JP2908605B2 - ナイロン6織物の製造方法 - Google Patents

ナイロン6織物の製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高速紡糸によって得ら
れるナイロン6マルチフイラメント糸(以下「ナイロン
6POY糸条」という。)を織物の経糸と緯糸の両方に
使用する場合に生じやすい染色加工時のシワや目寄れを
防止することができるナイロン6織物の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,ナイロン6POY糸条が種々
の特徴を有していることはよく知られているところであ
り,特に,捲取速度が3500m/分以上のナイロン6
POY糸条が,特定の用途に対しては通常の紡糸−延伸
工程を経て製造されるナイロン6フイラメント糸条(以
下「ナイロン6FDY糸条」という。)と比べて遜色の
ないものであることは,例えば,特開昭52−9934
5号公報や特開昭55−80535号公報等に記載され
ているとおりである。このため,ナイロン6FDY糸条
に比べて原糸製造原価が安価で,かつ太さ斑や染色斑の
少ない高品質のナイロン6POY糸条を,織物用の経糸
と緯糸の両方,または経糸か緯糸のいずれかに使用せん
とする試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,これら
ナイロン6POY糸条を経糸と緯糸の両方に使用したナ
イロン織物は,致命的な欠陥を内在している。その致命
的な欠陥とは,ナイロン6POY糸条により織成された
織物の染色加工時におけるシワや目寄れの発生であり,
経糸と緯糸の両方にナイロン6POY糸条を用いたとき
に最も発生しやすく,また,生機の状態では正常であっ
ても,染色加工工程でシワや目寄れが発生するのであ
る。本発明は,ナイロン6POY糸条を経糸と緯糸の両
方に使用したナイロン織物に発生するシワや目寄れの欠
点を防止する方法を提供することを目的とするものであ
る。
【0004】本発明者は,この染色加工工程におけるシ
ワや目寄れの発生を防止すべく,精練工程をはじめとす
るプレセツト,染色および最終セツト等の各工程での条
件検討を行ったが,いずれも顕著な効果は認められず,
これらの欠点発生の要因は,染色工程以前の生機特性に
あることを見出し,本発明に至ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記の目的を
達成するもので,次の構成よりなるものである。本発明
は,経糸と緯糸の両方に,捲取速度3500m/分以上
の高速紡糸により得られる複屈折率が0.035〜0.0
45,沸騰水収縮率が11%以下,最大熱応力値が0.
2g/デニール以下のナイロン6POY糸条を用い,経
糸にはスラツシヤーサイジングを行って織成し,染色加
工前の生機の状態での経糸と緯糸との沸騰水収縮率の差
を2%以上,最大熱応力の差を0.03g/デニール以
上とし,染色仕上加工することを特徴とするナイロン6
織物の製造方法を要旨とするものである。
【0006】なお,上記の最大熱応力は,カネボウエン
ジニアリング社製のKETー1型熱応力測定器にて,試
料に0.015g/デニールの初荷重をかけ,昇温速度
300℃/180秒で昇温して熱応力曲線を得て,該曲
線の最大値をもっていう。
【0007】本発明において,3500m/分以上の捲
取速度で得られたナイロン6POY糸条の複屈折率を
0.035〜0.045としているのは,複屈折率が0.0
35未満であるとナイロン6POYを生産する際のパツ
ケージの形成そのものに問題を生じることになり,さら
に得られたナイロン6POY糸条の経時変化による糸質
の変動が大きくて織物用としての使用が困難になるから
であり,また複屈折率が0.045をこえるものは,捲
取速度等製造条件を変えても得ることが困難であり,無
理に得ようとすると経済性を無視することになって,原
糸製造原価の合理化に反することになるからである。
【0008】また上記のナイロン6POY糸条の沸騰水
収縮率を11%以下としているのは,沸騰水収縮率は捲
取速度を大きくするに従って小さくなる傾向にあるが,
捲取速度が3500m/分以上の場合には極端に特殊な
製造条件を設定しない限り沸騰水収縮率が11%をこえ
ることはなく,ナイロン6FDY糸条の場合の12〜1
4%に比べれば低いレベルを維持しているからである。
【0009】また上記のナイロン6POY糸条の最大熱
応力を0.2g/デニール以下としているのは捲取速度
が3500m/分以上の場合には極端に特殊な製造条件
を設定しない限り,最大応力が0.2g/デニールを超
える事がないからである。なお,本発明に使用するナイ
ロン6POY糸条は,そのラスターや断面形状に特に制
限はない。
【0010】ナイロン6POY糸条は,通常の紡糸−延
伸で得られるナイロン6FDY糸条に比較して,上記の
ごとく沸騰水収縮率および熱応力の絶対値が小さく,ま
た,ヤング率も低いのが特徴であり,中でも,前2者の
収縮特性が染色加工時のシワや目寄れ発生の要因となっ
ている。すなわち,拡布状で行われる精練および染色の
工程で,布帛全体の熱に対する収縮力が小さいため,わ
ずかの布帛のダブリや斜行が発生すると布帛の収縮によ
って吸収されず,そのままシワや目寄れ状欠点として布
帛に残ることが最大の要因であることを,本発明者は突
き止めたのである。
【0011】拡布状で,かつ織物の経方向がロール等に
より緊張状態で処理される染色加工の各工程において
は,織物の経,緯各方向の収縮力がシワや目寄れに大き
く影響している。織物の経糸方向と緯糸方向の収縮特性
に一定以上の差を設けることにより,わずかの布帛のダ
ブリや斜行を吸収することができ,また,生機ですでに
発生している軽度のシワや目寄れを吸収することができ
るので,染色加工後にこれらのシワや目寄れのない織物
とすることができる。もちろん,経,緯の両方向ともに
強い収縮特性を有する生機であれば問題はないが,本発
明の基本である収縮特性の低いナイロン6POY糸条を
経,緯の両方に使用する場合は,織物全体の収縮特性を
大きくするのは困難であるので,経,緯の方向の収縮特
性に差をもたせることが有効であるとの結論に至ったの
である。
【0012】本発明の特徴は,経糸にスラツシヤーサイ
ジングを行って糊剤を付着させることにより製織性の向
上をはかるとともに,乾燥温度やストレツチ率の設定に
より経糸の沸騰水収縮率および最大熱応力値を低下せし
め,特に染色加工時のシワや目寄れの対策に効果のある
織物の緯糸方向の収縮力を相対的に強めることにある。
またさらに,糊剤皮膜による経糸の硬化現象も織物全体
を固くするため,生機の取扱い不良による生機シワの発
生防止にも効果を有するものである。
【0013】経糸のスラツシヤーサイジングで付着する
糊剤は,特に限定するものでないがポリアクリル酸エス
テルを主成分とするのが好ましい。また,ナイロンのス
ラツシヤーサイジングにおける乾燥温度は一般に最高温
度が100℃を超える条件で設定されるので,スラツシ
ヤーサイジングされた糸の沸騰水収縮率および最大熱応
力は原糸よりも低下する。したがって,ナイロン6PO
Y糸条のスラツシヤーサイジング糸を経糸とし,ナイロ
ン6POY糸条を緯糸として織成すると,得た生機は経
糸と緯糸の間で沸騰水収縮率および最大熱応力に差を有
するものとなる。
【0014】本発明の目的を達成するためには,生機の
経糸の沸騰水収縮率と緯糸の沸騰水収縮率の差が2%以
上であることが必要であり,2%未満では,染色仕上加
工上がりの織物にシワや目寄れが見られる。また,生機
の経糸の最大熱応力と緯糸の最大熱応力の差は0.03
g/デニール以上とすることが必要であり,0.03g
/デニール未満では,染色加工上がりの織物にシワや目
寄れが見られる。これらの沸騰水収縮率および最大熱応
力の差は,経糸のナイロン6POY糸条を一般に実施さ
れている条件でスラツシヤーサイジングすることにより
得ることができる。
【0015】本発明における織成に用いる織機はいずれ
でもよいが,ウオータージエツトルームに代表される流
体噴射式織機を用いるのが好ましい。本発明における染
色仕上加工は,ナイロン織物に一般的に実施されている
精錬・染色・セツト・樹脂加工等をいい,本発明の実施
のために,特に特殊な条件を採用する必要はない。
【0016】
【作 用】沸騰水収縮率および熱応力が一般的に小さい
特性を有するナイロン6POY糸条を使用する織物にお
いて,経糸をスラツシヤーサイジングすることにより,
経糸と緯糸の間の沸騰水収縮率の差を2%以上とし,最
大応力の差を0.03g/デニール以上として,緯糸の
方向へ収縮を偏らせると,生機にあったシワや,染色加
工工程中に生じる布帛のダブリや斜行等のシワや目寄れ
の要因が吸収されるようになるので,織物のシワや目寄
れを完全に防止することができる。
【0017】
【実施例】以下,本発明の方法を実施例により説明す
る。固有粘度1.0のナイロン6(セミダル)を,紡糸温
度270℃,孔径0.2mm,孔数12および24の口金か
ら吐出し,4000m/分の引取速度で引き取り,2種
の原糸(経糸用:セミダル70デニール/12フイラメ
ント,緯糸用:セミダル70デニール/24フイラメン
ト)を得た。なお,紡糸,引取間で熱ロールを介し,1
0%の熱延伸を行った。これらの原糸の特性を表1に示
す。
【0018】
【表1】
【0019】表1に示した経糸用の原糸を,津田駒製ス
ラツシヤーサイジング機KS−J型を用い,使用糊剤
は,ポリアクリル酸エステルを主成分とする互応化学製
のJ−96で,濃度を6%とし,乾燥温度,ストレツチ
率,糸速等は表2に示す4種の条件で,スラツシヤーサ
イジングを行ない4種の経糸を用意した。また,比較用
としてサイジングを行わないノンサイジング糸をダイレ
クトワーパーにより整経し,経糸として用意した。経糸
総本数は5200本,筬は筬密度72羽/鯨寸,1羽2
本入れとした。上記の如くにして準備した経糸に対し,
緯糸は表1に記載の糸条をそのまま使用して,5種のナ
イロンタフタ(織物サンプルNo.1〜5)をウオーター
ジエツトルームで織成した。得られた生機の密度は,乾
燥(80℃,20m/min)後の状態で,いずれも経密
度104本/吋,緯密度80本/吋であった。生機の状
態で経糸および緯糸を解舒し,沸騰水収縮率および最大
熱応力値を測定し,各々の緯糸の値と経糸の値の差を計
算して同時に表2に示した。なお,表1に示す原糸の特
性値と,スラツシヤーサイジングしていない織物サンプ
ルNo.5の経糸や,原糸のまま織成したそれぞれの緯糸
の特性値とは必ずしも一致するものではない。これは経
糸あるいは緯糸としての織成時の歪の受け方や生機乾燥
時の受熱効果により異なってくるためである。
【0020】織成した織物サンプルNo.1〜5の5種類
の生機を,精練−プレセツト−ジツガー染色−最終仕上
げセツトを主工程とする染色仕上加工工程に供し,検反
を行って,シワ,目寄れの発生程度を○(発生なし),
△(軽度のシワ,目寄れ発生あり),×(強いシワ,目
寄れ発生あり)の3段階で評価し,その結果を併せて表
2に示した。
【0021】
【表2】
【0022】表2からも明らかなごとく,本発明の織物
サンプルNo.1〜3までは,いずれも染色加工後のシワ
や目寄れの発生はなく,良好な品位が得られたのに対
し,沸騰水収縮率および最大熱応力の経糸と緯糸との差
の小さい織物サンプルNo.4は,軽度のシワや目寄れの
発生が認められ,また,サイジングを行わずに経糸とし
た織物サンプルNo.5は,強度のシワの目寄れの発生が
認められた。
【0023】以上の結果からも分かるごとく,これらの
織物サンプルの中では,経,緯糸の沸騰水収縮率や最大
熱応力の大きい織物サンプルNo.5に対し,本発明の織
物サンプルNo.1〜3のごとく,絶対値は低くても,
経,緯糸間に収縮特性の差の大きい織物の方がはるかに
品位の良い織物が得られるという驚くべき結果を得たも
のである。
【0024】
【発明の効果】本発明は,以上のような構成を有するの
で,ナイロン6FDY糸条に比較して沸騰水収縮率およ
び熱応力が一般的に小さいナイロン6POY糸条を使用
して織物を製造するに際して,その致命的な欠陥である
染色加工時のシワや目寄れを容易に防止できるものであ
り,織物製造コストの合理化はもとより,品質の安定化
へ大きく貢献するものである。また,経糸にスラツシヤ
ーサイジングするので生機が硬くなり,生機の取扱い不
良による生機シワの発生も防止できるという効果を有す
るものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 15/00 D01F 6/60 301 D01F 6/60 341

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 経糸と緯糸の両方に捲取速度3500m
    /分以上の高速紡糸により得られる複屈折率が0.03
    5〜0.045,沸騰水収縮率が11%以下,最大熱応
    力が0.2g/デニール以下のナイロン6マルチフイラ
    メントを用い,経糸にはスラツシヤーサイジングを行っ
    て織成し,生機の状態での経糸と緯糸の沸騰水収縮率の
    差を2%以上,最大熱応力の差を0.03g/デニール
    以上として,染色仕上加工することを特徴とするナイロ
    ン6織物の製造方法。
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