JPH03188281A - 高合金再溶融カムシャフトの製造方法 - Google Patents
高合金再溶融カムシャフトの製造方法Info
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- JPH03188281A JPH03188281A JP32930089A JP32930089A JPH03188281A JP H03188281 A JPH03188281 A JP H03188281A JP 32930089 A JP32930089 A JP 32930089A JP 32930089 A JP32930089 A JP 32930089A JP H03188281 A JPH03188281 A JP H03188281A
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Landscapes
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
Abstract
(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。
め要約のデータは記録されません。
Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、カムの表面に貼着された高合金化用の粉末シ
ートと、この粉末シートが貼着されたカムの表層部とを
高エネルギービームにより溶融させる高合金再溶融カム
シャフトの製造方法に関するものである。
ートと、この粉末シートが貼着されたカムの表層部とを
高エネルギービームにより溶融させる高合金再溶融カム
シャフトの製造方法に関するものである。
一般に、エンジンのカムシャフトが備える各カムには、
エンジンの高出力化に伴い非常に大きい面圧が加わるよ
うになっている。このため、従来のカムシャフトでは、
カムの表層部を再溶融させてこの部位に高合金化用元素
を含有させることにより、カムの表層部を高合金化して
表面硬さを高め、耐磨耗性を向上させている。
エンジンの高出力化に伴い非常に大きい面圧が加わるよ
うになっている。このため、従来のカムシャフトでは、
カムの表層部を再溶融させてこの部位に高合金化用元素
を含有させることにより、カムの表層部を高合金化して
表面硬さを高め、耐磨耗性を向上させている。
この種の従来の高合金再溶融カムシャフトの製造方法と
しては、例えば特開昭60−230986号公報に開示
されているように、カムの表面に、高合金化用元素を含
有する粉末合金シートを貼り、この粉末合金シートをT
IG)−チで加熱し、粉末合金シートとカムの一部とを
溶融して、カムの表層部に粉末合金シート中の合金を溶
がし込み、この部位を高合金化する方法が知られている
。
しては、例えば特開昭60−230986号公報に開示
されているように、カムの表面に、高合金化用元素を含
有する粉末合金シートを貼り、この粉末合金シートをT
IG)−チで加熱し、粉末合金シートとカムの一部とを
溶融して、カムの表層部に粉末合金シート中の合金を溶
がし込み、この部位を高合金化する方法が知られている
。
ところが、再溶融によって得られたカム表層部の高合金
再溶融層は、微細な組織となり、耐磨耗性が向上するも
のの、急激なビーム熱エネルギーによる再溶融にて形成
されるため、再溶融時の熱歪み等により引張残留応力が
発生する。また、その後の研削加工による応力も付加さ
れるため、引張残留応力がさらに増大する。このため、
運転中のカムノーズ部に剥離現象であるピッチングが発
生し、これによって剥離した剥離材の差し込み、または
カム表面の接触長さの縮小化に伴い、面圧が増大し、異
常磨耗を誘発する虞があるという問題点を有している。
再溶融層は、微細な組織となり、耐磨耗性が向上するも
のの、急激なビーム熱エネルギーによる再溶融にて形成
されるため、再溶融時の熱歪み等により引張残留応力が
発生する。また、その後の研削加工による応力も付加さ
れるため、引張残留応力がさらに増大する。このため、
運転中のカムノーズ部に剥離現象であるピッチングが発
生し、これによって剥離した剥離材の差し込み、または
カム表面の接触長さの縮小化に伴い、面圧が増大し、異
常磨耗を誘発する虞があるという問題点を有している。
〔課題を解決するための手段]
本発明の高合金再溶融カムシャフトの製造方法は、上記
の課題を解決するために、カムシャフトのカムの表面に
高合金再溶融層を形成する高合金再溶融カムシャフトの
製造方法において、以下の手段を講じている。
の課題を解決するために、カムシャフトのカムの表面に
高合金再溶融層を形成する高合金再溶融カムシャフトの
製造方法において、以下の手段を講じている。
即ち、モリブデン2.5〜15.0重量%、炭素1゜5
〜5.0重量%、りん0.5〜3.0重量%、ニッケル
0.1〜5.0重量%、および残りの成分として鉄の各
粉末を含む粉末シートをカムシャフトのカム面に貼着し
た後、高エネルギービームにて上記の粉末シートとカム
の表層部とを溶融して、カムの表層部に高合金再溶融層
を形成する。
〜5.0重量%、りん0.5〜3.0重量%、ニッケル
0.1〜5.0重量%、および残りの成分として鉄の各
粉末を含む粉末シートをカムシャフトのカム面に貼着し
た後、高エネルギービームにて上記の粉末シートとカム
の表層部とを溶融して、カムの表層部に高合金再溶融層
を形成する。
上記の構成によれば、モリブデン2.5〜15.0重量
%、炭素1.5〜5.0重量%、りん0.5〜3.0重
量%、ニッケル0.1〜5.0重量%、および残りの成
分として鉄の各粉末を含む粉末シートをカムシャフトの
カム面に貼着した後、高エネルギービームにて上記の粉
末シートとカムの表層部とを溶融すると、粉末シートの
成分がカムの表層部の成分と混ざり、カムの表層部に高
合金再溶融層が形成される。
%、炭素1.5〜5.0重量%、りん0.5〜3.0重
量%、ニッケル0.1〜5.0重量%、および残りの成
分として鉄の各粉末を含む粉末シートをカムシャフトの
カム面に貼着した後、高エネルギービームにて上記の粉
末シートとカムの表層部とを溶融すると、粉末シートの
成分がカムの表層部の成分と混ざり、カムの表層部に高
合金再溶融層が形成される。
上記の高合金再溶融層の金属組織は、粉末シートが含む
0.1〜5.0重量%のニッケルにより、炭化物とマル
テンサイトとなる。このマルテンサイトは硬い組織であ
るため、カムの表面硬さが向上する。また、組織がマル
テンサイト変態するときに体積膨張が起こるので、高合
金再溶融層には圧縮応力が作用する。従って、再溶融時
に生じた熱歪み等による引張応力と上記の圧縮応力とが
相殺され、高合金再溶融層における残留引張応力が低減
する。これにより、高合金再溶融カムシャフトのカムの
耐ビンチング強度が向上する。
0.1〜5.0重量%のニッケルにより、炭化物とマル
テンサイトとなる。このマルテンサイトは硬い組織であ
るため、カムの表面硬さが向上する。また、組織がマル
テンサイト変態するときに体積膨張が起こるので、高合
金再溶融層には圧縮応力が作用する。従って、再溶融時
に生じた熱歪み等による引張応力と上記の圧縮応力とが
相殺され、高合金再溶融層における残留引張応力が低減
する。これにより、高合金再溶融カムシャフトのカムの
耐ビンチング強度が向上する。
また、ニッケルの量は0.1重量%未満であれば、高合
金再溶融層をマルテンサイト化するだけの効力がなく、
一方、5.0重量%を超えると冷却時に焼き割れが生じ
る。従って、ニッケルの量は、0.1〜5.0重量%に
設定するのがよい。
金再溶融層をマルテンサイト化するだけの効力がなく、
一方、5.0重量%を超えると冷却時に焼き割れが生じ
る。従って、ニッケルの量は、0.1〜5.0重量%に
設定するのがよい。
〔実施例1〕
本発明の製造方法によって製造される高合金再溶融カム
シャフトは、第1図(d)に示すように、カム4の表層
部に高合金再溶融層3を有している。
シャフトは、第1図(d)に示すように、カム4の表層
部に高合金再溶融層3を有している。
上記の構造において、高合金再溶融カムシャフトの製造
方法を以下に説明する。
方法を以下に説明する。
先ず、第1図(a)に示すように、鋳鉄製のカムシャフ
トにおけるカム1の表面を研削して黒皮を除去した後、
このカム1の表面に、アクリル系の図示しない接着テー
プにより、同図(b)に示すように、粉末シート2を貼
着した。
トにおけるカム1の表面を研削して黒皮を除去した後、
このカム1の表面に、アクリル系の図示しない接着テー
プにより、同図(b)に示すように、粉末シート2を貼
着した。
上記の粉末シート2は、組成が、Mo:10.20重量
%、P : 2.03重量%、Cr:4.74重量%、
C: 3.50重量%、Ni:1.00重量%および残
りがFeで、粒度が、100メツシユアンダーの粉末と
、アセトンで希釈したアクリル樹脂とを混練後、厚さ0
.75mmのシート状に形成したものである。
%、P : 2.03重量%、Cr:4.74重量%、
C: 3.50重量%、Ni:1.00重量%および残
りがFeで、粒度が、100メツシユアンダーの粉末と
、アセトンで希釈したアクリル樹脂とを混練後、厚さ0
.75mmのシート状に形成したものである。
次に、カム1に粉末シート2が貼着されたカムシャフト
を、N2ガス雰囲気の300″Cに保った炉の中に1時
間入れて脱漏処理を行い、樹脂成分を除去した。
を、N2ガス雰囲気の300″Cに保った炉の中に1時
間入れて脱漏処理を行い、樹脂成分を除去した。
その後、同図(C)に示すように、高エネルギービーム
を発するTIGトーチ5にて、下記の条件で、高合金再
溶融処理を行い、同図(d)に示すように、表層部に高
合金再溶融N3を有するカム4を備えた高合金再溶融カ
ムシャフトを得た。
を発するTIGトーチ5にて、下記の条件で、高合金再
溶融処理を行い、同図(d)に示すように、表層部に高
合金再溶融N3を有するカム4を備えた高合金再溶融カ
ムシャフトを得た。
この高合金再溶融処理では、上記のTIG)−チ5によ
り、粉末シート2を溶融させると共に、カム1の表層部
を再溶融させ、溶融部を機械的に混ぜる作業を行った。
り、粉末シート2を溶融させると共に、カム1の表層部
を再溶融させ、溶融部を機械的に混ぜる作業を行った。
TIGトーチによる高合金再溶融処理条件電極
:φ3.2鴫のタングステン電極ビーム電流 ニア
0〜100A カムシャフトの回転数:0.65rpmオシレート条件
:オシレート幅−14mm、オシレート回転数−30回
/分 カム−電極間距離:4.6rmn シールドガス :Ar (ガス圧−2,0kg / c
+fl、流量−201/分) カムの予熱 :250〜300°C 上記のようにして得られた高合金再溶融カムシャフトの
カム4における高合金再溶融層3の金属組織は、第2図
の図面代用写真、および第3図の図面代用写真に示すよ
うに、炭化物と針状のマルテンサイトとの混合組織とな
り、その硬さは、HRC63〜64となった。この結果
を下記の第1表に示す。このように、本発明の製造方法
によれば、高い表面硬さを有するカム4を備えた高合金
再溶融カムシャフトを得ることができた。尚、カムlの
再溶融部には、粉末シート2よりNiが添加されている
ので、マルテンサイト変態点が低下するため、カムシャ
フトを250〜300″Cに予熱し、再溶融部の冷却速
度を遅くしても、マルテンサイト変態が生じる。
:φ3.2鴫のタングステン電極ビーム電流 ニア
0〜100A カムシャフトの回転数:0.65rpmオシレート条件
:オシレート幅−14mm、オシレート回転数−30回
/分 カム−電極間距離:4.6rmn シールドガス :Ar (ガス圧−2,0kg / c
+fl、流量−201/分) カムの予熱 :250〜300°C 上記のようにして得られた高合金再溶融カムシャフトの
カム4における高合金再溶融層3の金属組織は、第2図
の図面代用写真、および第3図の図面代用写真に示すよ
うに、炭化物と針状のマルテンサイトとの混合組織とな
り、その硬さは、HRC63〜64となった。この結果
を下記の第1表に示す。このように、本発明の製造方法
によれば、高い表面硬さを有するカム4を備えた高合金
再溶融カムシャフトを得ることができた。尚、カムlの
再溶融部には、粉末シート2よりNiが添加されている
ので、マルテンサイト変態点が低下するため、カムシャ
フトを250〜300″Cに予熱し、再溶融部の冷却速
度を遅くしても、マルテンサイト変態が生じる。
第 1 表
次に、上記の高合金再溶融カムシャフトにおけるカム4
の高合金再溶融層3の残留引張応力を測定したところ、
第2表に示す結果が得られた。
の高合金再溶融層3の残留引張応力を測定したところ、
第2表に示す結果が得られた。
第2表
第2表に示すように、本製造方法によって得られた高合
金再溶融カムシャフトでは、粉末シート2に1.0%の
Niが含まれていることにより、カム1の表層部が再溶
融後の凝固時にマルテンサイト変態し、このマルテンサ
イト変態のときに生じる体積膨張により表層部に圧縮応
力が生じ、この圧縮応力により熱歪み等によって生じる
引張応力が減じられ、表層部の引張応力が小さい値とな
った。
金再溶融カムシャフトでは、粉末シート2に1.0%の
Niが含まれていることにより、カム1の表層部が再溶
融後の凝固時にマルテンサイト変態し、このマルテンサ
イト変態のときに生じる体積膨張により表層部に圧縮応
力が生じ、この圧縮応力により熱歪み等によって生じる
引張応力が減じられ、表層部の引張応力が小さい値とな
った。
次に、上記の高合金再溶融カムシャフトを仕上げ加工し
た後、この高合金再溶融カムシャフトに対して下記の条
件によりモータリングテストを行った。
た後、この高合金再溶融カムシャフトに対して下記の条
件によりモータリングテストを行った。
モータリングテスト条件
エンジン回転数:5000rpm
テスト時間 :100時間
エンジンオイル:モービルアローゴールド7.5−20
油温 :130°C
バルブスプリングセット荷重:34kgこのモータリン
グテストの結果、高合金再溶融カムシャフトの何れのカ
ム4にも剥離現象であるピッチングは発生しなかった。
グテストの結果、高合金再溶融カムシャフトの何れのカ
ム4にも剥離現象であるピッチングは発生しなかった。
〔実施例2〕
本発明の他の実施例を以下に説明する。
本実施例に係る高合金再溶融カムシャフトの製造方法で
は、粉末シート2として、組成が、M。
は、粉末シート2として、組成が、M。
:10.2重量%、P:2.03重量%、Cr:4.7
4重量%、C: 3.5重量%、Ni:5.0重量%お
よび残りがFeで、粒度が、100メツシユアンダーの
粉末と、アセトンで希釈したアクリル樹脂とを混練後、
厚さ0.75+m++のシート状に形成したものを使用
した。即ち、実施例1の粉末シート2におけるNtの重
量%を1.00重量%から5.00重量%に変更したも
のである。そして、上記の粉末シートを使用して、実施
例1と同じ方法により高合金再溶融カムシャフトを製造
した。
4重量%、C: 3.5重量%、Ni:5.0重量%お
よび残りがFeで、粒度が、100メツシユアンダーの
粉末と、アセトンで希釈したアクリル樹脂とを混練後、
厚さ0.75+m++のシート状に形成したものを使用
した。即ち、実施例1の粉末シート2におけるNtの重
量%を1.00重量%から5.00重量%に変更したも
のである。そして、上記の粉末シートを使用して、実施
例1と同じ方法により高合金再溶融カムシャフトを製造
した。
この高合金再溶融カムシャフトのカムにおける高合金再
溶融層の金属組織と硬さとを調べたところ、前記の第1
表に示すように、金属組織は、実施例1に示した高合金
再溶融カムシャフトと同様、炭化物とマルテンサイトと
の混合組織となり、その硬さは、HRC64〜66とな
った。このように、本実施例の製造方法によっても、高
い表面硬さを有するカムを備えた高合金再溶融カムシャ
フトを得ることができた。
溶融層の金属組織と硬さとを調べたところ、前記の第1
表に示すように、金属組織は、実施例1に示した高合金
再溶融カムシャフトと同様、炭化物とマルテンサイトと
の混合組織となり、その硬さは、HRC64〜66とな
った。このように、本実施例の製造方法によっても、高
い表面硬さを有するカムを備えた高合金再溶融カムシャ
フトを得ることができた。
次に、上記の高合金再溶融カムシャフトにおけるカムの
高合金再溶融層の残留応力を測定したところ、第2表に
示すように、粉末シートが含む5゜0重量%のNiにて
金属組織がマルテンサイト変態することにより、実施例
1の製造方法によって得られた高合金再溶融カムシャフ
トと同様、高合金再溶融層の引張応力は小さい値となっ
た。
高合金再溶融層の残留応力を測定したところ、第2表に
示すように、粉末シートが含む5゜0重量%のNiにて
金属組織がマルテンサイト変態することにより、実施例
1の製造方法によって得られた高合金再溶融カムシャフ
トと同様、高合金再溶融層の引張応力は小さい値となっ
た。
また、実施例1の場合と同じ条件で行ったモータリング
テストの結果においても、同様に、高合金再溶融カムシ
ャフトの何れのカムにも剥離現象であるピッチングは発
生しなかった。
テストの結果においても、同様に、高合金再溶融カムシ
ャフトの何れのカムにも剥離現象であるピッチングは発
生しなかった。
前記の実施例1および実施例2の製造方法によって得ら
れた高合金再溶融カムシャフトと比較するために、粉末
シートとして、組成が、Niを含有せず、Mo:9.5
重量%、P:2.0重量%、Cr : 4.1重量%、
C: 3.5重量%、および残りがFeで、粒度が10
0メツシユアンダーの粉末と、アセトンで希釈したアク
リル樹脂とを混線後、厚さ0.1〜1.0閣のシート状
に形成したものを使用し、実施例1と同じ方法により高
合金再溶融カムシャフトを製造した。
れた高合金再溶融カムシャフトと比較するために、粉末
シートとして、組成が、Niを含有せず、Mo:9.5
重量%、P:2.0重量%、Cr : 4.1重量%、
C: 3.5重量%、および残りがFeで、粒度が10
0メツシユアンダーの粉末と、アセトンで希釈したアク
リル樹脂とを混線後、厚さ0.1〜1.0閣のシート状
に形成したものを使用し、実施例1と同じ方法により高
合金再溶融カムシャフトを製造した。
この高合金再溶融カムシャフトのカムにおける高合金再
溶融層の金属組織と硬さを調べたところ、金属組織は、
第4図の図面代用写真、第5図の図面代用写真、および
第1表に示すように、炭化物とパーライトとの混合組織
となり、その硬さは、HRC61〜63となった。この
ように、Niを含まない粉末シートを使用して製造され
た高合金再溶融カムシャフトでは、高い表面硬さを得る
こができなかった。
溶融層の金属組織と硬さを調べたところ、金属組織は、
第4図の図面代用写真、第5図の図面代用写真、および
第1表に示すように、炭化物とパーライトとの混合組織
となり、その硬さは、HRC61〜63となった。この
ように、Niを含まない粉末シートを使用して製造され
た高合金再溶融カムシャフトでは、高い表面硬さを得る
こができなかった。
次に、上記の高合金再溶融カムシャフトにおけるカムの
高合金再溶融層の残留応力を測定したところ、第2表に
示すように、引張応力が大きい値となった。
高合金再溶融層の残留応力を測定したところ、第2表に
示すように、引張応力が大きい値となった。
また、実施例1の場合と同じ条件でモータリングテスト
を行ったところ、カムシャフトにおける全てのカムノー
ズにピッチングが発生した。
を行ったところ、カムシャフトにおける全てのカムノー
ズにピッチングが発生した。
さらに、粉末シートのNiO量を増減して製造した高合
金再溶融カムシャフトを試験したところ、NiO量が0
.1重量%未満であれば、高合金再溶融層をマルテンサ
イト化するだけの効力がなく一方、NiO量が5.0重
量%を超えると冷却時に焼き割れが生じることが分かっ
た。
金再溶融カムシャフトを試験したところ、NiO量が0
.1重量%未満であれば、高合金再溶融層をマルテンサ
イト化するだけの効力がなく一方、NiO量が5.0重
量%を超えると冷却時に焼き割れが生じることが分かっ
た。
以上の結果より、粉末シートの粉末において、NiO量
を0.1〜5.0重量%に設定することにより、表面硬
さおよび残留応力の点において良好であり、耐ピツチン
グ強度の大きい高合金再溶融カムシャフトを製造し得る
ことが分かった。尚、粉末シートの粉末のNi以外の成
分は、それぞれ、Mo:2.5〜15.0重量%、C:
1.5〜5.0重量%、P:0.5〜3.0重量%、お
よび残り鉄として設定することができる。
を0.1〜5.0重量%に設定することにより、表面硬
さおよび残留応力の点において良好であり、耐ピツチン
グ強度の大きい高合金再溶融カムシャフトを製造し得る
ことが分かった。尚、粉末シートの粉末のNi以外の成
分は、それぞれ、Mo:2.5〜15.0重量%、C:
1.5〜5.0重量%、P:0.5〜3.0重量%、お
よび残り鉄として設定することができる。
〔発明の効果]
本発明の高合金再溶融カムシャフトの製造方法は、以上
のように、モリブデン2.5〜15.0重量%、炭素1
.5〜5.0重量%、りん0.5〜3.0重量%、ニッ
ケル0.1〜5.0重量%、および残りの成分として鉄
の各粉末を含む粉末シートをカムシャフトのカム面に貼
着した後、高エネルギービームにて上記の粉末シートと
カムの表層部とを溶融して、カムの表層部に高合金再溶
融層を形成する構成である。
のように、モリブデン2.5〜15.0重量%、炭素1
.5〜5.0重量%、りん0.5〜3.0重量%、ニッ
ケル0.1〜5.0重量%、および残りの成分として鉄
の各粉末を含む粉末シートをカムシャフトのカム面に貼
着した後、高エネルギービームにて上記の粉末シートと
カムの表層部とを溶融して、カムの表層部に高合金再溶
融層を形成する構成である。
これにより、高合金再溶融層がマルテンサイト化されて
、カムの表面硬さが向上すると共に、引張残留応力を低
減することができ、カムの耐ピツチング強度を向上する
ことができるという効果を奏する。
、カムの表面硬さが向上すると共に、引張残留応力を低
減することができ、カムの耐ピツチング強度を向上する
ことができるという効果を奏する。
第1図(a)〜(d)、第2図および第3図は本発明の
一実施例を示すものである。 第1図(a)〜(d)は高合金再溶融カムシャフトの製
造工程を示す説明図である。 第2図は粉末としてニッケル1.0重量%を含む粉末シ
ートを使用して製造した高合金再溶融カムシャフトの高
合金再溶融層の金属組織を示す光学顕微鏡による図面代
用写真である。 第3図は粉末としてニッケル1.0重量%を含む粉末シ
ートを使用して製造した高合金再溶融カムシャフトの高
合金再溶融層の金属組織を示す電子顕微鏡による図面代
用写真である。 第4図および第5図は従来例を示すものである。 第4図はニッケルを含まない粉末シートを使用して製造
した高合金再溶融カムシャフトのカムにおける高合金再
溶融層の金属組織を示す光学顕微鏡による図面代用写真
である。 第5図はニッケルを含まない粉末シートを使用して製造
した高合金再溶融カムシャフトのカムにおける高合金再
溶融層の金属組織を示す電子顕微鏡による図面代用写真
である。 ■はカム、2は粉末シート、3は高合金再溶融層、5は
TIG)−チである。
一実施例を示すものである。 第1図(a)〜(d)は高合金再溶融カムシャフトの製
造工程を示す説明図である。 第2図は粉末としてニッケル1.0重量%を含む粉末シ
ートを使用して製造した高合金再溶融カムシャフトの高
合金再溶融層の金属組織を示す光学顕微鏡による図面代
用写真である。 第3図は粉末としてニッケル1.0重量%を含む粉末シ
ートを使用して製造した高合金再溶融カムシャフトの高
合金再溶融層の金属組織を示す電子顕微鏡による図面代
用写真である。 第4図および第5図は従来例を示すものである。 第4図はニッケルを含まない粉末シートを使用して製造
した高合金再溶融カムシャフトのカムにおける高合金再
溶融層の金属組織を示す光学顕微鏡による図面代用写真
である。 第5図はニッケルを含まない粉末シートを使用して製造
した高合金再溶融カムシャフトのカムにおける高合金再
溶融層の金属組織を示す電子顕微鏡による図面代用写真
である。 ■はカム、2は粉末シート、3は高合金再溶融層、5は
TIG)−チである。
Claims (1)
- 1.カムシャフトのカムの表面に高合金再溶融層を形成
する高合金再溶融カムシャフトの製造方法において、 モリブデン2.5〜15.0重量%、炭素1.5〜5.
0重量%、りん0.5〜3.0重量%、ニッケル0.1
〜5.0重量%、および残りの成分として鉄の各粉末を
含む粉末シートをカムシャフトのカム面に貼着した後、
高エネルギービームにて上記の粉末シートとカムの表層
部とを溶融して、カムの表層部に高合金再溶融層を形成
することを特徴とする高合金再溶融カムシャフトの製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32930089A JPH03188281A (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | 高合金再溶融カムシャフトの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32930089A JPH03188281A (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | 高合金再溶融カムシャフトの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH03188281A true JPH03188281A (ja) | 1991-08-16 |
Family
ID=18219922
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP32930089A Pending JPH03188281A (ja) | 1989-12-15 | 1989-12-15 | 高合金再溶融カムシャフトの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH03188281A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106077985A (zh) * | 2016-07-04 | 2016-11-09 | 阳泉煤业集团华越机械有限公司 | 一种液压油缸活柱表面激光熔覆不锈钢板的激光焊方法 |
-
1989
- 1989-12-15 JP JP32930089A patent/JPH03188281A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106077985A (zh) * | 2016-07-04 | 2016-11-09 | 阳泉煤业集团华越机械有限公司 | 一种液压油缸活柱表面激光熔覆不锈钢板的激光焊方法 |
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