JP2913016B2 - 木質材とモルタルからなる建築材料、その製造方法および製造装置 - Google Patents

木質材とモルタルからなる建築材料、その製造方法および製造装置

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JP2913016B2
JP2913016B2 JP8188796A JP8188796A JP2913016B2 JP 2913016 B2 JP2913016 B2 JP 2913016B2 JP 8188796 A JP8188796 A JP 8188796A JP 8188796 A JP8188796 A JP 8188796A JP 2913016 B2 JP2913016 B2 JP 2913016B2
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  • Dry Formation Of Fiberboard And The Like (AREA)
  • Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本願発明は、木材、竹、葦等の木質材を繊
維方向に割り裂いた細片で形成した集合体をモルタルで
固化してなる建築材料とその製造方法ならびに製造装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】周知のように、木材は入手および加工が
容易であること、再生産が可能であること等の利点を有
するため、古来より幅広く利用されている。しかしなが
ら、世界人口の増加と生活水準の向上に伴い、木材の使
用量は著しく増加し、木質材料に対する要求も高度化、
多様化している。このため、伝統的な製材品に加え、前
述のような集成材、単板積層材(LVL)合板、パ−テ
イクルボ−ド、ファイバ−ボ−ド、木片セメント板、木
毛セメント板などの木質系素材が開発されている。
【0003】古来より使用されてきたいわゆる製材品
は、通常100mm以上の径を有する丸太から製材さ
れ、立木の幹部分からの収率は50〜60%、枝部を含
めた立木全体からの収率は30〜50%に低下する。ま
た、製材品は多くの場合に節を有することになるうる
が、このような節をもつ製材品は節を持たない製材品の
強度(木材固有の強度)に比較しての強度は40〜60
%に低下する。集成材は、多くの製材品が有する節に起
因する強度低下の問題を解消するために提案されたもの
で、その強度は木材固有の強度の60〜75%程度に向
上する。しかしながら、集成材の原料としての板材を得
るための切削工程で木材の多くの部分が消費されてしま
い、立木の幹部分からの収率は30〜40%程度に低下
する。
【0004】単板積層材(LVL)は、丸太を薄くむい
て単板をつくり、所定の寸法形状にカットした木目方向
をそろえて接着剤により積層したものである。また、合
板は前記単板を交互に直交させて接着剤により積層した
ものである。ところで、このような単板の製造は、鋸に
よる切断ではなくロ−タリ−レ−ス等の装置により丸太
から薄く剥き取るようにしてなされるため、いわゆる鋸
屑などの発生はない。したがって、立木の幹部分からの
収率は60〜70%に向上し、強度も前記集成材と同程
度ものが得られる。しかしながら、単板は丸太を回転さ
せながら製造するため、原料として利用できる丸太は、
大きな径を有するものに限られることになる。
【0005】パ−テイクルボ−ドは、各種の破砕装置を
使用して製造した木材のパ−テイクルに接着剤を塗布し
て板状に成型固化したものである。木材の大半を製品化
できるので原木からの収率は90%に達する。しかしな
がら、木材細片の長さは50mm以下で、しかも木目を
そろえて成型することが困難であるため、製材品に比較
して2/3〜1/2の強度しか得られず、ヤング係数も
製材品の1/2程度である。ファイバ−ボ−ドは、木材
を破砕したチップを解繊装置により繊維状になし、これ
らの繊維を束ねて接着剤により成型固化したものであ
る。原木からの収率は90%に達するが、その強度は、
条件にもよるが製材品と比較して同等もしくは1/3程
度、ヤング係数は製材品の約1/3程度である。
【0006】前述した製材品、集成材、単層積層材(L
VL)は主として住宅の構造材、内外装材として使用さ
れ、また合板、パ−テイクルボ−ド、ファイバ−ボ−ド
は主として下地材として使用されている。しかしなが
ら、これらの木質系建築材料には前述した問題に加えて
次のような弱点がある。すなわち、それらは可燃性を有
し、火災が発生した場合には燃焼(燃え上がる)すると
いう不可避な問題を抱えている。このため、多くの場会
人口密集地域での使用が制限されているのが現状であ
る。このような弱点を解決し、併せて原材料からの収率
を向上するために開発されたのが木片セメント板、木毛
セメント板である。木板セメント板は、プレ−ナ加工に
よって生じる木屑片と同容量のセメントおよび水を混合
し、加圧成型したものである。
【0007】また、木毛セメント板は、径10〜30c
mの丸太を木毛装置を用いて長さ30〜50cm、幅3
〜5mm、厚さ0.3〜0.5mmの木毛を螺旋状に削
りだし、この木毛をセメントと水で混練して固化成型し
たものである。これら木片セメント板と木毛セメント板
とは、いずれも耐火性を有し原材料からの収率も高い
が、その強度に問題があり、前者は製材品の強度の1/
5、後者は同じく1/10の強度を有するにすぎない。
以上述べたように、木材あるいは木材を利用した前述の
ような建築材料には、耐火性能に欠ける、伝統的な製材
品に比較して強度が不足する、原材料である木材からの
収率が低い、原材料として大径の原木を必要とする等の
問題が存する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本願発明に係る木質スト
ランドセメント板は、木、竹、葦その他の原料を繊維と
平行な方向に割り裂いて形成した細割片をその長手方向
に並設してなる単層を水平方向および垂直方向に複数接
合してセメント板の骨格となる細割片集合体を形成し、
この細割片集合体は加圧状態でセメント、砂、水により
固化成型されている。上記木質ストランドセメント板に
おいて、前記各単層の水平方向の接合部は単層の積層方
向において重なり合わない位置に設けられている。
【0009】また、本願発明に係る木質ストランドセメ
ント板の製造方法は、(a)木材、竹、葦等の木質材を
所定の長さに切断する工程、(b)所定の長さに切断し
た木質材を繊維方向に沿って割り裂いて、割片を得る工
程、(c)前記工程で得た割片を、さらに細かく割り裂
いて細割片を得る工程、(d)細割片を底部にモルタル
を注入した型枠に敷き並べて形成した単層にモルタルを
流し込む工程、(e)前記工程(d)を順次繰り返し
て、型枠中に単層を複数段に積層し、モルタルが各細割
片を被覆し、かつ各細割片が形成する間隙にモルタルが
充填された状態の細割片集合体を得る工程、(f)前記
(e)工程で得た細割片集合体の上面に上蓋盤を載せて
振動させ、脱気するとともに細割片とモルタルとを密着
させる工程、(g)次いで、上蓋盤に圧力を加え、モル
タルが半硬化状態となるまで圧締する工程、(h)圧締
を解除してモルタルが所定の硬度となるまで養生する工
程、を具えて構成されている。上記製造方法において、
モルタルに替えて水を散布した単層にセメントおよび砂
の混合物を散布することがある。
【0010】さらに、本願の製造装置は、木、竹、葦等
の木質材を繊維と平行な方向に割り裂くための細割片形
成手段と、前記細割片を敷き並べて形成した単層を積層
してモルタルを注入し成型固化するための手段と、前記
細割片形成手段からの細割片を前記成型固化手段に供給
して単層を形成するための第1手段と、前記第1手段に
より形成される単層の細割片と交叉する方向に細割片を
敷き並べて単層を形成するための第2手段と、前記成型
固化手段における細割片とこれに注入されたモルタルと
を振動させかつ加圧するための手段と、を具えている。
【0011】
【発明の実施例】図面に基ずいて本願発明の実施例を説
明する。図1および図3は木質ストランドセメント板の
製造工程の1実施例を示す図である。この実施例では、
原材として柳、真竹、杉、住宅の廃材を使用し、それぞ
れの原材単独で木質ストランドセメント板を製造した
が、これらの原材を混合しても良いことは勿論である。
図1において、1は柳の小径木(径20〜50mm)、
2は径が20〜100mmの真竹、3は杉、4は住宅等
の解体により生じる廃材で、真竹1および柳2は回転鋸
により600mmの長さに切断してそれぞれ定尺材1
a、2a得る。また、杉3および廃材4は600mmの
長さに切断した後、さらに25mm厚の板材にカットし
所定の定尺材3a、4aを得る。 次いで、前記原材に
よる各定尺材を後述の割裂装置5により割り裂いて厚さ
10mmの割裂片6を作る。こうして得られた割裂片6
は、さらに細割裂装置7によってさらに細かく割り裂か
れて断面4mm×10mmの細割片8となる。なお、こ
こで600mm未満の原材も割裂して使用する。また、
細割片8は、米国特許出願第08/277,892号の
装置を利用して製造する。
【0012】図2において、9は縦横の寸法が600m
mx300mmで所定の深さを有する鋼製の型枠であ
り、この型枠9の底にモルタルを注入した後、前記工程
で得た細割片8を繊維方向を揃えて敷き並べて単層81
を形成する。次いで、不図示のモルタルタンクから送ら
れるモルタル10をノズル11から噴射して単層81の
全体に散布する。単層81に散布されるモルタルの組成
は、セメント1、砂1、水0.5(重量比)を基準とす
るが、細割片8の含水率に応じて水の量は調節する。な
お、モルタルの散布量は単層81の容積と同一である。
さらに、細割片8の原料に、杉等、セメントの硬化に障
害を来す樹木を使用した場合は、モルタルに塩化カルシ
ュ−ム等を添加する(セメント重量の約1%)。
【0013】単層の形成とモルタルの散布を順次繰り返
して、型枠9内にモルタルを塗布された単層を所定の厚
さとなるまで積層する(図2(b))。なお、必要に応
じてモルタルを追加し、積層された状態の各単層をモル
タルが充分に被覆するようにする。 このようにして積
層が完了した時点で、図3(a)に示すように型枠9に
圧締板12がセットされる。ついで不図示の加振機によ
り型枠9に振動を加える。この振動により、モルタル内
部、あるいはモルタルと細割片との間等に生じた気泡が
除去され、モルタル10と細割片8との密着が適正にな
される。
【0014】次ぎに型枠9の中のモルタルと細割片に圧
力を加える。この加圧は圧締板12を介して不図示の加
圧手段によりなされるが、この実施例では10〜20k
gf/cm2 の圧力を加えた。加えた圧力はクランプ1
3により2日間にわたり保持した後、圧力を解除した。
この時点でモルタルが未だ半硬化状態である木質ストラ
ンドセメント板を得ることができる。そして、図3
(b)に示すように、モルタルが完全に硬化するまで前
記木質ストランドセメント板14を大気中で約1か月間
自然乾燥する。このようにして、モルタルが完全に硬化
し所定の強度を有する木質ストランドセメント板を得る
ことができる。
【0015】次ぎに、他の実施例を必要に応じて図1、
2、3を参照し説明する。前述の実施例では、単層を構
成する細割片相互、および単層相互の結合はモルタルを
散布しこれを硬化させることにより実行したが、以下に
示す実施例ではモルタルの散布に替えて、セメントと砂
を散布する。まず、図1に示す工程により、断面が4m
mx10mmの寸法を有し長さがほぼ60mmの細割片
を製造する。これらの細割片を型枠9の底部に繊維と平
行な方向に敷き並べて単層を形成し(図2(a))、こ
こに適量の水を散布する。細割片の原材料に含水率10
0%以上の樹木、竹等を使用した場合には前述の散水は
不要である。なお、散水を要する場合に、散水量はセメ
ント重量の1/2程度が適量である。
【0016】次いで、ノズル11からセメントと砂の混
合物を前記単層の上に散布する。セメントと砂の混合比
は、セメント1、砂1〜0.5であり(重量比)、単層
への散布量は、単層の容積の1/2〜2/3とする。ま
た、細割片の原材料に杉等を使用した場合は、セメント
の硬化に障害が生ずるので散布する水またはセメント等
に塩化カルシュ−ムを添加する。上述のように、型枠9
内で、単層の形成、散水、セメント・砂の混合物の散布
を繰り返して単層を所定の厚さに達するまで積層する
(図2(b))。次いで図3(a)に示すように型枠9
の上面に圧締板12をセットし圧力(20〜40kgf
/cm 2 )を加え、クランプ13によりこの圧力を2日
〜1週間程度保持する。
【0017】この工程の終了した時点で、セメントが半
硬化した状態の木質ストランドセメント板が得られる。
このようにして製造したセメントが半硬化した状態の木
質ストランドセメント板を、大気中で約2週間ほど自然
乾燥した後、底部にモルタルを散布した型枠9内にセッ
トし、さらに上からモルタルを散布しセメント板の全面
にモルタル層を形成する。モルタルの組成は、セメント
1、砂1、水0.5であり(重量比)、使用されるモル
タルの量は、細割片の総量の1/2〜1/3である(容
積比)。
【0018】次いで、圧締板を介して圧力(10〜20
kgf/cm 2 )を加え,この圧力をクランプにより2
日〜1週間保持した後、約1か月間自然乾燥させて、完
成品としての木質ストランドセメント板を得る。ところ
で、前述の各実施例において、各単層は細割片の繊維方
向が直交するように積層する場合がある。このように単
層を積層することにより、より強度のある製品を得るこ
とができる。また、各細割片の長さが短い場合には、繊
維方向を無視してランダムに敷き並べて単層を形成す
る。そして、細割片を繊維方向をそろえて形成した単層
と細割片をランダムに敷き並べた単層とを交互に積層し
てもよい。また、前述の実施例では、単層の長さは型枠
と同じ600mmであるから1枚の単層を積層していけ
ばよい。しかしながら、これより長さのある製品を製造
するには単層を長手方向に接合して積層する必要があ
る。この場合、前記接合部が積層する方向で互いに一致
しないようにすれば、高い強度を有する製品を得ること
ができる。
【0019】図4〜図7は、本願発明の木質ストランド
セメント板の実施例を示す図である。 図4は、細割片
8を繊維方向に並列して積層した細割片集合体をモルタ
ル10により固化成型してなる木質ストランドセメント
板を示す図である。このセメント板の骨格をなす細割片
集合体は、細割片8を並列して形成した単層20をモル
タルとともに複数段に積層して形成されている。したが
って、断面図に示すように各細割片8は、モルタル10
の中に埋設された状態になっている。図5は、図4に示
す木質ストランドセメント板と同一の構成を有している
が、短尺の細割片8を使用している。
【0020】図6は、短尺の細割片8をモルタルと併せ
てランダムに積層して形成した木質ストランドセメント
板を示している。この場合も、短尺の細割片8をランダ
ムに敷き並べた単層20をモルタル10と併せて積層す
ることにより所定の厚さのセメント板が形成される。図
7は、積層された各単層20の細割片8の繊維方向が直
交するように形成されたセメント板を示している。図4
〜図7に示す木質ストランドセメント板は、前述の方法
により製造されるから、全面がモルタルに覆われている
が、より一層の耐火性をえるには、その全面にさらにモ
ルタル層を所定の厚さに形成すればよい。
【0021】次の表1は、前記の木質ストランドセメン
ト板の性能試験の結果を示す表である。
【表1】
【0022】前記性能試験に用いた細割片の原材料は杉
(含水率12.5%)であり、細割片は、厚さ4mm、
幅10mm、長さ600mmのものと、厚さ4mm、幅
10mm、長さ150mmのものとの2種類を使用し
た。強度試験は、スパン450mm、中央集中荷重方式
による曲げ試験を行い、曲げヤング係数および曲げ強度
値を求めた。この試験結果によれば、長さ600mmの
細割片を繊維方向に積層した場合、セメント:砂の比率
が低くなるにしたがい、曲げヤング係数および曲げ強度
の数値は小さくなり、またモルタル:細割片の比率が高
くなるにしたがい強度は減少している。 しかしなが
ら、表1のサンプルNo1〜4の結果からも明らかなよ
うに、いずれもその強度は製材品の60〜75%に達
し、従来の木片セメント板に比較するとその強度は2.
5〜4倍程度に達している。なお、150mm長の細割
片を使用した場合は、各細割片を繊維方向に平行に並設
しても曲げ強度は著しく減少する。さらに、このような
短い細割片をランダムに積層した場合、その強度はさら
に低下している。
【0023】加熱試験によれば、炭化率、炭化速度に影
響を及ぼすのはモルタルと細割片の比率、サンプル自体
の厚さである。すなわち、厚さが大きく、モルタルの比
率が高いほど炭化率が小さくなり、炭化速度も遅くな
る。例えばサンプルNo.3、4の炭化速度は木材の1
/2以下となっている。
【0024】図8〜図13は、製造装置の実施例を示す
図である。図8は、製造装置の基本構成を示す図であ
り、図示のようにこの製造装置は、成型固化手段15、
第1手段16、第2手段17、細割片形成装置18、モ
ルタル供給手段19等を具えている。この実施例で、成
型固化手段15は、図示される型枠9、不図示の加振
機、加圧装置等を具備している。この成型固化手段15
において、細割片で構成される単層がモルタルとともに
積層され、振動が加えられた後、加圧される。第1手段
16、第2手段17はともに成型固化手段15の型枠9
に細割片を供給して単層を形成するための装置で、それ
ぞれ複数の搬送手段を具えている。
【0025】細割片形成装置18は、樹木、竹等の原料
を割り裂いて細割片を製造するための装置で、この実施
例では、米国特許出願第08/277,892号の装置
を使用している。モルタル供給手段19は、モルタルタ
ンク、供給ホ−ス、ノズル等を具え、型枠9に形成され
た細割片の単層にモルタルを散布する。細割片形成装置
18で製造された細割片は、第1手段16、第2手段1
7により成型固化手段15へ搬送されて単層を形成し、
モルタルとともに積層される。そして、加圧、乾燥の過
程を経て所定の木質ストランドセメント板が完成する。
【0026】図9および図10は、第1手段16の要部
とその作用を示す図である。図において、16aは各細
割片8を繊維方向に整列させて繊維方向に搬送するフォ
−ミングコンベイヤ−、16bは前記フォ−ミングコン
ベイヤ−16aから各細割片8を受領し、型枠9まで搬
送して型枠9中に単層を形成するスイングコンベイヤ−
である。このスイングコンベイヤ−16bは、型枠9に
対して進退可能に設置されている。図9において、スイ
ングコンベイヤ−16bは、フォ−ミングコンベイヤ−
16aから各細割片8を受領しつつ型枠9に向けて進出
している。このとき、スイングコンベイヤ−のベルトは
回転停止の状態にある。スイングコンベイヤ−16b
は、型枠9上の所定位置に達すると進出を停止する。つ
いで、図10に示すように、スイングコンベイヤ−16
bのベルトの回転に併せ、型枠9から後退する。このよ
うな動作により型枠9には細割片8による単層20が形
成される。単層20が形成されると、モルタル供給手段
19からモルタルが単層20の上に散布される。
【0027】図11および図12は、第2手段の要部と
その作用を示す図であるが、前記第1手段と同一なため
説明は省略する。第2手段により、第1手段とは異なる
構成の単層20を形成することができる。図11、図1
2は細割片8の繊維方向が第1手段による単層20と直
交する単層20を形成する場合を示している。なお、第
2手段における細割片8はそれぞれを繊維方向に並列さ
せずランダムに配置してもよい。なお、型枠9は、図1
3に示すようにレ−ル21上を移動して、第1手段と第
2手段との間を往復出来るようになっている。これによ
り、異なる構成の単層20を交互に積層できる。この装
置の種々の構成要素の動作は、マイクロコンピュ−タ等
の一般的な手段により制御される。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように、本願発明の特徴
は、木質系材料とセメントとを巧妙に複合させた点にあ
る。すなわち、本願発明に係る製品は、木、竹等を繊維
方向に割り裂いて形成した細割片の集合体を骨格としこ
れをモルタルで包み込む構成としたため、耐火性を有し
かつ製材品(原木をカットして得られる木材)に近い強
度を有する新規な建築材料を提供することができる。
木、竹等を繊維方向に割り裂いた細割片は、モルタルと
緊密に付着し、かつ原材の繊維構造をそのまま利用でき
るので極めて強靭である。また、細割片は、小径木・製
材により生ずる端材・廃材等を利用できるので、森林資
源の有効利用が可能であり、その原価も低廉である。さ
らに、本願発明に係る製品は、細割片の種類、形状寸
法、モルタル比率等を変えることにより、壁材、構造材
等の用途に応じた種々の強度、耐火性能を得ることがで
きるため、多様な需要に応えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 細割片の製造工程の説明図である。
【図2】 モルタルと細割片を積層工程の説明図であ
る。
【図3】 加圧および乾燥工程の説明図である。
【図4】 (a)は木質ストランドセメント板の第1実
施例を示す斜視図、(b)は(a)のb−b線断面図で
ある。
【図5】 (a)は木質ストランドセメント板の第2実
施例を示す斜視図、(b)は(a)のb−b線断面図で
ある。
【図6】 (a)は木質ストランドセメント板の第3実
施例を示す斜視図、(b)は(a)のb−b線断面図で
ある。
【図7】 (a)は木質ストランドセメント板の第4実
施例を示す斜視図、(b)は(a)のb−b線断面図で
ある。
【図8】 製造装置の要部構成を示すブロック図であ
る。
【図9】 第1手段のフォ−ミングコンベイヤ−の進出
時の動作を示す斜視図である。
【図10】第1手段のフォ−ミングコンベイヤ−の後退
時の動作を示す斜視図である。
【図11】第2手段のフォ−ミングコンベイヤ−の進出
時の動作を示す斜視図である。
【図12】第2手段のフォ−ミングコンベイヤ−の後退
時の動作を示す斜視図である。
【図13】型枠とその移動手段としてのレ−ルを示す斜
視図である。
【符号の説明】
8.....細割片,9.....型枠,10...モ
ルタル,15....成型固化手段,16...第1手
段,17...第2手段,18....細割片形成装
置,19...モルタルタンク,20...単層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C04B 28/02 C04B 28/02 (56)参考文献 特開 平6−345514(JP,A) 特開 平8−57803(JP,A) 特開 昭56−159148(JP,A) 特開 昭53−133279(JP,A) 実開 昭52−39871(JP,U) 実開 昭52−51379(JP,U) 特許2716931(JP,B2) 特公 平5−13895(JP,B2) 特公 昭58−8342(JP,B2) 実公 平6−19542(JP,Y2) 特公 昭37−14924(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B27N 3/00 C04B 16/06 C04B 18/24 C04B 18/26 C04B 28/02

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】木材、竹、葦等の木質材の細割片で形成し
    た細割片集合体および各細割片をモルタルにより被覆し
    て所定の形状に成型固化したことを特徴とする木質スト
    ランドセメント板。
  2. 【請求項2】細割片は、所定長さの木質材を繊維に平行
    な方向に割り裂いて形成したものであることを特徴とす
    る請求項1の木質ストランドセメント板。
  3. 【請求項3】細割片集合体は、細割片を敷き詰めて形成
    される単層を複数段に積層して形成したことを特徴とす
    る請求項1の木質ストランドセメント板。
  4. 【請求項4】単層は、各細割片を繊維に平行な方向に並
    列させて形成したことを特徴とする請求項3の木質スト
    ランドセメント板。
  5. 【請求項5】請求項4において、細割片集合体は各単層
    における細割片の繊維方向が直交するように交互に積層
    したことを特徴とする木質ストランドセメント板。
  6. 【請求項6】モルタルは、細割片集合体に散布したセメ
    ント、砂および細割片に含有される水により形成したこ
    とを特徴とする請求項1の木質ストランドセメント板。
  7. 【請求項7】単層が水平方向において細割片端部相互の
    接合部を有する場合、前記接合部が重なり合わない状態
    で積層して集合体を形成したことを特徴とする請求項3
    ないし6いずれか記載の木質ストランドセメント板。
  8. 【請求項8】 (a)木材、竹、葦等の木質材を所定の長さに切断する
    工程、 (b)所定の長さに切断した木質材を繊維方向に沿って
    割り裂いて、割片を得る工程、 (c)前記工程で得た割片を、さらに細かく割り裂いて
    細割片を得る工程、 (d)細割片を底部にモルタルを注入した型枠に敷き並
    べて形成した単層にモルタルを流し込む工程、 (e)前記工程(d)を順次繰り返して、型枠中に単層
    を複数段に積層し、モルタルが各細割片を被覆し、かつ
    各細割片が形成する間隙にモルタルが充填された状態の
    細割片集合体を得る工程、 (f)前記(e)工程で得た細割片集合体の上面に上蓋
    盤を載せて振動させ、脱気するとともに細割片とモルタ
    ルとを密着させる工程、 (g)次いで、上蓋盤に圧力を加え、モルタルが半硬化
    状態となるまで圧締する工程、 (h)圧締を解除してモルタルが所定の硬度となるまで
    養生する工程、 以上の工程からなる木質ストランドセメント板の製造方
    法。
  9. 【請求項9】(a)木材、竹、葦等の木質材を所定の長
    さに切断する工程、 (b)所定の長さに切断した木質材を繊維方向に沿って
    割り裂いて、割片を得る工程、 (c)前記工程で得た割片を、さらに細かく割り裂いて
    細割片を得る工程、 (d)細割片を型枠の底部に繊維と平行な方向に敷き並
    べて単層を形成し、この単層に水を散布する工程、 (e)水を散布した単層にセメントと砂の混合物を散布
    する工程、 (f)前記工程(d)および(e)の工程を順次繰り返
    して、型枠中に単層を複数段に積層し、セメントおよび
    砂の混合物が各細割片を被覆し、かつ各細割片が形成す
    る間隙にセメントおよび砂の混合物が充填された状態の
    細割片集合体を得る工程、 (g)前記(f)工程で得た細割片集合体の上面に上蓋
    盤を載せて振動させ、脱気するとともに各細割片とセメ
    ントおよび砂の混合物とを密着させる工程、 (g)次いで、上蓋盤に圧力を加え、セメントおよび砂
    の混合物が半硬化状態となるまで圧締する工程、 (h)圧締を解除してセメントおよび砂の混合物が所定
    の硬度となるまで養生する工程、 以上の工程からなる木質ストランドセメント板の製造方
    法。
  10. 【請求項10】請求項8において、各単層は細割片の長
    手方向に単層の端部を接合させて延設し、これら単層端
    部の接合部は、単層の積層方向においてそれぞれ重なり
    合わないようにしたことを特徴とする木質ストランドセ
    メント板の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項9において、各単層は細割片の長
    手方向に単層の端部を接合させて延設し、これら単層端
    部の接合部は、単層の積層方向においてそれぞれ重なり
    合わないようにしたことを特徴とする木質ストランドセ
    メント板の製造方法。
  12. 【請求項12】木、竹、葦等の木質材を繊維と平行な方
    向に割り裂いて細割片を形成するための手段と、前記細
    割片を敷き並べて形成した単層を積層してモルタルを注
    入し成型固化するための手段と、前記細割片形成手段か
    らの細割片を前記成型固化手段に供給して単層を形成す
    るための第1手段と、前記第1手段により形成される単
    層の細割片と交叉する方向に細割片を敷き並べて単層を
    形成するための第2手段と、前記成型固化手段における
    細割片とこれに注入されたモルタルとを振動させかつ加
    圧するための手段と、を具えた木質ストランドセメント
    板の製造装置。
  13. 【請求項13】第1手段および第2手段はそれぞれ、繊
    維方向を所定方向にして並設された各細割片を搬送する
    フォ−ミングコンベイヤ−と、成型固化手段に対して進
    退可能に設けられるスイングコンベイヤ−とを具え、ス
    イングコンベイヤ−はフォ−ミングコンベイヤ−から細
    割片を受領しつつ前記成型固化手段向けて進出した後、
    後退しつつコンベイヤ−ベルトを回転させて細割片を落
    下させ単層を形成するようにした請求項12の木質スト
    ランドセメント板の製造装置。
  14. 【請求項14】成型固化手段は、第1手段と第2手段と
    の間を移動して、各手段により形成される単層が交互に
    積層されるようにした請求項13の木質ストランドセメ
    ント板の製造装置。
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