JP2909974B2 - 布団乾燥機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この発明は、就寝するに適した温度で布団を暖める布
団乾燥機に関するものである。

［従来の技術］ 第６図は従来の布団乾燥機のシステムを示すブロック
図である。

図において、（１）は布団乾燥機本体、（２）はヒー
タ、（３）はファン、（４），（５）はサーミスタで、
その内、サーミスタ（４）は風路（６）内に設置され、
サーミスタ（５）は風路（６）の側壁に設けられた開口
部（図示せず）の近傍に設置されている。（７）は蛇腹
状に形成されて伸縮自在のホース、（８）はマット、
（９）は布団である。

（11）は操作手段で、布団（９）の材質に合わせた
「羽毛・羊毛」キー、「綿」キー、布団乾燥機本体
（１）を停止させる「停止」キー等を有し、後述するコ
ース設定手段（12）に運転又は停止指令を与える。

（12）はタイマー（図示せず）を有するコース設定手
段で、布団（９）を乾燥させるだけの「温風」コース、
布団乾燥後その布団（９）を送風して冷やす「自動送
風」コース等を備えている。布団（９）を温風で乾燥さ
れる布団乾燥時間及び送風で布団（９）を冷やす送風時
間は、前記タイマーに予め設定されている。但し、布団
乾燥時間に就いては手動で変更できるようになってい
る。また、布団乾燥中の温風の温度は、布団（９）の材
質に合わせて制御でき、例えば、羽毛・羊毛のときには
50℃に、綿のときには65℃になるように温風制御手段
（13）を制御する。これらの温度は上述した操作手段
（11）のキーの選択に基づく。

（13）は温風制御手段で、コース設定手段（12）の制
御信号に基づいて加熱量制御手段（14）と送風制御手段
（15）とを動作させる。また、後述する風温判定手段
（17）で判定された温風の温度が、コース設定手段（1
2）で設定された温度と同一になるように加熱量制御手
段（14）を制御する。加熱量制御手段（14）は温風制御
手段（13）の加熱信号に基づいてヒータ（２）を加熱
し、送風制御手段（15）は温風制御手段（13）の運転信
号に基づいてファン（３）を運転する。

（16）は風温測定手段で、風路（６）の温風温度に対
応して得られるサーミスタ（４）の抵抗値に基づいて電
圧を測定する。（17）は風温判定手段で、風温測定手段
（16）の測定電圧に基づいて風路（６）内の温風温度を
判定する。（18）は風路（６）内の温風温度の上限が設
定されている上限温度判定手段Ａで、風温測定手段（1
6）の測定電圧に基づいた温風温度が上限温度より高い
とき動作し、温風制御手段（13）の停止信号を送出す
る。

（19）は上限温度測定手段で、風温測定手段（16）と
同様にサーミスタ（５）の抵抗値に対応した電圧を測定
する。（20）は布団乾燥機本体（１）内の温度の上限が
設定されている上限温度判定手段Ｂで、上限温度測定手
段（19）の測定電圧に基づいた温度が上限温度より高い
とき動作し、温風制御手段（13）に停止信号を送出す
る。

なお、上述した温度が上限温度を越えるときは、マッ
ト（８）が潰れたり、ホース（７）に物が詰まったりし
た時におきる温風の逆流によるものである。

上記のように構成された従来の布団乾燥機において布
団（９）を暖める場合に就いて説明する。操作手段（1
1）で「羽毛・羊毛」又は「綿」のいずれか一方の運転
を選択し、次いでコース設定手段（12）で「温風」コー
スを選択し、そして、タイマーを手動で適当な時間に設
定すると、温風制御手段（13）は、コース設定手段（1
2）の制御信号に基づいて加熱量制御手段（14）と送風
制御手段（15）とを動作させてヒータ（２）とファン
（３）とを運転し、温風を発生させる。室温によって異
なるが、温風の温度は、時間の経過と共に上昇して所定
温度（操作手段（11）で選択した運転に基づく）に達
し、布団（９）を暖める。温風の温度は風温判定手段
（17）のフィードバック制御により一定に保たれる。こ
の時、コース設定手段（12）のタイマーに設定した時間
がタイムアップすると、そのコース設定手段（12）は、
温風制御手段（13）の制御停止信号を送出して、ヒータ
（２）とファン（３）とを停止させる。このため、布団
（９）は熱くならず暖められた状態になる。

［発明が解決しようとする課題］ 上述したように、従来の布団乾燥機には布団（９）を
暖める機能を備えていないため、温風で布団（９）を乾
燥させる「温風」コースの設定で布団（９）を暖めなけ
ればならなかった。この場合、使用者が時間を勘で設定
して布団（９）の温度を調整していたが、時間の設定を
誤ったときには、その布団（９）が熱すぎたり、また、
暖まる前に布団乾燥機本体（１）が停止したりして、快
適な寝床温度が得られないという問題があった。

この発明は、かかる課題を解決するためになされたも
ので、使用者の勘に頼ることなく、自動的に布団を暖め
る機能を備えた布団乾燥機を得ることを目的とする。

［課題を解決するための手段］ この発明に係る布団乾燥機は、ファンにより送風され
た空気の温度が所定温度になるまでヒータを加熱させる
機能を具備した布団乾燥機において、室温を検出する室
温検出手段と、該室温検出手段により検出される室温に
対応してヒータの加熱時間を設定し、空気温度が所定温
度に達した後に、予め設定されている保温温度（但し、
所定温度＞保温温度）になるようにヒータの加熱量を制
御する制御手段とを備えたものである。

［作用］ この発明においては、室温検出手段により検出される
室温に対応してヒータの加熱時間を設定し、ヒータの加
熱により空気温度が所定温度に達した後に、予め設定さ
れている保温温度になるようにヒータの加熱量を制御す
る。

［実施例］ 第１図はこの発明の一実施例を示すブロック図、第２
図及び第３図は他の実施例を示すブロック図、第４図及
び第５図はこの発明の温度特性図である。なお、第６図
で説明した従来例と同一又は相当部分には同じ符号を付
し、説明を省略する。

第１図において、（11a）は操作手段で、布団（９）
の材質に合わせた「羽毛・羊毛」キー、「綿」キー、布
団乾燥機本体（１）を停止させる「停止」キー、また、
布団（９）を暖めたいときに選択する「暖房」キー等を
有し、後述するコース設定手段（12a）に運転又は停止
指令を与える。

（12a）はコース設定手段で、操作手段（11a）で「暖
房」キーが選択されたとき、室温判定手段（23）の室温
に対して例えば反比例する立上り加熱時間（以下、第１
の工程という）を設定し、温風制御手段（13a）にヒー
タ（２）とファン（３）とを運転させる制御信号を送出
する。第１の工程終了後、ヒータ（２）の加熱により得
られる温風温度が予め設定されている保温温度（例えば
30℃）になるように、その温風制御手段（13a）に温度
制御信号を送出する（以下、第２の工程という）。

なお、布団（９）を暖めるのに要する時間はコース設
定手段（12a）に予め設定されており、例えば、第４図
に示すように、室温が低いときには、上述した第１の工
程の時間が長く設定されるため、第２の工程の時間は短
く設定される。逆に、室温が高いときには、第５図に示
すように第１の工程の時間が短く設定されるため、その
第２の工程の時間は長く設定される。

（21）は布団乾燥機本体（１）の空気吸込口（図示せ
ず）の近傍に設置されたサーミスタ、（22）は室温測定
手段で、ファン（３）の運転により吸引された空気の温
度を室温とし、その室温に対応して得られるサーミスタ
（21）の抵抗値に基づいて電圧を測定する。（23）は室
温判定手段で、室温測定手段（22）の測定電圧に基づい
て室温を判定する。

次に、布団（９）を暖めるときの動作を説明する。操
作手段（11a）で「暖房」キーを選択すると、コース設
定手段（12a）は、室温判定手段（23）から室温を入力
して、室温に対する第１の工程の時間を設定する。設定
後、制御信号を温風制御手段（13a）に送出すると同時
に時間のカウントを開始する。制御信号を入力した温風
制御手段（13a）は、その信号に基づいて加熱量制御手
段（14）と送風制御手段（15）とを動作させる。加熱量
制御手段（14）はヒータ（２）を一定の加熱量で加熱さ
せ、送風制御手段（15）はファン（３）を運転させるた
め、温風が発生して温度が時間と共に上昇する。温風の
温度が上昇しているとき、カウント時間が第１の工程の
時間に達すると、コース設定手段（12a）は、上昇して
いる温風温度が保温温度と同じ値になるように、温風制
御手段（13a）に温度制御信号を送出すると共に、残り
の第２の工程の時間をカウントする。この制御信号を入
力した温風制御手段（13a）は、上昇している温風温度
を風温判定手段（17）から判定して保温温度と比較し、
比較値に基づいた加熱信号を加熱量制御手段（14）に送
出する。加熱量制御手段（14）は、その信号に基づいて
ヒータ（２）の加熱量を制御し、保温温度と同じ値にな
るようにする。そして、第２の工程の時間がタイムアッ
プすると、コース設定手段（12a）は、温風制御手段（1
3a）に制御停止信号を送出して、ヒータ（２）とファン
（３）とを停止させる。

次に、他の実施例を第２図に基づいて説明する。布団
乾燥中の温度、温風の逆流による高温を検出するための
サーミスタ（４）で室温も検出できるようにしたもの
で、室温を判定する室温判定手段（23）が風温測定手段
（16a）の出力側に設けられている。

コース設定手段（12b）は、操作手段（11a）で「暖
房」キーが選択されたとき、第１の工程に入る前に所定
時間（送風時間）だけヒータ（２）を加熱することなく
ファン（３）を運転して、室内の空気を風路（６）に送
風させ、送風させた空気の温度を室温として室温判定手
段（23）から入力し設定する。そして、その後でヒータ
（２）を加熱して布団（９）を乾燥し、布団（９）の温
度制御を行う。

上述したように操作手段（11a）で「暖房」キーを選
択すると、コース設定手段（12b）は、ファン（３）を
運転させる制御信号を温風制御手段（13a）に送出する
と同時に、予め設定されている送風時間のカウントを開
始する。制御信号を入力した温風制御手段（13a）は、
その信号に基づいて送風制御手段（15）を動作させてフ
ァン（３）を運転させる。ファン（３）が回転すると、
室内の空気が布団乾燥機本体（１）の吸引口を介して風
路（６）に送風されるので、室温判定手段（23）は送風
される空気の温度を判定する。コース設定手段（12b）
はその室温判定手段（23）から空気温度を室温として入
力し設定する。そして、カウント時間が所定時間に達す
ると、そのコース設定手段（12b）は、入力した室温に
対して第１の工程の時間を設定し、ヒータ（２）を運転
させる制御信号を温風制御手段（13a）に送出する。こ
の以降の動作は、第１図で説明した実施例と同じ動作を
して、布団（９）を所定の温度で保温する。

第３図に示す他の実施例は、温風の逆流による高温を
検出するサーミスタ（５）で室温も検出できるようにし
たもので、室温を判定する室温判定手段（23）が上限温
度測定手段（19a）の出力側に設けられている。コース
設定手段（12b）は、第２図で説明したものと同じ機能
を備えているため、上記と同じ動作をして布団（９）を
暖めるようになっている。

［発明の効果］ 以上のようにこの発明によれば、室温検出手段により
検出される室温に対応してヒータの加熱時間を設定し、
空気温度が所定温度に達した後に、予め設定されている
保温温度になるようにヒータの加熱量を制御するように
したので、加熱に要する電力を無駄にすることなく消費
できるという効果が得られている。また、立上り加熱時
間終了後、そのヒータの加熱量を制御して設定の保温温
度になるようにしたので、就寝するのに快適な寝床温度
を提供できるという効果が得られている。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の一実施例を示すブロック図、第２図
及び第３図は他の実施例を示すブロック図、第４図及び
第５図はこの発明の温度特性図、第６図は従来の布団乾
燥機のシステムを示すブロック図である。 図において、（１）は布団乾燥機本体、（２）はヒー
タ、（３）はファン、（４），（５），（21）はサーミ
スタ、（11a）は操作手段、（12a），（12b）はコース
設定手段、（13a）は温風制御手段、（14）は加熱量制
御手段、（15）は送風制御手段、（16），（16a）は風
温測定手段、（17）は風温判定手段、（18）は上限温度
判定手段Ａ、（19），（19a）は上限温度測定手段、（2
0）は上限温度判定手段Ｂ、（22）は室温測定手段、（2
3）は室温判定手段である。 なお、図中同一符号は同一又は相当部分を示す。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−11698（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−25000（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−39000（ＪＰ，Ａ) 実開 昭58−21352（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭58−21350（ＪＰ，Ｕ) 実開 平２−142295（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−111896（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) D06F 58/00,58/28

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ファンにより送風された空気の温度が所定
   温度になるまでヒータを加熱させる機能を具備した布団
   乾燥機において、 室温を検出する室温検出手段と、 該室温検出手段により検出される室温に対応してヒータ
   の加熱時間を設定し、空気温度が所定温度に達した後
   に、予め設定されている保温温度（但し、所定温度＞保
   温温度）になるようにヒータの加熱量を制御する制御手
   段と を備えたことを特徴とする布団乾燥機。