JP2909676B2 - 抗菌・抗カビ性セラミックス、及び、その製造方法 - Google Patents

抗菌・抗カビ性セラミックス、及び、その製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた安全性、耐熱
性、成型性、易焼結性、機械的強度、耐水性を有し、か
つ、持続的に抗菌・抗カビ性を有する抗菌・抗カビ性セ
ラミックスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、微量の銀イオンが抗菌・抗カ
ビ性を有していることはよく知られている。例えば、特
公昭52−38665号公報には、硝酸銀溶液を添加し
て銀を担持させた活性炭を浄水器に使用し、微量に溶解
する銀イオンにより抗菌・抗カビ性を持たせる方法が開
示されている。また、銀の担持方法及び銀イオンの遊離
速度の調整等についても様々な試みがなされている。例
えば、特開昭62−210098号公報には、酸化銀を
添加溶融した溶解性ガラスを製作し、その表面から微量
に溶解する銀イオンによって貯水槽やプール等の水の防
菌・防カビを行う方法が開示されている。
【0003】そして、銀を担持する物質として比表面積
の大きいゼオライトが注目されるようになった。特開昭
63−260810号公報には、ゼオライトにイオン交
換法により銀等の殺菌性金属イオンを高密度に担持させ
た殺菌性ゼオライト組成物が開示されており、これをナ
イロン、ポリエステル等に微量添加混合して紡糸し、抗
菌性合成繊維をえたことが述べられている。また、特開
昭63−265809号公報には、この殺菌性ゼオライ
ト組成物の変色を防止するために、銀等の殺菌性金属イ
オンの一部をアンモニウムイオンで置き換えた殺菌性ゼ
オライト組成物が開示されている。また、特開平1−2
78408号公報には、銅、銀等の殺菌性金属イオンを
担持したゼオライトと活性炭を混合して浄水器や脱臭器
に使用することが開示されている。また、特開平2−1
11709号公報には、ゼオライト組成物の耐アルカリ
性を改善するため、銀等の抗菌性金属のアンミン錯塩及
びアミン錯塩の1種以上を担持したゼオライトが開示さ
れている。
【0004】一方、特開平2−96508号公報には、
高い酸性度を有する難溶性リン酸塩や縮合リン酸塩の陽
イオン交換能に着目して、これに銀等の抗菌性の金属イ
オンを担持させたものが開示されており、これを塗料等
に混入して抗菌効果を上げうることが述べられている。
【0005】また、特公昭63−28402号公報に
は、アルカリ土類金属の炭酸塩、銀イオン等をイオン交
換吸着させたゼオライト、及び、結合剤からなる複合体
を、湿式混和して成形し、乾燥し、アルカリ土類金属の
炭酸塩も熱分解せず、かつ、ゼオライトも熱分解しない
温度範囲で、焼結することからなる水処理に適する抗菌
性組成物の製造方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、市販されている
有機系のグルタルアルデヒド、アルキルアンモニウムク
ロライド、N−アルキルジアミノエチルグリシン、クロ
ルヘキシジン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−
フタルイミド等の殺菌剤、防カビ剤は、毒性が高く、か
つ、変質し易く効果が持続しなかった。
【0007】一方、前述の銀を担持した抗菌性素材は、
比較的安全で、かつ、樹脂を溶融する際の熱等に対して
安定である点等において優れているが、使用目的によっ
ては全く問題がないわけではなかった。例えば、特公昭
52−38666号公報に開示された銀を担持させた活
性炭、及び、特開平1−278408号公報に開示され
た銀等の殺菌性金属を担持させたゼオライトを活性炭に
混合した素材は、耐熱性、機械的強度が劣るため、浄水
器等の以外の用途に使用することが困難で、特開昭62
−210098号公報に開示された酸化銀を含む溶解性
ガラスは、割れ易いため、その砕片が、配管を詰まらせ
たり、銀の溶解量を変動させたりすることがあった。
【0008】また、特開昭63−260810号公報に
開示された銀等の殺菌性金属イオンを高密度に担持させ
た殺菌性ゼオライト組成物、特開昭63−265809
号公報に開示された銀等の殺菌性金属イオンの一部をア
ンモニウムイオンで置き換えた殺菌性ゼオライト組成
物、及び、特開平2−111709号公報に開示された
銀等の抗菌性金属のアンミン錯塩及びアミン錯塩の1種
以上を担持したゼオライトは、変色を防ぎ、かつ、抗菌
性の低下を防止するため、種々の操作を必要とするので
高価なものになっていた。
【0009】一方、これらの銀等を担持したゼオライト
は、耐熱性及び焼結性が低いため、単独では、充分な機
械的強度、耐水性、耐熱性を有する成型品を得ることが
できず、特公昭63−28402号公報に開示されたよ
うに、アルカリ土類金属の炭酸塩、及び、多量の結合剤
を加えて、かつ、焼結温度を低温にして、初めて焼結体
が可能になった。しかしながら、それでも、焼結温度が
低いためか、その機械的強度は必ずしも充分でなかっ
た。
【0010】また、特開平2−96508号公報に開示
された銀担持リン酸塩には、固体酸性度が低いので銀イ
オンの交換量も銀の保持力も弱いという欠点があり、ま
た、縮合リン酸塩の中にはトリポリリン酸二水素アルミ
ニウムのように高い酸性度を有しているものも得られる
が、高い酸性度のものを得るために、特別な焼成、処
理、銀担持操作を必要とするので、非常に高価になると
いう欠点があった。
【0011】特に、これまでに、セラミックス成型品を
製造する時のような高温に曝されても、抗菌・抗カビ性
を維持している素材は、全く見当たらなかった。本発明
は、前述の問題点を解決して、人体に対する安全性が高
く、成型性がよく、耐熱性が高く、かつ、易焼結性のセ
ラミックス素材を開発し、その素材を焼結して、優れた
機械的強度と、耐熱性と、耐水性とを有し、かつ、持続
的に抗菌・抗カビ性を有する抗菌・抗カビ性セラミック
スを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するため、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、及び、アルミニ
ウムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶
性オルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩に、
銀及び銅の何れか一方、又はその両方を、全体で0.1
〜5.0重量%の範囲でメカノケミカル的に担持させた
ものを、単独で、又は、他のセラミックス材料と混合し
て、焼成したことを特徴とする抗菌・抗カビ性セラミッ
クスを提供し、更に、マグネシウム、カルシウム、スト
ロンチウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、及び、アルミ
ニウムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難
溶性オルトリン酸塩、または、難溶性オルトリン酸複塩
に、銀イオン溶液及び銅イオン溶液の何れか一方、又は
その両方を添加し、40℃以下の温度でメカノケミカル
的に反応させて得られた粉体を、単独で、又は、他のセ
ラミックス材料と混合して、任意の形状に成型して、6
50℃以上の温度で焼成することを特徴とする抗菌・抗
カビ性セラミックスの製造方法を提案する。
【0013】本発明者らは、平成2年12月25日出願
の平成2年特許願第418277号において、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、マ
ンガン、ニッケル、銅、及び、亜鉛からなる群の中から
選ばれた2種以上の金属の難溶性オルトリン酸複塩に、
0.1〜5.0重量%の銀を担持させたことを特徴とす
る抗菌・抗カビ性リン酸複塩に係わる発明を開示し、ま
た、平成3年9月24日出願の平成3年特許願第315
618号において、リン酸亜鉛に、0.1〜5.0重量
%の銀もしくは銅、又は、総量で0.1〜5.0重量%
の銀及び銅を担持させたことを特徴とする抗菌・抗カビ
性リン酸亜鉛化合物に係わる発明を開示した。本発明
は、これらの発明を更に発展させたものである。
【0014】本発明におけるオルトリン酸塩、及び、オ
ルトリン酸複塩に担持される銀及び銅の全体の濃度は、
0.1〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量
%であることが必要である。担持された銀及び銅の全体
の濃度が0.1重量%未満であれば、十分な抗菌・抗カ
ビ性が得られず、また、5.0重量%を超えれば、焼結
成型品を製造する際に成型品を変色させるおそれを生ず
る。
【0015】本発明において使用される銀等を担持させ
たオルトリン酸塩、又は、オルトリン酸複塩の結晶の大
きさは、0.1〜50μmであることが好ましい。結晶
が小さいほど緻密なセラミックスができ、粒子が大きい
程多孔質なセラミックスができる。0.1μm未満であ
ると、特に単独で焼結した場合、収縮が大きくなって正
確な成型品を製造し難くなり、一方、50μmを超える
と、他の材料と混合した場合等において強度的な問題が
生じ易くなる。
【0016】本発明における抗菌・抗カビ性セラミック
スの製造において、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、及び、アルミニ
ウムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶
性オルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩の合
成には、これらの金属の酸化物、水酸化物、又は、炭酸
塩と、リン酸塩又はリン酸を使用し、複塩の場合は、異
種金属の混合モル比が1/10〜1/2の範囲内で合成
するのが好ましい。反応には、湿式反応、乾式反応のい
ずれでも可能であるが、湿式反応の方が好ましく、特に
メカノケミカル効果のあるボールミル、ライカイキ、振
動ミル、サンドグランドミル等を使用することがより好
ましく、粒径0.1μm〜50μmの微細粒子が得やす
い。
【0017】銀イオンもしくは銅イオン、又は、銀イオ
ン及び銅イオンの担持には、メカノケミカル効果のある
反応機を使用し、40℃以下の温度で行う。銀イオン等
を担持させるオルトリン酸塩、又は、オルトリン酸複塩
は、必ずしも単塩又は複塩として既に合成されたものだ
けでなく、未反応の状態、すなわち単塩又は複塩合成途
上で銀イオンや銅イオンを担持させてもよい。また、反
応温度が40℃を超えると、銀や銅が遊離して変色する
ので、好ましくない。
【0018】このようにして製造された銀等を担持させ
たオルトリン酸塩、又は、オルトリン酸複塩を、単独
で、又は、他のセラミックス材料と混合して、セラミッ
クス成型品を成型するには、湿式成型法、乾式成型法、
半乾式加圧成型法、ホットプレス法、及び、造粒法等が
適用でき、ビーズ状、錠剤状、タイル状等任意の形状に
成型できる。また、その際に、アラビアゴム、ポリビニ
ールアルコール、流動パラフィン、フェノール樹脂、ポ
リエチレンオキサイド、プルラン、ガラス、モンモリ
ナイト、コロイダルシリカ、リン酸アルミニウム、及
び、カオリン等の公知の結合剤や成型助剤を併用するこ
とができる。に、種々の着色顔料、尿素や炭酸カルシ
ウム等の多孔質化剤、ゼオライト、アルミナ、チタニ
ア、ムライト、ケイ酸カルシウム、シリカ、アパタイ
ト、及び、リン酸亜鉛等を添加することもできる。
【0019】このようにして成型された成型品を、焼結
して、本発明に係わる抗菌・抗カビ性セラミックスを製
造するには、650℃以上の温度で焼結することが必要
である。650℃未満であると、焼結が充分でなく、充
分な機械的強度が得られず、また充分な耐水性、耐熱性
が得られない。焼結には、電気炉等を使用して、成型品
が割れないように徐々に乾燥させ、徐々に昇温して、6
50℃以上の温度で1時間以上保持し、焼結を完成さ
せ、徐々に冷却することが好ましい。
【0020】本発明に係わる抗菌・抗カビ性セラミック
ス成型品は、単に、クーリングタワー、浄水器、貯水槽
等の水処理剤として使用されるだけでなく、タイル状等
適宜に成型して、包丁の柄、靴内底、建屋壁面等に埋め
込んで防菌・防カビ剤として使用できる。
【0021】
【作用】本発明における抗菌・抗カビ性セラミックス
が、どのような作用によって、焼結工程の高温の過酷な
条件においても、変色することもなく、かつ、優れた抗
菌・抗カビ性を維持できるのか、詳細は不明であるが、
一応、本発明における銀等を担持したリン酸塩、及び、
リン酸複塩は、単にイオン交換法により表層の金属を銀
や銅に置換した場合とことなり、メカノケミカル反応に
より銀や銅を化学的に強固に結合させたため、表層内部
にまで銀や銅が強固に保持されているものと考えられ
る。従って、焼結等の高温の過酷な条件においても、本
質的に化学的に変化することがなく、焼結前の特性がそ
のまま維持され、その結果、本発明に係わる抗菌・抗カ
ビセラミックスは、長期間にわたって、変色することも
なく、抗菌・抗カビに必要な微量の銀イオンや銅イオン
を放出することができ、優れた抗菌・抗カビ効果を示す
ものと考えられる。
【0022】
【実施例】
(1) 抗菌・抗カビ性セラミックス素材の製造 〔実施例1〕 40℃に加温した25%リン酸水溶液1000gに、攪
拌しながら水酸化マグネシウム(Mg(OH))24
7.5gを徐々に加えて反応させ、80℃で3時間保持
した後、得られたスラリーを30℃に冷却し、2lボー
ルミルに移し、硝酸銀(AgNO)11.4gを添加
して24時間練和した。得られたスラリーを濾過して、
得られたフィルターケーキを250℃で12時間乾燥し
て粉末(以下「粉末I」という)を得た。この粉末に担
持された銀の含有量は2.1重量%であって、平均粒径
2.5μmであった。
【0023】〔実施例2〕 25℃の40%リン酸水溶液500gに攪拌しながら酸
化亜鉛(ZnO)249.2gを徐々に加えて反応さ
せ、70℃で2時間保持した後、得られたスラリーを3
0℃に冷却し、2lボールミルに移し、硝酸銅(Cu
(NO3HO)45.0gを添加して24時間
練和した。得られたスラリーを実施例1と同様に処理し
て粉末(以下「粉末II」という)を得た。この粉末に
担持された銅の含有量は3.0重量%であって、平均粒
径は5.8μmであった。
【0024】〔実施例3〕 40℃に加温した40%リン酸水溶液1000gに、水
酸化カルシウム(Ca(OH))53.3g、及び、
水酸化アルミニウム(ギブサイトAl3HO)
280.9gを徐々に添加して反応させ、60℃で5時
間保持した後30℃に冷却して、2lボールミルに移
し、硝酸銀(AgNO)12gを添加して、12時間
練和した。得られたスリーを実施例1と同様に処理し
て粉末(以下「粉末III」という)を得た。この粉末
に担持された銀の含有量は1.4重量%であって、平均
粒径は4.2μmであった。
【0025】〔実施例4〕 室温の75%リン酸600gに、酸化マグネシウム(M
gO)92.5gと酸化亜鉛(ZnO)373.8gを
加えて反応させ、反応物を2lボールミルに移し、水1
000gを加えて8時間練和した後、硝酸銅(Cu(N
3HO)60.2gを添加して、更に12時
間練和して反応を終了させた。得られたスラリーを実施
例1と同様に処理して粉末(以下「粉末IV」という)
を得た。この粉末に担持された銅の含有量は2.0重量
%であり、平均粒径は3.4μmであった。
【0026】〔実施例5〕 70℃に加温した40%リン酸水溶液600gに、酸化
亜鉛(ZnO)166.1g、炭酸カルシウム(CaC
)81.6gおよび水酸化アルミニウム(ギブサイ
トAl 3HO)63.7gを徐々に添加して
反応させ、80℃で3時間保持した後、40℃になった
時点でライカイ機に移し、硝酸銀(AgNO)6.9
gおよび硝酸銅(Cu(NO3HO)46.3
gを添加して、更に15時間練和した。得られたスラリ
ーを実施例1と同様に処理して粉末(以下「粉末V」と
いう)を得た。この粉末に担持された銀の含有量は1.
0重量%、銅の含有量は2.8重量%であり、平均粒径
は4.0μmであった。
【0027】〔実施例6〕 室温の75%リン酸600gに酸化亜鉛(ZnO)18
6.9gと水酸化カルシウム(Ca(OH))34
0.0gの混合粉末を添加して反応させ、反応物を2l
振動ミルに移し、水1000gを加えて8時間練和した
後、硝酸銀(AgNO)24gおよび硝酸銅(Cu
(NO 3HO)29.3gを添加して、更に
4時間練和した。得られたスラリーを実施例1と同様に
処理して粉末(以下「粉末VI」という)を得た。この
粉末に担持された銀の含有量は1.9重量%、銅の含有
量は1.0重量%であって、平均粒径は2.7μmであ
った。
【0028】〔比較例1〕 A型ゼオライトの乾燥微粒子200gに1/20M硝酸
銀水溶液500mlを加え、室温で3時間攪拌してイオ
ン交換を行った。その後濾過し充分水洗した後150℃
で乾燥して粉末(以下「粉末VII」という)を得た。
この粉末に担持された銀の含有量は1.3重量%であ
り、平均粒径は2.8μmであった。
【0029】〔比較例2〕 A型ゼオライトの乾燥微粒子200gに1/10M硫酸
銅水溶液1000mlを加え、室温で3時間攪拌してイ
オン交換を行った。その後濾過し充分水洗した後150
℃で乾燥して粉末(以下「粉末VIII」という)を得
た。この粉末に担持された銅の含有量は3.2重量%で
あり、平均粒径は2.8μmであった。
【0030】〔比較例3〕 硝酸銀(AgNO)2gを蒸留水1000gに溶解
し、アンモニア水で中性からアルカリ性に調整し攪拌し
た。この溶液に0.1M塩化カルシウム1000mlと
0.1Mリン酸水素二ナトリウム600mlを、それぞ
れ攪拌しながら徐々に滴下し、溶液のpHをアンモニア
水で中性からアルカリ性に調整しながら、常法によりハ
イドロキシアパタイトを合成した。生成物を蒸留水で良
く洗い、150℃で乾燥して粉末(以下「粉末IX」と
いう)を得た。この粉末に担持された銀の含有量は1.
2重量%であって、平均粒径は3.3μmであった。
【0031】(2) セラミックス素材の焼成試験 実施例1〜6および比較例1〜3で得られた粉末I〜I
X各1gを、それぞれ直径2cmの成形金型に充填し、
500kg/cmで成形して成形試料(以下、それぞ
れ「成形試料I」〜「成形試料IX」という)を得た。
更に、粉末I〜IVそれぞれ20gに対して、それぞれ
コーディェライト30gを加え、また、粉末V、VIそ
れぞれ20gに対して、ムライト30gを加えて、それ
ぞれ、ライカイ機で1時間混合して混合粉末(以下「粉
末X」〜「粉末XV」という)を作り、これらの粉末X
〜XV各1gを用いて、同様にしてそれぞれ成形試料
(以下「成形試料X」〜「成形試料XV」という)を得
た。これらの成形試料を、それぞれ850℃で焼成して
セラミックス試料(以下、それぞれ「セラミックス試料
X」〜「セラミックス試料XV」という)を得た。その
結果、表1に示したように、本発明に係わるセラミック
スI〜VI、及び、X〜XVは、充分な機械的強度を有
し、焼成によっても殆ど着色しないことが認められた。
【表1】
【0032】(3) セラミックスの抗菌性試験 大腸菌(IFO 3310)が約10個/mlとなる
ように試験液70mlを入れた三角フラスコ1個ごと
に、それぞれセラミックス試料I〜XV 1gを入れ震
盪した。各三角フラスコについて、震盪前、及び、震盪
1時間後に、試験液を1mlを取り出して、SCDLP
寒天培地を用いて混釈平板培養法により生菌数を測定し
た。その結果、表2に示したように、本発明に係わるセ
ラミックス試料I〜VI、及び、X〜XVに抗菌効果が
認められた。
【表2】
【0033】(4) セラミックスの抗カビ性試験 セラミックス試料I〜XVを、それぞれ、あらかじめ滅
菌したシャーレ中のポテトデキストロース寒天培地の上
に置いた。別途、平板培養したアスペルギルス・ニガー
(IFO 4414)から5白金耳をとり、0.005
%スルホコハク酸ジオクチルナトリウム水溶液に分散さ
せ、遠心分離により胞子を分離し、その胞子をリン酸緩
衝液10mlに分散させた。それを、各セラミックス試
料の上に噴霧して、孵卵器に入れ25℃で14日間加温
した。その結果、表3に示したように、本発明に係わる
セラミックスI〜VI、及び、X〜XVに顕著な抗カビ
性があることが認められた。
【表3】
【0034】
【発明の効果】本発明に係わる抗菌・抗カビ性セラミッ
クスは、前述のような構成と作用により、機械的強度が
高く、どのような形にでも成型することが可能で、耐水
性、耐熱性にも優れ、濃く着色することなく、持続的に
優れた抗菌・抗カビ性を発揮するので、極めて、広い分
野で、抗菌・抗カビ性物品に使用され、人類の生活環境
に多大の貢献をするものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 善市 愛知県岡崎市緑丘3丁目21−4 (72)発明者 竹内 聡 愛知県豊川市諏訪3丁目123 (72)発明者 箕輪 晋 愛知県名古屋市緑区鳴海町字薬師山151 (56)参考文献 特開 平4−142349(JP,A) 「第21回防菌防黴剤研究部会」のパン フレット、日本防菌防黴学会発行、平成 3年12月13日発行、第11−14頁 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A01N 59/16 A01N 59/20 C04B 35/00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
    ウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、及び、アルミニウム
    からなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶性オ
    ルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩に、銀及
    び銅の何れか一方、又はその両方を、全体で0.1〜
    5.0重量%の範囲でメカノケミカル的に担持させたも
    のを、単独で、又は、他のセラミックス材料と混合し
    て、焼成したことを特徴とする抗菌・抗カビ性セラミッ
    クス
  2. 【請求項2】 マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
    ウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、及び、アルミニウム
    からなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶性オ
    ルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩に、銀イ
    オン溶液及び銅イオン溶液の何れか一方、又はその両方
    を添加し、40℃以下の温度でメカノケミカル的に反応
    させて得られた粉体を、単独で、又は、他のセラミック
    ス材料と混合して、任意の形状に成型して、650℃以
    上の温度で焼成することを特徴とする抗菌・抗カビ性セ
    ラミックスの製造方法
JP3361332A 1991-12-25 1991-12-25 抗菌・抗カビ性セラミックス、及び、その製造方法 Expired - Fee Related JP2909676B2 (ja)

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「第21回防菌防黴剤研究部会」のパンフレット、日本防菌防黴学会発行、平成3年12月13日発行、第11−14頁

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