JP2909397B2 - 作業用走行車におけるラジエータ用防振ゴムの取付け構造 - Google Patents

作業用走行車におけるラジエータ用防振ゴムの取付け構造

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JP2909397B2 JP28446994A JP28446994A JP2909397B2 JP 2909397 B2 JP2909397 B2 JP 2909397B2 JP 28446994 A JP28446994 A JP 28446994A JP 28446994 A JP28446994 A JP 28446994A JP 2909397 B2 JP2909397 B2 JP 2909397B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、油圧ショベル等の建設
機械、農用トラクタ等の農業機械などの作業用走行車に
おけるラジエータ用防振ゴムの取付け構造に関するもの
である。
【0002】
【従来技術及び発明が解決しようとする課題】一般に、
建設機械、農業機械などの作業用走行車にはエンジンを
冷却するためのラジエータが装着されるが、この様なラ
ジエータは、ファン組込み用のシュラウドが一体的に形
成されるブラケットに内嵌状に組付けられることがあ
り、その場合、ラジエータは、ラジエータ下部のロアタ
ンク下面から突設した位置決めピンをブラケット底板に
配される防振ゴムの挿通孔に挿通して防振的な位置決め
取付けをするようにしたものがある。ところでこの様に
取付けられるラジエータは、上下部のタンクから前後方
向に突出する配管口を、ロアタンクに対向する前面板に
貫通させる必要がある。そこで、図9にロアタンク30
の取付け例を示すが、この場合、防振ゴム34は、取付
け座35に固着される底板36の上面に抜止め支持され
る構成になっているから、ラジエータの取付けに先行し
て組み込んでおく必要があり、そのため、前面板31に
開設する配管口32用の貫通孔31aは、上方に長い長
孔として、位置決めピン33が防振ゴム34の挿通孔3
4aに山越えする状態で入り込むことに合わせて配管口
32が貫通できるように配慮する必要がある。ところが
このままであると、貫通孔31aは上方が開放したまま
の状態になり、ここから冷却風が洩れてしまい冷却効率
が低下する。しかも、前面板31は、前記長孔状貫通孔
31aの開設スペースを確保しなければならないから、
ラジエータの下部がどうしても前面板31に隠れること
になって冷却効率が低下すると共に、その分、大型のラ
ジエータを用いる必要があった。
【0003】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如き実
情に鑑みこれらの欠点を一掃することができる作業用走
行車におけるラジエータ用防振ゴムの取付け構造を提供
することを目的として創案されたものであって、ファン
組込み用のシュラウドが一体的に形成されるブラケット
にラジエータを内嵌状に組付け、該ラジエータから前後
方向に突出する配管口を、ブラケットの冷却風路上手側
に設けられる前面板に設けた貫通孔に貫通させてなる走
行車において、前記ラジエータを、ラジエータ下面から
突設した位置決めピンをブラケット底板に配される防振
ゴムの挿通孔に挿通して防振的な位置決め取付けをする
にあたり、前記ブラケット底板は、少なくとも防振ゴム
が貫通する大きさの貫通孔が穿設されたものとする一
方、該貫通孔を貫通して組込まれる防振ゴムは、ブラケ
ット底板を着脱自在に止着する取付け座に抜止め支持さ
れてラジエータよりも後付けされる構成としたことを特
徴とするものである。そして、このものにおいて、ブラ
ケットは、ラジエータの左右側面および底面を囲繞する
ための側板および底板と、冷却風路上手側に設けられる
前面板と、該前面板に開設した開口に設けられるファン
組込み用のシュラウド板とで構成されるものとし、かつ
前記前面板に開設される開口のコーナー部には係止辺部
を残し、該係止辺部を、側板に形成の係止溝に嵌入して
取付けるようにしたことを特徴とするものである。
【0004】そして本発明は、この構成によつて、ラジ
エータをブラケットに組付ける場合、配管口が貫通する
貫通孔を長孔にすることなく取付けることができるよう
にしたものである。
【0005】
【実施例】次に、本発明の実施例を図面に基づいて説明
する。図面において、1は油圧ショベルであって、該油
圧ショベル1は、下部走行体2、上部旋回体3、ブーム
4、バケット5等の各種部材装置を用いて構成されてい
ることは何れも従来通りであるが、前記上部旋回体3の
後部に形成されているエンジンルーム部6には、エンジ
ン冷却用のラジエータ7を取付けるためのブラケット8
が組込まれるが、ここに本発明が実施されている。
【0006】つまり、前記ブラケット8は、略凵形状に
形成される側板9および底板10、側板9および底板1
0の前端縁(冷却風路上手側)に一体的に設けられる前
面板11、前面板11に略正方形状に開設された開口1
1aに設けられるシュラウド板12とによって一体的に
形成され、そしてラジエータ7は、側板9、底板10お
よび前面板11に囲繞されるスペースに内嵌され、冷却
用のフアン13は、シュラウド板12に開設される円形
のファン取付け孔12aに取付けられるようになってい
る。ここで本実施例においては、ラジエータ7は、上部
旋回体3に対し側方を向く姿勢、つまりファン13の回
転軸(図示せず)が左右方向を向く姿勢で取付けられる
ため、ブラケット8を機体装備したときに、前面板11
は前方ではなく左右方向側方に位置することになるが、
本実施例においては、ラジエータ7自体を基準として説
明しているものであり、以降の説明も、特にことわらな
い限りはこれに準じるものとする。
【0007】さて、前記前面板11は、図3における左
側縁(上部旋回体3基準では後側縁)は、エンジンルー
ム部6の後側縁の形状に沿うよう傾斜状に成っており、
前記開口11aの左上側コーナー部は、テーパ状の係止
辺部11bを残す状態で開設されている。一方、該側に
組込まれる側板9の上縁部には、前記係止辺部11bに
係合するための切欠き9aが形成され、これによって前
面板11の左上側コーナー部において前面板11の板幅
が幅狭になって強度低下するのを回避する配慮がなされ
ているが、この係止辺部11bに切欠き9aを係合する
状態で側板9を組込むことで、側板9の係止辺部11b
に邪魔されることのない取付けができるようになってい
る。因みに、本実施例においては、側板9はシュラウド
板12側まで突出していて、シュラウドの側辺を補強形
成するようになっている。
【0008】次ぎに、前記ラジエータ7は、冷却本体7
a、ロアタンク7b、アッパータンク7cを用いて構成
されるが、両タンク7b、7cから前面板11側に向け
て配管口(上側配管口は下側配管口と同様の構成である
ので図示せず)14が突出し、この配管口14に配管1
5が連通接続されるようになるが、ラジエータ7は、配
管口14が前面板11に開設した貫通孔11cに貫通す
るようにして取付けられる。ここで、ラジエータ7は、
下部が底板10に弾性的に位置決め取付けされ、上部は
前面板11に一体的に取付けられるが、その取付け構造
は次ぎのようになっている。つまり、ロアタンク7bの
下面には位置決めピン16が突設されており、該位置決
めピン16は、底板10に配設される円筒状の防振ゴム
17の挿通孔17aに挿通することで弾性的な位置決め
取付けがなされるようになっているが、該防振ゴム17
は底板10に開設の貫通孔10aを下方から貫通するよ
うにして組込まれ、そして、上部旋回体3のフレームに
一体的に設けられる取付け座18に、底板10をボルト
19を介して取付けることで、前記貫通取付けされた防
振ゴム17は、底板10に抜止め支持される状態で組込
まれるようになっている。一方、アッパータンク7cに
は取付け辺20が一体的に突設され、該取付け辺20か
ら前面板11まで貫通させたボルト21をダブルナット
22を用いて緊締固着するようになっている。尚、23
は取付け辺20と前面板11とのあいだに介装されるカ
ラー、24はファンガードである。また、本実施例のブ
ーム4に設けられるワークライト25は、支軸26を支
点として作業部照射姿勢と収納姿勢とに揺動変姿する構
成になっており、かつ各姿勢に維持するため支点越えす
る弾機27が設けられている。
【0009】叙述の如く構成された本発明の実施例にお
いて、ラジエータ7を上部旋回体3に取付ける場合に、
まずラジエータ7をブラケット8に組み込んでアッシー
とし、このアッシーを取付け座18に取付けることにな
るが、前記アッシーの組付けは、防振ゴム17が底板1
0に取付けられていない状態において、ラジエータ7を
配管口14が前面板11に開設の貫通孔11cに貫通す
るよう前方に移動させるようにしてブラケット8に嵌合
し、そしてボルト21を取付け辺20と前面板11に貫
通させて仮組込みした後、防振ゴム17を、該防振ゴム
17に開設される挿通孔17aに位置決めピン16を挿
通するようにして底板10に開設の貫通孔10aに貫通
させれば良く、該貫通せしめた防振ゴム17は、その外
周に僅か膨出する鍔部17bが底板10の上面に係止し
て仮抜止めされる状態に保持され、これによってブラケ
ット8にラジエータ7が組み込まれたアッシーとなり、
このアッシー底板10を取付け座18にボルト19を用
いて固定する。
【0010】このように、本発明が実施されたものにお
いては、ブラケット8は、前後方向に突出する配管口1
4を前面板11に貫通するようにして組付けることにな
るが、この場合に、ラジエータ7の下部を防振的に位置
決め保持するための防振ゴム17は、配管口14を前面
板11に貫通させた後に貫通孔10aを介して取付けら
れることになり、この結果、従来のように予め底板に防
振ゴム34が止着されたものに取付けるもののように、
配管口32が貫通するための貫通孔31aを、位置決め
ピン33が防振ゴム34を乗り越える分だけ長い長孔状
にする必要がなくなって、配管口14が漸く貫通する程
度の小径にすることができ、これによって、冷却風の洩
れが低減し、冷却効率の向上が計れることになる。しか
も防振ゴム17の後付け的な取付けは、底板10の下面
から行うため、従来の前面板に開設される長孔を後付け
的に塞ぐ場合のように配管やシュラウド底板に邪魔され
ることなく容易に行うことができる。
【0011】しかもこのものでは、配管口14が貫通す
るための貫通孔11cを、従来のもののように長孔にす
る必要がなく、この結果、前面板11に、貫通孔11c
を長孔とするためのスペースを確保する必要がなく、こ
の結果、ロアタンク7bの上面位置をシュラウド底板と
略同位置にすることができ、ラジエータ7の冷却効率の
向上と共に、軽量コンパクト化に寄与できることにな
る。
【0012】
【作用効果】以上要するに、本発明は叙述の如く構成さ
れたものであるから、ラジエータは、配管口を前面板に
開設された貫通孔に貫通させた後に、防振ゴムをラジエ
ータ下面から突設した位置決めピンに貫通させる状態で
ブラケット底板に下側から貫通し、そうして該ブラケッ
ト底板を取付け座に着脱自在に固定すればよく、これに
よって下側から貫通取付けした防振ゴムの抜止め支持が
なされることになる。この結果、配管口用の貫通孔を、
予め底板に防振ゴムが止着されたものに取付ける従来の
もののように、長孔状にする必要がなく、配管口が漸く
貫通する程度の小径でよいこととなって、冷却風の洩れ
が低減して冷却効率の向上が計れることになるととも
に、ラジエータの軽量コンパクト化に寄与することがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】油圧ショベルの側面図である。
【図2】ラジエータが取り付けられた状態のブラケット
の要部拡大縦断側面図である。
【図3】ブラケットの背面図である。
【図4】ブラケットの側面図である。
【図5】ブラケットの水平断面図である。
【図6】側板の正面図である。
【図7】一方の側板を省略した状態を示す側面図であ
る。
【図8】ワークライトの変姿側面図である。
【図9】従来例を示す要部拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
1 油圧ショベル 7 ラジエータ 9 側板 10 底板 11 前面板 12 シュラウド板 13 ファン 14 配管口 15 配管 16 位置決めピン 17 防振ゴム 18 取付け座
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B60K 11/04

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ファン組込み用のシュラウドが一体的に
    形成されるブラケットにラジエータを内嵌状に組付け、
    該ラジエータから前後方向に突出する配管口を、ブラケ
    ットの冷却風路上手側に設けられる前面板に設けた貫通
    孔に貫通させてなる走行車において、前記ラジエータ
    を、ラジエータ下面から突設した位置決めピンをブラケ
    ット底板に配される防振ゴムの挿通孔に挿通して防振的
    な位置決め取付けをするにあたり、前記ブラケット底板
    は、少なくとも防振ゴムが貫通する大きさの貫通孔が穿
    設されたものとする一方、該貫通孔を貫通して組込まれ
    る防振ゴムは、ブラケット底板を着脱自在に止着する取
    付け座に抜止め支持されてラジエータよりも後付けされ
    る構成としたことを特徴とする作業用走行車におけるラ
    ジエータ用防振ゴムの取付け構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、ブラケットは、ラジ
    エータの左右側面および底面を囲繞するための側板およ
    び底板と、冷却風路上手側に設けられる前面板と、該前
    面板に開設した開口に設けられるファン組込み用のシュ
    ラウド板とで構成されるものとし、かつ前記前面板に開
    設される開口のコーナー部には係止辺部を残し、該係止
    辺部を、側板に形成の係止溝に嵌入して取付けるように
    したことを特徴とする作業用走行車におけるラジエータ
    用防振ゴムの取付け構造。
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