JP2911924B2 - ウェザーストリップの製造方法 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） この発明はウェザーストリップの製造方法にかかる。
詳細には、自動車の開口部に防水等を目的として設置さ
れるウェザーストリップの製造方法にかかる。

（従来の技術） 従来から、第10図に図示されるような自動車の固定屋
根（101）の一部に開口部（102）、（102）を設け、第1
1図に図示されるような開閉屋根（103）で各開口部（10
2）、（102）を被覆をする開閉屋根を有する自動車の開
口部（102）に、ウェザーストリップを設置して防水を
図る必要があることが知られていた。そして防水効果を
上げるために、ウェザーストリップは、二重シールとな
ることが知られている。二重シールでは、ウェザースト
リップの防水用の連続する突起が室内側から室外側にか
けて、メインシール、サブシールの二重に形成されるよ
うに設けられる。

他方、開閉屋根（103）の開口部（102）外周の角部は
設置上便宜等の理由から角ばっているのに対し、開口部
（102）、（102）の内周の角部は強度上、あるいは防水
上等の理由から角を丸くとられる。

ウェザーストリップ（104）は、開口部（102）のガラ
ス等からなる開閉屋根（103）設置等の外周位置から開
口部（102）内周間を被覆するとともにさらに、フロン
トピラー（105）、センタピラー（106）等の開口部周縁
全体にわたって被覆する。すなわち、この場合ウェザー
ストリップ（104）は全体としてほぼＵ字型からなる。

そのため、第14図に図示されるようなメインシール
（111）、サブシール（112）を有するウェザーストリッ
プ（104）をモール（113）を介してビス（114）により
開口部（102）に取り付けることが行われたが、部品数
が多くなる課題を有した。

また、ウェザーストリップ（104）は第12図に図示さ
れるような、上部に中空の当接用突起（107）を有する
とともに、金属製の補強用インサート（108）を埋設さ
れた平面部（109）を設け、平面部（109）の当接用突起
（107）とは反対側には係止用突起（110）を、内側斜め
に向けて突設された断面形状からなるゴム製ウェザース
トリップ用原型を、まず押し出し成型により連続して形
成する。次いで、第13図に図示されるように平面部（10
9）を係止用突起（110）を内側にかつ先端を上方に向く
ように折り曲げていく。すると、第13図に図示されるよ
うなウェザーストリップ（104）が得られる。ついで、
ウェザーストリップ（104）の各係止用突起（110）を自
動車ボデーの開口部（102）の金属端等に嵌め込み固定
させて使用する。ウェザーストリップ（104）は一般に
このような、押し出し成型、折り曲げ工程からなる製造
法により製造されるため、曲線状となった室内側のメイ
ンシールは作れても、そのような形状のメインシールと
一体の第10図に図示されるようなＡ、Ｂのような角部を
有するサブシールとからなるウェザーストリップ（10
4）の製造は、することはできない課題を有する。

そのため、ウェザーストリップをメインシールとサブ
シールとの２つに分け、自動車ボデーの開口部（102）
にはウェザーストリップのメインシールを取付け、他方
開閉屋根（103）にはモールを取り付けたうえで、ウエ
ザーストリップのサブシールを取り付け、開閉屋根（10
3）の開口部（102）への設置時には両者のシールが複合
して二重シールを形成させる方法も考えられる。しかし
ながら、そのような方法では、ガラス製等からなる開閉
屋根（103）に別個にモールを取り付ける必要がある課
題を有した。

そこで、ウェザーストリップ全体をインジェクション
により一体成型とすることが考えられた。

（考案が解決しようとする課題） しかしながら、ウェザーストリップ全体をインジェク
ションにより、一体成型することは、成型用ゴム型、設
備も大掛かりとなりコストも増大する課題を有した。

（課題を解決するための手段） この発明は、内部は金属板からなる補強用インナーを
埋設された板状の平面部および、平面部の上部に設けら
れた当接用突起および、平面部下面に内側斜めに向けて
突設された係止用突起とからなるメインシール原型を押
し出し成型により得る工程、 次いでメインシール原型の平面部が外側にかつ係止用
突起が平面部の内側になるようにかつ係止用突起は先端
が当接用突起側に向くように、平面部を折り曲げること
でメインシールを形成する工程、 当接用突起を有するサブシールの少なくとも角部はイ
ンジェクションにより成型し、メインシールとサブシー
ルとを接合する工程からなることを特徴とするウェザー
ストリップの製造方法を提供する。

（作用） 内部には補強用インナーを埋設された板状の平面部
と、平面部の上部に当接用突起を有し下面には内側斜め
に向けて突設された係止用突起とを有するメインシール
原型を押し出し成型により得る工程、次いでメインシー
ル原型の係止用突起を内側にかつ先端を当接用突起側に
向けて平面部を折り曲げることでメインシールを形成す
る工程、当接用突起を有するサブシールの少なくとも角
部はインジェクションにより成型し、メインシールとイ
ンジェクションにより得られるサブシールとを接合する
工程により、内部には補強用インナーを埋設され折り曲
げられた平面部の上部に当接用突起を有し、平面部の内
側に設けられる先端を当接用突起側に向けた係止用突起
とからなるメインシールと、少なくとも角部はインジェ
クションにより形成されたサブシールとを接着されたウ
ェザーストリップが得られる。

（実施例） この発明の実施例にかかるウェザーストリップの全体
概略をあらわす第１図、同各部詳細をあらわす第２図
ａ、第２図ｂ、第２図ｃ、第２図ｄ、第１図の各部断面
図をあらわす第３図、第４図、第５図、第６図、ウェザ
ーストリップの自動車開口部への取り付け状態をあらわ
す第７図、ウェザーストリップの製造工程の一部をあら
わす第８図、第９図、他の実施例の製造工程の一部を表
す第15図、第16図にしたがって説明する。

（11）は、メインシール原型である。メインシール原
型（11）は、内部にはステンレス板等の金属板からなる
補強用インナー（12）を埋設された板状の平面部（13）
と、平面部（13）の上部に突設される中空の当接用突起
（14）を有し、下面には内側斜めに向けて夫々２個づつ
対向させて突設させる係止用突起（15）とを有する。メ
インシール原型（11）は、補強用インナー（12）を除き
スポンジゴムからなり、全体を押し出し成型により得
る。次いでメインシール原型（11）の係止用突起（15）
を内側にかつ先端を当接用突起（14）側に向けて平面部
（13）を折り曲げることで、自動車開口部の開口縁側に
位置して取り付けられるメインシール（16）を形成す
る。

他方、サブシール（21）は、開口部の角付近はメイン
シール（16）とは別個にインジェクション製法により製
造する。すなわち、成型されたメインシール（16）をイ
ンジェクション型上に載置する。ついで３部分に分けら
れたサブシール（21）は、スポンジゴムにより夫々イン
ジェクション成型されメインシール（16）と一体に接合
させる。（22）は、サブシール（21）の当接用突起であ
る。サブシール（21）の一部には第６図に図示するよう
に、インナー（23）を埋設し、当接用凸部（24）を形成
する箇所にはソリッドゴム（25）をあらかじめ埋設して
インジェクションする。

すると、第１図〜第７図に図示されるような、内部に
は補強用インナー（12）を埋設され折り曲げられた平面
部（13）の上部に当接用突起（14）を有し、折り曲げら
れた平面部（13）の内側に設けられる先端を当接用突起
（14）側に向けた係止用突起（15）とからなるメインシ
ール（16）と、角部はインジェクションにより形成され
たサブシール（21）とを加硫接着等により接合されたウ
ェザーストリップ（31）が得られる。

他の成型方法としては、第15図に図示するような方法
がある。同方法ではメインシール（16）とサブシール
（21）とを予め一体に押し出し成型により得る。つい
で、サブシール（21）中の不適合箇所例えば、角部ａ、
ａをカットする。

そして、その状態でインジェクション型に載置し、切
断されたサブシール（21）の角部をインジェクション成
型する。すると第16図に図示されるようなサブシール
（21）の角部ａは適切な形状を有するウェザーストリッ
プを得る。

得られたウェザーストリップは、第７図に図示される
ように、自動車ボデー（34）の開閉屋根設置部分等の開
口部（32）の開口縁（33）先端を、係止用突起（15）間
に嵌入させて固定させる。

（発明の効果） したがって、この発明では、押し出し成型による連続
したシールによるシール性能を損なうことなく、さらに
サブシールにより、低コストでシール性が向上し（一体
インジェクション成型品の様な）外観品質も向上する。
さらに簡単に二重シールを有するウェザーストリップを
製造することが可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この発明の実施例にかかるウェザーストリッ
プの全体概略図、第２図ａ、第２図ｂ、第２図ｃ、第２
図ｄ、は同各部詳細図、第３図は第２図ｂのＡ−Ａ断面
図、第４図は第２図ａのＢ−Ｂ断面図、第５図は第２図
ａのＣ−Ｃ断面図、第６図は第２図ａのＤ−Ｄ断面図、
第７図はウェザーストリップの自動車開口部への取付状
態図、第８図、第９図はウェザーストリップの製造工程
の一部を表す図、第10図、第11図、第12図、第13図、第
14図は従来例図、第15図、第16図は他の実施例の製造工
程の一部を表す図である。 （11）……メインシール原型、（12）……補強用インナ
ー、（13）……平面部、（14）……当接用突起、（15）
……係止用突起、（31）……ウェザーストリップ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) B29D 31/00 B29C 69/02 B29C 47/00 B29C 53/02 B29C 45/00 B29C 65/00 B60J 1/17

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】内部は金属板からなる補強用インナーを埋
   設された板状の平面部および、平面部の上部に設けられ
   た当接用突起および、平面部下面に内側斜めに向けて突
   設された係止用突起とからなるメインシール原型を押し
   出し成型により得る工程、 次いでメインシール原型の平面部が外側にかつ係止用突
   起が平面部の内側になるようにかつ係止用突起は先端が
   当接用突起側に向くように、平面部を折り曲げることで
   メインシールを形成する工程、 当接用突起を有するサブシールの少なくとも角部はイン
   ジェクションにより成型し、メインシールとサブシール
   とを接合する工程からなることを特徴とするウェザース
   トリップの製造方法。