JP2913029B1 - ジョセフソン論理集積回路の構成方法 - Google Patents

ジョセフソン論理集積回路の構成方法

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JP2913029B1
JP2913029B1 JP10067541A JP6754198A JP2913029B1 JP 2913029 B1 JP2913029 B1 JP 2913029B1 JP 10067541 A JP10067541 A JP 10067541A JP 6754198 A JP6754198 A JP 6754198A JP 2913029 B1 JP2913029 B1 JP 2913029B1
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昌宏 青柳
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Abstract

【要約】 【課題】 スタンダードセル方式の自動配置配線手法を
援用してジョセフソン論理集積回路を構成するに際し、
信号線路のインピーダンス不整合に起因する問題を修正
する。 【解決手段】 スタンダードセル方式の自動配置配線手
法を適用する領域上に搭載すべき全てのスタンダードセ
ル11を、それぞれがファンアウト1の出力ポートを二つ
のみ有するセルとする。それら各スタンダードセル11内
の内部配線に用いられるビア部13は一本同士の信号線路
14,15をのみ接続する方向性ビア部13とする。スタンダ
ードセル11-1,11-2;11-1,11-3間を接続する信号配線
14には、信号を複数の線路に分割して伝送する分岐部を
設けない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はジョセフソン論理集積回
路の構成方法に関し、特に、特定の基板領域(一部の面
積領域の場合も全基板領域の場合も含む)上にスタンダ
ードセル方式による自動配置配線手法を援用してジョセ
フソン論理集積回路を構築する際に、結果として構成さ
れたジョセフソン論理回路の信号伝搬線路におけるイン
ピーダンスを一定化するための改良に関する。
【0002】
【従来の技術】高速で動作するジョセフソン論理集積回
路の基板上におけるパタンレイアウト(換言すれば製造
時におけるマスクパタン)に関する自動設計手法とし
て、全ての論理セルに関し同じ高さを持つようにマスク
パタンが設計されるスタンダードセルを用い、論理回路
図に基づいて特定の基板領域上に構築すべき全集積回路
部分に関し自動配置配線を実行する手法があり、これは
「スタンダードセル方式の自動配置配線手法」と呼ば
れ、この種の分野で公知である。
【0003】しかるに従来、こうしたスタンダードセル
方式の自動配置配線手法を適用する場合、各セルのファ
ンアウトは2ないし4に設定され、換言すると、ファン
アウト4のセルも許容されていた。これは確かに、回路
図上での配線パタンを考える時、信号配線を簡単化する
ためには有利なこともある。例えば、全体として4入力
4出力のオア回路が必要な時を考えてみよう。この場
合、従来の設計手法の常識では、図4(B) に示すような
構成となるのが普通であった。
【0004】すなわち、スタンダードセルにおける単位
のセルとして、二つの入力と一つの出力を有する二つの
オアセル21,21と、二つの入力と一つの出力を有するオ
アセル22を一つ用い、4入力4出力オア回路20としての
四つの回路入力〜を二つずつに振り分け、回路入力
,は第一の前段オアセル21に、他の二入力,は
第二の前段オアセル21に入力し、それら二つのオアセル
21,21の出力を後段のオアセル22の各入力に接続する。
その上で、オア回路20としての四つの出力〜は、単
に後段オアセル22の出力を分岐して得るようにしてお
り、まず第一の分岐ビア部23で二本の信号線路に振り分
け、それら振り分けた二本の信号線路をさらに分岐ビア
部23,23で振り分けて最終的に四つの回路出力〜を
得ている。分岐ビア部23の構造については周知である
が、後に本発明との兼ね合いでもう少し詳しく触れる。
【0005】このような回路20において、周知では有る
が考慮しておかねばならないのは、各論理セルが幾つの
入力を受けることができるか、幾つの回路出力を出力で
きるかというファンイン、ファンアウトの問題と、信号
線路におけるインピーダンスの問題である。ジョセフソ
ン論理回路に限らず半導体論理回路系でもそうである
が、入力信号や出力信号の有無を電流が流れているか否
かに対応させる場合、その大きさも重要で、ファンイン
が“1”というのは、入力信号有りと確実に判断するに
は少なくともある特定の電流値Isを必要とする,という
意味であり、ファンアウト“1”とは、少なくとも当該
特定の電流値Isの大きさの電流を出力する能力がある,
という意味である。従って、図4(B) に示されている従
来回路20の場合、前段オアゲート21,21の各入力のファ
ンインを電流値Isに対応する“1”とするならば、その
出力におけるファンアウトは“2”とし、後段オアセル
22の各入力におけるファンインは“2”、出力のファン
アウトは四つの分岐に耐え得るように“4”、すなわち
4Is の大きさの電流(ジョセフソン回路の場合、電流パ
ルス)を出力できるように設定される。もちろん、その
ようにするには、各セル内にオア演算を行うスイッチン
グゲートと、その出力を電流増幅する増幅ゲートが設け
られることが多い。
【0006】一方、ファンアウトが“1”の信号を伝送
する信号線路のインピーダンスをZsとするならば、信号
伝送条件を画一化するにはファンアウトNの場合、セル
の出力側から見た信号線路のインピーダンスは本来はZs
/Nにせねばならず、N=4で二本に分岐してからさらに二本
に分岐する図4(B) のような場合には、各信号線路のイ
ンピーダンスはZs/4の倍のZs/2にせねばならない。しか
し、従来ではこの点には余り配慮されておらず、と言う
よりも、そのようにすることが設計上、厄介であるた
め、信号線路のインピーダンスは例え分岐されたもので
あっても、ファンアウトが“1”(以下、単に「ファン
アウト1」と記す)の場合に相当するZsに設定されてい
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来の
手法による場合、まず、ファンアウト数の如何によるイ
ンピーダンス不整合という問題がある。インピーダンス
に不整合があると伝送される信号波形に歪みが生じ、種
々問題を生ずる。歪みを許容しようとすると信号電流量
を増したり、高速化を犠牲にせねばならないこともあ
る。もっとも、こうしたこと自体は従来から認識されて
いた。しかし、そうかと言って、各信号線路をそれぞれ
最適なインピーダンスとなるように個別に設計、製作す
ることは、これも上述のように、厄介である。各信号線
路を同じインピーダンスで設計できればそれに越したこ
とはない。
【0008】一方、この点は本発明者が特に問題意識を
持った点であるが、従来の回路構成法においてはファン
アウト2以上のセルをも許容しており、換言すれば図4
(B)に示したように、信号線路の分岐をも始めから発生
するものと考えている。単に信号電流を増幅するストレ
ートアンプのような場合にはファンインについては1に
なったりするし、他の論理演算ゲートでは3以上になっ
たりもするが、問題なのは後段のセルに信号を伝送する
信号線路の電流量に関するファンアウトで、これを2よ
りも大きいものを許容し、分岐を許容すると、当該分岐
部におけるインピーダンス不整合が重畳し易く、信号波
形の歪みはさらに増し、高速化はなお阻まれる。
【0009】また、例示したファンアウト4のセル出力
に多く認められるように、実際には第一の分岐ビア部23
を経た後の各信号線路の長さL1,L2は異なってしまうこ
とが多い。L1=L2の場合に最小伝搬遅延となるが、それ
以外では伝搬遅延が最小値より大きくなる。また、そも
そも配線長それ自体がファンアウト2のセルに比べて長
くなりがちでもある。つまり、ファイアウト4のセルに
ついては、その配置がファイアウト2のセルに比べ、配
線長が長くなるような配置となってしまう問題があっ
た。
【0010】このような事情に鑑み、ジョセフソン論理
集積回路の性能向上を阻む種々の問題は結局は信号線路
のインピーダンス不整合に起因するものが多いので、本
発明ではこれを修正し、ないし修正し得る構成原理に従
ったジョセフソン論理集積回路構成法を提供することを
その目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、スタンダード
セル方式の自動配置配線手法を用いたジョセフソン論理
集積回路の構成方法として、上記目的を達成するため、 (a) スタンダードセル方式の自動配置配線手法を適用す
る領域上に搭載すべき全てのスタンダードセルを、それ
ぞれがファンアウト1の出力ポートを二つのみ有するセ
ルとし; (b) それら各スタンダードセル内の内部配線に用いられ
るビア部は一本同士の信号線路をのみ接続する方向性ビ
ア部とすると共に; (c) スタンダードセル間を接続する信号配線には、信号
を複数の線路に分割して伝送する分岐部を設けないこ
と;を特徴とする手法を提案する。
【0012】
【実施例】図1には、従来の回路構成法により構成され
たジョセフソン論理集積回路との比較がし易いように、
既に説明した図4(B) の構成に対応させ、本発明を適用
して4入力4出力オア回路10を構成した場合が示されて
いる。
【0013】まず、本発明では、スタンダードセル方式
にて取扱う各単位セルとして、それぞれが全く同一の構
成で良いセルを用いることができ、それを必要個数組み
合せて目的の論理回路を構成し得、ここでは三つのオア
セル11が用いられている。各セルをそれぞれを特定して
説明する必要のある時には図中に付記したサフィックス
“-1〜-3”を用い、例えばセル11-1等と記すが、どれに
も適用できる説明の時にはサフィックスを省略し、単に
セル11と記す。また、この種のジョセフソン論理回路
は、周知のようにいわゆる多相脈流電流により駆動され
るが、図示の場合は第一相電源線P1と第二相電源線P2を
流れる二相脈流電源電流により駆動される場合を想定し
ており、前段のセル内ゲート12が例えば第一相脈流電源
線P1から電力供給を受けるならば、後続のセル内ゲート
12も第一相脈流電源線P1から電力供給を受ける。ただ
し、この点は本発明に直接の関係はないので、以降にお
ける詳しい説明は省略する。
【0014】各オアセル11は、論理和を取るべき入力電
流信号in1,in2 の一方宛を受けるそれぞれ二つの入力IN
1,IN2 を有し、これはオアセルとして当然であるが、本
発明による場合、出力としては二つの出力OUT1,OUT2 を
のみ有している点に一つの特徴がある。さらに、各出力
OUT1,OUT2 はファンアウト1に固定し、従ってオアセル
11内に組込まれるオア演算ゲート部12(その一例は後述
する)のファンアウトは2に固定している。図示のオア
回路10の場合には入力側も同様とし、各入力のファンイ
ンは1、オア演算ゲート部12としてのファンインは2で
ある。ただし、本発明においてはファンインは特に規定
するものではなく、例えば単なる増幅セル等の場合には
ファンインは1で良いし、他の多入力論理ゲート構成を
必要とする場合にはそれに応ずれば良い。
【0015】また、この種の自動配置配線手法では、公
知のように、入力信号や出力信号を伝送する線路14はセ
ル内を横切る線路で構成されるが、従来はセル内でこの
信号線路14に対し、単なるT字交差形状の分岐ビア部
(図2(A) に即して後述)を介して接続した線路15を経
て、内蔵のオア演算ゲート部12に入力信号を印加したり
出力信号を取り出したりしていた。そのため、各入力IN
1,IN2、各出力OUT1,OUT2も、実際にはそれぞれが互いに
対向する二つの入力ポートIN1a,IN1b;IN2a,IN2bと出力
ポートOUT1a,OUT1b;OUT2a,OUT2b を有し、サフィックス
a,b で示した二つのポートの中、どちらのポートを使用
しても良いようになっていた。
【0016】このような従来の単なる分岐ビア部は図2
(A) に示されているが、図4(B) の従来回路構成で用い
られていた分岐ビア部23も実質的にこれと同じものであ
る。図2(A) 中、図面紙面で上方に示されている断面構
造のz−z線に沿う断面平面図がその直ぐ下に示された
ものである。図示されている下部配線14は図1中の信号
伝送線路14に対応させることができ、この信号配線14の
上に設けられた絶縁層16にはビアホールが開けられ、こ
の中にビア内配線18が超電導材料の充填で形成されてい
る。ビア内配線18と下部配線14の接する部分は、本書で
は詳述しないがインピーダンス整合のため等の理由もあ
って少し面積の広い台座部17になっており、ビア内配線
18の露出上面に電気的に接触する上部配線15も、図示し
ていないが同様の広面積部を介して当該ビア内配線18の
表面に接触している。
【0017】このような分岐ビア部は、平面的に見ると
T字交差形状をしており、台座部17を挟み、図中で下部
配線14の左右どちらかから入力信号が入力してきてもそ
れは上部配線15に伝えられる。逆に上部配線15を伝搬し
てきた信号は台座部17を挟んで下部配線14の左右どちら
にも出力できる。従って、こうした分岐ビア部をセル内
配線に用いた場合には、下部配線14の左右どちらに前段
ないし後段のセルとの接続のための入力ポートないし出
力ポートを設けても構わないので、その意味からは設計
自由度が増すかのように思われる。
【0018】しかし、そもそもこのような分岐ビア部を
用いるとの設計思想は、結局は図4(B) に即して説明し
たように、一つの回路出力を複数の回路に分岐して用い
るために使われ、実際、従来の回路構成法では、ファン
アウトが2を越える出力ポートを有するセルを用いた場
合、配線路の途中に分岐ビア部を用いない回路は皆無と
言って良くて、それがインピーダンス不整合の問題を生
んでいた。
【0019】そこで本発明では、このような設計思想を
排斥し、図2(A) 中で言えば台座部17を介して左右に伸
びる下部配線14の両部分(T字形状の両腕に相当する部
分)の中、一方は実質的に開放線路としてしまい、各セ
ル11内にて用いるビア部はT字の両腕の中、残った一本
と、T字の脚に相当する信号線路のこれら一本同士をの
み、互いに接続する方向性ビア部13とする。すなわち、
下部配線14は台座部17を介し、実質的に逆方向に伸びる
二本の信号線路と見ることができ、従って従来は、分岐
ビア部は断面構造で同一レベルにある二本の信号線路1
4,14と、異なる高さレベルにある信号線路15の計三本
の信号線路の全てを互いに接続するものであったが、本
発明では信号線路15を、台座部17を挟んだ下部配線14,
14の選択した一方14にのみしか接続させない構造の方向
性ビア部13を用いる。
【0020】この方向性ビア部13は図2(B),(C) に示さ
れており、特徴的なのは、上部配線15を台座部17を挟ん
で左右どちらの下部配線部分14に接続させるかによっ
て、接続させたくない配線部分14と台座部17の間に横方
向絶縁分離のための絶縁部19が設けられていることであ
る。図2(A) と同様、図2(B),(C) の各々にあっても図
面紙面で上方に示されている断面構造のz−z線に沿う
断面平面図がその直ぐ下に示されたものであるが、図2
(B) の場合には下部配線14,14の右側に伸びる部分とし
か上部配線15は電気的に接続しておらず、図2(C) の場
合には逆に、左側に伸びる部分14としか接続していな
い。ただ、このようにすると、台座部17とこれに対向す
る上部配線の広面積部分との面積関係が変わり、浮遊容
量分が変わってインピーダンスが変化することがある
が、この部分におけるインピーダンス整合手法について
は、本出願人により、既に特願平8-292357号にて開示さ
れているので、要すればこれを参照することができる。
【0021】こうした方向性ビア部13を用いた結果、図
1に示される回路の場合、各セル11の第一入力IN1 は入
力ポートIN1a,IN1bの中、IN1aのみが唯一有効な入力ポ
ートとなっており、同様に第二入力IN2 はIN2bのみが、
第一出力ポートOUT1はOUT1bのみが、そして第二出力ポ
ートOUT2はOUT2a のみがそれぞれ唯一有効なポートとな
っている。すなわち、本発明による場合、セル11内では
分岐が生じていない。なお、このような方向性ビアは、
スタンダードセルを自動配置配線した後に、必要な方向
に接続するものを決定する手順になるのが普通である
が、これもポートの接続情報に基づき自動的にビアセル
を配置することにより、容易に自動化できる。
【0022】こうした方向性ビア部13を用い、かつ、先
に述べたように、各単位セル11の出力ポート数を2に限
定し、それぞれのファンアウトを1、総計でも2として
いるので、他のセルに接続する時、その接続配線にも一
切、分岐を含まない回路構成が可能となる。例えば図1
の場合、4入力4出力オア回路10としての四つの回路入
力〜の中、第一回路入力は第一のセル11-1の第一
入力第一ポートIN1a、第二回路入力は第一セル11-1の
第二入力第二ポートIN2bとし、第三回路入力は第二セ
ル11-2の第一入力第一ポートIN1a、第四回路入力は第
三セル11-3の第二入力第二ポートIN2bとしている。もち
ろん、それぞれの入力において上記以外の入力ポートは
本発明による方向性ビア部13の存在により、無効化され
ている。同様に四つの回路出力〜については、第二
セル11-2の有効な第一出力第二出力ポートOUT1b が第一
回路出力、同じく第二のセル11-2の有効な第二出力第
一出力ポートOUT2a が第二回路出力となっており、第
三セル11-3の有効な第一出力第二出力ポートOUT1b が第
三回路出力、第三セル11-3の有効な第二出力第一出力
ポートOUT2a が第四回路出力となっている。
【0023】その上で、第一セル11-1の第一出力第二出
力ポートOUT1b からの出力信号out1が第三セル11-3の他
方の入力信号in1 となるように、当該出力ポートOUT1b
に対し、途中に分岐を全く含まない信号線路14を介し、
第三セル11-3の第一入力第一入力ポートIN1aが接続し、
同様に第一セル11-1の第二出力第一ポートOUT2a からの
出力信号out2が第二セル11-2の他方の入力信号in2 とな
るように、当該第一セル出力ポートOUT2a に対し、途中
に分岐を全く含まない信号線路14を介し、第二セル11-2
の第二入力第二入力ポートIN2bが接続している。
【0024】このような信号伝搬経路とすることができ
るので、本発明によると、信号配線のインピーダンスを
一定に保ったまま、極めて合理的な配置配線を実行でき
る。比較のため、ブロック図で示すならば、本発明によ
ると図4(B) に示した従来のの回路構成は図4(A) に示
す回路構成で実現されるようになり、セル間の信号配線
には一切の分岐を含ませないようにし得る。複数の配線
系路の長さも極力均一化し得る。
【0025】なお、図1に示された状態からも容易に理
解されるように、図中では断続的な部分線路として示さ
れているが、各回路入力線14や回路出力線14は、当初、
実際には複数のセル11-1〜11-3を真っ直ぐに貫く信号線
として形成でき、本発明により各セル内に方向性ビア部
13を用いることで、それら一本の真っ直ぐな線路の一部
をのみ切り取り、有効に利用することができる。例えば
図1中で回路入力から真っ直ぐ下に伸びる信号線路14
に注目すると、図中では二本の線分状の信号線路が縦に
並んでいるようにしか描画されていないが、実際にはこ
の線を一本の信号線として形成しても、図示されている
関係で各セル11-1〜11-3内に方向性ビア部13を設ける
と、実際に有効に利用される線路部分は、描画されてい
る線路部分の中、第二セル11-2内で第一入力ポートIN1a
から方向性ビア部13に至る部分、第一セル11-1内でその
一方の方向性ビア部13から第一出力第二ポートOUT1b を
介し第三セル11-3の第一入力ポートIN1aに至り、さらに
そのセルの方向性ビア部13に至る線路部分のみとなる。
【0026】本発明のこのような有効な構成は、何も図
示されているオア回路10にのみ限らない。オア回路とす
るにしても、各セル11内に用いるオア演算ゲート部12の
構成は本発明の趣旨に従う限り任意である。しかし念の
ため、公知構成ではあるが、その望ましい一例を図3に
示しておく。
【0027】図示のオア演算ゲート部12はオア演算をな
すオアゲート18と、ファンアウトを2にし得るようにこ
の前段オアゲート18の出力を電流増幅する増幅ゲート19
のカスケード構成となっている。各ゲートの基本構成は
通常 4JLゲートと呼称される四接合電流注入型ジョセフ
ソンゲートであり、最早極めて周知であるので、構成及
び動作につき簡単に説明するに、各ゲート18,19は、そ
れぞれが四つのジョセフソン接合 Ja1〜Ja4 と Jb1〜Jb
4 を含む超電導閉ループを有している。
【0028】前段のオアゲート18はファンイン2に設定
され、二つの入力端子IN1,IN2 が前段ゲート(図示せ
ず)の負荷抵抗となる抵抗RL1,RL2 を介し第一、第二の
ジョセフソン接合Ja1,Ja2 の間の部分で超電導閉ループ
に接続している。いずれか一方の入力端子を介してで
も、前段ゲートから信号電流が超電導閉ループに流入す
ると、ジョセフソン接合 Ja1〜Ja4 が所定の順番、すな
わちJa1、 Ja3とJa4、最後にJa2 の順で電圧状態に遷移
し、それまでゲート抵抗RPa を介し超電導閉ループに流
入していた第一相ないし第二相脈流電源P1またはP2から
の電源電流はこのゲート18の負荷抵抗RLの側に転流し、
流入していた信号電流は入力抵抗Riを介して接地に転流
して、入出力の分離が図られる。入力抵抗Riに直列なイ
ンダクタンスLiは動作高速化のためのインダクタンス調
整用である。
【0029】前段のオアゲート18が電圧状態に遷移する
と、当該前段の負荷抵抗RPa を介して流入してくる電流
は、さらに前段負荷抵抗RLを介し、後段増幅ゲート19の
超電導閉ループ中のジョセフソン接合 Jb1〜Jb4 をやは
りJb1、 Ja3とJb4、最後にJb2の順で電圧状態に遷移させ
る。すると、この後段ゲート19にゲート抵抗RP2 を介し
流入していた電源電流は二つの出力端子OUT1,OUT2 の方
に出力信号電流として転流し、さらに、電流加算抵抗Rd
を介し、前段ゲート18からの電源電流もこの出力端子OU
T1,OUT2 に転流して、電流増幅された形で出力のファン
アウト2を満足するだけの電流が出力される。なお、入
力端子IN1,IN2 を共に接続して前段ゲート18の入力部に
接続する部分の分岐構成や、後段ゲートの出力を分岐し
て第一、第二出力OUT1,OUT2 に分岐する部分は各ゲート
の直近にあって殆どゲートの一部をなすものとして設け
られるために、配線長に起因するインピーダンス不整合
は問題にならない。さらに、このゲート内分岐部分の存
在を考慮して、予め一括的に全てのゲートセルを固定的
に回路設計しておけるので、線路インピーダンス変動の
要因、ひいては回路全体としての局所的なインピーダン
ス不整合の原因ともならない。
【0030】理解の助けのため、図3に示すようなオア
演算ゲート部12を構築する場合に望ましいパラメータ例
等を具体的に挙げておくと、ファンイン、ファンアウト
が1に相当する電流量を 100μA、従ってファンアウト2
を満足する電流量を 200μAとする場合、前段演算ゲー
ト18のジョセフソン接合Ja1,Ja2 が電圧状態に遷移する
臨界電流値は50μA とし、Ja3,Ja4の臨界電流値はその三
倍の 150μA としておく。対して後段の増幅ゲート19に
おけるジョセフソン接合Jb1,Jb2 の臨界電流値は67μA、
Jb3,Jb4 の臨界電流値はその二倍の 133μA とする。要
求される信号配線インダクタンスを14Ωとした場合(こ
れは一般的に望ましい値である)、入力端子IN1,IN2 に直
列な各前段負荷抵抗RL1,RL2 の値は14Ωとし、前段ゲー
ト18の出力負荷抵抗RLと電流加算抵抗Rdの値はそれぞれ
7Ωとする。前段ゲート18のゲート抵抗RPa は74.7Ω、
後段ゲート19のゲート抵抗RPb は93Ω、入出力分離抵抗
Riは 3.5Ωとし、高速化インダクタンスLiは10pHとす
る。このようなパラメータにより、線路インピーダンス
14Ω、ファンアウト2に相当する電流量 200μA のオア
演算ゲート部12が構成される。
【0031】もちろん、既に触れたように、本発明では
各セル内蔵のゲート部のファンアウトが2、出力数も2
であって、各出力ごとのファンアウトは1であることが
必須であるが、入力側については構築すべきゲートの種
類に応じて異なり、これは本発明での必須の規定にはな
らない。ストレートアンプであっても論理集積回路とし
て認め得る。図3に示したオア演算ゲート部12も、望ま
しい構成ではあるが、これに限定されるものではない。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、セル間を結ぶ信号配線
に一切の分岐を持たないジョセフソン論理回路が構成で
き、インピーダンス不整合の問題を大きく改善できる。
当然これは、論理回路としての性能向上に繋がり、信号
の歪み低減、スキュー低減、伝搬遅延の短縮化により、
高速化、高信頼性を生む。また、スタンダードセル方式
の自動配置配線手法を実行するに先立って、予め用意し
ておくセルの種類数を減少でき、さらに、セル自体の配
置に関し、自由度が生まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用を受けて構成されたジョセフソン
論理集積回路の一例としての、4入力4出力オア回路の
構成例である。
【図2】スタンダードセル内にて用いる従前の分岐ビア
部と本発明で用いる方向性ビア部の概略構成図である。
【図3】図1に示す回路の各セル内に用い得るオア演算
ゲート部の一例の回路構成図である。
【図4】本発明により4入力4出力オア回路を構成する
場合と従来の手法により4入力4出力オア回路を構成す
る場合の相違に関する説明図である。
【符号の説明】
10 4入力4出力オア回路, 11 スタンダードセル, 12 オア演算ゲート部, 13 方向性ビア部, 14 信号配線(下部配線), 15 セル内ゲートへの信号配線(上部配線), 16 絶縁層, 17 台座部, 18 ビア内配線, 19 絶縁部, 20 従来構成による4入力4出力オア回路, 23 分岐ビア部.

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スタンダードセル方式の自動配置配線手
    法を用いたジョセフソン論理集積回路の構成方法であっ
    て;該スタンダードセル方式の自動配置配線手法を適用
    する領域上に搭載すべき全てのスタンダードセルを、そ
    れぞれがファンアウト1の出力ポートを二つのみ有する
    セルとし;該各スタンダードセル内の内部配線に用いら
    れるビア部は一本同士の信号線路をのみ接続する方向性
    ビア部とすると共に;スタンダードセル間を接続する信
    号配線には、信号を複数の線路に分割して伝送する分岐
    部を設けないこと;を特徴とするジョセフソン論理集積
    回路の構成方法。
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