JPH0744107B2 - 軟磁性薄膜 - Google Patents
軟磁性薄膜Info
- Publication number
- JPH0744107B2 JPH0744107B2 JP23046885A JP23046885A JPH0744107B2 JP H0744107 B2 JPH0744107 B2 JP H0744107B2 JP 23046885 A JP23046885 A JP 23046885A JP 23046885 A JP23046885 A JP 23046885A JP H0744107 B2 JPH0744107 B2 JP H0744107B2
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- JP
- Japan
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- thin film
- magnetic
- soft magnetic
- magnetic thin
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は例えば薄膜磁気ヘッドに用いて好適な軟磁性薄
膜に係わる。
膜に係わる。
〔発明の概要〕 本発明は、窒素含有のFe−Ga−Si系の軟磁性薄膜で、そ
の組成の特定により保磁力Hcが小さく透磁率μが高く、
特に耐蝕性及び硬度の向上をはかるものである。
の組成の特定により保磁力Hcが小さく透磁率μが高く、
特に耐蝕性及び硬度の向上をはかるものである。
各種磁気記録再生装置において、高密度記録化、高周波
数化の要求が高まり、これに対応して高い飽和磁化、高
い保磁力の磁気記録媒体が用いられる。この種の磁気記
録媒体としては、Fe,Co,Ni等の強磁性金属の粉末を用い
たいわゆるメタルテープや、強磁性金属材料をベースフ
ィルム上に被着して成るいわゆる蒸着テープなどが用い
られるに至っている。
数化の要求が高まり、これに対応して高い飽和磁化、高
い保磁力の磁気記録媒体が用いられる。この種の磁気記
録媒体としては、Fe,Co,Ni等の強磁性金属の粉末を用い
たいわゆるメタルテープや、強磁性金属材料をベースフ
ィルム上に被着して成るいわゆる蒸着テープなどが用い
られるに至っている。
これに伴い、この種の磁気記録媒体に対する磁気ヘッド
としては、高い飽和磁束密度と高透磁率のヘッド材料に
よることが要求されると共に、磁気異方性が小さく磁歪
が零であり、また保磁力が小さく、更にヘッド材料とし
てできるだけ、耐摩耗性が高く、耐蝕性にすぐれている
など、磁気特性はもとより、化学的に安定で機械的特性
にすぐれていることなどが要求される。
としては、高い飽和磁束密度と高透磁率のヘッド材料に
よることが要求されると共に、磁気異方性が小さく磁歪
が零であり、また保磁力が小さく、更にヘッド材料とし
てできるだけ、耐摩耗性が高く、耐蝕性にすぐれている
など、磁気特性はもとより、化学的に安定で機械的特性
にすぐれていることなどが要求される。
一方、高密度記録化に伴って記録トラック幅、したがっ
て磁気ヘッドにおける、作動磁気ギャップのトラック幅
の狭小化が要求され、この要求に対応し、しかも特に多
トラック磁気ヘッドにおいて著しく量産性の向上をはか
ることができるものとして非磁性ないしは磁性基板上に
軟磁性薄膜による磁気ヘッドコアを被着形成する薄膜技
術を用いた薄膜磁気ヘッドの普及がめざましい。この種
の軟磁性薄膜としてはFe,Al,Siを主成分とするセンダス
ト合金薄膜が注目を集めている。
て磁気ヘッドにおける、作動磁気ギャップのトラック幅
の狭小化が要求され、この要求に対応し、しかも特に多
トラック磁気ヘッドにおいて著しく量産性の向上をはか
ることができるものとして非磁性ないしは磁性基板上に
軟磁性薄膜による磁気ヘッドコアを被着形成する薄膜技
術を用いた薄膜磁気ヘッドの普及がめざましい。この種
の軟磁性薄膜としてはFe,Al,Siを主成分とするセンダス
ト合金薄膜が注目を集めている。
このセンダスト合金薄膜は、高い飽和磁束密度Bsを有
し、比較的高硬度を有するので、上述したメタルテープ
等のように高い残留磁束密度を有する磁気記録媒体に対
しても適用することが可能である。
し、比較的高硬度を有するので、上述したメタルテープ
等のように高い残留磁束密度を有する磁気記録媒体に対
しても適用することが可能である。
しかしながら、このセンダスト合金薄膜は比較的高硬度
を有するものの例えばフェライト材等に比し耐摩耗性及
び耐蝕性に劣る。また、このセンダスト合金薄膜は比較
的比抵抗が低いためにこれを磁気ヘッドのコアとして使
用した場合には、いわゆる渦電流損による高周波領域で
の透磁率の低下が問題となっており、高周波領域で充分
な再生出力が得られないおそれがあるなどの問題点があ
る。
を有するものの例えばフェライト材等に比し耐摩耗性及
び耐蝕性に劣る。また、このセンダスト合金薄膜は比較
的比抵抗が低いためにこれを磁気ヘッドのコアとして使
用した場合には、いわゆる渦電流損による高周波領域で
の透磁率の低下が問題となっており、高周波領域で充分
な再生出力が得られないおそれがあるなどの問題点があ
る。
これに比し、センダスト合金薄膜の代わりに高周波領域
での透磁率の低下が少なく高い飽和磁束密度Bsを有する
非晶質(アモルファス)磁性合金材料を用いることが考
えられているが、この非晶質磁性合金材料は耐熱性に難
点があり、長時間の加熱や熱サイクルにより透磁率が大
きく劣化し再生効率が悪くなる。特に結晶化の可能性が
大きいので500℃以上の温度を長時間加えることはでき
ないものであり、これがため、磁気ヘッドの製造工程に
おいて例えばガラス融着のように500℃以上の温度での
処理を必要とする工程を採ることは好ましくないなどの
問題点がある。
での透磁率の低下が少なく高い飽和磁束密度Bsを有する
非晶質(アモルファス)磁性合金材料を用いることが考
えられているが、この非晶質磁性合金材料は耐熱性に難
点があり、長時間の加熱や熱サイクルにより透磁率が大
きく劣化し再生効率が悪くなる。特に結晶化の可能性が
大きいので500℃以上の温度を長時間加えることはでき
ないものであり、これがため、磁気ヘッドの製造工程に
おいて例えばガラス融着のように500℃以上の温度での
処理を必要とする工程を採ることは好ましくないなどの
問題点がある。
このような状況から、さらに良好な軟磁気特性を示す軟
磁性材料の研究が進められ、例えば山本達治・千葉久喜
共著,「日本金属学会誌」第14巻B,第2号(1950年)に
は、Fe,Co,Siを主成分とするFe−Co−Si系合金材料が良
好な軟磁気特性を示すことが報告されている。
磁性材料の研究が進められ、例えば山本達治・千葉久喜
共著,「日本金属学会誌」第14巻B,第2号(1950年)に
は、Fe,Co,Siを主成分とするFe−Co−Si系合金材料が良
好な軟磁気特性を示すことが報告されている。
しかしながら、このFe−Co−Si系合金材は、極めて脆弱
で実用性に乏しく、そのまま磁気ヘッドのコア材料とし
て用いることには問題がある。
で実用性に乏しく、そのまま磁気ヘッドのコア材料とし
て用いることには問題がある。
本発明は上述した諸問題の改善をはかり、磁気特性、す
なわち飽和磁束密度Bsが大、保磁力Hcが小、磁歪λsが
殆ど零、磁気異方性が小さく、しかも機械的特性、すな
わち、高い硬度を有し、耐摩耗性にすぐれ、更に熱的に
安定で耐熱性が高く、また化学安定性に、すなわち耐蝕
性にすぐれた軟磁性薄膜を提供するものである。
なわち飽和磁束密度Bsが大、保磁力Hcが小、磁歪λsが
殆ど零、磁気異方性が小さく、しかも機械的特性、すな
わち、高い硬度を有し、耐摩耗性にすぐれ、更に熱的に
安定で耐熱性が高く、また化学安定性に、すなわち耐蝕
性にすぐれた軟磁性薄膜を提供するものである。
本発明は、Fe,Ga,Siを主成分とする磁性薄膜に窒素Nを
添加することにより飽和磁束密度を低下することなく上
述した諸問題を改善することができることを見出したこ
とに基づくものである。
添加することにより飽和磁束密度を低下することなく上
述した諸問題を改善することができることを見出したこ
とに基づくものである。
すなわち、本発明は、Fea Gab Sic Nx(但し、a,b,c及
びxは、夫々の組成比を原子%として表す)なる組成式
で示され、各組成範囲が、 55a84 1b23 3c31 0.1x20 であり、且つ、a+b+c+x=100とした組成の軟磁
性薄膜とする。
びxは、夫々の組成比を原子%として表す)なる組成式
で示され、各組成範囲が、 55a84 1b23 3c31 0.1x20 であり、且つ、a+b+c+x=100とした組成の軟磁
性薄膜とする。
尚、上述の組成においてGaの一部をAlで、Siの一部をGe
で置換することができる。またFeの一部をCo、或いはRu
の少くとも1種で15原子%以下をもって置換することが
できる。
で置換することができる。またFeの一部をCo、或いはRu
の少くとも1種で15原子%以下をもって置換することが
できる。
また、上述の組成を有する本発明による軟磁性薄膜の膜
厚としては、10Å以上1mm以下であることが好ましく、
さらに100Å以上100μm以下であることがより好まし
い。
厚としては、10Å以上1mm以下であることが好ましく、
さらに100Å以上100μm以下であることがより好まし
い。
本発明による軟磁性薄膜は、センダスト合金よりも飽和
磁束密度が高く、またNを含ませたことにより、Nを含
まないFe−Ga−Si系合金に比して、透磁率が上がり、比
抵抗が高くなり、硬度、したがって耐摩耗性の向上がは
かられた。
磁束密度が高く、またNを含ませたことにより、Nを含
まないFe−Ga−Si系合金に比して、透磁率が上がり、比
抵抗が高くなり、硬度、したがって耐摩耗性の向上がは
かられた。
本発明による軟磁性薄膜において、Fe,Ga及びSiの各元
素に関する組成比、すなわちa,b及びcの値に関して
は、上記範囲外では、磁歪が大きくなるなど磁気特性の
劣化を来し、Nの組成比すなわちxの値に関しては、こ
れが上記範囲外、つまり、xが0.1原子%未満では比抵
抗及び硬度など、Nの添加による効果の発現がみられ
ず、xが20原子%を超えると、かえって透磁率の低下を
招来し、保磁力Hcが高くなるなどの不都合が生じる。
素に関する組成比、すなわちa,b及びcの値に関して
は、上記範囲外では、磁歪が大きくなるなど磁気特性の
劣化を来し、Nの組成比すなわちxの値に関しては、こ
れが上記範囲外、つまり、xが0.1原子%未満では比抵
抗及び硬度など、Nの添加による効果の発現がみられ
ず、xが20原子%を超えると、かえって透磁率の低下を
招来し、保磁力Hcが高くなるなどの不都合が生じる。
また、上述の組成においてFeの一部をCoで置換するとき
は、更に飽和磁束密度Bsの向上と、耐蝕性の向上をはか
ることができ、Feの一部をRuで置換するときも、Ruが非
磁性元素であるにも拘わらず軟磁気特性を害わずに、ま
たBsの低下を殆ど招来せずに、より耐蝕性、耐摩耗性の
向上をはかることができた。
は、更に飽和磁束密度Bsの向上と、耐蝕性の向上をはか
ることができ、Feの一部をRuで置換するときも、Ruが非
磁性元素であるにも拘わらず軟磁気特性を害わずに、ま
たBsの低下を殆ど招来せずに、より耐蝕性、耐摩耗性の
向上をはかることができた。
本発明による軟磁性薄膜の製造方法としては、いわゆる
気相薄膜生成技術によることが好ましい。これは、例え
ば一般の溶解による方法では均一に多量の窒素を導入す
ることが難しいことによる。すなわち、通常窒素は合金
溶融中にスラグとして浮上し不純物として合金と分離さ
れてしまうのである。
気相薄膜生成技術によることが好ましい。これは、例え
ば一般の溶解による方法では均一に多量の窒素を導入す
ることが難しいことによる。すなわち、通常窒素は合金
溶融中にスラグとして浮上し不純物として合金と分離さ
れてしまうのである。
そこで、本発明による軟磁性薄膜は、蒸着法やイオンイ
ンプランテーション法等により作製するのが好ましいも
のである。蒸着の手法としては、例えばフラッシュ蒸
着、ガス中蒸着法、イオンプレーティング、スパッタリ
ング、クラスター・イオンビーム法等が挙げられ、また
蒸着とイオンインプランテーションを同時に行ってもよ
い。また、磁性薄膜に窒素Nを導入する方法としては、 (1) 窒素ガスを含む雰囲気中で蒸着等を行い、この
窒素ガスの濃度によって得られる磁性薄膜中の窒素Nの
含有量を調節して導入する方法。
ンプランテーション法等により作製するのが好ましいも
のである。蒸着の手法としては、例えばフラッシュ蒸
着、ガス中蒸着法、イオンプレーティング、スパッタリ
ング、クラスター・イオンビーム法等が挙げられ、また
蒸着とイオンインプランテーションを同時に行ってもよ
い。また、磁性薄膜に窒素Nを導入する方法としては、 (1) 窒素ガスを含む雰囲気中で蒸着等を行い、この
窒素ガスの濃度によって得られる磁性薄膜中の窒素Nの
含有量を調節して導入する方法。
(2) 窒素Nと各成分のうちの少なくとも1種の元素
との化合物と、残りの成分の合金とを蒸発源として使用
し、得られる磁性薄膜中に窒素Nを導入する方法、 等が挙げられる。さらに、磁性薄膜を構成するFe,Ga,Si
等の各成分元素の組成を調節する方法としては、 (1) Fe,Ga,Siや他の添加剤、置換金属等を所定の割
合となるように秤量し、これらをあらかじめ例えば高周
波溶解炉等で溶解して合金インゴットを形成しておき、
この合金インゴットを蒸発源として使用する方法、 (2) 各成分の単独元素の蒸発源を用意し、これら蒸
発源の数で組成を制御する方法、 (3) 各成分の単独元素の蒸発源を用意し、これら蒸
発源に加える出力(印加電圧)を制御して蒸発スピード
をコントロールし組成を制御する方法、 (4) 合金を蒸発源として蒸着しながら他の元素を打
ち込む方法、 等が挙げられる。
との化合物と、残りの成分の合金とを蒸発源として使用
し、得られる磁性薄膜中に窒素Nを導入する方法、 等が挙げられる。さらに、磁性薄膜を構成するFe,Ga,Si
等の各成分元素の組成を調節する方法としては、 (1) Fe,Ga,Siや他の添加剤、置換金属等を所定の割
合となるように秤量し、これらをあらかじめ例えば高周
波溶解炉等で溶解して合金インゴットを形成しておき、
この合金インゴットを蒸発源として使用する方法、 (2) 各成分の単独元素の蒸発源を用意し、これら蒸
発源の数で組成を制御する方法、 (3) 各成分の単独元素の蒸発源を用意し、これら蒸
発源に加える出力(印加電圧)を制御して蒸発スピード
をコントロールし組成を制御する方法、 (4) 合金を蒸発源として蒸着しながら他の元素を打
ち込む方法、 等が挙げられる。
実施例1 鉄、ガリウム、シリコンを秤量して後、高周波溶解炉を
用いて真空中で溶解し、鋳型に流し込んで成形して直径
105mm、厚さ4mmのスパッタリング用ターゲットを作製し
た。
用いて真空中で溶解し、鋳型に流し込んで成形して直径
105mm、厚さ4mmのスパッタリング用ターゲットを作製し
た。
このターゲットを用い、下記のスパッタ条件に従ってプ
レナーマグネトロン型スパッタリング装置によるスパッ
タリングを行った。
レナーマグネトロン型スパッタリング装置によるスパッ
タリングを行った。
スパッタ条件 RFパワー 300W ターゲット・基板間距離 55mm 基板温度 水冷 到達真空度 3×10-6Torr ガス圧力 5×10-3Torr 膜厚 約2.8〜3.1μm 上記スパッタ条件に従い、不活性ガスとしてArガスを用
い、このArガスにN2を混入してスパッタリングを行っ
た。ここで、N2の混入量を分圧で制御し、このN2の割合
を変えながらスパッタリングを行い、結晶化ガラス基板
上にNを含むFe−Ga−Si系合金薄膜を形成した。得られ
たNを含むFe−Ga−Si系合金薄膜を550℃で1時間熱処
理した。
い、このArガスにN2を混入してスパッタリングを行っ
た。ここで、N2の混入量を分圧で制御し、このN2の割合
を変えながらスパッタリングを行い、結晶化ガラス基板
上にNを含むFe−Ga−Si系合金薄膜を形成した。得られ
たNを含むFe−Ga−Si系合金薄膜を550℃で1時間熱処
理した。
実施例1において、そのN2ガスの分圧を変化させた場合
の得られた膜組成と、保磁力Hcと1MHzにおける透磁率μ
1MHzと、耐蝕性を測定した結果を図面に示す。ここで耐
蝕性の測定は、測定試料を1規定のNaCl溶液中に9時間
浸漬し、表面の発錆状態を目視観察したもので、◎印は
上述のNaCl中に48時間浸漬した後でも鏡面が保たれたも
の、〇印は同条件で表面に曇りが生じ、市水中で48時間
後で鏡面であったもの、△印は市水中48時間浸漬で膜面
に曇りが生じたもの、×印は市水中48時間浸漬で膜面に
薄く赤錆が発生したものを示す。
の得られた膜組成と、保磁力Hcと1MHzにおける透磁率μ
1MHzと、耐蝕性を測定した結果を図面に示す。ここで耐
蝕性の測定は、測定試料を1規定のNaCl溶液中に9時間
浸漬し、表面の発錆状態を目視観察したもので、◎印は
上述のNaCl中に48時間浸漬した後でも鏡面が保たれたも
の、〇印は同条件で表面に曇りが生じ、市水中で48時間
後で鏡面であったもの、△印は市水中48時間浸漬で膜面
に曇りが生じたもの、×印は市水中48時間浸漬で膜面に
薄く赤錆が発生したものを示す。
尚、比較のために同図面の表中にNを含有させないもの
についてもその測定結果を示した。
についてもその測定結果を示した。
各組成の測定は、Nに関してはインナートガスディフュ
ージョン(熱伝導度)法によってその測定を行ったもの
であり、他についてはEPMA(Electric Probe Micro Ana
lsis)によった。
ージョン(熱伝導度)法によってその測定を行ったもの
であり、他についてはEPMA(Electric Probe Micro Ana
lsis)によった。
これら測定結果から明らかなように、本発明によるN含
有の軟磁性薄膜はNを含有しない軟磁性薄膜に比して保
磁力Hcを高めることなく、透磁率の向上と耐蝕性の向上
がはかられている。
有の軟磁性薄膜はNを含有しない軟磁性薄膜に比して保
磁力Hcを高めることなく、透磁率の向上と耐蝕性の向上
がはかられている。
以上述べたように、本発明による軟磁性薄膜において
は、その成分として窒素Nを含有していることにより、
高透磁率及び耐蝕性の向上がはかられるものであるが更
に高硬度が達成されて耐摩耗性の向上がはかられるもの
であり、このとき飽和磁束密度や保磁力等の磁気特性の
劣化も見られない。そして特に、窒素Nを含有すること
により比抵抗が増加し、高周波領域での渦電流損失が小
さくなることから透磁率の周波数特性が向上して10MHz
以上の高周波数領域で使用される磁気ヘッド等に対して
極めて有用となる。
は、その成分として窒素Nを含有していることにより、
高透磁率及び耐蝕性の向上がはかられるものであるが更
に高硬度が達成されて耐摩耗性の向上がはかられるもの
であり、このとき飽和磁束密度や保磁力等の磁気特性の
劣化も見られない。そして特に、窒素Nを含有すること
により比抵抗が増加し、高周波領域での渦電流損失が小
さくなることから透磁率の周波数特性が向上して10MHz
以上の高周波数領域で使用される磁気ヘッド等に対して
極めて有用となる。
尚、この磁性薄膜中における窒素Nの果たす役割につい
ては、その詳細は不明であるが、硬度が著しく向上する
ことからFeの窒化物や窒化シリコン等の高硬度粒子の生
成等も予想される。
ては、その詳細は不明であるが、硬度が著しく向上する
ことからFeの窒化物や窒化シリコン等の高硬度粒子の生
成等も予想される。
また、上述の本発明による軟磁性薄膜において、更に耐
蝕性や耐摩耗性そのほか各種特性を改善するために各種
元素を添加剤として加えてもよい。この添加剤として使
用される元素としては、Ti,Zr,Hf等のIV a族元素、V,N
b,Ta等のV a族元素、Cr,Mo,W等のVI a族元素、Mn等のVI
I a族元素、さらに白金族元素として第5周期の白金族
元素、すなわちRh,Rd、第6周期の白金族元素、すなわ
ちOs,Ir,Pt等を挙げることができるものであり、これら
添加剤の1種または2種以上を組み合わせて、上記磁性
薄膜に対して0〜10原子%の範囲で添加し得る。
蝕性や耐摩耗性そのほか各種特性を改善するために各種
元素を添加剤として加えてもよい。この添加剤として使
用される元素としては、Ti,Zr,Hf等のIV a族元素、V,N
b,Ta等のV a族元素、Cr,Mo,W等のVI a族元素、Mn等のVI
I a族元素、さらに白金族元素として第5周期の白金族
元素、すなわちRh,Rd、第6周期の白金族元素、すなわ
ちOs,Ir,Pt等を挙げることができるものであり、これら
添加剤の1種または2種以上を組み合わせて、上記磁性
薄膜に対して0〜10原子%の範囲で添加し得る。
また、或る場合は、窒素Nと共に酸素を含有させること
もできる。
もできる。
上述したように本発明による軟磁性薄膜によれば、飽和
磁束密度の低下や、保磁力を高めることなく、高透磁率
を有し、耐蝕性にすぐれ、高硬度の耐摩耗性にすぐれ、
更にアモルファス磁性薄膜におけるような熱的に不安定
性のない耐熱性にすぐれた軟磁性薄膜を得ることができ
るので、例えば高密度記録用の薄膜磁気ヘッドの薄膜磁
気コアとして用いて、その利益は極めて大である。
磁束密度の低下や、保磁力を高めることなく、高透磁率
を有し、耐蝕性にすぐれ、高硬度の耐摩耗性にすぐれ、
更にアモルファス磁性薄膜におけるような熱的に不安定
性のない耐熱性にすぐれた軟磁性薄膜を得ることができ
るので、例えば高密度記録用の薄膜磁気ヘッドの薄膜磁
気コアとして用いて、その利益は極めて大である。
【図面の簡単な説明】 図は軟磁性薄膜の組成と各特性の測定結果を示す表図で
ある。
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 祥隆 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 松田 秀樹 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 岩崎 洋 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (72)発明者 阿蘇 興一 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−27941(JP,A)
Claims (1)
- 【請求項1】Fea Gab Sic Nx(但し、a,b,c及びxは、
夫々の組成比を原子%として表す)なる組成式で示さ
れ、各組成範囲が、 55a84 1b23 3c31 0.1x20 であり、且つ、a+b+c+x=100としたことを特徴
とする軟磁性薄膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23046885A JPH0744107B2 (ja) | 1985-10-16 | 1985-10-16 | 軟磁性薄膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23046885A JPH0744107B2 (ja) | 1985-10-16 | 1985-10-16 | 軟磁性薄膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS6289312A JPS6289312A (ja) | 1987-04-23 |
JPH0744107B2 true JPH0744107B2 (ja) | 1995-05-15 |
Family
ID=16908296
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23046885A Expired - Lifetime JPH0744107B2 (ja) | 1985-10-16 | 1985-10-16 | 軟磁性薄膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0744107B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2513205B2 (ja) * | 1987-02-04 | 1996-07-03 | ソニー株式会社 | 複合磁気ヘツド |
JP2690904B2 (ja) * | 1987-08-10 | 1997-12-17 | 株式会社日立製作所 | 耐熱磁性膜 |
EP0400263B1 (en) * | 1989-05-31 | 1994-05-11 | International Business Machines Corporation | New class of magnetic materials for solid state devices |
-
1985
- 1985-10-16 JP JP23046885A patent/JPH0744107B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS6289312A (ja) | 1987-04-23 |
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