JP2909144B2 - 半導体レーザ装置及びその製造方法 - Google Patents

半導体レーザ装置及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) 本発明は、化合物半導体材料を用いた半導体レーザに
係わり、特に活性層にInGaAlP系材料を用いた半導体レ
ーザ装置及びその製造方法に関する。
(従来の技術) InGaAlP系材料は、窒化物を除くIII−V族化合物半導
体混晶中で最大のバンドギャップを有し、0.5〜0.6μm
帯の発光素子材料として注目されている。特に、GaAsを
基板とし、これに格子整合するInGaAlPを活性層及びク
ラッド層とするダブルヘテロ構造半導体レーザは、室温
で発振可能な0.6μm帯可視光レーザとなり、赤外域の
半導体レーザにない様々な応用が可能である。
InGaAlPからなる活性層を持つ半導体レーザにおい
て、その発振波長は発光領域となるInGaAlPのバンドギ
ャップエネルギーによって決定される。従来のInGaAlP
からなる活性層を持つ半導体レーザは、基板結晶上にエ
ピタキシャル成長法によって層状に作成されるため、層
内でのバンドギャップエネルギーは一定である。
発振しきい電流値が低く、良好な出射光ビーム特性を
持つレーザとするために、注入電流領域や実効的な屈折
率差による光ガイド構造をストライプ状に形成するInGa
AlP系半導体レーザの構造が提案されている。これらの
構造により、低しきい値で高温まで発振し、光出力5mW
程度までは信頼性の高い素子が得られている。しかしな
がら、より光出力の高いレベルでは急速な劣化が起こ
り、その信頼性は不十分であった。
第7図は、従来のInGaAlPからなる発光領域を持つ、
横モード制御の半導体レーザの概略構造を示す断面図で
ある。図中60はn−GaAs基板、62はn−InGaAlPクラッ
ド層、63はInGaAlP活性層、64はp−InGaAlPクラッド
層、67はp−InGaPキャップ層、68はn−GaAs電流狭窄
層、69はp−GaAsオーミックコンタクト層である。
第7図において、ストライプ幅を5μm、共振器長を
300μmとした素子の連続動作での初期特性は、しきい
値電流50mA、最高光出力20mW程度であった。しかし、最
高光出力レベルは通電と共に低下し、6mWで安定した。
このような素子を7mW以上で動作させようとして注入電
流を増すと、急激に光出力の低下が起こり、同時にしき
い値電流も100mA以上と高くなり、劣化が認められた。
このような劣化現象は、ストライプ幅や活性層の厚さ
等に対する光出力の限界を調べた結果から、この材料系
の本質的な許容光密度の限界により起こると考えられ
る。そこで、劣化した素子の基板を除去し、その電流注
入発光パターンを基板側から観察したところ、光出射端
面付近に暗黒部が形成されていることが分かり、高い光
密度となる光出射端面付近で、自己光吸収による発熱,
温度上昇による光吸収の増大といった正帰還メカニズム
により、結晶が融解して劣化が起こっていることが確認
された。
これに対し、同様な劣化メカニズムを有することを知
られているGaAlAs系材料による半導体レーザでは、端面
付近の活性層のバンドギャップエネルギーを発振波長に
対して透明になるように活性層の発光部より大きくし、
劣化の原因となる自己光吸収を起こさないような、所謂
NAM(Non Absorbing Mirror)構造が採用され効果を上
げている。NAM構造の作成には、活性層を端面付近で除
去し、高バンドギャップエネルギーの材料で埋め込む方
法、段差基板等の上に活性層を成長し活性層を屈曲させ
る方法、超格子活性層を作成しておき不純物拡散等によ
りバンドギャップエネルギーを変化させる方法等が取ら
れている。
しかしながら、これらの方法が比較的複雑な作成プロ
セスの必要なこと、材料系による結晶の特質を利用して
いることなどを考慮すると、GaAlAs系材料よりも作成が
難しいInGaAlP系材料による半導体レーザにそのまま適
用することは、非常に困難である。
(発明が解決しようとする課題) このように従来、InGaAlPからなる活性層を持つ半導
体レーザにおいては、レーザ光の出射端面付近における
光吸収に起因して、連続動作における最大光出力が低下
する問題があった。また、最大光出力を上げるために従
来のNAM構造等を適用しても十分な効果が得られるとは
言えず、さらにその製造プロセスが極めて複雑になる問
題があった。
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、その
目的とするところは、レーザ光の出射端面付近における
光吸収をなくすことができ、連続動作における最大光出
力の向上をはかり得る横モード制御型InGaAlP系半導体
レーザ装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記半導体レーザ装置を
容易なプロセスで作成可能な半導体レーザ装置の製造方
法を提供することにある。
[発明の構成] (課題を解決するための手段) 本発明の骨子は、InGaAlP系材料からなる活性層を有
するリッジ導波型レーザにおいて、横モード制御を実現
し、且つ活性層の光出射端面での光吸収を避けるため
に、活性層の光出射端面部のバンドギャップエネルギー
を活性層の主たる発光部より大きくすることにある。こ
のための一手段として、リッジストライプ方向端面部上
にGaAs等のn型マスク層を形成することにある。
即ち本発明は、GaAs等からなるn型化合物半導体基
板、この基板上に設けられた、InGaAlP系材料からなる
活性層をクラッド層で挟み且つ上側のp型クラッド層に
ストライプ状のリッジを有するダブルヘテロ構造部と、
このダブルヘテロ構造部のリッジ上に設けられたInGaP
等からなるp型キャップ層と、前記リッジのストライプ
方向端面部上に形成されたGaAs等からなるn型マスク層
と、前記リッジ及びn型マスク層を覆うように形成され
たGaAs等からなるp型コンタクト層とを備えた半導体レ
ーザ装置であり、前記n型マスク層領域下の活性層領域
のバンドギャップを他の活性層領域のバンドギャップよ
りも大きくしたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の半導体レーザ装置の製造方
法において、n型化合物半導体基板上に有機金属化学気
相成長法により、 InGaAlP系材料からなるn型クラッド層,活性層及び
p型クラッド層を成長してダブルヘテロ構造部を形成し
たのち、さらにp型キャップ層及びn型マスク層を成長
形成し、次いでp型クラッド層上に形成すべきストライ
プ状のリッジのストライプ方向端面部上を除いてn型マ
スク層を除去し、次いでp型キャップ層及びp型クラッ
ド層にストライプ状のリッジ部を形成し、しかるのちリ
ッジ部及びn型マスク層上にp型コンタクト層を成長形
成するようにした方法である。
(作用) 本発明によれば、リッジ導波型横モード制御構造を有
し、且つ活性層の出射端面付近と活性層の主たる発光部
のバンドギャップエネルギーに差を設けることができ
る。そのメカニズムは明確に解明されていないが、以下
のことが想定される。
半導体レーザを製造する場合、半導体基板を、例えば
高周波加熱したサセプタ上に設置し、半導体層が形成さ
れる。そして、サセプタ等からの熱伝導と共に放射光を
これら半導体基板,半導体層が吸収することで加熱され
る。ここで、n型GaAs等の半導体層(マスク層)は自由
キャリアの吸収が多いため放射光を吸収し易く、成長過
程で、このn型マスク層が他の層より高温になると考え
られる。その結果、n型マスク層が形成された領域に応
じた下方のp型クラッド層領域から不純物が活性層中に
拡散し、活性層のバンドギャップエネルギーに差が生じ
るものと考えられる。なお、p型クラッド層の不純物が
Znである場合、拡散係数が大きく良好に拡散を行うこと
ができる。このようにして、光出射端面付近を発光部よ
りバンドギャップエネルギーが大きい高エネルギーギャ
ップ領域とすることができる。従って、光出射端面付近
における発熱,光吸収を制御することができ、高光出力
まで発振可能で長期的に安定な動作が可能となる。
(実施例) 以下、本発明の詳細を図示の実施例によって説明す
る。
第1図は本発明の第1の実施例に係わる半導体レーザ
の概略構成を示す斜視図、第2図(a)は第1図の素子
を破線Aで切った断面図、第2図(b)は第1図の素子
を破線Bで切った断面図である。
図中10はn−GaAs基板であり、この基板10上にはn−
GaAsバッファ層11,n−In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッ
ド層12(Siドープ;3〜5×1017cm-3)、Ir0.5Ga0.5P活
性層13(アンドープ)、p−In0.5(Ga0.3Al0.70.5
クラッド層14(Znドープ;3〜5×1017cm-3),p−In0.5G
a0.5Pエッチング停止層15(Znドープ;3〜5×1017c
m-3)及びp−In0.5(Ga0.3Al0.70.5Pクラッド層16
(Znドープ;3〜5×1017cm-3)からなるダブルヘテロ構
造部が形成されている。ダブルヘテロ構造部のクラッド
層16上には、p−In0.5Ga0.5Pキャップ層17(Znドー
プ;1×1017cm-3)が形成されている。ダブルヘテロ接合
の各層及びキャップ層17の格子定数はGaAs基板と等しく
且つ、クラッド層12,14のバンドギャップエネルギーは
活性層13のそれよりも大きくなるようにIn,Ga,Alの組成
が決定されている。
エッチング停止層15,クラッド層16及びキャップ層17
には、ストライプ状のリッジ部が形成されている。この
リッジストライプ方向の端面、即ち光出射端面部には、
リッジは形成されておらず、キャップ層17上にn−GaAs
マスク層18が形成されている。キャップ層17,クラッド
層14及びマスク層18上には、p−GaAsコンタクト層19
(Znドープ;5×1018cm-3)が形成されている。そして、
コンタクト層19の上面に金属電極21が被着され、基板10
の下面に金属電極22が被着されている。
このレーザにおける電流狭窄は、クラッド層14,16と
コンタクト層19のp−InGaAlP/p−GaAsヘテロ接合と、
クラッド層14,16とキャップ層19間のp−InGaAlP/p−In
GaP/p−GaAsヘテロ接合における電圧降下の差を利用し
て行っており、リッジ部のみにキャップ層17としてp−
InGaPを設けることにより、電流狭窄を行っている。こ
こで、中間バンドギャップを持つp−InGaPを挟むとバ
リアが低くなり、電圧降下を減少させることができるの
である。
光導波はストライプ状のリッジに形成されたクラッド
層14,16により行われる。クラッド層14の厚さhは0.2〜
0.3μm、エッチング停止層15の厚さは0.01μm、メサ
底部の幅は5μmとした。なお、バッファ層11はGaAs上
に形成するInGaAlP系結晶の品質向上のためである。
ここで、活性層13においてストライプ部分(主たる発
光部)は低エネルギーギャップ領域13aとなっており、
n型マスク層18下の領域(斜線で示す)は高エネルギー
ギャップ13bとなっている。低エネルギーギャップ領域1
3aと高エネルギーギャップ領域13bとのエネルギーギャ
ップの違いを生じる原因については、組成は等しいが結
晶中の原子配列が異なることによると考えられる。実
際、ホトルミネッセンスの評価による低エネルギーギャ
ップ領域13aのバンドギャップエネルギーは、高エネル
ギーギャップ領域13bより、20〜90meV小さい。なお、NA
M構造としてのバンドギャップエネルギー差は少なくと
も20meVが必要である。また、高エネルギーギャップ領
域13bの透過電子線回折像はせん亜鉛構造であることを
示したが、低エネルギーギャップ領域13aの透過電子線
回折像は過剰なスポットが現われ、結晶構造の違いを示
した。
この構造の素子の発振波長は電流注入が主に行われる
活性層13aのバンドギャップエネルギーによって決定さ
れる。この波長に対する高エネルギーギャップ13bの吸
収係数は低エネルギーギャップ領域13aに比べて小さ
く、これにより光出射端面付近での自己吸収による劣化
モードを抑えることができた。
p−In0.5(Ga1-SAlS0.5Pクラッド層のAl組成S及
びキャリア濃度Dの設定は以下のように行った。このレ
ーザの電流狭窄はリッジの外側にあたるp−GaAs/p−In
GaAlPヘテロ接合における電圧降下によって行う。既に
我々は、このヘテロ接合の電流−電圧特性を詳細に調
べ、デバイスの温度特性も検討した結果、 0.6≦S≦0.8 3×1017cm-3≦D≦1×1018cm-3 なる関係を満たす場合、良好な電流狭窄が得られ、優れ
た温度特性も得られることを見出している(特願平1−
78424号)。
本実施例のレーザではさらに窓部でのZnの拡散を再現
性良く得るために以下の条件が必要となる。第3図にp
−GaAsコンタクト層19の再成長後のn−GaAsマスク層18
下(端面部)及びストライプ部のInGaP活性層13のPLピ
ーク波長のpクラッドキャリア濃度依存性を示す。pク
ラッド層のAl組成は0.7とした。この図のようにpクラ
ッドのキャリア濃度が3×1017cm-3を下回るとn−GaAs
マスク層18下においてもZnは十分に活性層13へ拡散せ
ず、窓部として機能するのに必要なバンドギャップさは
得られない。キャリア濃度を3×1017cm-3以上とすると
窓部とストライプ部のバンドギャップさは40meV以上と
なり、十分な窓効果が得られた。
一方、キャリア濃度が1×1018cm-3を越えると、n−
GaAs層マスク18が上に無くてもストライプ部にまでZnの
拡散が起き、バンドギャップは大きくなった。このた
め、窓部とのバンドギャップさは小さくなる問題が生じ
た。
このようにキャリア濃度Dを 3×1017cm-3≦D≦1×1018cm-3 の範囲に定めると、再現性良く窓構造を得ることができ
た。なお、第3図ではpクラッド層のAl組成を0.7とし
てが、Al組成Sが 0.6≦S≦0.8 の範囲で同様の結果が得られた。
第1図の構造において、n型マスク層18の幅を両端面
共に20μm、共振器長を400μmとした素子の連続動作
での初期特性は、しきい値電流が55mA、スロープ効率が
0.5W/A、で最高光出力レベルは80mW以上であり、キンク
も見られなかった。また、従来例に見られたような通電
による最高光出力レベルの低下も起こらなかった。横モ
ード特性に関しても、接合平面に水平方向の遠視野像に
サイドローブは見られず、光出力の変化に対してもプロ
ファイルに変化はなかった。また、非点隔差も10μm以
下であった。
次に、第1図に示した素子の製造方法について、第4
図を参照して説明する。この素子は2回の有機金属化学
気相成長法(MOCVD法)を用いて作成した。
まず、第4図(a)に示すようにn−GaAs基板10上
に、n−GaAsバッファ層11,n−InGaAlPクラッド層12,In
GaP活性層13,p−InGaAlPクラッド層14,p−InGaPエッチ
ング停止層15,p−InGaAlPクラッド層16,p−InGaPキャッ
プ層17及びn−GaAsマスク層18を順次MOCVD法により成
長形成した。成長温度は730℃とした。
次いで、第4図(b)に示すように、ホトリソグラフ
ィ技術と硫酸系のエッチング液を用いた化学エッチング
により、後に形成するリッジのストライプ方向端部を残
してn型マスク層18をキャップ層17までエッチングす
る。これにより、リッジの両端部に幅50μmのマスク層
18のストライプを形成した。
次いで、第4図(c)に示すように、ホトリソグラフ
ィ技術と燐酸,及び臭素のエッチング液を用いた化学エ
ッチングにより、n型マスク層18のストライプと直交す
る方向にキャップ層17,クラッド層16をエッチング停止
層15までエッチングし、幅5μmのストライプを形成す
る。この際、n型マスク層18はエッチングされないよう
最初のホトリソグラフィプロセスで用いたn型マスク層
18につけたレジストは残しておく。
次いで、エッチング停止層15を臭素系のエッチング液
でエッチングした後、レジストを除去する。次いで、p
−GaAsコンタクト層19を2回目のMOCVD法により形成し
た後、コンタクト層19の上面に金属電極21を被着し、基
板10の下面には金属電極22を被着した。なお、2回目の
MOCVD法の成長温度は630〜650℃とした。
かくして製造された半導体レーザにおいては、活性層
13の光出射端面部付近において、クラッド層14,16の上
にn−GaAsマスク層18が存在するので、活性層13の光出
射端面付近のバンドギャップが主たる発光部のバンドギ
ャップよりも大きくなる。これは、コンタクト層19の形
成工程において、マスク層18が他の層よりも高温とな
り、マスク層18の下の領域でクラッド層14,16からの不
純物(この実施例ではZn)が拡散層13に拡散されるため
と考えられる。そして、このように活性層13の光出射端
面付近のバンドギャップが主たる発光部のバンドギャッ
プよりも大きくなると、光出射端面付近における発熱,
光吸収をなくすことができ、高出力まで発振可能なレー
ザを実現することができる。また、本実施例ではn型マ
スク層18が電流阻止層としても作用するので、光出射端
面部では電流が流れなくなり、これにより光出射端面部
の劣化をより確実に防止することが可能である。
第5図は本発明の第2の実施例に係わる半導体レーザ
の概略構成を示す斜視図である。なお、第1図と同一部
分には同一符号を付して、その詳しい説明は省略する。
この実施例が先に説明した実施例と異なる点は、光出
射端面部にもリッジが形成されていることであり、それ
以外は先の実施例と全く同一である。また、第5図に示
す破線C,Dで切った断面は第2図(a)(b)と同じと
なる。このレーザは、最高光出力レベルは50mW以上を維
持し、且つ被点隔差は5μm以下に低減することができ
た。
この素子は次のようにして作成される。まず、先の実
施例と同様に、第4図(a)に示す如く、n−GaAs基板
10上にnバッファ層11,nクラッド層12,活性層13,pクラ
ッド層14,pエッチング停止層15,pクラッド層16,pキャッ
プ層17及びn−GaAsマスク層18を順次MOCVD法により成
長形成する。その後、第4図(b)に示すように、n型
マスク層18をパターニングする。
次いで、ホトリソグラフィ技術と硫酸系のエッチング
液,燐酸,及び臭素のエッチング液を用いた化学エッチ
ングにより、n型マスク層18のストライプと直交する方
向にn型マスク層18をエッチングし、さらにキャップ層
17,クラッド層16をエッチングする。即ち、第6図
(a)に示すようにストライプ状のレジストマスク25を
形成し、同図(b)に示すようにn型マスク層18,キャ
ップ層17,クラッド層16をエッチング停止層15までエッ
チングし、幅5μmのストライプを形成する。その後、
エッチング停止層15を臭素系のエッチング液でエッチン
グした後、レジストマスク25を除去する。
これ以降は、p−GaAsコンタクト層19を2回目のMOCV
D法により形成した後、コンタクト層19の上面に金属電
極21を被着し、基板10の下面には金属電極22を被着し
た。2回目のMOCVD法の成長温度は630〜650℃とした。
かくして製造された半導体レーザにおいても、活性層
13の光出射端面部付近と活性層13の主たる発光部とのバ
ンドギャップに差を設けることができ、低しきい値で素
子特性に優れた、高出力動作においても信頼性の高い半
導体レーザを得ることができた。
なお、本発明は上述した各実施例に限定されるもので
はなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種々変形して実
施することができる。実施例ではn型マスク層としてGa
Asを用いたが、この代わりに他の半導体層、例えばInGa
AlPを用いることもできる。さらに、リッジストライプ
の端面部付近に選択的に形成することができ、且つ放射
光等を吸収し易く他の層よりも高温になる材料であれ
ば、半導体以外の材料を用いることも可能であると期待
される。
[発明の効果] 以上詳述したように本発明によれば、活性層の光出射
端面部のバンドギャップエネルギーを活性層の主たる発
光部より大きくしているので、レーザ光の出射端面付近
における光吸収をなくすことができ、連続動作における
最大光出力の向上をはかり得る横モード制御型InGaAlP
系半導体レーザを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1の実施例に係わる半導体レーザの
概略構成を示す斜視図、第2図は第1図の破線A断面及
び破線B断面を示す図、第3図はpクラッド層のキャリ
ア濃度とPLピーク波長との関係を示す特性図、第4図は
上記レーザの製造工程を示す斜視図、第5図は本発明の
第2の実施例の概略構成を示す斜視図、第6図は第2の
実施例レーザの製造工程を示す斜視図、第7図は従来の
半導体レーザの素子構造を示す断面図である。 10……n−GaAs基板、 11……n−GaAsバッファ層、 12……n−InGaAlPクラッド層、 13……InGaP活性層、 14……p−InGaAlPクラッド層、 15……p−InGaPエッチング停止層、 16……p−InGaAlPクラッド層、 17……p−InGaPキャップ層、 18……n−GaAsマスク層、 19……p−GaAsコンタクト層、 21,22……電極、 25……レジストマスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 波多腰 玄一 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−159783(JP,A) 特開 平1−286479(JP,A) 特開 昭63−62292(JP,A) 特開 平1−253985(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) H01S 3/18

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】n型化合物半導体基板と、この基板上に設
    けられた、活性層をクラッド層で挟み且つ上側のp型ク
    ラッド層にストライプ状のリッジを有するダブルヘテロ
    構造部と、このダブルヘテロ構造部のリッジ上に設けら
    れたp型キャップ層と、前記リッジのストライプ方向端
    面部上に形成されたn型マスク層と、前記リッジ及びn
    型マスク層を覆うように形成されたp型コンタクト層と
    を具備し、前記n型マスク層領域下の活性層領域のバン
    ドギャップを他の活性層領域のバンドギャップよりも大
    きくしてなることを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】前記基板はn型GaAsからなり、前記活性層
    はIn1-Y(Ga1-XAlXYP(0≦x<1,0≦y<1)からな
    り、前記ダブルヘテロ構造の各クラッド層は In1-T(Ga1-SAlSTP(0≦s<1,0≦t<1,s>x)か
    らなり、前記マスク層はn型GaAsからなることを特徴と
    する請求項1記載の半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】前記p型クラッド層のAl組成S及びキャリ
    ア濃度Dが、 0.6≦S≦0.8 3×1017cm-3≦D≦1×1018cm-3 なる関係を有することを特徴とする請求項1記載の1又
    は2記載の半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】前記キャップ層が、 In1-W(Ga1-VAlVWP(0≦v<1,0≦w<1,v<s)か
    らなることを特徴とする請求項1又は2項記載の半導体
    レーザ装置。
  5. 【請求項5】前記ダブルヘテロ構造部の上側のp型クラ
    ッド層のドーパントは、Znであることを特徴とする請求
    項1又は2記載の半導体レーザ装置。
  6. 【請求項6】n型化合物半導体基板上に有機金属化学気
    相成長法により、InGaAlP系材料からなるn型クラッド
    層,活性層及びp型クラッド層を成長してダブルヘテロ
    構造部を形成し、さらにp型クラッド層及びn型マスク
    層を成長形成する工程と、p型クラッド層上に形成すべ
    きストライプ状のリッジのストライプ方向端面部上を除
    いてn型マスク層を除去する工程と、前記p型キャップ
    層及びp型クラッド層にストライプ状のリッジ部を形成
    する工程と、リッジ部及びn型マスク層上にp型コンタ
    クト層を成長形成する工程とを含むことを特徴とする半
    導体レーザ装置の製造方法。
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