JP2915845B2 - 電着塗装システム - Google Patents

電着塗装システム

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JP2915845B2
JP2915845B2 JP14691396A JP14691396A JP2915845B2 JP 2915845 B2 JP2915845 B2 JP 2915845B2 JP 14691396 A JP14691396 A JP 14691396A JP 14691396 A JP14691396 A JP 14691396A JP 2915845 B2 JP2915845 B2 JP 2915845B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電着塗装システム
に係り、特に、比較的小型若しくは中型の被塗装物の表
面に塗装を施す電着塗装システムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、被塗物を電導性の合成樹脂塗料液
に浸漬して直流電流を通電し、被塗装物の表面に塗膜を
生成するいわゆる電着塗装技術が知られている。電着塗
装は、めっきと同様な方法により被塗装物の表面に塗膜
を電気的に生成するもので、膜厚が電気量により決定さ
れるので均一な塗膜を得やすい、部品間の合わせ目やス
ポット溶接部等他の塗装方法では困難なところにも塗膜
を形成することができるので耐蝕性が良い、塗料のロス
が少ない等の利点を有する。
【0003】また、電着塗装は塗膜を電気的に生成する
ので、自動化を容易に行うことができ、前処理等の前後
工程とともに全工程を自動化した電着塗装システムが構
築されている。この種の電着塗装システムとしては、例
えば図8に示すようなものがある。図8に示すように、
この電着塗装システムは、前処理ユニット1、電着塗装
ユニット2、後処理ユニット3、焼付乾燥炉4、空冷ブ
ース5およびコンベア搬送装置6を備えている。
【0004】前処理ユニット1は、主に鉱物油からなる
油脂類を除去する第1脱脂ブース11と、主に動植物油
からなる油脂類を除去する第2脱脂ブース12と、第1
および第2脱脂液を水洗する第1および第2脱脂液水洗
ブース13、14と、弱い圧力の水を供給する工水ミス
トブース15、硬度調整された水を供給する表面調整ブ
ース16、被塗装物の表面に塗装下地用の不溶用性皮膜
を生成する化成処理ブース17と、化成処理液を水洗す
る第1〜第3化成処理液水洗ブース18〜20および純
粋ミストブース21から構成されており、被塗装物の表
面に付着した付着物を除去して洗浄するとともに、必要
に応じて化成処理を施すものである。
【0005】各ブース11〜21は、それぞれいわゆる
シャワー式の処理装置からなり、図9(b)に示すよう
に、複数の被塗装物が装着されたハンガー30に処理液
を多数のノズルから供給するシャワー室を有する。図9
(a)に示すように、各シャワー室は設置スペースを有
効利用するために高所に設けられており、床面に設置さ
れた処理液タンク1a、2a、3a、4a等に収納され
たそれぞれの処理液をそれぞれポンプ1b、2b、3
b、4bを用いて供給するようになっている。また、互
いに隣接するブース間にはそれぞれの処理液の混合を防
止するために空間部26が設けられている。
【0006】電着塗装ユニット2は、電導性塗料液を収
納した電着槽2aに被塗装物を浸漬して被塗装物の表面
に塗装膜を生成するものであり、後処理ユニット3は、
被塗装物の表面から電気的に未吸着な塗料液を除去して
洗浄する第1〜第3塗料液洗浄ブース22〜24および
純水ミストブース25からなる。また、後処理ユニット
3の各ブースも前処理ユニット1の各ブースと同様にシ
ャワー式の処理装置からなる。
【0007】焼付乾燥炉4は炉内に熱風を循環させて被
塗装物の表面に生成された塗膜を加熱硬化するものであ
り、炉外に熱が拡散するのを防止するため、出入口のみ
を低所に設けたいわゆる山形炉からなる。空冷ブース5
は焼付炉で加熱された被塗装物をファンにより空冷する
ものであり、スペースを有効するため、高所に設けられ
ている。
【0008】コンベア搬送装置6は、図10に示すよう
に、チェーン31に連結されたトロリー32をチェーン
レール33に沿って搬送するコンベア式の搬送装置から
なり、図8中に示される着荷位置でトロリー32に懸架
されたハンガー40を前処理ユニット1、電着塗装ユニ
ット2、後処理ユニット3、焼付乾燥炉4、空冷ブース
5の順に搬送するものである。
【0009】ハンガー40は、例えば図11および図1
2に示すように、支柱41の上端部にコンベアフック4
2を接合し、その下方に支柱41と直交し、かつハンガ
ー40(トロリー32)の搬送方向と所定角度をなすよ
うに等間隔に3本のハンガーフレーム43〜45を接合
したものである。各ハンガーフレーム43〜45にはそ
れぞれ2つで一組となるフック46が支柱41の両側に
同数接合されており、各組のフック46間に図12
(b)中、一点鎖線で示される被塗装物47の一端部が
係合支持されるようになっている。このハンガー40に
装着される被塗装物47としては、例えば自動車部品用
のタイロッドバーやボールジョイント等である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
電着塗装システムにあっては、例えば直径30mmの円
板のような小型部品から長さが1.5mのパイプ材等の
比較的大型の部品まで様々な大きさの被塗装物をカバー
するためにシステムが大型化してしまうとともに、設備
費が高額となってしまうという問題があった。
【0011】また、前処理ユニット1および後処理ユニ
ット3はシャワー式の処理装置を採用していたことも、
設備が大型化してしまう要因となっており、さらに、焼
付乾燥炉4も、例えば図8に示すようにハンガー40を
炉内に蛇行させるようにしても、その処理時間がかかる
ので設備が大型化してしまう要因となっていた。さら
に、この電着塗装システムにより、小型部品の塗装処理
を行うと、搬送時間等のロスにより大型部品と同等の処
理時間がかかってしまい、特に少量生産のときには生産
性を向上させることができず、コスト高になってしまう
といった問題があった。
【0012】また、従来の電着塗装システムにあって
は、電着塗装ユニット2は、電着槽2aに被塗装物全体
を浸漬するよう構成していたので、例えば摺動部等、塗
装が不要な部分を有する被塗装物であっても全面塗装が
行なわれ、後に不要な部分の塗装を機械加工等により除
去する手間がかかってしまうといった問題があった。ま
た、この場合、被塗装物とともにハンガー表面にも塗装
が施されてしまうため、ハンガーを再使用する前に一々
塗装を剥離する手間がかかってしまうといった問題があ
った。
【0013】そこで、本発明は、小型、低コストかつ処
理時間を短縮することができる小型部品専用の電着塗装
システムを提供することを目的としている。また、本発
明は、被塗装物の一部または全部を電導性塗料液に浸漬
させてハンガーの全部または一部の表面に塗装を施さず
に電着塗装を行うことで、塗装が不要な部分の機械加工
の手間を不要とする若しくは軽減するとともに、ハンガ
ーの再使用する前に塗装を剥離する手間を不要とする若
しくは軽減することができる電着塗装システムを提供す
ることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明は、被塗装物の表面に付着した
付着物を除去して前処理を行う複数種類の前処理液をそ
れぞれ収納する複数の前処理槽と、前処理が行われた被
塗装物の表面に電着塗装を施す電導性塗料液を収納する
電着処理槽と、電着塗装が施された被塗装物の表面に残
留する電気的に未吸着な塗料液を除去して洗浄する後処
理液を収納する複数の後処理槽と、複数の被塗装物のそ
れぞれの一端部を係合支持するハンガーと、前記ハンガ
ーを所定間隔で懸架して前記複数の前処理槽、電着処理
槽および複数の後処理槽に順次に搬送して該ハンガーに
係合支持された被塗装物をそれぞれの処理液に浸漬する
搬送手段と、複数のハンガーを懸架する複数の台車と、
該複数の台車のうち何れか1台の台車を収納し、該台車
に懸架されたハンガーに係合支持された被塗装物の塗膜
を加熱硬化する複数の焼付乾燥炉と、を備え、前記複数
の前処理槽、電着処理槽、並びに、複数の後処理槽の各
処理槽におけるそれぞれの処理時間を20秒以上40秒
以下に設定し、前記電着処理槽に、該電着処理槽に収納
された電導性塗料液を攪拌する攪拌手段を設け、該攪拌
手段が、電導性塗料液の液面高さを略一定に保持するよ
うに電導性塗料液を攪拌し、前記ハンガーが、複数の被
塗装物が水平方向に並列するよう被塗装物のそれぞれの
一端部を係合支持し、前記搬送手段が、該ハンガーの支
持部よりも下方側を前記電着処理槽の電導性塗料液に浸
漬し、該ハンガーに支持された被塗装物の一部に電着塗
装を施すようにしたことを特徴とする。
【0015】請求項1記載の発明では、搬送手段により
複数の被塗装物がそれぞれ係合支持されたハンガーを順
次20秒以上40秒以内の処理時間で、複数の前処理
槽、電着処理槽、複数の後処理槽に搬送して被塗装物の
表面に塗膜が生成され、これらのハンガーを台車に懸架
して、台車ごと焼付乾燥炉に収納して被塗装物の塗膜が
加熱硬化されるように構成している。
【0016】このため、大がかりな設備となる従来のシ
ャワー方式の電着塗装システムに対し、構成の簡単な複
数の浸漬処理槽により電着塗装システムを構成し、各処
理槽における処理時間を20秒以上40秒以内で行うの
で、ハンガーを滞留させる余分な搬送経路を延在して設
ける無駄を排除することができる。処理時間が20秒以
下となると、各処理を十分に行うことができず、処理時
間が40秒以上となると、各処理槽の処理時間のバラン
ス上、特定の処理槽の上流側の搬送経路上に多数のハン
ガーが滞留してしまうからである。したがって、搬送手
段の搬送経路を短くすることができるので、システム全
体を小型化し、かつその処理時間を短縮することができ
る。なお、各処理槽における処理時間は略30秒が好ま
しい。ハンガーを滞留させる余分な搬送経路を延在して
設ける無駄が全くないからである。
【0017】また、処理時間のかかる焼付乾燥処理を搬
送手段による自動化ラインから分離して複数の焼付乾燥
炉を設けたので、長大な焼付乾燥炉を設けずに小型の焼
付乾燥炉により焼付乾燥処理を行うことができる。した
がって、小型、低コストかつ処理時間を短縮することが
できる電着塗装システムを提供することができる。特に
多品種少量製品や小型製品等に好適である。また、電着
処理槽に、該電着処理槽に収納された電導性塗料液を攪
拌する攪拌手段を設け、前記攪拌手段によりその液面高
さを略一定に保持するように電導性塗料液が攪拌され、
前記ハンガーにより複数の被塗装物が水平方向に並列す
るよう被塗装物のそれぞれの一端部が係合支持され、前
記搬送手段によりハンガーの支持部よりも下方側が前記
電着処理槽の電導性塗料液に浸漬され、該ハンガーに支
持された被塗装物の一部に電着塗装が施される。このた
め、被塗装物の一部に電着塗装を施すことができるの
で、塗装が不要な部分の機械加工の手間を不要とする若
しくは軽減することができる。また、ハンガーの全部ま
たは一部の表面に塗装を施さずに被塗装物に電着塗装を
施すことができるので、ハンガーを再使用するために塗
装を剥離する手間を不要とする若しくは軽減することが
できる。
【0018】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記複数の前処理槽が被塗装物の表面に付
着した鉱物油を主成分とする油脂類を除去する第1脱脂
液を収納する第1脱脂処理槽と被塗装物の表面に付着し
た動植物油を主成分とする油脂類を除去する第2脱脂液
を収納する第2脱脂処理槽と被塗装物の表面に塗装下地
用の不水溶性皮膜を生成する皮膜化成処理液を収納する
皮膜化成処理槽とを含み、前記第2脱脂処理槽および前
記皮膜化成処理槽以外の各前処理槽が正四角形柱状で略
18リットル容量を有する処理槽からなり、前記第2脱
脂処理槽および前記皮膜化成処理槽が該処理槽を2つ並
べた長方形柱状で略36リットル容量を有する処理槽か
らなり、前記電着処理槽が円筒形状で略20リットル容
量を有する処理槽からなり、前記複数の後処理槽が正四
角形柱状で18リットル容量を有する処理槽からなるこ
とを特徴とする。
【0019】請求項2記載の発明では、前記複数の前処
理槽を第1脱脂処理槽、第2脱脂処理槽および皮膜化成
処理槽を含み、前記第2脱脂処理槽および前記皮膜化成
処理槽以外の各前処理槽が正四角形状で略18リットル
容量を有する処理槽からなり、前記第2脱脂処理槽およ
び前記皮膜化成処理槽が長方形状で略36リットル容量
を有する処理槽からなるように、前記電着処理槽が円筒
形状で略20リットル容量を有する処理槽からなるよう
に、前記複数の後処理槽が正四角形状で略18リットル
容量を有する処理槽からなるように構成している。
【0020】このため、各処理槽を略18リットル、略
20リットルまたは略36リットルの小容量の処理槽に
より構成し、各処理槽を互いに隣接して配設することが
できるので、搬送手段によりハンガーを略同一間隔で搬
送することができる。したがって、システムを小型化す
ることができるとともに、搬送手段の構成を簡素化する
ことができる。
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】請求項記載の発明は、請求項1記載の発
明において、前記第1脱脂液の温度を65℃以上75℃
以下に保持し、前記皮膜化成処理液の温度を40℃以上
50℃以下に保持し、前記焼付乾燥炉の炉内温度を19
5℃以上205℃以下に保持したことを特徴とする。請
求項記載の発明では、前記第1脱脂液の温度を65℃
以上75℃以下に保持するので、第1脱脂液の処理能力
を確保しつつ、ミストの発生量を低減することができ
る。したがって、換気設備も小型化することができる。
第1脱脂液の温度が65℃未満になると、十分な脱脂効
果が得られず、また75℃以上になるとミストの発生量
が増加してしまい換気設備が大型化してしまうからであ
る。
【0025】また、前記皮膜化成処理液の温度を40℃
以上50℃以下に保持しているので、皮膜化成処理液の
処理能力を確保しつつ、ミストの発生量を低減すること
ができる。したがって、換気設備も小型化することがで
きる。皮膜化成処理液の温度が40℃未満になると、十
分な皮膜が得られず、また50℃以上になるとミストの
発生量が増加してしまい換気設備が大型化してしまうか
らである。
【0026】さらに、前記焼付乾燥炉の炉内温度を19
5℃以上205℃以下に保持するので、なま焼けや焼き
すぎを防止するとともに、炉内に収納した直後の被塗装
物の塗膜の急激な温度上昇を抑えつつ、その後速やかに
所定温度に上昇させて効率の良い焼付乾燥を行うことが
できる。炉内温度が195℃以下にすると処理時間がか
かってしまい、炉内温度を205℃以上にすると焼けす
ぎとなってしまうからである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1〜図7は本発明に係る電着塗
装システムの一実施例を示す図であり、図1はその全体
構成を示す図である。図1に示すように、電着塗装シス
テムは、前処理ユニット51、電着塗装処理槽52、後
処理ユニット53、搬送装置54、5台の台車55およ
び3台の焼付乾燥炉56を備えている。
【0028】前処理ユニット51は、主に鉱物油からな
る油脂類を除去する弱アルカリの第1脱脂液を収納する
第1脱脂槽61と、主に動植物油からなる油脂類を除去
する中アルカリの第2脱脂液を収納する第2脱脂槽62
と、第1および第2脱脂液を洗浄する洗浄水を収納する
第1〜第3脱脂液洗浄槽63〜65と、被塗装物の表面
に塗装下地用の不溶用性皮膜を生成するりん酸塩系の皮
膜化成処理液を収納する化成処理槽66と、化成処理液
を洗浄する洗浄水を収納する第1〜第3化成処理液洗浄
槽67〜69を備えており、被塗装物の表面に付着した
付着物を除去して洗浄するとともに、必要に応じて化成
処理を施して前処理を行うものである。
【0029】第1脱脂槽61、第1〜第3脱脂液洗浄槽
63〜65および第1〜第3化成処理液洗浄槽67〜6
9は、正四角形柱状で容量が略18リットルの略同サイ
ズの処理槽からなり、第2脱脂槽62および皮膜化成処
理槽66は、その正四角形状の処理槽を2つ並べた長方
形状で容量が略36リットルの処理槽からなる。第1お
よび第2脱脂槽61、62には、それぞれ油水分離装置
81、82が配管を通して接続されている。油水分離装
置81、82は脱脂槽から流入した脱脂液を加熱して被
塗装物から除去した油分を液面に浮上させ、かき取り装
置により分離して脱脂槽に循環供給するものである。
【0030】また、第1および第2脱脂槽61、62の
上方には、それぞれミストコレクタ83に接続された図
示しないダクトが設けられており、それぞれの脱脂処理
によりにより発生するミストを強制排気するようになっ
ている。また、第2脱脂槽62には配管を通して気泡流
発生装置84が接続されており、ポンプを用いて第2脱
脂槽62内の第2脱脂液を吸入して気泡を発生させ、そ
の気泡を吐出して脱脂効果を促進させるようになってい
る。
【0031】第1脱脂槽61の第1脱脂液の温度は約7
0℃に保持されている。この第1脱脂液は80℃以上9
0℃以下にしたほうが高い脱脂効果が得られるが、第1
脱脂液の温度が75℃以上になると、ミストの発生量が
多くなり、ミストコレクタ83の能力を高くしなければ
ならず、設備が大型化するとともに高コストになってし
まう一方、第1脱脂液の温度が65℃以下になると、十
分な脱脂効果が得られないからである。また、第2脱脂
液の温度は最も脱脂効果が高い約60℃に保持されてい
る。第1脱脂液のように多量ミストが発生しないからで
ある。
【0032】皮膜化成処理液の温度は約45℃に保持さ
れている。この皮膜化成処理液も50℃以上55℃以下
にしたほうが高い処理効果が得られるが、処理液の温度
が50℃以上になるとミストの発生量が多くなり、処理
液の温度が40℃以下になると、十分な皮膜が生成され
ないからである。第1〜第3脱脂液洗浄槽63〜65
は、第3脱脂洗浄槽に常時新しい洗浄水が供給され、第
3洗浄槽内で汚染された洗浄水は第2洗浄槽に排水さ
れ、第2洗浄槽内で汚染された洗浄水は第1洗浄槽に排
水され、第1洗浄槽で汚染された洗浄水が槽外に排水さ
れるようになっている。第1〜第3皮膜化成処理液洗浄
槽も同様な構成となっている。
【0033】電着処理槽52は、容量が略20リットル
の円筒形状の処理槽からなり、さらに攪拌器86および
液面センサー87が設けられている。攪拌器86は、先
端部にフィン86cが取り付けられた軸86bをモータ
86aに取り付けたものであり、モーター86aにより
フィン86cを軸86bと一体的に回転させて電導性塗
料液85の液面高さを略一定に保持しつつ処理槽52の
側面に沿って円周状に回転させて攪拌するようになって
いる。また、液面センサー87は、塗料液85の液面高
さの下限位置にセットされ、塗料液の液面がこの下限以
下になると、警報情報を出力し、作業者に塗料液の補給
を促すようになっている。
【0034】後処理ユニット53は、被塗装物の表面か
ら電気的に未吸着な塗料液を除去して洗浄する洗浄液を
収納する第1〜第3塗料液洗浄槽70〜72と、被塗装
物にエアを吹き付けるエアブロー槽73とを備えてい
る。第1〜第3塗料液洗浄槽70〜72およびエアブロ
ー槽73も正四角形柱状で容量が略18リットルの略同
サイズの処理槽からなっている。
【0035】図1中、二点鎖線で示される搬送装置54
は、図3に示すように、チェーン91にブラケット92
を介してアタッチメント93およびコロ94を取り付
け、アタッチメント93をチェーンレール95に沿って
搬送するコンベア式の搬送装置からなる。アタッチメン
ト93のフック部93aには、図4に示されるハンガー
100が懸架されるようになっている。チェーン91に
直接アタッチメント93およびコロ94を取り付けた簡
単な構成にできたのはハンガー100が軽量だからであ
る。
【0036】ハンガー100は、図4(a)に示すよう
に、アタッチメント93aに懸架する板状部材101に
2本の棒状部材102の一端を接合し、棒状部材102
の他端に板状の支持部103を接合したものである。支
持部103には、平行な4本の直線ガイド溝が設けられ
ており、図4(b)に示すように、そのガイド溝端に例
えばタイロッドバーやボールジョイント等からなる被塗
装物47の一端部を係合支持するようになっている。ま
た、支持部103は被塗装物47が落下しないように水
平方向に対して傾斜をもたせている。
【0037】搬送装置54は、図1中、矢印で示される
着荷位置でアタッチメント93に懸架されたハンガー1
00を図1中、二点鎖線と直交する線分で示される略一
定の搬送ピッチで、前処理ユニット51、電着処理槽5
2および後処理ユニット53の各処理槽に順次に搬送
し、ハンガー100に支持された被塗装物47をそれぞ
れの処理槽に浸漬するようになっている。
【0038】第1および第2脱脂槽61、62、第1〜
第3脱脂液洗浄槽63〜65、第1〜第3皮膜化成処理
液洗浄槽67〜69、並びに、第1〜第3塗料液洗浄槽
70〜72においては、被塗装物47の全体がそれぞれ
の処理液に浸漬されるようになっている。また、皮膜化
成処理槽66および電着処理槽52においては、ハンガ
ーの支持部103よりも下方側が処理液に浸漬され、ハ
ンガー100に支持された被塗装物47の一部に処理が
施されるようになっている。また、エアシャワー槽は、
被塗装物47に施された塗装膜以外の表面の水滴を除去
して錆を防止するものである。搬送装置54により搬送
されたハンガー100は図1中、矢印で示される脱荷位
置でアタッチメント93から取り外され、台車55に装
着される。
【0039】台車55は、図5に示すように、車輪55
bを有する架台55aの上部に直方体状のフレーム55
Cを設け、長手方向に対し両側のフレーム55C上面に
ハンガー100の板状部材101の両端側をそれぞれ懸
架支持する支持部材55dを同一間隔で設けたものであ
り、20個のハンガーが懸架されるようになっている。
なお、5台の台車55のうち、3台は焼付乾燥炉56に
収納され、もう1台は空冷用に、他の1台は搬送装置5
4の着荷および脱荷の作業用に交替で用いられる。
【0040】焼付乾燥炉56は、1台の台車55を収納
し、台車55に懸架されたハンガー100に係合支持さ
れた被塗装物47の塗膜を加熱硬化する熱風循環式の焼
付乾燥炉からなる。壁部には断熱部材が設けられてい
る。なお、56cは台車55を収納するドアである。ド
ア56cと対向する側壁には2つの熱風供給孔56a、
56bおよび排気孔56cが設けられており、熱風はヒ
ータ111および112から熱風供給孔56a、56b
を通して供給されるとともに、排気孔56cを通してヒ
ータ112に排気されて循環される。
【0041】排気孔56c内には図示しない温度センサ
が設けられ、200℃を超えた場合にはヒータ111が
停止して炉内温度を約200℃に保持するようになって
いる。炉内に収納した直後の被塗装物の塗膜の急激な温
度上昇を抑えつつ、その後速やかに所定温度に上昇させ
て効率の良い焼付乾燥を行うためである。炉内温度を1
95℃以下にすると処理時間がかかってしまい、炉内温
度を205℃以上にすると焼けすぎとなってしまうから
である。
【0042】次に、作用を説明する。まず、本電着塗装
システムの概略工程を説明する。被塗装物47はハンガ
ー100に4本毎に係合支持され図1に示される着荷位
置に懸架される。ハンガー100は搬送装置の搬送ピッ
チ54の搬送ピッチ毎に順次前処理ユニット51、電着
処理槽52および後処理ユニット53の各処理槽に順次
に搬送し、ハンガー100に支持された被塗装物47を
それぞれの処理槽に浸漬される。
【0043】このとき、第1および第2脱脂槽61、6
2、第1〜第3脱脂液洗浄槽63〜65、第1〜第3皮
膜化成処理液洗浄槽67〜69、並びに、第1〜第3塗
料液洗浄槽70〜72においては、被塗装物47の全体
がそれぞれの処理液に浸漬される。また、皮膜化成処理
槽66および電着処理槽52においては、ハンガーの支
持部103よりも下方側が処理液に浸漬され、ハンガー
100に支持された被塗装物47の一部に処理が施され
る。エアシャワー槽では、被塗装物47にエアが吹き付
けられ、被塗装物47表面の水滴が除去される。
【0044】搬送装置54により搬送されたハンガー1
00は図1中、矢印で示される脱荷位置でアタッチメン
ト93から取り外され、順次台車55に懸架される。所
定数のハンガー100が台車に懸架されると、台車55
は焼付乾燥炉56に収納され、所定時間後に塗装物47
の塗膜が加熱硬化される。焼付乾燥処理が終了すると、
台車55は焼付乾燥炉56から取り出され、被塗装物4
7はそのまま台車55上で空冷される。
【0045】図7は本電着塗装システムと図8に示され
た従来のシステムとの各工程別の処理時間を比較したも
のである。図7に示すように、本システムでは、従来の
システムに対し、工水ミスト工程、表面調整工程の代わ
りに第3脱脂液水洗工程が設けられ、前処理工程および
後処理工程の純粋ミスト工程が省略され、エアブロー工
程が追加されている。また、焼付乾燥後の空冷は、特に
ブース等を設けずに台車55上で行われている。
【0046】前処理工程から後処理工程においては、各
工程は特に第1および第2脱脂工程、皮膜化成処理工
程、電着塗装工程で大幅な処理時間の短縮が行われ、全
体として15分50秒が略半分の8分に短縮されてい
る。焼付工程においても40分の処理時間が30分に短
縮されている。その他は、空冷工程と搬送装置による搬
送時間を示しており、従来の搬送装置6では、ハンガー
40の着荷から脱荷までの搬送距離が約240mにもな
り、全工程にわたり120分を要していた。これに対
し、本システムの搬送装置54の搬送距離は約6.4m
であり、ハンガー100の着荷から脱荷まで12分30
秒である。故に搬送ロス時間は4分30秒であり、この
搬送時間の短縮が全工程の処理時間の短縮に大きく寄与
している。
【0047】次に、電着処理槽52における浸漬処理に
ついて説明する。図8に示された従来の電着処理槽は2
0t(トン)規模の処理槽からなり、収納された電導性
塗料液を大型ポンプで循環していたので、その液面は波
立っていた。また、塗料液に被塗装物が支持された複数
のハンガー40を浸漬していくと、ハンガーの数に応じ
てその液面高さが変化してしまっていた。
【0048】これに対し、図2に示された電着処理槽5
2では、攪拌器86により電導性塗料液85の液面高さ
を略一定に保持しつつ処理槽52の側面に沿って円周状
に回転させて攪拌するようになっている。また、搬送装
置54によりハンガー100に支持された被塗装物47
の一部を塗料液85に浸漬しても、その液面高さはほと
んど変化しない。このように塗料液の液面高さが略一定
に保持されるので、被塗装物47の一部塗装を安定して
行うことができるうようになった。
【0049】このように、本実施例では、搬送装置54
により複数の被塗装物47がそれぞれ係合支持されたハ
ンガー100を順次30秒の処理時間かつ同一の搬送ピ
ッチで、複数の前処理槽61〜69、電着処理槽52、
複数の後処理槽70〜73に搬送して被塗装物47の表
面に塗膜が生成され、これらのハンガー100を台車5
5に懸架して、台車ごと焼付乾燥炉56に収納して被塗
装物の塗膜が加熱硬化されるように構成している。
【0050】このため、大がかりな設備となる従来のシ
ャワー方式の電着塗装システムに対し、構成の簡単な複
数の浸漬処理槽により電着塗装システムを構成し、各処
理槽における処理時間を20秒以上40秒以内で行うこ
とができるので、ハンガーを滞留させる余分な搬送経路
を延在して設ける無駄を排除することができる。処理時
間が20秒以下となると、各処理を十分に行うことがで
きず、処理時間が40秒以上となると、各処理槽の処理
時間のバランス上、特定の処理槽の上流側の搬送経路上
に多数のハンガーが滞留してしまうからである。したが
って、搬送装置54の搬送経路を短くすることができる
ので、システム全体を小型化し、かつその処理時間を短
縮することができる。
【0051】また、処理時間のかかる焼付乾燥処理をコ
ンベア搬送装置による自動化ラインから分離して3台の
焼付乾燥炉56を設けたので、長大な焼付乾燥炉を設け
ずに小型の焼付乾燥炉により焼付乾燥処理を行うことが
できる。したがって、小型、低コストかつ処理時間を短
縮することができる電着塗装システムを提供することが
できる。特に多品種少量製品や小型製品等に好適であ
る。
【0052】また、本実施例では、複数の前処理槽を第
1脱脂槽61、第2脱脂槽62および皮膜化成処理槽6
6を含み、第2脱脂槽62および皮膜化成処理槽66以
外の各前処理槽が正四角形柱状かつ容量が略18リット
ルの処理槽からなり、第2脱脂槽62および皮膜化成処
理槽66が長方形柱状かつ容量が略36リットルの処理
槽からなるように、電着処理槽52が円筒状かつ容量が
略20リットルの処理槽からなるように、複数の後処理
槽が正四角形柱状かつ容量が略18リットルの処理槽か
らなるように構成している。
【0053】このため、各処理槽を略18リットル、略
20リットルまたは略36リットルの小容量の処理槽に
より構成し、各処理槽を互いに隣接して配設することが
できるので、搬送装置54によりハンガー100を略同
一間隔で搬送することができる。したがって、システム
を小型化することができるとともに、搬送装置54の構
成を簡素化することができる。
【0054】また、本実施例では、電着処理槽52に、
電着処理槽52に収納された電導性塗料液85を攪拌す
る攪拌器86を設け、攪拌器86によりその液面高さを
略一定に保持するように電導性塗料液85が攪拌され、
ハンガー100により4本の被塗装物47が水平方向に
並列するよう被塗装物47のそれぞれの一端部が係合支
持され、搬送装置54によりハンガー100の支持部1
03よりも下方側が電着処理槽52の電導性塗料液85
に浸漬され、ハンガー100に支持された被塗装物47
の一部に電着塗装が施される。
【0055】このため、被塗装物の一部に電着塗装を施
すことができるので、塗装が不要な部分の機械加工の手
間を不要とする若しくは軽減することができる。また、
ハンガーの全部または一部の表面に塗装を施さずに被塗
装物に電着塗装を施すことができるので、ハンガーを再
使用するために塗装を剥離する手間を不要とする若しく
は軽減することができる。
【0056】また、本実施例では、第1脱脂液の温度を
65℃以上75℃以下に保持するので、第1脱脂液の処
理能力を確保しつつ、ミストの発生量を低減することが
できる。したがって、換気設備も小型化することができ
る。第1脱脂液の温度が65℃未満になると、十分な脱
脂効果が得られず、また75℃以上になるとミストの発
生量が増加してしまい換気設備が大型化してしまうから
である。
【0057】また、皮膜化成処理液の温度を40℃以上
50℃以下に保持しているので、皮膜化成処理液の処理
能力を確保しつつ、ミストの発生量を低減することがで
きる。したがって、換気設備も小型化することができ
る。皮膜化成処理液の温度が40℃未満になると、十分
な皮膜が得られず、また50℃以上になるとミストの発
生量が増加してしまい換気設備が大型化してしまうから
である。
【0058】さらに、焼付乾燥炉56の炉内温度を19
5℃以上205℃以下に保持するので、なま焼けや焼き
すぎを防止するとともに、炉内に収納した直後の被塗装
物の塗膜の急激な温度上昇を抑えつつ、その後速やかに
所定温度に上昇させて効率の良い焼付乾燥を行うことが
できる。炉内温度が195℃以下にすると処理時間がか
かってしまい、炉内温度を205℃以上にすると焼けす
ぎとなってしまうからである。
【0059】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、搬送手段
により複数の被塗装物がそれぞれ係合支持されたハンガ
ーを順次20秒以上40秒以内の処理時間で、複数の前
処理槽、電着処理槽、複数の後処理槽に搬送して被塗装
物の表面に塗装膜を生成し、これらのハンガーを台車に
懸架して、台車ごと焼付乾燥炉に収納して被塗装物の塗
膜を加熱硬化するように構成している。
【0060】このため、大がかりな設備となる従来のシ
ャワー方式の電着塗装システムに対し、構成の簡単な複
数の浸漬処理槽により電着塗装システムを構成し、各処
理槽における処理時間を20秒以上40秒以内で行うの
で、ハンガーを滞留させる余分な搬送経路を延在して設
ける無駄を排除することができる。処理時間が20秒以
下となると、各処理を十分に行うことができず、処理時
間が40秒以上となると、各処理槽の処理時間のバラン
ス上、特定の処理槽の上流側の搬送経路上に多数のハン
ガーが滞留してしまうからである。したがって、搬送手
段の搬送経路を短くすることができるので、小型かつ処
理時間を短縮することができる電着塗装システムを提供
することができる。
【0061】また、処理時間のかかる焼付乾燥処理を搬
送手段による自動化ラインから分離して複数の焼付乾燥
炉を設けたので、長大な焼付乾燥炉を設けずに小型の焼
付乾燥炉により焼付乾燥処理を行うことができる。した
がって、小型、低コストかつ処理時間を短縮することが
できる電着塗装システムを提供することができる。特に
多品種少量製品や小型製品等に好適である。また、電着
処理槽に、該電着処理槽に収納された電導性塗料液を攪
拌する攪拌手段を設け、前記攪拌手段により電導性塗料
液の液面高さを略一定に保持するように電導性塗料液を
攪拌し、前記ハンガーにより複数の被塗装物が水平方向
に並列するよう被塗装物のそれぞれの一端部を係合支持
し、前記搬送手段によりハンガーの支持部よりも下方側
が前記電着処理槽の電導性塗料液に浸漬し、該ハンガー
に支持された被塗装物の一部に電着塗装を施こすように
構成した。 このため、被塗装物の一部に電着塗装を施す
ことができるので、塗装が不要な部分の機械加工の手間
を不要とする若しくは軽減することができる。また、ハ
ンガーの全部または一部の表面に塗装を施さずに被塗装
物に電着塗装を施すことができるので、ハンガーを再使
用するために塗装を剥離する手間を不要とする若しくは
軽減することができる。
【0062】請求項2記載の発明によれば、前記複数の
前処理槽が第1脱脂処理槽、第2脱脂処理槽および皮膜
化成処理槽を含み、前記第2脱脂槽および前記皮膜化成
処理槽以外の各前処理槽が正四角形柱状で略18リット
ル容量を有する処理槽からなり、前記第2脱脂処理槽お
よび前記皮膜化成処理槽が該処理槽を2つ並べた長方形
柱状で略36リットル容量を有する処理槽からなるよう
に、前記電着処理槽が円筒形状で略20リットル容量を
有する処理槽からなるように、前記複数の後処理槽が正
四角形柱状で略18リットル容量を有する処理槽からな
るように構成している。
【0063】このため、各処理槽を略18リットル、略
20リットルまたは略36リットルの小容量の処理槽に
より構成し、各処理槽を互いに隣接して配設することが
できるので、搬送手段によりハンガーを略同一間隔で搬
送することができる。したがって、システムを小型化す
ることができるとともに、搬送手段の構成を簡素化する
ことができる。
【0064】
【0065】
【0066】請求項記載の発明によれば、前記第1脱
脂液の温度を65℃以上75℃以下に保持するので、第
1脱脂液の処理能力を確保しつつ、ミストの発生量を低
減することができる。したがって、換気設備も小型化す
ることができる。また、前記皮膜化成処理液の温度を4
0℃以上50℃以下に保持しているので、皮膜化成処理
液の処理能力を確保しつつ、ミストの発生量を低減する
ことができる。したがって、換気設備も小型化すること
ができる。
【0067】さらに、前記焼付乾燥炉の炉内温度を19
5℃以上205℃以下に保持するので、炉内に収納した
直後の被塗装物の塗膜の急激な温度上昇を抑えつつ、そ
の後速やかに所定温度に上昇させて効率の良い焼付乾燥
を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の電着塗装システムの全
体構成を示す図である。
【図2】電着処理槽52の要部断面図である。
【図3】コンベア式搬送装置54の要部を示す図であ
る。
【図4】ハンガー100を示す図であり、同図(a)は
その斜視図であり、同図(b)は被塗装物47を係合支
持した状態を示す要部断面図である。
【図5】台車55を示す斜視図である。
【図6】焼付乾燥炉56の要部断面図である。
【図7】本システムと従来システムとの処理時間の比較
を示す図である。
【図8】従来の電着塗装システムの一例を示す図であ
る。
【図9】各処理ブース11〜21を示す図であり、同図
(a)はその要部を示す図であり、同図(b)はハンガ
ー30に処理液を多数のノズルから供給するシャワー室
を示す図である。
【図10】トロリー式搬送装置6の要部を示す図であ
る。
【図11】ハンガー40を示す斜視図である。
【図12】図11に示されたハンガー40を示す図であ
り、同図(a)は図11中、矢印A方向からハンガーを
視た図であり、同図(b)はフック46に被塗装物47
が係合支持された状態を示す図である。
【符号の説明】
1 前処理ユニット 2 電着塗装ユニット 2a 電着処理槽 3 後処理ユニット 4 焼付乾燥炉 5 空冷ブース 6 搬送装置 11 第1脱脂ブース 12 第2脱脂ブース 13 第1脱脂液水洗ブース 14 第2脱脂液水洗ブース 15 工水ミストブース 16 表面調整ブース 17 化成処理ブース 18 第1化成処理液水洗ブース 19 第2化成処理液水洗ブース 20 第3化成処理液水洗ブース 21 純水ミストブース 22 第1塗料液洗浄ブース 23 第2塗料液洗浄ブース 24 第3塗料液洗浄ブース 25 純水ミストブース 26 空間部 31 チェーン 32 トロリー 33 チェーンレール 40 ハンガー 47 被塗装物 51 前処理ユニット 52 電着処理槽 52a 整流器 53 後処理ユニット 54 搬送装置 55 台車 56 焼付乾燥炉 61 第1脱脂槽 62 第2脱脂槽 63 第1脱脂液水洗槽 64 第2脱脂液水洗槽 65 第3脱脂液水洗槽 66 皮膜化成処理槽 67 第1皮膜化成処理液水洗槽 68 第2皮膜化成処理液水洗槽 69 第3皮膜化成処理液水洗槽 70 第1塗料液洗浄槽 71 第2塗料液洗浄槽 72 第3塗料液洗浄槽 73 エアブロー槽 81、82 油水分離装置 83 ミストコレクタ 84 気泡流発生装置 85 電導性塗料液 86 攪拌器 87 液面センサ 91 チェーン 94 チェーンレール 95 アタッチメント 100 ハンガー 103 支持部 111、112 ヒータ

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】被塗装物の表面に付着した付着物を除去し
    て前処理を行う複数種類の前処理液をそれぞれ収納する
    複数の前処理槽と、 前処理が行われた被塗装物の表面に電着塗装を施す電導
    性塗料液を収納する電着処理槽と、 電着塗装が施された被塗装物の表面に残留する電気的に
    未吸着な塗料液を除去して洗浄する後処理液を収納する
    複数の後処理槽と、 複数の被塗装物のそれぞれの一端部を係合支持するハン
    ガーと、 前記ハンガーを所定間隔で懸架して前記複数の前処理
    槽、電着処理槽および複数の後処理槽に順次に搬送して
    該ハンガーに係合支持された被塗装物をそれぞれの処理
    液に浸漬する搬送手段と、 複数のハンガーを懸架する複数の台車と、 該複数の台車のうち何れか1台の台車を収納し、該台車
    に懸架されたハンガーに係合支持された被塗装物の塗膜
    を加熱硬化する複数の焼付乾燥炉と、を備え、 前記複数の前処理槽、電着処理槽、並びに、複数の後処
    理槽の各処理槽におけるそれぞれの処理時間を20秒以
    上40秒以下に設定し、 前記電着処理槽に、該電着処理槽に収納された電導性塗
    料液を攪拌する攪拌手段を設け、該攪拌手段が、電導性
    塗料液の液面高さを略一定に保持するように電導性塗料
    液を攪拌し、 前記ハンガーが、複数の被塗装物が水平方向に並列する
    よう被塗装物のそれぞれの一端部を係合支持し、 前記搬送手段が、該ハンガーの支持部よりも下方側を前
    記電着処理槽の電導性塗料液に浸漬し、該ハンガーに支
    持された被塗装物の一部に電着塗装を施すようにしたこ
    とを 特徴とする電着塗装システム。
  2. 【請求項2】前記複数の前処理槽が、被塗装物の表面に
    付着した鉱物油を主成分とする油脂類を除去する第1脱
    脂液を収納する第1脱脂処理槽と、被塗装物の表面に付
    着した動植物油を主成分とする油脂類を除去する第2脱
    脂液を収納する第2脱脂処理槽と、被塗装物の表面に塗
    装下地用の不水溶性皮膜を生成する皮膜化成処理液を収
    納する皮膜化成処理槽と、を含み、 前記第2脱脂処理槽および前記皮膜化成処理槽以外の各
    前処理槽が、正四角柱状で略18リットル容量を有する
    処理槽からなり、前記第2脱脂処理槽および前記皮膜化
    成処理槽が、該処理槽を2つ並べた長方形柱状で略36
    リットル容量を有する処理槽からなり、 前記電着処理槽が、円筒形状で略20リットル容量を有
    する処理槽からなり、 前記複数の後処理槽が、正四角柱状で略18リットル容
    量を有する処理槽からなることを特徴とする請求項1記
    載の電着塗装システム。
  3. 【請求項3】前記第1脱脂液の温度を65℃以上75℃
    以下に保持し、 前記皮膜化成処理液の温度を40℃以上50℃以下に保
    持し、 前記焼付乾燥炉の炉内温度を195℃以上205℃以下
    に保持したことを特徴とする請求項1記載 の電着塗装シ
    ステム。
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