JP2915303B2 - スライドスイッチの防水構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は防水構造に係り、特に
携帯機器の側面スライドスイッチの防水構造に関するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】携帯機器その他の装置において、内部の
基盤に搭載されたスライドスイッチ等のメカニカルスイ
ッチを装置の外から操作するには、筐体に穴をあけて、
外からノブを介してそのスライドスイッチを動作させる
ようにする必要がある。装置に防水機能を持たせるに
は、この穴を何らかの形でふさがなければならない。そ
の方法として、一般に、Ｏリングを筐体とノブの間に挟
み込み、穴の周囲を密封して水の浸入を防ぐことによる
防水構造がとられていた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
Ｏリングによる防水構造では、以下の問題点があった。 スライドスイッチを動作させると、筐体、ノブおよび
Ｏリングの位置関係がその都度変化し、Ｏリングが本来
の場所からずれてしまうことがあり、その結果水が入り
やすくなることがある。

【０００４】筐体の穴の周囲にＯリングを設置し、こ
のＯリングが外から見えないようにノブで隠すために、
そのノブを大きくしなければならず、このことは、特に
小型化が進む携帯機器においては、デザイン上の制約と
なっていた。

【０００５】

【課題を解決するための手段】本発明は、スイッチの操
作レバーをノブを介して操作するスライドスイッチの防
水構造において、操作レバーの頭部を防水性および可撓
性を有するクッションでその操作レバーが動作可能に覆
い、フランジおよび凹部を有するノブのその凹部に操作
レバーの頭部をクッションを介して嵌め、そのノブが動
作可能となるように筐体にあけたノブ穴に、そのノブ
を、フランジが筐体とクッションの間に挟まれた状態で
取り付け、クッションのノブの周囲を筐体に密着させて
防水したことを特徴とする。

【０００６】

【作用】ノブを動作させると、この力はクッションを介
して操作レバーに伝わり、この操作レバーを動かしてス
ライドスイッチを機能させることができる。クッション
は可撓性を有するので、ノブと操作レバーの動きに追随
して動作する。このクッションは周辺部において筐体と
密着しているために、ノブ穴から浸入した水はクッショ
ンから装置内部に入ることができず、結局装置外部に流
出することになる。

【０００７】

【実施例】以下に本発明の実施例を、図を用いて説明す
る。図１は実施例の構造を示す説明図である。図におい
て、１はプリント基板であり、各種用途に応じた回路が
実装されている。２はスライドスイッチであり、プリン
ト基板１に接続している。スライドスイッチ２はスライ
ド動作可能な操作レバー３を有し、この操作レバー３を
動かすことによって機能して機器を制御する。図１で
は、紙面と垂直の方向にスライド動作することができ
る。

【０００８】４および５は実施例の装置の筐体であり、
この筐体４と筐体５を組み合わせて用いた場合に、後述
するスライドスイッチを操作するためのノブ穴６があい
た状態になるようにしてある。このノブ穴６の中に後述
するノブが収容されることになる。筐体４および筐体５
はそれぞれリブ７およびリブ８を有し、このリブ７およ
びリブ８が、後述するクッションを後述するプレートを
介して筐体に押しつけることになる。

【０００９】なお、装置の筐体は、このように２つの筐
体を組み合わせて構成する形式に限定されることなく、
一体成形によって製造してもよく、複数の部品を組み合
わせて構成する等の形式によって構成してもよい。９は
ノブであり、前記ノブ穴６にスライド動作ができるよう
に取り付けられ、そのノブ９の頭部は筐体の外方へ突出
し、外部からの操作が可能になっている。

【００１０】１０はフランジであり、ノブ９の図１にお
ける下部にノブ穴６よりも大きく形成されており、この
フランジ１０を筐体とクッションの間に挟んでおくこと
により、そのノブ９が外方に抜け出すことなくスライド
動作可能となる。また、ノブ９の図における下面には、
後述するクッションを介してスライドスイッチ２の操作
レバー３を嵌めることができるように、凹部１１を形成
してある。

【００１１】１２はクッションであり、防水性を有する
とともに可撓性と延性を有する材質、例えばゴムにより
成っている。このクッション１２は、リブおよび後述す
るプレートによって筐体の方向に押しつけられており、
クッション１２の図における上面の周囲に形成された突
起部１３は筐体に圧着している。この突起部１３がノブ
９の周囲を取り囲むようになっている。クッション１２
の突起部１３に囲まれた中央部には周辺部分よりも厚み
が少なくなった領域があり、クッション１２のこの領域
の一部がノブ９の凹部１１内に入ることになる。

【００１２】この突起部１３が筐体に圧着して潰れた状
態になり、筐体とクッション１２の隙間が埋められるこ
とにより、ノブ穴６から浸入した水は装置内部に入るこ
とができず、結局は外部へ排出されることになる。１４
はサポート板であり、前記クッション１２とリブの間に
介在し、前記クッションを筐体に押しつけている。この
サポート板１４の中央には前記操作レバー３をスライド
動作可能に通すための穴があいている。

【００１３】以下に、上記構成の実施例の動作を説明す
る。図２は実施例の動作を示す説明図である。この図２
では、スライドスイッチ２の操作レバー３は図の左右方
向に動作し、（ａ）、（ｂ）、（ｃ）の順に、図の左側
から右側へスライドする。クッション１２は可撓性を有
しており、操作レバー３の上部でノブ９の凹部１１に嵌
め込まれた状態になっている。ノブを図の右方向へ移動
させると、操作レバー３はクッション１２を介して押さ
れ、右方向へ移動する。クッション１２は移動するノブ
９と操作レバー３に追随して順次変形しながら、ノブ９
に加わる力を操作レバー３に伝達して行く。これはちょ
うどクッション１２の操作レバー３上の盛上がった部分
が、操作レバー３とともに右方向に移動してゆくように
みえることになる。

【００１４】このように、クッション１２が順次変形し
てゆくことにより、操作レバー３は右方向へ動き、これ
と同様にして左方向への動作も可能である。上述のよう
に、ノブ９を動かすことにより、操作レバー３を動かし
てスライドスイッチ２を機能させることができ、ノブ９
と操作レバー３の間には、常に、クッション１２が介在
しており、ノブ穴６から浸入した水は装置内部に浸入す
ることができず、結局装置外に排出されることになる。

【００１５】本発明はＯリングを用いることなく防水を
実現しているので、ノブでＯリングを覆う必要がなく、
ノブの形状を小さくすることも可能であり、装置の小型
化に寄与するとともに、デザイン上の自由度を高めるこ
とができる。さらに、ノブを動作させる際にも、本防水
構造には一切隙間ができないので、確実な防水を実現す
ることができる。

【００１６】

【発明の効果】以上説明したように、ノブと操作レバー
の間に、防水性のクッションを介在させ、このクッショ
ンを筐体に密着させて防水したことにより、ノブを動か
してスライドスイッチを機能させながらも、密閉性を損
なうことなく、確実な防水を実現する効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例の構造を示す説明図

【図２】実施例の動作を示す説明図

【符号の説明】

２ スライドスイッチ ３ 操作レバー ４ 筐体 ５ 筐体 ６ ノブ穴 ９ ノブ １０ フランジ １１ 凹部 １２ クッション １３ 突起部

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 スイッチの操作レバーをノブを介して操
   作するスライドスイッチの防水構造において、 操作レバーの頭部を防水性および可撓性を有するクッシ
   ョンでその操作レバーが動作可能に覆い、フランジおよ
   び凹部を有するノブの該凹部に前記操作レバーの頭部を
   前記クッションを介して嵌め、そのノブが動作可能とな
   るように筐体にあけたノブ穴に、そのノブを、フランジ
   が筐体とクッションの間に挟まれた状態で取り付け、前
   記クッションの周囲を前記筐体に密着させたことを特徴
   とするスライドスイッチの防水構造。
2. 【請求項２】 請求項１において、クッションにノブの
   周囲に渡って突起部を設け、該突起部を筐体に圧着させ
   たことを特徴とするスライドスイッチの防水構造。