JP2912661B2 - 製本用硬化型接着剤および製本方法 - Google Patents

製本用硬化型接着剤および製本方法

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、製本用の接着剤、および、同接着剤を用
いた製本方法に関する。
〔従来の技術〕
製本用の接着剤としては、主に、ニカワ・ゼラチン接
着剤、エマルション系接着剤、および、ホットメルト系
接着剤が使用されている。
ニカワ・ゼラチン接着剤は、加温溶液にして用いられ
る。この溶液を塗布すると直ちに冷却されてゾル−ゲル
変化を起こし、接着性を発揮する。このため、ニカワ・
ゼラチン接着剤は作業性が良いという利点を有する。し
かも、乾燥させると、耐熱性に優れた皮膜を形成する。
エマルション系接着剤は、EVA(エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体)や酢酸ビニルなどの造膜性にすぐれた合成
樹脂をエマルションにしたものである。この接着剤皮膜
は耐久性にすぐれているという利点を有する。
ホットメルト系接着剤は、EVAやEEA(エチレン−エチ
ルアクリレート共重合体)などの熱可塑性樹脂を主材料
とする樹脂組成物からなる。ホットメルト系接着剤は、
加熱により溶融し、冷却による固化するので、非常に短
時間でセットを行うことができる。このため、ホットメ
ルト系接着剤を用いて製本を行うと、ニカワ・ゼラチン
接着剤やエマルション系接着剤を用いるよりも生産スピ
ードがはるかに速くなる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ニカワ・ゼラチン接着剤を用いて製本する場合、ゾル
−ゲル変化による接着時には接着強度が弱いため、この
ときに断裁を行うと、本の背にしわが生じるという問題
がある。このため、ニカワ・ゼラチン接着剤を用いる場
合、実際には一夜放置して溶媒の乾燥を行っており、生
産スピードがさほど速くはなく、しかも、一夜放置して
いる間に表紙の戻りが発生することがある。ニカワ・ゼ
ラチン接着剤を用いて製本された本を大きく開いたとき
に、逆バッケが発生することがある。また、ニカワ・ゼ
ラチン接着剤は、耐湿性が悪いという問題も有する。
エマルション系接着剤を用いて製本する場合、塗布し
てから完全接着するまでの間に、乾燥工程を長くとる必
要があり、生産スピードが非常に遅いという問題があ
る。また、エマルション系接着剤は、ニカワ・ゼラチン
接着剤と比べるとはるかに耐熱性に劣るという問題もあ
る。
ホットメルト系接着剤は、過熱により軟化しやすいた
め、ニカワ・ゼラチン接着剤に比べると耐熱性が非常に
悪いという問題がある。
このように、従来、製本に用いられている主要な3種
の接着剤は、いずれも、物性に一長一短がある。このた
め、セットに時間がかかったり、作業性が悪かったり、
耐熱性、耐湿性および耐久性のいずれかが劣っていたり
するといった問題を1つ以上有していた。
そこで、この発明は、短時間でセットを行うことがで
き、作業性が良く、耐熱性、耐湿性および耐久性のいず
れもが良好である製本用の接着剤を提供することを第1
の課題とし、耐熱性、耐湿性および耐久性のいずれもが
良好である製本を効率良く行うことができる製本方法を
提供することを第2の課題とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記第1の課題を解決するために、請求項1記載の発
明にかかる製本用硬化型接着剤は、重ね合わされた複数
の紙葉と表紙とを貼り合わせて製本するのに用いられ、
主剤と硬化剤との組み合わせからなり、前記主剤と硬化
剤とが接触することにより架橋反応が起きるようになっ
ていることを特徴とする。
請求項2記載の発明にかかる製本用硬化型接着剤は、
請求項1のものにおいて、主剤がニカワ・ゼラチン溶液
であり、硬化剤がニカワ・ゼラチンを架橋させる化合物
を含む溶液とされている。
請求項3記載の発明にかかる製本用硬化型接着剤は、
請求項1のものにおいて、主剤が、カルボキシル基、水
酸基、メルロールアミド基、エポキシ基およびアミノ基
のうちの少なくとも1つの官能基を有する合成樹脂エマ
ルションであり、硬化剤が、前記官能基と架橋反応しう
る官能基を有する化合物の中から選ばれた少なくとも1
つを含む溶液とされている。
請求項4記載の発明にかかる製本用硬化型接着剤は、
請求項3のものにおいて、ポリマレイミドおよびグリオ
キサールをも含んでいて、水分を含んだ状態でゲル化し
うるものとされている。
請求項5記載の発明にかかる製本方法は、重ね合わさ
れた複数の紙葉と表紙とを貼り合わせて製本するにあた
り、請求項1から4までのいずれかに記載の製本用硬化
型接着剤の主剤および硬化剤のうちのいずれか一方を前
記複数の紙葉の貼り合わせ面に塗布するとともに、他方
を前記表紙の貼り合わせ面に塗布するようにしている。
請求項6記載の発明にかかる製本方法は、重ね合わさ
れた複数の紙葉と表紙とを貼り合わせて製本するにあた
り、請求項1から4までのいずれかに記載の製本用硬化
型接着剤の主剤および硬化剤を、前記複数の紙葉および
/または表紙の貼り合わせ面に重ねて塗布するようにし
ている。
この発明にかかる製本用硬化型接着剤は、たとえば、
ニカワ・ゼラチン系のもの、エマルション系のものの2
種が可能であるが、これらに限定されない。
この発明にかかる製本用硬化型接着剤がニカワ・ゼラ
チン系の接着剤である場合、主剤はニカワ・ゼラチン溶
液である。ここで、ニカワ・ゼラチンとは、ニカワだけ
であってもよく、ゼラチンだけであってもよく、ニカワ
およびゼラチンの両方であってもよい。ニカワ・ゼラチ
ンとしては、たとえば、製本用接着剤に通常用いられる
ものが挙げられる。この発明では、ニカワ・ゼラチン溶
液を主剤として用いる場合、ニカワ・ゼラチン溶液を単
独で用いることもできるが、いわゆるコンパウインドグ
ルーとして市販されているニカワ・ゼラチン系接着剤な
どのように、ニカワ・ゼラチン以外の成分を適宜の割合
でニカワ・ゼラチン溶液に配合したかたちで用いるよう
にしてもよい。
ニカワ・ゼラチン溶液からなる主剤と組み合わせて使
用される硬化剤は、ニカワ・ゼラチンを架橋させる化合
物を含む溶液(たとえば、水溶液)である。ニカワ・ゼ
ラチンを架橋させる化合物としては、アルデヒド化合
物、タンニン、エポキシ化合物、イソシアネート化合
物、3価のクロムおよび/または3価のアルミニウムを
有するミョウバン、ジルコニウム塩などが挙げられ、こ
れらのうちの1つの化合物を単独で用いてもよいし、2
以上の化合物を併用してもよい。
前記アルデヒド化合物としては、1個以上のアルデヒ
ド基を有する化合物であれば何でもよく、たとえば、ホ
ルムアルデヒド、グリオキサール、ジアルデヒドデンプ
ンなどが挙げられる。
前記エポキシ化合物としては、2個以上のエポキシ基
を有する化合物であれば何でもよく、たとえば、ポリエ
チレングリコールジエポキサイド、ビスフェノールAグ
リシジルエーテルなどが挙げられる。
前記イソシアネート化合物としては、2個以上の−N
=C=O基を有する化合物であれば何でもよく、たとえ
ば、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメ
タンジイソシアネート(MDI)、TDIアダクト、ヘキサメ
チレンジイソシアネートアダクトなどが挙げられる。
前記ジルコニウム塩としては、4価のジルコニウム塩
が挙げられ、より具体的には、たとえば、炭酸ジルコニ
ルアンモニウム、酢酸ジルコニルアンモニウム、硝酸ジ
ルコニルアンモニウム、硫酸ジルコニルアンモニウムな
どである。
この発明にかかる製本用硬化型接着剤がエマルション
系の接着剤である場合、主剤は合成樹脂エマルションで
ある。この合成樹脂エマルションとしては、カルボキシ
ル基、水酸基、メチロールアミド基、エポキシ基および
アミノ基のうちの少なくとも1つの官能基を有する合成
樹脂のエマルションが用いられる。ここでは、エマルシ
ョンは、厳密な意味でのエマルションに限られず、サス
ペンション、ディスパージョン、ラテックスなどと称さ
れるものなども含む。
前記合成樹脂エマルションの具体例をいくつか挙げる
と、カルボキシル基を有する合成樹脂エマルション、ポ
リビニルアルコールまたはHEC(ヒドロキシエチルセル
ロース)等を保護コロイドとする合成樹脂エマルショ
ン、水酸基を有する合成樹脂エマルション、メチロール
アミド基を有する合成樹脂エマルション、エポキシ基を
有する合成樹脂エマルション、および、アミノ基を有す
る合成樹脂エマルションなどである。
前記カルボキシル基を有する合成樹脂エマルションと
しては、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイ
ン酸、イタコン酸など不飽和カルボン酸をアクリル酸エ
ステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、スチレン
等と乳化重合して得られるエマルションがある。市販品
には、旭化成工業株式会社製の商品名「ポリトロンA12
0」、ローム・アンド・ハース社製の商品名「プライマ
ルLC−40」などがある。
ポリビニルアルコールまたはHECを保護コロイドする
合成樹脂エマルションとしては、たとえば、酢酸ビニル
樹脂、酢酸ビニル・(メタ)アクリル系重合体、エチレ
ン・酢酸ビニル橋重合体(EVA)などの合成樹脂をポリ
ビニルアルコールの保護コロイドでエマルション化した
ものが挙げられる。同エマルション中、合成樹脂の割合
は、たとえば、1〜10重量%である。市販品には、昭和
高分子株式会社製の商品名「ポリゾールS−50」などが
ある。
水酸基を有する合成樹脂エマルションとしては、たと
えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロ
キシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート、アリルアルコールなど水酸基および不飽
和結合を有する単量体を乳化重合させて得られるエマル
ションがある。
メチロールアミド基を有する合成樹脂エマルションと
しては、メチロール化アクリルアミド、アルコキシメチ
ルアクリルアミドなどメチロールアミド基および不飽和
結合を有する単量体を乳化重合して得られるエマルショ
ンなどである。
エポキシ基を有する合成樹脂エマルションとしては、
たとえば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタク
リレート、アリルグリシジルエーテルなどエポキシ基お
よび不飽和結合を有する単量体を乳化重合して得られる
エマルションンなどがある。
アミノ基を有する合成樹脂エマルションとしては、た
とえば、アミノエチルメタクリレート、ジメチルアミノ
エチルメタクリレートなどアミノ基および不飽和結合を
有する単量体を乳化重合させて得られるエマルションが
ある。市販品には、アイ・シー・アイ・レジン(ICIレ
ジン)社製の「ネオクリルXA−5100」などがある。
上記合成樹脂エマルションは、その有する官能基と架
橋反応しうる官能基を有する硬化剤と組み合わせて使用
される。このような合成樹脂エマルションと硬化剤との
組み合わせは、たとえば、第1表にみるとおりである。
カルボキシル基を有する合成樹脂エマルションは、エ
ポキシ基、イソシアネート基、エチレンイミン基、水酸
基、メチロールアミド基、金属塩のうちの少なくとも1
つを含む硬化剤のはたらきで、3次元架橋構造を形成す
る。
ポリビニルアルコールを保護コロイドとする合成樹脂
エマルションは、アルデヒド基、エポキシ基、イソシア
ネート基、エチレンイミン基、カルボキシル基、メチロ
ールアミド基のうちの少なくとも1つを含む硬化剤の働
きで、3次元架橋構造を形成する。
水酸基を有する合成樹脂エマルションは、アルデヒド
基、エポキシ基、イソシアネート基、エチレンイミン
基、カルボキシル基、メチロールアミド基のうちの少な
くとも1つを含む硬化剤の働きで、3次元架橋構造を形
成する。
メチロールアミド基を有する合成樹脂エマルション
は、エポキシ基、イソシアネート基、エチレンイミン
基、水酸基、カルボキシル基、メチロールアミド基(メ
チロール化アミド)のうちの少なくとも1つを含む硬化
剤のはたらきで、3次元架橋構造を形成する。ただし、
メチロールアミド基と反応する官能基との組み合わせ
は、硬化に際し加熱が必要であるため、製本機による高
速無線綴じなどを行う場合には常温で瞬時にゲル化する
必要があり、他の組み合わせの方が好ましい。
エポキシ基を有する合成樹脂エマルションは、カルボ
キシル基、水酸基、アミノ基、メチロールアミド基のう
ちの少なくとも1つを含む硬化剤のはたらきで、3次元
架橋構造を形成する。
アミノ基を有する合成樹脂エマルションは、エポキシ
基、イソシアネート基、エチレンイミン基、メチロール
アミド基、アルデヒド基のうちの少なくとも1つを含む
硬化剤のはたらきで、3次元架橋構造を形成する。
なお、この発明にかかる製本用硬化型接着剤がエマル
ション系の接着剤である場合には、ポリマレイミドおよ
びグリオキサールをも含んでいて、ニカワ・ゼラチン溶
液のように、熱により可逆的なゾル−ゲル反応を示すよ
うになっているのが好ましい。たとえば、同接着剤の主
剤および/または硬化剤がポリマレイミドおよびグリオ
キサールをも含むようにしたり、ポリマレイミドおよび
グリオキサールのいずれか一方が主剤に含まれ他方が硬
化剤に含まれるようにしたりすることが可能である。こ
のようにすると、エマルション系の接着剤の初期強度、
製本直後での強化を補充することができる。特に、前者
の場合、ポリマレイミドおよびグリオキサールをも含む
主剤および/または硬化剤を被塗布物に塗布したときに
ただちに冷却されてゲル化し、流動しなくなる。これに
より、塗布厚みが不均一になったり、不必要な場所へ流
れていったりするということが起こりにくくなる。前記
ポリマレイミドとしては、たとえば、(株)クラレ製の
「イソバン304」等が使用される。また、ポリマレイミ
ドおよびグリオキサールの使用割合は、特に制限はない
が、ポリマレイミド100重量部に対し、グリオキサール
2〜50重量部となるようにポリマレイミドを主剤へ混入
し、グリオキサールを硬化剤へ混入するのが好ましい。
この範囲よりもポリマレイミドが過剰になると、接着剤
の柔軟性が不足するおそれがあり、グリオキサールが過
剰になると、接着剤のゲル強度が不足するおそれがあ
る。なお、この発明の製本用硬化型接着剤がニカワ・ゼ
ラチン系の接着剤である場合、主剤にポリマレイミドを
加え硬化剤としてグリオキサールを用いたり、硬化剤に
ポリマレイミドおよびグリオキサールを加えたりして、
上記のような効果を得ることもできる。
この発明の製本用硬化型接着剤は、主剤と硬化剤の2
液を合わせて接着力を発揮するので、いわばハネムーン
型であり、硬化が速く、強度の立ち上がりが速いという
利点がある。
主剤と硬化剤との配合割合は化学量論的に当量となる
ように設定するのがよいが、実用的には、硬化剤に含ま
れている官能基が、主剤に含まれている官能基1当量に
対して1〜2当量となるように主剤と硬化剤との配合割
合を設定するのがよい。硬化剤が不足しすぎると、架橋
が不十分となって強度不足のおそれがあり、硬化剤が過
剰すぎると、剰余の硬化剤により接着不良、強度低下を
生じるおそれがある。
なお、この発明の製本用硬化型接着剤は、主剤および
/または硬化剤には、製本用接着剤に通常使用される配
合物が必要に応じて、適宜の割合で添加されれようにな
っていてもよい。
この発明にかかる製本用硬化型接着剤は、たとえば、
つぎのようにして製本に用いられる。
主剤および硬化剤のうちのいずれか一方が、重ね合
わされた複数の紙葉の貼り合わせ面(たとえば、背部)
に塗布され、主剤および硬化剤のうちのもう一方が、表
紙の貼り合わせ面に塗布され、主剤と硬化剤とが合わさ
るようにして前記複数の紙葉と表紙とを圧着し、架橋反
応させて接着し、製本する方法。
主剤および硬化剤を、重ね合わされた複数の紙葉お
よび/または表紙の貼り合わせ面に重ねて塗布し、ただ
ちに前記複数の紙葉と表紙とを圧着して、硬化反応させ
て接着し、製本する方法。
上記の製本方法は、請求項5の方法であり、上記
の製本方法は、請求項6の方法である。
以下に、請求項5の製本方法の1実施例を表す図面を
参照しながら詳しく説明する。
第1図は、請求項5の発明にかかる製本方法の1実施
例を模式的に表す工程図である。この実施例では、第2
図にみるように、製本用硬化型接着剤5は、主剤3と硬
化剤4との2液型でる。主剤3は、タンク8に溜められ
ており、ローラ7,7で塗布されるようになっている。硬
化剤4は、スプレー用ノズル(図示省略)により塗布さ
れるようになっている。ただし、主剤および硬化剤の塗
布方法は、これに限定するものではない。
第1図にみるように、重ね合わされた複数の紙葉(本
文)1が順次供給されているとともに、表紙2が順次供
給されている。複数の紙葉1には、必要に応じて、背け
ずりが行われる。紙葉1が折り丁である場合には、折り
丁の背に刃物でスリットを開けるようにしてもよい。複
数の紙葉1の貼り合わせ面(ここでは背部)11に製本用
硬化型接着剤の主剤3が塗布される。他方、表紙2の貼
り合わせ面(ここでは背となる部分の内側)21には、前
記製本用硬化型接着剤の硬化剤4が塗布される。そし
て、第2図にもみるように、塗布された主剤3と硬化剤
4とが合わさるようにして、前記複数の紙葉1と表紙2
とを圧着する。これにより、架橋反応が起こり、複数の
紙葉1と表紙2とはただちに製本用硬化型接着剤5を介
して強く接着される。つぎに、プレス手段9に移して背
固めを行う。背固めの終えた本6は、そのままで仕上げ
られたり、必要に応じて、所望の処理を施して仕上げら
れる。
以上の説明では、この発明にかかる製本用硬化型接着
剤の主剤3を複数の紙葉1の貼り合わせ面11に塗布し、
硬化剤4を表紙2の貼り合わせ面21に塗布していた。し
かし、逆に、複数の紙葉の貼り合わせ面11に硬化剤4を
塗布し、主剤3の表紙2の貼り合わせ面21に塗布するよ
うにしてもよい。あるいは、複数の紙葉の貼り合わせ面
11および/または表紙2の貼り合わせ面21に、主剤3お
よび硬化剤4を重ねて塗布するようにしてもよい。な
お、主剤3と硬化剤4とを重ねて塗布する場合には、後
から塗布する方(主剤3または硬化剤4)をスプレー塗
布するのが好ましい。これは、塗布手段に両者が付着し
て架橋反応してしまうのを防ぐためである。
なお、この発明の製本用硬化型接着剤および製本方法
は、無線綴じに利用するときに有用であるが、他の綴じ
方、たとえば、糸綴じなどにも適用できるものである。
〔作用〕
請求項1から4までの各発明にかかる製本用硬化型接
着剤は、硬化剤を用いて主剤を架橋反応させることによ
り、3次元架橋構造を形成する。この反応により、製本
時の接着力の立ち上がりが早くなるため、作業性が良く
なり、短時間でセットが行える。形成された接着剤皮膜
は、強靭なものとなる。また、熱や水分などによる主剤
の軟化、融解、溶出、劣化が起こりにくいので、耐熱
性、耐湿性および耐久性のいずれにも優れている。
ニカワ・ゼラチンは、分子中にカルボキシル基、アミ
ノ基、水酸基を有しており、特定の硬化剤の作用でこれ
らの基がすみやかに反応して3次元架橋構造を形成す
る。主剤がニカワ・ゼラチンである製本用硬化型接着剤
は、特定の硬化剤を用いてニカワ・ゼラチンを架橋させ
ることにより、ゾルからゲルへと変化させて溶媒を除去
していないときでも、接着強度が強くなる。このため、
乾燥を行わずに、断裁を行うことができ、製本スピード
がはやくなる。しかも、この断裁時に本の背にシワが生
じにくく、プレスを解除したときに表紙の戻りが起こり
にくくなる。また、強靭な接着剤皮膜(硬膜)が得れ
ら、逆バッケが起こりにくくなる。前記3次元架橋構造
は、水分によってこわされにくいので、耐湿性も良くな
る。なお、溶媒は、3次元架橋構造の網目の中から容易
に抜け出ていく。
主剤が上記特定の合成樹脂エマルションである製本用
硬化型接着剤は、溶媒を除去していないときでも、3次
元架橋構造を形成することにより、凝集力の立ち上がり
がはやく、強い初期接着強度を発揮する。このため、塗
布してから接合するまでの間に乾燥を行う必要がなくな
り、断裁するまでの時間を短縮できるため、製本スピー
ドがはやくなり、設備のコンパクト化を可能にする。前
記3次元架橋構造は、熱によってこわされなくいので、
接着剤皮膜の耐熱性も良くなる。また、強靭な接着剤皮
膜が得られ、逆バッケが起こりにくくなる。なお、溶媒
は、3次元架橋構造の網目の中から容易にぬけ出てい
く。
合成樹脂エマルションは、一般にゾル−ゲル反応を起
こさないが、ポリマレイミドとグリオキサールとを含ま
せておくことにより、ゾル−ゲル反応を起こすようにな
る。このため、この発明にかかる接着剤において、主剤
が合成樹脂エマルションである場合には、同接着剤にポ
リマレイミドとグリオキサールも含まれていると、水分
を含んだ状態でゲル化することにより、初期強度や製本
直後での強度が補充される。
この発明にかかる製本用硬化型接着剤を用いて製本す
る場合、主剤と硬化剤とを複数の紙葉と表紙との貼り合
わせ面に別々に塗布しておいて、主剤と硬化剤とが合わ
さるようにするか、あるいは、複数の紙葉と表紙との貼
り合わせ面に、主剤と硬化剤とを重ねて塗布するように
すると、製本用硬化型接着剤がすみやかに3次元架橋構
造を形成する。これにより、接着力の立ち上がりがはや
く、始業性が良くなる。しかも、生成した接着剤皮膜
は、強靭であり、耐熱性、耐湿性および耐久性に優れた
ものとなっている。
〔実 施 例〕
以下に、この発明のより具体的な実施例および比較例
を示すが、この発明は下記の実施例に限定されない。
−実施例1〜6− 第2表に示す配合で2液型の製本用硬化型接着剤を調
製した。
−比較例1− 硬化剤を配合しないこと以外は、実施例1と全く同様
にして製本用接着剤を調製した。
−実施例7〜11− 第3表に示す配合で2液型の製本用硬化型接着剤を調
製した。
−比較例2,3− 硬化剤を配合しないこと以外は、第3表に示す配合で
実施例7〜11と全く同様にして製本用接着剤を調製し
た。
実施例1〜11および比較例1〜3の各製本用接着剤を
用いて製本を行った。実施例1〜4,6〜11の接着剤は、
第1図に示す方法で使用した。主剤(実施例1〜6では
加熱溶融し、実施例7〜11では加熱溶融しなかった)3
を複数の紙葉1の貼り合わせ面11にロールで塗布し、硬
化剤4を表紙2の貼り合わせ面21にスプレー、ノズルま
たはロールで塗布した後、直ちに、複数の紙葉1と表紙
2とを貼り合わせ面11および21で貼り合わせ、製本し
た。
実施例5の接着剤は、第1図に示す方法において、主
剤3と硬化剤4とをこの順番で、複数の紙葉1の貼り合
わせ面11に重ねて塗布し、直ちにその上から表紙2の貼
り合わせ面21を重ね合わせて貼り合わせ、製本した。な
お、主剤3はロールにより塗布し、硬化剤4はスプレー
塗布により塗布した。
各接着剤について、初期セット性、作業性、耐熱性、
耐湿性および耐久性をそれぞれ調べて、結果を第2表お
よび第3表に示した。
初期セット性は、製本直後のバラケの有無を調べ、全
くなしを○(良)、5mm以下のバラケ有りを△(可)、5
mmより大きいバラケ有りを×(不可)で評価した。
作業性は、製本後、10秒後に断裁し、バラケの有無を
調べ、全くなしを○(良)、5mm以下のバラケ有りを△
(可)、5mmより大きいバラケ有りを×(不可)で評価
した。
耐熱性は、ページプルテスター(テスターサービスセ
ンター社製)で室温と60℃の製本強度を測定し、60℃で
の製本強度が室温での製本強度の100〜70%を○
(良)、70%未満50%以上を△(可)、50%未満を×
(不可)で評価した。
耐湿性は、製本後、20℃、60%RHで3日間放置し、そ
の後、50℃、90%RHに3日間放置し、取り出してすぐペ
ージプルテスターにて製本強度を測定し、この時の製本
強度が室温での製本強度の100〜60%を○(良)、60%
未満40%以上を△(可)、40%未満を×(不可)で評価
した。
耐久性は、マルチーニテスター(MARTINI TESTER)社
製フレークテスター(Flake Tester)にて、製本中の1
枚に3kg/枚の荷重をかけ、90゜の角度で左右に一定速度
で繰り返し折り曲げ、1枚が抜けるまでの回数を測定し
た。1枚が抜けるまでの回数が1000回以上を○(良)、
500〜1000回を△(可)、500回未満を×(不可)で評価
した。
第2表および第3表からわかるように、実施例1〜11
の接着剤は、初期セット性、作業性、耐熱性、耐湿性お
よび耐久性がいずれも良好であった。これに対し、比較
例1では、それら全ての特性が悪く、比較例2では。初
期セット性、作業性および耐湿性に劣っていた。また、
実施例7と11とを比べると、実施例7の接着剤がポリマ
レイミドとグリオキサールを含んでいて水分を含んだ状
態でゲル化したので、実施例11のものよりも、初期セッ
ト性および作業性に優れていた。比較例3は、ポリマレ
イミドとグリオキサールからなる接着剤であり、上記す
べての特性が実施例よりも劣っていた。
〔発明の効果〕
請求項1から4までの各発明にかかる製本用硬化型接
着剤は、以上に述べたように、主剤と硬化剤とを接触さ
せて架橋反応が起こるようになっているので、セット時
間が短く、作業性、耐熱性、耐湿性および耐久性がいず
れも良好である。
請求項5および6の各発明にかかる製本方法は、請求
項1から4までの各発明にかかる製本用硬化型接着剤を
用いており、貼り合わせたときに架橋反応が始まるの
で、効率良く製本でき、接着剤の耐熱性、耐湿性および
耐久性がいずれも良好である。
【図面の簡単な説明】
第1図は請求項5の発明にかかる製本方法の1実施例の
模式的な工程図、第2図は同実施例における1工程の模
式的な拡大断面図である。 1……複数の紙葉、2……表紙、3……主剤、4……硬
化剤、11……複数の紙葉の貼り合わせ面、21……表紙の
貼り合わせ面
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C09J 5/00 C09J 201/00 C09J 189/04 B42C 9/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重ね合わされた複数の紙葉と表紙とを貼り
    合わせて製本するのに用いられる接着剤であって、主剤
    と硬化剤との組み合わせからなり、前記主剤と硬化剤と
    が接触することにより架橋反応が起きるようになってい
    ることを特徴とする製本用硬化型接着剤。
  2. 【請求項2】主剤がニカワ・ゼラチン溶液であり、硬化
    剤がニカワ・ゼラチンを架橋させる化合物を含む溶液で
    ある請求項1記載の製本用硬化型接着剤。
  3. 【請求項3】主剤が、カルボキシル基、水酸基、メチロ
    ールアミド基、エポキシ基およびアミノ基のうちの少な
    くとも1つの官能基を有する合成樹脂エマルションであ
    り、硬化剤が、前記官能基と架橋反応しうる官能基を有
    する化合物の中から選ばれた少なくとも1つを含む溶液
    である請求項1記載の製本用硬化型接着剤。
  4. 【請求項4】ポリマレイミドおよびグリオキサールをも
    含んでいて、水分を含んだ状態でゲル化しうる請求項3
    記載の製本用硬化型接着剤。
  5. 【請求項5】重ね合わされた複数の紙葉と表紙とを貼り
    合わせて製本するにあたり、請求項1から4までのいず
    れかに記載の製本用硬化型接着剤の主剤および硬化剤の
    うちのいずれか一方を前記複数の紙葉の貼り合わせ面に
    塗布するとともに、他方を前記表紙の貼り合わせ面に塗
    布するようにすることを特徴とする製本方法。
  6. 【請求項6】重ね合わされた複数の紙葉と表紙とを貼り
    合わせて製本するにあたり、請求項1から4までのいず
    れかに記載の製本用硬化型接着剤の主剤および硬化剤
    を、前記複数の紙葉および/または表紙の貼り合わせ面
    に重ねて塗布するようにすることを特徴とする製本方
    法。
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