JPH04214831A - 軟磁性膜 - Google Patents

軟磁性膜

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JPH04214831A
JPH04214831A JP2512791A JP2512791A JPH04214831A JP H04214831 A JPH04214831 A JP H04214831A JP 2512791 A JP2512791 A JP 2512791A JP 2512791 A JP2512791 A JP 2512791A JP H04214831 A JPH04214831 A JP H04214831A
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JP
Japan
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soft magnetic
magnetic film
film
composition
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JP2512791A
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Inventor
Hiroyuki Omori
広之 大森
Kenji Katori
健二 香取
Masatoshi Hayakawa
正俊 早川
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication of JPH04214831A publication Critical patent/JPH04214831A/ja
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッドのコア材等
として使用される軟磁性膜に関する。
【0002】
【従来の技術】例えばVTR(ビデオテープレコーダ)
等の磁気記録再生装置においては、画質等を向上させる
ために記録信号の高密度化が進められており、これに対
応して磁性粉にFe,Co,Ni等の強磁性金属の粉末
を用いた所謂メタルテープや、強磁性金属材料を蒸着等
の手法により直接ベースフィルム上に被着した所謂蒸着
テープ等の高抗磁力媒体の開発が進められている。
【0003】ところで、磁気記録媒体の高抗磁力化が進
むにつれ、記録再生に使用する磁気ヘッドのヘッド材料
に高飽和磁束密度化が要求される。例えば、従来ヘッド
材料として多用されているフェライト材では、飽和磁束
密度が低く、媒体の高抗磁力化に充分に対処することは
難しい。
【0004】このような状況から、磁気ヘッドを構成す
る磁気コアをフェライトやセラミクス等と高飽和磁束密
度を有する軟磁性膜との複合構造とし、軟磁性膜同士を
突き合わせて磁気ギャップを構成するようにした複合型
磁気ヘッドや、各磁気コアやコイル等を薄膜技術により
形成し、これらを絶縁膜を介して多層構造とした薄膜磁
気ヘッドが開発されている。上記磁気ヘッドに使用され
る軟磁性材料としては、例えばCo−Nb−Zr系やC
o−Ta−Zr系等の非晶質軟磁性膜等が知られており
、これら軟磁性材料は10kガウス以上の高飽和磁束密
度を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、例えば上述
の複合型磁気ヘッドにおいては、その製造工程で、磁気
コア同士のギャップ接合や、或いは場合によっては金属
磁性薄膜と酸化物材料との接合を必要とする。従来より
、このような接合には、高融点の融着ガラスが使用され
ている。これは、高融点ガラスが化学的に安定なため有
機溶剤による洗浄が可能であること、強固な接合が得ら
れること等の利点を有するからである。
【0006】ところが、上述のCo−Nb−Zr系やC
o−Ta−Zr系の非晶質軟磁性膜の結晶化温度は高々
500°程度であり、高融点ガラスによるガラス接合を
行うには耐熱性が不足する。特に、飽和磁束密度の向上
を図るために、Coの割合を増化させると、非晶質軟磁
性膜の結晶化温度は益々低下する傾向にあり、上述のよ
うな問題が顕著となる。
【0007】これに対して、Coの添加量を抑えても非
晶質化させることができ、結晶化温度が比較的高い非晶
質材料として、Co−Y系材料が知られている。しかし
、このCo−Y系材料では、磁歪が大きく良好な軟磁気
特性を得ることができないという欠点がある。そこで、
本発明は、かかる従来の実情に鑑みて提案されたもので
あって、磁歪が小さく、優れた軟磁気特性を有し、且つ
良好な耐熱性を有する軟磁性膜を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前述の目
的を達成せんものと鋭意研究を重ねた結果、Co,Fe
,Ni,Mnの少なくとも1種とY等の金属元素を主体
とする非晶質材料に窒素を添加すれば、高い結晶化温度
を確保しつつ、磁歪の小さい軟磁性膜が得られることを
見出すに至った。
【0009】本発明はかかる知見にもとずいて完成され
たものであって、本願第1の発明にかかる軟磁性膜は、
Ma Yx Ny (但し、式中MはCo,Fe,Ni
,Mnの少なくとも1種を表し、a,x,yはそれぞれ
各元素の割合を原子%で表す。)なる一般式で表され、
その組成範囲が 70<a<97 2<x<20 1<y<20 であることを特徴とするものである。
【0010】また、本願第2の発明にかかる軟磁性膜は
、Ma Lb Yx Ny (但し、式中MはCo,F
e,Ni,Mnの少なくとも1種を表し、LはNb,Z
r,Ta,Hf,Mo,Ti,Wの少なくとも1種を表
す。また、a,b,x,yはそれぞれ各元素の割合を原
子%で表す。)なる一般式で表され、その組成範囲が7
0<a<97 1<b<15 1<x<5 1<y<20 であることを特徴とするものである。
【0011】更に、本願第3の発明にかかる軟磁性膜は
、Ma Lb Yx Ny Jz (但し、式中MはC
o,Fe,Ni,Mnの少なくとも1種を表し、LはZ
r,Ta,Hf,Mo,Ti,Wの少なくとも1種を表
し、JはCr,V,Al,Siの少なくとも1種を表す
。また、a,b,x,y,zはそれぞれ各元素の割合を
原子%で表す。)なる一般式で表され、その組成範囲が
70<a<96 0≦b<20 0≦x<20 1<b+x<20 1<y<20 1<z<10 であることを特徴とするものである。
【0012】本願第1の発明の軟磁性膜においては、強
磁性材料である遷移金属MのCo,Fe,Ni,Mnの
少なくとも1種と、金属元素のYからなる非晶質材料に
よって非晶質状態が得られる。上記遷移金属Mの膜中の
組成比aは70<a<97原子%とされ、Yの膜中の組
成比xは2<x<20原子%とされる。この軟磁性膜に
窒素を添加すると、耐熱性が改善される。窒素の添加量
は、膜中の窒素原子の組成比yが1<y<20原子%と
なる範囲とされる。窒素の添加量が少なすぎても、逆に
多すぎても耐熱性の改善が期待できず、例えば熱処理後
の保磁力が大きな値を示すようになる。特に、窒素の添
加量が20原子%以上の範囲では、基板からの剥離が起
こり易くなる。
【0013】また、本願第2の発明の軟磁性膜では、上
記非晶質材料及び窒素の他に添加元素LとしてNb,Z
r,Ta,Hf,Mo,Ti,Wの少なくとも1種が添
加される。これら添加元素Lを添加することにより、軟
磁気特性が向上するとともに、ターゲットを作製する際
に、ヒビ割れや鬆が入りにくくなる。上記添加元素Lは
、上記Yの組成比xの一部を上記添加元素Lに置換した
かたちで添加される。即ち、上記添加元素Lの添加量は
、膜中における上記添加元素Lの組成比の合計bが1<
b<15原子%となる範囲とされ、この時上記Yの組成
比xは1<x<5原子%とされる。上記添加元素Lの添
加量が多すぎると、飽和磁束密度が低下する傾向にある
。また、上記添加元素Lの添加量とYの添加量を併せた
添加量が窒素の添加量と等しくされる場合において、最
も良好な軟磁気特性、耐熱性を実現することができ、上
記添加元素L及びYの添加量の合計と窒素の添加量との
差が5原子%より小さいことが実効的とされる。
【0014】上述の本願第1の発明及び第2の発明の軟
磁性膜に、更にCr,V,Al,Siの中の何れか1種
以上を添加することにより、耐蝕性が改善される。これ
が、本願第3の発明である。ここで、耐蝕性改善のため
の添加元素(Cr,V,Al,Si)の割合zは、1原
子%<z<10原子%とすることが好ましい。前記割合
zが1原子%以下であると、十分な耐蝕性改善効果が期
待できず、逆に10原子%以上となると磁気特性、特に
飽和磁束密度が低下する虞れがある。
【0015】なお、これら添加元素が添加されるのは、
MYN系軟磁性膜(第1の発明の軟磁性膜)或いはML
YN系軟磁性膜(第2の発明の軟磁性膜)であり、他の
構成元素であるYやLの割合x,bは、先の第1の発明
或いは第2の発明の場合と同様2原子%<x<20原子
%、或いは1原子%<b<15原子%且つ1原子%<x
<5原子%とすることが好ましいが、Yを含まない軟磁
性膜に適用した場合にも耐蝕性改善効果を発揮する。従
って、ここでは0原子%≦b<20原子%、0原子%≦
x<20原子%、1原子%<b+x<20原子%とする
【0016】本発明の軟磁性膜は、スパッタリング等の
所謂気相メッキ技術によって製造される。スパッタリン
グは、所望の組成比となるように調整された合金ターゲ
ットを用いて行っても良いし、各原子のターゲットを個
別に用意し、その面積や印加出力等を調整して組成をコ
ントロールするようにして行ってもよい。特に前者の方
法を採用した場合、ターゲット組成と膜組成の間の組成
ズレは各原子共1%以下程度であり、膜組成はターゲッ
ト組成によってほぼ一意に決まるので、例えば大量生産
するうえで好適である。窒素を添加する方法としては、
雰囲気中に窒素ガスを導入してスパッタを行う方法等が
考えられる。
【0017】また、本発明を適用した軟磁性膜は、単層
膜であってもよく、パーマロイ等の磁性金属や、Ag,
Cu等の非磁性金属、さらにはSi4 N4 ,SiO
2 等のセラミクス材料等で分断して積層構造とした多
層膜であってもよい。
【0018】
【作用】遷移金属のCo,Fe,Ni,Mnの少なくと
も1種とYからなる非晶質材料に、窒素を添加すると、
磁歪λが正から負の範囲で制御される。従って、磁歪λ
が0となる組成が存在し、良好な軟磁気特性が確保され
る。また、本発明の軟磁性膜は、微晶質からなるものと
推定され、耐熱性に優れた軟磁性膜が得られる。
【0019】
【実施例】本発明の好適な実施例を図面を参照しながら
説明する。 実験例1 先ず、Co90Y10なる組成を有するCo−Y2元系
合金(直径100mm)をスパッタ用のターゲットとし
て用いて、スパッタガス中にArとN2 ガスの混合ガ
スを導入しながらRFマグネトロンスパッタ法により下
記のスパッタ条件にて成膜を行った。
【0020】スパッタ条件 到達真空度        1×10−6TorrAr
ガス圧        7×10−4Torr投入電力
          300Wそして、得られた軟磁性
膜について、スパッタガス中のN2 ガス分圧と磁歪λ
の関係を調べた。その結果を図1に示す。なお、図1中
、横軸はN2 ガス分圧(Torr)を示し、縦軸は磁
歪λを示す。
【0021】図1に示すように、スパッタガス中のN2
 ガス分圧を0〜2.5×10−4Torrの範囲で変
化させると、N2 ガス分圧の増加にともなって磁歪λ
は正から負に変化し、N2 ガス分圧が0.8×10−
4Torrである時に磁歪λはほぼ0になった。これに
より、スパッタガス中にN2 ガスを導入することによ
り、磁歪λが0となる組成が存在することが判った。ま
た、上記軟磁性膜についてX線回折を測定したところ、
上記範囲内でN2 ガスの導入量を変化させても、何れ
も非晶質に近い状態であることが確認された。
【0022】そこで、窒素が添加されたCo−Y系軟磁
性膜の耐熱性を調べるために、以下のような実験を行っ
た。 実験例2 Co−Y2元系合金をスパッタ用のターゲットとして用
い、スパッタガス中にN2 ガスを導入しながらスパッ
タを行って、各種軟磁性膜を作製した。そして、得られ
た軟磁性膜のうち、表1に示す組成を有する軟磁性膜を
550℃にて熱処理し、熱処理の前後での各軟磁性膜の
保磁力Hcを測定した。この結果を表1に示す。なお、
保磁力HcはB−Hループトレーサにより測定した。
【表1】
【0023】表1より、Co72Y13N15,Co9
2Y5 N3 ,及びCo97.8Y2 N0.2 な
る組成を有する軟磁性膜では、高温で熱処理を行っても
、熱処理前の低保磁力Hcが維持され、良好な耐熱性を
有していることが判った。また、上述のようにして作製
された軟磁性膜を用いて、これら軟磁性膜の組成と軟磁
気特性の関係を検討した。図2は、Yの組成比を3原子
%とした場合(図中、実線で示す。)と、5原子%とし
た場合(図中、点線で示す。)について、窒素の添加量
を変化させた時の保磁力Hcの変化を示す図である。ま
た、図3は、Yの組成比を10原子%とした場合におい
て、窒素の添加量に対する熱処理前後でのそれぞれ保磁
力Hcの変化、及び熱処理前の磁歪λの変化を示す図で
ある。
【0024】図2及び図3より、Yが何れの組成比を有
する場合でも、窒素の組成比がYの組成比とほぼ等しく
なる時に、最も保磁力Hcが小さくなることが判った。 また、図3に示すように、窒素が添加されると、磁歪λ
が極めて小さくなった。特に、窒素の組成比が2原子%
の時やYの組成比とほぼ等しくなる時に、磁歪λがほぼ
0になり、良好な軟磁気特性を実現することができる。
【0025】次に、Co−Zr−Y系軟磁性膜における
窒素の効果を検討した。 実験例3 窒素が添加されたCo88Zr2 Y4 N6 なる組
成を有する軟磁性膜と、窒素を含まないCo94Zr2
Y4 なる組成を有する軟磁性膜を用い、これら軟磁性
膜を一定時間熱処理して、各軟磁性膜の保磁力Hcの熱
処理温度依存性を調べた。その結果、図5に示すように
、Co94Zr2 Y4 なる組成を有する軟磁性膜に
比べて、窒素が添加されたCo88Zr2 Y4 N6
 なる組成を有する軟磁性膜では、熱処理温度を上げて
も保磁力Hcの変化は極めて小さく、熱処理温度を65
0℃とした場合でも、0.1Oe程度の低保磁力Hcを
示した。従って、窒素を添加することにより、軟磁性膜
の耐熱性が著しく改善されることが明らかとなった。
【0026】実験例4 上記実験例1でスパッタ用のターゲットとして使用した
Co90Y102元系合金をCo90Zr3 Y7 3
元系合金に代えて、上記スパッタ条件にてスパッタを行
って、軟磁性膜を成膜した。なお、スパッタガス中のN
2 ガス分圧は1.4×10−4Torrとした。そし
て、得られた軟磁性膜を真空中で約1時間熱処理した。 この軟磁性膜を用いて、熱処理後の軟磁性膜の保磁力H
c(Oe)と熱処理温度(℃)との関係を調べた。その
結果を図4に示す。
【0027】図4に示すように、600℃以上の高い温
度で熱処理を行った場合でも、保磁力Hcの劣化は僅か
であり、熱処理温度を650℃とした時でも、0.2O
e以下の低保磁力Hcを維持することが判った。このよ
うな軟磁性膜は、熱処理前には非晶質であるが、熱処理
を施すことによって結晶粒径の小さい微結晶が生成され
ると考えられる。しかし、何れの状態においても軟磁性
は変わらず、熱処理前及び熱処理後の飽和磁束密度Bs
は14KGaussであった。
【0028】ここで、様々な組成を有する軟磁性膜を作
製し、これら軟磁性膜の組成と熱処理後の軟磁気特性,
或いは耐熱性の関係を調べた。 実験例5 先ず、組成の異なるCo−Zr−Y3元系合金をスパッ
タ用のターゲットとして用い、スパッタガス中にN2 
ガスを導入しながらスパッタを行って、(Co,Zr,
Y)91〜89 N9〜11なる組成を有する各種軟磁
性膜を作製した。そして、上記軟磁性膜をそれぞれ55
0℃にて熱処理し、熱処理後の飽和磁束密度Bs及び保
磁力Hcをそれぞれ測定した。図6に上記軟磁性膜の組
成と熱処理後の飽和磁束密度Bsを示し、図7に上記軟
磁性膜の組成と熱処理後の保磁力Hcを示す。
【0029】図6から、Zrの添加量が多い組成範囲で
は、良好な飽和磁束密度Bsを有する膜が得られにくく
、13KGaussを越える飽和磁束密度Bsを実現す
るためには、Zrの添加量が5原子%よりも少ないこと
が必要であることが判った。また、図7に示すように、
本発明における組成範囲を満たしている軟磁性膜につい
ては、550℃で熱処理しても、低保磁力Hcを維持し
ていることができることが明らかにされた。また、Co
:Zr=94.6:5.4やCo:Y=94.4:5.
6の組成を有する軟磁性膜では、窒素の添加量が一定で
ある場合には低保磁力Hcが得られないことから、Yや
Zrは軟磁気特性の向上に寄与していることが判る。
【0030】また、表2に示す組成を有する軟磁性膜を
550℃にて熱処理し、熱処理前後における各軟磁性膜
の保磁力(Oe)及び飽和磁束密度Bs(KGauss
)を測定した。この結果を表2に示す。
【表2】
【0031】表2より、本発明を適用した軟磁性膜につ
いては、低保磁力Hc,高飽和磁束密度Bsを有してお
り、更にこれら軟磁気特性は高温で熱処理を行っても、
良好な値を維持していることが判った。これに対して、
Co95Zr3 Y1 N1 のように、窒素の添加量
が十分でないと、耐熱性の改善を期待することは難しい
。また、Co95Zr3 N2 の結果より、Yは低保
磁力化に寄与していることが判る。更に、Co83Ti
7 Y4 N6 のように、添加元素Tiの割合が多す
ぎると、飽和磁束密度Bsの低下が著しい。
【0032】更に、CoLYN系軟磁性膜(LはNbや
Zr,Hf等の添加元素)に対してFeやNi,Mn等
の遷移元素を加えて表3に示す軟磁性膜を作製し、これ
ら軟磁性膜について500℃の熱処理前後における各軟
磁性膜の保磁力(Oe)及び飽和磁束密度Bs(KGa
uss)を測定した。この結果を表3に示す。
【表3】
【0033】表3に示すように、強磁性材料としてCo
だけでなくFeを添加することにより、高飽和磁束密度
を得ることができる。但し、この場合、Feの添加量が
多すぎると、磁歪が大きくなってしまう。また、Niの
添加は、耐食性の改善に有効で、磁歪の変化も小さいが
、飽和磁束密度Bsが低下する傾向にある。また、Co
とともにMnを添加した場合でも、磁歪の変化が少なく
、飽和磁束密度Bsが減少する傾向が見られる。
【0034】また、各種添加元素が添加された軟磁性膜
を作製し、耐食性に対する添加元素の効果を検討した。 実施例7 各種合金ターゲットを用いて、N2 ガスとArガスの
混合ガスよりなるスパッタガス中で成膜を行い、表4に
示す組成を有する軟磁性膜を膜厚3μmとなるように作
製した。なお、スパッタ条件は上記実施例1と同様の条
件とした。そして、得られた軟磁性膜及びこれら軟磁性
膜と同様の手法により作製したCo80Fe4 Zr3
 Y3 N4 Pd6 なる組成を有する軟磁性膜を用
いて、耐食性を調べた。即ち、温度20℃の飽和食塩水
中で200時間放置した後、これら軟磁性膜の表面状態
を観察し、放置後変化が見られなかった状態を○、表面
に変色が生じた状態を△、腐食による孔が発生した状態
を×として、この結果を表4に示した。
【表4】
【0035】表4から明らかなように、Co87Fe4
 Zr2.5 Y2.5 N4 膜やCo80Fe4 
Zr3 Y3 N4 Pd6 膜では、腐食による孔や
変色が生じたのに対して、本発明を適用した軟磁性膜で
は、放置後にも変化が見られなかった。従って、所定の
割合でCr,V,Al,Si等の添加元素を添加するこ
とにより、耐食性を向上させることができる。
【0036】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の軟磁性膜では、Co,Fe,Ni,Mnの少なくと
も1種とY等の金属元素を主体とする非晶質材料に窒素
が添加されているので、磁歪を正から負の範囲で制御す
ることができる。従って、磁歪が0となる組成が存在す
るので、優れた軟磁気特性を有する軟磁性膜を提供する
ことができる。また、本発明の軟磁性膜は、優れた耐熱
性を有しているので、高温で熱処理を行っても軟磁気特
性の劣化が小さい。従って、このような軟磁性膜は、ギ
ャップ接合におけるガラス融着を必要とする,所謂メタ
ル・イン・ギャップ型の磁気ヘッドのコア材として使用
しても好適である。
【0037】更に、本発明の軟磁性膜においては、Cr
,V,Al,Si等の添加元素が添加されているので、
耐食性を向上させることができ、実用性に優れた軟磁性
膜を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】CoYN系軟磁性膜におけるスパッタガス中の
N2 ガス分圧と磁歪λの関係を示す特性図である。
【図2】CoYN系軟磁性膜におけるYの割合による保
磁力Hcの窒素依存性の相違を示す特性図である。
【図3】CoYN系軟磁性膜における膜中の窒素の組成
比に対する保磁力Hc及び磁歪λの変化を示す特性図で
ある。
【図4】CoZrYN系軟磁性膜における熱処理温度と
保磁力Hcの関係を示す特性図である。
【図5】CoZrYN系軟磁性膜における熱処理温度と
保磁力Hcの関係をCoZrY系軟磁性膜との比較にお
いて示す特性図である。
【図6】CoZrYN系軟磁性膜における飽和磁束密度
Bsの組成依存性を示す3元組成図である。
【図7】CoZrYN系軟磁性膜における保磁力Hcの
組成依存性を示す3元組成図である。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】  Ma Yx Ny (但し、式中Mは
    Co,Fe,Ni,Mnの少なくとも1種を表し、a,
    x,yはそれぞれ各元素の割合を原子%で表す。)なる
    一般式で表され、その組成範囲が 70<a<97 2<x<20 1<y<20 であることを特徴とする軟磁性膜。
  2. 【請求項2】  Ma Lb Yx Ny (但し、式
    中MはCo,Fe,Ni,Mnの少なくとも1種を表し
    、LはNb,Zr,Ta,Hf,Mo,Ti,Wの少な
    くとも1種を表す。また、a,b,x,yはそれぞれ各
    元素の割合を原子%で表す。)なる一般式で表され、そ
    の組成範囲が 70<a<97 1<b<15 1<x<5 1<y<20 であることを特徴とする軟磁性膜。
  3. 【請求項3】  Ma Lb Yx Ny Jz (但
    し、式中MはCo,Fe,Ni,Mnの少なくとも1種
    を表し、LはZr,Ta,Hf,Mo,Ti,Wの少な
    くとも1種を表し、JはCr,V,Al,Siの少なく
    とも1種を表す。また、a,b,x,y,zはそれぞれ
    各元素の割合を原子%で表す。)なる一般式で表され、
    その組成範囲が 70<a<96 0≦b<20 0≦x<20 1<b+x<20 1<y<20 1<z<10 であることを特徴とする軟磁性膜。
JP2512791A 1990-09-27 1991-01-28 軟磁性膜 Pending JPH04214831A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100315556B1 (ko) * 1996-11-20 2002-01-12 니시무로 타이죠 스퍼터링타겟,그를이용하여형성한반강자성체막및자기저항효과소자

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100315556B1 (ko) * 1996-11-20 2002-01-12 니시무로 타이죠 스퍼터링타겟,그를이용하여형성한반강자성체막및자기저항효과소자

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