JP2909044B2 - 中通し竿 - Google Patents
中通し竿Info
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Description
内部に釣り糸が挿通可能な中通し竿に関する。
挿通可能な釣り糸経路が形成されており、竿本体の周面
には、リールに巻かれた釣り糸を釣り糸経路に導入する
ために糸導入孔が形成されている。このような内外周を
貫通する糸導入孔を竿本体に形成すると、糸導入孔形成
部分の竿本体の曲げ強さが低下する。糸導入孔形成部分
の竿本体の曲げ強さの低下を抑えるために、糸導入孔形
成部分に肉盛り部を形成して他の部分より肉厚を厚くす
ることが、従来行われている。この肉盛り部は、竿本体
に用いられるプリプレグと略同等の特性をもつプリプレ
グを糸導入孔が形成される竿本体の表面に肉盛りするこ
とで形成されている。
リプレグと略同等の特性をもつプリプレグで肉盛り部を
形成すると、糸導入孔形成部分での曲げ強さの低下は抑
えられる。しかし、曲げ強さを維持しようとすると肉厚
が厚くなるので剛性が高くなり、竿本体が突っ張って糸
導入孔形成部分で竿本体の曲がりが悪くなる。このた
め、魚がかかったときに竿本体がしなやかな円弧を描か
なくなり、魚とのやりとりを行いづらくなる。そこで、
剛性を低下させるために肉盛り部の肉厚を薄くすると、
糸導入孔を形成していないものに比べて曲げ強さが低下
する。このため、竿本体に用いられるプリプレグと略同
等の特性をもつプリプレグで肉盛り部を形成すると、釣
り竿に求められる性能、つまり高い曲げ強さと低い剛性
との二律背反する2つの性能を満足することが困難であ
る。
さの低下を抑えかつ剛性の増加を抑えるようにすること
にある。
は、内部に釣り糸が挿通可能な竿であって、中空の竿本
体と、肉盛り部と、糸導入孔とを備えている。中空の竿
本体は、高強度繊維基材のプリプレグを使用することに
より形成されている。肉盛り部は、高強度繊維基材の繊
維の配向方向が実質的に竿本体の軸方向に沿ったプリプ
レグと繊維の配向方向が実質的に竿本体の周方向に沿っ
たプリプレグとを、全体に対する周方向に沿ったプリプ
レグの繊維比率が1%以上40%以下の範囲となるよう
に使用することにより竿本体の周面に形成されている。
糸導入孔は、肉盛り部の周面に内外周を貫通して形成さ
れている。
軸方向に沿ったとは、軸方向に対して±15度の範囲の
間に繊維が配向していることをいい、繊維の配向方向が
実質的に竿本体の周方向に沿ったとは、周方向に対して
±15度の範囲の間に繊維が配向していることをいう。
なお、このときの繊維の配向方向は、全て同一であって
もよく、±15度の範囲で異なっていてもよい。また、
繊維比率とは同じ仕様のプリプレグの場合にはプリプレ
グの厚みで規定され、具体的には肉盛り部全体の厚みに
対する周方向に沿ったプリプレグの厚みで規定される。
一方、2つのプリプレグで繊維の径が異なる場合、ガラ
ス繊維と炭素繊維との組み合わせのように材質が異なる
場合等の仕様が異なるプリプレグの場合には、肉盛り部
全体のプリプレグの繊維の体積に対する周方向に沿った
プリプレグの繊維の体積の割合、つまりプリプレグに含
まれる繊維の体積比率で規定される。
繊維比率で1%以上40%以下の範囲で周方向に沿った
プリプレグが混合されているので、軸方向に沿ったプリ
プレグだけで肉盛り部を形成する場合に比べて曲げ強さ
が高くなる。このため、肉盛り部の肉厚を薄くすること
ができ、剛性の増加も抑えることができる。発明2に係
る中通し竿は、発明1に記載の竿において、肉盛り部に
は、周方向に沿ったプリプレグの繊維比率が5%以上2
7%以下の範囲となるように使用されている。この場合
には、軸方向に沿ったプリプレグだけで肉盛り部を形成
する場合に比べて曲げ強度がさらに高くなる。このた
め、さらに肉厚を薄くすることができ、剛性の増加をさ
らに抑えることができる。
態を採用した中通し竿は、元竿1と、元竿1に装着され
た穂先側竿本体ユニット2とを有している。元竿1は、
先細り筒状の竿本体5と、竿本体5に形成された肉盛り
部6と、肉盛り部6に形成された糸導入孔7とを備えて
いる。竿本体5は、ガラス繊維基材や炭素繊維基材等の
高強度繊維基材に樹脂を含浸させたプリプレグテープ及
びプリプレグシートをマンドレルに巻回し焼成して得ら
れたものである。竿本体5は、わずかに先細りの筒状に
形成され、その一面にはリール10が装着されるリール
シート11が形成されている。竿本体5の竿尻部には、
尻栓12が装着されている。
よる竿本体5の曲げ強さの低下を抑えるために設けられ
ている。肉盛り部6は、図2に示すように、竿本体5の
竿先側に肉盛りして形成されている。この肉盛り部6
は、配向方向が実質的に竿本体5の軸方向に沿った(以
下、順目という)炭素繊維基材やガラス繊維基材の1又
は複数枚のプリプレグシートと配向方向が実質的に竿本
体5の周方向に沿った(以下、逆目という)1又は複数
枚のプリプレグシートとを逆目の繊維比率が全体に対し
て1〜40%の範囲、好ましくは5〜27%の範囲で所
望の厚みに重ね合わせて巻回し焼成して得られたもので
ある。このように逆目のものと順目のものとを重ね合わ
せると、同じ肉厚でも順目だけのもの場合に比べて曲げ
強さが高くなる。
竿本体内部に導入するための貫通孔である。糸導入孔7
は、肉盛り部6の前部外周面に内外周を貫通しかつ軸方
向に沿って長円状に形成されている。また、肉盛り部6
の糸導入孔7の後部外周面には、釣り糸ガイド22が装
着されている。この釣り糸ガイド22は、肉盛り部6に
取り付けられた脚部23と、脚部23の先端に装着され
た糸挿通部24とを有し、糸導入孔7との関係において
は両者は固定された関係にある。すなわち、糸導入孔7
と釣り糸ガイド22との間の軸方向の距離は変化しな
い。糸挿通部24には糸挿通孔25が形成されている。
糸導入孔7の縁及び釣り糸ガイド22の糸挿通孔25の
縁には、釣り糸を案内するセラミック製のガイドリング
26a,26bが装着されている。
うに、トップガイド30を有する最も先端の第1番竿3
1と、第1番竿31を支持するとともに内部に収納可能
な第2番竿32と、第2番竿31を内部に収納可能でか
つ元竿1に挿入可能な第3番竿33とを有している。こ
のように、穂先側竿本体ユニット2を構成する3本の竿
31,32,33は振出形式で連結されている。そし
て、これらの竿の内部には、釣り糸Lが挿通する内部経
路Pが形成される。
の構造を示す。なお、図2では、穂先側竿本体ユニット
2を収納した状態を示している。第3番竿33の後端開
口部には筒状の弾性保持体35がネジ止めされている。
そしてこの弾性保持体35の後端開口部にガイドリング
26cが装着されている。また、弾性保持体35の内部
には第1番竿31の後端部が挿入され、さらに弾性保持
体35の前端部に第2番竿32の後端が当接している。
なお、第1番竿31及び第2番竿32の後端開口部に
は、釣り糸を案内するガイドリング26d,26eが装
着されている。
1の糸導入孔7開口部分が肉盛り部6により補強されて
いる。この肉盛り部6は、逆目のプリプレグの繊維比率
が全体に対して1〜40%の範囲で使用されている。こ
のため、順目だけのものに比べて曲げ強さが大きく増加
し、剛性の増加を抑えかつ曲げ強さの低下を可及的に抑
えることができる。
孔5を補強する肉盛り部に限定されず、元竿以外に形成
される糸導入孔等の貫通孔を補強する肉盛り部にも適用
できる。
に肉盛り部を含めて繊維強化樹脂を順次巻回したのち焼
成して中空の竿本体を得、その外周に8mm径で長さが
40mm又は4mm径で長さが20mmの長円形状の糸
導入孔を形成し、その破壊荷重を計測し、曲げ強さを算
出した。
ず、マンドレルの外周にワックス等からなる離型剤を塗
布し、次にマンドレルの外周にガラス繊維基材のプリプ
レグシートを巻回し、これを2層形成した。次に、炭素
繊維基材のプリプレグシートを巻回した。さらに、炭素
繊維基材のプリプレグテープを巻回した。これで竿本体
部分を完成させる。この竿本体を多数用意し、図3に示
すように、竿本体5の表面に炭素繊維基材の順目のプリ
プレグ6aと炭素繊維基材の逆目のプリプレグ6bとを
それぞれ1又は複数層使用した肉盛り部6を形成した。
この肉盛り部6は、逆目のプリプレグ6bの繊維比率
(以下、逆目比率という)を肉盛り部全体に対して6,
12,25,50%で変化させて上述の竿本体5に巻回
して形成されている。この実施例では使用している炭素
繊維基材が同一のため、逆目のプリプレグ6bの厚み
(b1+b2)を肉盛り部6全体の厚み(T=a1+b
1+a2+b2+a3)に対して変化させて前述の逆目
比率で変化させている。そして、その上にポリエチレン
テレフタレート(PET)やポリプロピレン(PP)な
どからなる保形用テープを巻回して、常法により焼成を
行った。
貫通孔をあけて、その破壊荷重をJIS K7074の
炭素繊維プラスチックの曲げ試験法に準じて計測し、曲
げ強さを算出した。この破壊荷重による曲げ強さの算出
結果を表1及び図4に示す。なお、ここでは、供試材と
して板ではなくパイプ状の竿本体を用い、4点曲げ試験
装置で試験した。また、支点間距離は300mmであ
り、圧子の間隔は160mmである。さらに圧子は中央
部が円形状に凹んだ鼓形ローラを用いた。また、表1及
び図4では、順目だけの場合を「100」として、逆目
比率による曲げ強さの変化を強度比率として表してい
る。
けの場合を100%とすると、逆目比率が6%の場合
で、孔径が4mmのときで2%、8mmのときで11%
曲げ強さがそれぞれ増加している。また、逆目比率が1
2%の場合、10%,19%曲げ強さがそれぞれ増加し
ている。さらに、逆目比率が25%の場合、1%,14
%曲げ強さがそれぞれ増加している。一方、逆目比率が
50%の場合、逆に13%,7%曲げ強さがそれぞれ減
少している。
て、孔径が4mmの場合には、逆目比率が27%以上に
なると曲げ強さが順目だけの場合に比べて逆に小さくな
り、孔径が8mmの場合には、逆目比率が42%以上に
なると曲げ強さが逆に小さくなることが分かる。また、
いずれの場合にも12%〜25%の間に曲げ強さが最大
になる点があることが分かる。
率を1〜40%の範囲で使用すると、肉盛り部6の曲げ
強さが高くなる。このため、薄い肉厚でも曲げ強さを高
く維持できる。したがって剛性の増加を可及的に抑える
ことができる。
たプリプレグの繊維比率が1%以上40%以下の範囲で
混ざっているので、軸方向に沿ったプリプレグだけで肉
盛り部を形成する場合に比べて曲げ強さが高くなる。こ
のため、肉盛り部の肉厚を薄くすることができ、剛性の
増加も抑えることができる。
面図。
Claims (2)
- 【請求項1】内部に釣り糸が挿通可能な中通し竿であっ
て、 高強度繊維基材のプリプレグを使用することにより形成
された繊維強化樹脂製の中空の竿本体と、 高強度繊維基材の繊維の配向方向が実質的に前記竿本体
の軸方向に沿ったプリプレグと繊維の配向方向が実質的
に前記竿本体の周方向に沿ったプリプレグとを、全体に
対する前記周方向に沿ったプリプレグの繊維比率が1%
以上40%以下の範囲となるように使用することにより
前記竿本体の周面に形成された肉盛り部と、 前記肉盛り部の周面に内外周を貫通して形成された糸導
入孔と、を備えた中通し竿。 - 【請求項2】前記肉盛り部には、全体に対して前記繊維
比率が5%以上27%以下の範囲となるように前記周方
向に沿ったプリプレグが使用されている、請求項1に記
載の中通し竿。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9059181A JP2909044B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 中通し竿 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9059181A JP2909044B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | 中通し竿 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10248444A JPH10248444A (ja) | 1998-09-22 |
JP2909044B2 true JP2909044B2 (ja) | 1999-06-23 |
Family
ID=13105988
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2909044B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
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---|---|---|---|---|
JP7038077B2 (ja) * | 2019-03-29 | 2022-03-17 | グローブライド株式会社 | 釣糸ガイド |
-
1997
- 1997-03-13 JP JP9059181A patent/JP2909044B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH10248444A (ja) | 1998-09-22 |
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