JP2917597B2 - 断熱ピストン - Google Patents
断熱ピストンInfo
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F02—COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
- F02F—CYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
- F02F3/00—Pistons
- F02F3/0015—Multi-part pistons
- F02F3/0023—Multi-part pistons the parts being bolted or screwed together
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Combustion & Propulsion (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- General Engineering & Computer Science (AREA)
- Pistons, Piston Rings, And Cylinders (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、セラミック製のピス
トンヘッドと金属製のピストンスカートから成る断熱ピ
ストンに関する。
トンヘッドと金属製のピストンスカートから成る断熱ピ
ストンに関する。
【０００２】
【従来の技術】従来、断熱ピストンの構造として、特開
昭６３−２５５５５２号公報に開示されたものがある。
該断熱ピストンの構造は、燃焼室側にジルコニアコーテ
ィング層を施し且つジルコニアコーティング層と線膨張
係数がほぼ等しい金属製薄板をサーメットホルダに被覆
してピストンヘッドを構成し、該ピストンヘッドをピス
トンスカートに空気層を形成し且つ断熱シール材を介在
して取付けられている。更に、サーメットホルダの中央
突出部をピストンスカートの中央孔に嵌合し、リングに
よって互いに係止している。
昭６３−２５５５５２号公報に開示されたものがある。
該断熱ピストンの構造は、燃焼室側にジルコニアコーテ
ィング層を施し且つジルコニアコーティング層と線膨張
係数がほぼ等しい金属製薄板をサーメットホルダに被覆
してピストンヘッドを構成し、該ピストンヘッドをピス
トンスカートに空気層を形成し且つ断熱シール材を介在
して取付けられている。更に、サーメットホルダの中央
突出部をピストンスカートの中央孔に嵌合し、リングに
よって互いに係止している。
【０００３】ところで、ピストンヘッドをピストンスカ
ートに取付け、ピストンヘッドのクラウン部下面とピス
トンスカートの上端壁部上面との間にリング状の断熱部
材を介在させた断熱ピストンについては、該断熱ピスト
ンに加わる力は、大きく分けて二種類ある。その１つ
は、ピストンヘッドをピストンスカートに取付ける場合
に行うメタルフロー結合時にかかる荷重によるものであ
る。他はピストンの実働即ち往復運動中に加わる力即ち
筒内圧である。これらの力は、リング状の断熱部材に対
して、軸方向に加わる力である。従って、断熱部材に加
わる応力を低減するには、断熱部材の半径方向の厚さを
小さくする必要がある。
ートに取付け、ピストンヘッドのクラウン部下面とピス
トンスカートの上端壁部上面との間にリング状の断熱部
材を介在させた断熱ピストンについては、該断熱ピスト
ンに加わる力は、大きく分けて二種類ある。その１つ
は、ピストンヘッドをピストンスカートに取付ける場合
に行うメタルフロー結合時にかかる荷重によるものであ
る。他はピストンの実働即ち往復運動中に加わる力即ち
筒内圧である。これらの力は、リング状の断熱部材に対
して、軸方向に加わる力である。従って、断熱部材に加
わる応力を低減するには、断熱部材の半径方向の厚さを
小さくする必要がある。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、金属製
のピストンスカートにジルコニア等の低熱膨張のセラミ
ックス材料の断熱部材を介在して窒化ケイ素、サーメッ
ト等のセラミック製のピストンヘッドを取付ける場合
に、断熱部材にピストンヘッドを接触させて負荷させる
と、或いはピストンが熱負荷を受けた状態で往復運動を
行うと、ピストンヘッドとピストンスカートとの間に介
在しているセラミックスから成る断熱部材が大きな接触
応力を受け、断熱部材にクラック、亀裂等が発生した
り、或いは断熱部材が割れ、破損等が起こり、場合によ
っては飛散するという問題が発生する。前掲特開昭６３
−２５５５５２号公報に開示された断熱ピストンの構造
についても、同様の問題を有している。
のピストンスカートにジルコニア等の低熱膨張のセラミ
ックス材料の断熱部材を介在して窒化ケイ素、サーメッ
ト等のセラミック製のピストンヘッドを取付ける場合
に、断熱部材にピストンヘッドを接触させて負荷させる
と、或いはピストンが熱負荷を受けた状態で往復運動を
行うと、ピストンヘッドとピストンスカートとの間に介
在しているセラミックスから成る断熱部材が大きな接触
応力を受け、断熱部材にクラック、亀裂等が発生した
り、或いは断熱部材が割れ、破損等が起こり、場合によ
っては飛散するという問題が発生する。前掲特開昭６３
−２５５５５２号公報に開示された断熱ピストンの構造
についても、同様の問題を有している。
【０００５】そこで、この発明の目的は、上記の課題を
解決することであり、ピストンヘッドとピストンスカー
トとを連結する場合に、両者間に部分安定化ジルコニア
等のセラミックスから成る断熱リングを半径方向に複数
個隣接して介在し、該各断熱リングにかかる接触応力、
繰り返し応力を低減し、安定した耐久性と断熱性を確保
できる断熱ピストンを提供することである。
解決することであり、ピストンヘッドとピストンスカー
トとを連結する場合に、両者間に部分安定化ジルコニア
等のセラミックスから成る断熱リングを半径方向に複数
個隣接して介在し、該各断熱リングにかかる接触応力、
繰り返し応力を低減し、安定した耐久性と断熱性を確保
できる断熱ピストンを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、取付孔部を形成したシリンダ内を往復運動
する金属製ピストンスカート、及び前記取付孔部に取付
けた取付部を有するセラミック製ピストンヘッドを有す
る断熱ピストンにおいて、前記ピストンヘッドのクラウ
ン部の下面と前記ピストンスカートの上端壁部の上面と
の間に、低熱伝導材から成る複数個の断熱リングを半径
方向に順次に隣接状態に配置したことを特徴とする断熱
ピストンに関する。
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、取付孔部を形成したシリンダ内を往復運動
する金属製ピストンスカート、及び前記取付孔部に取付
けた取付部を有するセラミック製ピストンヘッドを有す
る断熱ピストンにおいて、前記ピストンヘッドのクラウ
ン部の下面と前記ピストンスカートの上端壁部の上面と
の間に、低熱伝導材から成る複数個の断熱リングを半径
方向に順次に隣接状態に配置したことを特徴とする断熱
ピストンに関する。
【０００７】また、この断熱ピストンにおいて、前記断
熱リングの上下面は、半径方向中央部がリング状凸面に
形成され、該リング状凸面が前記クラウン部の前記下面
と前記上端壁部の前記上面とに接触している。
熱リングの上下面は、半径方向中央部がリング状凸面に
形成され、該リング状凸面が前記クラウン部の前記下面
と前記上端壁部の前記上面とに接触している。
【０００８】更に、この断熱ピストンは、前記断熱リン
グと前記ピストンヘッドの前記クラウン部の前記下面と
の間に位置するプレート部と、該プレート部と一体構造
であり且つ前記プレート部の最外周に位置する前記断熱
リングの外周面に係止するガード部とから成る金属製シ
ムを有しているものである。
グと前記ピストンヘッドの前記クラウン部の前記下面と
の間に位置するプレート部と、該プレート部と一体構造
であり且つ前記プレート部の最外周に位置する前記断熱
リングの外周面に係止するガード部とから成る金属製シ
ムを有しているものである。
【０００９】或いは、この断熱ピストンにおいて、前記
ピストンスカートの前記上端壁部の前記上面は、半径方
向に内向きに向かって低くなる各段部に形成され、前記
各段部に前記各断熱リングをそれぞれ配置したものであ
る。
ピストンスカートの前記上端壁部の前記上面は、半径方
向に内向きに向かって低くなる各段部に形成され、前記
各段部に前記各断熱リングをそれぞれ配置したものであ
る。
【００１０】
【作用】この発明による断熱ピストンは、以上のように
構成されており、次のように作用する。この断熱ピスト
ンは、ピストンヘッドのクラウン部の下面と前記ピスト
ンスカートの上端壁部の上面との間に、低熱伝導材から
成る複数個の断熱リングを半径方向に順次に隣接状態に
配置したので、前記断熱リングにかかる応力はそれぞれ
に分散され、前記各断熱リングが受ける接触応力が低減
される。従って、前記各断熱リングに亀裂、割れ等の発
生を避けることができる。
構成されており、次のように作用する。この断熱ピスト
ンは、ピストンヘッドのクラウン部の下面と前記ピスト
ンスカートの上端壁部の上面との間に、低熱伝導材から
成る複数個の断熱リングを半径方向に順次に隣接状態に
配置したので、前記断熱リングにかかる応力はそれぞれ
に分散され、前記各断熱リングが受ける接触応力が低減
される。従って、前記各断熱リングに亀裂、割れ等の発
生を避けることができる。
【００１１】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による断熱
ピストンの実施例を説明する。図１はこの発明による断
熱ピストンの実施例を全体的に示す断面図、及び図２は
図１の断熱ピストンの一実施例を示す要部の一部拡大断
面図である。図１に示すように、この発明による断熱ピ
ストンは、主として、シリンダ内を往復運動するピスト
ンヘッド１と該ピストンヘッド１に固定したピストンス
カート２を有している。ピストンヘッド１は窒化ケイ
素、炭化ケイ素、サーメット等のセラミック材料或いは
複合材料で製作され、また、ピストンスカート２はアル
ミニウム合金等の金属材料から製作されている。ピスト
ンヘッド１は、燃焼室１０を備えたクラウン部１８、該
クラウン部１８の周囲から下方に伸びる外周リング部２
０及びクラウン部１８の中央付近から下方に伸びる取付
部を構成するボス部３を有している。ピストンスカート
２は、中央に取付孔部１９を形成した上端壁部９を有し
ている。また、ピストンヘッド１のボス部３の外周に
は、メタルフロー金属が嵌入するための僅かな凹み部２
２が形成されている。ピストンヘッド１とピストンスカ
ート２とは、セラミックスから成る断熱部材１３，１４
を介在してメタルフローによって凹み部２２に嵌入され
る結合リング１２によって固定されている。
ピストンの実施例を説明する。図１はこの発明による断
熱ピストンの実施例を全体的に示す断面図、及び図２は
図１の断熱ピストンの一実施例を示す要部の一部拡大断
面図である。図１に示すように、この発明による断熱ピ
ストンは、主として、シリンダ内を往復運動するピスト
ンヘッド１と該ピストンヘッド１に固定したピストンス
カート２を有している。ピストンヘッド１は窒化ケイ
素、炭化ケイ素、サーメット等のセラミック材料或いは
複合材料で製作され、また、ピストンスカート２はアル
ミニウム合金等の金属材料から製作されている。ピスト
ンヘッド１は、燃焼室１０を備えたクラウン部１８、該
クラウン部１８の周囲から下方に伸びる外周リング部２
０及びクラウン部１８の中央付近から下方に伸びる取付
部を構成するボス部３を有している。ピストンスカート
２は、中央に取付孔部１９を形成した上端壁部９を有し
ている。また、ピストンヘッド１のボス部３の外周に
は、メタルフロー金属が嵌入するための僅かな凹み部２
２が形成されている。ピストンヘッド１とピストンスカ
ート２とは、セラミックスから成る断熱部材１３，１４
を介在してメタルフローによって凹み部２２に嵌入され
る結合リング１２によって固定されている。
【００１２】この断熱ピストンは、特に、ピストンヘッ
ド１のクラウン部１８の下面７とピストンスカート２の
上端壁部９の上面８との間に形成される空間部１１に、
部分安定化ジルコニア（マグネシア系ジルコニア）、ム
ライトとチタン酸アルミニウムの複合材等のセラミック
スの低熱伝導材料から製作された複数個の断熱リング
４，５，６が介在していることを特徴としている。これ
らの断熱リング４，５，６は、ピストンヘッド１のクラ
ウン部１８とシリンダ内を摺動運動するピストンスカー
ト２の上端壁部９との間を断熱するために配置されてい
る。しかも、これらの断熱リング４，５，６は、クラウ
ン部１８と上端壁部９とから受ける接触応力を緩和する
ため、半径方向の長さを短く形成し、複数の断熱リング
から成る多重構造に構成されている。ピストンヘッド１
とピストンスカート２との間に配置される断熱部材を、
上記のように、複数の断熱リング４，５，６から構成す
ることによって、断熱リング４，５，６に加わる接触応
力を分散して低減することができる。
ド１のクラウン部１８の下面７とピストンスカート２の
上端壁部９の上面８との間に形成される空間部１１に、
部分安定化ジルコニア（マグネシア系ジルコニア）、ム
ライトとチタン酸アルミニウムの複合材等のセラミック
スの低熱伝導材料から製作された複数個の断熱リング
４，５，６が介在していることを特徴としている。これ
らの断熱リング４，５，６は、ピストンヘッド１のクラ
ウン部１８とシリンダ内を摺動運動するピストンスカー
ト２の上端壁部９との間を断熱するために配置されてい
る。しかも、これらの断熱リング４，５，６は、クラウ
ン部１８と上端壁部９とから受ける接触応力を緩和する
ため、半径方向の長さを短く形成し、複数の断熱リング
から成る多重構造に構成されている。ピストンヘッド１
とピストンスカート２との間に配置される断熱部材を、
上記のように、複数の断熱リング４，５，６から構成す
ることによって、断熱リング４，５，６に加わる接触応
力を分散して低減することができる。
【００１３】この断熱ピストンについて、ピストンヘッ
ド１とピストンスカート２とは、次のようにして固定す
ることができる。先ず、ピストンヘッド１のクラウン部
１８の下面７とピストンスカート２の上端壁部９の上面
８との間に断熱リング４，５，６を介在させると共に、
ピストンヘッド１の外周リング部２０の下端面１６とピ
ストンスカート２の上端壁部９の周囲上端面１７との間
にガスケット１５を介在させる。次いで、ピストンヘッ
ド１のボス部３をピストンスカート２の上端壁部９に形
成した取付孔部１９に嵌合すると共に、ピストンヘッド
１のクラウン部１８の周囲から下方に伸びる外周リング
部２０の下端面１６を、ピストンスカート２の上端壁部
９の周囲上端面１７にガスケット１５を介在して対向さ
せる。
ド１とピストンスカート２とは、次のようにして固定す
ることができる。先ず、ピストンヘッド１のクラウン部
１８の下面７とピストンスカート２の上端壁部９の上面
８との間に断熱リング４，５，６を介在させると共に、
ピストンヘッド１の外周リング部２０の下端面１６とピ
ストンスカート２の上端壁部９の周囲上端面１７との間
にガスケット１５を介在させる。次いで、ピストンヘッ
ド１のボス部３をピストンスカート２の上端壁部９に形
成した取付孔部１９に嵌合すると共に、ピストンヘッド
１のクラウン部１８の周囲から下方に伸びる外周リング
部２０の下端面１６を、ピストンスカート２の上端壁部
９の周囲上端面１７にガスケット１５を介在して対向さ
せる。
【００１４】この状態で、ピストンヘッド１とピストン
スカート２とを、メタルフローによって互いに固定す
る。即ち、ピストンヘッド１のボス部３の外周とピスト
ンスカート２の上端壁部９に形成した大径の取付孔部２
１との間に形成された穴部に、部分安定化ジルコニア等
の断熱材料から成る断熱部材１３，１４を介在させ、次
いで、メタルフロー金属即ち結合リング１２を高周波コ
イル等で加熱し、該結合リング１２を塑性変形させて穴
部に嵌入すると共に、ボス部３の凹み部２２に結合リン
グ１２を塑性流動で進入させて硬化させ、ピストンヘッ
ド１とピストンスカート２とを固定する。このメタルフ
ロー時に、ピストンヘッド１のボス部３をピストンスカ
ート２の上端壁部９に形成した取付孔部１９に嵌入して
メタルフロー荷重即ち押圧荷重がかかるが、ピストンス
カート２の上端壁部９の取付孔部１９近傍が若干塑性変
形を起こし、加工精度上の問題を吸収することができ
る。
スカート２とを、メタルフローによって互いに固定す
る。即ち、ピストンヘッド１のボス部３の外周とピスト
ンスカート２の上端壁部９に形成した大径の取付孔部２
１との間に形成された穴部に、部分安定化ジルコニア等
の断熱材料から成る断熱部材１３，１４を介在させ、次
いで、メタルフロー金属即ち結合リング１２を高周波コ
イル等で加熱し、該結合リング１２を塑性変形させて穴
部に嵌入すると共に、ボス部３の凹み部２２に結合リン
グ１２を塑性流動で進入させて硬化させ、ピストンヘッ
ド１とピストンスカート２とを固定する。このメタルフ
ロー時に、ピストンヘッド１のボス部３をピストンスカ
ート２の上端壁部９に形成した取付孔部１９に嵌入して
メタルフロー荷重即ち押圧荷重がかかるが、ピストンス
カート２の上端壁部９の取付孔部１９近傍が若干塑性変
形を起こし、加工精度上の問題を吸収することができ
る。
【００１５】次に、この発明による断熱ピストンの別の
実施例を、図３を参照して説明する。図３はこの発明に
よる断熱ピストンの別の実施例を示す要部の一部拡大断
面図である。図３に示した断熱ピストンは、断熱リング
を除いて図２に示した断熱ピストンと同一の構成を有す
るので、同一の部品には同一の符号を付し、重複する説
明は省略する。この実施例では、断熱リング２４，２
５，２６の上面２７と下面２８は、半径方向中央部がリ
ング状凸面に形成されている。断熱リング２４，２５，
２６の上面２７のリング状凸面はピストンヘッド１のク
ラウン部１８の下面７に接触し、また、下面２８のリン
グ状凸面はピストンスカート２の上端壁部９の上面８と
に接触している。従って、断熱リング２４，２５，２６
の各リング状凸面は、クラウン部１８の下面７と上端壁
部９の上面８に接触することによって、断熱リング２
４，２５，２６の半径方向中央周面が接触するので、断
熱リング２４，２５，２６に荷重がかかった場合には、
該荷重は断熱リング２４，２５，２６の中央部にかかる
ことになり、断熱リング２４，２５，２６は半径方向の
片側だけに荷重を受けることがなくなり、偏荷重による
断熱リング２４，２５，２６の割れ、クラック等の破損
を防止できる。
実施例を、図３を参照して説明する。図３はこの発明に
よる断熱ピストンの別の実施例を示す要部の一部拡大断
面図である。図３に示した断熱ピストンは、断熱リング
を除いて図２に示した断熱ピストンと同一の構成を有す
るので、同一の部品には同一の符号を付し、重複する説
明は省略する。この実施例では、断熱リング２４，２
５，２６の上面２７と下面２８は、半径方向中央部がリ
ング状凸面に形成されている。断熱リング２４，２５，
２６の上面２７のリング状凸面はピストンヘッド１のク
ラウン部１８の下面７に接触し、また、下面２８のリン
グ状凸面はピストンスカート２の上端壁部９の上面８と
に接触している。従って、断熱リング２４，２５，２６
の各リング状凸面は、クラウン部１８の下面７と上端壁
部９の上面８に接触することによって、断熱リング２
４，２５，２６の半径方向中央周面が接触するので、断
熱リング２４，２５，２６に荷重がかかった場合には、
該荷重は断熱リング２４，２５，２６の中央部にかかる
ことになり、断熱リング２４，２５，２６は半径方向の
片側だけに荷重を受けることがなくなり、偏荷重による
断熱リング２４，２５，２６の割れ、クラック等の破損
を防止できる。
【００１６】次に、この発明による断熱ピストンの更に
別の実施例を、図４を参照して説明する。図４はこの発
明による断熱ピストンの更に別の実施例を示す要部の一
部拡大断面図である。図４に示した断熱ピストンは、金
属製シムを有することを除いて図２に示した断熱ピスト
ンと同一の構成を有するので、同一の部品には同一の符
号を付し、重複する説明は省略する。この実施例は、断
熱リング４，５，６とピストンヘッド１のクラウン部１
８との間に、金属製シム３０を配置したことを特徴とす
るものである。このシム３０は、断熱リング４，５，６
の上面とピストンヘッド１のクラウン部１８の下面７と
の間に配置されるプレート部３１と、該プレート部３１
の最外周に位置するプレート部３１と一体構造のガード
部３２とから構成されている。即ち、断熱リング４，
５，６のジルコニア等のセラミックスとクラウン部１８
の窒化ケイ素等のセラミックスの直接的な接触を避ける
ため、両者間にシム３０の金属材料を介在させたもので
ある。両者間にシム３０を配置することで、接触応力即
ちヘルツ応力を低減すると共に、シム３０が介在するこ
とによって接触面の熱伝導に対する接触抵抗によって断
熱性を一層向上できる。また、ガード部３２は、断熱リ
ング６の外周面に係止するように形成されており、万一
接触応力等の外力の作用で断熱リング４，５，６が割れ
た場合には、該ガード部３２が断熱リング４，５，６の
破片を係止し、破片の飛散を防止する機能を果たす。
別の実施例を、図４を参照して説明する。図４はこの発
明による断熱ピストンの更に別の実施例を示す要部の一
部拡大断面図である。図４に示した断熱ピストンは、金
属製シムを有することを除いて図２に示した断熱ピスト
ンと同一の構成を有するので、同一の部品には同一の符
号を付し、重複する説明は省略する。この実施例は、断
熱リング４，５，６とピストンヘッド１のクラウン部１
８との間に、金属製シム３０を配置したことを特徴とす
るものである。このシム３０は、断熱リング４，５，６
の上面とピストンヘッド１のクラウン部１８の下面７と
の間に配置されるプレート部３１と、該プレート部３１
の最外周に位置するプレート部３１と一体構造のガード
部３２とから構成されている。即ち、断熱リング４，
５，６のジルコニア等のセラミックスとクラウン部１８
の窒化ケイ素等のセラミックスの直接的な接触を避ける
ため、両者間にシム３０の金属材料を介在させたもので
ある。両者間にシム３０を配置することで、接触応力即
ちヘルツ応力を低減すると共に、シム３０が介在するこ
とによって接触面の熱伝導に対する接触抵抗によって断
熱性を一層向上できる。また、ガード部３２は、断熱リ
ング６の外周面に係止するように形成されており、万一
接触応力等の外力の作用で断熱リング４，５，６が割れ
た場合には、該ガード部３２が断熱リング４，５，６の
破片を係止し、破片の飛散を防止する機能を果たす。
【００１７】更に、この発明による断熱ピストンの他の
実施例を、図５及び図６を参照して説明する。図５はこ
の発明による断熱ピストンの他の実施例を全体的に示す
断面図、及び図６の断熱ピストンの要部の一部拡大断面
図である。図５及び図６に示した断熱ピストンは、ピス
トンスカート２の上面の形状が相違すること及び金属製
シムを介在させたこと以外は図１及び図２に示した断熱
ピストンと同一の構成を有するので、同一の部品には同
一の符号を付し、重複する説明は省略する。この実施例
は、ピストンスカート２の上端壁部９の上面８は、半径
方向に内向きに向かって低くなる段部３５，３４に形成
され、また、クラウン部１８の下面７は半径方向に内向
きに向かって下方に伸びる曲面に形成され、段部３５，
３４と曲面との間に各断熱リング６，５，４が配置され
ているものである。また、この実施例では、図４に示す
金属製シム３０と同一のものが設けられている。ピスト
ンスカート２の上端壁部９の上面８に段部３５，３４を
形成することによって、万一接触応力等の外力の作用で
断熱リング４，５，６が割れた場合には、該ガード部３
２が断熱リング６の破片を係止し、段部３５，３４によ
って断熱リング４，５の破片を係止し、これらの破片の
飛散を防止することができる。
実施例を、図５及び図６を参照して説明する。図５はこ
の発明による断熱ピストンの他の実施例を全体的に示す
断面図、及び図６の断熱ピストンの要部の一部拡大断面
図である。図５及び図６に示した断熱ピストンは、ピス
トンスカート２の上面の形状が相違すること及び金属製
シムを介在させたこと以外は図１及び図２に示した断熱
ピストンと同一の構成を有するので、同一の部品には同
一の符号を付し、重複する説明は省略する。この実施例
は、ピストンスカート２の上端壁部９の上面８は、半径
方向に内向きに向かって低くなる段部３５，３４に形成
され、また、クラウン部１８の下面７は半径方向に内向
きに向かって下方に伸びる曲面に形成され、段部３５，
３４と曲面との間に各断熱リング６，５，４が配置され
ているものである。また、この実施例では、図４に示す
金属製シム３０と同一のものが設けられている。ピスト
ンスカート２の上端壁部９の上面８に段部３５，３４を
形成することによって、万一接触応力等の外力の作用で
断熱リング４，５，６が割れた場合には、該ガード部３
２が断熱リング６の破片を係止し、段部３５，３４によ
って断熱リング４，５の破片を係止し、これらの破片の
飛散を防止することができる。
【００１８】
【発明の効果】この発明による断熱ピストンは、以上の
ように構成したので、次のような効果を有する。この断
熱ピストンは、ピストンヘッドのクラウン部の下面と前
記ピストンスカートの上端壁部の上面との間に、低熱伝
導材から成る複数個の断熱リングを半径方向に順次に隣
接状態に配置したので、前記クラウン部と前記上端壁部
との間に配置した断熱リングが複数個に分割されてお
り、該各断熱リングにかかる接触応力、繰り返し応力が
低減され、安定した耐久性と断熱性を確保することがで
きる。即ち、前記各断熱リングにかかる応力はそれぞれ
に分散され、接触応力が低減される。従って、断熱リン
グに亀裂、割れ等の発生を避けることができ、断熱リン
グの耐久性を確保し、良好な断熱性を維持できる。
ように構成したので、次のような効果を有する。この断
熱ピストンは、ピストンヘッドのクラウン部の下面と前
記ピストンスカートの上端壁部の上面との間に、低熱伝
導材から成る複数個の断熱リングを半径方向に順次に隣
接状態に配置したので、前記クラウン部と前記上端壁部
との間に配置した断熱リングが複数個に分割されてお
り、該各断熱リングにかかる接触応力、繰り返し応力が
低減され、安定した耐久性と断熱性を確保することがで
きる。即ち、前記各断熱リングにかかる応力はそれぞれ
に分散され、接触応力が低減される。従って、断熱リン
グに亀裂、割れ等の発生を避けることができ、断熱リン
グの耐久性を確保し、良好な断熱性を維持できる。
【００１９】また、この断熱ピストンにおいて、前記各
断熱リングの上下面は半径方向中央部がリング状凸面に
形成され、該リング状凸面が前記クラウン部の前記下面
と前記上端壁部の前記上面とに接触しているので、接触
荷重は前記各断熱リングの中央にそれぞれ作用し、偏荷
重のかかるのを避けることができ、前記各断熱リングの
強度を確保でき、前記各断熱リングの割れを防止でき、
耐久性を向上できると共に、断熱性を維持できる。
断熱リングの上下面は半径方向中央部がリング状凸面に
形成され、該リング状凸面が前記クラウン部の前記下面
と前記上端壁部の前記上面とに接触しているので、接触
荷重は前記各断熱リングの中央にそれぞれ作用し、偏荷
重のかかるのを避けることができ、前記各断熱リングの
強度を確保でき、前記各断熱リングの割れを防止でき、
耐久性を向上できると共に、断熱性を維持できる。
【００２０】更に、この断熱ピストンは、前記各断熱リ
ングと前記ピストンヘッドの前記クラウン部の前記下面
との間に金属製シムのプレート部が介在しているので、
前記各断熱リングと前記ピストンヘッドとのセラミック
ス同士の接触を避けることができ、前記金属製シムが一
種の緩衝材の機能を果たし、接触荷重による前記各断熱
リングの割れ等の破損を避けることができる。また、最
外周側の断熱リングには、前記金属製シムのガード部が
係止しているので、万一前記各断熱リングが割れた場合
にも、前記ガード部がそれらの破片を係止することがで
き、破片が飛散することを防止できる。
ングと前記ピストンヘッドの前記クラウン部の前記下面
との間に金属製シムのプレート部が介在しているので、
前記各断熱リングと前記ピストンヘッドとのセラミック
ス同士の接触を避けることができ、前記金属製シムが一
種の緩衝材の機能を果たし、接触荷重による前記各断熱
リングの割れ等の破損を避けることができる。また、最
外周側の断熱リングには、前記金属製シムのガード部が
係止しているので、万一前記各断熱リングが割れた場合
にも、前記ガード部がそれらの破片を係止することがで
き、破片が飛散することを防止できる。
【００２１】また、この断熱ピストンは、前記ピストン
スカートの前記上端壁部の前記上面は、半径方向に内向
きに向かって低くなる各段部に形成され、前記各段部に
前記各断熱リングをそれぞれ配置したので、万一前記各
断熱リングが割れた場合にも、前記段部がそれらの破片
を係止することができ、破片が飛散することを防止でき
る。
スカートの前記上端壁部の前記上面は、半径方向に内向
きに向かって低くなる各段部に形成され、前記各段部に
前記各断熱リングをそれぞれ配置したので、万一前記各
断熱リングが割れた場合にも、前記段部がそれらの破片
を係止することができ、破片が飛散することを防止でき
る。
【図１】この発明による断熱ピストンの実施例を全体的
に示す断面図である。
に示す断面図である。
【図２】図１の断熱ピストンの一実施例を示す要部の一
部拡大断面図である。
部拡大断面図である。
【図３】この断熱ピストンの別の実施例を示す要部の一
部拡大断面図である。
部拡大断面図である。
【図４】この断熱ピストンの更に別の実施例を示す要部
の一部拡大断面図である。
の一部拡大断面図である。
【図５】この発明による断熱ピストンの他の実施例を全
体的に示す断面図である。
体的に示す断面図である。
【図６】図５の断熱ピストンの他の実施例を示す要部の
一部拡大断面図である。
一部拡大断面図である。
１ ピストンヘッド ２ ピストンスカート ３ ボス部（取付部） ４，５，６ 断熱リング ７ 下面 ８ 上面 ９ 上端壁部 １８ クラウン部 １９ 取付孔部 ２４，２５，２６ 断熱リング ２７ 上面 ２８ 下面 ３０ 金属製シム ３１ プレート部 ３２ ガード部 ３４，３５ 段部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6，ＤＢ名) F02F 3/00 301 F02F 3/00 302 F02F 3/00 F02F 3/04 F02F 3/26
Claims (4)
- 【請求項１】 取付孔部を形成したシリンダ内を往復運
動する金属製ピストンスカート、及び前記取付孔部に取
付けた取付部を有するセラミック製ピストンヘッドを有
する断熱ピストンにおいて、前記ピストンヘッドのクラ
ウン部の下面と前記ピストンスカートの上端壁部の上面
との間に、低熱伝導材から成る複数個の断熱リングを半
径方向に順次に隣接状態に配置したことを特徴とする断
熱ピストン。 - 【請求項２】 前記断熱リングの上下面は半径方向中央
部がリング状凸面に形成され、該リング状凸面が前記ク
ラウン部の前記下面と前記上端壁部の前記上面とに接触
していることを特徴とする請求項１に記載の断熱ピスト
ン。 - 【請求項３】 前記断熱リングと前記ピストンヘッドの
前記クラウン部の前記下面との間に位置するプレート部
と、該プレート部と一体構造であり且つ前記プレート部
の最外周に位置する前記断熱リングの外周面に係止する
ガード部とから成る金属製シムを有していることを特徴
とする請求項１に記載の断熱ピストン。 - 【請求項４】 前記ピストンスカートの前記上端壁部の
前記上面は、半径方向に内向きに向かって低くなる各段
部に形成され、前記各段部に前記各断熱リングをそれぞ
れ配置したことを特徴とする請求項３に記載の断熱ピス
トン。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3182880A JP2917597B2 (ja) | 1991-06-29 | 1991-06-29 | 断熱ピストン |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3182880A JP2917597B2 (ja) | 1991-06-29 | 1991-06-29 | 断熱ピストン |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0510208A JPH0510208A (ja) | 1993-01-19 |
| JP2917597B2 true JP2917597B2 (ja) | 1999-07-12 |
Family
ID=16126031
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3182880A Expired - Lifetime JP2917597B2 (ja) | 1991-06-29 | 1991-06-29 | 断熱ピストン |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2917597B2 (ja) |
Families Citing this family (4)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4710438B2 (ja) | 2005-07-01 | 2011-06-29 | マックス株式会社 | 鉄筋結束機 |
| WO2007068222A1 (de) * | 2005-12-17 | 2007-06-21 | Mahle International Gmbh | Zweiteiliger kolben für einen verbrennungsmotor |
| LT3483360T (lt) | 2008-05-19 | 2022-10-25 | Max Co., Ltd. | Armatūros strypų rišimo mašinos vielos ritės stabdžių sistema |
| EP2446923B1 (de) | 2010-10-28 | 2017-12-06 | BIOTRONIK SE & Co. KG | Abschirmvorrichtung für magnetresonanztomographie |
-
1991
- 1991-06-29 JP JP3182880A patent/JP2917597B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0510208A (ja) | 1993-01-19 |
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