JP2915244B2 - ガラス成型金型用合金 - Google Patents

ガラス成型金型用合金

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  • Re-Forming, After-Treatment, Cutting And Transporting Of Glass Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、Cu−Cr−Al−N
i−Fe合金からなるガラス成型金型用合金に関するも
のであって、ガラス成型金型として必要な諸条件を満た
していると共に金型表面に強固なアルミナ被膜を有する
ことを特徴としている。
【0002】
【従来の技術】ガラス成型用金型は、一般に鋳鉄、耐熱
鋼等により製造されているが、これらの材質の金型は、
1000℃を超す高温のガラスと接触した際に酸化し、
ガラス表面に酸化物を付着させたり、ガラスとの粘着性
が高く、離型性を悪化させたり、肌荒れと呼ばれる微細
な凹凸をガラス表面に形成する。このため、ガラス成型
用金型の表面に黒鉛を主体とした潤滑離型剤を塗布する
のが通例となっているが、この油性の潤滑離型剤にあっ
ては1時間に数回の頻度で人手により定期的に塗布する
ことが必要であり、またこれが燃焼して作業環境を悪化
させていた。さらに、ガラス製品表面に黒煙粉末が付着
することが避けられず品質を悪化させる原因となってい
た。
【0003】従来、このような問題を解決するため、鋳
鉄、耐熱鋼等のベース材料の表面にタングステンの溶射
被膜やTiN等の蒸着被膜を形成するものが提案されて
いる(特開昭59−56339号公報、特開昭63−1
56020号公報)。しかしながら、これらはいずれも
金型の製造後に別途離型性促進金属層を被覆するもので
あり、生産設備、生産工程の追加、表面損傷における再
形成等により金型コストの上昇を招くのみならず、未だ
型離れ性は完全でなく、また、潤滑離型剤のメンテナン
スフリーを達成するに至っていない。
【0004】本発明者等は、既に、耐高温酸化性が優れ
た高温用材料を提案している(特開昭64−73034
号公報)。しかし、この合金は高温の酸化性雰囲気では
優れた耐酸化性を示すものの、1000℃を超す高温の
ガラスと接触すると共に、成型時に熱衝撃がかかるガラ
ス成型金型として使用した場合、酸化被膜であるアルミ
ナ被膜が部分的に剥離するため、離型剤のメンテナンス
フリーを達成することはできない。
【0005】次いで、本発明者等は、金型表面に極めて
安定した強固なアルミナ被膜を生成し、かつ良好な熱伝
導率を有することにより離型剤を不要としたガラス成型
金型用合金を提案した(特願平04−171020
号)。しかしながら、この合金は、主要組織である鉄組
織がフェライト相であるため、長時間、例えば30日以
上にわたる連続使用においては、高温硬度不足による磨
耗損失および腐食による肌荒れが発生する。さらに、熱
処理により事前にアルミナ被膜を生成させたとき少量の
Cu酸化物が生じ、これによりガラスとの濡れ性が悪化
してガラス成型時に製品面にシワ欠陥が発生するなどの
問題が残っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前述した従
来技術の諸問題を解決するためのものであって、ガラス
成型用金型材料に必要な条件、すなわち、熱伝導率が
よく熱膨脹係数が小さい、高温硬度が高い、耐熱
性、耐食性がよい、ガラスとの離型性および濡れ性が
よい、を満足すると共に潤滑離型剤や離型性促進金属層
の被覆を不要としたガラス成型用金型合金を提供するこ
とを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、次の事項を要
旨としている。すなわち、重量比で、Cu 10〜80
%、Al 4〜11%、Cr 3〜16%、Ni2〜3
6%、希土類元素の1種又は2種以上0.02〜2.0
%および残部が鉄および不可避的不純物元素からなるこ
とを特徴とするガラス成型金型用合金。
【0008】以下に、本発明を詳細に説明する。まず、
本発明合金の組成を限定した理由について述べる。Cu
は、10%未満では熱伝導率が鋳鉄材料を下回るため金
型の焼け過ぎ対策として冷却フィンの配設等が必要とな
りコストが上昇する。一方、80%超になると成型時の
金型定常温度(400℃前後)における高温硬さが低下
し、金型の寿命を損なう。したがって、Cuの含有量を
10〜80%とした。Alは、ガラス製品の型離れをよ
くする耐酸化性被膜を形成するための重要な元素であ
る。Alの含有量を4〜11%としたのは、4%未満で
は耐酸化性被膜であるアルミナ被膜を形成する効果が少
なく、11%超では脆いβ相の出現により金型全体の耐
熱疲労強度が劣化する。
【0009】Crは、アルミナ被膜の形成と安定化に不
可欠であり、アルミナ被膜にクラックが生じた場合に
は、その間生成したクロム酸化物によって一時的に耐酸
化性を維持することができる。その必要量は、鉄−クロ
ム合金において20%であり、鉄の成分範囲に合わせて
3〜16%とした。Niは、鉄組織をオーステナイト相
にするための基本的な元素であり、また高温強度を維持
するためにも必要である。その必要量は、Fe−Cr−
Ni合金において40%であり、鉄の成分範囲に合わせ
て2〜36%とした。Y、Ce、La等の希土類元素
は、アルミナ被膜の形成と安定化をはかり、アルミナ被
膜の耐剥離性を高め、該被膜によるガラスとの結合反応
を抑止し、離型剤のメンテナンスフリーを達成する。こ
のためには0.02%以上必要であるが、2%を超える
と、高温での金型全体の耐熱疲労強度が低下するので好
ましくない。
【0010】
【実施例】以下に、本発明を実施例に基いてさらに説明
する。表1に示す本発明合金および比較材(特願平04
−171020号に記載の合金)の試料を各々同一の溶
解材をもとに10枚製作し、共に700℃×8時間の熱
処理を施した。 表 1 化 学 成 分(重量%) Cu Cr Al Ni La+Ce Fe 本発明合金 50 12 7 17 0.05 Bal 比較材 50 8 7 − 0.05 Bal
【0011】このテストピースの高温硬度を常温から1
000℃にわたり、測定した。その結果、表2に示すよ
うに、ガラス成型金型での使用温度500℃において本
発明合金は、比較材に比べ1.8倍程度硬度が向上し
た。 表 2 500℃での硬度(HV) n=10 本発明合金 比較材 500℃での硬度 175〜190 90〜100 (HV)
【0012】さらに、このテストピースの酸化被膜組成
を調整するために、GDS(グロー放電発光分光分析装
置)による、被膜表面の元素分析を行なった。その結
果、表3に示す通り、本発明合金は、Cuの量が大幅に
減少し、Alの量が増加しており、酸化被膜は目標のア
ルミナ被膜が生成していることが確認された。 表 3 酸化被膜表面の化学組成(重量%) Cu Cr Al Fe O 本発明合金 9〜10 5〜6 45〜50 4〜6 30〜40 比較材 30〜32 5〜6 25〜30 4〜6 25〜35
【0013】次に、各種ガラス製品の中でもシワ欠陥、
スジ欠陥が発生し易いため、特に濡れ性を必要とするド
リンクビン用金型を本発明合金と比較材で製造し、両者
を実際のガラス製造ラインで使用した。その結果、比較
材による金型では、ガラス素材挿入時の滑りが悪く、シ
ワ欠陥、スジ欠陥が散発するため、1時間に1回の頻度
で潤滑離型剤が必要であった。一方、本発明合金による
金型については、ガラス素材挿入時の滑り性は良好であ
り、シワ欠陥、スジ欠陥は発生せず、連続成形の間にお
いても潤滑離型剤を全く必要とせず、ガラスビンの表面
品質、寸法規格とも十分満足するものであった。
【0014】また、腐食による肌荒れ状態を確認するた
めに、30日の連続実ライン成形試験を行なった。その
結果、比較材は7日程度で、図1に示すようにCu相の
腐食による肌荒れが発生したが、本発明合金は、図2に
示すように30日においても、このような肌荒れの発生
は全くなかった。
【0015】本実施例では、ガラス成型用金型としてガ
ラスビン成型用金型を示したが、本発明は、これに限ら
れるものではなく、ガラス成型用金型として本実施例と
同様の使用環境である、例えば建材用、コップ等の食器
類用等幅広く適用可能である。
【0016】
【発明の効果】本発明のガラス成型金型用合金は、金型
表面にCu酸化物が少なく、ガラスとの濡れ性もよい、
極めて安定した強固なアルミナ被膜を形成する特徴を有
しており、さらに、高温硬度および耐食性が優れている
ため、長時間にわたる連続使用においても、成形性を損
なうことなく、ガラスとの離型性に優れ、煩雑な潤滑離
型剤の塗布が不要となる。このため、ガラス器具成型の
生産性増大、離型剤の混入皆無による製品品質の向上お
よび作業環境の著しい改善等極めて大きな効果が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】比較材の肌あれ状況を示す金属組織写真であ
る。
【図2】本発明合金の使用後の肌状況を示す金属組織写
真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今 村 博 人 福岡県北九州市戸畑区大字中原46−59 新日本製鐵株式会社 機械・プラント事 業部内 (72)発明者 遠 藤 道 雄 神奈川県川崎市中原区井田1618番地 新 日本製鐵株式会社 先端技術研究所内 (56)参考文献 特開 平6−100981(JP,A) 特開 昭57−39159(JP,A) 特許2647785(JP,B2) 特許2543650(JP,B2) 特公 昭56−31343(JP,B2) 特公 昭51−31203(JP,B2) 特公 昭47−7988(JP,B2) 特公 昭51−31086(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 302 C22C 9/00 C22C 30/02 C22C 38/42

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量比で、Cu 10〜80%、Al 4
    〜11%、Cr 3〜16%、Ni2〜36%、希土類
    元素の1種又は2種以上0.02〜2.0%および残部
    が鉄および不可避的不純物元素からなることを特徴とす
    るガラス成型金型用合金。
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