)、溶細胞物(cell lysate
s)を得た。サンプルバッファー(SB)は2%SDS、50mM
ジチオスレイトール、10%グリセロール、125mMトリス
−HClpH6.8及び1mMフェニルメチルスルホニルフルオラ
イド(PMSF)を含有する。
Dr.Z.Bekassy(Department of Gynecology、Lund Uni
versity Hospital、Lund、Sweden)から得たコンジロー
ムの組織バイオプシイを秤量し、細かく切り刻み、0.1m
g/mlの濃度でSBに懸濁した。切り刻み懸濁液をドウンス
(dounce)ホモゲナイザー中ゆるい適合の乳棒(a loos
e fitting pestle)を用い、3ストロークで破砕し、つ
いで水浴ソニケーター(sonicator)中1.5時間音波処理
した。音波処理(sonicated)懸濁液を−70℃に凍結
し、4サイクルの解凍(freeze−thaw)により解凍し
(be thawed)、得られた懸濁液を微量遠心分離機(mic
rocentrifuge)中約2000×gで遠心分離して組織破片
(tissue debris)を除去した。得られた上清を保有し
てコンジローム組織溶解物得た。
細胞溶解物をLaemm Oi,Nature226,680−685(197
0)に記述され、Blake et al.,InfectImmun.,33、212
−272(1981)によって修飾された不連続(discontinuo
us)、バッファー系(この方法をここに参考に加入す
る)を用い、染色された(Prestained)分子量マーカー
タンパク質(Bio−Rad Laboratories、Richmond、CA)
を含有するレーンによっていずれかの側(either sid
e)と側面を接した(flanked on)ゲルレーン(lane)
あたり細胞溶解物100μを用いる、7.5%粘着性(sla
b)ゲル上のSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS
−PAGE)に付した。マーカー調製物中に存在するタンパ
ク質はすべて1000ダルトンの単位でリゾチーム14.4kd、
トリプシン阻害剤21.5kd、カーボンアンヒドラーゼ(ca
rbonic anhydrase)31kd、オブアルブミン(ovalbumi
n)42.7kd、ウシ血清アルブミン66.2kd、ホスホリラー
ゼ(phosphorylase)D97.4kd、β−ガラクトシダーゼ11
6.25kd及びミオシン(myosin)200kdを包含する。
電気泳動、及びTowbin et al.,ProcNatl.Acad.Sci.
USA76、4350−4354(1979)(この方法をここに参考
に加入する)によって記述されたニトロセルロース上へ
のBio−Radトランスファーユニットを用いるエレクトロ
ブロッティング後、ブロット(blot)をBLOTTO〔Antifo
am A(Sigma Chemical Corp.St.Louis,MO)0.025%を含
有するPBS中の5%粉末脱脂ミルク〕中に撹拌下1時間
浸漬することによってブロックした。ブロックしたブロ
ットを示されたウサギ抗ポリペプチド抗血清もしくはAI
ウサギ抗ポリペプチド抗血清を1:100の希釈度で含有す
るBLOTTO中室温で2時間維持して、混合した抗体組成物
とブロット上に固相として存在する潜伏性乳頭腫ウイル
スタンパク質との間の免疫反応産物を生成させた。つい
でブロットをBLOTTOで3回それぞれ約1分、20分及び20
分洗浄した非結合抗ペプチド抗血清を除去した。ついで
洗浄したブロットを1:1000に希釈したアルカリホスファ
ターゼ複合化ヤギ抗ウサギIgG(Sigma)を含有するBLOT
TO中で30分維持して、第2の混合した抗体とブロットの
固相上に存在する最初に生成した免疫反応産物との間で
第2の免疫反応産物を生成させた。ついでブロットをPB
S−T(0.5%ツイーン20含有PBS)中で1回5分、4回
各30分洗浄して非結合第2混合抗体を除去した。ついで
洗浄ブロットを顕色剤を含有する色素形勢基質溶液に室
温で約4時間維持してブロット上に存在する免疫反応産
物を視覚化した。
顕色剤溶液は1.5Mトリス(pH8.8)5ml、水45ml、ニト
ロブルーテトラゾリウム5mg、1M MgCl20.2ml及び5−ブ
ロモ−4−クロロインドリルホスフェート2.5mgを混合
して調製した。
潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質を検出するためにウ
エスタン免疫ブロットアッセイを用いる結果は図2及び
3に示す。
例えば図2のレーン1−4は約112kdの分子量を有す
る拡散タンパク質が、ポリクローナルウサギ抗236抗血
清を用いて、SiHa及びHeLa細胞溶解物中に検出された
が、CrSkiまたはC−33A細胞溶解物中には検出されなか
った。同じ112kd拡散タンパク質がウサギ抗245抗血清を
用いる免疫ブロット上の免疫反応産物の生成によっても
検出された。
図2のレーン6及び7はHPV54kd線維状(filamentou
s)タンパク質がコンジロームバイオプシイ組織の免疫
ブロッティング細胞溶解物によって、ウサギ抗−236抗
血清を用いて検出された。HPV48kd線維状タンパク質は
コンジロームバイオプシイ細胞溶解物の1つにおいても
ウサギ抗−236抗血清を用いて検出された(図2、レー
ン6)が、他のコンジローム溶解物中には検出されなか
った(レーン7)。48kd線維状タンパク質はウサギ抗−
235、ウサギ抗−245及びウサギ抗−247を用いるブロッ
ト上での免疫反応によっても検出された。
図3はポリペプチド236に対して高められたポリクロ
ーナル抗血清をHPVタイプ16感染とHPVタイプ18感染とを
識別するためのタイプ特異的試薬として用い得ることを
実証している。図3に示すごとく、54kd及び58kd線維状
タンパク質が共にウサギ抗−236抗血清を用いて、CaSki
細胞溶解物(レーン2)を免疫ブロットすることによっ
て検出されたが、HeLa細胞溶解物(レーン1)中には検
出されなかった。
51kd核タンパク質が親和性単離ウサギ抗−245を用い
るCaSki細胞溶解物の免疫ブロッティングによって検出
された。
上記結果は乳頭腫ウイルスのE領域ORFsから推測され
たポリペプチドに対し高められた抗ペプチド抗血清が乳
頭腫ウイルス潜伏性タンパク質と免疫反応する能力を有
していることを実証している。ある場合には抗ポリペプ
チド抗血清は1つのしかし他のでないHPVタイプによっ
て生産された潜伏性タンパク質と免疫反応する能力を有
する(すなわち、タイプ特異的抗血清)。
6. ハイブリドーマ及び抗ポリペプチドモノクローナル
抗体の調製 a マウス免疫化 すべてのハイブリドーマは免疫化の初めに約3週分で
あった、SCRF Vivarium(La Jolls、CA)から得られ
た、免疫化129G1x +マウスからの膵臓細胞を用いて生産
した。
表1にリストとしたポリペプチドの各々をKLH複合化
し、ここに記述するハイブリドーマを生産するための免
疫原として用いた。
特定のポリペプチドで免疫化する各マウスに、実施例
2bにおける如く調製したKLH複合化ポリペプチド溶液約6
2.5μ、PBS0.43ml及びフロインドの完全アジュバンド
(CFA)0.5mlの乳化混合物を含有する懸濁液をまず腹腔
内(IP)注射した。約2週間後、各マウスに前と同じKL
H複合ポリペプチド溶液約32μ、PBS0.47ml及びアラム
(alum)懸濁液(PBS中10mg/mlの水酸化アルミニウム)
0.5mlを含有する懸濁液をIP注射した。第2の注射の約
7〜10日後、目からの出血によりマウス抗血清を集め、
抗血清の力価を以下に述べる修飾をする以外実施例3に
記述したエライサ法を用いて求めた。
微量力価プレートをマウス免疫化に用いたのと同じポ
リペプチドで被覆した後、すでに述べたようにして穴を
ブロックし、ついでブロッキングバッファーで希釈した
連続希釈のマウス目出血抗血清を混合し、混合物をすで
に述べたようにして維持した。グルコースオキシダーゼ
複合化抗体がエライサ法で必要とされる場合、抗ウサギ
IgG(Cooper Biomedical)の代りにヤギ抗マウスIgG複
合体が用いられた。415nmで50%最大ODを達成するため
の目出血力価が1:3200より小さかった場合には2回目と
同じ接種物を含有する付加的注射を第2回目の注射2週
間後にマウスに投与した。
目出血物の力価が1:3200より大に達してから約1カ月
後に、前記と同じKLH複合化ポリペプチド溶液約32μ
及びPBS0.47mlを含有する懸濁液の最後の注射を尾静脈
に静脈内(IU)投与した。
b ハイブリドーマ融合 実施例6aで免疫化したマウスからマウス脾細胞(sple
enocytes)を最終注射約3日後に回収し、ミエローマ細
胞との融合をここに記述するように行った。各マウスか
らの約1×108脾細胞(ATCC CRF1581)を40%PEG(Boe
hringer−Mannheim,Indianapolis,IN)よりなる融解培
地中で約2×107SP2/O−Ag14ミエローマ細胞と混合し
た。細胞融合後、得られるハイブリドーマ細胞を96穴微
量力価プレート中に入れ(be seeded)、周知のHAT培地
(ヒポキサンチン、アミノプテリン及びチミジン)中で
培養し、そこから得られた生残ハイブリドーマ培養物を
免疫化するポリペプチドと免疫反応する抗体分子を産生
する能力について、マウス目出血抗血清の代りにハイブ
リドーマ培養上清を用いた以外実施例6aの修飾エライサ
法を用いてスクリーンした。
エライサアッセイにおける抗ポリペプチド抗体分子の
存在についてスクリーンされたハイブリドーマ培養上清
は、1:2希釈培養上清の414nmでの光学密度(O.D.)がコ
ントロールの培養培地について得られたO.D.の4倍より
大きかった場合陽性(positive)であるとみなした。代
表的融合は30の96穴微量力価プレートに置き(be plate
d)、エライサアッセイにおける免疫化ポリペプチドと
免疫反応した融合あたり10−60のハイブリドーマ培養物
から産出された。
前記スクリーニング法によって選択された特定のハイ
ブリドーマによって生産された抗体分子は1)特定の融
合に対する脾細胞を提供したマウスを免疫化するのに使
用したポリペプチド、及び2)それから特定のHAT培地
抵抗性ハイブリドーマ細胞が単離された96穴培養プレー
ト、列及び穴番号を示す特性(characters)によってこ
こでは指称する。具体的に関与する特性はここでは1語
としてリストし、そこではコロンに先行する数字はポリ
ペプチド命名、それに続く記号は微量力価穴を指称する
(例えば247:11D12)。
単離されたハイブリドーマを表5に示す。
c モノクローナル抗体のFPLC精製 ハイブリドーマ培養物をIP注射し、周知の方法によっ
て維持したマウスの腹水(ascites fluid)を回収する
ことによってモノクローナル抗体組成物を調製した。得
られた腹水2mlを12000×gで15分遠心分離し、上清を集
め、0.2μのAcrodiscフィルター(Gelman)を通して濾
過して濾過腹水を得た。
Superose6及びSuperose12カラム(Pharmacia)をFPLC
装置上で直列に連結し、0.5ml/minの流速で60分PBSによ
り平衡化した。500μの濾過腹水を平衡化カラムに付
し、PBSを用い0.4ml/minの流速でクロマトグラフした。
得られた溶出液を280nmの光学密度(O.D.)について監
視し、溶出液の1ml画分を集めた。画分を実施例6bに記
述の免疫化するポリペプチドを用いる抗ポリペプチド抗
体の存在についてのエライサ法によってアッセイした。
代表的に2つの画分が大多数の抗ポリペプチド抗体を含
有するものとして求められ、2つの1ml画分をプールし
て実施例6bに記述したエライサによって求められる1:25
60より大なる抗ポリペプチド力価を有するFPLC精製モノ
クローナル抗体を生産させた。
この方法により、モノクローナル抗体247:4D11、235:
B9及び245:11E3をFPLC精製したが、これらはO.D.280測
定に基く公知のタンパク質濃度を有していた。
得られたFPLC精製モノクローナル抗体分子含有溶液の
各々は、その中に含まれる50%より大なるタンパク質が
抗体結合部位を形成するタンパク質より構成されている
ので実質上純粋な抗体を表す。
7. 抗ポリペプチドモノクローナル抗体を用いる乳頭腫
ウイルス潜伏性タンパク質のウエスタン免疫ブロット検
出 実施例6に記述したごとく調製したモノクローナル抗
体を用いて、HPV含有組織中に存在するヒト乳頭腫ウイ
ルス潜伏性タンパク質をここに述べる例外を適用する実
施例5のウエスタン免疫ブロット法によって検出した。
実施例5におけるようにして調製した電気ブロット
(electroblotted)しブロックしたニトロセルロースブ
ロットを、実施例6cに記述のごとくして調製し、247:4D
11についてのBLOTTOのmlあたり32μgの濃度または235:
B9についての希釈BLOTTO(2%ミルクに)のmlあたり25
μgの濃度に希釈したFPLC精製抗体溶液を含有する溶液
と混合し、前記と同様にしてその溶液中で維持して免疫
反応産物を生成させた。前述のようにしてブロットを洗
浄し、ついで約1:500の濃度に希釈したウサギ抗マウス
抗体(Cooper Biomedical)を含有するBLOTOの溶液中で
45分間維持して免疫反応産物の生成させた。ついでブロ
ットをBLOTTO中で3回1、20及び20分洗浄し、ついでア
ルメリホスファターゼ複合化ヤギ抗ウサギIgG含有BLOTT
O溶液中で前述と同様にして維持した。引き続いての洗
浄及び展開(development)も前記と同様に行った。
図4に示す結果としての免疫ブロットは、モノクロー
ナル抗体247:4D11を用いる場合のCaSki細胞溶解物(レ
ーン4)中の54kd及び48kdの線維状タンパク質の検出を
実証している。CaSki細胞溶解物中にはまた約58kdの分
子量を有する付加的なHPV特異性タンパク質も観察され
た。この58kdタンパク質は54kd線維状タンパク質の細胞
加工(グリコシル化)産物であると考えられる。モノク
ローナル抗体247:4D11はまたHeLa細胞溶解物中に存在す
る54kd線維状タンパク質と免疫反応するが、SiHaもしく
はHT−3細胞溶解物(各レーン2及び5)の示された調
製物とは顕著には免疫反応しない。
上記免疫ブロッティング法により、モノクローナル抗
体がすべての乳頭腫ウイルス潜伏性タンパク質と免疫反
応することが実証された。例えば、54kd線維状タンパク
質はHeLa、CaSki及びSiHa細胞溶解物をモノクローナル
抗体235:B9または247:4D11を用いて免疫ブロットするこ
とによって検出された。48kd線維状タンパク質はこれら
の同じモノクローナル抗体を用いてCaSki細胞溶解物中
に同様に検出された。核タンパク質はモノクローナル抗
体245:11E3を用いるCaSki細胞溶解物免疫ブロッティン
グによって検出された。拡散タンパク質はモノクローナ
ル抗体235:B9、238:8E9、247:10F7及び247:11D11を用い
るHeLa及びSiHa細胞溶解物の免疫ブロッティングによっ
て検出された。
8. 潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク質の免疫組織化学的
検出 a HPV含有組織培養細胞における検出 頚部癌セルラインHT−3、MS751、C−33A、SiH3、He
La及びCaSkiを実施例5におけると同様に培養した。半
融合性の(semi−con−fluent)単層培養物を選び、PBS
でリンスして過剰の培地を除き、10分風乾した。ついで
風乾培養物を冷(−20℃)のアセトンに5分浸すこと
(flooding)によって固定化した(be fixed)。固定化
培養物を3%過酸化水素中で15分維持し、ついで室温で
PBS中に50回急速に浸したり出したりした。ついで培養
物をまずPBS中で2分維持し、ついで8%正常ウマ血清
及び0.01%チメローザル(thimerosal)を含有する連続
的に揺り動かしたPBS溶液中に室温で1時間維持して非
特異的タンパク質結果部位ブロック化サンプルを生成さ
せた。
ブロック化サンプルを抗ペプチド抗体組成物を含有す
る溶液を用いて室温で60分維持して、混合した抗体及び
ブロック化サンプルを含有する免疫反応産物を生成させ
た。前記したごとく、数種の異なる抗体がこれらのアッ
セイにおいて異なる希釈度で用いられた。ついで免疫反
応サンプルをPBS中に20回浸け、PBS中で2分維持し(す
なわち20浸漬+2分)、ついでこの操作を2回くり返し
た(すなわち20浸漬+2分を3回)。ついでサンプル
を、バイオタイニレート化した(biotinylated)ウマ抗
マウスIgG(Vector Labs、Burlingamc、CA)を7μg/ml
の濃度で含有する0.5%BLOTTO(PBS中0.5%脱脂粉末ミ
ルク、0.01%チメロサール、0.025%消泡剤A)の溶液
中に室温で45分維持して、混合したバイオタイニレート
化したIgGとサンプル上に存在する結合マウス抗体との
間の第2免疫反応産物を生成させた。ついでサンプルを
PBS中で3回すすぎ(各20浸漬+2分)、ついでアビジ
ン(avidin)D−ペルオキシダーゼ(Vectorlabs)を12
μg/ml含有するNHTバッファー(0.3M NaCl、20mM Hepe
s、pH6.5、0.01%チメローサル)中室温で30分維持して
アビジン試薬が第2免疫反応産物中に存在するビオチン
と複合化するにまかせた。ついでサンプルをPBS中で3
回リンスし(各20浸漬+2分)、ついで(1)アミノエ
チルカルバゾール(Sigma)50mgを含有する4mlのジメチ
ルホルムアミド、(2)80μの過酸化水素、及び
(3)100mM酢酸ナトリウムバッファーpH5.5 200mlを混
合して調製したAECバッファー中室温で10分維持してサ
ンプル上でのカラー顕色反応を起こさせた。顕色化後、
サンプルを浸盪して過剰の液を除き、水中でリンスし、
ついでMayerのヘマトキシリンステイン(hematoxylin s
tain)(Sigma)中で3分維持し、ついで水でリンスし
た。染色したサンプルを水中の50%グリセロール中に盛
り上げ(bemounted)、光顕微鏡検査によって観察した
(beviewed)。
HPV含有セルラインの免疫組織化学的染色(免疫染
色)の結果を表6に示す。
1 顕著な(significant)及び陽性の免疫反応は、抗
体依存パーオキシダーゼ染色の不存在下で優勢となるヘ
マトキシリンカウンターステイン(counterstain)の青
灰色(−)と比較して、特徴的なさび色の染色パターン
(+++)の存在によって決定した。ある場合には弱い
免疫反応が観察された(+)。
2 モノクローナル抗体235:B9は実施例6cに記述したよ
うにして調製したFPLC精製抗体を、0.2%BLOTTO(PBS中
0.2%脱脂粉末ミルク、0.01%チメロサール、0.025%消
泡剤A)のmlあたり25μgの濃度で含有する溶液を用い
て、ブロックしたサンプルと免疫反応させた。モノクロ
ーナル抗体245:11E3は実施例6cと同様にして調製し、10
%正常ウマ血清(PBS中10%(v/v)中で1:40に希釈した
腹水の溶液を用いて、ブロック化サンプルと免疫反応さ
せた。モノクローナル抗体247:4D11はFPLC精製抗体を10
%正常ウマ血清mlあたり100μgの濃度で含有する溶液
を用いて、ブロック化サンプルと免疫反応させた。
表6の結果は本発明のモノクローナル抗体の、HPV感
染セルラインを用いる免疫染色方式において潜伏性HPV
タンパク質と免疫反応する能力を実証している。乳頭腫
ウイルス潜伏性タンパク質に対する特異性はこれらの抗
体の、HPVsを含有することが知られている細胞(HeLa、
CaSki、SiHa及びMS751)と免疫反応するがHPVを含有し
ない細胞(HT−3及びC33−A)とは免疫反応しない能
力によって実証される。
b 組織サンプル中の乳頭腫ウイルス潜伏性タンパク質
の検出 ヒト頚部癌及びヒトコンジロームのホルマリン固定化
(formalin−fixed)、パラフィン付着化(paraffin−e
mbedded)組織バイオプシイをDr.Conpenter(UCSD Medi
cal Center、San Dieg、CA)、Dr.J.Robb(Dept.of Pat
hology、Green Hospital、La Jolla、CA)及びDr.W.Lan
caster(Georgetown Univerity、Washington、DC)から
得た。Papanicolaon(“Pap")スミアはDr.J.Willems
(OB/GYN、Scr:pps Clinic、La Jolla、CA)から得た。
これらの組織サンプルをここに述べる例外を適用する実
施例8a記述の免疫組織化学的染色法に服せしめた。
ホルマリン固定化付着組織はまずキシレン中50回浸漬
で脱パラフィンし、ついでキシレン中に2分浸漬した。
ついで固定化組織を95%エタノール中へ50回浸漬し、つ
いで2分間浸漬し、ついで80%エタノール中への50回浸
漬及び2分浸漬に付し、ついで50%エタノール中への50
回浸漬及び2分浸漬に付し、最後にPBS中への50回浸漬
及び2分浸漬に付して再水和(rehydrated)サンプルを
形成させた。再水和サンプルを3%過酸化水素溶液にサ
ンプルを維持する工程から始まる実施例8a記載の手順で
処理した。
Papスミア含有スライドを10分風乾し、67%アセトン/
33%メタノール中−20℃で10分の維持によって固定し
た。固定パップ(pap)スミアを3%過酸化物溶液中で
のサンプルの維持の工程から始まる実施例8a記述の操作
に付した。
本発明のモノクローナル抗体を用いる種々の組織バイ
オプシイサンプルの免疫染色の結果を表7に示す。
1 免疫染色の結果はテストしたサンプルの総数に対す
るテスト陽性の組織の数として表す。陽性反応は染色が
表6の注1に記述するように顕著であった場合に数え
た。
2 モノクローナル抗体235:E9、245:11E3及び247:4D11
を表6の注2に記述の条件下に免疫反応させた。
3 コルポスコピー的に証明された頚部コンジロームを
有する患者から得られたパップサンプルをコンジローマ
トス(condylomatous)と名づけた。「非感染」と名づ
けたパップスミアは性器HPV感染にさらされた危険をも
たなかったと信じられる証明された処女から導かれた。
バイオプシイサンプルは核酸ハイブリダイゼーション
〔Devilliers et al.,Lancet,ii、703(1987)〕によっ
て特定のHPVタイプの存在についてスクリーンし、示さ
れた場合の頚部形成異常のバイオプシイを包含した。頚
部癌バイオプシイは未知HPVステータス(status)を有
してスクリーンされた。手術からの2つの見たとこで正
常な上皮バイオプシイは未知のHPVステータスを有して
スクリーンされた。コントロールの非感染上皮バイオプ
シイは性器HPV感染にさらされた危険を有さないと信じ
られる6才の女性(female)から得られた。
表7の結果はモノクローナル抗体分子の、バイオプシ
イ組織サンプル中に存在するHPV潜伏性タンパク質と免
疫反応する能力を実証している。これらのサンプルは、
独立の手段によって潜伏性HPV感染が知られているサン
プルに対する235:B9を用いる場合、誤った陰性なしで10
0%陽性の反応性を示した。
表7の結果はあるモノクローナル抗体が1つのしかし
別のでないHPVタイプによって産生された潜伏性タンパ
ク質と免疫反応する能力を有する(すなわち、タイプ特
異的抗体分子)ことも実証している。例えば、モノクロ
ーナル抗体235:B9が11、16もしくは31タイプ名称を有す
るHPV−タイプ形成異常組織と免疫染色によって免疫反
応したのに対し、モノクローナル抗体245:11E7及び247:
4D11は形成異常を含むHPVタイプ15及びタイイプ31とは
免疫反応したが形成異常を含むタイプ11とは免疫反応し
なかった。
加えるに、免疫染色によるHPV潜伏性タンパク質の検
出は潜伏性タンパク質の細胞局在化(localization)を
示し、従ってこれらのタンパク質の付加的特徴化を与え
る。例えば、モノクローナル抗体247:4D11は細胞の細胞
質繊維関連成分上に分布する、CaSki細胞上のまたは種
々のHPV含有バイオプシイ組織上に免疫染色パターンを
生成した。従って、実施例7に示されるモノクローナル
抗体247:4D11を用いる免疫ブロッティングによって検出
された46kd、54kd及び58kdタンパク質は免疫染色細胞中
でのそれらの分布に基き繊維状(“filamentous")タイ
プ潜伏性タンパク質であるとしてさらに特徴づけられ
た。同様の繊維状染色パターンはHPV含有パップスミ
ア、バイオプシイサンプル及び組織培養細胞を免疫染色
するためにモノクローナル抗体235:B9を用いて観察され
た。
モノクローナル抗体245:11E3は核に位置したCaSki細
胞中の特徴ある免疫染色パターンを生じた。かくして、
実施例7に記述のこのモノクローナル抗体を用いる免疫
ブロッティングによって検出された51kdタンパク質は
「核」タイプ潜伏性タンパク質であるとしてさらに特徴
づけられた。
モノクローナル抗体238:8E9、247:10F7及び247:11D11
は、染色された細胞の核及び細胞質の両方に拡散して存
在する(be localized)HeLa細胞及びSiHa細胞中におけ
る特徴的な免疫染色パターンをそれぞれ生じた。これら
のモノクローナル抗体は実施例7に記述した免疫ブロッ
ティングアッセイにおいて112kdのタンパク質を検出し
たので、この112kdタンパク質は「拡散」タイプ潜伏性
タンパク質であるとしてさらに特徴づけられた。
9. ヒト血液中の抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子の検
出 潜伏性HPV感染症を有するとして診断された患者から
の抗血清を組織学的に確認されたコンジローム病変の形
態においてDrs.R.Robb and J.Willams(Scripps Clini
c,La Jolla,CA)から得た。
実施例3に記述したと同様のエライサ操作によって、
これらの抗血清のポリペプチド237、245及び246に結合
する能力を以下に示す例外を伴って評価した。
ポリペプチド237、245または246の1μgを含有する
被覆液(coating solution)50μを微量力価プレート
の穴に加え、4℃で一夜維持してポリペプチドを穴の壁
に吸着させた。ついで穴を前述のごとくリンスし、NGS
バッファー(PBS中10%正常ヤギ血清)を加え37℃で90
分維持してブロックした。ついで穴を逆さにして空にし
振盪して過剰の液を除去し、穴を37℃で1時間維持して
乾燥して乾燥プレートを形成させた。
NGSバッファーで希釈した患者抗血清を含有する溶液1
00μをそれぞれに混合して免疫反応混合物を生成さ
せ、混合物を37℃で1時間維持して抗血清中の抗体が穴
壁に吸着したポリペプチドと免疫反応してポリペプチド
含有免疫反応産物を生成するにまかせた。ついで穴をPB
S−T(PBS中0.5%ツィーン20)で5回洗浄して未結合
抗血清を除去し、過剰の液を振盪除去した。
NGSバッファーで1:5000に希釈したホースラディッシ
ュペルオキシダーゼラベル化モノクローナル抗ヒト免疫
グロブリンIgA複合体(Janssen,Piscataway,NJ)含有溶
液100μを各穴中に混合し、37℃で1時間維持して結
合ヒト抗体と加えたラベル化複合体との間で第2の免疫
反応産物を生成させた。ついで加えた溶液を除去し、穴
を前述の如くリンスし、過剰の液を振盪除去した。
(1)顕色(developing)バッファー〔0.12Mクエン
酸、0.26M二塩基性リン酸ナトリウム(pH5.0)〕50ml、
(2)OPD(水mlあたりオルトフェニレンジアミン1mg)
1ml、及び(3)30%過酸化水素25μを混合すること
によりパーオキシダーゼ基質溶液を新たに調製した。つ
いでパーオキシダーゼ基質溶液100μを各穴に混合し
てカラー顕色反応混合物を生成させた。顕色反応混合物
を暗やみ中室温で20分維持後、溶液混合物のO.D.を492n
mフィルターを備えたマルチカン(multiskan)プレート
リーダーを用いて測定した。
上記エライサ操作でテストしたとき6人の異なるコン
ジローム患者からの抗血清はポリペプチド237、245及び
246と免疫反応する免疫グロブリンIgA抗体分子の高めら
れたレベルを実証した。対照的に3人の健康なコントロ
ール患者からの抗血清はポリペプチド237、245または24
6と免疫反応しなかった。さらに、HPVタイプ11コンジロ
ームを有する患者からの抗血清はいずれのポリペプチド
とも免疫反応しなかった。
HPV保有患者からの抗血清も免疫ブロッティング方式
を用いてHPV潜伏性タンパク質と免疫反応することが示
された。
ポリペプチド245を用いる上記エライサ方式において
免疫反応した抗血清を実施例4に記述したようにして親
和性単離した。親和性単離した抗ポリペプチド245抗血
清(AI抗−245)をついでCaSki、SiHa、HeLa、C−33A
及びHT−3を細胞から調製された細胞溶解物を含有する
ブロット上での実施例5に記述の免疫ブロットアッセイ
に使用した。この免疫ブロットアッセイを実施例5にお
ける免疫ブロッティングについて記述したヤギ抗ウサギ
IgG抗体の代りにアルカリホスファターゼラベル化モノ
クローナル抗ヒト免疫グロブリンIgA抗体を用いて行っ
た場合、58kd HPV潜伏性タンパク質はCaSki細胞溶解物
中にのみ検出された。これらの結果は、ヒト抗HPV潜伏
性タンパク質抗体の存在を免疫ブロッティング方式を用
いて実証できることを示している。
10.乳頭腫ウイルス潜伏性タンパク質の単離 Macrosphere Amino300Åビーズ(Alltech Associate
s,Dearfield,IL)100mgを50mMリン酸バッファー(pH7.
0)15mlに分散し、分散液を脱気した。ビーズを脱気分
散液から遠心分離によって回収し、得られたペレットを
回収し50mMリン酸バッファー(pH7.5)13.5mlに再懸濁
して脱ガスビーズ懸濁液を生成させた。脱ガスビーズ懸
濁液を攪拌しつつ、25%グルタルアルデヒド水(FM Sci
enece,Cherry Hill,NJ)1.5mlを混合し攪拌を3分続け
てグルタルアルデヒドカップル化ビーズを形成させた。
ついで水をカップル化ビーズに攪拌下加えて最終容量を
50mlとし、ビーズを遠心分離によって集め水50mlで3回
洗浄して活性化ビーズを形成させた。
実施例2cに記述されたようにして調製し合計タンパク
値約500mgを含有するある量のウサギ抗ポリペプチド236
抗血清を等量のPBSで希釈し、JA−200ローター(Beckma
n)中12000rpm、4℃で15分遠心分離した。得られた上
清を等量のクロロホルムで抽出し、水相をバッファーA
(100mMトリス−HCl、pH8.0)に対して一夜透析して透
析ウサギ抗血清を生成させた。
透析ウサギ抗血清約9mlをPD−10カラム(Pharmacia F
ine Chemicals,Piscataway,N.J.)に付し、バッファーA
25mlで予め平衡化した。
カラムを出た溶出液中最初の2.5mlを捨て、残余の溶
出液を保持した。ついでバッファーA4mlをカラムに加
え、得られる溶出液を再び保有し、前記保有溶出液と混
合した。混合物を0.2μニトロセルロースアクロディス
ク(acrodisc)フィルター(Gelman Sciences,Ann Arbo
r,MI)に通して濾過ウサギ抗血清を生成させた。
濾過ウサギ抗血清を、自動化FPLC装置(Pharmacia)
上に平衡化バッファーとしてバッファーAを用いて備え
たMono Qアニオン交換体カラムに付した。ついでカラム
をバッファーAで洗浄し、バッファーB(バッファーA
中0.5M NaCl)の0−30%勾配よりなる溶出勾配を適用
した。得られた勾配溶出画分をエライサ及び実施例3に
記述したアッセイにより測定した抗ポリペプチド抗体免
疫反応性について監視し、抗体含有画分をプールしてFP
LC精製抗ポリペプチド236抗体溶液(FPLC抗−236)を生
成させた。
O.D.280によって6mg/mlの濃度を有することが決定さ
れたFPLC抗−236 1mlを10mgの活性化ビーズと混合し、
混合物を連続撹拌下4℃で60分維持した。ついで撹拌ビ
ーズを遠心分離によって非結合抗体分子から単離し、1M
グリシンバッファー(pH7.0)1ml中に再懸濁し、室温で
30分維持してビーズ上に存在する過剰の活性化部位をブ
ロックした。ついでブロック化ビーズを遠心分離によっ
てグリシンバッファーから単離して抗−236複合化ビー
ズを形成された。
抗−236複合化ビーズを最初に5mMクエン酸バッファー
(pH3.0)1mlで洗浄して過剰のグリシンを溶出し、つい
でPBS1mlで2回洗浄し、さらにRIPAバッファー〔ノニデ
ット(nonidet)P−40(NP40)2ml、デオキシコール酸
ナトリウム(sodium deoxycholate)2g、SDS0.2g、0.5M
EDTA2ml及び十分なPBSを混合して最終容量200mlにする
ことによって調製した〕で2回洗浄して、平衡化抗−23
6複合化ビーズを形成させた。
HaLa細胞の0.12g充填細胞ペレットを実施例5と同様
にして調製し、−70℃に凍結し、解凍し、ついでRIPAバ
ッファー1mlに懸濁した。ついでHeLa細胞懸濁液をドゥ
ンス(dounce)ホモゲナイザー中ゆるい適合の乳棒を用
いるストロークで撹拌し、撹拌懸濁液を微量遠心分離機
中12000xgで15分遠心分離した。得られる上清を集め、
平衡化した抗−236複合化ビーズと混合し、混合物を連
続撹拌下4℃で2時間維持して複合化抗体と潜伏性乳頭
腫ウイルス拡散タンパク質との間の免疫反応産物を生成
させた。ついで混合物をカラムに入れ、混合物中に含ま
れるビーズを、カラムをRIPAバッファー1ml、LBバッフ
ァー(0.2%NP40、20mMトリス−HCl、pH7.5、150mM NaC
l)1ml、1M KCl1ml及び5%PBS中の2.5mMCaCl21mlでリ
ンスして洗浄した。リンスしたカラムに50mMクエン酸ナ
トリウム(pH3.0)200μを加え、溶出液を集めた。十
分な1Mリン酸バッファー(pH7.5)を溶出液に加えてク
エン酸バッファーを約pH7.0に中和し、中和した溶出液
を、溶出液中に存在するタンパク質を沈殿させるため、
十分な100%トリクロロ酢酸と混合して15%TCAを達成し
た。タンパク質沈殿を回収し、アセトンで洗浄し、アセ
トン洗浄タンパク質をSBに再懸濁し、実施例5に記述し
たSDS−PAGEで分析した。
HeLa細胞から単離したアセトン洗浄タンパク質のSDS
−PAGE分析は見掛けの分子量約112kdを有し、免疫ブロ
ットアッセイにおいて実施例2cで調製されたウサギ抗−
245抗血清と免疫反応したタンパク質を実証した。
11.HPV16関連ネステド(nested)ポリペプチドを用いる
抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子の検出 表2に示すポリペプチド、ポリペプチド245及びコン
トロールポリペプチド65を実施例9に示したと以下の例
外を行う以外同様なエライサアッセイに用いて抗HPV潜
伏性タンパク質抗体分子を検出した。
ポリペプチドを含有する被覆溶液50μを96穴平底微
量力価プレート(Immunolon II、Dynatech,Chantilly,V
A)の穴に、各穴が表8に示すポリペプチドのうち唯1
つの1μgを含有するように加えた。穴を前記と同様に
維持し、リンスし、ブロックした。ついでプレートを前
記と同様に乾燥し、ついでNGSバッファーで1/10希釈し
た患者血清100μを各穴に加えて免疫反応混合物を形
成させ、これを前記と同様にして維持し、洗浄した。
免疫反応産物をNGSで1:3000に希釈したホースラディ
ッシュペルオキシダーゼラベル化モノクローナル抗ヒト
Ig−A複合体(Janssen)を用いて前記と同様にして検
出した。第2のセットの穴を、ラベル化複合体がIgAの
代りに抗−IgG(Ortho Diagnostics,Ontario,Canada)
であったことを除き同様にして調製した。得られた着色
反応混合物約490nmでの光学密度(OD490)を測定した。
測定値を表8に示す。
表8の結果は配列−LTYDSF−またはポリペプチド66で
は配列−HKSAIVTLTYD−を含有するすべてのポリペプチ
ドがコントロールペプチド65より強力に患者抗血清中に
存在するIgGまたはIgAと免疫反応したことを示す。患者
1はタイプ18潜伏性HPV感染を有するとして診断され、
患者2は頚の鱗屑状細胞癌を有することが組織学的に確
認された。
これらの結果はHPV感染患者からの抗血清がHPVタイプ
16関連ポリペプチドと免疫反応することを示している。
結果は免疫反応が−LTYDSE−またはポリペプチド66では
より小さなよく特徴づけられたエピトープの存在による
ことを実証している。
12.抗HPVポリペプチドモノクローナル抗体に対する結合
エピトープの決定 モノクローナル抗体245:11E3のHPVタイプ16関連ポリ
ペプチドと免疫反応する能力を以下に述べる例外をもっ
て実施例3に述べたと同様な固相エライサ操作によって
評価した。
表9に示すポリペプチドを96穴微量力価プレートの各
穴の壁に吸着させ(穴あたり1つのポリペプチド種)、
ついで穴をブロッキング溶液よりもNHSバッファー(PBS
中10%正常ウマ血清)でブロックした。ついでNHSバッ
ファーを用いて連続的に2倍希釈に希釈したモノクロー
ナル抗体245:11E3の50μを各ブロック化壁に混合し
た。混合物を前記のごとく維持し、免疫反応産物を形成
させた。固相結合免疫反応産物を実施例6aに記述したよ
うにしてヤギ抗マウスIgG複合体を用いて検出し、表9
に示す結果を415nmで50%最大ODを得るのに必要な力価
として表した。
表9の結果はモノクローナル抗体245:11E3に結合する
HPVタイプ16関連ポリペプチドについてのエピトープは
アミノ酸残基配列−TYDSE−を含有することを示してい
る。
13.HPVタイプ16関連ポリペプチドの組合せを用いるヒト
血液中の抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子の検出 患者血液中の抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子を検出
するため、HPVタイプ16関連ポリペプチド237、245及び2
46を以下の例外以外実施例6と同様なエライサアッセイ
に服せしめた。
抗血清は、表10に示す種々の組織学的に確認されたコ
ンジローム病変または種々の等級(gradesof)頚部形成
異常の形態で潜伏性HPV感染症として診断された46人の
患者から得られた。これらの抗血清の各々をポリペプチ
ド237、245また246を吸着させた個々の穴中で混合し、
吸着したHPVタイプ16関連ポリペプチドと免疫反応でき
る抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子(免疫グロブリンIg
A)の存在について実施例9に示すようにしてアッセイ
した。結果を表10に示す。
1. 結果はポリペプチド237、245または246を吸着させ
た壁についてのOD492及びポリペプチドを吸着させない
壁についてのOD492(ブランク)として表した。
2. 組織学を各抗血清提供者について報告する。CINは
頚部上皮内新形成を示す。ボーダーラインCIN(+/−C
IN)はあるタイプのHPVを通例有しており、CIN1は温和
な形成異常、CIN2は中位の形成異常、CIN3は高度の(se
vre)形成異常もしくは基本的細胞層貫入(basal cell
layer penetration)前のその場での癌である。他の組
織学的特徴も示される。
表10の結果は、潜伏性HPV感染を有し、異なる段階の
頚部形成異常もしくはコンジロームを示す患者が1のみ
ならず数種の異なるHPVタイプ16関連ポリペプチドと免
疫反応するIgA抗体分子を血液中に含んでいることを示
す。
このように本発明はその配列がすべて1つのHPVタイ
プから推測される異なる種類のポリペプチドの互いの組
合せにおける使用を包含する。これらの異なるポリペプ
チドは実行されたエライサアッセイの別個の穴または診
断用キットに上記したごとく含有させることができ、ま
た組み合わせて単一の固体支持体上に例えば単一の穴中
に吸着させることができる。好ましい組合せは単一の微
量力価プレートの別個の穴中へのポリペプチド237、245
及び246を包含する。
14.HPVタイプ特異的ポリペプチドの組合せを用いるヒト
血液中の抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子の検出 組織学的に診断された種々の段階の形成異常において
潜伏性HPV感染を有する患者から得た抗血清の一群を、
以下の例外を除き実施例9に記載したと同様なエライサ
アッセイで分析した。
ポリペプチドK69、K70、K72または245を1μg含有す
る被覆溶液、またはコントロールとしてPV〔標準的ウイ
ルス学的操作により、保存されたピリオン乳頭腫ウイル
スタンパク質を含有するムース(moose)いぼから単離
された乳頭腫ウイルスビリオン〕1μgを含有する被覆
溶液50μを96穴半面積平底(half area,flat botto
m)微量力価プレート(costar,Cambridge,MA)の穴に加
え、前記と同様に維持して加えた物質を穴の壁に吸着さ
せた。NGSバッファーの代りにNHSバッファーを用いて穴
をブロックした。ついでNHSバッファーで1:20に希釈し
た患者血清50μを各穴に混合して免疫反応混合物を形
成させ、混合物を37℃で2時間維持してポリペプチド含
有免疫反応産物を形成させた。
NHSバッファーで1:800に希釈したアルカリホスファタ
ーゼラベル化ポリクローナル親和性精製抗ヒト免疫グロ
ブリンIgA複合体(Dakopotts、Copenhagen、Denmark)
を含有する溶液50μを各穴に混合し、37℃で2時間維
持して結合ヒト抗体と加えたラベル化複合体との間の第
2免疫反応産物を生成させた。ついで加えた溶液を除去
し、前記のごとくNHSバッファーでリンスし、過剰の液
を振盪除去した。
PNPP基質溶液〔p−ニトロフェニルホスフェート、SI
GMA Chemical Corp.St.Louis,MO;0.01%MgCl2を含有す
るジエタノールアミンバッファー、9.8%(v/v)、pH9.
5のmlあたり1mgの濃度〕50μlを各穴に混合してカラー
顕色反応溶液を形成させた。混合物を室温で45分維持し
た後、溶液のO.D.を405nmフィルターを備えたマルチス
カンプレートリーダーを用いて測定した。
免疫グロブリンIgA抗体分子を測定する結果を表11に
示す。
1 表10の注2におけるように各抗血清提供者について
の組織学を報告する。
2 PVはムースいぼから単離されたコントロール乳頭腫
ビリオンである。
3 「16」はHPVタイプ16から推測された配列を有する
ポリペプチド245が穴に含有されていたことを示す。
4 「6」はHPVタイプ6から推測された配列を有する
ポリペプチドK70が穴に含有されていたことを示す。
5 「18」はHPVタイプ18から推測された配列を有する
ポリペプチドK69が穴に含有されていたことを示す。
6 「33」はHPVタイプ33から推測された配列を有する
ポリペプチドK72が穴に含有されていたことを示す。
表11の結果は種々の潜伏性HPV感染を有する患者が血
液内に別のに対してより1つのHPVタイプ関連ポリペプ
チドと優先的に免疫反応するIgA抗体分子を含んでいる
ことを示している。例えば、患者1はVira Type DNA Ty
ping Kit(Molecular Diagnostics,Gaithersburg,MD)
を用いて決定された確認されたHPVタイプ16感染者であ
り、彼の血液はHPVタイプ16関連ポリペプチド245と実質
的に免疫反応するIgA抗体分子を含んでいたが、タイプ3
3関連ポリペプチドK72とは少しの程度しか免疫反応しな
かった。患者36はHPVタイプ18関連ポリペプチドK69と優
先的に免疫反応するIgA抗体分子を血液中に含んでい
た。患者75及び92はHPVタイプ6関連ポリペプチドK70と
優先的に免疫反応するIgA抗体分子を血液中に含んでい
た。
表11の結果は、そのアミノ酸残基配列が異なるHPVタ
イプから推測されるHPV関連ポリペプチドを1つのであ
って他のでないHPVタイプによって誘導される抗体分子
をタイプ特異的に検出し識別するのに用いることができ
る本発明の1態様を実証している。HPV関連タイプ特異
的ポリペプチドは上記のごとく実施されたエライサアッ
セイまたは診断用キットの別々の穴に含有させることも
できるし、組み合わせて単一の固体支持体上に例えば単
一の穴中に吸着させることもできる。
ラベルされた抗体複合体を用いて同様のアッセイを行
い一群の提供者抗血清中のIgA及びIgG免疫グロブリンを
検出した。そのアッセイにおいて、結果はまず上記と同
様表12に示すHPVタイプ特異的ポリペプチドと免疫反応
する免疫グロブリンIgA抗体分子を含有する抗血清につ
いて求められた。
ついで、IgA複合体の代りに、NHSバッファーで1:800
に希釈したホースラディッシュペルオキシダーゼラベル
化ポリクローナル抗ヒト免疫グロブリンIgG複合体(Dak
opatts)含有溶液50μを用いる以外同様のエライサア
ッセイを同じ群の抗血清について行った。第2の免疫反
応産物の生成及び前記と同様のリンス後、ABTS基質溶液
(0.002Mクエン酸塩pH5.0のmlあたり0.2mgの濃度のABT
S、0.009%過酸化水素)50μを各穴に混合してカラー
形成反応混合物を生成させた。顕色反応混合物を暗やみ
中室温で20分維持した後、溶液混合物のO.D.を、415nm
フィルターを備えたマルチスカンプレートリーダーを用
いて測定した。
HPV関連ポリペプチドと免疫反応する、ヒト提供者血
液中のIgA及びIgG抗体分子の検出結果を表11と同じ取扱
い方式で表12に示す。
15.ヒト血液から抗HPV関連タンパク質抗体分子のポリペ
プチドリガンド親和性単離 実施例1と同様にして調製したポリペプチド245の10m
gを水に溶解し、次に充填CH−セファロースビーズ(Pha
rmacia)4mlに製造者の指示に従ってカップリングさせ
てポリペプチド245−アガロース固体支持体を形成させ
た。調製された支持体をまず4M KSCN10mlで洗浄し、つ
いでPBS400mlで洗浄して平衡化245支持体を形成させ
た。第2の支持体をHPV E領域ORFsと配列相同性を有さ
ないコントロールポリペプチドを用いて同様に製造して
平衡化コントロール支持体を生成させた。
実施例9に記載の手法を用いて求めたポリペプチドと
免疫反応性の抗体分子を有するCIN患者からの抗血清を
集めた。集めた抗血清2mlを5ml/hrの流速でコントロー
ル支持体に適用し、支持体からの溶出液を回収した。つ
いで回収した溶出液を平衡化した245支持体に適用し、
ついで支持体を0.5M NaClを含有するPBS約80mlで洗浄し
た245支持体に含まれていたポリペプチドと特異的免疫
反応をしなかったすべての物質をすすぎ流した。
ついで4M KSCNを支持体に5ml/hrの流速で加えて免疫
反応した抗体分子を245支持体から溶出し、溶出液を画
分に回収した。画分のO.D.を280nmで測定し、ピーク含
有画分を決定し、プールして抗体含有プールを得た。つ
いでこのプールをPBSに対して透析してポリペプチド245
単離精製ヒト抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子を含有す
る溶液を得た。このようにして調製された溶液中に含有
される抗体分子を親和性精製もしくは親和性単離ヒト抗
HPV潜伏性タンパク質抗体分子と称する。
得られた親和性単離された抗体分子は、溶液中に含ま
れる抗体分子の50%より多い部分がHPVタイプ16関連ポ
リペプチドと免疫反応する能力を有するので実質上単離
された抗体を表す。ここで実証されるごとく、これらの
抗体分子はまたHPV潜伏性タンパク質と免疫反応する能
力も有する。
16.ヒト抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子を用いる核HPV
潜伏性タンパク質の検出 a.ウェスタンブロッティング セルラインNIH3T3/HPV16はHPVタイプ16で安定にトラ
ンセクトされた(be transected)マウス繊維芽細胞NIH
3T3セルラインであり(Yasumoto et al.,J.Virol57
572−577、1986)、Dr.j.DiPaoloから得た。C4IIはHPV
タイプ18保有頚部癌セルライン(Yee et al.,Am.J.Path
ol.119、361−366、1985)であり、ATCCから得、ATCC仕
様書に従って培養した。
実施例5に記述したセルラインHT−3、CaSki及びSiH
a、NIH3T3/HPV16及びC4II、及び正常セルラインNIN3T3
(ATCC)を以下に述べる例外を除き実施例5に記述した
ウェスタン免疫ブロットアッセイに服せしめた。
細胞溶解物を前記したようにしてただし7%ポリアク
リルアミドゲル及び図5の凡例に示した分子量マーカー
タンパク質を用いるSDS−PAGEに服せしめた。電気泳動
細胞溶解物をニトロセルロースに移行させ、ブロックし
た後、ブロックしたブロックを、(a)実施例15で調製
し、BLOTTOで1:10に希釈したポリペプチド245親和性単
離ヒト抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子の溶液、(b)
実施例6bで調製したハイブリドーマ245:11E3からの未希
釈培養上清、または(c)実施例4で調製しBLOTTOで1:
32に希釈したウサギ親和性単離抗ポリペプチド245抗体
分子含有溶液中に12時間維持して混合して抗体組成物と
ブロット上の固相としての潜伏性乳頭腫ウイルスタンパ
ク質との間の免疫反応産物を生成させた。
ついで洗浄したブロットを(a)抗ヒトIgA、(b)
抗マウスIgGまたは(c)抗ウサギIgGにそれぞれ複合化
させたアルカリホスファターゼをそれぞれ1:1000に希釈
して含有するBLOTTO中で維持して、第2の混合抗体とブ
ロットの固相上に存在する最初に生成した免疫反応産物
との間で第2の免疫反応産物を生成させた。ついでブロ
ットを洗浄し、固相免疫反応産物を色素生産性物質展開
剤(doveloper)溶液を図5の凡例に示した展開時間用
いて視覚化した。
ヒト抗体分子を用いて潜伏性乳頭腫ウイルスタンパク
質を検出するためにウェスタン免疫ブロットアッセイを
用いる結果を図5に示す。
例えば、ヒト抗体分子はC4II細胞中の48kdタンパク
質、NIH3T3/HPV16細胞中の48kd及び26kdタンパク質、及
び長いさらしでCaSki細胞中の58kdタンパク質(図5Aの
左部)と免疫反応したが、コントロール細胞HT−3また
はNIH3T3との免疫反応はみられなかった。
さらなる特徴化として、モノクローナル抗体245:11E3
はCaSki細胞中の58kdタンパク質と免疫反応したが、HT
−3またはSiHa細胞中のタンパク質とは免疫反応しなか
った(図5b)。親和性単離ウサギ抗体はCaSki細胞中の4
8kdタンパク質と優先的に免疫反応し、51kd及び58kdタ
ンパク質とは最小的に免疫反応した(図5c)。
b.CaSki、C−33A、HT−3、SiHa及びHeLaの免疫組織化
学的検出 固定細胞を8%NHS中で30分ブロックした以外実施例8
aと同様にして免疫組織化学検出用組織培養細胞を調製
し、(a)実施例15で調製され、BLOTTOで1:5に希釈し
たポリペプチド245親和性単離ヒト抗HPV潜伏性タンパク
質抗体分子、または(b)ハイブリドーマ245:11AE3培
養物からの上清に存在し、実施例6bで調製され、BLOTTO
で1:18に希釈された抗体分子を含有する溶液を用いて90
分免疫反応させた。結果は両方の抗体分子ともHPVタイ
プ16感染CaSki細胞と免疫反応するが、テストした他の
セルラインとは免疫反応しないことを示した。CaSki細
胞中の視覚化された免疫反応産物は細胞核における強い
染色を示した。CaSki細胞を細胞より小さい(subcellul
ar)分別に付して核を単離し、単離核を実施例16aに示
すウェスタ免疫ブロッティングによって分析して58kdタ
ンパク質を同定することによって核局在を確認した。
これらの分析はヒト及びマウスポリペプチド245親和
性単離抗体分子の両者とも核HPV潜伏性58kdタンパク質
及び26kd及び48kdHPV潜伏性タンパク質と免疫反応した
ことを示す。
17.形成異常の苛烈さとIgA抗HPV潜伏性タンパク質抗体
との相関関係 組織学的にCIN1、CIN2またはCIN3(定義は表10の注2
に示す)として確認された形成異常(dysplasia)を有
する患者から得た抗血清サンプルを用いる実施例9のエ
ライサアッセイによって得られたエライサ免疫反応結果
に基いてヒト血液中分子の統計的分析を行った。この結
果を表13に示す。
結果は形成異常の苛烈さと抗HPV潜伏性タンパク質抗
体のポリペプチド245との免疫反応性の相関関係を示
す。従って、抗乳頭腫ウイルス潜伏性タンパク質抗体分
子を検出するための本方法及び診断系は患者IgA免疫反
応性及び力価と乳頭腫ウイルス誘導性器病変及び形成異
常の苛烈さとを相関させるために用いることができる。
具体的態様及び実施例を含む上記明細書は本発明を例
示するものであり、限定的に解すべきでない。本発明の
真の精神及び範囲を離れることなく多くの他の変化及び
修飾を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、HPVタイプ16のヌクレオチド配列から誘導さ
れる読み取り枠(ORF)を図的に示したものである。こ
こで参考として引用している、シードルフ(Seedorf)
等(ビロロジー(Virol.)、145、181−185(1985))
の報告に示されている、HPVタイプ16のヌクレオチド配
列の番号システムを用いているので、第1図に示したOR
Fは、以下に示す核ORFに対して、上記報告中に含まれる
ヌクレオチド配列を含んでいる。ORF 含有されるヌクレオチド配列 E6 65−556 E7 544−855 E1a 859−1167 E1b 1104−2810 E2 2725−3849 E4 3332−3616 E5 3862−4096 L2 4133−5653 L1 5526−7151 このORFの翻訳フェーズは、“R1"がフェーズ1、“R2"
がフェーズ2及び“R3"がフェーズ3を示している、左
に記した“R"によって示している。ヌクレオチドのキロ
ベース(kb)て測定する尺度がORFの下に位置してお
り、その相対的位置を示している。 第2図は、HPV含有組織培養物及び生検組織サンプル中
に存在する、ヒトパピローマウイルス潜在性タンパク質
のイムノブロット分析を示している。細胞溶解物を調製
し、7.5%ポリアクリルアミドゲルによる電気泳動を行
ない、そしてウサギ抗ポリペプチド236抗血清を用い
た、例5で説明されているようなイムノブロッティング
を行った。 レーン1からレーン4は、各々頚管がん腫細胞系列CaSk
i、HeLa、SiHa及びC−33aから調製した細胞溶解物を用
いて得られた結果を示した。この抗血清は、HeLa及びSi
Ha細胞中に存在する112キロダルトン(kd)のタンパク
質と免疫反応し、また、分析した全ての細胞溶解物中に
存在する約70,000の分子量を有するタンパク質とも非特
異的に免疫反応を起こす(レーン1−4、6、7)。レ
ーン5は、kdで示した分子量を有する、マーカーとして
電気泳動した以下に示すタンパク質標準物質を含んでい
る;リゾチーム、14.4kd;トリプシンインヒビター、21.
5kd;カーボニックアンヒドラーゼ、31kd;オバルブミ
ン、42.7kd;ウシ血清アルブミン、66.2kd;ホスホリラー
ゼb、97.4kd;β−ガラクトシダーゼ、116.25;及びミオ
シン、200kd。レーン6及び7は、2種のコンジローマ
生検サンプルから調製した細胞溶解物を用いて得られた
結果を示している。1つのコンジローマ生検溶解物(レ
ーン6)は、54kd及び46kd両方の繊維状タンパク質を含
んでおり、一方他のコンジローマ生検溶解物は、54kdタ
ンパク質のみを含んでいる。 第3図は、HPV含有頚管がん腫細胞中に存在する、ヒト
パピローマウイルス潜伏性タンパク質のタイプ特異的イ
ムノブロット分析を示している。細胞溶解物を調製し
て、7.5%ポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、これ
を、ウサギ抗ポリペプチド236抗血清を用い、例5で説
明されているようにイムノブロット分析した。ポリクロ
ーナル抗血清を用いて検出することができる。全ての非
特異的タンパク質に加え、58kd及び54kdの繊維状タンパ
ク質がCaSki細胞から調製した細胞溶解物中に検出され
たが(レーン2)、HeLa細胞から調製した細胞溶解物中
には検出されなかった(レーン1)。示されてはいない
が、第2図で説明したものと同じ分子量のマーカータン
パク質がイムノブロット上に含まれており、このこと
が、観察されたタンパク質の分子量を測定する手段を提
供している。 第4図は、HPV含有頚管がん腫細胞中に存在する、ヒト
パピローマウイルス潜伏性タンパク質のイムノブロット
分析を示している。細胞溶解物を調製して、7.5%ポリ
アクリルアミドゲル電気泳動し、これを、モノクローナ
ル抗体247:4D11を用いて、例7で説明されているように
イムノブロット分析した。レーン1は、第2図で説明し
たのと同じ分子量マーカータンパク質を含んでいる。レ
ーン2〜5は、各々頚管がん腫細胞系列SiHa、HeLa、Ca
Ski及びHT−3から調製した細胞溶解物を用いて得られ
た結果を示している。CaSki細胞中に検出されるHPV潜伏
性タンパク質は、58kd、54kd、及び48kdの繊維状タンパ
ク質を含み(レーン4)、一方、HeLaの細胞中には、54
kdのタンパク質のみが検出された。検出された全てのそ
の他のタンパク質は、モノクローナル抗体247:4D11を用
いたとき観察される非特異的免疫反応産物である。 第5図は、HPV含有頚管がん腫細胞中に存在する、ヒト
パピローマウイルス潜伏性タンパク質のイムノブロット
分析を示している。細胞溶解物を調製して、7%ポリア
クリルアミドゲル電気泳動し、これを、ポリペプチド24
5(パネルA)、ハイブリドーマ245:11E3培養物上清
(パネルB)、又は、ウサギのアフィニティ単離化抗ポ
リペプチド245抗体分子(パネルC)上でアフィニティ
ー単離した、ヒト抗HPV潜伏性タンパク質抗体分子を用
いて、例16aで説明されているようにイムノブロット分
析した。分析した各細胞溶解物を、各ゲルのレーン上に
列挙した。図の右及び左欄の数字は、主要免疫反応種の
キロダルトンで示した分子量、58kd及び48kdを示してい
る。矢じりは、各々、200、116、92、66、44及び31kdの
分子量を有するマーカータンパク質の位置を示してい
る。パネルAの左側部分及びパネルB全体は、12時間現
像したもので、一方、パネルAの右側部分及びパネルC
全体は、30分間現像したものである。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 5/10 G01N 33/569 L G01N 33/569 33/577 B 33/577 A61K 39/395 N // A61K 39/395 C12P 21/08 C12P 21/08 C12N 5/00 B (C12P 21/08 C12R 1:91) (72)発明者 リチャード スミス アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92014 デル マー ヴィア ドナド 12790 (72)発明者 ディー エリオット パークス アメリカ合衆国 カリフォルニア州 92014 デル マー カラマス ドライ ヴ 709 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (23)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 からなる群から選ばれる式で表わされるポリペプチド。
  2. 【請求項2】わずか約50個のアミノ酸残基からなり、か
    つ式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を含むポリペプチド。
  3. 【請求項3】わずか約50個のアミノ酸残基からなり、か
    つ、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を含むポリペプチド。
  4. 【請求項4】わずか約50個のアミノ酸残基からなり、か
    つ、一般式 (式中、Zは、式HKSAIVTLTYDSEで表わされる配列の一
    部に対応する配列を有する、少なくとも5個のアミノ酸
    残基を含むアミノ酸残基配列であり、 Xは水素もしくは、少なくとも1個のアミノ酸残基であ
    り、 X′は水酸基もしくは、少なくとも1個のアミノ酸残基
    である) で表わされるアミノ酸残基配列を含み、かつ抗ヒトパピ
    ローマウイルス潜伏性タンパク質抗体と免疫反応する能
    力を有するポリペプチド。
  5. 【請求項5】Zが、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を含むアミノ酸残基配列である、請求項(4)記載の
    ポリペプチド。
  6. 【請求項6】上記ポリペプチドが、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を有する、請求項(4)記載のポリペプチド。
  7. 【請求項7】わずか約50個のアミノ酸残基からなり、か
    つ、一般式 (式中、Xは水素もしくは少なくとも1個のアミノ酸残
    基であり、X′は水酸基もしくは、X′がアミノ酸残基
    配列WQRDQFLSQVを含まない条件付で、少なくとも1個以
    上のアミノ酸残基である) で表わされるアミノ酸残基配列を含むポリペプチド。
  8. 【請求項8】X′が、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列である、請求項(7)記載のポリペプチド。
  9. 【請求項9】わずか約50個のアミノ酸残基からなり、か
    つ、式 から成る群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を含み、かつ、アミノ酸残基配列−WRQRDQFLSQV−を
    含まないポリペプチド。
  10. 【請求項10】式 から成る群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を有するポリペプチド。
  11. 【請求項11】式 で表わされるポリペプチドと免疫反応する抗体分子を含
    む実質的に単離された抗体分子もしくはモノクローナル
    抗体を含む抗体。
  12. 【請求項12】式 からなる群から選ばれるポリペプチドの唯1つと免疫反
    応する抗体分子を含む抗ポリペプチド抗体もしくはモノ
    クローナル抗体。
  13. 【請求項13】ATCC寄託番号HB9718、HB9719及びHB9720
    を有するハイブリドーマの群から選ばれるハイブリドー
    マにより産出する抗体分子を含むみ、かつ、潜伏性ヒト
    パピローマウイルスタンパク質と免疫反応することがで
    きるモノクローナル抗体。
  14. 【請求項14】潜伏性ヒトパピローマウイルスタンパク
    質と免疫反応する抗体分子を産出し、かつ、ATCC寄託番
    号HB9718、HB9719及びHB9720を有するハイブリドーマの
    群から選ばれるハイブリドーマ。
  15. 【請求項15】a) 被検者の体液サンプルを、式、 から成る群から選ばれる式で表わされるポリペプチドを
    混合することにより免疫反応混合物を作成する工程、 b) サンプル中に存在する抗パピローマウイルス潜伏
    性タンパク質抗体が上記ポリペプチドと免疫反応し、ポ
    リペプチド含有免疫反応産物を形成するのに十分な時
    間、上記免疫反応混合物を、生物学的検定条件に維持す
    る工程、 c) 生成したポリペプチド含有免疫反応産物の存在を
    検定することにより、上記被検者におけるパピローマウ
    イルス感染の有無を検定する工程、 以上、a)〜c)の工程を含む、被検者におけるパピロ
    ーマウイルス感染の検定法。
  16. 【請求項16】a) 被検者の体液サンプルを、わずか
    約50個のアミノ酸残基からなり、かつ、一般式、 (式中、Zは、式HKSAIVTLTYDSEで表わされる配列の一
    部に対応する配列を有する、少なくとも5個のアミノ酸
    残基配列であり、 Xは、水素もしくは、少なくとも1個のアミノ酸残基で
    あり、かつ X′は、水酸基もしくは少なくとも1個のアミノ酸残基
    である) で表わされるアミノ酸残基配列を含み、かつ、抗ヒトパ
    ピローマウイルス潜伏性タンパク質抗体と免疫反応する
    ことができるポリペプチドと混合することにより、免疫
    反応混合物を作る工程、 b) サンプル中に存在する抗パピローマウイルス潜伏
    性タンパク質抗体が、上記ポリペプチドと免疫反応し、
    ポリペプチド含有免疫反応産物を形成するのに十分な時
    間、上記免疫反応混合物を、生物学的検定条件に維持す
    る工程、 c) 生成したポリペプチド含有免疫反応産物の存在を
    検定することにより、上記被検者における抗ヒトパピロ
    ーマウイルス潜伏性タンパク質の有無を検定する工程、 以上、a)〜c)の工程を含む、被検者における抗ヒト
    パピローマウイルス潜在性タンパク質抗体の存在の検定
    法。
  17. 【請求項17】上記ポリペプチドが、式、 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を有する、請求項(16)記載の方法。
  18. 【請求項18】a) 被検者の体液サンプルを、わずか
    約50個のアミノ酸残基からなり、かつ、式、 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を含むポリペプチドと混合することにより、免疫反応
    混合物を作る工程、 b) サンプル中に存在する抗パピローマウイルス潜伏
    性タンパク質抗体が上記ポリペプチドと免疫反応し、ポ
    リペプチド含有免疫反応産物を形成するのに十分な時
    間、上記免疫反応混合物を生物学的検定条件に維持する
    工程、 c) 生成したポリペプチド含有免疫反応産物の存在を
    検定することにより、上記被検者における抗ヒトパピロ
    ーマウイルス潜伏性タンパク質の存在を検定する工程、 以上、a)〜c)の工程を含む、被検者における、パピ
    ローマウイルス感染と抗ヒトパピローマウイルス潜伏性
    タンパク質抗体の存在を検定する方法。
  19. 【請求項19】少なくとも1回の検定を行なうのに十分
    な量の、式 からなる群から選ばれる式で表わされ、かつ潜伏性パピ
    ローマウイルス感染により誘導される抗体と免疫反応す
    ることができるポリペプチドを含有するパッケージを含
    む、体液サンプル中の抗パピローマウイルス潜伏性タン
    パク質抗体の存在を検定するための、キットの形をした
    診断システム。
  20. 【請求項20】少なくとも一回の検定を行なうのに十分
    な量の、わずか約50個のアミノ酸残基からなる、かつ、
    一般式、 (式中、Zは、式HKSAIVTLTYDSEに対応する配列を有す
    る、少なくとも5個のアミノ酸残基を含むアミノ酸残基
    配列であり、 Xは、水素もしくは、少なくとも1個のアミノ酸残基で
    あり、 X′は、水酸基もしくは、少なくとも1個のアミノ酸残
    基である) で表わされるアミノ酸残基配列を含み、かつ、抗ヒトパ
    ピローマウイルス潜伏性タンパク質抗体と免疫反応する
    ポリペプチドの少なくとも1種を含有するパッケージを
    含む、体液サンプル中における抗パピローマウイルス潜
    伏性タンパク質抗体の存在を検定するための、キットの
    形をした診断システム。
  21. 【請求項21】上記ポリペプチドが、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を含むか、もしくは、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を有する、請求項(20)記載の診断システム。
  22. 【請求項22】わずか約50個のアミノ酸残基からなり、
    かつ、式、 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を含むポリペプチドの少なくとも1種を付加的に含む
    か、もしくは、上記付加的ポリペプチドが、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を有する、請求項(20)記載の診断システム。
  23. 【請求項23】少なくとも一回の検定を行なうのに十分
    な量の、わずか約50個のアミノ酸残基からなり、かつ、
    からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を含むか、もしくは、式 からなる群から選ばれる式で表わされるアミノ酸残基配
    列を有するポリペプチドの少なくとも1種を含有するパ
    ッケージを含む、体液サンプルにおける抗パピローマウ
    イルス潜伏性タンパク質抗体の存在を検定するための、
    キットの形をした診断システム。
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