JP2917819B2 - 吹付けアスベスト層の除去方法及び除去装置 - Google Patents

吹付けアスベスト層の除去方法及び除去装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、建造物の天井、壁等
の被吹付け部に施工されている吹付けアスベスト層の除
去方法及び除去装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従前、吹付けアスベストは建築物の吸音
・防音材料、若しくは耐火被覆用材料として広く使用さ
れていたが、該アスベストの粉塵が肺がんまたは中皮腫
の発生の原因になることが明らかにされ、当該吹付けア
スベストの使用が厳しい規制を受けるに至り、現在では
このアスベストに代わって吹付けロックウール等の代替
品が施工されている。
【0003】かかる規制を受ける前に施工された吹付け
アスベストは劣化することによりその粉塵が飛散し、い
わゆるアスベスト公害の原因となる惧れがある。これを
回避するための処理として、アスベスト層の表面を表面
材で覆い隠す「囲い込み処理」、アスベストの表面若し
くは内部に固化材を含浸させてアスベストを固化させる
「封じ込め処理」や、スクレイパー等を用いての手作
業、或いは圧縮空気や高圧ジェット水を噴射によりアス
ベストを剥ぎ取る「除去処理」がある。
【0004】これらの処理のうち「除去処理」は建築物
からアスベストを除去するものであるため他の方法に比
べて根本的な解決方法と言える。そして、この「除去処
理」にかかる処理装置のひとつとして特開平1−182
457号公報に開示されたものがある。
【0005】この公報に記載された処理装置100は、
除去すべきアスベストが施工された天井101の下方に
配設され、その内部に作業空間を形成するパネル102
と、このパネル102の内部において水を噴射するノズ
ル103と、ノズル104を囲繞するバキュームカバー
104と、このバキュームカバー104に接続され、ノ
ズル103により剥離されてバキュームカバー104内
に落下したアスベストを吸引、除去するホース105を
備えたものであり、前記パネル102内の前記作業空間
に作業員が入り、ここにおいてバキュームカバー104
を除去しようとするアスベスト層の表面に当接させると
ともに、前記ノズル103で水を当該アスベスト層に噴
射して該アスベストを剥離させ、剥離されてバキューム
カバー104内に落下したアスベストをホース105で
吸引して除去する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記公
報に記載された処理装置100は、バキュームカバー1
04を除去しようとするアスベスト層の表面に単に当接
させてこれを囲繞するものであるため、バキュームカバ
ー104を吹付けアスベスト層の表面に完全に密着させ
ることは困難であり、除去作業の際に発生する粉塵が、
バキュームカバー104とアスベスト層の表面との隙間
から飛散する惧れがあった。従って、かかる剥離作業が
行われているパネル102内の作業環境が悪化するとと
もに、パネル102内に飛散したアスベストの粉塵が、
さらにパネル102の外部に飛散する惧れがあり、当該
パネル102が設置された箇所の周囲をビニールシート
等で覆って養生する必要がある。その結果、そのための
仮設設備や養生設備にかかる費用が工費の増大の原因に
もなり、建物内の施設を覆って仮設設備や養生設備が配
設されるため、当該作業の期間中はこれらの施設を利用
できないという問題があった。
【0007】この発明は、以上の問題点を鑑みてなされ
たものであって、アスベスト層を除去する作業におい
て、作業環境の悪化を防止するとともに、当該作業の影
響範囲を局部的なものにとどめることにより周辺の仮設
設備や養生設備を不要とし、もって工費を低減させ、ま
た作業中であっても当該作業にかかる施設を利用するこ
とのできる吹付けアスベスト層の除去方法及び除去装置
を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、この発明の吹付けアスベスト層の除去方法は、建
物の天井、壁等の被吹付け部分に施工された吹付けアス
ベスト層を該被吹付け部分から除去する方法であって、
前記アスベスト層の除去しようとする領域の外方を覆う
ように箱形のフードの端縁部を該アスベスト層に食い込
ませるとともに、該フードの端縁部周辺のアスベストを
境界安定剤によって安定させ、該フードを該アスベスト
層に固定してフードの内外を隔絶する工程と、フード内
においてアスベストを剥離する工程とからなるものであ
る。
【0009】なお、前記養生手段には、ビニールシート
等のシート部材の他、例えばアクリル製若しくは鉄板製
のフード等を含む。
【0010】前記境界安定剤は、柔軟性を保つ程度の緩
い固化、或いは注入または塗布したときにフードの食い
込み、或いは、整髪料のような、移動によるアスベスト
粉塵の飛散を食い止める程度の粘着性を有する物質であ
って、アスベスト層内に注入され或いはアスベスト層の
表面に塗布されて、該アスベスト層を安定させるもので
あり、例えば、商品名「ソイルフィックス」(秩父セメ
ント株式会社製)に代表される二次公害のない無害な無
機質の固化剤や、溶液状またはエマルジョン状の合成樹
脂若しくは合成ゴムを用いることができる。該合成樹脂
としては、例えばポリビニルアルコール、メチルセルロ
ース、カルボキシメチルセルロース等の水溶性高分子、
酢酸ビニル樹脂、ポリエステル樹脂等の熱可塑性樹脂、
エポキシ樹脂や、ウレタン樹脂などの硬化剤との化学反
応型硬化性樹脂がある。一方前記合成ゴムには、例えば
スチレン−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、ブタジ
エンゴム等がある。なお、かかる境界安定剤の注入また
は塗布は、フードをアスベスト層内に食い込ませる作業
の前後に行うことができる。
【0011】また、この発明の吹付けアスベスト層の除
去装置は、建物の天井、壁等の被吹付け部分に施工され
た吹付けアスベスト層にその端縁部を食い込ませて該ア
スベスト層の除去しようとする領域の外方を覆う箱形の
フードと、このフード内においてアスベストを剥離させ
る剥離手段と、該フード内にその一端が開口し剥離され
たアスベストを吸引して該フード内から除去する吸引手
段とを備えた吹付けアスベスト層の除去装置であって、
前記フードの端縁部周辺のアスベスト層内に境界安定剤
を注入して、フードの内外を隔絶する注入手段を備えた
ものである。
【0012】なお、前記剥離手段は、例えば水や空気を
ノズルから噴射してアスベストを剥ぎ取る装置若しくは
スクレイパー等を含むものである。
【0013】
【作用】この発明の吹付けアスベスト層の除去方法によ
れば、アスベストを剥離する作業はフードの内部におい
て行われるとともに、当該フードはアスベスト層に境界
安定剤によって固着されているため、かかる作業により
生じる粉塵がフードとアスベスト層との間から外部に飛
散することがない。従って、作業の影響範囲を局部的に
とどめることができ、アスベストの飛散を防止するため
の仮設設備若しくは養生設備が不要となる。
【0014】また、この発明のアスベスト層の除去装置
によれば、注入手段で境界安定剤をアスベスト層に注入
し、アスベスト層の除去しようとする部分を覆うフード
を当該アスベスト層に固定してフードの内外を隔絶する
とともに、当該フード内部において、剥離手段を用いて
アスベストを剥離させ、これを吸引手段により当該フー
ド内部より除去する。かかるフードの内外を隔絶する作
業は、注入手段により容易に行うことができるととも
に、剥離手段及び吸引手段によって、アスベストの剥離
作業及び剥離されたアスベストの粉塵を除去する作業を
省力化できるため、少ない作業員で吹付けアスベストの
除去作業を行うことができる。
【0015】
【実施例】以下この発明の吹付けアスベスト層の除去方
法及び除去装置の一実施例を添付図面を参照して詳細に
説明する。図1は、この実施例で用いられる除去装置1
0を示す斜視図である。
【0016】この除去装置10は車輪71を有する台車
7上に配設され、これにより移動されて吹付けアスベス
トが施工された天井の下方に配置されるもので、除去し
ようとする領域の外方を覆うためのフード2と、このフ
ード2内においてアスベストを剥離するための剥離手段
3と、剥離されたアスベストを吸引してフード内から除
去する吸引手段4とを備えている。更に、本実施例で
は、フード2を囲繞するように配設されてエア・カーテ
ンを発生させるためのパネル5が設けられている。
【0017】前記フード2は、例えば鉄板等の剛性を有
する素材からなり、その上面に開口部を有する箱状のも
ので、台車7上に配設された支柱7aで支持され、該支
柱の長さを伸縮しフード2の高さ位置を調整することに
より上面の開口部を上方の天井面に臨ませることができ
る。
【0018】そして、当該フード2の内部には剥離手段
3の一部をなす噴射ノズル31及びフレキシブル管31
aと、噴射ノズル31によるアスベストの剥離作業を撮
影するテレビカメラ6と、前記噴射ノズル31をテレビ
カメラ6とともに該フード2内において縦横に移動させ
る駆動装置9とが配設されているとともに、底部には吸
引手段4の一部をなすバキュームホース41が接続され
る吸引口41aが開口している。
【0019】前記駆動装置9は、台車7の近傍に設置さ
れたコントロール装置11にケーブル11aを介して接
続され、これによる遠隔操作によって制御されるもの
で、フード2の内側部に該フード2の長手方向に沿って
2本平行に配設されたレール91,91と、これらレー
ル91,91の間に架設され、電動モータ(図示しな
い)によって該レール91,91に沿って長手方向に沿
って前後に移動する横架材92と、前記噴射ノズル31
及びテレビカメラ6が取り付けられ、電動モータ93a
により横架材92に沿って長手方向と直交する方向にス
ライド移動するトロリー93とから構成されている。な
お、テレビカメラ6は、主に噴射ノズル31の先端部付
近を撮影すべく該噴射ノズル31の近傍に配設されるも
ので、その映像は台車7の近傍に配置された監視装置1
2にケーブル12aを介して送られる。
【0020】また、前記フード2は、図2に示すよう
に、アスベスト層1にその端縁部を食い込ませた前記フ
ード2の端縁部周辺のアスベスト内に境界安定剤を注入
する注入手段13を備えている。すなわち、フード2
は、図3に拡大して示すように、その開口部周縁にエッ
ジ2aが設けられ、その内部に中空部2cを有している
とともに、前記エッジ2aには該中空部2cに通ずる注
入孔2bが開口し、この中空部2cにはパイプ13bを
介して注入ポンプ13aが接続されている。
【0021】そして、アスベストを除去する作業を行う
際には、フード2の開口部周縁のエッジ2aをアスベス
ト層1の表面に押し付けて食い込ませ、注入ポンプ13
aを作動させることにより、パイプ13b、中空部2c
及び注入孔2bを介してエッジ2aの周辺のアスベスト
層1内に境界安定剤を注入する。これによってアスベス
トを安定させフード2をアスベスト層1に固定し、フー
ド2の内外を隔絶する。
【0022】この境界安定剤は、柔軟性を保つ程度の緩
い固化、或いは注入または塗布したときにフードの食い
込み、或いは、整髪料のような、移動によるアスベスト
粉塵の飛散を食い止める程度の粘着性を有する物質であ
って、アスベスト層1内に注入され或いはアスベスト層
の表面に塗布されて、該アスベスト層1を安定させるも
のであり、例えば二次公害のない無害な無機質の固化剤
や、溶液状またはエマルジョン状の合成樹脂若しくは合
成ゴムを用いることができる。
【0023】一方、前記剥離手段3は、フード2内に配
設され上方に向けて空気を噴射する噴射ノズル31と、
これの下端に接続されフード2の底部を貫通して配管さ
れたフレキシブルホース31aと、フード2の下方であ
って前記台車7上に配設されたコンプレッサ32とから
構成されている。前記噴射ノズル31は、フレキシブル
ホース31aを介してコンプレッサ32に接続され前記
駆動装置9により縦横に移動しつつ、該コンプレッサ3
2から送られる空気を上方のアスベスト層1に噴射する
ことによりアスベストを剥離させるものである。
【0024】また、吸引手段4は、前記剥離手段3によ
り剥離されたアスベストをフード2内から除去するもの
で、フード2の底部に開口された吸引口41aに接続さ
れたバキュームホース41と、バキュームホース41を
介して吸引されアスベストが混入した空気からアスベス
トを除去する集塵機42と、この集塵機42から前記コ
ンプレッサ32に連通する連通パイプ43とから構成さ
れている。前記集塵機42は、その内部に真空ポンプ、
フィルター及び集塵タンクが内蔵され、真空ポンプによ
り当該集塵機42内に吸引された、アスベストを混入し
た空気はフィルターを通過することによりアスベストの
みが濾過される。そして、この濾過されたアスベストは
集塵タンク内に収集され、フィルタにより浄化された空
気は連通パイプ43を経てコンプレッサ32に送られ
る。
【0025】他方、前記パネル5は、内部が中空状の二
重構造をなす板部材を、該内部中空を相互に連通させつ
つ、フード2の外周を囲繞して箱状に配設して構成され
るもので、図2にも示すように、当該パネル5の上端面
はフード2の上端面よりも低い部位に配置されている。
これにより、フード2の開口部周縁を天井のアスベスト
層1に埋入した状態では、パネル5とアスベスト層1の
下面との間には隙間が形成されることとなる。
【0026】また、パネル5の上端面すなわち箱状のパ
ネル5の開口部周縁には、該内部中空に通ずる吹出孔5
aが多数開口されているとともに、該内部中空に連通す
るパイプ51を介して前記コンプレッサ32に接続され
ている。そして、フード2の開口周縁をアスベスト層1
に埋入させた状態で、コンプレッサ32を作動させれ
ば、該コンプレッサ32から送られる空気はパイプ51
を経てパネル5の内部中空を通過し、パネル5の上端面
に開口した多数の吹出孔5aから上方へ向けて噴射さ
れ、パネル5の上端面とアスベスト層1との間にエア・
カーテンを形成することができる。更に、フード2とパ
ネル5との間の空間には、該空間と連通する吸引パイプ
41bがパネル5を貫通して配設されている。この吸引
パイプ41bは前記吸引手段4のバキュームホース41
と接続され、当該空間内に落下したアスベストの粉塵を
吸引する。
【0027】このように構成された除去装置10を用い
て天井に施工されたアスベスト層1を除去するには、先
ず、台車7を移動させることにより、天井のアスベスト
を除去しようとする箇所の下方に当該除去装置10を設
置する。次いで、台車7の支柱7aを伸張させることに
よりフード2を上昇させ、フード2の開口部周縁に配設
されたエッジ5aをアスベスト層1に食い込ませ、さら
にエッジ5aの周辺のアスベスト層1内に、注入手段1
3を用いて境界安定剤を注入してアスベストを安定さ
せ、これによりフード2をアスベスト層1に固定してフ
ード2の内外を隔絶する。
【0028】フード2の固定が終了したら、次にコンプ
レッサ32及び集塵機42内の真空ポンプを作動させ、
フード2内においてアスベストの剥離を行うとともに、
剥離されたアスベストの吸引を行う。これと併せて、か
かるコンプレッサ32の作動によりパネル5の上端面か
ら空気が噴射され、パネル5の上端面とアスベスト層と
の間にエア・カーテンが形成される。さらにアスベスト
の剥離作業の進行を監視装置12を通じて確認しつつ、
駆動装置9によって噴射ノズル31を移動させる。
【0029】そして、フード2によって覆われた箇所の
全域に亘ってアスベストが除去されたら、台車7の支柱
7aの長さを縮小してフード2を下降させてフード2を
取り外すとともに、当該除去装置10を次の作業位置に
移動させ、上記手順を順次繰り返すことにより天井部に
施工されたアスベスト層1の全部を除去する。
【0030】なお、集塵機42の集塵タンク内に収集さ
れたアスベストは、例えばモルタルミキサーを用いてセ
メントと混練して固化し、これを二重のビニール袋に詰
めて廃棄することが好ましい。
【0031】このような除去装置10を用いた吹付けア
スベスト層の除去方法によれば、除去しようとする吹付
けアスベスト層1を覆うフード2を境界安定剤によりア
スベスト層1に固定しているため、かかる作業により生
じる粉塵がフード2とアスベスト層1との間から外部に
飛散することがない。従って、作業の影響範囲を局部的
にとどめることができるため周辺の仮設設備や養生設備
が不要となり、作業中であっても当該作業にかかる施設
を利用することができる。さらに、アスベストの粉塵の
飛散が防止されることにより作業環境の快適化を図るこ
とができる。
【0032】また、本実施例では、フード2内における
アスベストの剥離作業を駆動装置9を遠隔操作により自
動で行うため、少ない作業員で安全に作業を行うことが
できる。さらに、本実施例では、フード2の外周を覆う
パネル5を配設するとともに、これの上端面よりエア・
カーテンを形成し、かつフード2とパネル5との間の空
間内に落下したアスベストの粉塵をも吸引するため、よ
り確実にアスベストの飛散を防止することができる。
【0033】なお、本実施例では、フード内における剥
離作業を駆動装置9を用いて遠隔操作により自動で行っ
たが、この発明はこれに限定されるものではなく、該フ
ード内に作業員が入り、人手により作業を行うようにし
てもよい。また、本実施例では、剥離装置を空気を噴射
するものとしたが、本発明はこれに限定されず、水を噴
射してアスベストを剥離させるものとしてもよい。さら
に、フードの側面に開口部を設け、ここに剥離手段を配
設して、例えば壁等に施工された吹付けアスベスト層を
除去することもできる。
【0034】また、本実施例では、フード2の開口部周
縁のエッジ2aをアスベスト層1の表面に押し付けて食
い込ませ、注入孔2bを介してエッジ2aの周辺のアス
ベスト1内に境界安定剤を注入するようにしたが、本発
明はこれに限定されるものではなく、フード2をアスベ
スト層1に食い込ませる前に、予めアスベスト層1に、
境界安定剤を注入または塗布することもできる。これに
よれば、フード2をアスベスト層1に食い込ませる作業
に先立って、アスベスト層1を安定させることができる
ため、フード2を食い込ませる作業によりアスベストの
粉塵が飛散することを防止することができ、より有効に
作業環境の改善を図ることができる。
【0035】さらに、台車7について、本実施例では、
コンプレッサ32、集塵機42等の設備を当該台車7上
に配設したが、これらの設備は、台車7とは別途に設け
ることができる。また、支柱7aに替えて、高所作業車
のような、テレスコピックアーム、または、くの字型の
リンクアームにより、高さのみならず水平方向にも移動
自在な支持手段としてもよい。さらには、かかる台車7
を用いずに、当該除去装置を天井からの吊りボルト等に
より、または、作業員が手により、支持させることもで
きる。
【0036】
【発明の効果】この発明の吹付けアスベスト層の除去方
法によれば、アスベストを剥離する作業はフード内部に
おいて行われるとともに、当該フードはアスベスト層に
境界安定剤によって固定され、これによってフードの内
外が隔絶されているため、かかる作業により生じる粉塵
がフードとアスベスト層との間から外部に飛散すること
がない。従って、作業環境の悪化を防止することができ
るとともに、当該作業の影響範囲を局部的なものにとど
めることができるため、周辺の仮設設備や養生設備が不
要となり工費を低減することができ、作業中であっても
当該作業にかかる施設を利用することができる。
【0037】また、他の発明の除去装置によれば、各作
業を省力化することができ、少ない作業員で吹付けアス
ベストの剥離作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の吹付けアスベスト層の除去方法及び
除去装置の実施例にかかる除去装置を示す斜視図であ
る。
【図2】図1に示す除去装置により天井に施工されたア
スベストを除去する状況を示す概略図である。
【図3】図2中の円内を拡大して示す説明図である。
【図4】従来の吹付けアスベストの処理装置を示す断面
図である。
【符号の説明】
1 アスベスト層 2 フード 3 剥離手段 4 吸引手段 10 除去装置 13 注入手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大八木 衆司 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (72)発明者 汐川 孝 東京都清瀬市下清戸4丁目640番地 株 式会社大林組技術研究所内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) E04G 23/02 E04F 21/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物の天井、壁等の被吹付け部分に施工
    された吹付けアスベスト層を該被吹付け部分から除去す
    る方法であって、前記アスベスト層の除去しようとする
    領域の外方を覆うように箱形のフードの端縁部を該アス
    ベスト層に食い込ませるとともに、該フードの端縁部周
    辺のアスベストを境界安定剤によって安定させ、該フー
    ドを該アスベスト層に固定してフードの内外を隔絶する
    工程と、フード内においてアスベストを剥離する工程と
    からなることを特徴とする吹付けアスベスト層の除去方
    法。
  2. 【請求項2】 建物の天井、壁等の被吹付け部分に施工
    された吹付けアスベスト層にその端縁部を食い込ませて
    該アスベスト層の除去しようとする領域の外方を覆う箱
    形のフードと、このフード内においてアスベストを剥離
    させる剥離手段と、該フード内にその一端が開口し剥離
    されたアスベストを吸引して該フード内から除去する吸
    引手段とを備えた吹付けアスベスト層の除去装置であっ
    て、前記フードの端縁部周辺のアスベスト層内に境界安
    定剤を注入して、フードの内外を隔絶する注入手段を備
    えたことを特徴とする吹付けアスベスト層の除去装置。
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