JP2907888B2 - 再溶融カムシャフトの製造方法 - Google Patents

再溶融カムシャフトの製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本発明は再溶融法により表面硬化させる再溶融カムシ
ャフトの製造方法に関し、特に高出力エンジンに使用さ
れるカムシャフトの耐摩耗性、耐ピッチング性の向上を
図った再溶融カムシャフトの製造方法に関する。
《従来の技術》 近年エンジンの出力は急速に高出力化しており、この
高出力化に伴い、カムシャフトのカム部には、より高い
面圧が加わるようになってきている。
このため、カム部の耐摩耗性,耐熱性,耐腐食性等の
物性を向上させるべく、カムシャフトは従来、次のよう
な方法にて製造されていた。
(1)カム部を形成する金属基材の表面層を、レーザー
ビーム,電子ビーム等のビーム熱エネルギやTIG溶接等
のアーク熱エネルギ等で再溶融して硬化させ、金属基材
表面に耐摩耗性合金チル層を形成する方法。
(2)カム部を形成する金属基材の表面に、高合金化用
の金属粉末を、粉末のまま供給したり、溶媒に分散させ
てコーティングしたりあるいはバインダーでシート化し
て貼付するかした後、これら高合金化用の金属粉末と共
に金属基材表面を、レーザービーム,電子ビーム等のビ
ーム熱エネルギやTIG溶接等のアーク熱エネルギ等で再
溶融し、金属基材表面に耐摩耗性高合金チル層を形成す
る方法。
以上のような再溶融法によって得られるチル層は微細
な組織であり、カムシャフトのカム部に優れた耐摩耗
性,耐熱性,耐腐食性等の物性を付与する。
尚、中空カムシャフトの再溶融チル層の形成手法につ
いては、特開昭58−50354号公報で提案されている。
《発明が解決しようとする課題》 しかし、上述した(1),(2)の方法は、いずれも
金属基材の表面層をビーム熱エネルギやアーク熱エネル
ギ等で急激に加熱して再溶融するため、次のような問題
がある。
すなわち、カムシャフトのカム部表面層に、再溶融時
の熱歪により引張残留応力が発生する。
しかも、このような熱エネルギに晒されるカム部表面
層の熱影響部がマルテンサイトに変態するため、カム部
表面層の引張残留応力が増加する。
また一般的には、再溶融処理の後にカム部の表面層に
対して仕上げ研削加工を施すが、この仕上げ研削加工に
よっても残留応力が発生する。
従って、製品化されるカムシャフトには、上記の熱歪
及びマルテンサイト変態に基因する引張残留応力に、研
削加工による残留応力が加わり、大きな残留応力が存在
することとなる。
そしてこの大きな残留応力により、エンジン運転中カ
ムシャフトのカムノーズ部にピッチングが発生し、その
剥離材が周辺部材に巻き込まれてしまうといった事故が
発生するおそれがあった。またこのようなピッチングに
より、カム部の接触長さが縮小化し、これに伴ってカム
部の面圧が増大し、結果的にカム部の異常摩耗を誘発す
る可能性もあった。
本発明は以上の諸点に鑑みてなされたものであって、
その目的とするところは、カム部表面に再溶融合金チル
層を形成して製造されるカムシャフトにピッチングが発
生するのを規制できる(すなわち、耐ピッチング性に優
れる)と共に、耐摩耗性にも優れる再溶融カムシャフト
の製造方法を提案するにある。
《課題を解決するための手段》 本発明に係る再溶融カムシャフトの製造方法は、上記
目的を達成するために、カム部表面を再溶融処理してカ
ムシャフトを製造する方法において、再溶融処理後のカ
ム部中央部を中空加工することを特徴とする。
また、前記中空加工による穿孔の方向が前記カムシャ
フトの軸方向であることを特徴とする。
さらに、前記中空加工により穿設された孔内面を、再
溶融することを特徴とする。
《作 用》 本発明では、先ずカムシャフトのカム部表面を、上述
した方法(1),(2)と同様にして再溶融処理する。
この再溶融処理により、カム部表面に微細組織の耐摩
耗性(高)合金チル層が形成され、カム部表面の耐摩耗
性,耐熱性,耐腐食性等の物性が向上する。
次に、再溶融処理した後のカム部の中央部をドリル等
で穿孔して中空加工を施す。
中空加工による穿孔部は剛性が低くなっており、再溶
融処理により発生している耐摩耗性(高)合金チル層中
の引張残留応力の影響を容易に受けることとなって、こ
の部分に圧縮応力が生じる。
この穿孔部における圧縮応力の発生により、耐摩耗性
(高)合金チル層中の引張残留応力が解放されて引張残
留応力を低減させることができ、これにより耐摩耗性
(高)合金チル層の耐摩耗特性,耐ピッチング特性が向
上する。
中空加工による穿孔の方向は、一般にカムシャフトの
軸方向とすることが好ましい。このように構成すれば、
穿孔部をカムシャフトのシャフト貫通孔として用いるこ
とができる。
また中空加工により穿設された孔内面を、レーザビー
ム,電子ビーム等のビーム熱エネルギやTIG溶接等のア
ーク熱エネルギ等で再溶融するようにしても良い。この
ように穿孔部の内面を再溶融処理すれば、この部分に引
張応力を発生させることができ、この引張応力によって
カム部全体の応力バランスを崩してカム部表面に若干の
圧縮応力を付加させることにより、カム部表面の引張残
留応力を低減させることができる。
《実 施 例》 以下に、本発明の好適な実施例について詳述する。
実施例1 第1図のステップに従ってカムシャフトを製造する。
先ずステップ1にて、鋳鉄製カムシャフト1のカム部
20表面を研削し、黒皮を除去する。
次いでステップ2にて、カム部20表面に図示しないア
クリル系の接着テープで合金粉末シート2を接着固定す
る。
この合金粉末シート2は、その組成がMo;2.5〜15.0wt
%,P;0.5〜3.0wt%,Cr;10wt%以下,C;1.5〜5.0wt%,Fe;
残で、粒度が100メッシュアンダーの合金粉末とアセト
ンで希釈したアクリル樹脂とを混練後、厚さ0.1〜1.0mm
でシート状に成形したものである。
そしてこのシートを接着固定した後、カムシャフト1
を窒素ガスの雰囲気内で1時間,温度300℃で脱ろう処
理し、アセトン,アクリル樹脂を除去する。
この後ステップ3にて、表1の条件でTIGトーチ3先
端の電極4からのアーク熱にて高合金再溶融処理し、耐
摩耗性高合金チル層12を形成する。
続いてステップ4にて、図示省略のガンドリルを用い
てカム部20中央部に中空加工を施してカムシャフト1の
軸方向に孔5を穿設し、その後孔5の仕上げ加工を行な
う。
そして、ステップ5にて処理部分を研削加工し、耐摩
耗性高合金チル層12の表面を平滑面12aとする。
ステップ4における仕上げ加工前のカムシャフト1の
カム部20表面に対し、ひずみゲージ法で引張応力を測定
した結果、後述の表3に示すように6.5kgf/mm2であっ
た。
この引張残留応力6.5kgf/mm2は、中空加工を施さなか
った後述の比較例1のカム部表面の引張残留応力14kgf/
mm2に比し、おおよそ55%も低くなっており、また中空
加工をステップ3の再溶融処理前に施した後術の比較例
2のカム部表面の引張残留応力10kgf/mm2に比し、35%
も低いものであった。
また、このカムシャフト1に対して仕上げ加工(ステ
ップ5)を行ない、表2に示す条件にてモータリングに
よる耐久テストを行なった。
この結果、本実施例のものでは、カムノーズ部にピッ
チングは発生していなかった。
実施例2 実施例1のステップ1〜ステップ4と全く同様に処理
した後、第2図(A)に示す要領で、中空加工による穿
孔部5内部を再溶融処理した。すなわち同図に示すよう
に、穿孔部5内にビーム反射ミラー6をセットし、光源
7からレーザビーム8を照射した。
これにより穿孔部5の内面が再溶融処理され、表面硬
化層5aが形成された。第2図(B)は、この状態のカム
部20の正面図である。
以上のようにして製造されたカムシャフト1のカム部
20表面の引張残留応力を、ひずみゲージ法にて測定した
結果を、表3に合わせて示す。
表3から明らかなように、本例では4.0kgf/mm2の張残
留応力があり、比較例1の14kgf/mm2の引張残留応力の
おおよそ75%も低くなっており、比較例2の10kgf/mm2
の引張残留応力の60%も低いものであった。
また、仕上げ加工後実施例1と同じ条件でモータリン
グによる耐久テストを行った結果、カムノーズ部にピッ
チングは発生していなかった。
比較例1 実施例1のステップ4を省略する以外は実施例1と全
く同様にしてカムシャフトを製造し、このカムシャフト
のカム部の引張残留応力を、同様のひずみゲージ法にて
測定した。
この結果を、表3に合わせて示す。
表3から明らかなように、カム部表面の再溶融処理の
後に中空加工を行わなかった場合、14kgf/mm2もの引張
残留応力が確認された。
また実施例1と同じ条件でモータリングによる耐久テ
ストを行った結果、カムノーズ部には目視で観察できる
程度のピッチングが発生していた。
比較例2 実施例1のステップ3の再溶融処理前に中空加工を施
すと共に実施例1のステップ4を省略する以外は、実施
例1と全く同様にしてカムシャフトを製造し、このカム
シャフトのカム部を引張残留応力を、同様のひずみゲー
ジ法にて測定した。
この結果も、表3に合わせて示す。
表3から明らかなように、カム部表面の再溶融処理前
に中空加工を行った場合は、10kgf/mm2もの引張残留応
力が確認された。
また実施例1と同じ条件でモータリングによる耐久テ
ストを行った結果は、比較例1の場合と同様に、カムノ
ーズ部には目視で観察できる程度のピッチングが発生し
ていた。
《発明の効果》 以上詳述した本発明によれば、カム部表面の再溶融処
理の際に発生する引張残留応力を、再溶融処理後に行う
カム部中央の中空加工による穿孔部に生ずる圧縮応力で
解放させて低減させることができる。この結果、製品化
されるカムシャフトには大きな引張残留応力が存在せ
ず、ピッチングが発生するのを効果的に抑制することが
でき、耐摩耗特性,耐ピッチング特性に優れたカムシャ
フトを製造することができる。
また中空加工による穿孔方向をカムシャフトの軸方向
とすることにより、穿孔部をカムシャフトのシャフト貫
通孔として利用することができる。
さらに、中空加工により穿設した孔内面を再溶融処理
するようにすれば、この部分に引張応力を発生させるこ
とができ、この引張応力によってカム部全体の応力バラ
ンスを崩して部表面に若干の圧縮応力を付加させること
ができて、カム部表面の引張残留応力を低減することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例1に係るカムシャフトの製造工
程を示す工程図、第2図(A)は本発明の実施例2に係
るカム部中央に穿設された穿孔部内面を再溶融処理する
要領を示す斜視図、第2図(B)は同図(A)の要領で
処理されたカム部の正面図である。 2……カム部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C21D 9/00 - 9/44 C21D 9/50 C21D 1/09 F16H 53/02

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カム部表面を再溶融処理してカムシャフト
    を製造する方法において、上記再溶融処理後のカム部中
    央部を中空加工することを特徴とする再溶融カムシャフ
    トの製造方法。
  2. 【請求項2】前記中空加工による穿孔の方向が前記カム
    シャフトの軸方向であることを特徴とする請求項1に記
    載の再溶融カムシャフトの製造方法。
  3. 【請求項3】前記中空加工により穿設された孔内面を、
    再溶融することを特徴とする請求項1または2に記載の
    再溶融カムシャフトの製造方法。
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