JP2915768B2 - 陶磁質れんが - Google Patents

陶磁質れんが

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  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば舗道の敷石等
に用いられる陶磁質れんがに関するものである。
【0002】
【従来の技術】舗道の敷石等に用いられる陶磁質れんが
には、焼成前の素地に下記のような素地とは異なる色の
着色剤を配合してから焼成することにより表面に素地と
は異なる色の斑点を散在させ、天然石材に擬せられた構
成のものが提供されている。
【0003】すなわち、上記着色剤としては、例えば
素地の焼結温度より高融点の粒状体(例:フォルテライ
ト、マグネタイト、黒雲母等の含鉄酸化物質)、予め
顔料(例:クロム鉄鉱、MnO系酸化物)と混合しカッ
プリングさせた素地と同質の顆粒状材料、素地の焼結
温度より低融点の粒状体(例:上記酸化物を含有するガ
ラス)等が採用されている。
【0004】上記素地の焼結温度より高融点の粒状体
を使用した場合、陶磁質れんがのマトリクス中には焼成
によっても該顆粒状物質が溶融しないで残存することに
なり、これによって得られた陶磁質れんがの表面にはい
わゆる御影石状の斑点が表れるとともに、該粒状体が突
出した粗面が形成される。
【0005】また、予め顔料と混合しカップリングさ
せた素地と同質の材料を使用した場合、焼成によって素
地全体が均一に焼結する一方、上記顔料だけが素地とは
異なる色に発色するので、れんが成形型の内面に応じた
平坦な表面に素地とは異なる色の斑点を散在した製品が
得られる。
【0006】さらに、素地の焼結温度より低融点の粒
状体を使用した場合、焼成によって素地が焼結する前に
該粒状体が溶融してマトリクス中に浸透拡散し、焼成後
に冷却されるとそのままの状態で凝固することになり、
これによって得られた製品には光沢のない素地に素地と
は異なる色で、かつ光沢を備える斑点が散在した表面が
形成される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記〜
の着色剤のいずれを使用した構成においても、以下の
ような難点がある。
【0008】すなわち、上記素地の焼結温度より高融
点の粒状体を着色剤とした製品では、該素地表面より突
出した該粒状体が素地に対してあまりにも際立った対照
をなすため、異種物質を混合した人造物との印象を免れ
得ず、天然石材の「風合い」からは程遠い仕上がりとな
る。
【0009】また、予め顔料と混合しカップリングさ
せた素地と同質の材料を着色剤とした製品は、上記のと
おり陰影に乏しい平坦な表面を備えることになり、この
構成によっても天然石材の「風合い」からはかけ離れた
仕上がりとなる。
【0010】さらに素地の焼結温度より低融点の粒状
体を着色剤とした場合には、上記、の着色剤を用い
た構成に比べると素地と斑点との間の違和感が少なく、
若干の凹凸も表面に形成されるためより望ましい仕上が
りとなるものの、依然として天然石材の「風合い」を再
現するには到らず、より一層の改善が望まれている。
【0011】本発明は上記従来の事情に鑑み提案された
ものであって、天然石材のもつ「風合い」をより忠実に
再現できるようにした陶磁質舗道用れんがを提供するこ
とを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本発明は以下の手段を採用する。すなわち、焼成前
の素地に該素地の焼結温度よりも低融点の着色剤を配合
し、焼成することにより表面に素地とは異なる色の斑点
を散在させてなる陶磁質れんがにおいて、上記着色剤と
して、鉄−リン合金を含有する粒径0.1〜3mmの粒状
体を用いた陶磁質れんがである。
【0013】
【作用】上記の構成において、着色剤として添加した鉄
−リン合金を含有する粒状体は、焼成によって鉄分及び
リン分が雰囲気中の酸素あるいは素地との間で体積膨張
を伴う酸化反応を起こし、製品の表面に盛り上がった斑
点を散在させる。しかも、リン化鉄が灰黒色で融点が1
100℃(FeP3 )であり、空気との接触によって周
囲の素地と共触を起こし、黒点を生成することになる。
【0014】上記鉄−リン合金を含有する粒状体は純粋
な金属鉄とリン原料(赤リン)とを混合して例えば溶解
用キュポラ内でコークス粉とともに加熱することにより
得られる、いわゆる合成鉄−リン合金を使用することが
できる。
【0015】また本発明では上記溶解用キュポラ内に投
入する鉄源として、例えば上記純粋な金属鉄に代えて都
市ゴミ焼却灰や溶融スラグから回収された磁選鉄、低品
位スクラップ鉄、或いは鋳物鉄を用いることができ、ま
た同じくリン原料として下水道汚泥やヘドロ等の富養物
を用いることができる。
【0016】さらに近年では下水道汚泥をそのまま砕石
と混合して溶融スラグとする製鋼方法があるが、これに
よって生成される水砕スラグや空冷スラグにも鉄−リン
合金が豊富に含有されており、これより磁選によって直
接回収される鉄−リン合金を含有する粒状体を採用する
こともできる。
【0017】またさらに鉄−リン合金を含有している下
水道汚泥や都市ゴミ焼却灰、溶融スラグをそのまま本発
明の着色剤として使用してもよい。従って、これら鉄−
リン合金を含有する粒状体には、SiO2-Al2O3-CaOを主成
分とする不純物や金属鉄(Fe)及び鉄系低次酸化物等
が不可避的に随伴されるが、かかる不純物等も焼成時に
上記雰囲気中の酸素あるいは素地との間で酸化反応を生
じ、上記斑点の素地表面からの「盛り上がり」を促進
し、却って趣のある製品を得ることができる。
【0018】この発明において上記鉄−リン合金を含有
する粒状体の粒径は0.1〜3mmとすることが必要であ
り、かかる粒度とするために、例えば上記溶融スラグを
含む鉄−リン合金塊をジョークラッシャー、エッジラン
ナー、フレットミル等で粗砕し、3mm目の振動篩又は傾
斜篩にかけるようにする。
【0019】これに反して例えば3mmを超える鉄−リン
合金を含む粒状体を着色剤として用いた場合、未酸化の
金属鉄やカーボンが過量に多く含有されるため、焼成時
の酸化反応の進行が阻害されるか、あるは逆に該粒状体
の酸化膨張が大きくなり過ぎて素地表面を汚損する等の
弊害があるので好ましくない。それとは反対に粒径0.
1mm未満の鉄−リン合金を含む粒状体によっては上記素
地表面より盛り上がる斑点が形成され難くなり、上記範
囲での粒度調整を行うことが望ましい。
【0020】上記鉄−リン合金は種々の不純物を含有し
てなること、及び様々な種類の素地に適用できるところ
から、鉄−リン合金の配合量は特に限定されないが、実
験的には1〜50重量%の範囲で望ましい結果が得られ
ており、1重量%未満であると製品表面の斑点がほとん
ど視認できず、50重量%を超えると焼成時の熱膨張に
よる変形が著しく歩留まりを低下させる。
【0021】この発明では素地の組成については何ら限
定するものではないが、上記のように焼成時において溶
融した鉄−リン合金を含有する粒状体がマトリクス内を
浸透拡散できるように焼成後1〜10%の吸水性気孔を
形成するような材料組成及び粒度の調整がなされること
が望ましく、また斑点の色との対比を鮮明にする等、適
切な材料選定を行うことが望ましい。
【0022】
【実施例】以下、実施例に基づき本発明について説明す
る。後述する第1乃至第4の実施例に共通して下記表1
に示すような粒度・組成の素地土を使用した。該素地土
は磁器化温度:1250℃、融点:1380℃であり、
単独で焼結させると1〜10%の吸水性気孔を形成す
る。
【0023】かかる素地土に混練にあたっては、各原料
をシンプソンタイプの混合機に投入し、外掛け1重量%
のパルプ廃液と、同じく3〜4重量%の混練水を加えて
行った。
【0024】
【表1】
【0025】また第1乃至第4の実施例では下記表2に
示す鉄−リン合金(例えばFeP2,FeP,Fe
2 P,Fe3 P)を主成分とする(a) 〜(d) の着色剤を
単独あるいは組み合わせて使用した。
【0026】このうち、着色剤(a) は、鋳物溶解用キュ
ポラにコークス粉とともに投入されて溶解した金属鉄
に、さらに赤リンを加えることにより高リン鋳物鉄とし
て得られた合金を粉砕したものであり、鉄、リン以外の
不純物の含有量の低い合成鉄−リン合金であるが、それ
によってもなお、表2中に示されるようにSiO2-Al2O3-C
aOを主成分とする不純物が不可避的に随伴している。
【0027】また、着色剤(b) は下水道汚泥溶融スラグ
を磁選して回収できた磁選鉄を用いており、上記着色剤
(a) よりも鉄及びリン以外の不純物を多量に含有してい
る。さらに着色剤(c),(d) は、上記磁選を行わない下水
道汚泥溶融スラグをそのまま粉砕した粒状体を使用して
いるため、着色剤(b) よりもさらに多量の不純物を含有
している。
【0028】尚、表2に記載された組成中、鉄、リンは
酸化物として分析しており、そのため各着色剤の組成の
合計は100を超えている。
【0029】
【表2】
【0030】〔第1実施例〕粒径2.5〜1mmに粉砕し
た着色剤(d) と酸化鉄(ベンガラ)とを、表1に示す素
地88重量%に対してそれぞれ10重量%、2重量%添
加して合量100重量%とし、さらにリグニンスルフォ
ン酸1重量%及び混練水分5重量%を加え、油圧プレス
にて成形した。該成形品を1250℃で焼成したとこ
ろ、上記鉄−リン合金は溶融し、周囲の素地の機構等へ
浸透拡散するとともに、鉄分とともに随伴物質である低
次酸化鉄が酸化膨張することにより、黒色で潤みの有る
斑点が白色で単調な周囲の素地より盛り上がるようにし
て形成された。
【0031】また製品の表面を子細に観察すると素地に
形成されている吸水性気孔内に上記溶融した着色剤(d)
がガラス質状に浸透している様子が確認できた。そこ
で、強度比較を行うために素地だけで同形に成形し、同
条件で焼成して得られた比較品の曲げ破壊係数及び吸水
性気孔を測定してみると、それぞれ50kgf/cm2 、11
%であったのに対し、この実施例に係る製品では90kg
f/cm2 、6%と、強度及び緻密度が向上していた。
【0032】〔第2実施例〕粒径2〜0.5mmに粉砕し
た着色剤(a) と、粒径2.5〜1mmに粉砕した着色剤
(d) との等量混合物を素地94重量%に対して5重量%
添加するとともに、酸化鉄(ベンガラ)1重量%添加し
て合量100重量%とし、さらに上記第1の実施例と同
条件で成形・焼成を行ったところ、薄茶色の素地に金属
光沢を有する灰黒色の斑点を備える製品が得られた。
【0033】〔第3の実施例〕粒径1mm以下の着色剤
(b) を、素地95重量%に対して5重量%添加して合量
100重量%とし、上記第1の実施例と同条件で成形・
焼成したところ、全体に灰黒色を呈した素地の中に1〜
3mmの潤みの有る黒点が盛り上がって散在する製品が得
られた。
【0034】〔第4の実施例〕粒径3mm以下の着色剤
(c) を素地60重量%に対して40重量%添加し、焼成
したところ、上記着色剤(c) に含有されているSiO2-Al2
O3-CaO系のガラス状物質が全体に拡散するとともに、鉄
−リン合金が周囲の素地中に拡散浸透し、金属光沢の灰
黒色の斑点を形成した。
【0035】この実施例では上記着色剤(c) の添加量が
上記他の実施例に比べて多量であるとことから、焼成後
の製品を叩いてみると金属音を発し、高い強度が付与さ
れていることがわかった。
【0036】尚、上記第1乃至第4の実施例においては
いずれも乾式成形した素地を焼成しているが、水分を多
量に含む練土を湿式成形してもよく、また乾式成形によ
って成形された素地の表面に鉄−リン合金を含有する粒
状体を混入した練土状の素地を積層して焼成することも
可能である。
【0037】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、焼成前の
素地に、該素地の焼結温度よりも低融点の鉄−リン合金
を含有する粒径0.1〜3mmの粒状体を着色剤として配
合し、焼成することにより、天然石材に見られるような
黒色乃至灰黒色の潤みの有る斑点を散在させた表面性状
を備える陶磁質れんがを得ることができる。
【0038】しかも、上記着色剤は、焼成によって素地
中に浸透拡散して素地の吸水性気孔を閉塞することにな
るので、製品を緻密化するとともに高い強度を付与する
という付随的効果をも奏する。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焼成前の素地に該素地の焼結温度よりも
    低融点の着色剤を配合し、焼成することにより表面に素
    地とは異なる色の斑点を散在させてなる陶磁質れんがに
    おいて、 上記着色剤として、鉄−リン合金を含有する粒径0.1
    〜3mmの粒状体を用いることを特徴とする陶磁質れん
    が。
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