JPH09214058A - 半導体レーザ素子 - Google Patents

半導体レーザ素子

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JPH09214058A
JPH09214058A JP2144996A JP2144996A JPH09214058A JP H09214058 A JPH09214058 A JP H09214058A JP 2144996 A JP2144996 A JP 2144996A JP 2144996 A JP2144996 A JP 2144996A JP H09214058 A JPH09214058 A JP H09214058A
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JP
Japan
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layer
type
semiconductor laser
active layer
laser device
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JP2144996A
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Inventor
Kentaro Tani
健太郎 谷
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Sharp Corp
Original Assignee
Sharp Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 戻り光雑音を防ぐと共に閾値電流の増大を防
ぐことができ、横モードが安定で信頼性および高温での
特性に優れた半導体レーザ素子を提供する。 【解決手段】 n型AlGaInP第1クラッド層1
4、GaInP活性層15およびp型AlGaInP第
2クラッド層16がこの順に積層され、その上方にスト
ライプ状リッジ部を有するp型AlGaInP第3クラ
ッド層18が形成されている。活性層15の近傍にはG
aInP可飽和吸収層17が形成されている。電流ブロ
ック層は、活性層から出射されるレーザ光を吸収しない
n型Al0.6Ga0.4As層51とn型GaAs層52と
からなり、活性層15に近い側にレーザ光を吸収しない
層51が形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば光ディスク
システムなどの光記憶装置などに用いられる半導体レー
ザ素子に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、情報関連分野の様々な装置におい
て光記憶装置が用いられており、その発展に伴って記憶
容量の増大や書き込み・読み出し速度の向上が求められ
ている。例えば、光ディスク装置の記憶容量の増大や書
き込み・読み出し速度の向上のためには、半導体レーザ
素子の光ディスク面などからの戻り光雑音の低減が必要
である。そのため、従来より、高周波重畳法による方法
や自励発振現象を利用する方法の2つのアプローチ方法
が考えられている。高周波重畳法による方法は、比較的
容易に半導体レーザ素子の戻り光雑音を低減できるが、
外部に高周波重畳用の駆動ユニットを設ける必要があ
り、コストやサイズの増大を招いていた。一方、自励発
振現象を利用する方法としては、半導体レーザ素子の活
性層の一部領域としてまたは活性層の近傍位置に、可飽
和吸収層と称されるレーザ光を吸収する層を設けること
により、半導体レーザ素子の注入キャリア密度−利得特
性を時間的に変化させて戻り光雑音を低減する方法があ
る。
【0003】以下に、従来の半導体レーザ素子の注入キ
ャリア密度−利得特性に対する可飽和吸収層の働きにつ
いて説明する。
【0004】図15に示すように、注入キャリア密度が
発振閾値利得を越えることにより活性層からレーザ発振
が生じる。
【0005】図16に示すように、活性層から出射した
光を可飽和吸収層が吸収して発振閾値利得が下がる。そ
の後、図17に示すように、キャリアを大量に放出する
ので、注入キャリア密度が下がると共に、可飽和吸収層
のキャリアが光や熱に変わって減少し、全体の閾値利得
が元に戻ってレーザ発振が停止する。この繰り返しによ
って、半導体レーザ素子の注入キャリア密度−利得特性
を時間的に変化させて、光ディスク面などからの戻り光
による雑音を低減させることができる。
【0006】このような可飽和吸収層を用いた自励発振
する半導体レーザ素子は、特開平6−260716号公
報「半導体レーザ」や、特開平5−160503号公報
「半導体レーザ装置」などに開示されている。この自励
発振する半導体レーザ素子によれば、高周波重畳ユニッ
トなどが不要であり、光ピックアップのサイズやコスト
の増大を防ぐことができるので、非常に有用である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の可飽和吸収層を用いた自励発振する半導体レーザ素
子では、可飽和吸収層で光損失が生じるので、半導体レ
ーザ素子の内部損失が増大して、発振閾値電流の増加を
招いたりしていた。
【0008】このような内部損失の増大による閾値電流
の増加を防ぐには、特開平5−160503号公報「半
導体レーザ装置」に開示されているように、電流ブロッ
ク層をクラッド層よりもバンドギャップが大きく屈折率
の小さい層で構成して実屈折率構造とする方法が考えら
れる。この方法によれば、電流ブロック層での光吸収を
減らして内部損失の増加を抑えることができる。しか
し、電流ブロック層がレーザ光を吸収しないので、横方
向への光の閉じ込めが弱いために、レーザ光の横モード
が不安定になり、光−電流特性にキンクが発生して動作
電流が増大するという問題があった。また、クラッド層
としてAl混晶比が高い半導体層を用いた時には、電流
ブロック層としてクラッド層よりもさらにAl混晶比が
高い半導体層を用いなければならない。このため、電流
ブロック層の結晶性が悪くなり、結晶の欠陥などの非発
光中心が発生して動作電流が増大するなど、半導体レー
ザ素子の特性や信頼性に大きな影響を及ぼしていた。
【0009】また、図18に示すような半導体レーザ素
子には、以下のような問題があった。
【0010】図18において、レーザ光を出射する活性
層1の上下位置に第1導電型の第1クラッド層2および
第2導電型の第2クラッド層3が形成されており、この
第2クラッド層3上にエッチングストップ層4が設けら
れている。このエッチングストップ層4上の中央部分に
エッチングストップ層4に接した第2導電型の第3クラ
ッド層6を有する電流狭窄部としてのストライプ状リッ
ジ部5が形成されている。また、エッチングストップ層
4上でこのストライプ状リッジ部5の側面は第1導電型
の電流ブロック層7で埋め込まれている。ここで、光が
広がっている光分布領域E内で、電流が注入されている
ほぼストライプ幅W内の電流注入領域の外側に位置する
活性層1の一部領域に、レーザ光を吸収する可飽和吸収
領域1aが存在している。なお、8,9は電極であり、
これらの電極8,9に駆動電圧が印加される。
【0011】このように構成した従来の半導体レーザ素
子においては、可飽和吸収領域1aに電流を分布させず
に光のみをある程度以上分布させるためには、レーザ光
を出射する活性層1から、光が閉じ込められる電流ブロ
ック層7までの距離hや、ストライプ状リッジ部5のス
トライプ幅Wの大きさを変えて横方向への光の閉じ込め
を弱くする必要がある。このため、レーザ光の横モード
が不安定になり、光−電流特性に折れ曲がり(キンク)
が発生して動作電流が増大するなど、半導体レーザ素子
の特性や信頼性に大きな影響を及ぼしていた。
【0012】また、可飽和吸収領域1aに電流を分布さ
せずに光のみをある程度以上分布させるためには、電流
拡がりを制限する必要がある。このため、p型クラッド
層のp型不純物濃度を高くすることができず、半導体レ
ーザ素子の高温での特性に悪影響を及ぼしていた。
【0013】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、戻り光雑音を低減できると共に、閾値電流の増大を
防ぐことができ、横モードが安定で素子特性や信頼性も
良好であり、高温での特性にも優れた半導体レーザ素子
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体レーザ素
子は、少なくとも第1導電型の第1クラッド層、活性層
および第2導電型の第2クラッド層がこの順に積層され
て設けられ、該第2クラッド層上に電流狭窄用のストラ
イプ状リッジ部における第2導電型の第3クラッド層が
設けられ、該活性層の一部領域としてまたは該活性層近
傍位置に、該活性層から出射されるレーザ光を吸収する
可飽和吸収領域が設けられ、該ストライプ状リッジ部の
両側面を埋め込んで第1導電型の電流ブロック層が設け
られ、該電流ブロック層は該レーザ光を吸収する層と吸
収しない層とからなり、かつ該活性層に近い側に該レー
ザ光を吸収しない層が設けられているものであり、その
ことにより上記目的が達成される。
【0015】また、本発明の半導体レーザ素子は、少な
くとも第1導電型の第1クラッド層、活性層および第2
導電型の第2クラッド層がこの順に積層されて設けら
れ、該第2クラッド層上方に電流狭窄用のストライプ状
溝部を有する第1導電型の電流ブロック層が設けられ、
該第2クラッド層上方の該電流狭窄用のストライプ状溝
部内に第2導電型の第3クラッド層が設けられ、該活性
層の一部領域としてまたは該活性層近傍位置に、該活性
層から出射されるレーザ光を吸収する可飽和吸収領域が
設けられ、該電流ブロック層は該レーザ光を吸収する層
と吸収しない層とからなり、かつ該活性層に近い側に該
レーザ光を吸収しない層が設けられているものであり、
そのことにより上記目的が達成される。
【0016】さらに、好ましくは、本発明の半導体レー
ザ素子における活性層近傍位置の可飽和吸収領域は、第
1クラッド層、第2クラッド層および第3クラッド層の
うち少なくとも何れかの層中に設けられているか、また
は、該第2クラッド層と第3クラッド層の間に設けられ
ている。
【0017】さらに、好ましくは、本発明の半導体レー
ザ素子における第1クラッド層、第2クラッド層および
第3クラッド層のうち、p型クラッド層のp型不純物濃
度が1×1018cm-3以上である。
【0018】さらに、好ましくは、本発明の半導体レー
ザ素子の電流ブロック層において、活性層から出射され
るレーザ光を吸収しない層の厚みは150nm以下であ
る。
【0019】以下、本発明の作用について説明する。
【0020】本発明においては、電流ブロック層は活性
層から出射されるレーザ光を吸収する層と吸収しない層
との2層からなっており、活性層に近い側に活性層から
出射されるレーザ光を吸収しない層を形成している。可
飽和吸収領域での光損失により半導体レーザ素子の閾値
電流は増加するが、レーザ光を吸収しない層を活性層に
近い側に形成することにより、電流ブロック層での光損
失が抑えられる。また、電流ブロック層として、レーザ
光を吸収しない層の上に、レーザ光を吸収する層が形成
されているので、ロスガイド構造となって横モードが安
定する。
【0021】また、活性層から出射されるレーザ光を吸
収しない層の厚みが0〜150nmでは閾値電流が減少
するが、これを150nm以上の厚みにしても閾値電流
は殆ど変わらない。したがって、これを150nm以下
の厚みにすれば、Al混晶比の高い層を用いても結晶性
の悪化などによる悪影響が少ない。
【0022】さらに、活性層から近い側に、レーザ光を
吸収しない層を形成しているので、光の拡がりと電流の
拡がりとを独立して制御できて、p型クラッド層のp型
不純物濃度を1×1018cm-3以上に設定可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0024】(実施形態1)本実施形態1では、活性層
から出射されるレーザ光を吸収する可飽和吸収領域が可
飽和吸収層として活性層近傍位置である第2クラッド層
と第3クラッド層の間に設けられている場合である。
【0025】図1は本発明の実施形態1の半導体レーザ
素子の積層構造を示す断面図である。
【0026】図1において、n型GaAs基板11上
に、n型GaAs層12、n型GaInPバッファ層1
3、n型AlGaInP第1クラッド層14、GaIn
P活性層15さらにp型AlGaInP第2クラッド層
16が順次設けられている。このp型第2クラッド層1
6上には、活性層から出射されるレーザ光を吸収するG
aInP可飽和吸収層17が設けられ、その上にp型A
lGaInP第3クラッド層18、p型GaInP中間
層19さらにp型GaAsコンタクト層20が設けられ
てストライプ状リッジ部21を形成している。このスト
ライプ状リッジ部21の側面を埋め込むように、n型A
0.6Ga0.4As電流ブロック層22さらにn型GaA
s電流ブロック層23が設けられている。これらのp型
コンタクト層20、n型Al0.6Ga0.4As電流ブロッ
ク層22およびn型GaAs電流ブロック層23上にp
型電極24が設けられ、また、n型基板11のn型Ga
As層12側とは反対側の面にn型電極25が設けられ
ている。
【0027】この電流ブロック層内において、活性層1
5から近い側のn型Al0.6Ga0.4As電流ブロック層
22は、Al混晶比が0.6であり、活性層15から出
射されるレーザ光(発振波長670nm)を吸収しな
い。また、活性層15から遠い側のn型GaAs電流ブ
ロック層23は、活性層15から出射されるレーザ光を
吸収する。さらに、可飽和吸収層17上のAl0.6Ga
0.4As電流ブロック層22の厚みは100nmであ
り、p型第2クラッド層16のp型不純物であるBe濃
度は1.2×1018cm-3である。以上により本実施形
態1の半導体レーザ素子26が構成されている。
【0028】この本実施形態1の半導体レーザ素子26
は、以下のようにして作製することができる。
【0029】まず、図2に示すように、n型GaAs基
板11上に、分子線エピタキシー法(以下MBE法とい
う)によりn型GaAs層12、n型GaInPバッフ
ァ層13、n型AlGaInP第1クラッド層14、G
aInP活性層15、p型AlGaInP第2クラッド
層16、GaInP可飽和吸収層17、p型AlGaI
nP第3クラッド層18、p型GaInP中間層19さ
らにp型GaAsコンタクト層20を順次成長させて積
層し、その上に電子ビーム蒸着法によりAl23層27
を成膜する。
【0030】次に、図3に示すように、Al23層27
上にフォトリソグラフィー法によりエッチングマスク2
8を作製し、これを用いて硫酸系、塩素系または臭素系
のエッチング液によりp型AlGaInP第3クラッド
層18、p型GaInP中間層19およびp型GaAs
コンタクト層20をエッチングして、図4に示すような
ストライプ状リッジ部21を形成する。
【0031】続いて、図5に示すように、エッチングマ
スク28を有機溶媒により除去した後、このストライプ
状リッジ部21の側面を埋め込むように、MBE法によ
りn型Al0.6Ga0.4As電流ブロック層22さらにn
型GaAs電流ブロック層23を順次成長させる。この
とき、p型コンタクト層20上のAl23層27上には
n型Al0.6Ga0.4Asポリ層29さらにn型GaAs
ポリ層30が形成されている。
【0032】その後、図6に示すように、エッチングや
リフトオフ法によりp型コンタクト層20上のAl23
層27、n型Al0.6Ga0.4Asポリ層29およびn型
GaAsポリ層30を除去する。
【0033】最後に、真空蒸着法によりp型コンタクト
層20および電流ブロック層22,23上にp型電極2
4を形成し、また、n型基板11側にn型電極25を形
成することにより、図1の半導体レーザ素子26が完成
する。
【0034】以上により、本実施形態1の半導体レーザ
素子26は、閾値電流が35mAであり、レーザ光(発
振波長670nm)を吸収しないn型Al0.6Ga0.4
s電流ブロック層22が形成されていない従来の半導体
レーザ素子と比較して、閾値電流を40%低減すること
ができた。また、レーザ光の横モードも安定しており、
15mWまでキンクフリーの良好な光−電流特性が得ら
れた。さらに、戻り光雑音については、戻り光10%で
相対雑音強度140dB/HZ以下の低い雑音レベルに
することができた。
【0035】また、n型Al0.6Ga0.4As電流ブロッ
ク層22により光の拡がりを制御できるので、p型Al
GaInP第2クラッド層16のp型不純物であるBe
濃度を1.2×1018cm-3と高くすることができ、最
高発振温度100℃以上の良好な高温特性が得られた。
【0036】さらに、n型Al0.6Ga0.4As電流ブロ
ック層22のAl混晶比は0.6と比較的高いにも拘ら
ず、厚みが100nmと薄いので欠陥などの非発光中心
の発生を小さくすることができ、60℃、5mWの条件
で2000時間以上安定駆動させることができ、高い信
頼性を得ることができた。
【0037】(実施形態2)本実施形態2においては、
活性層15の近傍位置に可飽和吸収層17を設ける代わ
りに、図7のように、活性層15のうち電流注入されて
いない領域を可飽和吸収層として用いて、自励発振する
半導体レーザ素子とした場合である。
【0038】この場合、この可飽和吸収層に光のみをあ
る程度以上分布させるためには、p型AlGaInP第
1クラッド層16とエッチングストップ層7aとn型A
0.6Ga0.4As電流ブロック層22との厚みh、およ
びリッジ部のストライプ幅Wを適切な値にすることが必
要であり、本実施形態2では例えばh=0.3μm、W
=4μmにしている。
【0039】例えば、n型GaAs層のようにレーザ光
を吸収する層のみで電流ブロック層を構成した従来の半
導体レーザ素子では、横方向に光を拡げるためにp型A
lGaInP第2クラッド層16の厚みを厚くする必要
があったが、そのために電流の拡がりも大きくなって閾
値電流を上昇させてしまう。一方、本実施形態2の半導
体レーザ素子では、レーザ光を吸収しない層22と吸収
する層23との2層で電流ブロック層が構成されてお
り、n型Al0.6Ga0.4As電流ブロック層22がレー
ザ光を吸収しないので、光の分布を拡げることと電流の
ブロックとを同時に行うことができる。このように、光
の拡がりと電流の拡がりとを独立して制御できるので、
素子設計の自由度が向上し、閾値電流を上昇させたり横
モードを不安定にするようなことはなく、自励発振する
半導体レーザ素子を実現することができた。
【0040】また、従来の半導体レーザ素子では、電流
拡がりを抑えるために、p型AlGaInP第2クラッ
ド層16のp型不純物であるBe濃度を4.0×1017
cm-3までしか上げることができなかった。このため、
最高発振温度が50℃と低く、実用に耐えるものではな
かった。一方、本実施形態2の半導体レーザ素子では、
p型AlGaInP第2クラッド層16のp型不純物で
あるBe濃度を1.2×1018cm-3まで高くしても電
流の拡がりを抑えることができるので、最高発振温度1
00℃以上の良好な高温特性が得られた。
【0041】さらに、本実施形態2の半導体レーザ素子
の他の特性は、閾値電流が30mAであり、レーザ光を
吸収しないn型Al0.6Ga0.4As電流ブロック層22
が形成されていない半導体レーザ素子と比較して閾値電
流を低減することができた。また、60℃、5mWの条
件で2000時間以上安定駆動させることができ、高い
信頼性を得ることができた。さらに、戻り光雑音につい
ても、戻り光10%で相対雑音強度140dB/HZ以
下の低い雑音レベルにすることができた。
【0042】以上のように、活性層の電流注入されてい
ない領域を可飽和吸収層とする場合でも、活性層から出
射されるレーザ光を吸収しない層により光の分布を拡げ
ることができる。よって、活性層からレーザ光を吸収す
る層までの距離hやリッジ部のストライプ幅Wを適切な
値にして、半導体レーザ素子の横モードを安定化させる
ことができる。
【0043】(実施形態3)図8は本発明の実施形態3
における半導体レーザ素子の積層構造を示す断面図であ
る。
【0044】図8において、n型GaAs基板41上
に、n型GaAs層42、n型GaInPバッファ層4
3、n型AlGaInP第1クラッド層44、GaIn
P/AlGaInP多重量子井戸活性層45さらにp型
AlGaInP第2クラッド層46が設けられている。
このp型第2クラッド層46上にはGaInP可飽和吸
収層47が形成され、その上に平坦部とストライプ状リ
ッジ部とを有するp型AlGaInP第3クラッド層4
8、p型GaInP中間層49、p型GaAsコンタク
ト層50が設けられている。このストライプ状リッジ部
の側面を埋め込むように、n型(Al0.3Ga0.70.5
In0.5P電流ブロック層51さらにn型GaAs電流
ブロック層52が設けられている。これらのp型GaA
sコンタクト層50、p型コンタクト層51およびn型
電流ブロック層52上にp型電極53が設けられ、ま
た、n型基板41側にn型電極54が設けられている。
【0045】これらの電流ブロック層51,52のう
ち、多重量子井戸活性層45から近い側のn型(Al
0.3Ga0.70.5In0.5P電流ブロック層51はAl混
晶比が0.3で、多重量子井戸活性層45から出射され
るレーザ光(発振波長635nm)を吸収しない。ま
た、多重量子井戸活性層45から遠い側のn型GaAs
層52は活性層45から出射されるレーザ光を吸収す
る。さらに、この可飽和吸収層47上方の(Al0.3
0.70.5In0.5P電流ブロック層51の厚みは15
0nmであり、p型第2クラッド層46のp型不純物で
あるBe濃度は1.2×1018cm-3である。以上によ
り、本実施形態3の半導体レーザ素子55が構成され
る。
【0046】この本実施形態3の半導体レーザ素子55
は、以下のようにして作製することができる。
【0047】まず、図9に示すように、n型GaAs基
板41上に、MBE法によりn型GaAs層42、n型
GaInPバッファ層43、n型AlGaInP第1ク
ラッド層44、GaInP/AlGaInP多重量子井
戸活性層45およびp型AlGaInP第2クラッド層
46、GaInP可飽和吸収層47、p型AlGaIn
P第3クラッド層48、p型GaInP中間層49さら
にp型GaAsコンタクト層50を順次膜成長させ、そ
の上に電子ビーム蒸着法によりAl23層56を成膜す
る。
【0048】次に、図10に示すように、Al23層5
6上にフォトリソグラフィー法によりエッチングマスク
57を成膜し、これを用いて硫酸系、塩素系または臭素
系のエッチング液によりp型AlGaInP第3クラッ
ド層48の途中まで、p型GaInP中間層49および
p型GaAsコンタクト層50をエッチングして、図1
1に示すようなストライプ状リッジ部を形成する。
【0049】続いて、図12に示すように、エッチング
マスク57を有機溶媒により除去した後、MBE法によ
りn型(Al0.3Ga0.70.5In0.5P電流ブロック層
51さらにn型GaAs電流ブロック層52を成長させ
る。このとき、p型コンタクト層50上のAl23層5
6上にはn型(Al0.3Ga0.70.5In0.5Pポリ層5
8およびn型GaAsポリ層59が形成される。
【0050】その後、図13に示すように、エッチング
やリフトオフ法によりp型コンタクト層50上のAl2
3層56、n型(Al0.3Ga0.70.5In0.5Pポリ
層58およびn型GaAsポリ層59を除去する。
【0051】最後に、図8に示すように、真空蒸着法に
よりp型コンタクト層50および電流ブロック層51,
52上にp型電極53を形成し、n型基板41側にn型
電極54を形成することにより、図8の半導体レーザ素
子55が完成する。
【0052】このように、本実施形態3の半導体レーザ
素子55は、閾値電流が30mAであり、n型(Al
0.3Ga0.70.5In0.5P電流ブロック層51が形成さ
れていない従来の半導体レーザ素子と比較して閾値電流
を50%低減することができた。
【0053】また、電流ブロック層としてレーザ光を吸
収しない層であるn型AlInP層のみを用いた半導体
レーザ素子と比べた場合、閾値電流はほぼ同様である
が、横モードは本実施形態3の半導体レーザ素子55の
方が安定していた。電流ブロック層として、n型AlI
nP層を用いた半導体レーザ素子は8mWで光−電流特
性にキンクが発生したが、本実施形態3の半導体レーザ
素子では、15mWまでキンクフリーの良好な光−電流
特性が得られた。
【0054】さらに、信頼性についても、60℃、5m
Wの条件で、電流ブロック層としてn型AlInP層を
用いた半導体レーザ素子と比べて3倍以上の5000時
間以上安定駆動させることができ、高い信頼性を得るこ
とができた。これは、Alの混晶比が高い層は一般的に
結晶性が悪いので、光がAlの混晶比の高い層に入ると
欠陥などによる非発光中心が増加して素子特性を劣化さ
せるためと考えられる。また、Al混晶比が高い層は熱
伝導率も低いので、厚い層を形成すると高温での素子特
性も劣化する。n型(Al0.3Ga0.70.5In0.5P電
流ブロック層51は、その厚みが150nm程度であれ
ば閾値電流を低減する効果は十分であり、逆に、その厚
み150nm以上では素子特性を劣化させる欠陥などの
悪影響や熱伝導率の影響が出るので望ましくない。
【0055】さらに、n型(Al0.3Ga0.70.5In
0.5P電流ブロック層51により電流の拡がりを制御で
きるので、p型AlGaInP第2クラッド層46のp
型不純物であるBe濃度を1.2×1018cm-3と高く
することができ、最高発振温度100℃以上の良好な高
温特性が得られた。
【0056】さらに、戻り光雑音についても、戻り光1
0%で相対雑音強度140dB/HZ以下の低い雑音レ
ベルにすることができた。
【0057】(実施形態4)上記実施形態1〜3のよう
にストライプ状リッジ部を有する第3クラッド層の側面
を埋め込んで電流ブロック層を形成してもよいが、本実
施形態4では、ストライプ状溝部を有する電流ブロック
層の溝部に第3クラッド層を形成した場合である。ただ
し、上記実施形態1〜3の方が、再成長界面が活性領域
から離れているので歩留りが良好である。また、可飽和
吸収領域は、活性層近傍位置に設けられ、第1クラッド
層および第2クラッド層中に設けられている場合であ
る。
【0058】図23は本発明の実施形態4の半導体レー
ザ素子の積層構造を示す断面図である。
【0059】図23において、n型GaAs基板101
上にn型GaAsバッファ層102、n型GaInPバ
ッファ層103、n型AlGaInPクラッド層10
4、レーザ光を吸収するGaInP可飽和吸収層10
5、n型AlGaInPクラッド層106、GaInP
/AlGaInP歪多重量子井戸活性層107、p型A
lGaInPクラッド層(p型不純物Be濃度1.2×
1018cm-3)108、レーザ光を吸収するGaInP
可飽和吸収層109、p型AlGaInPクラッド層1
10さらにGaInPエッチングストップ層111が順
次設けられている。このように、活性層107の下方位
置に、第1導電型第1クラッド層(クラッド層104お
よびクラッド層106)が設けられており、また、活性
層107の上方位置に、第2導電型第2クラッド層(ク
ラッド層108およびクラッド層110)が設けられて
いる。また、可飽和吸収層105はクラッド層104と
クラッド層106間の第1クラッド層中の活性層107
の近傍位置に設けられており、また、可飽和吸収層10
9はクラッド層108とクラッド層110間の第2クラ
ッド層中の活性層107の近傍位置に設けられている。
【0060】このGaInPエッチングストップ層11
1上には、電流狭窄用のストライプ状溝部を有する電流
ブロック層が設けられており、この電流ブロック層はn
型(Al0.3Ga0.70.5InP電流ブロック層112
とn型GaAs電流ブロック層113とからなり、か
つ、活性層107から近い側に活性層107から出射さ
れるレーザ光を吸収しない電流ブロック層112が設け
られ、また、活性層107から遠い側に活性層107か
ら出射されるレーザ光を吸収する電流ブロック層113
が設けられている。また、エッチングストップ層111
上の電流狭窄用ストライプ状溝部内にp型AlGaIn
P第3クラッド層116さらにp型GaInP中間層1
17が順次設けられている。
【0061】これらの中間層117および電流ブロック
層113上にp型GaAsコンタクト層120さらにp
型電極121が設けられている。また、n型GaAs基
板101側にn型電極122が設けられている。以上に
より本実施形態4の半導体レーザ素子123が構成され
ている。
【0062】この本実施形態4の半導体レーザ素子12
3は、以下のようにして作製することができる。
【0063】まず、図19に示すように、n型GaAs
基板101上にn型GaAsバッファ層102、n型G
aInPバッファ層103、n型AlGaInPクラッ
ド層104、GaInP可飽和吸収層105、n型Al
GaInPクラッド層106、GaInP/AlGaI
nP歪多重量子井戸活性層107、p型AlGaInP
クラッド層(p型不純物Be濃度1.2×1018
-3)108、GaInP可飽和吸収層109、p型A
lGaInPクラッド層110、GaInPエッチング
ストップ層111、n型(Al0.3Ga0.70.5InP
電流ブロック層112、n型GaAs電流ブロック層1
13を順次MBE法で形成する。この一連の膜成長の
後、Al23層114をn型GaAs電流ブロック層1
13上に電子ビーム蒸着法で作製する。このとき、n型
(Al0.3Ga0.70.5InP電流ブロック層112の
層厚はGaInPエッチストップ層111上で150n
mである。また、このn型(Al0.3Ga0.70.5In
P電流ブロック層112のAl混晶比は0.3であり、
これは本実施形態4のレーザの活性層から出る光(発振
波長635nm)を吸収しない。
【0064】次に、図20に示すように、Al23層1
14上にホトリソグラフィー法によってエッチングマス
ク115を作製した後、このエッチングマスク115を
利用してエッチングストップ層111までのn型(Al
0.3Ga0.70.5InP電流ブロック層112およびn
型GaAs電流ブロック層113の各層の中央部分を硫
酸系、塩素系、臭素系などのエッチング液でストライプ
溝状にエッチング除去する。
【0065】さらに、図21に示すように、このエッチ
ングマスク115を有機溶媒によって除去した後、p型
AlGaInP第3クラッド層116さらにp型GaI
nP中間層117を有機金属気相成長法(以下MOCV
D法という)により膜成長させる。
【0066】さらに、図22に示すように、n型GaA
s電流ブロック層113上のAl23層114、p型A
lGaInPポリ層118さらにp型GaInPポリ層
119をエッチングやリフトオフ法によって除去する。
これらのn型GaAs電流ブロック層113およびp型
GaInP中間層117上にp型GaAsコンタクト層
120をMBE法で作製する。
【0067】さらに、図23に示すように、真空蒸着法
により、このp型GaAsコンタクト層120上にp型
電極121を形成し、また、n型GaAs基板101の
反対面側にn型電極122を形成して、本実施形態4の
半導体レーザ素子123が完成する。
【0068】以上のような本実施形態4の半導体レーザ
素子では、活性層107からのレーザ光を吸収しないn
型(Al0.3Ga0.70.5InP電流ブロック層112
がない素子と比較して、閾値電流が55mA〜30mA
とほぼ50パーセント程度低減できた。また、戻り光雑
音についても、本実施形態4の半導体レーザ素子123
では、戻り光10パーセントで相対雑音強度−140d
B/HZ以下と良好であった。
【0069】したがって、以上の本実施形態1〜4の半
導体レーザ素子を含む本発明の半導体レーザ素子におい
ては、活性層の一部領域としてまたは活性層近傍位置に
可飽和吸収層が形成され、電流ブロック層が活性層から
出射されるレーザ光を吸収する層と吸収しない層からな
り、活性層に近い側にレーザ光を吸収しない層を設けて
いる。
【0070】このように、活性層から出射されるレーザ
光を吸収しない層を活性層に近い側に形成するのは、光
の分布を拡げて可飽和吸収層に光のみある程度以上分布
させるためであり、これにより光の拡がりと電流の拡り
とを独立して制御することができる。また、上記活性層
から出射されるレーザ光を吸収する層を活性層から遠い
側に形成するのは、ロスガイド構造により横方向への光
の閉じ込めを良好にして横モードを安定化させるためで
ある。
【0071】また、可飽和吸収層での光損失により半導
体レーザ素子の閾値電流は30%以上増加するが、活性
層から出射されるレーザ光を吸収しない層を活性層に近
い側に形成することにより、電流ブロック層での光損失
を低減させて閾値電流を減少させることができる。
【0072】図14に、活性層から出射されるレーザ光
を吸収しない電流ブロック層の厚みと半導体レーザ素子
の閾値電流との関係を示している。なお、この場合、活
性層としてはGaInP/AlGaInPの多重量子井
戸(発振閾値635nm)層を用いた。リッジ部の側面
を埋め込む電流ブロック層のうち、活性層から出射され
るレーザ光を吸収しない層としてはn型Al0.6Ga0.4
As層(Al混晶比0.6)、活性層から出射されるレ
ーザ光を吸収する層としてはn型GaAs層を用いた。
【0073】図14に示すように、活性層から出射され
るレーザ光を吸収しない層の厚みを厚くすることにより
閾値電流が減少することが解る。この厚みを150nm
にすることにより閾値電流は50%以上減少させること
ができるが、この厚みを150nm以上厚くしてもその
効果は殆ど変わらなかった。また、この厚みを厚くし過
ぎると、実屈折率導波構造に近付いて横モードが不安定
になる恐れがある。よって、活性層から出射されるレー
ザ光を吸収しない層の厚みは150nm以下にするのが
望ましい。
【0074】上記活性層から出射されるレーザ光を吸収
しない層は、Al混晶比の比較的低い層を用いることが
でき、例えば、クラッド層と同じ材料系を用いる場合に
は、クラッド層に比べてAl混晶比の低い層を用いるこ
とができる。よって、結晶性を良好にすることができ、
欠陥などによる非発光中心が生じない。また、Al混晶
比が比較的高い層を用いても、150nm以下の厚みで
は結晶性の悪化による影響が小さいので、欠陥などによ
る非発光中心の発生を少なくできる。このように、欠陥
などの少ない層が活性層に近い側に形成されているの
で、動作電流が増大するようなことがなく、半導体レー
ザ素子の特性および信頼性を良好にすることができる。
【0075】上記活性層から出射されるレーザ光を吸収
しない層が活性層に近い側に形成されているので、可飽
和吸収層に光のみを分布させるために電流の拡がりを制
限する必要がない。よって、p型クラッド層のp型不純
物濃度を1×1018cm-3以上にすることができ、高温
での特性を良好にすることができる。
【0076】なお、本発明の半導体レーザ素子を構成す
る半導体材料としては、特に限定されず、AlGaIn
P系、AlGaAs系など、種々の材料を用いることが
できる。各半導体層の導電型は、第1導電型をn型、第
2導電型をp型にしてもよく、各々を反対の導電型にし
てもよい。p型クラッド層のp型不純物としては、B
e、ZnまたはTeなどを用いることができる。
【0077】また、半導体層の成長方法も特に限定され
ず、有機金属気相成長(MOCVD)法など、種々の方
法を用いることができる。
【0078】さらに、上記実施形態1では、活性層から
出射されるレーザ光を吸収する可飽和吸収領域が可飽和
吸収層として活性層近傍位置である第2クラッド層と第
3クラッド層の間に設けられ、また、上記実施形態2で
は、実施形態1のように活性層近傍位置に可飽和吸収層
を設ける代わりに、電流が注入されていない活性層の領
域を可飽和吸収領域とし、さらに、上記実施形態4で
は、活性層の上下位置の各第1クラッド層および第2ク
ラッド層中にそれぞれ可飽和吸収層が設けられている場
合について説明したが、これらの他に、活性層近傍位置
の可飽和吸収領域は、第1クラッド層、第2クラッド層
および第3クラッド層のうち少なくとも何れかの層中に
設けられていても、上記実施形態1〜4と同様の効果を
奏することができる。
【0079】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、電流ブロ
ック層が活性層から出射されるレーザ光を吸収しない層
と吸収する層からなり、活性層に近い側にレーザ光を吸
収しない層が形成されているので、可飽和吸収層による
内部損失から生じる閾値電流の増大を低減することがで
きる。
【0080】また、電流ブロック層を活性層から出射さ
れるレーザ光を吸収しない層のみで構成した場合に比べ
て、レーザ光の横モードが安定性に優れ、光−電流特性
の折れ曲がり(キンク)が起こり難く、高出力動作時で
も低電流駆動を行うことができる。
【0081】さらに、可飽和吸収層への光の分布と活性
層への電流注入幅とを独立して制御することができるの
で、自励発振可能な半導体レーザ素子の設計が容易であ
る。また、p型クラッド層のp型不純物であるBe、Z
nまたはTeなどのドーピング濃度を高くできるので、
従来の半導体レーザ素子に比べて高温動作時の特性が良
好であり、十分低い動作電流により単一横モードの良好
な自励発振が得られる。
【0082】さらに、活性層から出射される光を吸収し
ない層は、Al混晶比を高くする必要がなく、クラッド
層と同じ材料系であればAl混晶比をクラッド層よりも
低くすることができるので、結晶欠陥が少なく熱伝導率
も比較的高い層とすることができる。よって、素子特性
が低下せず、信頼性が高い半導体レーザ素子が得られ
る。また、活性層から出射される光を吸収しない層のA
l混晶比を高くしても150nm以下の厚みであれば、
素子特性を劣化させる欠陥などや低い熱伝導率の悪影響
が出ず、信頼性が良好である。
【0083】このように、本発明の半導体レーザ素子
は、戻り光雑音が低く、光学系が容易で低コストに作製
でき、低動作電流で信頼性および高温動作時の特性が良
好であるので、光ディスクシステムなどの光記憶装置に
幅広く用いることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の半導体レーザ素子の積層
構造を示す断面図である。
【図2】図1の半導体レーザ素子の積層工程を示す断面
図である。
【図3】図1の半導体レーザ素子のエッチングマスク形
成工程を示す断面図である。
【図4】図1の半導体レーザ素子のリッジ部作製工程を
示す断面図である。
【図5】図1の半導体レーザ素子の電流ブロック層積層
工程を示す断面図である。
【図6】図1の半導体レーザ素子のポリ層除去工程を示
す断面図である。
【図7】本発明の実施形態2の半導体レーザ素子の積層
構造を示す断面図である。
【図8】本発明の実施形態3の半導体レーザ素子の積層
構造を示す断面図である。
【図9】図8の半導体レーザ素子の積層工程を示す断面
図である。
【図10】図8の半導体レーザ素子のエッチングマスク
形成工程を示す断面図である。
【図11】図8の半導体レーザ素子のリッジ部作製工程
を示す断面図である。
【図12】図8の半導体レーザ素子の電流ブロック層積
層工程を示す断面図である。
【図13】図8の半導体レーザ素子のポリ層除去工程を
示す断面図である。
【図14】活性層から出射されるレーザ光を吸収しない
層の厚みと半導体レーザ素子の閾値電流との関係を示す
図である。
【図15】半導体レーザ素子の注入キャリア密度−利得
特性に対する可飽和吸収層の働きを示す図であって、レ
ーザ発振時の説明図である。
【図16】半導体レーザ素子の注入キャリア密度−利得
特性に対する可飽和吸収層の働きを示す図であって、発
振閾値利得低下時の説明図である。
【図17】半導体レーザ素子の注入キャリア密度−利得
特性に対する可飽和吸収層の働きを示す図であって、レ
ーザ発振停止時の説明図である。
【図18】従来の半導体レーザ素子の積層構造を示す断
面図である。
【図19】図23の半導体レーザ素子の積層工程を示す
断面図である。
【図20】図23の半導体レーザ素子のストライプ溝部
作製工程を示す断面図である。
【図21】図23の半導体レーザ素子の第3クラッド層
および中間層積層工程を示す断面図である。
【図22】図23の半導体レーザ素子のコンタクト層積
層工程を示す断面図である。
【図23】本発明の実施形態4の半導体レーザ素子の積
層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
11,41,101 n型GaAs基板 12,42,102 n型GaAs層 13,43,103 n型GaInPバッファ層 14,44 n型AlGaInP第1クラッド層 15 GaInP活性層 16,46 p型AlGaInP第2クラッド層 17,47,105,109 GaInP可飽和吸収
層 18,48,116 p型AlGaInP第3クラッ
ド層 19,49,117 p型GaInP中間層 20,50,120 p型GaAsコンタクト層 21 ストライプ状リッジ部 22 n型Al0.6Ga0.4As電流ブロック層 23,52,113 n型GaAs電流ブロック層 24,53,121 p型電極 25,54,122 n型電極 26,55,123 半導体レーザ素子 45 GaInP/AlGaInP多重量子井戸活性
層 51 n型(Al0.3Ga0.70.5In0.5P電流ブロ
ック層 104,106 n型AlGaInPクラッド層(第
1クラッド層) 107 GaInP/AlGaInP歪多重量子井戸
活性層 108,110 p型AlGaInPクラッド層(第
2クラッド層) 111 GaInPエッチングストップ層 112 n型(Al0.3Ga0.70.5InP電流ブロ
ック層

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも第1導電型の第1クラッド
    層、活性層および第2導電型の第2クラッド層がこの順
    に積層されて設けられ、該第2クラッド層上に電流狭窄
    用のストライプ状リッジ部における第2導電型の第3ク
    ラッド層が設けられ、該活性層の一部領域としてまたは
    該活性層近傍位置に、該活性層から出射されるレーザ光
    を吸収する可飽和吸収領域が設けられ、該ストライプ状
    リッジ部の両側面を埋め込んで第1導電型の電流ブロッ
    ク層が設けられ、該電流ブロック層は該レーザ光を吸収
    する層と吸収しない層とからなり、かつ該活性層に近い
    側に該レーザ光を吸収しない層が設けられている半導体
    レーザ素子。
  2. 【請求項2】 少なくとも第1導電型の第1クラッド
    層、活性層および第2導電型の第2クラッド層がこの順
    に積層されて設けられ、該第2クラッド層上方に電流狭
    窄用のストライプ状溝部を有する第1導電型の電流ブロ
    ック層が設けられ、該第2クラッド層上方の該電流狭窄
    用のストライプ状溝部内に第2導電型の第3クラッド層
    が設けられ、該活性層の一部領域としてまたは該活性層
    近傍位置に、該活性層から出射されるレーザ光を吸収す
    る可飽和吸収領域が設けられ、該電流ブロック層は該レ
    ーザ光を吸収する層と吸収しない層とからなり、かつ該
    活性層に近い側に該レーザ光を吸収しない層が設けられ
    ている半導体レーザ素子。
  3. 【請求項3】 前記活性層近傍位置の可飽和吸収領域
    は、前記第1クラッド層、第2クラッド層および第3ク
    ラッド層のうち少なくとも何れかの層中に設けられてい
    るか、または該第2クラッド層と第3クラッド層の間に
    設けられている請求項1または2記載の半導体レーザ素
    子。
  4. 【請求項4】 前記第1クラッド層、第2クラッド層お
    よび第3クラッド層のうち、p型クラッド層のp型不純
    物濃度が1×1018cm-3以上である請求項1または2
    記載の半導体レーザ素子。
  5. 【請求項5】 前記活性層から出射されるレーザ光を吸
    収しない層の厚みが150nm以下である請求項1また
    は2記載の半導体レーザ素子。
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