JP2003138580A - 残存型枠パネル - Google Patents

残存型枠パネル

Info

Publication number
JP2003138580A
JP2003138580A JP2001337292A JP2001337292A JP2003138580A JP 2003138580 A JP2003138580 A JP 2003138580A JP 2001337292 A JP2001337292 A JP 2001337292A JP 2001337292 A JP2001337292 A JP 2001337292A JP 2003138580 A JP2003138580 A JP 2003138580A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
panel
wood
residual
concrete
construction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2001337292A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Maeda
慎一 前田
Yoshihiro Nakamura
好弘 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Achilles Corp
Original Assignee
Achilles Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Achilles Corp filed Critical Achilles Corp
Priority to JP2001337292A priority Critical patent/JP2003138580A/ja
Publication of JP2003138580A publication Critical patent/JP2003138580A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Retaining Walls (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大幅な軽量化を図ることができ、急傾斜面で
の施工や運搬、現場での裁断などが容易となり、しかも
環境に優しく、それ自体再生して循環使用できる残存型
枠パネルを提供すること。 【解決手段】 少なくとも木質チップとウレタン粉とを
接着剤で結合して板状に形成したパネル本体12により
残存型枠パネル11を構成する。これにより、残存型枠
パネル11の耐水性を改善でき、大幅な軽量化を図って
急傾斜面での施工や運搬、現場での裁断などが容易で、
しかも天然資源そのものを使わずに環境に優しい、それ
自体を再生して循環使用することもできるようになる。
また、パネル本体12の外側に、材木を並べてなる化粧
パネル16を設けるようにし、これまでの残存型枠のよ
うに別工程で化粧パネル16を取付ける必要なく、型枠
11の組立と同時に化粧パネル16の施工ができるよう
になる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、残存型枠パネル
に関し、景勝地や観光地などの砂防ダムなどのコンクリ
ートの打設用に好適なもので、環境に優しく再生も可能
であり、大幅な軽量化を図り、施工性を向上できるよう
にしたものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、国立公園等の景勝地や観光地
などの急傾斜地に砂防ダムを必要とする場合も多く、構
築に際しては、コンクリート打設用の型枠を自立させる
必要があり、コンクリートの打設後取り外す必要のない
残存型枠の使用が普及している。
【0003】このような砂防ダムの構築に用いられる残
存型枠としては、例えば図4に示すように、セメントと
骨材を原料とするコンクリートパネル1の内部に補強用
のエキスパンドメタル2を入れ、コンクリート打設時の
側圧に耐えられる強度を確保する一方、打設されるコン
クリートとの密着性、型枠を組み立てる場合の治具の取
付け性および軽量化のため、小径の貫通孔3を多数形成
するとともに、コンクリートの打設面側には大径の凹部
4を形成して構成されている。
【0004】一方、国立公園等の景勝地や観光地などで
は、環境問題からコンクリート面が直接見えるような景
観は好ましくなく、残存型枠のコンクリートパネル1を
間伐材を利用した化粧パネルで覆うことが行われてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これまでの
残存型枠は、コンクリートパネルで構成されるため、そ
の重量が1枚当たり50kg程度と重く、急傾斜面での
施工や運搬、現場での裁断などが困難となる問題があ
る。
【0006】そこで、コンクリートに代わる材料で残存
型枠を作ることで軽量化を図ることが考えれるが、これ
からの残存型枠としては、環境に優しく、それ自体再生
して循環使用できる材料であることが望まれている。
【0007】この発明は、かかる従来技術の問題点と要
望に鑑みてなされたもので、大幅な軽量化を図ることが
でき、急傾斜面での施工や運搬、現場での裁断などが容
易となり、しかも環境に優しく、それ自体再生して循環
使用できる残存型枠パネルを提供しようとするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】これまでの残存型枠で使
用されていたコンクリートに代わり、軽量化を図ると同
時に必要な強度を確保でき、しかも環境に優しく、近年
の製品のリサイクル化等の循環型社会に対する要求を満
たす材料について鋭意研究を重ね、この発明を完成した
ものである。
【0009】上記従来技術が有する課題を解決するため
この発明の請求項1記載の残存型枠パネルは、少なくと
も木質チップとウレタン粉とを接着剤で結合して板状に
形成したことを特徴とするものである。
【0010】この残存型枠パネルによれば、少なくとも
木質チップとウレタン粉とを接着剤で結合して板状に形
成するようにしており、木質系としながら耐水性を改善
でき、大幅な軽量化を図って急傾斜面での施工や運搬、
現場での裁断などが容易で、しかも天然資源そのものを
使わずに環境に優しい、それ自体を再生して循環使用す
ることもできるようになる。
【0011】また、この発明の請求項2記載の残存型枠
パネルは、請求項1記載の構成に加え、コンクリート打
設面の反対側に少なくとも木質チップとウレタン粉とを
接着剤で結合して前記板状に形成したものと同一材料の
補強用の枠材を設けてなることを特徴とするものであ
る。
【0012】この残存型枠パネルによれば、コンクリー
ト打設面の反対側に少なくとも木質チップとウレタン粉
とを接着剤で結合して前記板状に形成したものと同一材
料の補強用の枠材を設けるようにしており、例えば、前
記板状に形成したものと同一材料の補強用の枠材を設け
た残存型枠パネルと同等の厚さを有する補強用の枠材を
設けない残存型枠パネルに比べて軽量化を図ることがで
きるとともに、リブ効果による強度向上を図ることがで
きるようになる。
【0013】さらに、この発明の請求項3記載の残存型
枠パネルは、請求項2記載の構成に加え、前記枠材の空
壁部に充填材を充填してなることを特徴とするものであ
る。
【0014】この残存型枠パネルによれば、前記枠材の
空壁部に充填材を充填するようにしており、充填材によ
り雨水等の浸入を防止できたり、コンクリート打設時の
コンクリートはみ出し防止ができたり、水分による腐蝕
などを防止できるようになる。
【0015】また、この発明の請求項4記載の残存型枠
パネルは、請求項1〜3のいずれかに記載の構成に加
え、前記コンクリート打設面の反対側または前記枠材の
外側に、化粧パネルを設けたことを特徴とするものであ
る。
【0016】この残存型枠パネルによれば、前記コンク
リート打設面の反対側または前記枠材の外側に、化粧パ
ネルを設けるようにしており、これまでの残存型枠のよ
うに別工程で化粧パネルを取付ける必要なく、型枠の組
立と同時に化粧パネルの施工ができるようになる。
【0017】ここでいう木質チップとは、木粉チップあ
るいは木片チップのいずれかをいう。木粉チップとは、
木材の主として微粉末の集合をいい、例えば広葉樹およ
び針葉樹の輸入材あるいは国産のマツ、ツガ、スギ、ヒ
ノキ等の木材を鋸屑状に微細化した微粉末を主体とする
ものをいう。
【0018】木片チップとは、木材の主として微小片を
いい、例えば広葉樹および針葉樹の輸入材あるいは国産
のマツ、ツガ、スギ、ヒノキ等の木材の太さ0.2〜3
mm、長さ5〜30mm程度の大きさのものが好まし
い。
【0019】木粉チップあるいは木片チップのいずれも
見掛けの比重が0.1〜0.2g/cc程度のものが好
ましい。
【0020】なお、木材の微粉末と木材の微小片あるい
は木質繊維等とが混ざり合うことは好ましいものではな
いが、木質チップを作製する過程において多少の混ざり
合いは避けることが出来ない場合があり、また木材の微
粉末に少量の木材の微小片や木質繊維が混入したものも
ここでいう木粉チップであり、木材の微小片に少量の木
材の微粉末や木質繊維が混入したものもここでいう木片
チップである。
【0021】また、ここでいうウレタン粉とは、粉砕さ
れた硬質ポリウレタンフォームの微粉末の集合をいう。
上記硬質ポリウレタンフォームとしては、例えば廃冷蔵
庫、廃自販機から回収した断熱材、建築断熱工事現場で
発生する断熱パネルの端材や残材、建築物解体時で発生
する断熱パネルの廃材、さらに硬質ポリウレタンフォー
ムの生産時に発生する廃材等を回収したものが好まし
く、上記硬質ポリウレタンフォームを例えば、高速粉砕
機で微粉砕したものである。上記ウレタン粉の平均粒径
は3mm以下に微粉砕したものが好ましい。微粉砕した
硬質ポリウレタンフォームの平均粒径が3mm以上であ
ると、残存型枠パネルの耐水性が悪化する傾向があり、
さらに木粉チップと組み合わせた場合の加圧成形後の残
存型枠パネルの表面平滑性が悪化する傾向がある。微粉
砕した硬質ポリウレタンフォームの見掛けの比重は0.
05〜0.12g/ccのものが好ましい。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面を参照しながら詳細に説明する。図1〜図3は、この
発明の残存型枠パネルの一実施の形態にかかり、図1
(a)はコンクリート打設面から見た外観斜視図、図1
(b)は砂防ダム外面から見た外観斜視図、図2は分解
して示す斜視図、図3(a)は砂防ダム施工時の拡大斜
視図、図3(b)は砂防ダムの概略断面図である。
【0023】この残存型枠パネル11は、少なくとも木
質チップとウレタン粉とを接着剤で結合して板状に形成
したもの(以下、パネル本体12という。)で構成して
あり、例えば木質チップとウレタン粉とを主成分として
混合し、これに接着剤を添加した後、加圧成形すること
で得られ、これまでのハードボード、MDF、パーティ
クルボード、インシュレーションボード、配向性ボード
(OSB)などの木粉、木片などの木質材料に結合材
(接着剤)を添加して加圧成形してなる各種木質ボード
に比べ耐水性を有するものである。
【0024】このパネル本体12は、種々の大きさのも
のが加圧成形されるが、ここでは、例えば500×10
00×12mm程度の大きさのものが用いられる。
【0025】パネル本体12の厚さは、9〜25mm程
度の厚さが製造上好ましく、例えば3枚重ねた状態とし
たときには、27〜75mmとなるが、特に1枚を12
mmとすれば、3枚で36mmとなり、搬送や施工など
の際の取り扱いや作業性が最も良いとされている厚さに
することができる。
【0026】この残存型枠パネル11は、例えば図2に
示すように、1枚の平板状のパネル本体12と、これを
補強するためのパネル本体12と同一材料の枠材13と
で構成されている。
【0027】パネル本体12のコンクリート打設面12
aと反対側12bに補強用の枠材13が取付けられる
が、この枠材13は、パネル本体12と同一材料のもの
を2枚積層して一体化したものでつくられ、パネル本体
12の長手方向の2本の枠部材13aと幅方向の3本の
枠部材13bとで矩形の外枠とその中間を仕切った形状
とされ、パネル本体12とそれぞれが一体に取付けてあ
る。
【0028】これらパネル本体12と2層の枠部材13
a,13bとの取付固定は、接着剤、タッカー留め、ビ
ス留めまたはこれらの併用で取付けられる。
【0029】なお、2層に積層した枠部材13a,13
bはパネル本体12と同様に、その加圧成形の際に2層
分を重ねて加圧成形したり、それぞれを予備成形した後
重ねて加圧成形するなどで一体に積層した枠部材13
a,13bが得られ、それぞれの大きさに形成すること
も可能であるが、通常は大きな積層した板状のものから
枠部材13a,13bを切り出すようにする。
【0030】なお、パネル本体12は1枚で構成する場
合に限らず、2枚または3枚を積層したもので構成して
も良く、枠材13を使用せずにパネル本体12だけで打
設されるコンクリートの側圧を支持できるようにするこ
ともできる。
【0031】また、枠材13をパネル本体12と同一材
料の2層の積層材としたが、これも単層としたり、必要
な補強強度に応じてさらに多層にしたものであっても良
い。
【0032】こうしてパネル本体12に枠材13を取付
けると、枠材13とパネル本体12で囲まれる矩形の凹
部で構成される空壁部14が2つ形成されるが、このま
までは、後述する木材の化粧パネル16を枠材13の外
側に取り付けてコンクリートを打設する場合に、隙間か
ら余分なコンクリートが回り込んだり、水分が溜まって
雑菌などが繁殖し、木材の化粧パネル16の腐蝕の原因
となる恐れがある。
【0033】そこで、空壁部14には、コルクボード、
耐水ダンボール、生分解性プラスチック発泡体、ポリス
チレンフォーム、ポリウレタンフォーム、EVAフォー
ム、ポリオレフィンフォーム、ポリ塩化ビニルフォー
ム、ポリプロピレンフォーム等の充填材15を充填さ
れ、接着剤、タッカー留め、ビス留めまたはこれらの併
用で取付けられる。
【0034】そして、このような充填材15が充填され
た枠材13の外側には、化粧パネル16が取り付けられ
て一体化される。
【0035】化粧パネル16としては、例えば間伐材、
木目調シート、耐水性シート等があげられる。好ましく
は間伐材が利用され、横断面の3辺を平坦に加工し、1
辺を間伐材の表面のまま残すなどして円弧状にした略矩
形断面のものを円弧状等の表面を外側にして水平に並べ
ることでパネル状にしたものが用いられ、枠材13や充
填材15あるいはパネル本体12とタッカー留め、ビス
留めや釘留め等で固定される。
【0036】このような構造の残存型枠パネル11で
は、パネル本体12及び枠材13が少なくとも木質チッ
プとウレタン粉とを接着剤で結合して板状に形成したも
のであるので、これまでのコンクリートパネルを用いる
場合に比べて大幅に軽量化することができ、例えばこれ
までのコンクリートパネルの場合に約50kg程度であ
ったものをこの残存型枠パネル11では約11kgとす
ることができ、間伐材の化粧パネル16を一体化しても
29kgにでき、急傾斜地などでの施工や運搬、現場で
の裁断などの際の取り扱いが容易となる。
【0037】また、この残存型枠パネル11のパネル本
体12が、天然資源をそのまま使用したものでなく、木
質チップおよびウレタン粉とも再生利用したものであ
り、熱帯森林資源の保護となり、充填材15についても
コルク、耐水ダンボール、生分解性プラスチック発泡体
等を使用するのが好ましく、環境に優しい材料で構成し
たものとなる。
【0038】さらに、この残存型枠パネル11自体も再
生使用でき、パネル本体12は耐水性に優れるので、腐
蝕なども少なく、粉砕してもう一度パネル本体の材料と
して、それ自体を再生して循環使用することもできる。
【0039】また、この残存型枠パネル11が少なくと
も木質チップとウレタン粉とを接着剤で結合して板状に
形成したもので作られているので、現場での裁断加工
が、これまでのコンクリートパネルの場合に比べて容易
となる。
【0040】さらに、この残存型枠パネル11は、コン
クリート打設後に取り外す必要のない残存型枠であるの
で、廃材が発生せず、山間部などの施工も容易となる。
【0041】次に、このような残存型枠パネル11を用
いて行う砂防ダムの構築について、図3により、簡単に
説明する。
【0042】まず、必要に応じて基礎部分を築いた後、
第1段目の残存型枠パネル11を横に並べ、それぞれの
側面の下端部に組立用治具21をビスやタッカーで固定
し、コンクリート打設側に組立用治具21の押え棒取付
孔22が位置し、横方向に並べて組み立てる残存型枠パ
ネル11で挾んだ状態とする。
【0043】そして、組立用治具21の押え棒取付孔2
2に挿通した押え棒23をパネル本体12に密着させる
ようにし、左右に隣接する残存型枠パネル11を自立さ
せて固定状態にする。
【0044】また、上下方向には、上下の残存型枠パネ
ル11,11を跨ぐように組立用治具21を当ててビス
やタッカーでそれぞれの残存型枠パネル11と固定し、
コンクリート打設側に突き出す押え棒取付孔22に押え
棒23を通してパネル本体12に密着させ、上下と左右
に隣接する残存型枠パネル11を自立させて固定状態に
する。
【0045】そして、押え棒23に連結材24を連結
し、例えば金属製のロッド、鉄筋を溶接してアンカー2
5と連結して補強したり、連結材24として針金などを
用い、補強して自立状態を確保するとともに、コンクリ
ートにより加わる圧力を支持できるようにする。
【0046】こうして所定の残存型枠パネル11を左右
及び上下に組み立てるほか、必要に応じて砂防ダムの側
面や背面を規制するための型枠を残存型枠パネル11で
構築する。
【0047】この後、コンクリートを打設し、必要な養
生や仕上げを行って砂防ダムが完成する。
【0048】このような残存型枠パネル11を用いて砂
防ダムを構築することで、コンクリート部分と木材の化
粧パネル16とを別々に施工すること無く、一度に施工
することができ、施工が容易となるとともに、工期を短
縮することができる。
【0049】次に、この残存型枠パネル11のパネル本
体12の製造方法について、好ましい一例をあげて以下
について説明する。
【0050】この残存型枠パネル11のパネル本体12
は、木粉チップ55〜80重量%と、ウレタン粉45〜
20重量%とを混合したウレタン粉入り木質材料に、接
着剤を添加後、加圧成形して得ることができる。
【0051】また、この残存型枠パネル11のパネル本
体12は、木片チップ55〜80重量%と、ウレタン粉
45〜20重量%とを混合したウレタン粉入り木質材料
に、接着剤を添加後加圧成形して得ることができる。
【0052】これらの残存型枠パネル11のパネル本体
12で、ウレタン粉が20重量%より少ないと、耐水性
の向上が難しく、45重量%を越えると、曲げ強度や耐
水性は著しく向上するものの、ウレタン粉と木粉チップ
あるいは木片チップとの比重の関係で容易に両者を均一
に混合するのが難しく製造上の問題が生じてしまう場合
がある。
【0053】さらに、パネル本体12としては、表層、
中心層、表層の順で積層された構造とし、木粉チップ5
5〜80重量%と、ウレタン粉45〜20重量%とを混
合したウレタン粉入り木質材料に、接着剤を添加して表
層用材料とし、木片チップ55〜80重量%と、ウレタ
ン粉45〜20重量%とを混合したウレタン粉入り木質
材料に、接着剤を添加して中心層材料とし、これらの材
料を順次堆積した後、加圧成形して一体化することで得
ることもでき、この積層構造としたものが1枚のパネル
本体12となる。
【0054】この3層の積層構造の1枚のパネル本体1
2では、中心層としてウレタン粉を混合しない中心層材
料で構成することも可能であるが、表層、中心層、表層
の重量割合は、10〜30/40〜70/10〜30で
あることが好ましく、表層の重量割合が小さいと表面か
ら水分を吸収し易く、耐水性が低下し、表面平滑性も低
下する傾向にあり、中心層の重量割合が小さいと曲げ強
度が低下する傾向がある。
【0055】このパネル本体12に使用する接着剤は、
尿素樹脂、メラミン樹脂、水性イソシアネート、レゾー
ル系フェノール樹脂あるいはノボラック系フェノール樹
脂、さらに水ガラス等が使用でき、これらを木質チップ
あるいはウレタン粉あるいは木質チップとウレタン粉と
の混合物に噴霧などすることによって添加するようにす
る。
【0056】この接着剤の添加量は、木質チップとウレ
タン粉との混合物100重量部に対して5〜10重量部
が好ましい。
【0057】このような残存型枠パネル11のパネル本
体12の製造は、従来の木質ボードの製造ラインをその
まま使用して製造することができ、例えばスチールベル
トを用い、その上にパネル本体12の材料を供給して堆
積し、この堆積物をプレス板やダブルコンベアで熱加圧
成形することなどで製造する。
【0058】なお、成形台やスチールベルト等への材料
の堆積前または堆積後に、目的とする形状に予備圧縮し
てから加圧成形するようにすれば、一層安定した品質の
パネル本体12を製造でき、厚いパネル本体12とする
場合にも、複数の予備圧縮した材料を重ねて成形台やス
チールベルト上に堆積してから加圧成形することで品質
の安定したものを得ることができる。
【0059】また、3層の積層構造のパネル本体12の
場合にも、各層の材料を予備圧縮してから加圧成形した
り、堆積して予備圧縮した後、あるいは予備圧縮せずに
加圧成形することで製造できる。
【0060】さらに、加圧成形は、常温での加圧成形と
したり、材料に蒸気を噴射しながら加圧成形したり、他
の加熱手段で加熱しながら加圧成形しても良く、耐水性
の向上には加熱して加圧成形する熱加圧成形が好まし
い。
【0061】また、このパネル本体12には、従来の木
質ボードに使用されている防腐材、防かび剤、防虫剤、
防火剤、はっ水剤、寸法安定材を使用しても良い。
【0062】このようなパネル本体12によれば、従来
の木質ボードに比べて耐水性が向上するとともに、硬質
ポリウレタンフォームの廃材を有効利用することがで
き、さらに従来の木質ボードに比べて曲げ強度も向上す
る。
【0063】
【発明の効果】以上、実施の形態とともに具体的に説明
したようにこの発明の請求項1記載の残存型枠パネルに
よれば、少なくとも木質チップとウレタン粉とを接着剤
で結合して板状に形成するようにしたので、木質系とし
ながら耐水性を改善でき、大幅な軽量化を図って急傾斜
面での施工や運搬、現場での裁断などが容易で、しかも
天然資源そのものを使わずに環境に優しい、それ自体を
再生して循環使用することもできる。
【0064】また、この発明の請求項2記載の残存型枠
パネルによれば、コンクリート打設面の反対側に少なく
とも木質チップとウレタン粉とを接着剤で結合して前記
板状に形成したものと同一材料の補強用の枠材を設ける
ようにしたので、例えば、前記板状に形成したものと同
一材料の補強用の枠材を設けた残存型枠パネルと同等の
厚さを有する補強用の枠材を設けない残存型枠パネルに
比べて軽量化を図ることができるとともに、リブ効果に
よる強度向上を図ることができる。
【0065】さらに、この発明の請求項3記載の残存型
枠パネルによれば、前記枠材の空壁部に充填材を充填す
るようにしたので、充填材により雨水等の浸入を防止で
きたり、打設時のコンクリートはみ出し防止ができた
り、水分による腐蝕などを防止することができる。
【0066】また、この発明の請求項4記載の残存型枠
パネルによれば、前記コンクリート打設面の反対側また
は前記枠材の外側に、化粧パネルを設けるようにしたの
で、これまでの残存型枠のように別工程で化粧パネルを
取付ける必要なく、型枠の組立と同時に化粧パネルの施
工ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の残存型枠パネルの一実施の形態にか
かり、(a)はコンクリート打設面から見た外観斜視
図、(b)は砂防ダム外面から見た外観斜視図である。
【図2】この発明の残存型枠パネルの一実施の形態にか
かる分解して示す斜視図である。
【図3】この発明の残存型枠パネルの一実施の形態にか
かり、(a)は砂防ダム施工時の拡大斜視図、(b)は
砂防ダムの概略断面図である。
【図4】従来の残存型枠にかかり、(a)はコンクリー
ト打設面から見た外観斜視図、(b)は砂防ダム外面か
ら見た外観斜視図である。
【符号の説明】
11 残存型枠パネル 12 パネル本体 13 枠材 14 空壁部 15 充填材 16 化粧パネル 21 組立用治具 22 押え棒取付孔 23 押え棒 24 連結材 25 アンカー

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも木質チップとウレタン粉とを
    接着剤で結合して板状に形成したことを特徴とする残存
    型枠パネル。
  2. 【請求項2】 コンクリート打設面の反対側に少なくと
    も木質チップとウレタン粉とを接着剤で結合して前記板
    状に形成したものと同一材料の補強用の枠材を設けてな
    ることを特徴とする請求項1記載の残存型枠パネル。
  3. 【請求項3】 前記枠材の空壁部に充填材を充填してな
    ることを特徴とする請求項2記載の残存型枠パネル。
  4. 【請求項4】 前記コンクリート打設面の反対側または
    前記枠材の外側に、化粧パネルを設けたことを特徴とす
    る請求項1〜3のいずれかに記載の残存型枠パネル。
JP2001337292A 2001-11-02 2001-11-02 残存型枠パネル Pending JP2003138580A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001337292A JP2003138580A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 残存型枠パネル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001337292A JP2003138580A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 残存型枠パネル

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2003138580A true JP2003138580A (ja) 2003-05-14

Family

ID=19151956

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001337292A Pending JP2003138580A (ja) 2001-11-02 2001-11-02 残存型枠パネル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2003138580A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012120679A1 (ja) 2011-03-10 2012-09-13 Wpcコーポレーション株式会社 装飾用残存型枠及びコンクリート構造物の壁面構造
CN105110724A (zh) * 2015-06-03 2015-12-02 苏州市建筑材料再生资源利用有限公司 一种再生挡土砖
JP2016117993A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 株式会社河本組 木製残存型枠
KR102428475B1 (ko) * 2021-09-06 2022-08-03 박서현 장식부재가 구비된 친환경 옹벽패널 및 그 시공방법

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012120679A1 (ja) 2011-03-10 2012-09-13 Wpcコーポレーション株式会社 装飾用残存型枠及びコンクリート構造物の壁面構造
US8769897B2 (en) 2011-03-10 2014-07-08 Wpc Corporation Remaining formwork for decoration, and wall surface structure of concrete structure
JP2016117993A (ja) * 2014-12-18 2016-06-30 株式会社河本組 木製残存型枠
CN105110724A (zh) * 2015-06-03 2015-12-02 苏州市建筑材料再生资源利用有限公司 一种再生挡土砖
KR102428475B1 (ko) * 2021-09-06 2022-08-03 박서현 장식부재가 구비된 친환경 옹벽패널 및 그 시공방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN101300205B (zh) 木质附聚物的块
US8516777B2 (en) Method of fabricating building wall panels
US5890332A (en) Reconstituted wood block modular building system
CN102409840B (zh) 轻质水泥板及其制造方法
KR19990044534A (ko) 콘크리트패널 및 그 제조방법
GB2066153A (en) Process and apparatus for producing composite building panels produced thereby
JP2003138580A (ja) 残存型枠パネル
US20020139075A1 (en) Integrated, insulated, structural building panels
US4894270A (en) Fold and bond for constructing cement laminate structural shapes
US20090087656A1 (en) Reinforced Foam Panel
FI71603C (fi) Av kombinerat traematerial bestaoende laongstraeckt byggnadselement och foerfarande foer framstaellning daerav.
CN201295964Y (zh) 复合胶合板
CN101733788A (zh) 复合胶合板
CN114274306A (zh) 一种预制钢结构外墙挂板生产工艺
KR200268239Y1 (ko) 거푸집용 합성 수지 판재
CN200995427Y (zh) 周转箱的高强度箱板
JP2913016B2 (ja) 木質材とモルタルからなる建築材料、その製造方法および製造装置
JPH04330164A (ja) 型枠の施工方法
CN2473275Y (zh) 一种轻质模板
US20130212970A1 (en) Products made from recycled cardboard
US6405507B1 (en) Channel members
US11814841B2 (en) Foam filled structural plank building foundation with laminated reinforcement
CN116677115B (zh) 一种混凝土-木组合楼板、模盒结构及楼板的生产方法
JPS6160215B2 (ja)
JPH0716815Y2 (ja) 複合材からなる柱状体