JP2909017B2 - 低圧水銀蒸気放電灯およびその製造方法 - Google Patents

低圧水銀蒸気放電灯およびその製造方法

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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)
  • Vessels And Coating Films For Discharge Lamps (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は低圧水銀蒸気放電灯
およびその製造方法に係り、特に蛍光体膜の付着強度お
よび全光束を改善するともに、光束維持率が高く黒化が
少ない低圧水銀蒸気放電灯およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラス管内面に蛍光体膜を形成した蛍光
ランプなどの低圧水銀蒸気放電灯が広く普及している。
この低圧水銀蒸気放電灯は、一般に下記のような工程に
従って製造される。すなわち、蛍光体物質に所定量のバ
インダーと結着剤とを混合してスラリー状に構成した蛍
光体塗布組成物をガラス管内面に塗布した後に乾燥・焼
成工程を経て、ガラス管内面に蛍光体膜を一体に形成し
て製造されている。
【0003】従来、上記バインダーとしては、一般にニ
トロセルロースやエチルセルロースを、酢酸ブチルやキ
シレンなどの有機溶媒中に溶解した溶液が使用され、こ
の有機溶媒系に蛍光体および結着剤を懸濁させた蛍光体
塗布組成物をガラス管(バルブ)内面に塗布し、乾燥、
焼成して蛍光体膜を形成している。上記有機溶媒系の組
成物に使用する結着剤としては、Ba−Caほう酸化合
物とピロリン酸カルシウムを併用することが一般的であ
る。
【0004】しかしながら、上記有機溶媒系の組成物を
使用した場合には、取扱い時に有機溶媒が揮散して人体
に悪影響を及ぼし、作業の安全性および製品品質を低下
させる問題があった。特に組成物を塗布したガラス管
(バルブ)を焼成する際に、CO,CO2 ,NOx等の
有害ガスが発生し易く、大気汚染などの公害の発生原因
になり易い。また真空ガラス管内にフィラメントを具備
して成る放電灯においては、フィラメントの温度上昇に
よって管内でガス放出が起こり易くなり、ランプ特性が
低下し易い。特にランプ点灯時の全光束の低下が顕著と
なる問題点がある。
【0005】上記問題点に鑑み、有機溶媒系の組成物は
徐々に使用されない方向に進む一方で、水溶性の蛍光体
塗布組成物を使用する方法が採用されている。すなわ
ち、水溶性バインダーを水に溶解した溶液に蛍光体およ
び結着剤を懸濁せしめて水溶性の組成物を調製し、この
組成物をガラス管内面に塗布し、乾燥、焼成して蛍光体
膜を形成する方法である。
【0006】上記水溶性の組成物を形成する場合の結着
剤としては、例えば特開昭58−126658号公報に
開示されているように、Sr(NO3 2 およびBa
(NO3 2 の少なくとも1種と、ほう酸・無水ほう酸
およびピロリン酸カルシウムの少なくとも1種とを用い
ることが提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記結
着剤の蛍光体物質に対する化学的安定性が十分ではない
ため、ランプ特性が低下し易い問題点があった。また上
記結着剤は微粒子状の非発光物質であるため、その添加
量が多いと蛍光体膜における発光特性が低下して、蛍光
ランプ等の発光出力や、ランプ点灯中の光束維持率が低
下するとともに、早期に黒化を引き起す要因となってい
た。
【0008】一方、上記結着剤の添加量が過少の場合に
は、蛍光体膜がガラス管に強固に付着せず、極めて剥離
し易い蛍光体膜しか得られないという難点があった。特
に、この結着剤を用いた環形放電灯や高負荷形放電灯の
製造工程においてガラス管を屈曲させる工程またはガラ
ス管内に窒素ガスや希ガスを封入する工程において、蛍
光体膜の剥離や脱落が発生し易く、放電灯としての商品
価値を損う割合が多い。
【0009】一般的に有機溶媒を使用した蛍光体塗布組
成物は、水溶性バインダーを使用した組成物と比較し
て、より高い結着強度で蛍光体膜をガラス管内面に形成
することは可能であるが、やはりガラス管の曲げ加工工
程において蛍光体膜の剥離や脱落が発生し易いことが確
認されている。また水溶性の塗布組成物を使用した場合
には、有機系の塗布組成物と比較して、さらに工程剥離
が多発する傾向があった。
【0010】上記蛍光体膜の剥離や脱落を防止する対策
としては、前記公報に開示されているように、Sr(N
3 2 ,Ba(NO3 2 またはほう酸・無水ほう酸
およびピロリン酸カルシウム等の結着剤濃度を増加させ
ることが考えられる。しかしながら、結着剤濃度の増加
により、ランプ光束の低下や光束維持率の低下などの悪
影響が出現し、いずれにしても蛍光体膜の付着強度(結
着力)およびランプ特性が共に優れた放電灯を得ること
が困難であった。
【0011】本発明は上記問題点を解決するためになさ
れたものであり、蛍光体膜の付着強度および全光束を改
善できるとともに、光束維持率が高く黒化が少ない低圧
水銀蒸気放電灯およびその製造方法を提供することを目
的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本願発明者らは、種々の蛍光体と結着剤とバインダ
ーとを使用するとともに、粒子径や粒度分布を種々変え
た結着剤を使用して蛍光体塗布組成物を調製し、各組成
物をガラス管内面に塗布後、乾燥・焼成して蛍光体膜を
形成し、上記蛍光体や結着剤の種類,粒子径,粒度分布
などの因子が、蛍光体膜の付着強度やランプ特性に及ぼ
す影響を比較検討した。
【0013】その結果、粒度分布50%値が10.0μ
m以下のピロリン酸塩または、蛍光体の平均粒子径以下
の平均粒子径を有するピロリン酸塩と、水溶性バインダ
ーと、アルカリ土類金属塩および硝酸塩の少なくとも一
方と、ほう酸化合物とを含有する蛍光体塗布組成物(ス
ラリー)をガラス管に塗布して加熱することにより蛍光
体膜を形成して放電灯としたときに、蛍光体膜の付着強
度(結着力)が高く、かつ全光束などのランプ特性が優
れた放電灯が得られるという知見を得た。
【0014】また酢酸ブチルやキシレンなどの有機溶剤
を使用せずに、水溶性の蛍光体塗布組成物を使用してい
るため、人体への影響,大気汚染,作業上の安全性など
の問題を引き起すことなく、高品質の放電灯を安全に製
造できることが判明した。
【0015】さらに、蛍光体膜の付着強度が大きいた
め、ガラス管を屈曲加工する工程を含む環形放電灯や高
負荷形放電灯の加工工程においても蛍光体膜の剥離や脱
落が少なく、高品質の放電灯が得られることが判明し
た。
【0016】本発明は上記知見に基づいて完成されたも
のである。すなわち本発明に係る低圧水銀蒸気放電灯
は、ガラス管の内面に蛍光体膜が形成されている低圧水
銀蒸気放電灯において、蛍光体膜が、蛍光体と,単一粒
子および凝集粒子の平均粒子径が3.0μm以下、好ま
しくは1.0μm以下であるピロリン酸塩と,アルカリ
土類金属塩および硝酸塩の少なくとも1種と,ほう酸化
合物とを含有することを特徴とする。
【0017】ここで上記平均粒子径を規定したピロリン
酸塩を一定の絶対値ではなく、蛍光体粒子との比較値と
して表現すると、ピロリン酸塩の平均粒子径は、蛍光体
平均粒子径の1/2以下と表わすことができ、さらに好
ましくは1/5以下と表わせる。
【0018】さらにピロリン酸塩は、Ba2 2 7
Al4 (P2 7 3 ,Sr2 2 7 ,Ca2 2
7 ,Mg2 2 7 ,Sn2 2 7 およびZn2 2
7 から選択された少なくとも1種で構成するとよい。
【0019】本発明の放電灯は、ガラス管の形状が環形
または高負荷形である低圧水銀蒸気放電灯に好適であ
る。しかしながら、これらに限らず直管形状のガラス管
を有する低圧水銀蒸気放電灯にも適用できることは言う
までもない。
【0020】また本発明に係る低圧水銀蒸気放電灯の製
造方法は、蛍光体と,水溶性バインダーと,単一粒子お
よび凝集粒子の粒度分布50%値が10.0μm以下、
好ましくは5.0μm以下のピロリン酸塩と,アルカリ
土類金属塩および硝酸塩の少なくとも1種と,ほう酸化
合物とを含有する蛍光体塗布組成物をガラス管の内面に
塗布し、加熱することにより蛍光体膜を形成することを
特徴とする。
【0021】また上記製造方法において、粒度分布50
%値が10μm以下、好ましくは5.0μm以下と規定
した本発明のピロリン酸塩は、蛍光体の平均粒子径との
比較として蛍光体平均粒子径以下、好ましくは1/2以
下の平均粒子径を有するピロリン酸塩と規定することが
できる。
【0022】さらに上記蛍光体平均粒子径以下、好まし
くは1/2以下の平均粒子径を有するピロリン酸塩また
は粒度分布50%値が10.0μm以下、好ましくは
5.0μm以下のピロリン酸塩は、無アルカリガラスビ
ーズを用いたビーズミーリングにより調製するとよい。
【0023】本発明において使用する蛍光体塗布組成物
は、蛍光体と結着剤とを水溶性バインダーに懸濁させて
調製される。結着剤としてのアルカリ土類金属塩および
硝酸塩は蛍光体膜の付着強度を高めると同時にランプ特
性の向上に有効であり、蛍光体に対して0.05〜3重
量%の割合で添加される。特にガラス管が環形または高
負荷形の場合には、0.1〜3重量%の割合が好まし
い。
【0024】上記アルカリ土類金属塩としては、特にM
g,Ca,Sr,Baの硝酸塩が好適であり、ランプ特
性向上に有効であることが確認されているが、ハロゲン
化合物塩は不適であることが判明している。また硝酸塩
としては、Al,Gd,Y,La,Ceなどの金属元素
を含む硝酸化合物が好適である。
【0025】なお、アルカリ土類金属塩または硝酸塩を
単独の結着剤として調製した組成物を使用した場合に
は、ランプ製造工程における蛍光体膜の剥離・脱落が発
生し易い。そこで本願発明では、ほう酸化合物およびピ
ロリン酸塩を併用して蛍光体膜の剥離を有効に防止し、
顕著な効果を得ている。
【0026】特に、ほう酸化合物は、蛍光体膜の剥れを
有効に、かつ顕著に防止する作用を有し、水溶性の蛍光
体塗布組成物には欠くことができない成分であり、蛍光
体に対して0.005重量%以上の割合で添加される。
但し、ほう酸塩などの化合物を、蛍光体に対して3重量
%を超えるように過剰に添加した場合には、下記のよう
なランプ特性上の不具合を生じる。すなわち、ランプ製
造時のガラス管の曲げ加工工程において、ガラス管の肉
厚に差が生じ、肉薄となった部位に、溶融して非晶質化
したほう酸化合物とガラス上に塗布された蛍光体とがめ
り込み易くなり、その結果、ランプのバルブ強度を低下
させる欠点がある。
【0027】一方、スラリー状の水溶性蛍光体塗布組成
物を調製した場合において、ほう酸化合物濃度が高くな
ると、塗布組成物の安定性を損ねる欠点がある。さらに
早期黒化の発生原因となり、全光束維持率の低下が起り
易いという結果が得られた。したがって、ほう酸化合物
の添加量は、後述するピロリン酸塩の添加量との兼ね合
いもあるが、大略、蛍光体に対して0.005〜3重量
%の範囲で添加されるが、実用的には0.05〜2.0
重量%の範囲がより好ましい。
【0028】ピロリン酸塩は、上記ほう酸化合物の添加
量を抑制するとともに、アルカリ土類金属塩,硝酸塩,
ほう酸化合物と協働して蛍光体膜の付着強度を高める作
用を発揮するため、蛍光体に対して0.1〜5重量%の
範囲で添加される。
【0029】なお、従来例としてピロリン酸塩を結着剤
として使用した公知例がある。従来例では、ピロリン酸
塩の代表的な例としてピロリン酸カルシウムが使用され
ている。このピロリン酸カルシウムは、その焼結体をク
ラッシャーや乳鉢等で粉砕した後に100メッシュ篩等
を通過させた粉体として製造されている。しかしなが
ら、このピロリン酸カルシウム粉体は、粗大に凝集した
凝集粉から成り、その粒度分布50%値は30〜40μ
mと極めて粗大である。
【0030】本願発明者らは、上記ピロリン酸塩の大き
さおよび粒度分布が蛍光体膜の付着強度に極めて大きな
影響をもたらすことを突きとめた。すなわち、ピロリン
酸塩の平均粒径が蛍光体の平均粒径を超える場合や粒度
分布50%値が10μmを超える粗大なピロリン酸を使
用した場合には、蛍光体膜の付着強度が十分に得られな
いことが判明した。
【0031】そこで本願発明では、特に粗大なピロリン
酸塩粒子をビーズミーリングにより、粉砕して単一粒子
にしたり、より微細な凝集粒子とし、蛍光体と同等以下
の平均粒径を有するピロリン酸塩または粒度分布50%
値が10μm以下の微細なピロリン酸塩を使用すること
を大きな特徴としている。
【0032】上記ビーズミーリングは、粗大に凝集した
粒子を、粉砕媒体としての直径1.6〜2.0mm程度の
無アルカリガラスビーズと分散剤とともに30〜40時
間にわたって混合して粉砕する操作である。なお、ビー
ズミーリングの際に、分散剤としての界面活性剤やpH
調整剤を使用することにより、粉砕粉末の分散効果がよ
り顕著になる。
【0033】上記のビーズミーリングを30〜40時間
実施したピロリン酸カルシウムの水分散液中での粒度分
布を、粒度分布測定機(マイクロトラックII,日機装社
製SRA型)で測定し、図1に示す結果を得た。図1に
示すように、本願発明で使用されるピロリン酸カルシウ
ムの平均粒径は微小であり、粒径分布50%値も従来例
と比較して極めて小さいものである。
【0034】蛍光体重量に対して、図1に示すような粒
径分布を有する微細なピロリン酸カルシウムを0.1〜
5重量%と、Ca(NO3 2 などのアルカリ土類金属
塩や硝酸塩を0.05〜3重量%と、無水ほう酸などの
ほう酸化合物を0.005〜3重量%とを添加した水溶
性の蛍光体塗布組成物をガラス管内面に塗布し、乾燥・
焼成して所定厚さの蛍光体膜を形成してFCL30W環
状型の蛍光ランプを量産したところ、蛍光体膜の剥離や
脱落が発生せず、しかもランプ特性が良好な水銀蒸気放
電灯を高い製造歩留りで得ることができた。
【0035】一方、ピロリン酸塩を添加せず、Al,G
d,Y,La,Ceなどの金属元素を含む硝酸塩化合物
を蛍光体に対して0.1〜3重量%添加するとともに、
ほう酸塩を0.005〜3重量%添加した塗布組成物を
使用してFCL30Wの蛍光ランプを作製したが、蛍光
体膜の剥離が若干発生し、JIS C7601で定める
2000時間の光束維持率が悪化した。この事実から、
ピロリン酸塩を欠く塗布組成物では、蛍光体膜剥離がな
く、かつランプ特性が良好な低圧水銀蒸気放電灯を得る
ことが困難であることが判明した。
【0036】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について、
以下の実施例に基づいて、より具体的に説明する。
【0037】実施例1〜3 粗大なピロリン酸カルシウム(Ca2 2 7 )に対し
てビーズミーリングを30〜40時間実施して粒度分布
50%値が1.2μmのピロリン酸カルシウム分散液を
調製した。
【0038】一方、水溶性バインダーとして、ポリエチ
レンオキサイドの0.6%水溶液で粘度が100〜16
0mPa・S(液温25℃)の範囲の水溶性バインダー
を用意した。
【0039】次にマグネチックスターラーによって撹拌
されている水溶性バインダー(320ml)中に200g
の3波長昼白色蛍光体を徐々に添加し、2時間撹拌後、
分散効果および蛍光体膜の成膜性を改善するための界面
活性剤を添加した。さらにアルカリ土類金属塩としての
Ca(NO3 2 を1.0g添加して2時間撹拌した後
に、ほう酸塩としてのB2 3 を0.4g添加して、さ
らに3時間撹拌した。次に予め準備した粒度分布50%
値が1.2μmのCa2 2 7 分散液を、蛍光体に対
して表1に示すように1〜3重量%添加し、10時間以
上撹拌してそれぞれ実施例1〜3用の蛍光体塗布組成物
を調製した。
【0040】次に得られた各組成物をガラスバルブ内面
に塗布し、約60〜80℃の加熱エアブローが可能な塗
布装置を使用して水分を飛散させて品位良好な蛍光体膜
を一体に形成した。以後、通常のランプ製造工程に準拠
して、それぞれ実施例1〜3に係る30W環状蛍光ラン
プ(FCL30EX−N/28型)を製造した。
【0041】実施例4〜6 粗大なピロリン酸ストロンチウム(Sr2 2 7 )に
対してビーズミーリングを30〜40時間実施して粒度
分布50%値が2.1μmのピロリン酸ストロンチウム
分散液を調製した。
【0042】次に実施例1で用意した水溶性バインダー
を転用し、マグネチックスターラーによって撹拌されて
いる水溶性バインダー中に200gの3波長昼白色蛍光
体を徐々に添加し、2時間撹拌後、分散効果および蛍光
体膜の成膜性を改善するための界面活性剤を添加した。
さらにアルカリ土類金属塩としてのCa(NO3 2
1.0g添加して2時間撹拌した後に、ほう酸塩として
のH3 BO3 を0.2〜6g添加して、さらに3時間撹
拌した。次に予め準備した粒度分布50%値が2.1μ
mのSr2 2 7 分散液を、蛍光体に対して表1に示
すように1.0重量%添加し10時間以上撹拌して、そ
れぞれ実施例4〜6用の蛍光体塗布組成物を調製した。
【0043】次に得られた各組成物をガラスバルブ内面
に塗布し、約60〜80℃の加熱エアブローが可能な塗
布装置を使用して水分を飛散させて品位良好な蛍光体膜
を一体に形成した。以後、通常のランプ製造工程に準拠
して、それぞれ実施例4〜6に係る30W環状蛍光ラン
プ(FCL30EX−N/28型)を製造した。
【0044】実施例7〜10 実施例7〜10は、アルカリ土類金属塩として硝酸塩
(実施例7〜9)またはハロゲン化合物(実施例10)
を使用した蛍光ランプを例示するものであり、これらの
蛍光ランプは以下の手順で製作されたものである。
【0045】すなわち実施例1において調製した水溶性
バインダー中に撹拌しながら3波長昼白色蛍光体200
gを徐々に添加して2時間撹拌後、界面活性剤を添加し
た。次に得られた蛍光体入りの水溶性バインダーを各実
施例用に分取し、実施例7用にはBa(NO3 2 を1
g,実施例8用にはSr(NO3 2 を1.0g,実施
例9用にはMg(NO3 2 を1g,実施例10用には
CaCl2 を1.0gの割合で添加し、2時間撹拌した
後に、さらにほう酸塩としてのB2 3 をそれぞれ0.
4g添加して3時間撹拌した。しかる後に実施例1で使
用した粒度分布50%値が1.2μmのCa2 2 7
分散液を、蛍光体に対して各1.0重量%となるように
添加し、10時間以上撹拌して実施例7〜10用の蛍光
体塗布組成物を調製した。
【0046】次に調製した各組成物を実施例1と同様に
ガラスバルブ内面に塗布し、同様のランプ製造工程を経
て実施例1と同一寸法を有する実施例7〜10に係る3
0W環形蛍光ランプ(FCL30EX−N/28型)を
製造した。
【0047】比較例1 一方、ピロリン酸塩としてのCa2 2 7 を全く添加
しない以外は実施例1と同様に蛍光体塗布組成物を調製
し、さらにこの組成物をガラスバルブ内面に塗布・乾燥
・焼成して比較例1に係る30W環状形蛍光ランプを製
造した。
【0048】比較例2 また、有機溶媒である酢酸ブチルにニトロセルロースを
溶解した従来の有機バインダーに、結着剤としてのほう
酸化合物を添加した蛍光体塗布組成物を使用して、実施
例と同一寸法を有する比較例2に係る30W環状形蛍光
ランプを製造した。
【0049】このように製造した実施例1〜10および
その比較例1〜2の蛍光ランプについて、その特性を評
価するために蛍光体膜の付着強度,初期全光束,200
0時間点灯後における光束維持率および黒化に対する抵
抗性を測定した。
【0050】ここで蛍光体膜の付着強度は、次のような
手法で蛍光体膜の剥離面積の大小で評価した。すなわち
蛍光ランプの口金から周方向に8cmに位置するランプ外
表面を直径1mmのピアノ線ではじき、衝撃力を与えたと
きに生じる蛍光体膜の剥離面積を測定した。
【0051】また黒化に対する抵抗性は、2000時間
の光束維持率試験(JIS C7601)に準拠した方
法で蛍光ランプの点灯と消灯とを繰り返した後における
黒化の程度を目視で観察した。ここで比較基準として
は、有機バインダーを使用した比較例2の黒化状態を耐
黒化指数8.0と規定するとともに、全く黒化の発生が
ない状態を耐黒化指数10と規定して、各黒化状態を比
較して指数化した。各測定結果を下記表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】上記表1に示す結果から明らかなように、
所定量のピロリン酸塩,ほう酸塩化合物,アルカリ土類
金属塩を含有する水溶性の蛍光体塗布組成物を使用して
形成した各実施例の蛍光ランプにおいては、従来の有機
バインダーを使用した比較例2と比較して、いずれも蛍
光体膜の剥離が極めて少なく、優れた付着強度が得られ
ている。また初期全光束,2000時間点灯後における
光束維持率および耐黒化性などのランプ特性について
も、従来品と比較して良好な結果が得られた。
【0054】実施例4〜6は、ビーズミーリングを実施
した微細なピロリン酸ストロンチウムを蛍光体に対して
0.5重量%含有させ、かつ、ほう酸塩含有量を0.2
重量%から6重量%と増大させた蛍光ランプを示す。こ
の場合、Sr2 2 7 の粒度分布が良好であっても、
ほう酸の添加量が6.0重量%と大きくなると、付着強
度は良好であるものの、2000時間点灯後における光
束維持率および黒化状況が悪化する傾向がある。この傾
向は、ピロリン酸塩が、上記Sr2 2 7 の場合だけ
に限らず、Ba2 2 7 ,Al4 (P2 7 3 ,C
2 2 7 ,Mg2 2 7 ,Sn2 2 7 および
Zn2 2 7 を単体で、または組み合わせた組成物を
使って蛍光ランプを製造した場合にも、ランプ特性が同
様な傾向を示すことが確認された。
【0055】実施例10はアルカリ土類金属塩として、
塩化物(CaCl2 )を使用した蛍光ランプを示してい
る。しかしながら、この蛍光ランプの初期全光束の低下
が著しくなるとともに、2000時間点灯後における光
束維持率および黒化状況も悪化する傾向が観察された。
この傾向は、上記CaCl2 を使用した場合に限らず、
アルカリ土類金属塩として他のハロゲン元素化合物を使
用した場合にも同様に確認された。
【0056】実施例11〜12および比較例3 次にピロリン酸塩の粒度分布50%値の大小が、蛍光体
膜の付着強度およびランプ特性に及ぼす影響について、
実施例11〜12および比較例3に基づいて説明する。
【0057】前記ビーズミーリングの処理時間を調整す
ることにより、粒度分布50%値がそれぞれ1.2μm
(実施例11用),6.1μm(実施例12用)および
15.9μm(比較例3用)の3種のCa2 2 7
散液を調製した。
【0058】一方、実施例1において調製した水溶性バ
インダー(320ml)中に3波長昼白色蛍光体200g
を撹拌しながら徐々に添加し、2時間撹拌した後に、界
面活性剤を添加した。さらにBa(NO3 2 を1.0
g添加して2時間撹拌した後に、さらにB2 3 を0.
4g添加して3時間撹拌した。しかる後に、得られた水
溶性バインダーを各実施例用および比較例用に分取し、
実施例11用には、予め準備した粒度分布50%値が
1.2μmのCa2 2 7 分散液を蛍光体に対して
1.0重量%添加し,実施例12用には、粒度分布50
%値が6.1μmの分散液を1.0重量%添加し,比較
例3用には、粒度分布50%値が15.9μmの分散液
を1.0重量%の割合でそれぞれ添加して10時間撹拌
することにより、3種の蛍光体塗布組成物を調製した。
【0059】次に得られた各蛍光体塗布組成物を、実施
例1と同様な手順で、ガラスバルブ内面に塗布し、乾燥
・焼成するとともに、通常のランプ製造工程を経て、同
一寸法を有する実施例11〜12および比較例3に係る
30W環型蛍光ランプ(FCL30EX−N/28型)
を製造し、実施例1と同様に蛍光体膜の付着強度および
ランプ特性を測定した。測定結果を下記表2に示す。な
お有機バインダーを使用した従来の蛍光ランプの特性に
ついても比較例2として併せて表示した。
【0060】
【表2】
【0061】上記表2に示す結果から明らかなように、
粒度分布50%値が1.2μmと微細なCa2 2 7
を使用した蛍光ランプにおいては、蛍光体膜が極めて緻
密であり、蛍光体膜の剥離および脱落は全く観察されな
かった。また有機バインダーを使用して形成した従来の
蛍光ランプ(比較例2)と比較して、初期全光束が2.
0%程度向上し、しかも2000時間光束維持率は3.
5%も改善された。
【0062】一方、粒度分布50%値が6.1μmであ
る実施例12においては、ランプ特性は良好であるが、
蛍光体膜の付着強度がやや低下する傾向がある。また粒
度分布50%値が15.9μmと過大である比較例3の
場合においては、従来の有機バインダーを使用した比較
例2の場合と比較して付着強度は良好であるが、蛍光体
膜品位の低下が著しく、添加したCa2 2 7 の微粒
子が蛍光体膜の付着強度に対して有効に作用していない
ことが判明した。
【0063】また、Ca2 2 7 などのピロリン酸塩
の粒度分布50%値が10μm以下、好ましくは5μm
以下のピロリン酸塩を使用することにより、従来の蛍光
ランプと比較して、蛍光体膜の付着強度が高く、しかも
ランプ特性が改善された蛍光ランプを得ることができ
た。
【0064】次に、結着剤として各種の硝酸塩を使用し
た実施例について以下に説明する。
【0065】実施例13〜15 実施例1〜3において、アルカリ土類金属塩として使用
したCa(NO3 2に代えて、硝酸塩としてのGd
(NO3 3 を0.5重量%ずつ含有させた点以外は実
施例1〜3と同一条件で蛍光体塗布組成物を調製し、さ
らに各組成物をガラスバルブ内面に塗布し、乾燥・焼成
するという通常のランプ製造工程に準拠して同一寸法を
有する実施例13〜15に係るFCL30W蛍光ランプ
をそれぞれ製造した。
【0066】実施例16〜18 実施例4〜6において、アルカリ土類金属塩として使用
したCa(NO3 2に代えて、硝酸塩としてのLa
(NO3 2 を0.5重量%ずつ含有させた点およびほ
う酸の含有量をそれぞれ0.005,2.0,4.0重
量%に変更した点以外は実施例4〜6と同一条件で蛍光
体塗布組成物を調製し、さらに各組成物をガラスバルブ
内面に塗布し、乾燥・焼成するという通常のランプ製造
工程に準拠して同一寸法を有する実施例16〜18に係
るFCL30W蛍光ランプをそれぞれ製造した。
【0067】実施例19〜21 実施例7〜9において、アルカリ土類金属塩としてそれ
ぞれ使用したBa(NO3 2 ,Sr(NO3 2 ,M
g(NO3 2 に代えて、硝酸塩としてのAl(N
3 3 ,Y(NO3 3 ,Ce(NO3 3 を0.5
重量%ずつ含有させた点以外は実施例7〜9と同一条件
で蛍光体塗布組成物を調製し、さらに各組成物をガラス
バルブ内面に塗布し、乾燥・焼成するという通常のラン
プ製造工程に準拠して同一寸法を有する実施例19〜2
1に係るFCL30W蛍光ランプをそれぞれ製造した。
【0068】比較例4 一方、ピロリン酸塩としてのCa2 2 7 を全く添加
しない以外は実施例13と同様に蛍光体塗布組成物を調
製し、さらにこの組成物をガラスバルブ内面に塗布・乾
燥・焼成して比較例4に係る30W環状形蛍光ランプを
製造した。
【0069】比較例5 また、有機溶媒であるキシレンにエチルセルロースを溶
解した従来の有機バインダーを使用とするとともに、結
着剤としてはほう酸化合物を添加した蛍光体塗布組成物
を使用して、実施例と同寸法を有する比較例5に係る3
0W環状形蛍光ランプを製造した。
【0070】このように製造した実施例13〜21およ
びその比較例4〜5の蛍光ランプについて、その特性を
評価するために蛍光体膜の付着強度,初期全光束,20
00時間点灯後における光束維持率および黒化に対する
抵抗性を、実施例1〜10と同様にして測定し、下記表
3に示す結果を得た。
【0071】
【表3】
【0072】上記表3に示す結果から明らかなように、
所定量のピロリン酸塩,ほう酸塩化合物,アルカリ土類
金属塩を含有する水溶性の蛍光体塗布組成物を使用して
形成した各実施例の蛍光ランプにおいては、従来の有機
バインダーを使用した比較例5と比較して、いずれも蛍
光体膜の剥離が極めて少なく、優れた付着強度が得られ
ている。また初期全光束,2000時間点灯後における
光束維持率および耐黒化性などのランプ特性について
も、従来品と比較して良好な結果が得られた。
【0073】実施例16〜18は、ビーズミーリングを
実施した微細なピロリン酸ストロンチウムを蛍光体に対
して0.5重量%含有させ、かつほう酸(H3 BO3
含有量を0.005重量%から4.0重量%と増大させ
た蛍光ランプを示す。この場合、Sr2 2 7 の粒度
分布が良好であっても、H3 BO3 の含有量が0.00
5重量%以下の場合には、蛍光体膜の剥離が多くなり、
付着強度が低下する問題が発生した。一方、H3 BO3
の添加量が4.0重量%と大きくなると、付着強度は良
好であるものの、2000時間点灯後における光束維持
率および黒化状況が悪化する傾向がある。この傾向は、
ピロリン酸塩が、上記Sr2 2 7 の場合だけに限ら
ず、Ba2 2 7 ,Al4 (P2 7 3 ,Ca2
2 7 ,Mg2 2 7 ,Sn2 2 7 およびZn2
2 7 を単体で、または組み合わせた組成物を使って
蛍光ランプを製造した場合にも、ランプ特性が同様な傾
向を示すことが確認された。
【0074】また、実施例19〜21に係る蛍光ランプ
においては、有機バインダーを使用して形成した従来の
蛍光ランプ(比較例5)と比較して、初期光束が2%,
2000時間光束維持率が2〜3%向上し、いずれも良
好なランプ特性が得られた。
【0075】実施例22〜23および比較例6〜7 次にピロリン酸塩の粒度分布50%値の大小が、蛍光体
膜の付着強度およびランプ特性に及ぼす影響について、
実施例22〜23および比較例6〜7に基づいて説明す
る。
【0076】前記ビーズミーリングの処理時間を調整す
ることにより、粒度分布50%値がそれぞれ1.2μm
(実施例22用),6.1μm(実施例23用),1
5.9μm(比較例6用),および30.0μm(比較
例7用)の4種のCa2 2 7 分散液を調製した。
【0077】一方、実施例1において調製した水溶性バ
インダー中に3波長昼白色蛍光体200gを撹拌しなが
ら徐々に添加し、2時間撹拌した後に、界面活性剤を添
加した。さらにGd(NO3 3 を1.0g添加して2
時間撹拌した後に、さらにB2 3 を0.4g添加して
3時間撹拌した。しかる後に、得られた水溶性バインダ
ーを各実施例用および比較例用に分取し、実施例22用
には、予め準備した粒度分布50%値が1.2μmのC
2 2 7 分散液を蛍光体に対して1.0重量%添加
し,実施例23用には、粒度分布50%値が6.1μm
の分散液を1.0重量%添加し,比較例6用には、粒度
分布50%値が15.9μmの分散液を1.0重量%添
加し,比較例7用には、粒度分布50%値が30.0μ
mの分散液を1.0重量%の割合でそれぞれ添加して1
0時間撹拌することにより、4種の蛍光体塗布組成物を
調製した。
【0078】次に得られた各蛍光体塗布組成物を、実施
例1と同様な手順で、ガラスバルブ内面に塗布し、乾燥
・焼成するとともに、通常のランプ製造工程を経て、同
一寸法を有する実施例22〜23および比較例6〜7に
係る30W環型蛍光ランプ(FCL30EX−N/28
型)を製造し、実施例1と同様に蛍光体膜の付着強度お
よびランプ特性を測定した。測定結果を下記表4に示
す。
【0079】
【表4】
【0080】上記表4に示す結果から明らかなように、
粒度分布50%値が1.2μmと微細なCa2 2 7
を使用した実施例22の蛍光ランプにおいては、蛍光体
膜が極めて緻密であり、蛍光体膜の剥離および脱落は全
く観察されなかった。
【0081】一方、粒度分布50%値が6.1μmであ
る実施例23においては、ランプ特性は良好であるが、
蛍光体膜の付着強度がやや低下する傾向がある。また粒
度分布50%値が15.9μmまたは30.0μmと過
大である比較例6〜7の場合においては、蛍光体膜品位
の低下が著しく、添加したCa2 2 7 の微粒子が蛍
光体膜の付着強度に対して有効に作用していないことが
判明した。このことから、Ca2 2 7 の粒度分布5
0%値が、蛍光体膜の付着強度に大きく影響することが
判明した。この影響については、他のピロリン酸塩を使
用した場合にも同様に現われることが確認されている。
【0082】こうして、Ca2 2 7 などのピロリン
酸塩の粒度分布50%値が10μm以下、好ましくは5
μm以下のピロリン酸塩を使用することにより、従来の
蛍光ランプと比較して、蛍光体膜の付着強度が高く、し
かもランプ特性が改善された蛍光ランプを得ることがで
きた。
【0083】
【発明の効果】以上説明の通り本発明に係る低圧水銀蒸
気放電灯の製造方法によれば、粒度分布50%値が1
0.0μm以下のピロリン酸塩と、水溶性バインダー
と、アルカリ土類金属塩および硝酸塩の少なくとも一方
と、ほう酸化合物とを含有する蛍光体塗布組成物(スラ
リー)をガラス管に塗布して加熱することにより蛍光体
膜を形成して放電灯としているため、あるいは、低圧水
銀蒸気放電灯のガラス管内面に形成した蛍光体膜に含有
しているピロリン酸塩の平均粒子径を蛍光体の平均粒径
以下としているため、蛍光体膜の付着強度(結着力)が
高く、かつ全光束,光束維持率などのランプ特性が優れ
た放電灯が得られる。
【0084】また酢酸ブチルやキシレンなどの有機溶剤
を使用せずに、水溶性の蛍光体塗布組成物を使用してい
るため、人体への影響,大気汚染,作業上の安全性など
の問題を引き起すことなく、高品質の放電灯を安全に製
造できる。
【0085】さらに、蛍光体膜の付着強度が大きいた
め、ガラス管を屈曲加工する工程を含む環形放電灯や高
負荷形放電灯の加工工程においても蛍光体膜の剥離や脱
落が少なく、高品質の放電灯が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法において使用するピロリン酸塩の粒
度分布の一例を示すグラフ。

Claims (14)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス管の内面に蛍光体膜が形成されて
    いる低圧水銀蒸気放電灯において、蛍光体膜が蛍光体
    と,単一粒子および凝集粒子の平均粒子径が3.0μm
    以下のピロリン酸塩と,アルカリ土類金属塩および硝酸
    塩の少なくとも1種と,ほう酸化合物とを含有すること
    を特徴とする低圧水銀蒸気放電灯。
  2. 【請求項2】 ピロリン酸塩の平均粒子径が1.0μm
    以下であることを特徴とする請求項1記載の低圧水銀蒸
    気放電灯。
  3. 【請求項3】 ピロリン酸塩が、Ba2 2 7 ,Al
    4 (P2 7 3 ,Sr2 2 7 ,Ca2 2 7
    Mg2 2 7 ,Sn2 2 7 およびZn2 2 7
    から選択された少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項1記載の低圧水銀蒸気放電灯。
  4. 【請求項4】 ガラス管の形状が環形または高負荷形で
    あることを特徴とする請求項1記載の低圧水銀蒸気放電
    灯。
  5. 【請求項5】 ガラス管の内面に蛍光体膜が形成されて
    いる低圧水銀蒸気放電灯において、蛍光体膜が蛍光体
    と,単一粒子および凝集粒子が蛍光体平均粒子径の1/
    2以下の平均粒子径を有するピロリン酸塩と,アルカリ
    土類金属塩および硝酸塩の少なくとも1種と,ほう酸化
    合物とを含有することを特徴とする低圧水銀蒸気放電
    灯。
  6. 【請求項6】 ピロリン酸塩の平均粒子径が蛍光体の平
    均粒子径の1/5以下であることを特徴とする請求項5
    記載の低圧水銀蒸気放電灯。
  7. 【請求項7】 ピロリン酸塩が、Ba2 2 7 ,Al
    4 (P2 7 3 ,Sr2 2 7 ,Ca2 2 7
    Mg2 2 7 ,Sn2 2 7 およびZn2 2 7
    から選択された少なくとも1種であることを特徴とする
    請求項5記載の低圧水銀蒸気放電灯。
  8. 【請求項8】 ガラス管の形状が環形または高負荷形で
    あることを特徴とする請求項5記載の低圧水銀蒸気放電
    灯。
  9. 【請求項9】 蛍光体と,水溶性バインダーと,単一粒
    子および凝集粒子の粒度分布50%値が10.0μm以
    下であるピロリン酸塩と,アルカリ土類金属塩および硝
    酸塩の少なくとも1種と,ほう酸化合物とを含有する蛍
    光体塗布組成物をガラス管の内面に塗布し、加熱するこ
    とにより蛍光体膜を形成することを特徴とする低圧水銀
    蒸気放電灯の製造方法。
  10. 【請求項10】 ピロリン酸塩の粒度分布50%値が
    5.0μm以下であることを特徴とする請求項9記載の
    低圧水銀蒸気放電灯の製造方法。
  11. 【請求項11】 粒度分布50%値が10.0μm以下
    のピロリン酸塩は、無アルカリガラスビーズを用いたビ
    ーズミーリングにより調製されることを特徴とする請求
    項9記載の低圧水銀蒸気放電灯の製造方法。
  12. 【請求項12】 蛍光体と,水溶性バインダーと,単一
    粒子および凝集粒子が蛍光体平均粒子径以下の平均粒子
    径を有するピロリン酸塩と,アルカリ土類金属塩および
    硝酸塩の少なくとも1種と,ほう酸化合物とを含有する
    蛍光体塗布組成物をガラス管の内面に塗布し、加熱する
    ことにより蛍光体膜を形成することを特徴とする低圧水
    銀蒸気放電灯の製造方法。
  13. 【請求項13】 ピロリン酸塩の平均粒子径が蛍光体の
    平均粒子径の1/2以下であることを特徴とする請求項
    12記載の低圧水銀蒸気放電灯の製造方法。
  14. 【請求項14】 平均粒子径が蛍光体平均粒子径以下の
    ピロリン酸塩は、無アルカリガラスビーズを用いたビー
    ズミーリングにより調製されることを特徴とする請求項
    12記載の低圧水銀蒸気放電灯の製造方法。
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