JPH0748213A - 多孔質抗菌・抗カビ性セラミックス及びその製造方法 - Google Patents

多孔質抗菌・抗カビ性セラミックス及びその製造方法

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JPH0748213A
JPH0748213A JP9500392A JP9500392A JPH0748213A JP H0748213 A JPH0748213 A JP H0748213A JP 9500392 A JP9500392 A JP 9500392A JP 9500392 A JP9500392 A JP 9500392A JP H0748213 A JPH0748213 A JP H0748213A
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antibacterial
copper
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JP9500392A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Kani
良弘 可児
Minoru Wakana
穣 若菜
Satomi Manabe
里美 真鍋
Zenichi Yamada
善市 山田
Satoshi Takeuchi
聡 竹内
Susumu Minowa
晋 蓑輪
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Sintokogio Ltd
Taihei Chemical Industrial Co Ltd
Original Assignee
Sintokogio Ltd
Taihei Chemical Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 〔目的〕 機械的強度が高く、任意の形に成型すること
が可能で、耐水性、耐熱性にも優れ、少量で、持続的に
優れた抗菌・抗カビ性を有するセラミックスを提供す
る。 〔構成〕 アルカリ土類金属、亜鉛、及び、アルミニウ
ムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶性
オルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩に、銀
及び銅の何れか一方、又は、その両方を、全体で0.1
〜5.0重量%の範囲で担持させた結晶粉体10〜95
重量%と、この結晶粉体より高い焼結温度を有する平均
粒径0.1〜50μmの1種以上のセラミックス材料5
〜90重量%とを混合して、650℃以上で焼結した製
造した多孔質抗菌・抗カビ性セラミックス

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、優れた安全性、耐熱
性、機械的強度、耐水性を有し、かつ、持続的に優れた
抗菌・抗カビ性を有する多孔質抗菌・抗カビ性セラミッ
クスに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、微量の銀イオンが抗菌・抗カ
ビ性を有していることはよく知られている。例えば、特
公昭52−38665号公報には、硝酸銀溶液を添加し
て銀を担持させた活性炭を浄水器に使用し、微量に溶解
する銀イオンにより抗菌・抗カビ性を持たせる方法が開
示されている。また、銀の担持方法及び銀イオンの遊離
速度の調整等についても様々な試みがなされている。例
えば、特開昭62−210098号公報には、酸化銀を
添加溶融した溶解性ガラスを製作し、その表面から微量
に溶解する銀イオンによって貯水槽やプール等の水の防
菌・防カビを行う方法が開示されている。
【0003】そして、銀を担持する物質として比表面積
の大きいゼオライトが注目されるようになった。特開昭
63−260810号公報には、ゼオライトにイオン交
換法により銀等の殺菌性金属イオンを高密度に担持させ
た殺菌性ゼオライト組成物が開示されており、これをナ
イロン、ポリエステル等に微量添加混合して紡糸し、抗
菌性合成繊維をえたことが述べられている。また、特開
昭63−265809号公報には、この殺菌性ゼオライ
ト組成物の変色を防止するために、銀等の殺菌性金属イ
オンの一部をアンモニウムイオンで置き換えた殺菌性ゼ
オライト組成物が開示されている。また、特開平1−2
78408号公報には、銅、銀等の殺菌性金属イオンを
担持したゼオライトと活性炭を混合して浄水器や脱臭器
に使用することが開示されている。また、特開平2−1
11709号公報には、ゼオライト組成物の耐アルカリ
性を改善するため、銀等の抗菌性金属のアンミン錯塩及
びアミン錯塩の1種以上を担持したゼオライトが開示さ
れている。
【0004】一方、特開平2−96508号公報には、
高い酸性度を有する難溶性リン酸塩や縮合リン酸塩の陽
イオン交換能に着目して、これに銀等の抗菌性の金属イ
オンを担持させたものが開示されており、これを塗料等
に混入して抗菌効果を上げうることが述べられている。
【0005】また、特公昭63−28402号公報に
は、アルカリ土類金属の炭酸塩、銀イオン等をイオン交
換吸着させたゼオライト、及び、結合剤からなる複合体
を、湿式混和して成形し、乾燥し、アルカリ土類金属の
炭酸塩も熱分解せず、かつ、ゼオライトも熱分解しない
温度範囲で、焼結することからなる水処理に適する抗菌
性組成物の製造方法が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来、市販されている
有機系のグルタルアルデヒド、アルキルアンモニウムク
ロライド、N−アルキルジアミノエチルグリシン、クロ
ルヘキシジン、N−(フルオロジクロロメチルチオ)−
フタルイミド等の殺菌剤、防カビ剤は、毒性が高く、か
つ、変質し易く効果が持続しなかった。
【0007】一方、前述の銀を担持した抗菌性素材は、
比較的安全で、かつ、樹脂を溶融する際の熱等に対して
安定である点等において優れているが、使用目的によっ
ては全く問題がないわけではなかった。例えば、特公昭
52−38666号公報に開示された銀を担持させた活
性炭、及び、特開平1−278408号に開示された銀
等の殺菌性金属を担持させたゼオライトを活性炭に混合
した素材は、耐熱性、機械的強度が劣るため、浄水器等
の以外の用途に使用することが困難で、特開昭62−2
10098号公報に開示された酸化銀を含む溶解性ガラ
スは、割れ易いため、その砕片が、配管を詰まらせた
り、銀の溶解量を変動させたりすることがあった。
【0008】また、特開昭63−260810号公報に
開示された銀等の殺菌性金属イオンを高密度に担持させ
た殺菌性ゼオライト組成物、特開昭63−265809
号公報に開示された銀等の殺菌性金属イオンの一部をア
ンモニウムイオンで置き換えた殺菌性ゼオライト組成
物、及び、特開平2−111709号公報に開示された
銀等の抗菌性金属のアンミン錯塩及びアミン錯塩の1種
以上を担持したゼオライトは、変色を防ぎ、かつ、抗菌
性の低下を防止するため、種々の操作を必要とするので
高価なものになっていた。
【0009】一方、これらの銀等を担持したゼオライト
は、耐熱性及び焼結性が低いため、単独では、充分な機
械的強度、耐水性、耐熱性を有する成型品を得ることが
できず、特公昭63−28402号公報に開示されたよ
うに、アルカリ土類金属の炭酸塩、及び、多量の結合剤
を加えて、かつ、焼結温度を低温にして、初めて焼結体
が可能になった。しかしながら、それでも、焼結温度が
低いためか、その機械的強度は必ずしも充分でなかっ
た。
【0010】また、特開平2−96508号公報に開示
された銀担持リン酸塩には、固体酸性度が低いので銀イ
オンの交換量も銀の保持力も弱いという欠点があり、ま
た、縮合リン酸塩の中にはトリポリリン酸二水素アルミ
ニウムのように高い酸性度を有しているものも得られる
が、高い酸性度のものを得るために、特別な焼成、処
理、銀担持操作を必要とするので、非常に高価になると
いう欠点があった。
【0011】特に、これまでに、セラミックス成型品を
製造する時のような高温に曝されても、抗菌・抗カビ性
を維持している多孔質セラミックスは、全く見当たらな
かった。本発明は、前述の問題点を解決して、人体に対
する安全性が高く、優れた機械的強度と、耐熱性と、耐
水性とを有し、かつ、少量で持続的に優れた抗菌・抗カ
ビ性を有する多孔質抗菌・抗カビ性セラミックスを提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するため、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、および、アルミ
ニウムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難
溶性オルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩
に、銀及び銅の何れか一方、又はその両方を、全体で
0.1〜5.0重量%の範囲で担持させた結晶粉体10
〜95重量%と、この結晶粉体より高い焼結温度を有す
る平均粒径0.1〜50μmの1種以上のセラミックス
材料5〜90重量%とを混合して、焼成したことを特徴
とする多孔質抗菌・抗カビ性セラミックスを提供すると
同時に、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム等
のアルカリ土類金属、亜鉛、および、アルミニウムから
なる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶性オルト
リン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩に、銀イオン
溶液及び銅イオン溶液の何れか一方、又はその両方を添
加し、40℃以下の温度でメカノケミカル的に反応させ
て得られた結晶粉体10〜95重量%と、この結晶粉体
より高い焼結温度を有する平均粒径0.1〜50μmの
1種以上のセラミックス材料5〜90重量%とを混合し
て、任意の形状に成型して、650℃以上の温度で焼成
することを特徴とする多孔質抗菌・抗カビ性セラミック
スの製造方法を提案する。
【0013】本発明者らは、平成2年12月25日出願
の平成2年特許願第418277号において、マグネシ
ウム、カルシウム、ストロンチウム、アルミニウム、マ
ンガン、ニッケル、銅、及び、亜鉛からなる群の中から
選ばれた2種以上の金属の難溶性オルトリン酸複塩に、
0.1〜5.0重量%の銀を担持させたことを特徴とす
る抗菌・抗カビ性リン酸複塩に係わる発明を開示し、ま
た、平成3年9月24日出願の平成3年特許願第315
618号において、リン酸亜鉛に、0.1〜5.0重量
%の銀もしくは銅、又は、総量で0.1〜5.0重量%
の銀及び銅を担持させたことを特徴とする抗菌・抗カビ
性リン酸亜鉛化合物に係わる発明を開示した。更に、平
成3年12月25日出願の特許願(整理番号TKS91
05)において、マグネシウム、カルシウム、ストロン
チウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、および、アルミニ
ウムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶
性オルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩に、
銀及び銅の何れか一方、又は、その両方を、全体で0.
1〜5.0重量%の範囲で担持させたものを、単独で、
又は、他のセラミックス材料と混合して、焼成したこと
を特徴とする抗菌・抗カビ性セラミックスに係わる発明
を開示した。
【0014】本発明は、これらの発明を更に発展させた
ものであり、これらの発明に係わるセラミックスが、微
細な独立気泡を有する緻密な多孔質のものをも含み、必
ずしも短時間で水が浸透できるものばかりでないのに対
して、本発明に係わる多孔質セラミックスは、多数の複
雑な微小貫通孔を有する多孔質のものであって、容易に
短時間に水が浸透できるものであるところに特徴があ
る。
【0015】本発明におけるオルトリン酸塩、及び、オ
ルトリン酸複塩に担持される銀及び銅の全体の濃度は、
0.1〜5.0重量%、好ましくは0.1〜3.0重量
%であることが必要である。担持された銀及び銅の全体
の濃度が0.1重量%未満であれば、十分な抗菌・抗カ
ビ性が得られず、また、5.0重量%を超えれば、焼結
成型品を製造する際に成型品を変色させるおそれを生ず
る。
【0016】本発明において使用される銀等を担持させ
たオルトリン酸塩、又は、オルトリン酸複塩の結晶の大
きさは、0.1〜50μmであることが好ましい。結晶
が小さいほど緻密なセラミックスができ、粒子が大きい
程多孔質なセラミックスができる。0.1μm未満であ
ると、充分な多孔性を有するものが得られず、一方、5
0μmを超えると、充分な焼結強度を有するものが得ら
れなくなる。
【0017】本発明において使用されるセラミックス材
料は、銀等を担持させたオルトリン酸塩、又は、オルト
リン酸複塩からなる結晶粉体より、焼結温度が高く、平
均粒径が0.1〜50μmであることが必要である。セ
ラミックス材料の焼結温度が結晶粉体より低いと、セラ
ミックス材料の端部が変形したり融着したりして多孔性
が失われ、また、結晶粉体の銀等担持部を被覆したり結
晶粉体と相互に溶融したりして抗菌・抗カビ性を低下さ
せるので好ましくない。このような条件を満たすものと
しては、アルミナ、リン酸三カルシウム、ハイドロキシ
アパタイト、チタニア、シリカ、ムライト、ジルコニ
ア、および、ジルコン等をあげることができる。
【0018】一方、本発明におけるセラミックス材料の
平均粒径が0.1μm未満であると、充分な多孔性を有
するセラミックスが得られず、また、50μmを超える
と、充分な強度を有するセラミックスが得られなくな
る。
【0019】本発明における結晶粉体とセラミックス材
料の混合比は、10対90重量%から95対5重量%の
範囲であることが必要である。結晶粉体が10重量%未
満であると、充分な強度を有するセラミックスが得られ
ず、セラミックス材料が5重量%未満であると、充分な
多孔性を有するセラミックスが得られない。
【0020】本発明における抗菌・抗カビ性セラミック
スの製造において、マグネシウム、カルシウム、ストロ
ンチウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、及び、アルミニ
ウムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶
性オルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩の合
成には、これらの金属の酸化物、水酸化物、又は、炭酸
塩と、リン酸塩又はリン酸を使用し、複塩の場合は、異
種金属の混合モル比が1/10〜1/2の範囲内で合成
するのが好ましい。反応には、湿式反応、乾式反応のい
ずれでも可能であるが、湿式反応の方が好ましく、特に
メカノケミカル効果のあるボールミル、ライカイキ、振
動ミル、サンドグランドミル等を使用することがより好
ましく、粒径0.1μm〜50μmの微細粒子が得やす
い。
【0021】銀イオンもしくは銅イオン、又は、銀イオ
ン及び銅イオンの担持には、メカノケミカル効果のある
反応機を使用し、40℃以下の温度で行う。銀イオン等
を担持させるオルトリン酸塩、又は、オルトリン酸複塩
は、必ずしも単塩又は複塩として既に合成されたものだ
けでなく、未反応の状態、すなわち単塩又は複塩合成途
上で銀イオンや銅イオンを担持させてもよい。また、反
応温度が40℃を超えると、銀や銅が遊離して変色する
ので、好ましくない。
【0022】このようにして製造された銀等を担持させ
たオルトリン酸塩、又は、オルトリン酸複塩を、前述の
セラミックス材料と混合して、成形品に成形するには、
湿式成型法、乾式成型法、半乾式加圧成型法、ホットプ
レス法、および、造粒法等が適用でき、ビーズ状、錠剤
状、タイル状等任意の形状に成型できる。その際に、ア
ラビアゴム、ポリビニールアルコール、流動パラフィ
ン、フェノール樹脂、ポリエチレンオキサイド、プルラ
ン、ガラス、モンモリロナイト、コロイダルシリカ、リ
ン酸アルミニウム、及び、カオリン等の公知の結合剤や
成型助剤を併用することができる。さらに、種々の着色
顔料、結晶セルロース、尿素や炭酸カルシウム等の多孔
質化剤を添加することもできる。
【0023】このようにして成形された成形品を、焼結
して本発明に係わる多孔質抗菌・抗カビ性セラミックス
を製造するには、650℃以上の温度で焼結することが
必要である。650℃未満であると、焼結が充分でな
く、充分な機械的強度が得られず、また充分な耐水性、
耐熱性が得られない。焼結には、電気炉等を使用して、
成型品が割れないように徐々に乾燥させ、徐々に昇温し
て、650℃以上の温度で1時間以上保持し、焼結を完
成させ、徐々に冷却することが好ましい。
【0024】本発明に係わる多孔質抗菌・抗カビ性セラ
ミックス成型品は、単に、クーリングタワー、浄水器、
貯水槽等の水処理剤として使用されるだけでなく、タイ
ル状等適宜に成型して、包丁の柄、靴内底、建屋壁面等
に埋め込んで防菌・防カビ剤として使用できる。
【0025】
【作用】本発明における多孔質抗菌・抗カビ性セラミッ
クスが、どのような作用によって、焼結工程の高温の過
酷な条件においても、変色することもなく、長期にわた
り抗菌・抗カビ性を維持できるのか、詳細は不明である
が、一応、本発明における銀等を担持したリン酸塩、及
び、リン酸複塩は、単にイオン交換法により表層の金属
を銀や銅に置換した場合とことなり、メカノケミカル反
応により銀や銅を化学的に強固に結合させたため、表層
内部にまで銀や銅が強固に保持されているものと考えら
れる。
【0026】一方、銀等を担持したリン酸塩、及び、リ
ン酸複塩からなる結晶粉体だけでなく、この結晶粉体よ
り高い焼結温度を有するセラミックス材料を混合して、
焼結するため、結晶粉体がセラミックス材料のバインダ
ーとなって、その周辺に複雑な微細孔が形成され、極め
て比表面積の大きい多孔質セラミックスを製造すること
ができる。従って、長期間にわたって、抗菌・抗カビに
必要な充分な量の銀イオンや銅イオンを放出することが
でき、優れた抗菌・抗カビ効果を示すものと考えられ
る。
【0027】
【実施例】
(1) 結晶粉体の製造 〔実施例1〕40℃に加温した25%リン酸水溶液10
00gに、攪拌しながら水酸化マグネシウム(Mg(O
H))247.5gを徐々に加えて反応させ、80℃
で3時間保持した後、得られたスラリーを30℃に冷却
し、2lボールミルに移し、硝酸銀(AgNO)1
1.4gを添加して24時間練和した。得られたスラリ
ーを濾過して、得られたフィルターケーキを250℃で
12時間乾燥して粉体(以下「粉体1」という)を得
た。この粉体に担持された銀の含有量は2.1重量%で
あって、平均粒径は2.5μmであった。
【0028】〔実施例2〕25℃の40%リン酸水溶液
500gに攪拌しながら酸化亜鉛(ZnO)249.2
gを徐々に加えて反応させ、70℃で2時間保持した
後、得られたスラリーを30℃に冷却し、2lボールミ
ルに移し、硝酸銅(Cu(NO 3HO)4
5.0gを添加して24時間練和した。得られたスラリ
ーを実施例1と同様に処理して粉体(以下「粉体2」と
いう)を得た。この粉体に担持された銅の含有量は3.
0重量%であって、平均粒径は5.8μmであった。
【0029】〔実施例3〕40℃に加温した40%リン
酸水溶液1000gに、水酸化カルシウム(Ca(O
H))53.3g、及び、水酸化アルミニウム(ギブ
サイトAl3HO)280.9gを徐々に添加
して反応させ、60℃で5時間保持した後30℃に冷却
して、2lボールミルに移し、硝酸銀(AgNO)1
2gを添加して、12時間練和した。得られたスリーを
実施例1と同様に処理して粉体(以下「粉体3」とい
う)を得た。この粉体に担持された銀の含有量は1.4
重量%であって、平均粒径は4.2μmであった。
【0030】〔実施例4〕室温の75%リン酸600g
に、酸化マグネシウム(MgO)92.5gと酸化亜鉛
(ZnO)373.8gを加えて反応させ、反応物を2
lボールミルに移し、水1000gを加えて8時間練和
した後、硝酸銅(Cu(NO 3HO)60.
2gを添加して、更に12時間練和して反応を終了させ
た。得られたスラリーを実施例1と同様に処理して粉体
(以下「粉体4」という)を得た。この粉体に担持され
た銅の含有量は2.0重量%であり、平均粒径は3.4
μmであった。
【0031】〔実施例5〕70℃に加温した40%リン
酸水溶液600gに、酸化亜鉛(ZnO)166.1
g、炭酸カルシウム(CaCO)81.6gおよび水
酸化アルミニウム(ギブサイトAl 3HO)
63.7gを徐々に添加して反応させ、80℃で3時間
保持した後、40℃になった時点でライカイ機に移し、
硝酸銀(AgNO)6.9g および硝酸銅(Cu
(NO 3HO)46.3gを添加して、更に
15時間練和した。得られたスラリーを実施例1と同様
に処理して粉体(以下「粉体5」という)を得た。この
粉体に担持された銀の含有量は1.0重量%、銅の含有
量は2.8重量%であり、平均粒径は4.0μmであっ
た。
【0032】〔実施例6〕室温の75%リン酸600g
に酸化亜鉛(ZnO)186.9gと水酸化カルシウム
(Ca(OH))340.0gの混合粉末を添加して
反応させ、反応物を2l振動ミルに移し、水1000g
を加えて8時間練和した後、硝酸銀(AgNO)24
gおよび硝酸銅(Cu(NO 3HO)29.
3gを添加して、更に4時間練和した。得られたスラリ
ーを実施例1と同様に処理して粉体(以下「粉体6」と
いう)を得た。この粉体に担持された銀の含有量は1.
9重量%、銅の含有量は1.0重量%であって、平均粒
径は2.7μmであった。
【0033】(2) セラミックスの製造 比較のため、前述の実施例1〜6で得られた粉体1〜6
各0.5gを、他のセラミックス材料と混合することな
く単独で、それぞれ、直径2cmの成形金型に充填し5
00kg/cmで成形して成形試料(以下、それぞれ
「成形試料1」〜「成形試料6」という)を得た。一
方、本発明に係わるセラミックスを作るため、粉体1〜
6各20gに対して、それぞれ、平均粒径0.6μmの
アルミナ(昭和電工(株)製A161SG)20gを加
え、それぞれ、ライカイ機で1時間混合して混合粉体
(以下「粉体7」〜「粉体12」という)を作り、これ
らの粉体7〜12各1gを用いて、同様にして成形試料
(以下「成形試料7」〜「成形試料12」という)を得
た。更に、セラミックス材料における平均粒径の影響を
みるため、粉体1〜6各20gに対して、それぞれ、平
均粒径55μmのアルミナ(昭和電工(株)製A−13
−M)20gを加え、同様にして混合粉体(以下「粉体
13」〜「粉体18」という)を作り、これらの粉体1
3〜18各1gを用いて、同様にして成形試料(以下
「成形試料13」〜「成形試料18」という)を得た。
更に、セラミックス材料の材質の相違をみるため、粉体
1〜6各20gに対して、それぞれ、平均粒径1μmの
焼成ゼオライト(水沢化学(株)製AMT−25)20
gを加え、同様にして混合粉体(以下「粉体19」〜
「粉体24」という)を作り、これらの粉体19〜24
各1gを用いて、同様にして成形試料(以下「成形試料
19」〜「成形試料24」という)を得た。これらの成
形試料1〜24を、それぞれ850℃で焼成してセラミ
ックス試料(以下、それぞれ「セラミックス試料1」〜
「セラミックス試料24」という)を得た。
【0034】(3) セラミックスの特性 得られたセラミックス試料1〜24の特性は表1に示し
たとおりであった。この表において、吸水率は、セラミ
ックス試料の蒸留水に1時間漬けた後の重量から500
℃で乾燥した後の重量を差し引いた量を、500℃で乾
燥した後の重量で除して、100倍した値であり、溶出
銀イオン濃度は、セラミックス試料1gを蒸留水50m
lに入れスターラで1時間攪拌した後の銀イオン濃度を
イオンメータで測定して得た値である。この表から、充
分に水を吸収できるような多孔性を有するセラミックス
を得るためには、本発明における銀等を担持したリン酸
塩、及び、リン酸複塩からなる結晶粉体だけでなく、こ
の結晶粉体より高い焼結温度を有するセラミックス材料
と混合してセラミックスを製造することが必要なことが
確認でき、また、充分な強度を有するセラミックスを得
るためには、この結晶粉体に混合されるセラミックス材
料の平均粒径が50μm以下であることが必要なことも
確認できる。
【表1】
【0035】(4) セラミックスの抗菌性試験 大腸菌(IFO 3310)が10個/mlとなるよ
うに試験液70mlを入れた三角フラスコ1個ごとに、
それぞれセラミックス試料1〜24 1gを入れ震盪し
た。各三角フラスコについて、震盪1時間後に、試験液
を1mlを取り出して、SCDLP寒天培地を用いて混
釈平板培養法により生菌数を測定した。その結果、表2
に示したように、特に本発明に係わるセラミックス試料
7〜12に顕著な抗菌効果が認められた。
【表2】
【0036】(5) セラミックスの抗カビ性試験 セラミックス試料1〜24を、それぞれ、あらかじめ滅
菌したシャーレ中のポテトデキストロース寒天培地の上
に置いた。別途、平板培養したアスペルギルス・ニガー
(IFO 4414)から5白金耳をとり、0.005
%スルホコハク酸ジオクチルナトリウム水溶液10ml
に分散させ、遠心分離により胞子を分離し、その胞子を
リン酸緩衝液10mlに分散させた。それを各セラミッ
クス試料の上に噴霧して、孵卵器に入れ25℃で14日
間加温した。その結果、表3に示したように、特に本発
明に係わるセラミックス7〜12に顕著な抗カビ性があ
ることが認められた。
【表3】
【0037】
【発明の効果】本発明に係わる多孔質抗菌・抗カビ性セ
ラミックスは、前述のような構成と作用により、機械的
強度が高く、どのような形にでも成型することが可能
で、耐水性、耐熱性にも優れ、少量で、持続的に優れた
抗菌・抗カビ性を発揮するので、極めて、広い分野で、
抗菌・抗カビ性物品に使用され、人類の生活環境に多大
の貢献をするものと考えられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C04B 38/06 B // C04B 38/00 303 (A01N 59/26 59:16 A 59:20) Z (72)発明者 真鍋 里美 大阪府堺市深井中町866−25 (72)発明者 山田 善市 愛知県岡崎市緑丘3丁目21−4 (72)発明者 竹内 聡 愛知県豊川市諏訪3丁目123 (72)発明者 蓑輪 晋 愛知県名古屋市緑区鳴海町宇薬師山151

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
    ウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、および、アルミニウ
    ムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶性
    オルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩に、銀
    及び銅の何れか一方、又はその両方を、全体で0.1〜
    5.0重量%の範囲で担持させた結晶粉体10〜95重
    量%と、この結晶粉体より高い焼結温度を有する平均粒
    径0.1〜50μmの1種以上のセラミックス材料5〜
    90重量%とを混合して、焼成したことを特徴とする多
    孔質抗菌・抗カビ性セラミックス
  2. 【請求項2】 マグネシウム、カルシウム、ストロンチ
    ウム等のアルカリ土類金属、亜鉛、および、アルミニウ
    ムからなる群の中から選ばれた1種以上の金属の難溶性
    オルトリン酸塩、又は、難溶性オルトリン酸複塩に、銀
    イオン溶液及び銅イオン溶液の何れか一方、又はその両
    方を添加し、40℃以下の温度でメカノケミカル的に反
    応させて得られた結晶粉体10〜95重量%と、この結
    晶粉体より高い焼結温度を有する平均粒径0.1〜50
    μmの1種以上のセラミックス材料5〜90重量%とを
    混合して、任意の形状に成型して、650℃以上の温度
    で焼成することを特徴とする多孔質抗菌・抗カビ性セラ
    ミックスの製造方法
JP9500392A 1992-03-02 1992-03-02 多孔質抗菌・抗カビ性セラミックス及びその製造方法 Pending JPH0748213A (ja)

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