JP2918471B2 - 風呂用アダプタ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、浴槽内の湯を追い焚き
時にポンプで熱交換器に循環させる一口用の風呂用アダ
プタに関する。

【０００２】

【従来の技術】自動的に湯量を調整するようにした風呂
においては、一般的に、浴槽内湯量を検出するために浴
槽内水圧を検知する圧力センサが設けられている。そし
て、従来この圧力センサは、一口循環用の風呂用アダプ
タと熱交換器との間に設けられた配管のうち往き管又は
戻り管に接続された圧力導入管に取り付けられたり、あ
るいは、浴槽内吸込み口の近傍に開口された圧力導入管
に取り付けられたりしていた。前記浴槽内吸込み口の近
傍に開口された圧力導入管として例えば、実公平６−４
３６３９号公報に記載されたものがある。この公報にお
いては、吸込み口の中央部に開口する検出用パイプ（圧
力導入管）に連結管を介して接続された圧力検出器が記
載されている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
た従来の風呂用アダプタでは、圧力導入管が往き管又は
戻り管に接続されているものでは、ポンプにより浴槽内
の湯を熱交換器を通して循環させている場合、往き管お
よび戻り管に湯の流れによる圧力変化が生じ、浴槽内水
圧とは異なる圧力値が圧力センサに検知されるという問
題点があった。また、浴槽内吸込み口の近傍に開口され
た圧力導入管を介して浴槽内水圧を検知する場合にも、
同様に吸込み口近傍には循環による湯の流れがあり、浴
槽内水圧とは異なる圧力値が圧力センサに検知されると
いう問題点があった。この場合、ポンプを停止すれば良
いわけであるが、しかし、それでは特に２４時間風呂等
の浴槽を一定温度、一定湯量に保つという風呂用アダプ
タの本来の目的を達成することができない。

【０００４】本発明は上記事情を考慮してなされたもの
であり、その目的とするところは、ポンプを停止するこ
となく湯の循環時であっても正確に浴槽内水圧を検知で
きる風呂用アダプタを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の風呂用アダプタでは、湯を循環する配管の一
方を接続した仕切り管部が一端側内部に固定され前記配
管の他方が前記仕切り管部の外側で接続され、かつ他端
開口部まわりに浴槽外壁締付け用フランジ部が設けられ
た循環口ハウジングと；浴槽壁の貫通穴に対し隙間を設
けて挿通される挿通管部を有し、該挿通管部の一端が前
記循環口ハウジングの他端開口部と共に螺合可能に形成
され、かつ前記外壁締付け用フランジと共働して浴槽を
締付ける浴槽内壁締付け用フランジ部が他端開口部まわ
りに設けられた循環口内フランジと；前記循環口内フラ
ンジの他端開口部から挿入される仕切り管延長部の一端
が前記仕切り管部に嵌合され他端が浴槽内と連通する第
１循環口に形成され、かつ該第１循環口のまわりで前記
循環口内フランジの他端開口部を包囲するダム部が設け
られると共に該ダム部に第２循環口が設けられた循環口
吸込みパイプと；を備え、前記浴槽内壁締付け用フラン
ジ部外周側に前記隙間と浴槽内とを連通する水圧導入口
が設けられ前記浴槽外壁締付け用フランジ部に前記隙間
と連通するセンシングパイプ接続口が設けられている構
成とした。

【０００６】

【作用】この構成によって、センシングパイプが浴槽内
の水圧導入口に連通され、圧力センサがセンシングパイ
プを介して水圧導入口と連通され、この水圧導入口が湯
の吐出または吸引にかかる流れの影響のない循環口内フ
ランジの浴槽内壁締付け用フランジ部近傍に開口されて
いるので、圧力センサは動きの少ない位置の圧力を検知
することができ、浴槽内水圧を湯の循環の有無に関わら
ず正確に検知することができる。

【０００７】

【実施例】以下、本発明の一実施例について図を用いて
説明する。図１は本発明の一実施例に係る風呂用アダプ
タの側面側を示す断面図であり、図２はその正面側を示
す断面図、図３は風呂用アダプタを示す分解図である。
まず、実施例の構成を説明する。

【０００８】本実施例の風呂用アダプタ１は、循環口ハ
ウジング２と、循環口内フランジ３と、循環口吸込みパ
イプ４と、ゴムパッキン５と、を主要な構成としてお
り、このゴムパッキン５は、筒状の挿通部１１ａと、こ
の挿通部両側に並設したフランジ部１１ｂを有したリン
グ状に形成され、あらかじめ浴槽６の壁部１２に穿設し
た貫通穴１３に前記挿通部１１ａを嵌め込みフランジ部
１１ｂ，１１ｂを内壁面１２ａと外壁面１２ｂとに密着
させた状態にセットしておくものである。

【０００９】前記循環口ハウジング２は、浴槽外壁面１
２ｂ側で貫通穴１３位置に取付けられるものであって、
循環水７の配管のうち往き管１４を接続する仕切り管部
１５が一端側内部に固定され、また、循環水７の戻り管
１６を前記仕切り管部１５の外側で接続するように形成
されている。図中１７は往き管外部接続口、１８は戻り
管外部接続口である。

【００１０】また、前記循環口ハウジング２の他端側に
は、前記ゴムパッキン５の挿通部１１ａの内径よりやや
小径に開口部１９（以下、他端開口部という）が開設さ
れ、この他端開口部１９まわりには、前記ゴムパッキン
５のフランジ部１１ｂと略同径の浴槽外壁締付け用フラ
ンジ２０が設けられている。そして、前記浴槽外壁締付
け用フランジ２０には、締付け面２０ａ側であって他端
開口部１９の縁から反締付け面２０ｂまで貫通したセン
シングパイプの接続口２１が開設されている。図中２２
はセンシングパイプ、２３は圧力センサである。

【００１１】前記循環口内フランジ３は、前記循環口ハ
ウジング２を貫通穴１３に漏水を防止しながら固定する
と共に貫通穴１３内から浴槽内にわたって水圧導入路を
形成するものであって、前記ゴムパッキン５の挿通部１
１ａとの間に隙間２８を設けるため該挿通部１１ａの内
径よりやや小径の挿通管部２４を有し、該挿通管部２４
の一端は前記循環口ハウジング２の他端開口部１９内に
設けた雌ねじ部１９ａと螺合する雄ねじ部２４ａが設け
られている。また、前記挿通管部２４の他端開口部２５
まわりには、前記ゴムパッキン５のフランジ部１１ｂと
略同径の浴槽内壁締付け用フランジ部２６が設けられて
いる。

【００１２】そして、前記浴槽内壁締付け用フランジ部
２６の締付け面２６ａには、水圧導入口２９を設けるた
めその外周面２６ｂから挿通管部２４の外周面に達する
まで溝２７が略９０度毎に設けられている。

【００１３】前記循環口吸込みパイプ４は、前記循環口
ハウジング２に接続された往き管１４と戻り管１６との
流路をそれぞれ浴槽内まで延設すると共に湯の吸入口３
０と吐出口３１とを区分けして配置するものであって、
直管状に形成された両端を開口し、その一端側が前記循
環口ハウジング２の仕切り管部１５の内側に挿入嵌着さ
れ、他端側が前記浴槽内壁締付け用フランジ部２６より
適宜浴槽内へ突出してその開口を吸入口３０（第１循環
口）とされた仕切り管延長部３２と、前記吸入口３０の
まわりで前記循環口内フランジ３の他端開口部２５を包
囲するダム部３３とで形成されている。

【００１４】前記ダム部３３は周壁部に２個所が開口さ
れ、この開口部分に吐出口３１（第２循環口）として略
くの字に形成された短いパイプの一端が回転自在に装着
されている。図中３４はフィルタ、３５はフィルタカバ
ーであって前記ダム部３３の前部に装着させるものであ
る。また、３６は前記循環口吸込みパイプ４を係脱自在
に循環口内フランジ３に係止させるための爪であって、
アダプタ内部の掃除が容易にできるように設けられてい
る。

【００１５】前記構成の風呂用アダプタ１は、浴槽６へ
の取付け状態において、浴槽内壁締付け用フランジ部２
６の締付け面２６ａに設けた溝２７がゴムパッキン５の
フランジ部１１ｂとの間で水圧導入路２９ａを形成し、
その一端部が前記浴槽内壁締付け用フランジ部２６の外
周面に開口して水圧導入口２９を形成すると共に、他端
部を挿通管部２４の外周面まで延設した状態となってい
る。そして、前記挿通管部２４の浴槽貫通部分は、ゴム
パッキン５の挿通部１１ａとの間で全周にわたって隙間
２８を形成することにより、前記水圧導入路２９ａはこ
の隙間２８と連通した状態となっている。

【００１６】そして、循環口ハウジング２の浴槽外壁締
付け用フランジ部２０に設けたセンシングパイプ接続口
２１は、前記フランジ部２０の締付け面２０ａ側内部で
前記隙間２８と連通した状態となっている。

【００１７】次に、本実施例の作用を説明する。まず、
湯の循環であるが、図示しない熱交換器側のポンプの吸
引力により、浴槽６内の湯は、矢印Ａ１〜Ａ３で示すよ
うに、フィルタ３４を介し吸入口３０から仕切り管延長
部３２内に吸引され、この後、仕切り管部１５、往き管
外部接続口１７、往き管１４の順に通って熱交換器に達
する。熱交換器で所定温度まで加熱された湯は、戻り管
１６に戻され矢印Ｂ１〜Ｂ３で示すように、戻り管外部
接続口１８、仕切り管部１５の外部空間、仕切り管延長
部３２の外部空間の順に通って吐出口３１から浴槽６内
に供給される。この場合、吐出口３１は吸引側の流線に
向かない範囲で浴槽の中心方向へ向けることができる。

【００１８】次に、浴槽６内の湯量検出のための水圧検
知作用を説明する。まず、浴槽６に風呂用アダプタ２以
上に湯を満たした状態において、浴槽６内の湯は、水圧
導入口２９を介してから、水圧導入路２９ａ，隙間２
８、センシングパイプ接続口２１を通じてセンシングパ
イプ２２の圧力センサ２３まで達している。この場合、
圧力センサ２３は、その設定位置において作用する浴槽
内の湯量による圧力を検知するから、例えば図２の点Ｐ
１で示す高さ位置の圧力値と等しい圧力値が検知可能と
なり、その圧力値を使用して浴槽６内の湯量算出を行う
ことができる。

【００１９】前記測定時において、浴槽内の湯を循環さ
せている場合であっても、水圧を導入する水圧導入口２
９は、湯の流線から離れた位置にあって流速に伴う圧力
変動を受け難い場所にあるから、正確な水圧を検知する
ことができる。尚、圧力センサ２３による水圧の検知
は、圧力センサの設定高さにより、例えば点Ｐ１の圧力
値の検知になったり、点Ｐ２の圧力値の検知になったり
するが、いずれにしても浴槽６内の湯の流れによる影響
の及ばない位置であり、正確に浴槽６内の湯量検出を行
うことができる。

【００２０】このように、本実施例では、風呂用アダプ
タの浴槽内壁側のフランジ部に水圧導入口２９を設けた
ので、ポンプ循環による湯の流れの影響のない位置の圧
力を検出するようになり、これにより、浴槽６内の水圧
すなわち浴槽６の湯量を、吸入口３０、吐出口３１で生
じている湯の流れの有無に関わらず、正確に検知するこ
とができる。

【００２１】以上、本発明の実施例を説明してきたが、
本発明の具体的な構成は本実施例に限定されるものでは
なく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっ
ても本発明に含まれる。

【００２２】例えば実施例では、仕切り管部１５に往き
管１４を接続し仕切り管の外部に戻り管１６を接続する
としたが、これ等を逆に接続してもよい。つまり浴槽内
の吐出口と吸入口とを入替えてもよい。

【００２３】また、実施例では、循環口内フランジ３の
浴槽内壁締め付け用フランジ部２６に形成された水圧導
入路２９ａの数を４個としたが、本発明はこれに限ら
ず、センシングパイプ２２の長さ、圧力変動等を考慮し
て適当な数とすることが可能である。

【００２４】

【発明の効果】以上説明してきたように本発明の風呂用
アダプタにあっては、前記構成を採用したため、水圧導
入口が湯の流れによる影響のない位置に配置されること
になり、また、圧力センサをセンシングパイプを介して
前記水圧導入口と接続することができるので、ポンプ循
環による湯の流れがあっても流れに影響のない位置の圧
力を検出することができ、従って、ポンプによる循環中
であっても、浴槽内の水圧を正確に検知でき、これによ
って浴槽内の湯量を正確に検出することができるという
効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る風呂用アダプタの側面
側を示す断面図である。

【図２】本発明の一実施例に係る風呂用アダプタの正面
側を示す断面図である。

【図３】本発明の一実施例に係る風呂用アダプタを示す
分解図である。

【符号の説明】

１ 風呂用アダプタ ２ 循環口ハウジング ３ 循環口内フランジ ４ 循環口吸込みパイプ ６ 浴槽 １１ａ ゴムパッキンの挿通部 １２ 浴槽の壁部 １２ａ 浴槽の内壁面 １２ｂ 浴槽の外壁面 １３ 浴槽の貫通穴 １４ 往き管（配管） １５ 仕切り管部 １６ 戻り管（配管） １９ 循環口ハウジングの他端開口部 ２０ 浴槽外壁締付け用フランジ部 ２０ａ 浴槽外壁締付け用フランジ部の締付け面 ２０ｂ 浴槽外壁締付け用フランジ部の反締付け面 ２１ センシングパイプ接続口 ２３ 圧力センサ ２４ 挿通管部 ２５ 循環口内フランジの他端開口部 ２６ 浴槽内壁締付け用フランジ部 ２６ａ 浴槽内壁締付け用フランジ部の締付け面 ２７ 溝 ２８ 隙間 ２９ 水圧導入口 ２９ａ 水圧導入路 ３０ 吸入口（第１循環口） ３１ 吐出口（第２循環口） ３２ 仕切り管延長部 ３３ ダム部

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F24H 9/12 A47K 3/00

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 湯を循環する配管の一方を接続した仕切
   り管部が一端側内部に固定され前記配管の他方が前記仕
   切り管部の外側で接続され、かつ他端開口部まわりに浴
   槽外壁締付け用フランジ部が設けられた循環口ハウジン
   グと；浴槽壁の貫通穴に対し隙間を設けて挿通される挿
   通管部を有し、該挿通管部の一端が前記循環口ハウジン
   グの他端開口部と共に螺合可能に形成され、かつ前記外
   壁締付け用フランジと共働して浴槽を締付ける浴槽内壁
   締付け用フランジ部が他端開口部まわりに設けられた循
   環口内フランジと；前記循環口内フランジの他端開口部
   から挿入される仕切り管延長部の一端が前記仕切り管部
   に嵌合され他端が浴槽内と連通する第１循環口に形成さ
   れ、かつ該第１循環口のまわりで前記循環口内フランジ
   の他端開口部を包囲するダム部が設けられると共に該ダ
   ム部に第２循環口が設けられた循環口吸込みパイプと；
   を備え、前記浴槽内壁締付け用フランジ部外周側に前記
   隙間と浴槽内とを連通する水圧導入口が設けられ前記浴
   槽外壁締付け用フランジ部に前記隙間と連通するセンシ
   ングパイプ接続口が設けられていることを特徴とした風
   呂用アダプタ。