JPH0971599A - 鶏貧血ウイルス(cav)感染鶏血清と高い反応性を示すポリペプチド及びこのポリペプチドに対する抗体、鶏貧血ウイルス感染の診断法及びワクチン - Google Patents

鶏貧血ウイルス(cav)感染鶏血清と高い反応性を示すポリペプチド及びこのポリペプチドに対する抗体、鶏貧血ウイルス感染の診断法及びワクチン

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JPH0971599A
JPH0971599A JP7229004A JP22900495A JPH0971599A JP H0971599 A JPH0971599 A JP H0971599A JP 7229004 A JP7229004 A JP 7229004A JP 22900495 A JP22900495 A JP 22900495A JP H0971599 A JPH0971599 A JP H0971599A
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Noriko Iwata
紀子 岩田
Miyuki Fujino
美由紀 藤野
Yosaburo Otaki
与三郎 大滝
Susumu Ueda
進 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 鶏貧血ウイルス感染鶏血清と反応性の高い免
疫原性ポリペプチドを提供する。 【解決手段】 Met His Gly Asn Gly Gly Gln Pro Ala
Ala Gly Gly Ser のアミノ酸配列を有する鶏貧血ウイル
ス感染鶏血清と高い反応性を有するポリペプチド。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は鶏貧血ウイルス(C
AV)由来のポリペプチドと、このポリペプチドに対す
る抗体とに関する。これらを有効成分とした試薬は、C
AVおよびその感染を検査する試薬、並びにその感染に
対するワクチンとして有用である。
【0002】
【発明の背景と従来の技術】鶏貧血ウイルス(CAV)
は、1979年に湯浅ら(Yuasa et al.,1979 Avian Di
s. 23 366-385 )によって日本で初めてその存在が報告
された。その後、CAVの存在はヨーロッパ(Chettle
et al., 1989 Vet. Rec. 124 211-215; Engstrom et a
l., 1988 Avian Pathol.17 23-32 )、アメリカ(Goodw
in et al., 1989 Avian Dis. 33 438-445)、オースト
ラリア(Firth et al., 1990 Aus. Vet.J. 67 301-30
2)、東南アジア(Chi et al., 1989 J. Vetrinar Maly
asia 1 11-16 )で多数報告されている。
【0003】CAVは直径25nmの球状粒子で、1本
鎖環状DNAを持ち、サーコウイルスに属すると考えら
れている(Gelderblom et al., 1989 Arch.Virol. 109
115-120 )。このウイルスは一般的に使用される鶏組織
の細胞培養系では増殖せず、マレック病リンパ腫由来の
株化細胞(MDCC−MSB1)(Akiyama et al.,197
4 Biken J. 17 105-117)やリンパ性白血病リンパ腫由
来の株化細胞(LSCC−1104B)で増殖する(Yu
asa et al., 1983 Natl. Inst. Anim. HealthQ (Jpn) 2
3 13-20)。日本で分離されたCAVの11株間で(Yua
sa et al., 1986 Avian Pathol. 15 639-645 )、また
ドイツのCuxhavenー1株と日本のGifuー1
株の間(McNulty et al., 1989 Avian Dis. 33 691-69
4)で、血清学的区別を試みた報告があるが、いずれの
CAV株間でも血清学的差異は認められていない。
【0004】CAVはその名が示す通り、鶏雛に高度な
貧血を引き起こす。ヒナのCAVに対する感受性は年齢
抵抗性が見られ、初生ヒナが最も感受性があり、感染鶏
では貧血、食欲不振、昏睡症状を呈し、2週齢ころから
急激に死亡する(Goryo et al., 1985 Avian Pathl. 14
483-496; Rosenberger et al., 1989 Avian Dis. 3375
3-759; Yuasa et al., 1979 Avian Dis. 23 366-38
5)。肉眼的病変として骨髄の白色化及び胸腺の萎縮
が、組織学的病変として骨髄の造血組織の低形成と胸腺
のリンパ球の消失が認められる(Yuasa et al., 1979 A
vian Dis. 23 366-385; Goryo et al.,1989 Avian Path
ol. 18 73-89; Taniguchi et al.,1983 Natl.Inst. Ani
m. Health Q (Jpn.) 23 1-12 )。鶏の日齢が経過する
と、CAVに対する感受性が低下する。7日齢以上の雛
では、貧血の発生頻度は著しく低下し、肉眼的にも著し
い変化は観察されない(Yuasa et al., 1979 Avian Di
s. 23 366-385; Rosenberger et al., 1989 Avian Dis.
33 753-759; Goryo et al.,1985Avian Pathol. 14 483
-496)。また、2週齢以上の鶏では、貧血症状を呈する
ことはない。
【0005】野外における典型的な幼雛のCAV感染症
は、主に介卵感染によって起こる(Yuasa et al., 1987
Avian Pathol. 16 521-526; Otaki et al., 1988 日獣
誌 41 335-338 )。すなわちCAV抗体陰性の種鶏が感
染し、種鶏の体内で増殖したウイルスが種卵に移行す
る。この種卵より孵化した雛が発症する。次世代雛の発
症は、種鶏にCAVの抗体が出現し、種鶏の体内からC
AVの排泄がなくなるまで続く。発症群では2週齢ころ
から死亡する雛が急増し、4週齢ころには終息する。死
亡率は60%に達することがある。CAV単独の水平感
染による発症は少ないが、まれに伝染性ファブリキウス
嚢病ウイルス(IBDV)感染による免疫抑制が基礎に
あって典型的なCAV感染症が起こることもある(Gory
o et al.,1985 Avian Pathol. 14 483-496; 池ら、198
2 鶏病研報 18 58-62 )。CAV感染鶏では、一過性
であるが細胞性免疫及び液性免疫が強く抑制される(Ot
akiet al., 1988 Jpn. J. Vet Sci. 50 1040-1047)。
このため、マッレク病ウイルスやアデノウイルスの病原
性が増強されたり、マレック病やニューカッスル病ワク
チンの免疫が抑制されるという報告がある(Otaki et a
l.,1988 Avian Pathol. 17 333-347; Otaki et al.,198
8 Proc. 3rd. Intern. Symp. on Marek's Dis.Osaka 36
4-366; Yuasa et al.,1988 Proc. 3rd. Intern. Symp.
on Marek's Dis. Osaka 358-363)。さらに、細菌やカ
ビの二次感染が誘発される。
【0006】このようなことから、種鶏が種卵採取前に
CAV抗体を保有しているかどうかを調べること、ある
いはワクチンにより種鶏のCAV抗体の陽転を計る必要
がある。抗CAV抗体の検出法は、ウイルス中和試験、
間接蛍光抗体法、ウイルス感染細胞や精製ウイルスを抗
原としたELISAが報告されている(Yuasa et al.,
1983 Natl. Inst. Anim. Health Q (Jpn.) 23 78-81; Y
uasa et al., 1980 Avian Pathol. 14 521-530; McNult
y et al. 1988 Avian Pathol. 17 315-324; Todd et a
l., 1990 J. Gen. Virol. 71 819-823 )。ウイルス中
和試験には、MDCC−MSB1細胞が用いられるが、
CAVの培養細胞での増殖が非常に遅いため判定には1
〜2週間が必要である。間接蛍光抗体法および感染細胞
や精製ウイルスを抗原としたELISAは、迅速である
が、非特異的反応がしばしば認められ、CAV抗体の有
無の正確な判定が難しい(Otaki et al.,1991 Avian Pa
thol. 20 315-324; Bulow , 1988 J. Vet. Med. B. 35
594-600 )。またCAVのワクチンは、ウイルスを大量
に得ることが難しいことから、日本においてはいまだ開
発されていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】CAVは一般的に使用
される鶏組織の細胞培養系では増殖しないが、マレック
病リンパ腫由来の株化細胞(MDCCーMSB1)やリ
ンパ性白血病リンパ腫由来の株化細胞(LSCC−11
04B)で増殖する。しかしながら、これらの培養系で
の増殖性もあまりよくないため、大量のウイルス抗原を
精製することは非常に困難である。このため、日本にお
いては、未だに有効なCAVワクチンやCAV抗体検出
キットが市販されるにいたっていない。
【0008】ところで、生体内で免疫反応が起こる場
合、抗原となる蛋白質のアミノ酸配列の全ての部分に対
してではなく、いくつかのある特定の部分に対する抗体
が誘導されることが知られており、B細胞エピトープは
通常約14のアミノ酸残基よりなると言われている。そ
こで、CAV全体を用いる代わりにエピトープ領域をワ
クチン抗原および抗体検出用の抗原として利用すること
が考えられる。
【0009】CAVのタンパク質に対するB細胞のエピ
トープ領域は、CAVの蛋白質を互いに補完する一連の
短いポリペプチドとして調製し、CAV感染鶏血清との
反応性を調べることによってスクリーニングすることが
できる。CAVの全塩基配列は、すでに4株で明らかに
されている(Claessens et al., 1991 J. Gen. Virol.
72 2003-2006; Meehan et al., 1992 Arch. Virol. 124
301-319; Noteborn et al., 1991 J. Virol. 65 3131-
3139)。それらを比較すると、CAA82ー2株と他の
3株との塩基の相同性は96. 7〜97. 8%である。
また、いずれの株にも少なくとも4つ(大きさの順にC
A1〜CA4)のタンパク質がコードされており、これ
らのうちCA1、CA2、CA3は、すべての株でアミ
ノ酸残基の数が共通で、アミノ酸の株間での相同性も非
常に高い。すなわち、CA1は449、CA2は21
6、CA3は121アミノ酸残基より構成されており、
CAA82ー2株と他の株とのアミノ酸の相同性は、C
A1では96. 9〜97. 8%、CA2では99. 1
%、CA3では96. 7〜98. 3%である。これらの
コンピューター解析の結果から、CA1、CA2、CA
3はCAVに関連する主要な抗原性ならびに免疫原性タ
ンパク質となり得ると推定される。
【0010】そこで本発明者は、これら3つのCAVタ
ンパク質の抗原性ならびに免疫原性の有無を、バキュロ
ウイルスを用いて発現させたタンパク質の抗原性を調
べ、CA2とCA3が強い抗原性を有するタンパク質で
あることを同定した。
【0011】本発明は、以上のことから、鶏貧血ウイル
スのCA2、CA3領域におけるCAV感染鶏血清と反
応性の高いB細胞エピトープ領域を特定し、これらのポ
リペプチド及びこのポリペプチドに対する抗体を提供す
ることを目的とすると共に、これらのポリペプチド及び
その抗体を用いたCAV感染の迅速で特異的な診断法、
並びに有効なワクチンの提供を目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を実現する本
発明の特徴の一つは、後述する配列番号1〜17のいず
れかに示すアミノ酸配列を有するポリペプチドを提供す
るところにある。これらのポリペプチドは、鶏貧血ウイ
ルス感染鶏血清と高い反応性を有する抗原として、鶏貧
血ウイルス感染鶏の抗体検出診断に用いることができる
他、鶏貧血ウイルスのワクチンとして用いることができ
る。
【0013】前記のポリペプチドはCAV感染鶏血清と
高い反応性を有するエピトープを含むものであり、した
がってその抗原性を阻害しない限り、前記ポリペプチド
に更にアミノ酸が付加されていてもよいし、また複数の
これらのアミノ酸配列を含む抗原性ポリペプチドとする
こともできる。例えば配列番号6のC末端に4アミノ酸
を付加して20アミノ酸とした下記のもの Asn Lys Phe Thr Ala Val Gly Asn Pro Ser Leu Gln Ar
g Asp Pro Asp Trp TyrArg Trp 配列番号12のC末端に4アミノ酸を付加して20アミ
ノ酸とした下記のもの Met Asn Ala Leu Gln Glu Asp Thr Pro Pro Gly Pro Se
r Thr Val Phe Arg ProPro Thr 等を例示することができる。これらのポリペプチドは前
記配列番号1〜17のものと同様に、抗原性ならびに免
疫原性をもつ抗原として、鶏貧血ウイルス感染鶏の抗体
検出診断に用いることができる他、鶏貧血ウイルスのワ
クチンとして用いることができる。
【0014】これらのCAV感染鶏血清と高い反応性を
有するポリペプチドは、固体に担持させることで、鶏貧
血ウイルス感染鶏の抗体検出診断、例えばELISAに
よる診断に容易に用いることができる。
【0015】また前記のエピトープを含む免疫原性ポリ
ペプチドを動物に免疫して得られる血清から抽出した抗
体、例えばポリクローナル抗体,モノクローナル抗体あ
るいはリコンビナント抗体は、例えばサンドイッチ法を
用いるELISAによる診断に有効に利用できる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態に基
づいて更に説明する。
【0017】(CAVタンパク質のB細胞エピトープ領
域の決定)CAVのエピトープを有するアミノ酸配列は
以下の方法により同定される。例えば、タンパク質の遺
伝子が判明している場合、タンパク質をコードする領域
を5´末端側もしくは3´末端側から、酵素を用いて除
去し、コード領域が段階的に短くなるような欠損ミュー
タント遺伝子を作成し、適当な宿主細胞を用いて発現さ
せ、各ミュータントタンパク質が所望の反応性を有する
かを調べることによりエピトープの存在する領域を限定
できる。欠損ミュータント遺伝子は、必ずしも段階的欠
損を有するよう構築されなくとも、全体を相互に重複す
るよう分割した一連の遺伝子であってもよい。次いでエ
ピトープの位置を決定するために、同定された断片につ
いてより小さく重複している断片を合成し、エピトープ
の存在を調べる。この場合、最初から数十〜数百種以上
の短いポリペプチドを連続的に合成し、スクリーニング
することもできるし、タンパク質のアミノ酸配列をもと
にコンピューター分析を行って、エピトープの可能性が
ある領域を推定し、次いでスクリーニング用のポリペプ
チドを調製し、反応性を確認する方法によっても行うこ
とができる。エピトープ領域の推定は、親水性領域の分
布並びに二次構造予測とを組み合わせることにより行わ
れる。
【0018】なお、これらのペプチドは1つのエピトー
プを必ずしも正確に位置づけるとは限らず、抗原性をも
たないCAV配列も含有する可能性もあるが、この配列
の抗原性を有さない部分は、上述に記載した方法により
短いペプチドを使用して特定し、除外することができ
る。
【0019】(抗原性ならびに免疫原性ポリペプチドの
調製および担体との結合)CAV遺伝子にコードされた
ポリペプチドは、組換え手法により、融合タンパク質あ
るいは単離ポリペプチドとして、細菌、酵母または動物
細胞で発現させることができる。
【0020】培地に分泌される融合タンパク質もしくは
ポリペプチドは、遠心分離、限外濾過、ゲル濾過、塩分
画、クロマトグラフィー、またはイムノアフィニティー
クロマトグラフィーなどにより単離、精製できる。
【0021】細胞内に生産された融合タンパク質やポリ
ペプチドはまず細胞を収集し、物理的方法(例えば音波
処理、ホモジナイズ)、化学的方法(例えばNP40)
あるいは酵素(例えばリゾチーム)により細胞を破砕し
た後、ポリペプチドを上述の技術により他の細胞内成分
から分離し、単離および精製できる。
【0022】短いアミノ酸配列を有する単離ポリペプチ
ドを調製する場合、上記遺伝子組換え手法を使う方法よ
り、化学合成によりはるかに簡便に得ることができる。
すなわち短いポリペプチドは自動ペプチド合成機を用い
て化学合成することができる。しかしながら短いポリペ
プチド単独では、生体に投与した場合に免疫反応を惹起
しないことがある。この場合、リジンのαおよびεアミ
ノ基を利用して枝分かれしたペプチドを合成することに
より合成物を高分子化し、抗原性を上げる方法(MAP
法)を用いることができる。また、前記のポリペプチド
を適当な担体に結合させることもできる。このような結
合方法には、例えば1−エチル−3(3−ジメチルアミ
ノプロピル)−カルボジイミドや、m−マレイミドベン
ゾイル−N−ヒドロキシスクシニミドエステルを用いて
担体に化学結合させる方法などがある。宿主に毒性を持
たない担体としては、高分子物質、例えばタンパク質や
多糖体、または不活化ウイルス粒子等を用いることがで
き、特に有用なタンパク質として血清アルブミン、キー
ホールリンペットヘモシアニン、免疫グロブリン分子、
卵アルブミン、無毒化したテタヌス毒素などを挙げるこ
とができる。
【0023】上述の方法で調製した少なくとも1つのC
AVエピトープを有するポリペプチドもしくはペプチド
−担体複合体は免疫学的試薬として有用である。例えば
エピトープを有するポリペプチドは、抗血清あるいはモ
ノクローナル抗体等を生産するための抗原、免疫学的検
定法の試薬、あるいはワクチンにおけるサブユニット抗
原として利用することができる。
【0024】(CAVエピトープに対する抗体の調製)
前述のポリペプチドはまた、抗体生産に用いることがで
きる。ポリクローナル抗体は、前記エピトープを有する
免疫原性ポリペプチドを動物(ウサギ、マウス、ヤギな
ど)に免疫し、得られた血清を回収し、公知の方法によ
り精製処理することで得られる。CAVエピトープに対
するポリクローナル抗体を含有する血清が他の抗原に対
する抗体を含んでいる場合は、例えば免疫アフィニティ
ークロマトグラフィーによって不純物を除去するように
してもよい。
【0025】前記したCAVエピトープに対するモノク
ローナル抗体もまた容易に生産できる。すなわち、モノ
クローナル抗体は、上述のポリペプチドを免疫したマウ
スの抗体生産細胞を腫瘍細胞と融合し、作成したハイブ
リドーマによって産生させることができる。さらに、上
述の抗体産生細胞から抽出した抗体タンパク質の遺伝子
を大腸菌等で発現させたり、ファージに組み込むことに
より、リコンビナント抗体を得ることもできる。CAV
エピトープに対して形成された抗体は、特に診断におい
て有用である。
【0026】(イムノアッセイおよび診断用キット)C
AVのエピトープを有するポリペプチド、および上述の
CAVのエピトープに対する特異的抗体は、イムノアッ
セイにおいて、生物学的試料におけるCAV抗体、ウイ
ルスまたはウイルス抗原を検出するために有用である。
イムノアッセイの原理は抗原と抗体との結合を定量的、
半定量的、定性的に判定するものであるが、抗原および
抗体の種類、それらの保持の方法、反応を増幅する方法
等について、使用状況、使用場所、検出感度等に応じて
多くの変更を行うことが可能である。例えば、CAV抗
体を検出するイムノアッセイの抗原として、1種類、も
しくは多種類のウイルスエピトープが利用できる。ウイ
ルス由来のこれらのエピトープは、天然ポリペプチドに
結合した形で、あるいは組換え体融合タンパク質として
利用することもできる。CAV抗原を検出するイムノア
ッセイでは、ウイルスのエピトープに対する1種のモノ
クローナル抗体、異なったウイルスエピトープに対する
複数のモノクローナル抗体、あるいは一種類もしくは異
なるウイルスエピトープに対するポリクローナル抗体が
使用される。イムノアッセイは、例えば競合分析法、直
接反応分析法、あるいはサンドイッチタイプ分析法を基
礎とすることができる。
【0027】標識化した抗体あるいはポリペプチドを用
いる場合には、標識物として、例えば、蛍光分子、化学
発光分子、放射性分子、あるいは色素分子などを用いる
ことができる他、標識物からのシグナルを増幅するアッ
セイ、具体的には酵素媒介イムノアッセイ(例えばEL
ISA)を用いることもできる。
【0028】抗原もしくは抗体との結合に依存し、定量
の標識として、結合した酵素の発色反応等を用いるEL
ISAは、抗原もしくは抗体価を測定するのに特に有効
である。
【0029】その一例を挙げれば、抗体を測定するに
は、既知の抗原を固相(例えばマイクロプレート)に固
定し、被検血清の希釈物とともにインキュベートした
後、洗浄する。次に酵素(例えば、西洋ワサビペルオキ
シダーゼ)で標識した抗免疫グロブリンとともにインキ
ュベートした後、再び洗浄する。固相に結合した酵素活
性は、特異的な基質を添加し、その基質が酵素反応によ
って変化した生成物の量または利用された基質の量を比
色法で測定する。
【0030】さらに一例を挙げれば、抗原を測定するに
は、既知の特異抗体を固相に固定し、抗原を含む被検物
質を添加し、インキュベートした後、洗浄する。次に、
酵素で標識した第2の抗体を添加し、インキュベートし
た後洗浄する。次いで、基質を添加し、酵素活性を比色
法で測定する。
【0031】また、微細な粒子を固相として用い、抗体
による粒子の相互の架橋反応を粒子の凝集として検出す
るいわゆる凝集反応法は、特殊な機器・装置を必要とし
ないため、診断を簡易に行うことが可能であるので特に
好ましく用いられる。これらの凝集反応の固相として用
いられる粒子には、ラテックス、ゼラチンが材質として
特によく用いられ、抗原抗体どちらの検出も可能であ
る。
【0032】これらのイムノアッセイは、診断用キット
として準備すると実用的である。診断用キットには、例
えばCAV抗体を検出するELISAキットの場合、抗
原を吸着させたプレートと検査を行うのに必要な他の試
薬および材料(陽性血清、陰性血清、希釈液および検査
を行うための指示書)が適当に包装されて含まれる。 (ワクチンの調製)本発明の免疫原性ポリペプチドを抗
原として含むサブユニットワクチンは、前述した配列番
号1〜17のポリペプチドの一種または複数、あるいは
これらを含むポリペプチドを用いて調製することができ
る。またこれらのポリペプチドは、化学合成により得る
ことができる。
【0033】これらのポリペプチドの免疫により中和抗
体が生じない場合にも細胞性免疫の惹起等によりCAV
感染による発症から免れる可能性は十分考えられ、この
ことから、CAVに対するワクチンは、1つあるいはそ
れ以上のエピトープを含有することができる。
【0034】本発明の活性成分としての前記免疫原性ポ
リペプチドを含有するワクチンは、公知の方法を用いて
調製することができ、このようなワクチンは、液体溶液
あるいは懸濁液、または注射前に液体に溶解あるいは懸
濁させるのに適当な固形物として調製することができ
る。さらに必要に応じて、このワクチンには、少量の補
助物質、例えば補湿剤あるいは乳化剤、pH緩衝液、あ
るいはワクチンの効果を増強するアジュバントを添加す
ることができる。
【0035】本発明のワクチンは、任意の日齢におい
て、噴霧、点眼、点鼻、経口的あるいは皮下、筋肉内、
腹腔内注射で投与する方式で用いることができ、投薬処
方に適合する様式で予防効果が与えられる量投与され
る。ワクチンの投与形式は一回あるいは複数回の投与形
式で与えられ、複数回の投与形式では2回目以降の投与
は、引き続き免疫応答を維持もしくは強化するのに必要
な時間間隔で投与される。なお、本発明のワクチンは、
家禽の他の病原体に関連する免疫原、例えば、伝染性気
管支炎ウイルス、ニューカッスル病ウイルス、伝染性フ
ァブリキウス嚢病ウイルス、またはマレック病ウイルス
の抗原を含む多価ワクチンとしてもよい。本発明のワク
チンは、上述したサブユニットワクチンとして用いるこ
とに代えて、ベクターワクチンとして使用することもで
きる。すなわち上述した本発明のポリペプチドを発現す
るように遺伝子をウイルスに挿入し、リコンビナントウ
イルスとして生体内で当該ポリペプチドを発現するよう
に設計することもできる。この組換え微生物は、鶏に投
与して接種鶏の体内で複製して記載のポリペプチドを発
現させ、接種鶏の免疫系を刺激することができる。ポリ
ペプチドを発現させるのに適切なベクターとしては、例
えば鶏痘ウイルス、ヘルペスウイルス、アデノウイルス
などを挙げることができる。
【0036】本発明のこのようなワクチンは、前記ポリ
ペプチドを発現するベクターウイルスを宿主細胞に感染
させることにより製造することができる。
【0037】
【実施例】以下に本発明の実施例を示す。この実施例は
例示の目的のために記載されるものであり、本発明の範
囲を限定するものではない。
【0038】(1)CAV82−2株の単離、培養およ
び同定(OTAKI et al., 1987 Avian Pathol. 16 291-30
6 ) 1982年1月に愛知県において、初生時に七面鳥ヘル
ペスウイルス(HVT)ワクチンを接種したにもかかわ
らず、2鶏群に高死亡率、臓器の壊死病変、胸腺とファ
ブリキウス嚢の萎縮と同時にマレック病変が見られた。
早期の死亡を示した1鶏群の病鶏の腎臓から細胞浮遊液
を作り、1日齢のSPF鶏に接種した。接種鶏は死亡あ
るいは、致死的状態を示し、リンパ組織の萎縮、骨髄の
白色化と同時に肝臓と腎臓の腫脹などのマレック病変が
認められた。これらの接種材料には、マレック病ウイル
スとCAVが含まれていると思われたので、マレック病
ウイルスを除くために、これらの病変を示した鶏の肝臓
と腎臓を採取して、PBS(pH7.4)で5%乳剤と
し、3回凍結融解を繰り返した後、低速遠心により上清
を回収した。回収した上清については、70℃で5分加
熱、クロロフォルムで室温10分処理した後、450n
mのフィルター(Millipore,USA)で濾過した。これを
CAA82−2と命名し、−80℃に保存した。
【0039】このCAA82−2を1日齢時のSPF
(specific pathogen-free)のホワイトレグホン種M系
の鶏(日本生物科学研究所、附属実験動物研究所、山
梨、日本)に腹腔内接種したところ、接種14日後をピ
ークとして高度な貧血、胸腺の萎縮、骨髄の白色化が認
められた。一方、CAVGifu−1株に対する抗血清
(湯浅襄博士より分与された)で中和されたCAA82
−2を接種した雛には、病変は観察されなかった。さら
に、CAA82−2株を接種したMDCC−MSB1細
胞をGifu−1株に対する抗血清を用いた間接蛍光抗
体により調べたところ、CAV抗原が検出された。
【0040】これらのことから前記CAA82−2をC
AVと同定した。
【0041】(2)ウイルスゲノムのクローニング MDCC−MSB1細胞にCAA82−2株を接種し、
72時間後に細胞培養上清を採取した。上清は Bec
kmanの19タイプのローターを用い、18.5Kr
pmで3時間遠心した。沈査を1/100量のPBSに
浮遊させ、15%、30%、60%ショ糖に重層した。
それをBeckmanのSW41ローターを用いて35
Krpmで2時間遠心し、35%と60%の間に形成さ
れた白いバンドをCAV分画として回収した。CAV溶
液をフェノ−ル/クロロフォルム/イソアミルアルコ−
ル(25:24:1)で抽出し、そこに2倍量のエタノ
ールと1/10量の酢酸アンモニウムを加えて、−20
℃に15分放置した。その後、遠心分離により生じたペ
レットを滅菌蒸留水に溶解し、CAVのDNAとした。
【0042】CAVのCuxhaven−1株の塩基配
列を基に7つのオリゴヌクレオチドプライマーをDNA
合成機(Cyclone, Milligen/Biosearch)で合成した。
それぞれのプライマーの塩基配列は、以下の通りであ
る。
【0043】 pCA1 :CGCAAGGCGGTCCGGGTGGA pCA1R:GGGGGTTGTGAAAGGCCTTC pCA2 :GCCCCGGTACGTATAGTGTG pCA2R:GGGTCTCATTTTCCCGGTCG pCA3 :GACGAGCAACAGTACCCTGC pCA3R:CAGGGCTGCGTCCCCCAGTA PCA4R:CTCCGCTGGGCCCAGGTTGC これらのプラーマーを用いて10pgのCAVのDN
A、100nMのそれぞれのプライマー(pCA1〜p
CA1R、pCA1〜pCA2R、pCA2〜pCA2
R、pCA2〜pCA3R、pCA3〜pCA3R、p
CA3〜pCA4R)、200μMのデオキシヌクレオ
チド、2.5ユニットのTaqDNAポリメレース(Ta
kara)、10mM Tris−HCl pH8. 3、5
0mM KCl、1.5mM MgCl2 を加えて、パ
ラフィンオイルを重層し、95℃で1分、56℃で2
分、74℃で3分を1サイクルとしたPCRを25サイ
クル行った。その生成物からパラフィンオイルを除き、
増幅されたDNA断片を1%のアガロースゲル電気泳動
をした後、ゲルから切り出し、ヨウ化ナトリウム溶液と
グラスミルクを用いる方法(The GENECLEAN II kit BIO
101 Inc.,USA )で溶出した。DNA断片はクレノウ酵
素(Boehringer)で平滑末端とし、燐酸化した後、市販
のpGEM3Zベクター(Promega, USA)のSmaI部
位に挿入して、組換えプラスミドを得た。
【0044】次にこの組換えプラスミドを含む反応液を
コンピテント化した大腸菌(JM109)と混合し、形質転
換反応を行って形質転換体を得た。次に、50μg/m
lのアンピシリンを含むLBプレートに生育するクロー
ンを50μg/mlのアンピシリンを含むLB培地2m
lで培養し(37℃、一晩)、アルカリミニスクリーン
法でプラスミドを抽出し、EcoRIとHindIII あ
るいはBamHIで切断して目的の大きさのDNA断片
を組み込んでいるクローンを選んだ。
【0045】(3)DNA塩基配列の決定 上記より得られた6クローンより組換えプラスミドを抽
出、精製し、Sangerら(1977 Proc. Natl. Acad.
Sci. USA 74 5463-5467)によるデオキシチェインター
ミネーション法により塩基配列を決定した。すなわち、
まず上記のpGEM3Zベクターに相補的なシークエン
スプライマー(T7とSP6)を用いて、挿入したDN
A断片の両端の塩基配列を決定した。さらに、挿入した
DNA断片の内側へ向けてシークエンスプライマー pCA11R :CGGTCCTCAAGTCCGGCA pCA21 :CCGCTACACCATCGGCAT pCA21R :ATCATCATTAAGGCCCAT pCA42 :ATTCCGAGTGGTTACTAT を合成し、塩基配列を決定し、このような操作を繰り返
して最終的に全塩基配列を決定した。
【0046】(4)ペプチドの合成 ペプチドは、Chiron Mimotopes Pt
y Ltdより購入したマルチ・ピンペプチド合成キッ
トのプロトコールに従い合成した。この合成法では、F
moc(9−フルオレルメトキシカルボニル)アミノ酸
活性エステルを縮合させる固相ペプチド合成を使用して
おり、96穴マイクロプレートに適合するように支持用
ブロックに取り付けられたピンの先端上にペプチドが合
成される。
【0047】ペプチドは、CAA82−2株のアミノ酸
配列に基づいて、CA2およびCA3の全領域を対象と
して鎖長10merに設定した。3アミノ酸づつずらし
て合成したペプチドの種類は、CA2領域は70種類、
CA3領域は38種類となった。
【0048】(5)ELISA 被検血清はCAV陽性鶏血清9例および正常鶏血清3例
を用いた。陽性血清の4例と正常血清1例は56℃、3
0分の熱処理で補体を非働化したもので、他の血清は非
働化していないものとした。
【0049】CAV陽性と陰性の判定は、MDCC−M
SB1細胞を用いた中和試験で抗体価100倍以上を示
したものを陽性、抗体価10倍以下であったものを陰性
とした。
【0050】反応に先立ち、血清の非特異吸着を防ぐた
めに96穴マイクロプレートに3%スキムミルク/0.
1%Tween20/PBSを200μl/ウエル加
え、そこにピンを入れ室温で1時間浸した。その後、液
を捨てたプレートに上記の緩衝液で50倍に希釈した被
検血清175μlを加え、そこにピンを入れて37℃で
1時間反応させた。ピンを取り出しプラスチック容器の
中でPBSで室温、10分、3回洗浄した。その後、上
記の緩衝液で667倍に希釈したパーオキシダーゼ標識
抗鶏免疫グロブリン抗体(Goat anti-Chicken IgG-h+1
HRPO Conjugated;BETHL LABORATORIES, INC. )175
μlを入れ、そこにピンを加えて室温で1時間反応させ
た。ピンを取り出し、同様の方法で再びPBSで3回洗
浄した。新しいプレートに発色剤(16mgABTS、
400μlの0. 3%過酸化水素/20mlクエン酸バ
ッファー、pH4.0)を150μl加えて、室温で約
6分反応させた。MTP−22形マイクロプレート分光
光度計(コロナ電気株式会社)を用いてOD415 におけ
る吸光度を測定した。
【0051】吸光度測定後はピンを再生して繰り返し使
用した。ピンの再生は、1%ドデシル硫酸ナトリウムと
0.1% 2−メルカプトエタノールを含む 60℃に
保温した0.1Mの燐酸緩衝液にピンを浸し、10分間
超音波処理した後、60℃に保温した蒸留水でピンを洗
浄することにより結合した抗体を解離させる方法で行っ
た。
【0052】CAA82−2株のアミノ酸配列に基づい
て合成した10merのペプチドを抗原としてELIS
Aを行った結果を図1〜図6に示す。これらの図におい
て、図1では56℃、30分の処理により非働化した血
清を用い、図中の横線以上の反応性を示したものを陽性
と判定した(No. 1は正常血清、No. 2〜No.5
はCAV感染血清)。図2では非働化していない血清を
用い、図中の横線以上の反応性を示したものを陽性と判
定した(No. 6、No. 7は正常血清、No. 8〜N
o. 12はCAV感染血清)。図3では56℃、30分
の処理により非働化した血清を用いた。図中の横線以上
の反応性を示したものを陽性と判定した(No. 1は正
常血清、No. 2〜No. 5はCAV感染血清)。図4
では非働化していない血清を用い、図中の横線以上の反
応性を示したものを陽性と判定した。(No. 6、N
o. 7は正常血清、No. 8〜No. 12はCAV感染
血清)。図5では56℃、30分の処理により非働化し
た血清を用い、図中の横線以上の反応性を示したものを
陽性と判定した(No. 1は正常血清、No. 2〜N
o. 5はCAV感染血清)。図6では非働化していない
血清を用い、図中の横線以上の反応性を示したものを陽
性と判定した(No. 6、No. 7は正常血清、No.
8〜No. 12はCAV感染血清)。
【0053】以上の結果から、正常鶏血清(No. 1、
No. 6、No. 7)とこれらの抗原はほとんど反応し
ていないのに対して、CAV感染鶏血清(No. 2、N
o.3、No. 4、No. 5、No. 8、No. 9、N
o. 10、No. 11、No. 12)は特定のペプチド
と反応した。ただし、反応の程度は感染鶏の個体によっ
て異なっていた。
【0054】以上のようにしてCAV感染鶏血清と反応
したエピトープ領域を、CAA82−2株のアミノ酸配
列のハイドロパシープロット上に記した(図7)。いず
れのエピトープ領域も親水性であった。
【0055】さらに、鶏感染血清ごとに各合成ペプチド
との反応性の有無を調べ、結果を表1〜表3に示した。
【0056】これらの表は、CA2領域1〜217アミ
ノ酸残基の範囲で合成した各10merペプチドと各C
AV感染鶏血清との反応性の有無を調べ、3つ以上のC
AV感染血清と反応した部分をB細胞エピトープ領域と
判定した。また同様に、CA3領域1〜70アミノ酸残
基の範囲で合成した各10merペプチドと各CAV感
染鶏血清との反応性の有無を調べ、3つ以上のCAV感
染血清と反応した部分をB細胞エピトープ領域と判定し
た。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【表3】
【0060】これらをもとにCAA82−2株のB細胞
エピトープ領域を特定した。すなわち、3検体以上の感
染血清が反応する領域をエピトープ領域とした。解析し
たCA2領域には11のエピトープ領域が存在し、それ
ぞれアミノ酸番号1−13、10−19、16−31、
31−43、46−61、55−70、85−94、9
4−103、133−145、142−157、151
−163であった。CA3領域には6つの領域が同定さ
れ、それらはアミノ酸番号1−16、13−22、52
−64、64−79、73−91、97−112であっ
た。
【0061】(6)合成ペプチドを抗原としたELIS
A 下記の2つのポリペプチドNo.6',No.12'をANASP
EC社に委託合成し、ペプチド合成機にてFmoc法で
合成し、求めるポリペプチドを80%以上含むように精
製した後、凍結乾燥したものを入手した。
【0062】ポリペプチドNo.6': Asn Lys Phe Thr A
la Val Gly Asn Pro Ser Leu Gln ArgAsp Pro Asp Trp
Tyr Arg Trp ポリペプチドNo.12': Met Asn Ala Leu Gln Glu Asp
Thr Pro Pro Gly Pro Ser Thr Val Phe Arg Pro Pro Th
r これらのポリペプチドを1mg/mlの濃度になるよう
に滅菌蒸留水に溶解した後、カーボネイトバッファー
(pH9.0)を用いて250μg/mlから4μg/
mlの間で2倍段階稀釈した。
【0063】次に96穴マイクロタイタプレートに各稀
釈のポリペプチドを50μl/ウエルで加え、4℃で一
晩吸着させた後、液を捨て、3%スキムミルクを含むE
LISA用バッファー(PBSもしくは0.05%Tw
een80を含む生理食塩水)を各穴に100μl加
え、37℃で1時間ブロッキングした。ブロッキング液
を捨て3回洗浄した後、同バッファーで50倍に稀釈し
た被検血清を50μl加え37℃で1時間反応させた。
液を捨て再び洗浄した後、同バッファーで1000倍に
稀釈したパーオキシダーゼ標識抗鶏免疫グロブリン抗体
(BETYAL)を50μl加え、37℃で30分反応
させた。更に洗浄した後、発色剤を50μl加え、室温
で30分反応させた。0.1NのNaOHを加えて反応
を止めた後、415nmで吸光度を測定した。結果を表
4に示した。
【0064】
【表4】
【0065】この結果、CAV陽性血清のみで反応が認
められ、さらにこれらのポリペプチドをカルボジイミド
法を用いて卵白アルブミンとコンジュゲーションし、こ
れを抗原として同様にELISAを行ったところ、やは
り陽性血清のみと反応した。結果を表5,表6に示し
た。
【0066】そこでNo.6'あるいはNo.12'と卵白アルブ
ミンとの複合体をそれぞれ0.94μgもしくは0.7
8μg、50μl/ウエルの濃度で加え、4℃で一晩吸
着させた後、CAV感染鶏および非感染鶏の経時血清と
の反応をELISAで確かめた。その結果、両ペプチド
を含む抗原とCAV陽性血清が感染後3週目をピークに
反応したが、同抗原に対して陰性血清では反応がみられ
なかった。結果を図8、図9に示した。
【0067】CAV陽性血清と強く反応したNo.12'のペ
プチドをMAP法にて4分岐した形に合成した。これを
1.7ng/ウエルでプレートに吸着させ、前記と同様
にCAV感染鶏および非感染鶏の経時血清との反応をE
LISAで確かめた。その結果、CAV感染血清が感染
後3週目をピークに反応した。結果を図10に示した。
【0068】
【表5】
【0069】
【表6】
【0070】
【発明の効果】本発明によれば、CAVのCAA82−
2株のCA2とCA3の全領域のB細胞エピトープを特
定してCAV感染鶏血清に対する高い反応性を有する免
疫原性ポリペプチドを提供できるとういう効果が得られ
る。また、これらの免疫原性ポリペプチドの組み合わせ
を検討することにより、CAVの感染診断用の抗原,抗
体、およびCAV感染の予防のためのワクチンを提供で
きるという効果が得られる。
【0071】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:N末端フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82ー2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2* 存在位置:1ー13** 特徴を決定した方法:E 配列 Met His Gly Asn Gly Gly Gln Pro Ala Ala Gly Gly Ser 1 5 10 配列番号:2 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82ー2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:10ー19 特徴を決定した方法:E 配列 Ala Gly Gly Ser Glu Ser Ala Leu Ser Arg 1 5 10 配列番号:3 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82ー2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:16ー31 特徴を決定した方法:E 配列 Ala Leu Ser Arg Glu Gly Gln Pro Gly Pro Ser Gly Ala Ala Gln Gly 1 5 10 15 配列番号:4 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:31ー43 特徴を決定した方法:E 配列 Gly Gln Val Ile Ser Asn Glu Arg Ser Pro Arg Arg Tyr 1 5 10 配列番号:5 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:46ー61 特徴を決定した方法:E 配列 Arg Thr Ile Asn Gly Val Gln Ala Thr Asn Lys Phe Thr Ala Val Gly 1 5 10 15 配列番号:6 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:55ー70 特徴を決定した方法:E 配列 Asn Lys Phe Thr Ala Val Gly Asn Pro Ser Leu Gln Arg Asp Pro Asp 1 5 10 15 配列番号:7 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:85ー94 特徴を決定した方法:E 配列 Arg Glu Cys Ser Arg Ser His Ala Lys Ile 1 5 10 配列番号:8 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:94ー103 特徴を決定した方法:E 配列 Ile Cys Asn Cys Gly Gln Phe Arg Lys His 1 5 10 配列番号:9 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:133ー145 特徴を決定した方法:E 配列 Lys Arg Ala Lys Arg Lys Leu Asp Tyr His Tyr Ser Gln 1 5 10 配列番号:10 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:142ー157 特徴を決定した方法:E 配列 His Tyr Ser Gln Pro Thr Pro Asn Arg Lys Lys Val Tyr Lys Thr Val 1 5 10 15 配列番号:11 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA2 存在位置:151ー163 特徴を決定した方法:E 配列 Lys Lys Val Tyr Lys Thr Val Arg Trp Lys Asp Glu Leu 1 5 10 配列番号:12 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:N末端フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA3*** 存在位置:1ー16 特徴を決定した方法:E 配列 Met Asn Ala Leu Gln Glu Asp Thr Pro Pro Gly Pro Ser Thr Val Phe 1 5 10 15 配列番号:13 配列の長さ:10 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA3 存在位置:13ー22 特徴を決定した方法:E 配列 Ser Thr Val Phe Arg Pro P
ro Thr Ser Ser 1 5
10 配列番号:14 配列の長さ:13 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA3 存在位置:52ー64 特徴を決定した方法:E 配列 Ala Arg Ala Pro Thr Leu Arg Ser Ala Thr Ala Asp Asn 1 5 10 配列番号:15 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA3 存在位置:64ー79 特徴を決定した方法:E 配列 Asn Ser Glu Ser Thr Gly Phe Lys Asn Val Pro Asp Leu Arg Thr Asp 1 5 10 15 配列番号:16 配列の長さ:19 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA3 存在位置:73ー91 特徴を決定した方法:E 配列 Val Pro Asp Leu Arg Thr Asp Gln Pro Lys Pro Pro Ser Lys Lys Arg Ser Cys 1 5 10 15 Asp 配列番号:17 配列の長さ:16 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:ペプチド フラグメントの型:中間部フラグメント 起源 生物名:鶏貧血ウイルス(Chicken anaemia virus ) 株名:CAA82−2 配列の特徴: 特徴を示す記号:CA3 存在位置:97ー112 特徴を決定した方法:E 配列 Val Ser Glu Leu Lys Glu Ser Leu Thr Thr Thr Thr Pro Ser Arg Pro 1 5 10 15 ただし上記配列表中において「*」,「**」,「**
*」はそれぞれ次のことを表す。すなわち、CAVのD
NAは環状であるので塩基の番号はそれぞれの人が独自
に決定していて一貫性がない。しかし、いずれの株にも
アミノ酸残基の数が同じ3つのタンパク質がコードされ
ている。そこでこの中で216アミノ酸残基からなるタ
ンパク質をCA2* 、121アミノ酸残基よりなるタン
パク質をCA3*** として、それぞれの開始コドンの最
初の塩基を1とし、終止コドンの前の塩基まで順に番号
をつけた。
【図面の簡単な説明】
【図1】CA2領域1〜109アミノ酸残基の範囲で合
成した各10merペプチドと各鶏血清とのELISA
での反応性を示した図。
【図2】CA2領域1〜109アミノ酸残基の範囲で合
成した各10merペプチドと各鶏血清とのELISA
での反応性を示した図。
【図3】CA2領域110〜217アミノ酸残基の範囲
で合成した各10merペプチドと各鶏血清とのELI
SAでの反応性を示した図。
【図4】CA2領域110〜217アミノ酸残基の範囲
で合成した各10merペプチドと各鶏血清とのELI
SAでの反応性を示した図。
【図5】CA3領域1〜117アミノ酸残基の範囲で合
成した各10merペプチドと各鶏血清とのELISA
での反応性を示した図。
【図6】CA3領域1〜117アミノ酸残基の範囲で合
成した各10merペプチドと各鶏血清とのELISA
での反応性を示した図。
【図7】特定したB細胞エピトープの領域のハイドロパ
シープロットでの対応を示した図。
【図8】CAV感染鶏の抗体価の推移(抗原No.6'+O
VA)
【図9】CAV感染鶏の抗体価の推移(抗原No.12'+O
VA)
【図10】CAV感染鶏の抗体価の推移(抗原No.12'M
AP)
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 33/53 G01N 33/53 D 33/569 33/569 L // C07H 21/04 C07H 21/04 B C12N 1/21 C12N 1/21 5/10 5/00 B 15/02 ZNA 9162−4B 15/00 ZNAC (C12P 21/02 C12R 1:19) (C12P 21/08 C12R 1:91) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12N 5/10 C12R 1:91)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号1〜17のいずれかに示すアミ
    ノ酸配列を有することを特徴とし、鶏貧血ウイルス感染
    鶏血清と高い反応性を有するポリペプチド。
  2. 【請求項2】 配列番号1〜17の少なくともいずれか
    一つ又は複数のアミノ酸配列を含むことを特徴とし、鶏
    貧血ウイルス感染鶏血清と高い反応性を有する免疫原性
    ポリペプチド。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のポリぺプチドを鶏貧血
    ウイルス感染鶏血清と反応性を有するように担持した固
    体。
  4. 【請求項4】 鶏貧血ウイルスに対する抗体と免疫学的
    に反応するエピトープを有する請求項1〜3のいずれか
    に記載のポリペプチド。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3の少なくともいずれか一つ
    を含むポリぺプチドと免疫学的に反応するポリクローナ
    ル抗体、モノクローナル抗体又はリコンビナント抗体。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4に記載のポリペプチドを鶏
    貧血ウイルス感染鶏血清と反応させることを特徴とする
    鶏についての鶏貧血ウイルス感染の診断方法。
  7. 【請求項7】 請求項5に記載の抗体を鶏貧血ウイルス
    感染鶏血清中のウイルス由来タンパク質と反応させるこ
    とを特徴とする鶏についての鶏貧血ウイルス感染の診断
    方法。
  8. 【請求項8】 請求項1または2のポリペプチドを有効
    成分として含有することを特徴とする鶏貧血ウイルス感
    染を防御するためのワクチン。
JP7229004A 1995-09-06 1995-09-06 鶏貧血ウイルス(cav)感染鶏血清と高い反応性を示すポリペプチド及びこのポリペプチドに対する抗体、鶏貧血ウイルス感染の診断法及びワクチン Pending JPH0971599A (ja)

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JP2011153149A (ja) * 2002-05-31 2011-08-11 Transmolecular Inc クロロトキシンとの併用化学療法
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US11559580B1 (en) 2013-09-17 2023-01-24 Blaze Bioscience, Inc. Tissue-homing peptide conjugates and methods of use thereof

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