JP2837976B2 - ナイロン6織物 - Google Patents

ナイロン6織物

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JP2837976B2
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健太郎 釜本
利秀 日比野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は,高速紡糸によって得ら
れるナイロン6マルチフイラメント糸(以下「ナイロン
6POY糸条」という。)を織物用の経糸と緯糸の両方
にまたはそのいずれか一方に使用する場合の織物生機特
性に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から,ナイロン6POY糸条が種々
の特徴を有していることはよく知られているところであ
り,特に,紡糸捲取速度が3500m/分以上のナイロ
ン6POY糸条が,特定の用途に対しては通常の紡糸−
延伸工程を経て製造されるナイロン6フイラメント糸条
(以下「ナイロン6FDY糸条」という。)と比べ遜色
のないものであることは,例えば,特開昭52−993
45号公報や特開昭55−80535号公報等に記載さ
れているとおりである。このため,ナイロン6FDY糸
条に比べて原糸製造原価が安価で,かつ太さ斑や染色斑
の少ない高品質のナイロン6POY糸条を,織物用の経
糸と緯糸の両方,または経糸か緯糸のいずれかに使用せ
んとする試みがなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら,これら
ナイロン6POY糸条を使用したナイロン織物には,致
命的な欠陥が内在している。その致命的な欠陥とは,ナ
イロン6POY糸条により織成された生機の染色加工時
におけるシワや目寄れの発生である。この欠点は,経糸
と緯糸の両方にナイロン6POY糸条を用いたときに最
も発生しやすく,この欠点が生機にある場合は染色加工
で正常にならず,生機では正常であっても,染色加工工
程で発生するのである。本発明は,少なくとも経糸と緯
糸のいずれかにナイロン6POY糸条を用いたナイロン
織物において,シワや目寄れのない織物を提供すること
を目的とするものである。
【0004】本発明者は,この染色加工工程におけるシ
ワや目寄れの発生を防止すべく,精練工程をはじめとす
るプレセツト,染色および最終セツト等の各工程での条
件検討を行ったが,いずれも顕著な効果は認められず,
これらの欠点発生の要因は,染色工程以前の生機特性に
あることを見出し,本発明に至ったものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は,上記の目的を
解決するもので,次の構成よりなるものである。本発明
は,少なくとも経糸または緯糸のいずれか一方または
経,緯糸の両方が,紡糸捲取速度3500m/分以上の
高速紡糸により得られる複屈折率0.035〜0.045
のナイロン6POY糸条であり,生機の状態で経糸と緯
糸との間の沸騰水収縮率の差が2%以上,最大熱応力の
差が0.03g/デニール以上であることを特徴とする
ナイロン6織物を要旨とするものである。
【0006】なお,上記の最大熱応力は,カネボウエン
ジニアリング社製KET−1型熱応力測定器にて,試料
に0.015g/デニールの初荷重をかけ,昇温速度3
00℃/180秒で昇温して熱応力曲線を得て,その曲
線の最大値をもっていう。以下,本発明を詳細に説明す
る。
【0007】本発明において,3500m/分以上の捲
取速度で得られたナイロン6POY糸条の複屈折率を
0.035〜0.045としているのは,複屈折率が0.0
35未満であるとナイロン6POYを生産する際のパツ
ケージの形成そのものに問題を生じることになり,さら
に得られたナイロン6POY糸条の経時変化による糸質
の変動が大きくて織物用としての使用が困難になるから
であり,また複屈折率が0.045をこえるものは,捲
取速度等製造条件を変えても得ることが困難であり,無
理に得ようとすると経済性を無視することになって,原
糸製造原価の合理化に反することになるからである。
【0008】ナイロン6POY糸条は,通常の紡糸−延
伸で得られるナイロン6FDY糸条に比較して,沸騰水
収縮率および熱応力の絶対値が小さく,また,ヤング率
も低いのが特徴であり,中でも,前2者の収縮特性が染
色加工時のシワや目寄れ発生の要因となっている。すな
わち,拡布状で行われる精練および染色の工程で,布帛
全体の熱に対する収縮力が小さいため,わずかの布帛の
ダブリや斜行が発生すると,これらが布帛の収縮によっ
て吸収されず,そのままシワや目寄れ状欠点として布帛
に残ることが最大の要因であることを発明者は突き止め
たのである。
【0009】拡布状で,かつ織物の経方向がロール等に
より緊張状態で処理される染色加工の各工程において
は,織物の経,緯各方向の収縮力がシワや目寄れに大き
く影響している。織物の経糸方向と緯糸方向の収縮特性
に一定以上の差を設けることにより,わずかの布帛のダ
ブリや斜行を吸収することができ,また,生機ですでに
発生している軽度のシワや目寄れを吸収することができ
るので,染色加工後にこれらのシワや目寄れのない織物
とすることができる。もちろん,経,緯の両方向ともに
強い収縮特性を有する生機であれば問題はないが,本発
明の基本である収縮特性の低いナイロン6POY糸条を
経,緯の両方に使用する場合は,織物全体の収縮特性を
大きくするのは困難であるので,経糸と緯糸の間に収縮
特性に差をもたせることが有効であるとの結論に至った
のである。
【0010】本発明の特徴は,経糸または緯糸のいずれ
かに捲取速度3500m/分以上の高速紡糸により得ら
れるナイロン6POY糸条を用い,もう一方には収縮特
性の異なる糸条を用いて,生機の状態で経糸と緯糸の間
に,沸騰水収縮率に2%以上の差があり,かつ最大熱応
力に0.03g/デニール以上の差があるようにするこ
とにある。なお,本発明に使用するナイロン6POY糸
条のラスターや断面形状には特に制限はない。
【0011】ナイロン6POY糸条は,捲取速度が大き
くなる程収縮特性は一般に小さくなるが,捲取までに熱
延伸部を設けることにより変化させることができる。従
って捲取速度の異なる糸条を組合せたり,熱延伸処理の
有無の糸条を組合せて使用すれば本発明のナイロン6織
物を得ることができる。またナイロン6POY糸条と,
通常の紡糸・延伸でえられる収縮特性の大きい二工程法
によるナイロン6FDY糸条を組合せても本発明のナイ
ロン6織物を得ることができる。
【0012】本発明においては,生機の状態で経糸と緯
糸の間に収縮特性に差のあることが重要である。ここで
いう生機とは,染色加工に投入する前の状態の織物をい
い,シヤツトル織機,レピア織機,エアージエツトルー
ム等のように,織上がり時と物性の殆ど変わらない場合
は特に注意は必要ないが,ウオータージエツトルームの
ように乾燥の為に織上がり後に熱をかける場合には収縮
特性が変化するので,本発明では,乾燥工程を通した後
の生機の特性で規制する。
【0013】本発明の目的を達成するためには,生機の
経糸の沸騰水収縮率と緯糸の沸騰水収縮率の差が2%以
上であることが必要であり,2%未満では,染色仕上加
工上がりの織物にシワや目寄れが見られる。また,生機
の経糸の最大熱応力と緯糸の最大熱応力の差は0.03
g/デニール以上とすることが必要であり,0.03g
/デニール未満では,染色加工上がりの織物にシワや目
寄れが見られる。
【0014】本発明における織成に用いる織機はいずれ
でもよいが,ウオータージエツトルームに代表される流
体噴射式織機を用いるのが好ましい。本発明の織物に施
す染色仕上加工は,ナイロン織物に一般的に実施されて
いる精錬・染色・セツト・樹脂加工等の加工工程をい
い,特に特殊な条件を採用する必要はない。
【0015】
【作 用】沸騰水収縮率および熱応力値が一般的に小さ
い特性を有するナイロン6POY糸条を使用する織物に
おいて,経,緯糸間の沸騰水収縮率の差を2%以上,最
大熱応力の差を0.03g/デニール以上とし,経,緯
いずれかの方向へ収縮を偏らせると,生機にあったシワ
や染色加工工程中に生じる織物のダブリ,斜行等のシワ
や目寄れの要因が吸収されるようになるので,織物のシ
ワや目寄れを防止することができる。
【0016】
【実施例】以下,本発明を実施例により説明する。固有
粘度1.0のナイロン6を,紡糸温度270℃,孔径0.
2mm,孔数12および24の口金から吐出し,4000
m/分の引取速度で引き取り,表1に示す物性を有する
5種の糸条(糸サンプルNo.1〜5)を得た。
【0017】
【表1】
【0018】表1において,糸サンプルNo.1および4
は,紡糸,捲取間で実質的な延伸をすることなく引取っ
たものであり,糸サンプルNo.2,3,5は,紡糸,捲
取間で温度150℃の熱ロールを介し,10%の熱延伸
を行った。また,従来の2工程によるFDY糸条70d
/24fを糸サンプルNo.6として使用した。
【0019】表1に示した経糸および緯糸を用いて,表
2に示す各組み合わせからなる9種のナイロンタフタ
(織物サンプルNo.1〜9)を得た。経糸は,各々無撚
無糊で整経し,経糸総本数5200本,筬密度72羽/
鯨寸,1羽2本入れとし,緯入れ密度80本/吋となる
ごとくウオータージエツトルームで織成した。それぞれ
生機乾燥後の経密度は104本/吋,緯密度は80本/
吋であった。生機の状態で経糸および緯糸を解舒し,沸
騰水収縮率および最大熱応力値を測定して,各々緯糸と
経糸との差を求めた。+は経糸に対し緯糸の数値が大で
あることを示し,−は数値が小さいことを表す。なお,
表1に示す糸サンプルNo.1〜6の特性値の差と生機の
特性値の差は必ずしも一致するものではなく,経糸,緯
糸としての織成時の歪の受け方や生機乾燥での受熱効果
により異なってくる。
【0020】織物サンプルNo.1〜9までの9種類のタ
フタを,精練−プレセツト−ジツガー染色−最終仕上げ
セツトを主工程とする染色加工工程に供し,検反を行
い,シワ,目寄れの発生程度を○(発生なし),△(軽
度のシワ,目寄れ発生あり),×(強いシワ,目寄れ発
生あり)の3段階で評価し,その結果とともに,経緯糸
の組合せ,緯糸と経糸の間の沸騰水収縮率の差と最大熱
応力の差を合わせて表2に示した。
【0021】
【表2】
【0022】表2より明らかなごとく,生機の経糸,緯
糸間の沸騰水収縮率,最大熱応力の差が各々2%,0.
03g/デニール以上である本発明による織物サンプル
No.2,3,6,7,9には,いずれも染色加工後にシ
ワや目寄れの発生が認められない。沸騰水収縮率,最大
熱応力のいずれも経,緯糸間の差が小さい織物サンプル
No.1,5, 8と,最大熱応力差が0.02g/デニール
と小さい織物サンプルNo.4においては,いずれもシワ
や目寄れの発生が認められた。また,織物サンプルNo.
8においては,生機全体の経緯方向の収縮率は織物サン
プルNo.2,3,6等に比較して大きいが(数値は記載
せず。),経糸,緯糸間の沸騰水収縮率の差が1%,最
大熱応力の差が0.02g/デニールと小さくてシワや
目寄れの発生が認められ,経,緯糸間の収縮特性差が重
要であることを示している。
【0023】
【発明の効果】本発明は,以上のような構成を有するの
で,ナイロン6FDY糸条に比較して製造コストの安価
なナイロン6POY糸条を使用して織物を得るに際し
て,その致命的な欠陥である染色加工時のシワや目寄れ
を防止できるものであり,織物製造コストの合理化はも
とより,品質の安定化へ大きく貢献するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D03D 15/00 D03D 15/04

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも経糸または緯糸のいずれか
    が,捲取速度3500m/分以上の高速紡糸により得ら
    れる複屈折率が0.035〜0.045であるナイロン6
    マルチフイラメントであり,生機の状態で経糸と緯糸と
    の間の沸騰水収縮率の差が2%以上で,最大熱応力の差
    が0.03g/デニール以上であることを特徴とするナ
    イロン6織物。
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