JP2916352B2 - シート供給装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、積層されたシートを一
定量ずつ供給するシート供給装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、例えば、特公平２−１７４５０号
公報記載のシート供給装置が知られている。このシート
供給装置は、積層されたシートの角隅部に対向するシー
ト分離装置を備えているとともに、このシートの後側部
に対向するシート移載台車を備えている。そして、シー
ト分離装置は、水平方向を軸方向として回転駆動される
アームを有しているとともに、このアームの先端部に略
矩形板状をなす係合板を有している。また、シート移載
台車は、積層されたシートに向かって進退自在に設けら
れているとともに、積層されたシートに向かって突設さ
れた両側方向に移動可能なフォークを有している。

【０００３】そして、このシート供給装置では、シート
分離装置のアームを下側から上側に回転駆動することに
より、このアームの先端部に設けた係合板にて、積層さ
れたシートのうち、上側から一定量のシートの一側の角
隅部を捲り上げ、積層されたシート間に隙間を形成す
る。そして、このシートの隙間に、シート移載台車のフ
ォークを挿入するとともに、このフォークを適切な位置
に移動させた状態で、シート移載台車を前進駆動させる
ことにより、一定量のシートを押し出して供給できるよ
うになっている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来のように、積層されたシートの角隅部を係合板により
捲り上げる構成では、シートの角隅部を変形させるなど
して傷めるおそれがあり、例えば、段ボールシートの自
動組立装置に段ボールシートを供給する場合などには、
変形した段ボールシートが機械に詰まる原因になるなど
の問題を有している。

【０００５】本発明は、このような点に鑑みなされたも
ので、積層されたシートから、一定量のシートを傷める
ことなく分離して供給できるシート供給装置を提供する
ことを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明のシート供給装置
は、積層されたシートＳが集積される集積部12と、この
集積部12に対して相対的に上下動可能かつ前後動可能に
それぞれ設けられた分離機構41および押出機構31とを具
備し、前記分離機構41は、前記シートＳの前端部に当接
して一定量の前記シートＳを後側に押動する押動部46を
備え、前記押出機構31は、前記分離機構41により後側に
押動されたシートＳの後端部および後端部近傍の底部に
当接してこのシートＳを前側方に押出す押出部36を備え
たものである。

【０００７】

【作用】本発明のシート供給装置では、集積部12にシー
トＳを積層した状態で、このシートＳの上側部の前側部
に、分離機構41の押動部46を当接させ、一定量のシート
Ｓを後側に押動する。そして、この分離機構41を前側に
移動させるとともに、後側に押動したシートＳよりも下
側に移動させた状態で、押出機構31の押出部36を押動さ
れたシートＳの後端部および後端部近傍の底部に当接さ
せ、この押出機構31を前側に移動させてこのシートＳを
前側方に押出すことにより、一定量のシートＳが分離さ
れて前側に供給される。

【０００８】

【実施例】以下、本発明のシート供給装置の一実施例の
構成を図面を参照して説明する。

【０００９】図１および図２において、11は枠状をなす
フレームで、このフレーム11の内側に、シートとしての
段ボールシートＳを左右２列に積層集積する集積部12が
設けられている。この段ボールシートＳは、ボトルなど
を収納するケース体をケース形態に組み立てる前に平面
状に展開したもので、集積部12に設けられた昇降装置15
の昇降テーブル16上に略水平状をなして多数積み重ねら
れている。そして、この昇降テーブル16は、昇降装置15
のリンク機構17により昇降され、２列に積層された段ボ
ールシートＳを所定寸法ずつ間欠的に上昇させるように
なっている。

【００１０】また、この集積部12の上方には、上部フレ
ーム21が設けられ、この上部フレーム21の下側部に、前
後方向（図１ないし図３に示す矢印Ｆ方向を前方向とす
る）を長手方向とする両側一対の案内レール22が設けら
れているとともに、これらの案内レール22の上側部に沿
って、それぞれ前後のローラ23，24間に掛け回された駆
動ベルト25が配置され、駆動モータ26により正逆方向に
回転駆動されるようになっている。

【００１１】そして、この案内レール22に案内されると
ともに、駆動ベルト25に連結されて、それぞれ押出機構
31を構成するスライドテーブル32が前後方向に進退可能
に支持されている。また、各スライドテーブル32には、
下方に向かってロッドを進退させる第１シリンダ33が取
り付けられ、この第１シリンダ33のロッドの下端部に、
押出ブラケット34が固定されている。さらに、この押出
ブラケット34の前側部には、押出部としての係止金具36
が取り付けられている。この係止金具36は、両側方向を
長手方向とする断面略Ｌ字状をなし、垂直状をなす縦板
部36a と、この縦板部36a の下端部から前側に向かって
突設された横板部36b とを有している。

【００１２】一方、集積部12の前方に位置して、分離機
構41を構成する両側一対のブラケット42がフレーム11に
取り付けられており、各ブラケット42に、それぞれ上下
方向にロッドを進退させる第２シリンダ44が取り付けら
れている。そして、これらの第２シリンダ44のロッドの
上端部には、前後方向に向かって進退されるスライドユ
ニット45が取り付けられ、このスライドユニット45に、
押動部としての押動体46が取り付けられている。

【００１３】そして、この押動体46は、スライドユニッ
ト45に固定された水平状の底板部46a と、この底板部46
a の両側部から上方に立ち上げられた側板部46b とを有
し、上方を開口した断面略コの字状に形成されている。
また、各側板部46b は、上端縁の前側部が前側下方に向
かって傾斜しているとともに、側板部46b の前側部に
は、相対向する軸支部46c が設けられ、これらの軸支部
46c 間に、両側方向を軸方向とする略円柱状をなす駆動
ローラ47が軸支されている。そして、この駆動ローラ47
には、駆動機構が内蔵されており、上側部が後方に向か
って回転する方向（図１おける反時計回り方向）に回転
駆動されるようになっている。また、この駆動ローラ47
は、上側部および後側部が押動体46から若干突出する状
態で支持されている。

【００１４】また、分離機構41の前方に位置して、前後
方向を長手方向とする両側一対の搬送コンベヤ51がフレ
ーム11に取り付けられている。各搬送コンベヤ51は、そ
れぞれ駆動装置52により駆動軸52a を介して回転駆動さ
れる搬送ベルト53を有しているとともに、それぞれ駆動
装置52により両側方向に移動可能に支持されており、そ
れぞれ段ボールシートＳを前方向および両側方向に搬送
できるようになっている。なお、各搬送コンベヤ51の前
端部近傍の下側には、ブラケット55を介して、それぞれ
上下方向にロッドを進退させる第３シリンダ56が取り付
けられている。そして、これらの第３シリンダ56のロッ
ドの上端部には、それぞれストッパ57が取り付けられ、
搬送ベルト53の搬送面の上側に出没できるようになって
いる。

【００１５】さらに、これらの搬送コンベヤ51の前方に
位置して、積載装置61が設けられている。この積載装置
61は、それぞれコンベアフレーム62に支持された両側一
対の供給コンベア63を有し、これらの供給コンベア63に
より両側部を支持した状態で、１列の段ボールシートＳ
を前方向搬送できるようになっている。また、これらの
供給コンベア63は、駆動装置64により駆動軸64a を介し
て一体的に回転駆動されるようになっているとともに、
それぞれ第４シリンダ66および第５シリンダ67により両
側方向に移動可能に設けられ、供給コンベア63間の離間
寸法を変化できるようになっている。

【００１６】また、各コンベアフレーム62には、それぞ
れ側部ガイド板71，72が取り付けられ、これらの供給コ
ンベア63により搬送される段ボールシートＳの両側部を
揃えて位置決めするようになっている。そして、両側の
供給コンベア63間の前端部近傍に位置して、ブラケット
73を介して前部ガイド板74がフレーム11に取り付けら
れ、段ボールシートＳの前端部に当接するようになって
いる。また、両側の供給コンベア63間の後端部近傍に位
置して、ブラケット76を介して後部ガイド板77が回動自
在に支持されており、ブラケット78にてフレーム11に回
転自在に支持された第６シリンダ79により、この後部ガ
イド板77を起立させることにより、前部ガイド板74と後
部ガイド板77との間で、段ボールシートＳの前後の端部
を揃えて位置決めできるようになっている。

【００１７】なお、側部ガイド板71，72および前後のガ
イド板74，77は、それぞれレバー80などを操作してボル
トなどを緩めることにより取り付け位置が調整できるよ
うになっているとともに、両側の供給コンベア63間の間
隔も、ハンドル81を回転操作することにより調整できる
ようになっている。

【００１８】さらに、これらの供給コンベア63の下方に
は、供給台82が設けられ、供給コンベア63間から落下さ
れた段ボールシートＳが供給されるようになっている。

【００１９】なお、フレーム11には、集積部12の側方に
位置して、動力及操作盤83が設けられているとともに、
集積部12の後方に位置して、パレット積換完了釦84が取
り付けられている。

【００２０】次に、図１ないし図３を参照して、本実施
例のシート供給装置の動作を説明する。

【００２１】まず、集積部12の昇降装置15の昇降テーブ
ル16を下降させた状態で、この昇降テーブル16上に左右
２列の段ボールシートＳを積層して配置する。また、図
１に示すように、分離機構41の各押動体46は上昇させる
とともに前側に移動させ、押出機構41の各係止金具36は
後端側に移動させておく。

【００２２】そして、図３（ａ）に示すように、昇降装
置15を作動させ、昇降テーブル16を上昇させ、段ボール
シートＳを一定寸法だけ上方に持ち上げて、各列の段ボ
ールシートＳの上側部を押動体46と係止金具36との間に
位置させる。

【００２３】この状態で、図３（ｂ）に示すように、分
離機構41の各スライドユニット45を作動させ、押動体46
を後側に移動させ、この押動体46の後端面を段ボールシ
ートＳに当接させて、一定枚数の段ボールシートＳを後
側に押動して後側に突出させる。

【００２４】そして、図３（ｃ）に示すように、後側に
押動された段ボールシートＳは、係止金具36により後端
面と底面部を支持される。

【００２５】このように、段ボールシートＳが係止金具
36に受け止められると、図３（ｄ）に示すように、分離
機構41の各スライドユニット45が作動され、押動体46を
前側端まで移動させるとともに、第２シリンダ44が作動
され、押動体46が下側に移動される。このとき、押動体
46の上端部の高さ位置と、この押動体46により押動され
なかった下側の段ボールシートＳの上端部の高さ位置と
が、ほぼ揃う。

【００２６】この状態で、図３（ｅ）に示すように、第
１シリンダ33を作動させて、押出し分離された段ボール
シートＳの後端部を若干持ち上げるとともに、押出機構
31の駆動装置26を作動させ、係止金具36を前側へ移動さ
せる。すると、分離された段ボールシートＳは、下側の
段ボールシートＳの上面および押動体46の上面と摺接し
ながら前側に押し出され、それぞれ段ボールシートＳの
前方に待機した搬送コンベヤ51上に押し出される。

【００２７】このとき、分離された段ボールシートＳに
摺接する下側の段ボールシートＳが前側へ引き摺られて
突出することがあるが、駆動ローラ47が搬送方向と反対
方向に回転駆動されているため、この駆動ローラ47によ
り後側へ押し戻されて、余分な段ボールシートＳの追従
が防止される。

【００２８】また、各搬送コンベヤ51に移載された段ボ
ールシートＳは、搬送ベルト53の搬送面の上側に突出し
たストッパ57により係止されるとともに、各搬送コンベ
ヤ51が順次両側方向に移動して、積載装置61の供給コン
ベア63の後端側に配置される。そして、この状態で、ス
トッパ57が下降するとともに、搬送コンベヤ51および供
給コンベア63が駆動され、供給コンベア63上に１列ずつ
段ボールシートＳが移載される。

【００２９】そして、この供給コンベア63上に移載され
た段ボールシートＳは、側部ガイド板71，72間で両側の
端部が揃えられるとともに、後部ガイド板77を起立させ
ることにより、前後のガイド板74，77間で前後の端部が
揃えられる。

【００３０】この状態で、供給コンベア63の一方または
両方を移動させて、これらの供給コンベア63間の離間寸
法を大きくすることにより、これらの供給コンベア63間
から下方に定量の段ボールシートＳが落下して供給され
る。

【００３１】そして、落下した段ボールシートＳは、供
給台82上に積層され適宜搬出されるようになっている。

【００３２】このように、本実施例のシート供給装置に
よれば、段ボールシートＳの前側部に配置した分離機構
41の押動体46により、積層された段ボールシートＳの上
側から一定量の段ボールシートＳを後側に押動し、この
押動された段ボールシートＳの後端部および底部に押出
機構31の係止金具36を当接させた状態で、この係止金具
36を若干持ち上げながら略水平状に前側に押出すことに
より、積層された段ボールシートＳから、一定量の段ボ
ールシートＳを傷めることなく容易に分離して供給する
ことができる。

【００３３】また、分離機構41の押動体46に、搬送方向
とは反対方向に回転駆動される駆動ローラ47を設けたた
め、段ボールシートＳを搬送コンベヤ51に移載する際
に、下側の段ボールシートＳが追従することを防止し
て、より確実に所定量の段ボールシートＳを分離供給す
ることができる。

【００３４】そして、集積部12に段ボールシートＳを２
列に積層するとともに、これらの段ボールシートＳに対
向してそれぞれ押出機構31の係止金具36、分離機構41の
押動体46、および搬送コンベヤ51を設け、各搬送コンベ
ヤ51上の段ボールシートＳを順次供給コンベヤ63に供給
するようにしたため、所定量の段ボールシートＳを高速
に供給することができる。

【００３５】さらに、押出機構31、分離機構41、搬送コ
ンベヤ51および積載装置61は、それぞれ簡単な構造であ
るため、いわゆるシートデパレタイザであるシート供給
装置の製造コストを低減して、安価な装置を提供するこ
とができる。

【００３６】なお、上記の実施例では、２列に積層した
段ボールシートＳからそれぞれ一定量の段ボールシート
Ｓを押し出し、搬送コンベア51を介して順次供給コンベ
ア63に供給したが、段ボールシートＳを１列に積層し、
押出機構31により直接供給コンベア63上に一定量の段ボ
ールシートＳを供給することもできる。

【００３７】

【発明の効果】本発明のシート供給装置によれば、シー
トの前端部に、集積部の前側に配置した分離機構の押動
部を当接させて、積層されたシートから一定量のシート
を後側に押動し、この押動されたシートの後端部および
底部に押出機構の押出部を当接させて、前側に押出すこ
とにより、積層されたシートから、一定量のシートを傷
めることなく容易に分離して供給することができる。ま
た、構造を簡単にでき、製造コストを低減することがで
きる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のシート供給装置の一実施例を示す断面
図である。

【図２】同上シート供給装置の平面図である。

【図３】同上シート供給装置の動作を説明する工程図で
ある。

【符号の説明】

12 集積部 31 押出機構 36 押出部としての係止金具 41 分離機構 46 押動部としての押動体 Ｓ シートとしての段ボールシート

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 積層されたシートが集積される集積部
   と、この集積部に対して相対的に上下動可能かつ前後動
   可能にそれぞれ設けられた分離機構および押出機構とを
   具備し、 前記分離機構は、前記シートの前端部に当接して一定量
   の前記シートを後側に押動する押動部を備え、 前記押出機構は、前記分離機構により後側に押動された
   シートの後端部および後端部近傍の底部に当接してこの
   シートを前側方に押出す押出部を備えたことを特徴とし
   たシート供給装置。