JP2911284B2 - 軟磁性合金膜 - Google Patents

軟磁性合金膜

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JP2911284B2
JP2911284B2 JP4007981A JP798192A JP2911284B2 JP 2911284 B2 JP2911284 B2 JP 2911284B2 JP 4007981 A JP4007981 A JP 4007981A JP 798192 A JP798192 A JP 798192A JP 2911284 B2 JP2911284 B2 JP 2911284B2
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章伸 小島
彰宏 牧野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドなどに用い
て好適な高い飽和磁束密度と低い保磁力を有する軟磁性
合金膜に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録の分野において、記録密度を高
めるために磁気テープ等の記録媒体の高保持力化が推進
されているが、それに対応する磁気ヘッドコア用の軟磁
性材料として飽和磁束密度(Bs)の高いものが要求さ
れている。従来、磁気ヘッドコアの材料として、Fe−
Ni系合金(パーマロイ)、Fe−Si−Al系合金
(センダスト)あるいはCo系アモルファス合金などが
知られている。これらの材料において、軟磁性を維持で
きる組成範囲での飽和磁束密度の最大値は、パーマロイ
では、ほぼ10000G、センダストでは、ほぼ130
00G、Co系アモルファス合金では13000〜15
000G程度である。
【0003】上記の各種の材料の中では、Co系アモル
ファス合金が有望であるが、この合金は飽和磁束密度を
上げると熱的安定性が低くなり、磁気ヘッド製造工程で
の高温処理(ガラス溶着など)により軟磁気特性が劣化
したり、またヘッドとしての信頼性において問題を生じ
る欠点がある。このように現在知られている磁気ヘッド
コア用材料では高保磁力媒体の能力を十分に引き出すこ
とが難しく、今後の高密度磁気記録の実現に対しては、
より飽和磁束密度の高い軟磁性材料の開発が望まれてい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、15000
G以上の飽和磁束密度を持つ材料として、Feあるいは
Feを主成分とする合金(Fe−Al,Fe−Siな
ど)膜が知られている。しかし、高密度磁気記録用磁気
ヘッドのコア材料等に使用する目的で、スパッタ法など
の成膜技術により、前記FeあるいはFeを主成分とす
る合金の磁性膜を作製した場合、飽和磁束密度は150
00G以上と大きくすることができるが、保磁力が大き
くなり、十分な軟磁気特性を得ることが困難であった。
この課題を解決するため、磁性膜を多層化することなど
が行なわれているが、軟磁気特性が十分ではなく、また
製造工程が複雑になるなどの問題が残されている。
【0005】このような背景から本願発明者らは、特願
平2−268051号明細書、または、特願平3−31
5036号明細書などにおいて、Fe(鉄)やCo(コ
バルト)にZr(ジルコニウム)やHf(ハフニウム)
あるいはO(酸素)などの元素を特定量添加することで
前記の問題点を解決した軟磁性合金膜を特許出願してい
るが、更に研究を重ねた結果、他の系のものにおいても
良好な軟磁気特性が得られる組成を知見したので本願発
明に到達した。
【0006】本発明は上述の問題点を解決し、高い飽和
磁束密度を有し、低い保磁力を有するとともに、高周波
領域での渦電流損失の少ない軟磁性合金膜を提供するこ
とを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は前記の課題を解決するために、組成式がFeaMgb
cで示され、Feは鉄、Mgはマグネシウム、Oは酸素
を表わし、組成比a,b,cを原子%で、70≦a≦97、
0.5≦b≦30、2≦c≦26、a+b+c=100
なる関係を満足する組成よりなるものとした。
【0008】請求項2に記載した発明は前記の課題を解
決するために、組成式がFeaMgbcdで示され、X
はSi、B、Alの内、少なくとも一種以上の元素また
は混合物であり、組成比 a,b,c,d は原子%で、70≦
a≦97、0.5≦b≦30、2≦c≦26、d≦27.
5、a+b+c+d=100なる関係を満足する組成よ
りなるものとした。
【0009】
【作用】Feを基本成分とし、これにMgと酸素を特定
量添加することにより、Fe自身が本来有する高い飽和
磁束密度を維持しつつ低保磁力を実現する。また、前記
組成に、Al(アルミニウム)とSi(珪素)とB(ホ
ウ素)の1種以上を特定量添加することで比抵抗が高く
なり、高周波領域での渦電流損が減少する。
【0010】以下に本発明を更に詳細に説明する。前記
組成の軟磁性合金膜の生成方法としては、合金膜をスパ
ッタ、蒸着等の薄膜形成装置により作製する。スパッタ
装置としては、RF2極スパッタ、DCスパッタ、マグ
ネトロンスパッタ、3極スパッタ、イオンビームスパッ
タ、対向ターゲット式スパッタ等の既存のものを使用す
ることができる。
【0011】軟磁性合金膜にO(酸素)を添加する方法
としては、Ar等の不活性ガス中にO2ガスを混合した
Ar+O2混合雰囲気ガス中でスパッタを行なう反応性
スパッタが有効である。また、Fe、Fe−Mgあるい
は、Fe−Mg−X(XはB、Al、Siの内、少なく
とも一種以上の元素)合金ターゲットの上にFeあるい
は元素Xの酸化物を配置した複合ターゲットを用いて、
Ar等の不活性ガス中で製作することもできる。
【0012】以下、本発明において前記のように成分を
限定した理由について述べる。Feは主成分であり磁性
を担う元素である。15000G以上の高い飽和磁束密
度を有するには、a≧70であることが好ましい。
【0013】また、MgとOは軟磁気特性を得るために
必要な元素であり、FeにMgとOを同時に、しかもM
g及びOの割合が特定の値を取るように添加することに
よって、膜の軟磁性特性は著しく向上する。良好な軟磁
性特性を得るためには、膜中のMg及びOの割合が0.
5≦b≦30、2≦c≦26なる関係の組成よりなる時
に、好適な軟磁性特性を有する合金膜を得ることができ
る。ここで、Feの原子%をa≧70、Mgの原子%を
0.5≦b≦30、Oの原子%を2≦c≦26とする
と、必然的に元素X(Al,Si,B)の原子%はd≦
27.5となる。
【0014】さらに、元素X(即ちAl,Si,B)は
合金膜の電気抵抗を高くして、渦電流損失による高周波
透磁率の低下を改善する働きがある。また、本発明の軟
磁性合金膜を従来より広く知られているMIG(メタル
インギャップ)ヘッド、即ち、フェライトからなる磁気
コア半体に軟磁性合金膜を形成し、この軟磁性合金膜を
形成した磁気コア半体を一対、ギャップ層を介して接合
してなる構成の磁気ヘッドに用いるならば、飽和磁束密
度が高く、低保磁力であって、高周波域における損失の
少ない高性能のMIGヘッドを提供することができる。
【0015】
【実施例】
(1)成膜 高周波マグネトロンスパッタ装置を用いて、後記の表1
に示す組成の軟磁性合金膜を形成した。使用したターゲ
ットは、Fe100-AMgAなる組成の合金ターゲット(原
子%)、あるいは、これにB、Si、Al等の各種ペレ
ットを適宜配置して構成した複合ターゲットを用い、A
r+(0.1〜1.0)%O2雰囲気中でスパッタを行
ない、膜厚が2μmになるようにスパッタ時間を調整し
た。主なスパッタ条件を以下に示す。 予備排気 1×10-5Pa以下、 高周波電力
400W Arガス圧 1.0Pa、 基板 結晶化ガラ
ス基板(間接水冷) 電極間距離 70mm
【0016】(2)熱処理 成膜後、膜の軟磁性を改善するため真空加熱炉中で、3
00℃で60分間保持後徐冷するアニール処理を行なっ
た。
【0017】(3)測定 前記のように製造された軟磁性合金膜の膜の組成を誘導
結合プラズマ(ICP)発光分析法、及び、不活性ガス
融解赤外線吸収法、X線マイクロアナライザー(EPM
A)により決定した。そしてさらに、前記のように製造
した軟磁性合金膜の飽和磁束密度(Bs)と、300℃
で60分間アニール処理した後の軟磁性合金膜の保磁力
(H)と、300℃で60分間アニール処理した後の
軟磁性合金膜の比抵抗(ρ、μΩ・m)をそれぞれ測定
してそれらの結果を併せて表1に示した。表1におい
て、No.1〜12の試料は、本発明に係る組成範囲の
試料を示し、No.13〜16の試料は本発明以外の組
成範囲の試料を示す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示す結果から明らかなように、本発
明に係る組成のNo.1〜12の試料はいずれも高い飽
和磁束密度と低い保磁力を示し、優秀な軟磁気特性を有
していることが明らかである。特に、本発明に係る組成
範囲の試料は、いずれの試料にあっても、飽和磁束密度
を15000G(15kG)以上とすることができる上
に、極めて低い保磁力を有している。また、元素Xを含
有していない軟磁気合金膜の比抵抗はいずれも1以下で
低いのに対し、Al、Si、Bを添加した各試料にあっ
ては比抵抗が2〜3倍に増加している。従って、これら
の試料の軟磁性合金膜を磁気ヘッドのコア材として用い
た磁気ヘッドにあっては、高周波領域における渦電流損
失が少なくなる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、FeにM
gとOを特定の組成範囲で添加することによって、15
000G以上の高い飽和磁束密度を有し、しかも低い保
磁力を有するものである。従って、本発明による軟磁性
合金膜を磁気ヘッドのコア材に用いれば、飽和磁束密度
が高く、保磁力の低い磁気ヘッドを提供することができ
る。
【0021】更に、前記FeとMgとOを特定量有する
組成に、Al、Si、Bの内、少なくとも一つ以上の元
素を特定量添加することにより、高い飽和磁束密度と低
い保磁力を有する上に比抵抗を高くすることができ、渦
電流損失による高周波領域の透磁率の低下を改善するこ
とができる。このため、本発明による軟磁性合金膜を磁
気ヘッド用のコア材として用いるならば、飽和磁束密度
が高く、低保磁力であって、高周波領域における損失の
少ない磁気ヘッドを提供することができる。また、本発
明の軟磁性合金膜を従来より広く知られているMIGヘ
ッドに用いるならば、高性能のMIGヘッドを提供する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C23C 14/00 - 14/58 C22C 38/00 303 H01F 1/12,10/18

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組成式がFeaMgbcで示され、Fe
    は鉄、Mgはマグネシウム、Oは酸素を表わし、組成比
    a,b,c は原子%で、 70≦a≦97 0.5≦b≦30 2≦c≦26 a+b+c=100 なる関係を満足する組成よりなる軟磁性合金膜。
  2. 【請求項2】 組成式がFeaMgbcdで示され、X
    はSi、B、Alの内、少なくとも一種以上の元素また
    は混合物であり、組成比 a,b,c,d は原子%で、 70≦a≦97 0.5≦b≦30 2≦c≦26 d≦27.5 a+b+c+d=100 なる関係を満足する組成よりなる軟磁性合金膜。
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