JP3718428B2 - パイロットバルブの取付構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パイロットバルブの取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
バックホー等の建設作業機では、運転席の左右に操作レバーを有する操縦台が設けられたものがあり、この操縦台の内部には、掘削装置や旋回モータ等を駆動するための油圧アクチュエータを制御するコントロールバルブをパイロット圧によって操作するパイロットバルブが設けられている。
図7に示すように、このパイロットバルブ70は、上部に操作レバー71が取り付けられると共に下部に油圧配管が接続されるようになっており、その上下中途部には外方突出するフランジ部72が設けられている。
【0003】
一方、操縦台69には、パイロットバルブ70を支持する支持台73が設けられ、この支持台73は略コの字状に屈曲された板材よりなり、その上壁には上下方向に貫通する装着口74が形成され、この装着口74にパイロットバルブ70が挿入される。
また、装着口74は、パイロットバルブ70を上下方向に挿入するために比較的大きな開口として形成され、直接的に支持台73にフランジ部72を取り付けることができないことから、装着口74の下側には、フランジ部72を取り付けるための取付板75が別途取り付けられるようになっていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来構造においては、支持台73の上壁に対して取付板75を4箇所のボルト締結によって取り付け、取付板75に対してフランジを4箇所のボルト締結にて取り付けていた。したがって、合計8箇所に対してボルト76を挿入し、ナットの締め付けを行わなければならず、作業が繁雑となって組立て工数が増大し、コストアップの原因となる。また、取付板75を必要とすることから部品点数が増大する。
【0005】
また、メンテナンス等のためにパイロットバルブ70を取り外すには、ボルトとナットとを完全に取り外さなければならず、作業が非常に面倒なものとなるとともに、ボルト紛失の可能性が大であった。
本発明は、パイロットバルブの取付構造を簡素化し、組立て工数減、部品点数減を図ると共に、メンテナンス性の向上を図ったパイロットバルブの取付構造を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を講じている。
すなわち、本発明は、バルブ本体の上部側に、操作レバーが取り付けられると共に、当該バルブ本体の外周部から外方に突出する前記フランジ部を備え且つ前記バルブ本体の下部側に、油圧配管が取り付けられるパイロットバルブを、支持フレームに固定された支持台に取り付けるようにしたパイロットバルブの取付構造であって、
前記支持フレームは前後に延びる左右一対の側板を備え、前記支持台は、前記左右側板から上方に突出する前後縦壁と、前記前後縦壁を連結する上壁とを備え、前記上壁は、前記パイロットバルブのバルブ本体が上方から挿入される装着口を備え、この装着口にバルブ本体を挿入して、当該装着口周りの上壁上に前記フランジ部を取り付けるようにしており、前記支持台に、前記装着口に連通し、且つ、前記フランジ部を前記左右側板間を通して下方側へ抜き出すための挿入口を形成している点にある。
【0007】
また、本発明は、前記挿入口を、前記上壁及び前縦壁の切り欠きにより形成している点にある。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
図5及び図6は、本発明にかかるパイロットバルブの取付構造を採用したバックホー1であり、このバックホー1は、左右一対のクローラ走行体2を具備した走行装置3と、該走行装置3上に上下方向の軸心X周りに回動自在に設けられた旋回体4と、この旋回体4の前部に設けられた掘削装置5とによって主構成されている。
【0009】
旋回体4上の左前側には運転部6が配設され、該運転部6は、運転席7と、この運転席7の左右両側に設けられた操縦台8と、運転席7の前方に配設された操作レバーやペダル9等を備えている。また、運転席7の上方はキャノピ10によって覆われている。
旋回体4の右側部及び後部にはボンネット11が配設され、該ボンネット11内に、エンジン12、油圧ポンプ13、ラジエータ14、作動油タンク15、制御弁16、燃料タンク17、バッテリ18等が配設されている。
【0010】
掘削装置5は、旋回体4の前部に上下軸心周りに揺動自在に設けられたスイングブラケット19に対して取付けられており、このスイングブラケット19に左右軸心周りに揺動自在に支持されたブーム20と、ブーム20の先端に左右軸心周りに揺動自在に支持されたアーム21と、該アーム21の先端に左右軸心周りに揺動自在に支持されたバケット22とを有する。そして、これらブーム20、アーム21、バケット22は、それぞれ油圧シリンダよりなるブームシリンダ23、アームシリンダ24、バケットシリンダ25にて駆動される。
【0011】
また、前記クローラ走行体2は、油圧モータよりなる走行モータ26によって駆動され、旋回体4は、その内部に備えた油圧モータよりなる旋回モータによって駆動される。
前記制御弁16は、掘削装置5の各シリンダや走行モータ26、旋回モータ等に対して油圧ポンプ13からの作動油を分配して供給する。
運転席7の左右に設けられた操縦台8は、図2に示すように、カバー体30と、該カバー体30の上部から突出する操作レバー31と、カバー体30内に配設された支持フレーム32と、該支持フレーム32に支持されたパイロットバルブ33とを有し、支持フレーム32は、運転席7が搭載されるシート台37(図6参照)に対してブラケット等を介して支持される。
【0012】
前記パイロットバルブ33は、前記操作レバー31によって操作されるとともに、この操作に基づいて前記制御弁16をパイロット圧にて制御するものとなっている。
また、パイロットバルブ33は、下端面に油圧配管の接続部34aが設けられたバルブ本体34と、このバルブ本体34の上部に設けられていて外周部から外方に突出するフランジ部35と、このフランジ部35よりも上部側に設けられ、前記操作レバー31が取り付けられる取付部36とを有し、前記フランジ部35を介して支持フレーム32に取り付けられるようになっている。前記バルブ本体34の内部には、操作レバー31の前後又は左右揺動によって操作される複数個の弁体が設けられている。
【0013】
図1乃至図3に示すように、前記支持フレーム32は、前後方向に伸びる左右一対の側板40を備え、この側板40の前部側に支持台41を取り付けている。この支持台41は、側板40から上方に突出する前縦壁42と、同じく側板40から上方に突出し、該前縦壁42の後側に間隔をおいて配設された後縦壁43と、前後縦壁42,43の上端を連結する上壁44とを有し、この前後縦壁42,43及び上壁44は、板材をコ字状に屈曲することにより一体に形成されている。
【0014】
また、この支持台41は、その上壁が若干前斜め上方に向くように傾斜して設けられている。
前記支持台41の上壁には、パイロットバルブ33を挿入して取り付けるための装着口46が、上下方向に貫通して開口するよう形成されている。
また、この装着口46の左前側には、上壁44及び前縦壁42を切り欠くことによって装着口46を側方(左斜め前方)に開放する挿入口47が形成され、かかる挿入口47を介して、パイロットバルブ33を装着口46に向けて側方(即ち、装着口46の開口方向に交差する方向)から挿入することができるようになっている。
【0015】
前記上壁44における装着口46周りには、3箇所にスタッドボルト48が立設され、上壁44に固定されている。
他方、パイロットバルブ33のフランジ部35は、前記スタッドボルト48が挿通されるボルト挿通孔49を対応する位置に形成している。
そして、図1に示すように、パイロットバルブ33を、バルブ本体34側から挿入口47を介して上壁44の下側へ向けて斜め下方へ挿入しつつ装着口46に位置づけ、フランジ部35の挿通孔49をスタッドボルト48に挿通して上壁44上にフランジ部35を載置する。
【0016】
その後、スタットボルト48に対してフランジ部35の上側からナット50を締結することによって簡単に取り付けることができるようになっている。
パイロットバルブ33を組付け後、メンテナンス等のために支持台41から取り外すには、スタッドボルト48からナット50を取り外してフランジ部35を抜き取ればよく、バルブ本体34に対して油圧配管Pが接続された状態であれば、フランジ部35よりも上側を一旦装着口46から挿入口47側へ抜き出した後に、上壁44の下側に入れ、左右側板40間を通して下方に抜き出すことが可能となる。
【0017】
なお、挿入口47は、上壁44だけでなく前縦壁42の上部を下方へ剔るように切り欠いて大きく形成されているため、前縦壁42が障害となることなくパイロットバルブ33の挿脱を行いやすくなっている。
また、挿入口47を形成することによって支持台41の強度が従来に比べて低下することとなるため、上壁44の後部左側と後縦壁43との間には補強リブ39(図1、図2参照)を設けるのが好ましい。
図4は、本発明の第2実施形態を示すものである。
【0018】
本実施形態では、フランジ部35に対して複数本のスタッドボルト48を立設し、支持台41の上壁44には、スタッドボルト48が挿入されるボルト挿通孔49を装着口46周りに形成したものとなっている。
そして、挿入口47を介してバルブ本体34とともにフランジ部35を上壁44の下側に入り込ませると共に、挿通孔49に対してスタッドボルト48を下側から挿入し、上壁44の上側からスタッドボルト48にナット50を締結する。
本実施形態においても、スタッドボルト48を挿通孔49に挿通するだけで、支持台41に対するパイロットバルブ33の位置決めが迅速に行え、ナット50を締結することにより簡単に取り付けることができる。
【0019】
また、メンテナンス等のために、油圧配管Pが接続された状態でパイロットバルブ33を取り外す場合は、スタッドボルト48からナット50を取り外すことによって、挿入口47を介さずにそのまま左右側板40間を下方に抜き出すことが可能となっており、メンテナンス性がより一層向上される。
本発明は、上記実施形態に限定されることなく適宜設計変更可能である。
例えば、挿入口47は、上壁44のみに形成されるものであってもよいし、上壁44から後縦壁43に亘る範囲で形成してもよい。挿入口47を支持台41の右側に形成してもよい。
【0020】
支持台41は、装着口46の開口方向(貫通方向)を上下方向とした配置に限らず左右、前後方向等とした配置とすることができる。
【0021】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、パイロットバルブを簡単且つ迅速に取り付けることができ、組立て工数減、部品点数減を図ることができ、メンテナンス性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態に係るパイロットバルブの取付構造を示す正面図である。
【図2】 同側面図である。
【図3】 同平面図である。
【図4】 本発明の第2実施形態に係るパイロットバルブの取付構造を示す側面図である。
【図5】 バックホーの平面図である。
【図6】 バックホーの側面図である。
【図7】 従来技術に係るパイロットバルブの取付構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
33 パイロットバルブ
34 バルブ本体
35 フランジ部
36 取付部
41 支持台
42 前縦壁
43 後縦壁
44 上壁
46 装着口
47 挿入口
48 スタッドボルト
49 ボルト挿通孔
Claims (2)
- バルブ本体(34)の上部側に、操作レバー(31)が取り付けられると共に、当該バルブ本体(34)の外周部から外方に突出するフランジ部(35)を備え且つ前記バルブ本体(34)の下部側に、油圧配管(P)が取り付けられるパイロットバルブ(33)を、支持フレーム(32)に固定された支持台(41)に取り付けるようにしたパイロットバルブの取付構造であって、
前記支持フレーム(32)は前後に延びる左右一対の側板(40)を備え、前記支持台(41)は、前記左右側板(40)から上方に突出する前後縦壁(42)(43)と、前記前後縦壁(42)(43)を連結する上壁(44)とを備え、
前記上壁(44)は、前記パイロットバルブ(33)のバルブ本体(34)が上方から挿入される装着口(46)を備え、この装着口(46)にバルブ本体(34)を挿入して、当該装着口(46)周りの上壁(44)上に前記フランジ部(35)を取り付けるようにしており、
前記支持台(41)に、前記装着口(46)に連通し、且つ、前記フランジ部(35)を前記左右側板(40)間を通して下方側へ抜き出すための挿入口(47)を形成していることを特徴とするパイロットバルブの取付構造。 - 前記挿入口(47)を、前記上壁(44)及び前縦壁(42)の切り欠きにより形成していることを特徴とする請求項1に記載のパイロットバルブの取付構造。
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