JP2916100B2 - 爪切り - Google Patents

爪切り

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JP2916100B2
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KANEMATSU KOGYO KK
NIPPON RIKI KOGYO KK
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、爪切りに関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来より、爪切りとしては、押圧操作レ
バーが操作されると、互いに平行をなす上下両刃先の相
対向する両端部同士が同時に当接し、もって両刃先間に
挟まれた爪を切断するものが知られている。しかし、こ
のような爪切りでは、上下両刃先が平行状態のまま同時
に噛み合うため、爪を押しつぶして割っているにすぎな
かった。そのため、爪の切断面にバリができ、きれいに
爪を切ることができないという問題があった。
【0003】そこで、上記の爪切りに変わるものとして
近時においては、特開昭58−12611号公報に記載
の爪切りが提案されている。この爪切りでは、両刃先を
両刃体の幅方向に対して斜状に形成するとともに、押圧
操作レバーのてこ部における上刃体に当接する部位を両
刃体の幅方向に対して斜状に形成している。そして、押
圧操作レバーの操作時には、上下両刃先の相対向する両
端部のうち、一端部が先に噛み合った後、他端部が遅れ
て噛み合うことにより、爪を押しつぶして割ることなく
切るようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記公報に
記載の爪切りでは、以下のような問題があった。上下両
刃体の各刃先を両刃体の幅方向に対して斜状に形成して
いたため、刃体のプレス作業及び刃先を形成するための
刃付け作業に時間がかかっていた。また、押圧操作レバ
ーについても同様にてこ部を両刃体の幅方向に対して斜
状に形成しなければならなかった。そのため、爪切りの
製造コストが高くなるという問題があった。
【0005】本発明は上記問題点を解決するためのもの
であり、その目的は、上下両刃先の相対向する一端部の
噛み合いに対して他端部が遅れて噛み合う爪切りを安価
に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載の発明では、特に、上刃体と押圧操
作レバーとの間又は下刃体と支持ピンの下端部との間に
対し、上下両刃先の相対向する両端部のうち一方の端部
同士を他方の端部同士よりも遅れて接触させるために、
爪切り本体とは別体に形成されて上下両刃先と交差する
ように水平方向に対して斜状に形成された押圧部を有す
押圧手段を設けた。
【0007】請求項2に記載の発明では、前記押圧手段
の押圧部は、一方の端部が上下両刃体のうちいずれか一
方に対し常に当接する押圧点となっている構成とした。
【0008】請求項3に記載の発明では、前記押圧手段
の押圧部は、折曲成形により設けられている構成とし
た。
【0009】
【作用】請求項1に記載の発明では、押圧操作レバーを
操作すると、押圧手段の斜状をなす押圧部により上下両
刃先は噛み合う方向へ押圧される。そのため、上下両刃
先の相対向する両端部のうち一方の端部同士が他方の端
部同士に対して遅れて噛み合う。
【0010】
【0011】請求項に記載の発明では、請求項に記
載の発明の作用に加えて、押圧操作レバーを操作する
と、押圧手段の押圧点により上下両刃体はその幅方向に
おいて撓みながら各刃先が接近する。請求項3に記載の
発明では、請求項2に記載の発明の作用に加えて、押圧
部の形成が容易になる。
【0012】
【実施例】以下、本発明を具体化した一実施例を図1〜
図3に従って説明する。図1,図2に示すように、爪切
り11の上下両刃体12,13は基端部において互いに
固着され、その固着部を支点として撓む弾性を有してい
る。上刃体12の先端には、下方に向かって所要の角度
をもって屈曲された上刃部14が設けられ、同上刃部1
4の先端部には刃先14aが形成されている。下刃体1
3の先端には、上方に向かって所要の角度をもって屈曲
された下刃部15が設けられ、同下刃部15の先端部に
は刃先15aが形成されている。前記両刃先14a,1
5aは互いに平行をなし、上刃先14aの両端部M1,
M2と下刃先15aの両端部N1,N2の対向距離が等
しくなっている。また、切断する爪の先端形状に対応す
るように前記両刃先14a,15aは後方側に向かって
湾曲している。
【0013】上下両刃体12,13の先端部において両
刃体12,13の幅方向ほぼ中心位置には同心上に位置
する一対の貫通孔16,17が設けられ、同貫通孔1
6,17には支持ピン18が回動可能に挿通されてい
る。尚、前記貫通孔16,17は支持ピン18の径より
も大径に形成されており、支持ピン18と貫通孔16,
17との間には余裕隙間Sが形成されている。支持ピン
18の下端部18aは下刃体13に係止されており、同
支持ピン18の上端部18bは上刃体12の上面側に突
出されている。
【0014】前記上刃体12の上面には押圧手段として
の押さえ板19が設けられ、同押さえ板19の基端部に
は掛止突起20が設けられている。同掛止突起20は前
記両刃体12,13の基端部に設けられた引掛穴21に
掛止されている。押さえ板19の先端部には貫通孔22
が設けられ、同貫通孔22には前記支持ピン18の上端
部18bが挿通されている。また、押さえ板19の先端
には下方に略90度の角度をもって屈曲された押圧部2
3が前記両刃体12,13の幅方向へ設けられている。
同押圧部23はその先端縁が水平方向に対して上下に斜
状形成されている。即ち、押圧部23の幅方向における
両端部のうち下側に位置する端部が押圧点24とされて
いる。押圧点24は、前記上刃体12の上面に当接して
おり、前記押さえ板19の幅方向の中心よりも側方に位
置している。
【0015】前記押さえ板19の上面側において支持ピ
ン18の上端部18bには押圧操作レバー25が軸ピン
26によって回動可能に軸支されている。同押圧操作レ
バー25の先端部上面には山状に突出形成されたてこ部
27が設けられている。そして、使用時には前記押圧操
作レバー25を反転させて、同てこ部27を押さえ板1
9側に位置させることにより前記上刃体12を押圧でき
るようになっている。
【0016】次に、上記のように構成された爪切り11
の作用について図3(a)〜図3(d)に従って説明す
る。
【0017】図3(a)に示すように、まず押圧操作レ
バー25をてこ部27が下側になるように反転させる。
この状態では、上下両刃先14a,15aの相対向する
端部同士、即ち、上刃先14aの一端部M1と下刃先1
5aの一端部N1の距離及び上刃先14aの他端部M2
と下刃先15aの他端部N2の距離は等しい。
【0018】次に、図3(b)に示すように、前記押圧
操作レバー25を操作すると、押圧操作レバー25のて
こ部27の力点部27aが支点となり、押さえ板19の
上面を押圧する。すると、押さえ板19の押圧点24が
上刃体12の上面のうち、前記上刃先14aの一端部M
1に対応する部位を押圧する。すると、上刃体12が同
上刃体12の幅方向に撓みながら下刃体13に接近し、
上下両刃先14a,15aの相対向する一端部M1,N
1の距離が他端部M2,N2の距離よりも小さくなる。
【0019】次に、図3(c)に示すように、更に押圧
操作レバー25を操作すると、押さえ板19の押圧部2
3全体が上刃体12の上面に当接する。そして、上刃体
12が撓みながら更に下刃体13に接近し、上下両刃先
14a,15aの相対向する両端部M1,N1,M2,
N2のうち一端部同士M1,N1が当接して噛み合う。
【0020】次に、図3(d)に示すように、更に押圧
操作レバー25を操作すると、前記一端部同士M1,N
1の噛み合いに遅れて他端部同士M2,N2が噛み合
う。そして、上下両刃先14a,15aが互いに噛み合
い爪が切られる。
【0021】このように本実施例では、押さえ板19の
押圧部23を上下両刃先14a,15aに対して交差す
るように斜状に形成した。そのため、押さえ板19の押
圧点24が両刃体12,13の幅方向の中心よりも側方
に位置し、上下両刃先14a,15aの相対向する一端
部同士M1,N1の噛み合いに対して他端部同士M2,
N2を遅れて噛み合わせることができる。従って、切断
する爪に対しても上下両刃先14a,15aの一端部M
1,N1から他端部M2,N2に向かって順次噛み合わ
せながら爪を割ることなくきれいに切ることができる。
【0022】また、上下両刃体12,13及び押圧操作
レバー25とは別部材の押さえ板19の押圧部23を斜
状に形成することで、上下両刃先14a,15aの相対
向する両端部同士M1,N1,M2,N2の噛み合いに
時間差をもたせるようにした。そのため、上下両刃体1
2,13の刃先14a,15aを斜状に形成したり、押
圧操作レバー25のてこ部27の力点部27aを斜状に
形成する必要もない。従って、従来の上下両刃先が水平
方向にて平行をなしている既存の爪切りにも適用可能で
あり、爪切りの製造コストを低減することができる。
【0023】尚、本実施例は次のように具体化してもよ
い。 (1)本実施例では、押さえ板19の基端部に掛止突起
20を設け、同突起20を上下両刃体12,13の基端
部の引掛穴21に掛止したが、例えばスポット溶接等に
より押さえ板19を上刃体12の上面に固着してもよ
い。
【0024】このようにしても、本実施例と同様の効果
が得られる。 (2)本実施例では、押さえ板19の押圧部23を折曲
形成したが、押さえ板19をその幅方向の中心に対し
て、左右の板厚が異なる一枚の板によって形成すること
も可能である。
【0025】このようにしても、本実施例と同様の効果
が得られる。 (3)本実施例では、押さえ板19を上刃体12と押圧
操作レバー25との間に装着したが、下刃体13の下面
と支持ピン18の下端部18aとの間に装着してもよ
い。
【0026】このようにしても、本実施例と同様の効果
が得られる。 (4)また、図4に示すように、上下両刃体12,13
の側面に刃先14a,15aを設けたニッパー型爪切り
に適用してもよい。
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、爪を割
ることなく、且つきれいに切ることができる。また、従
来の爪切りに、別部材としての押圧手段を取付ければよ
いので、爪切りの製造コストを低減することができる。
【0030】
【0031】請求項に記載の発明によれば、請求項
に記載の発明の効果に加えて、上下両刃先を一端部から
他端部にかけて徐々に噛み合わせられるので、確実に爪
を割ることなく、且つきれいに切ることができる。請求
項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効
果に加えて、押圧部の形成を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例における爪切り11の斜視図。
【図2】本実施例における爪切り11の正面図。
【図3】(a)〜(d)爪切り11の使用時の状態を示
す正面図。
【図4】別例(4)に示すニッパー型爪切りの正面図。
【符号の説明】
11…爪切り、12…上刃体、13…下刃体、14a…
上刃先、15a…下刃先、18…支持ピン、19…押圧
手段としての押さえ板、23…押圧部、24…押圧点、
25…押圧操作レバー。
フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−68409(JP,U) 実開 昭53−124082(JP,U) 実開 昭50−135379(JP,U) 実開 昭49−97079(JP,U) 実開 昭54−137477(JP,U) 実開 昭49−79471(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A45D 29/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基端部が互いに固着された上下両刃体の
    先端部に支持ピンを挿通し、同支持ピンの上刃体から突
    出した上端部に押圧操作レバーを回動可能に軸支し、こ
    の押圧操作レバーの操作に基づき上下両刃体の各刃先を
    噛み合わせるようにした爪切りにおいて、上刃体と押圧
    操作レバーとの間又は下刃体と支持ピンの下端部との間
    に対し、上下両刃先の相対向する両端部のうち一方の端
    部同士を他方の端部同士よりも遅れて接触させるため
    に、爪切り本体とは別体に形成されて上下両刃先と交差
    するように水平方向に対して斜状に形成された押圧部を
    有する押圧手段を設けた爪切り。
  2. 【請求項2】 前記押圧手段の押圧部は、一方の端部が
    上下両刃体のうちいずれか一方に対し常に当接する押圧
    点となっている請求項1に記載の爪切り。
  3. 【請求項3】 前記押圧手段の押圧部は、折曲成形によ
    り設けられている請求項2に記載の爪切り。
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